JP2850923B2 - セグメント締結金具と該締結金具締結装置 - Google Patents

セグメント締結金具と該締結金具締結装置

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JP2850923B2
JP2850923B2 JP3308950A JP30895091A JP2850923B2 JP 2850923 B2 JP2850923 B2 JP 2850923B2 JP 3308950 A JP3308950 A JP 3308950A JP 30895091 A JP30895091 A JP 30895091A JP 2850923 B2 JP2850923 B2 JP 2850923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネルの外殻構造あ
るいは建築物の外殻若しくは基礎等を形成する複数のセ
グメントの各セグメント間を締結する締結金具の改良に
関し、特に、動力締結装置で締結するのに適した締結金
具とそれを締結するための締結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、モジュール化等された複数
の各セグメント間を簡単に且つ強固に接続するための締
結金具に関して既に出願している(特願昭61-263476
号, 実願昭62-143386 号) 。
【0003】この締結金具は、図5に図示するような、
接合すべき隣接するセグメントSに配筋Eによって一体
的に配設された概略形状がC形チャンネル状体の接合子
1を、そのリップ部分1aが対峙した状態で該リップ部分
1aで当接させ、その接合により形成される孔断面略H形
鋼状体の空間4に、それに合致したH形鋼状体の中子2
を挿入して二つの接合子1を締結するよう構成されてい
る。
【0004】そして、上記締結金具は、当初所定の許容
範囲内で適当に二つの接合子1を位置せしめても最終的
に所定の正確な位置状態で正確に締結できるよう、上記
孔断面が略H形鋼状体の空間を形成する各接合子1のリ
ップ部分1a内側面1a′とウェブ部分1b内側面1b′との隙
間が図6に図示するように先端で狭くなったくさび孔5
に形成され、中子2のH形鋼状体のフランジ部分2aが図
5に図示するように先端で細くなった上記くさび孔5
(図6参照)に合致するくさび片に形成されている。
【0005】このため、上記締結金具は、従来の締結金
具にはない、簡単な締結作業で正確且つ迅速に締結する
ことができ、しかも高い締結力が得られるという効果を
奏する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記締結金
具の実際の使用に際しては、二つのセグメントに配設さ
れた各接合子を当接させることにより形成される孔断面
略H形鋼状体の空間に、上記中子を緩く挿入し、次にハ
ンマーあるいは動力ハンマー等で叩いて中子基端面をさ
らに奥方の所定位置まで挿入し、所望の締結をおこなっ
ていた。
【0007】しかしながら、従来のボルト等による締結
金具に比べて格段に能率が良くなったとは言え、上述の
ような締結作業、特に、天井を向いての締結作業は作業
者にかなりの重労働を強いることにもなり、また、締結
の能率面からも、改善すべき余地があった。
【0008】本発明は、このような現況に鑑みてなされ
たもので、上記問題のないセグメントの締結金具と、そ
の締結金具を締結するための締結装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるセグメン
トの締結金具は、接合すべき隣接するセグメントにそれ
ぞれ配設され基本概略形状がC形チャンネル状体(基本
的に一側が開口し開口している内側に開口高さより高い
空間が形成されているチャンネル状体のものであれば開
口した面(リップ部分外側面)以外の外周面に凹凸等あ
るものをも含んだ広い概念のものをいう。本明細書にお
いて同じ)の接合子を、互いのリップ部分が対峙した状
態で該リップ部分で当接・接合させ、その接合により形
成される孔断面略H形鋼状体の空間に、該空間に略合致
したH形鋼状体の中子を挿入して締結するよう構成され
ている締結金具において、上記接合子のウェブ部分の基
端部内側面に凹部を形成するとともに、この凹部が形成
されている接合子のウェブ部分とそれに対面する中子側
面との間に締結装置の係合部材挿入用の空間を設けたこ
とを特徴とする。
【0010】また、本発明にかかる締結装置は、上記本
発明にかかる締結金具を締結するための締結装置であっ
て、上記接合子の凹部に係合する爪を先端に具備する係
合部材と、この係合部材を、上記係合部材挿入用の空間
に挿入・張出し可能に且つ間に上記中子を保持するよ
う、先端両側部で対峙状に支持する支持部材と、この対
峙状に支持された二つの係合部材の中央に先端の押圧金
具が位置するよう上記支持部材に取着され、先端の押圧
金具を該支持部材に対して突出・後退動させるアクチュ
エータと、このアクチュエータの突出動に伴って上記係
合部材を張り出させる同期張出し手段を具備したことを
特徴とする。
【0011】
【作用】しかして、本発明にかかる締結金具によれば、
締結装置の所定位置に中子を装着し、この係合部材挿入
用の空間に締結装置の係合部材を挿入して係合部材の爪
を張り出させれば、あるいは既に接合子に緩く挿入した
中子に締結装置を該中子が所定位置に装着できるようセ
ットして係合部材の爪を張り出させれば、接合子のウェ
ブ部分の基端部内面側に形成された凹部に、該係合部材
の爪を係合させることができるため、係合部材に対して
アクチュエータによって突出する押圧金具を具備した動
力締結装置を用いて簡単に、短時間で且つ強固に、さら
に、一定の所定の強さで、中子を接合子に嵌挿し、締結
することが可能となる。
【0012】また、本発明にかかる締結装置によれば、
締結装置の所定位置に中子を装着し、この係合部材挿入
用の空間に締結装置の係合部材を挿入して、あるいは既
に接合子に緩く挿入した中子に締結装置を該中子が所定
位置に装着できるようセットし、ここで締結装置を作動
させれば、アクチュエータが突出し、その突出動に伴っ
て上記係合部材の爪が張り出して、その先端の爪が締結
金具の凹部に係合し、つづく該アクチュエータの突出動
で、中子を押圧する押圧金具が中子を接合子に対してさ
らに奥方の所定位置まで挿入し、アクチュエータの所定
の押圧力に従って強固に嵌挿・締結することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0014】図1(a)〜(e)は本第1の発明の実施
例にかかる締結金具の接合子の構成を示す各図、図2
(a),(b)は図1の接合子を締結するための中子の
構成を示す正面図と平面図、図3は本第2の発明にかか
る締結金具締結装置の要部の構成を示す斜視図である。
【0015】図1(a)〜(e)において、1は接合子
で、この接合子1は締結メカニズムに関する基本的な構
成は、図5,図6に図示する従来の接合子1と同じ構成
を有する。即ち、この接合子1は、基本的形状において
一側において開口した基本概略形状がC形チャンネル状
体(図1(a)参照)をなし、そのリップ部分1aの外側
面がもう一方の接合子 (図1(a),(b),(e)の
二点鎖線参照)のリップ部分の外側面に対峙・当接する
よう構成されるとともに、このリップ部分1aの内側面1
a′が、先端側でウェブ部分1bの内側面1b′と該リップ
部分1aの内側面1a′の隙間dが狭まる方向の勾配を有す
るテーパ面に形成されている。また、上記リップ部分1a
の外側面には、接合すべきもう一方の接合子を接合面方
向に係合 (噛合) させるための、突起部1cと凹所部1dが
形成されている。この突起部1c部分は、上記もう一方の
接合子のリップ部分の凹所部と噛合し、上記凹所部1d部
分は、上記もう一方の接合子 (図1(a),(b),
(e)の二点鎖線参照)のリップ部分の突起部と噛合す
るよう構成されている。
【0016】また、両接合子1の位置決めが自動的にお
こなわれるよう、図1に図示するよう、上記突起部1cは
先端側で断面が狭くなるようなテーパ状に、また上記凹
所部1dは底面側で断面が狭くなるようなテーパ状に、そ
れぞれ形成されている。
【0017】ところで、この接合子1は、上述の従来の
接合子と異なり、締結に後述する油圧式の締結装置が使
用可能なように、接合子1の基端側の開口端部1fには、
中子2(図2参照)挿入時に後述する係合部材の挿入用
の空間Aが形成されるよう、ウェブ部分1bが後退して形
成されるとともに、その先端側には内側に凹んだ凹部1e
が形成されている。
【0018】また、本接合子1は、上述のように、締結
メカニズムに関する基本的な構成は従来の接合子と同じ
ように構成されているが、外形的には、本接合子1が一
般住居基礎等に使用されるものであり、締結力がシール
ド掘進工法に使用されるセグメント締結用のものほど高
いものが求められず、且つセグメントの大きさに合わせ
てできる限り軽量,小型化を図るという観点より、C形
チャンネル状体の外周壁の不要な部分が削除されている
ため、従来のものと外形が異なる形状を有している。
【0019】図2(a),(b)は、図1に示す接合子
1を接合するのに使用される中子2で、この中子2は、
図5に示す従来の中子と、基本的には同じ構成を有す
る。ただ、この中子2は、挿入に際し中子2を把持し、
中子2を接合子1から抜き出す際に係止するための、係
合溝2aが形成されている点で異なる。
【0020】図3,図4は、上記接合子1を二つ接合し
て形成される孔断面略H形鋼状体の空間に中子2を挿入
するための、締結装置を表し、これらの図において、11
は、上記接合子1の凹部1e (図1参照)に係合する爪
で、この爪11は、係合部材10の先端に一体的に形成され
ている。また、この爪11は、本実施例では、係合部材10
に引張力が作用すると、爪11を張り出す方向に動かそう
とする方向の分力が働くよう、該爪11の係合面11a が基
端側で先端側にひっこんだ傾斜面で構成されている。
【0021】そして、上記係合部材10は、対峙して一
対、それぞれの係合部材10の基端部が、油圧シリンダ
(アクチュエータ)20 のシリンダ基体部21に取着された
支持部材13先端部の両端に、軸14で回動自在に枢支され
ている。
【0022】また、上記支持部材13の先端面中央には、
油圧シリンダ20のロッド22(図4参照)が突出するため
の開口部23が形成されるとともに、このロッド22の先端
には、中子2(図2参照)を背面から押圧挿入するため
の押圧金具24が延設されている。
【0023】上記押圧金具24の周面には、ロッド22と同
じ径の部分24c と拡径部24b からなるカム面24a が形成
され、このカム面24a に基端が当接するピン25 (カムフ
ォロア) が上記支持部材13に装置長手方向に直交する方
向に形成された孔13a内に突出自在に遊装されている。
即ち、この実施例では、カム面24a とこのカム面24a に
よって突出自在に配置されたピン25により、同期張出し
手段が構成されている。
【0024】そして、上記係合部材10の基端部から上記
軸14を隔てて反対側に延び上記ピン25の先端に接合する
突片10a が延設されている。また、この係合部材10の軸
14の先端 (爪11)側には、該係合部材10を先端側で張り
出す側に押圧するバネ15が、該係合部材10と支持部材13
の間に介装されている。
【0025】また、上記支持部材13の先端部には、先端
が上記押圧金具24から突出するよう板バネ16が、先端側
で広がり自在に取着されている。そして、この板バネ16
の先端部には、上記中子2に形成された係合溝2aに係合
する縮径状の屈曲部16a が形成されている。
【0026】しかして、上述のように構成された締結金
具は、上記締結装置によって、以下のように、簡単に締
結することができる。
【0027】即ち、締結しようとするセグメントの締結
部分に上記締結金具の接合子を配設し、これらセグメン
トを、接合子が接合して孔断面略H形鋼状体の空間を形
成するよう概ね接合して配置する。この状態を正面から
見ると、図1(a)の実線と二点鎖線で表すような状態
となる。
【0028】そして、この状態で、図3に図示するよう
に、上下の係合部材10の間に中子2を把持させる。つま
り、装置の上記板バネ16の屈曲部16a が中子2の係合溝
2aに係合するよう、且つ押圧金具24先端面に該中子2の
基端面が接触するように、板バネ16で中子2を上下より
把持させる。
【0029】そして、次に、上記図4の中心線Oより下
方に示すように、接合子1の係合部材の挿入用の空間A
に、係合部材10が拡がる前の状態、即ち該係合部材10の
爪11が接合子1の凹部1eの中心線Oよりの部分に位置す
るよう(図4の破線参照)、且つ、中子2が接合子1の
孔断面略H形鋼状体の空間4内に位置するよう、係合部
材10と中子2を接合子1内に挿入する。
【0030】そして、締結装置のスイッチをONにすれ
ば、油圧シリンダ20が作動してロッド22が伸長する。該
ロッド22が伸長すると、上記ピン25がカム面24a によっ
て半径方向内側に引っ込み、ピン25による規制が解除さ
れるため、上記バネ15が係合部材10の爪11側を半径方向
外側に拡げ、爪11が凹部1eの内側面1e′に係合する。
【0031】この係合状態で、さらにロッド22が伸長す
ると、図4の中心線Oより上方に図示するように、中子
2背面に当接している押圧金具24がその伸長程度に合っ
て中子2を接合子1内に挿入し、最終的に、中子2が締
結すべき二つの接合子1を強固に締結する状態になるま
で挿入される。
【0032】そして、本実施例にかかる締結装置は、上
記締結過程において、爪11の係合面11a が上記傾斜面で
形成されているため、係合部材10が凹部1eに係合した状
態でさらに上記ロッド22が伸長して該係合部材10に引張
力が作用すると、その引張力に起因して係合部材10にさ
らに拡がろうとする力が生じる。このため、係合部材10
の爪11が接合子1の凹部1eから外れることはない。
【0033】
【発明の効果】本発明にかかる締結金具と締結装置によ
れば、締結に際し、動力締結装置を使用した締結作業が
可能となる。
【0034】このため、従来作業者がハンマーを使用し
て締結していたものが、締結装置あるいは接合子に中子
をセットされすれば後はスイッチをONにするだけで簡単
に所望状態の締結が可能となり、作業者の労働条件が大
幅に改善されるとともに作業性(締結作業の能率) も飛
躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本第1の発明の実施例にかかる接合子の構成
を示す図で、(a)は接合子の構成を示す正面図、
(b)はその右側面図、(c)は(b)の平面図、
(d)は接合子の接合面を示す(b)の底面図、(e)
は(a)の背面図である。
【図2】 図1に示す接合子を締結するための中子の構
成を示す図で、(a)は正面図、(b)は右側面図であ
る。
【図3】 本第2の発明の実施例にかかる締結金具締結
装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図4】 図3の締結装置の内部構造を示す中心線Oよ
り上方部分を縦断面した図である。
【図5】 従来の締結金具全体の基本的構成を示すもの
で、間にH形鋼状体の空間が構成され背面にセグメント
に固定するための鉄筋が取着された二つの接合子と、こ
のH形鋼状体の空間に挿入される前の状態の中子を表し
た斜視図である。
【図6】 二つの接合子が接合した状態でのくさび孔の
形状を示す図5のII-II 矢視断面図である。
【符号の説明】
A…接合部材挿入用空間 1…接合子 1a…リップ部分 1e…凹部 2…中子 2a…フランジ部分 2b…ウェブ部分 3…抜止め材 4…孔断面略H形鋼状体の空間 10…係合部材 11…爪 13…支持部材 20…油圧シリンダ (アクチュエータ) 24…押圧金具 24a …カム面 (同期張出し手段) 25…ピン (同期張出し手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接合すべき隣接するセグメントにそれぞれ
    配設され基本概略形状がC形チャンネル状体の接合子
    を、互いのリップ部分が対峙した状態で該リップ部分で
    当接・接合させ、その接合により形成される孔断面略H
    形鋼状体の空間に、該空間に略合致したH形鋼状体の中
    子を挿入して締結するよう構成されている締結金具にお
    いて、 上記接合子のウェブ部分の基端部内側面に凹部を形成す
    るとともに、この凹部が形成されている接合子のウェブ
    部分とそれに対面する中子側面との間に締結装置の係合
    部材挿入用の空間を設けたことを特徴とするセグメント
    の締結金具。
  2. 【請求項2】接合すべき隣接するセグメントにそれぞれ
    配設され基本概略形状がC形チャンネル状体でウェブ部
    分の基端部内面側に凹部を具備した接合子を、互いのリ
    ップ部分が対峙した状態で該リップ部分で当接・接合さ
    せ、その接合により形成される孔断面略H形鋼状体の空
    間に、接合子のウェブ部分とそれに対面する中子側面と
    の間に締結装置の係合部材挿入用の空間を残し且つ上記
    H形鋼状体の空間に略合致する断面形状を有するH形鋼
    状体の中子を、挿入・締結するための締結装置であっ
    て、 上記接合子の凹部に係合する爪を先端に具備する係合部
    材と、この係合部材を、上記係合部材挿入用の空間に挿
    入・張出し可能に且つ間に上記中子を保持するよう、先
    端両側部で対峙状に支持する支持部材と、この対峙状に
    支持された二つの係合部材の中央に位置するよう上記支
    持部材に取着され、先端の押圧金具を該支持部材に対し
    て突出・後退動させるアクチュエータと、このアクチュ
    エータの突出動に伴って上記係合部材を張り出させる同
    期張出し手段を具備したことを特徴とする締結装置。
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