JP2795464B2 - 二方向形状記憶コイルばねの製造方法 - Google Patents

二方向形状記憶コイルばねの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、形状記憶合金からなり、自発形状変化量の
大きい二方向形状記憶コイルばねが得られる製造方法に
関するものである。
〔従来の技術とその課題〕
形状記憶合金は産業分野に広く用いられており、その
材料形状は多種にわたるが、形状回復の際の変化量を大
きくできる形状という観点から効果的なコイルばねとし
て一般に利用されている。
このコイルばねは第10図に示すように通常高温相であ
る母相の形状のみを記憶する一方向形状記憶のコイルば
ね(1)とバイアスばね(2)とを組合せて用いるもの
であるが、バイアスばねを必要とするため材料コストの
点や、アクチュエーター等の設計において、その寸法を
小型化できないなどの難点がある。
そこで高温相に加え、低温相であるマルテンサイト相
の形状も記憶する二方向形状記憶を利用したコイルばね
が開発され、上記の問題を解決する試みがなされた。こ
の二方向形状記憶コイルばねは、温度の上下に対して可
逆的に繰り返し変形動作するものであり、第11図に示す
ように(a)の低温において伸びているものが(b)の
高温において縮み、また(c)の低温において伸び、
(d)の高温において縮む形状を可逆的に繰り返すもの
である。また上記とは逆に低温で縮んでいるものが高温
で伸び、低温で縮み、さらに高温で伸びる形状を可逆的
に繰り返すものもある。
これらの二方向形状記憶は、強度に変形したり拘束状
態で熱処理を行なうと現れることが知られている。
しかしながらこのような方法では、二方向形状記憶コ
イルばねの高温側と低温側の両方の形状を正確に記憶さ
せることおよび発生力や温度ヒステリシスの制御が困難
であり、またコイルばねの場合、強加工を施すことが難
しく、高温側と低温側の形状の差である自発形状変化量
が小さいために適用範囲が狭く、産業上用いられること
が少なかった。特に高温で伸び、低温で縮む二方向形状
記憶効果の自発形状変化量が小さく問題とされていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
発明は上記の問題について検討の結果、比較的簡単な
方法により形状記憶コイルばねに自発形状変化量が大き
く、かつ記憶特性の優れた二方向形状記憶コイルばねが
得られる製造方法を開発したものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明は、形状記憶合金線をコイルばねに成形し、形
状記憶熱処理を行なった後、該コイルばねを軸方向に逆
転する方向に巻替え、次いで該コイルばねに引張り加工
を施して、高温で縮み低温で伸びる二方向のばね性を付
与することを特徴とする二方向形状記憶コイルばねの製
造方法であり、また形状記憶合金線をコイルばねに成形
し、形状記憶熱処理を行なった後、該コイルばねを軸方
向に逆転する方向に巻替え、次いで該コイルばねに引張
り加工を施した後、さらに該コイルばねを軸方向に逆転
する方向に再巻替えを行ない、高温で伸び低温で縮む二
方向のばね性を付与することを特徴とする二方向形状記
憶コイルばねの製造方法である。
すなわち本発明は、第1図に製造工程の概略を示すよ
うに、先ずNi−Ti合金などの形状記憶合金線からなるコ
イルばね(1)を図(a)に示すように例えば伸びた状
態にして所定の形状記憶熱処理を行なった後、このコイ
ルばねを図(b)に示すように軸方向に対して逆転する
方向に巻替えを行なって歪を与えるものである。この巻
替えを詳しく説明すると、第2図に示すように伸びた状
態のコイルばね(1)をそのまま心棒(3)に通し、そ
の一端を固定端子(4)により固定し、別の一端を心棒
(3′)の固定端子(4′)に固定し、心棒(3′)を
矢印方向に回転して心棒(3)のコイルばね(1)を心
棒(3′)に密着状態のコイルばね(1′)に巻替えを
行なうものである。この際コイルばね(1)は、第3図
(a)に示すように最初のコイルばねが右巻であれば、
巻替えにより(b)図のように左巻となり、コイルの巻
き畳み順序は(a)図のの左端に位置するものが巻替
えにより(b)図ののように右端に位置するようにそ
れぞれ逆転する。上記の巻き畳み順序を逆転させる巻替
えを行なうことにより、コイルばねに与えた歪量は、第
4図に示すように巻替え前のコイルばね(1)の自由長
(ε)と巻替え後のコイルばね(1′)の自由長(ε
)とをプラスした大きい剪断歪量をコイルばねに加え
たことになる。この結果、高温で元の記憶形状に戻ろう
とするので密着力の強い密着ばねが得られるものであ
る。
さて、上記のように密着状態に巻替えたコイルばね
は、この後第1図(c)に示すように引張り加工を行な
って強加工を施すものである。この様子を詳しく説明す
ると第5図に示すように心棒(3)にコイルばね(1)
を巻付け一端を固定端子(4)により固定してコイルば
ねの別の一端を矢印方向に引張ってコイルばねに強加工
を施すものである。このとき与えた剪断歪量と先の巻替
えにより与えた剪断歪量の和が、コイルばねに付与した
剪断歪量であり、後述する実施例により明らかなように
この歪量は7〜12%の範囲に与えることが適当である。
この剪断歪量を大きく付与すれば自発形状変化歪量は
大きくなるが12%を越えた加工剪断歪量を与えても自発
形状変化量は飽和しかつコイルばねの形状が変わるため
である。また7%未満の加工剪断歪量では従来の加工剪
断歪と同じ程度で自発形状変化歪量の改善は望めない。
以上の工程を経て製造されたコイルばねは、第1図
(d)および(e)に示すように高温で縮み、低温で伸
びる二方向の可逆的な動作を自発形状変化歪量が2%程
度と極めて大きい範囲で繰返すことが可能である。
また上記の剪断歪量を付与したコイルばねは、低温と
高温の繰返しサイクルにおいても、低温と高温の形状を
正確に記憶していることが確認されている。
なお上記の歪量を7〜12%の範囲で適宜付与すること
により自発形状変化歪量を種々の値に設定したコイルば
ねが得られる。
次に上記の高温で縮むように成形された第1図(f)
のようなコイルばねを(g)に示すように密着するよう
に再度巻替えを行なうことにより、(h)、(i)に示
すように高温で伸び低温で縮むコイルばねが得られる。
すなわち第6図に示すように伸びた状態のコイルばね
(1)を心棒(3)に通して一端を固定端子(4)によ
り固定し、別の一端を心棒(3′)の固定端子(4′)
に固定し心棒(3′)を矢印方向に回転して心棒(3)
のコイルばね(1)を心棒(3′)に密着状態にしたコ
イルばね(1′)に巻替えを行なうものである。この際
のコイルばねは巻き畳み順序が前記の第3図に示したよ
うな逆転したコイルばねが得られる。
このようにして得られた高温で伸び、低温で縮む二方
向ばねも、高温および低温においてそれぞれ正確な形状
を記憶させることができる。
しかして本発明において用いられる形状記憶合金線
は、Ni−TiおよびNi−Ti系合金、或いはCu−Zn−Al、Cu
−Zn−Au、Cu−Al−NiなどのCu系合金、その他公知の形
状記憶合金が適用できる。このうち耐食性などの点から
Ni−TiおよびNi−Ti合金系の線が特に好ましい。
またコイルばねと同様な形状、機能を有する各種のば
ねにも適用が可能であり、線の形状も丸線、角線、異形
線など種々のものが適用できる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例について説明する。
実施例1 Niが49.5at%、Tiが50.5at%の組成のNi−Ti合金線を
D/d=9、ピッチ間隔1mm、n=10として、第1図(a)
に示す形状に成形した後、この形状で450℃に1時間保
持して形状記憶熱処理を行なった。これを第1図(b)
および第2図に示すようにコイルばね(1)を心棒
(3)に固定し、矢印方向に回転させた同径の心棒
(3′)にコイルばね(1′)を巻替え、前記の第3図
に示すように巻畳み順序が逆転するような密着コイルば
ねを作製した。次いでこのコイルばねを第1図(c)お
よび詳しくは第5図に示すように、密着ばねのばね径を
保ちながらコイルばねを引張り加工を施して第1図
(d)および(e)に示す高温で縮み、低温で伸びるコ
イルばねを作製した。以上の巻替え加工と引張り加工に
より与えた剪断歪量と自発形状変化歪量の関係を第7図
に示す。この図から加工剪断歪量が7%付近より自発形
状変化歪量が増加し、12%付近より飽和しばね形状が変
化することが判る。したがって歪量としては7〜12%の
範囲であれば、自発形状変化歪量の大きいものが得られ
ることが明らかである。なお従来例は、巻替え前のコイ
ルばねで7%の歪しか与えることができず自発形状専科
量も0.1%と小さい。
次に上記の試料のうち10.3%加工を与えた後のコイル
ばねの95℃と20℃における自然長変化を測定した。この
結果を第8図に示す。この図から本発明によるものは高
温と低温のばね長さの変化量すなわち自発形状変化歪量
が極めて大きく、しかも、高温と低温の繰返しサイクル
においてもその形状を正確に記憶していることが認めら
れる。なお従来のものはばね長さの変化量が小さい。
実施例2 実施例1において作製した第1図(f)に示すコイル
ばねを再度逆転巻替えを行なって(g)のような密着ば
ねを作製した。このコイルばね(h)および(i)に示
すような高温で伸び、低温で縮むものである。すなわち
第6図に示すように伸びた状態のコイルばね(1)を心
棒(3)を通して固定端子(4)によりその一端を固定
し、別の一端を心棒(3′)の固定端子(4′)に固定
し、心棒(3′)を矢印方向に回転して心棒(3)のコ
イルばね(1)を心棒(3′)に密着状態にしたコイル
ばね(1′)を作製した。このコイルばねの95℃と20℃
の自然長変化を測定した結果を第9図に示す。図から明
らかなように本発明によるコイルばねは、ばね長さの変
化量が従来のものに比べ著しく大きいことが判る。また
高温と低温の繰返しサイクルにおいても、その形状を正
確に記憶していることが確認された。
〔効果〕
以上に説明したように本発明によれば比較的簡単な方
法により自然形状変化歪量が大きく、かつ高温と低温の
繰返しサイクルにおける形状を正確に記憶した二方向形
状記憶コイルばねが得られるもので工業上顕著な効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る二方向形状記憶コイル
ばねの製造工程を示す概略図、第2図は本発明の製造工
程中のコイルばねの巻替え工程を示す側面図、第3図は
第2図の巻替え工程によるコイルばねの巻き畳み順序を
示す概略図、第4図はコイルばね巻替えによる剪断歪量
を表す説明図、第5図は本発明の製造工程中のコイルば
ね引張り加工方法を示す側面図、第6図は本発明の製造
工程中のコイルばね再巻替え方法を示す側面図、第7図
は本発明の製造方法によるコイルばねの加工剪断歪量と
自発形状変化歪量の関係を示す線図、第8図および第9
図は本発明の製造方法によるコイルばねの温度サイクル
とばね長さとの関係を示す線図、第10図は従来のバイア
スばねを用いた一方向形状記憶コイルばねの利用例を示
す図、第11図は二方向形状記憶コイルばねの動作を説明
する図である。 1,1′……コイルばね、2……バイアスばね、3,3′……
心棒、4,4′……固定端子。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 631 C22F 1/00 631A 685 685Z 686 686Z (56)参考文献 特開 昭59−162262(JP,A) 石川昇治 「図解・特許にみる形状記 憶合金応用アイデア集」 (昭62−12− 1) 工業調査会 PP.21−22 E.Hornbogen編 Mart ensitic Transform Sci Technology (1989) INFORMATION G ESELLSCHAFT PP.39−52 矢沢彬編 「東北大学選鉱製錬研究 所」 (昭60−9−30) 41[1] P P.35−44 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/08 C22F 1/10 C22F 1/18 F16F 1/02 B21F 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形状記憶合金線をコイルばねに成形し、形
    状記憶熱処理を行なった後、該コイルばねを軸方向に逆
    転する方向に巻替え、次いで該コイルばねに引張り加工
    を施して、高温で縮み低温で伸びる二方向のばね性を付
    与することを特徴とする二方向形状記憶コイルばねの製
    造方法。
  2. 【請求項2】形状記憶合金線をコイルばねに成形し、形
    状記憶熱処理を行なった後、該コイルばねを軸方向に逆
    転する方向に巻替え、次いで該コイルばねに引張り加工
    を施した後、さらに該コイルばねを軸方向に逆転する方
    向に再巻替えを行ない、高温で伸び低温で縮む二方向の
    ばね性を付与することを特徴とする二方向形状記憶コイ
    ルばねの製造方法。
  3. 【請求項3】巻替えおよび引張り加工における剪断歪量
    を7〜12%の範囲としたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の二方向形状記憶コイルばねの製造方法。
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Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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E.Hornbogen編 Martensitic Transform Sci Technology (1989) INFORMATION GESELLSCHAFT PP.39−52
矢沢彬編 「東北大学選鉱製錬研究所」 (昭60−9−30) 41[1] PP.35−44
石川昇治 「図解・特許にみる形状記憶合金応用アイデア集」 (昭62−12−1) 工業調査会 PP.21−22

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