JP2849799B2 - 安定化酸化ニオブゾル及びその製造方法 - Google Patents
安定化酸化ニオブゾル及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は安定化酸化ニオブゾル及
びその製造方法に関し、更に詳しくは酸化ニオブゾルと
各種の金属元素とを混合した場合に問題となるゾルの安
定性を改善したものであって、広範な原料用途に適応で
きるゾルを提供することを目的とする。また、ニオブと
他の金属元素を含有したゾルは、例えば触媒、オプトエ
レクトロニクス材料、半導体材料等の原料として極めて
有用である。
びその製造方法に関し、更に詳しくは酸化ニオブゾルと
各種の金属元素とを混合した場合に問題となるゾルの安
定性を改善したものであって、広範な原料用途に適応で
きるゾルを提供することを目的とする。また、ニオブと
他の金属元素を含有したゾルは、例えば触媒、オプトエ
レクトロニクス材料、半導体材料等の原料として極めて
有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミックス原料、電子材料等に
酸化ニオブを使用する需要が高まっており、殊にオプト
エレクトロニクス、触媒等の材料として粒子径が小さ
く、均一な粒度分布を有する酸化ニオブ原料が要求され
ている。しかしながら、酸化ニオブ原料は一般に水酸化
ニオブ、酸化ニオブ等の原料粉末を焼成し、これを粉砕
して使用されるため、その粒子は不均一であるだけでな
く、比較的粒子径の大きなニオブ原料が使用されている
のが現状である。従って、前述のような均一、微細粒子
径の酸化ニオブ原料の要求が高くなっているのが現状で
ある。
酸化ニオブを使用する需要が高まっており、殊にオプト
エレクトロニクス、触媒等の材料として粒子径が小さ
く、均一な粒度分布を有する酸化ニオブ原料が要求され
ている。しかしながら、酸化ニオブ原料は一般に水酸化
ニオブ、酸化ニオブ等の原料粉末を焼成し、これを粉砕
して使用されるため、その粒子は不均一であるだけでな
く、比較的粒子径の大きなニオブ原料が使用されている
のが現状である。従って、前述のような均一、微細粒子
径の酸化ニオブ原料の要求が高くなっているのが現状で
ある。
【0003】このような現状に於いて、上述の要求に応
じるべく近年各種の元素を微細粒子のゾルで提供する技
術が開発され、ニオブ原料についてもペルオキシニオブ
酸のゾルの技術が開示されている。(特開平3-153527号) しかしながら、このペルオキシニオブ酸ゾル(H+[NbO
2(O)2]-)は、水酸化ニオブ等の原料を強酸と過酸化水
素水を用いてペルオキシニオブ酸の水溶液とし、これを
5〜50℃の温度に保持してゾルを得るものであって、得
られたゾルには過酸化物が常に存在していることから、
その成分構成において自ずと用途が限定される。即ち、
触媒、オプトエレクトロニクス原料等への過酸化物の存
在は、他の原料との反応性などの問題で致命的である
が、この過酸化水素の存在なしではこのようなゾルは使
用できないのが現状である。また、このようなゾルの粒
子径は200オンク゛ストローム程度であり、必ずしも均一微細なニ
オブ原料として好適なものではない。従って、酸化ニオ
ブ原料として成分組成によって用途が制限されることが
ない、均一微細な酸化ニオブ原料の出現が要望されてい
るのが現状である。
じるべく近年各種の元素を微細粒子のゾルで提供する技
術が開発され、ニオブ原料についてもペルオキシニオブ
酸のゾルの技術が開示されている。(特開平3-153527号) しかしながら、このペルオキシニオブ酸ゾル(H+[NbO
2(O)2]-)は、水酸化ニオブ等の原料を強酸と過酸化水
素水を用いてペルオキシニオブ酸の水溶液とし、これを
5〜50℃の温度に保持してゾルを得るものであって、得
られたゾルには過酸化物が常に存在していることから、
その成分構成において自ずと用途が限定される。即ち、
触媒、オプトエレクトロニクス原料等への過酸化物の存
在は、他の原料との反応性などの問題で致命的である
が、この過酸化水素の存在なしではこのようなゾルは使
用できないのが現状である。また、このようなゾルの粒
子径は200オンク゛ストローム程度であり、必ずしも均一微細なニ
オブ原料として好適なものではない。従って、酸化ニオ
ブ原料として成分組成によって用途が制限されることが
ない、均一微細な酸化ニオブ原料の出現が要望されてい
るのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上述のよ
うな現状に於いて、各種の目的用途に適用できる酸化ニ
オブ材料を得るべく酸化ニオブのゾルについて鋭意検討
を重ね、その結果しゅう酸とニオブ酸化物が(CHCOO)2/N
b2O5モル比0.2〜0.8の範囲で構成される粒子径100オンク゛ス
トローム以下の酸化ニオブゾル並びにその製造方法を完成
し、先に出願を行った。(特願平5-139370号)
うな現状に於いて、各種の目的用途に適用できる酸化ニ
オブ材料を得るべく酸化ニオブのゾルについて鋭意検討
を重ね、その結果しゅう酸とニオブ酸化物が(CHCOO)2/N
b2O5モル比0.2〜0.8の範囲で構成される粒子径100オンク゛ス
トローム以下の酸化ニオブゾル並びにその製造方法を完成
し、先に出願を行った。(特願平5-139370号)
【0005】しかし、その後この酸化ニオブゾルについ
て更に検討を進めた結果、この酸化ニオブゾルの用途に
於いて、他の金属元素と併用するとゾルの安定性が低下
し、ゲル化によってゾル溶液が不均一化するために使用
できないことが明らかとなった。このような問題は、こ
の酸化ニオブゾルを他の金属元素を含有する原料と併用
する時、あるいは酸化ニオブゾル自体に金属元素を含有
させておく場合に生じるものである。従って、この酸化
ニオブゾルは、微細粒子径を有する酸化ニオブゾルとし
て優れた特性を有するにも拘らず、ニオブ以外の他の金
属元素との併用が困難であることから、その使用用途面
で制約されている。
て更に検討を進めた結果、この酸化ニオブゾルの用途に
於いて、他の金属元素と併用するとゾルの安定性が低下
し、ゲル化によってゾル溶液が不均一化するために使用
できないことが明らかとなった。このような問題は、こ
の酸化ニオブゾルを他の金属元素を含有する原料と併用
する時、あるいは酸化ニオブゾル自体に金属元素を含有
させておく場合に生じるものである。従って、この酸化
ニオブゾルは、微細粒子径を有する酸化ニオブゾルとし
て優れた特性を有するにも拘らず、ニオブ以外の他の金
属元素との併用が困難であることから、その使用用途面
で制約されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題について本発
明者らは更に検討を重ねた結果、上述のしゅう酸によっ
て安定化された酸化ニオブゾルに、予めクエン酸を含有
させておくことにより得られるゾルが、ニオブ以外の他
の金属元素との併用時にゲル化等によって不安定化せ
ず、安定な酸化ニオブゾルとして使用できることが可能
となることを見い出し、係る知見に基づき本発明を完成
したものである。
明者らは更に検討を重ねた結果、上述のしゅう酸によっ
て安定化された酸化ニオブゾルに、予めクエン酸を含有
させておくことにより得られるゾルが、ニオブ以外の他
の金属元素との併用時にゲル化等によって不安定化せ
ず、安定な酸化ニオブゾルとして使用できることが可能
となることを見い出し、係る知見に基づき本発明を完成
したものである。
【0007】即ち本発明は、しゅう酸安定化酸化ニオブ
ゾルにクエン酸を含有してなる安定化酸化ニオブゾルに
関する。更に本発明は、しゅう酸安定化酸化ニオブゾル
にクエン酸を加えた後、アンモニア水溶液を添加するこ
とからなる安定化酸化ニオブゾルの製造方法に関し、更
に本発明は、しゅう酸安定化酸化ニオブゾルにクエン酸
を加えた後、金属塩とアンモニア水溶液を添加すること
からなる安定化酸化ニオブゾルの製造方法に関する。
ゾルにクエン酸を含有してなる安定化酸化ニオブゾルに
関する。更に本発明は、しゅう酸安定化酸化ニオブゾル
にクエン酸を加えた後、アンモニア水溶液を添加するこ
とからなる安定化酸化ニオブゾルの製造方法に関し、更
に本発明は、しゅう酸安定化酸化ニオブゾルにクエン酸
を加えた後、金属塩とアンモニア水溶液を添加すること
からなる安定化酸化ニオブゾルの製造方法に関する。
【0008】
【作用】本発明で使用するしゅう酸安定化酸化ニオブゾ
ルは、本願出願人が先に出願した発明である特願平5−
139370号に記載しているゾルであって、しゅう酸
とニオブ酸化物が(HCOO)2/Nb2O5モル比0.2〜0.8の範囲
で構成され、粒子径100オンク゛ストローム以下のゾルである。ま
たこのゾルは、酸化ニオブの粒子がしゅう酸と強固に結
合することによって安定化された新規なゾルである。こ
のしゅう酸安定化酸化ニオブゾルについて更に詳述する
と、その製造方法は、例えば活性な水酸化ニオブ化合物
に(HCOO)2/Nb2O5モル比0.9〜2.0の範囲となるようにし
ゅう酸を加え、温度90℃以上で4時間以上の加熱反応を
行うこうとにより得ることができる。
ルは、本願出願人が先に出願した発明である特願平5−
139370号に記載しているゾルであって、しゅう酸
とニオブ酸化物が(HCOO)2/Nb2O5モル比0.2〜0.8の範囲
で構成され、粒子径100オンク゛ストローム以下のゾルである。ま
たこのゾルは、酸化ニオブの粒子がしゅう酸と強固に結
合することによって安定化された新規なゾルである。こ
のしゅう酸安定化酸化ニオブゾルについて更に詳述する
と、その製造方法は、例えば活性な水酸化ニオブ化合物
に(HCOO)2/Nb2O5モル比0.9〜2.0の範囲となるようにし
ゅう酸を加え、温度90℃以上で4時間以上の加熱反応を
行うこうとにより得ることができる。
【0009】このようなしゅう酸安定化酸化ニオブゾル
は、このゾルと他の金属元素とを併用すると、ゾルのゲ
ル化によって溶液が不均一化する。これは例えば、この
ゾルに予め他の金属元素を含有させる場合、あるいは他
の原料と併用する際に、その原料中に含まれる金属元素
によって不均一化する場合がある。このような問題を解
決する手段として、本発明では次のような方法によって
ゾルの安定化を達成する。即ち、本発明では先ず上記の
しゅう酸安定化酸化ニオブゾルにクエン酸を加え、充分
に攪拌を行った後、次いでこれにアンモニア水溶液を添
加する。
は、このゾルと他の金属元素とを併用すると、ゾルのゲ
ル化によって溶液が不均一化する。これは例えば、この
ゾルに予め他の金属元素を含有させる場合、あるいは他
の原料と併用する際に、その原料中に含まれる金属元素
によって不均一化する場合がある。このような問題を解
決する手段として、本発明では次のような方法によって
ゾルの安定化を達成する。即ち、本発明では先ず上記の
しゅう酸安定化酸化ニオブゾルにクエン酸を加え、充分
に攪拌を行った後、次いでこれにアンモニア水溶液を添
加する。
【0010】クエン酸の添加量に関しては、酸化ニオブ
ゾルに対してクエン酸/Nb2O5モル比で0.01以上であ
る。尚、このクエン酸量は、併用する他の金属塩の使用
量とも関連し、金属塩の使用量が多くなる程、クエン酸
の使用量も多くなる。また、アンモニア水溶液の添加量
に関しては、添加するクエン酸量に対して、NH3/クエ
ン酸モル比で概ね3〜15の範囲である。
ゾルに対してクエン酸/Nb2O5モル比で0.01以上であ
る。尚、このクエン酸量は、併用する他の金属塩の使用
量とも関連し、金属塩の使用量が多くなる程、クエン酸
の使用量も多くなる。また、アンモニア水溶液の添加量
に関しては、添加するクエン酸量に対して、NH3/クエ
ン酸モル比で概ね3〜15の範囲である。
【0011】更に、本発明に於いて殊に重要な点は、し
ゅう酸安定化酸化ニオブゾルの製造時にしゅう酸に併せ
クエン酸を添加しても本発明のゾルは得られないことに
ある。即ち、本発明では必ずしゅう酸安定化酸化ニオブ
ゾルを製造した後、これにクエン酸を添加することが必
要である。このような方法により、本発明のゾルは溶液
の安定性に優れたものとなる。
ゅう酸安定化酸化ニオブゾルの製造時にしゅう酸に併せ
クエン酸を添加しても本発明のゾルは得られないことに
ある。即ち、本発明では必ずしゅう酸安定化酸化ニオブ
ゾルを製造した後、これにクエン酸を添加することが必
要である。このような方法により、本発明のゾルは溶液
の安定性に優れたものとなる。
【0012】次に、本発明の安定化酸化ニオブゾルは、
このゾルに予め金属元素を含有させて使用することもで
きる。このような金属元素として、例えばニッケル、ア
ルミニウム、銅、コバルト等の金属元素がある。本発明
のゾルに予め金属元素を添加する方法は、先ずしゅう酸
安定化酸化ニオブゾルにクエン酸を添加した後、これに
金属元素の塩とアンモニア水溶液を添加する。このよう
な金属塩の種類としては、本発明ゾルの使用目的によっ
て異なり特段限定できないが、塩化ニッケル、塩化アル
ミニウム、塩化第二銅、しゅう酸コバルト等が使用でき
る。また、金属塩の使用量に関してもゾルの使用目的に
よって異なり特に限定できないが、酸化ニオブゾルに対
して金属塩/Nb2O5モル比で0.01〜1.0の範囲である。
このゾルに予め金属元素を含有させて使用することもで
きる。このような金属元素として、例えばニッケル、ア
ルミニウム、銅、コバルト等の金属元素がある。本発明
のゾルに予め金属元素を添加する方法は、先ずしゅう酸
安定化酸化ニオブゾルにクエン酸を添加した後、これに
金属元素の塩とアンモニア水溶液を添加する。このよう
な金属塩の種類としては、本発明ゾルの使用目的によっ
て異なり特段限定できないが、塩化ニッケル、塩化アル
ミニウム、塩化第二銅、しゅう酸コバルト等が使用でき
る。また、金属塩の使用量に関してもゾルの使用目的に
よって異なり特に限定できないが、酸化ニオブゾルに対
して金属塩/Nb2O5モル比で0.01〜1.0の範囲である。
【0013】アンモニア水溶液の使用量は、前述の使用
量と同じである。更に、金属塩とアンモニア水溶液とは
予め別に混合させ、金属元素のアンモニウム錯体を形成
させた後、これを前記のクエン酸を含有するしゅう酸安
定化酸化ニオブゾルに添加してもよい。このようにして
得ることができる金属元素を含有する本発明のゾルは、
ゾル溶液の安定性に優れたものとなる。
量と同じである。更に、金属塩とアンモニア水溶液とは
予め別に混合させ、金属元素のアンモニウム錯体を形成
させた後、これを前記のクエン酸を含有するしゅう酸安
定化酸化ニオブゾルに添加してもよい。このようにして
得ることができる金属元素を含有する本発明のゾルは、
ゾル溶液の安定性に優れたものとなる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げ更に説明を行う
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
%は特に断らない限り全て重量%を示す。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
%は特に断らない限り全て重量%を示す。
【0015】(実施例1〜2)酸化ニオブ(スタルク社
製)400gを、フッ化水素酸(HF10%)4.2Lに溶解した。こ
の溶液をアンモニア水(NH315%)2.8Lに60分間で添加し
た後、フィルタープレスでろ過、洗浄し水酸化ニオブを
得た。この活性な水酸化ニオブの組成分析を行った結
果、Nb2O5は25.0%であった。この水酸化ニオブ400g
に、(HCOO)2/Nb2O5モル比1.2となるようにしゅう酸二
水和物(関東化学製試薬)57gを添加し、次いで水を添加
して全量1kgとした。この溶液を攪拌しながら還流条件
下95℃で8時間の反応を行った。反応の終結に伴い、液
は次第に青色を帯び、均一なゾル状態を呈していた。次
いで、反応後に得られたゾルを限外ろ過モジュール(旭
化成工業製SLP-1053型)を使用し、不純物の除去を行
い、本発明で使用するしゅう酸安定化酸化ニオブゾルを
得た。尚、このゾルの組成分析の結果、Nb2O5は10.0
%、pH4.0、粒子径50オンク゛ストロームであった。
製)400gを、フッ化水素酸(HF10%)4.2Lに溶解した。こ
の溶液をアンモニア水(NH315%)2.8Lに60分間で添加し
た後、フィルタープレスでろ過、洗浄し水酸化ニオブを
得た。この活性な水酸化ニオブの組成分析を行った結
果、Nb2O5は25.0%であった。この水酸化ニオブ400g
に、(HCOO)2/Nb2O5モル比1.2となるようにしゅう酸二
水和物(関東化学製試薬)57gを添加し、次いで水を添加
して全量1kgとした。この溶液を攪拌しながら還流条件
下95℃で8時間の反応を行った。反応の終結に伴い、液
は次第に青色を帯び、均一なゾル状態を呈していた。次
いで、反応後に得られたゾルを限外ろ過モジュール(旭
化成工業製SLP-1053型)を使用し、不純物の除去を行
い、本発明で使用するしゅう酸安定化酸化ニオブゾルを
得た。尚、このゾルの組成分析の結果、Nb2O5は10.0
%、pH4.0、粒子径50オンク゛ストロームであった。
【0016】このしゅう酸安定化酸化ニオブゾル200gに
クエン酸1水和物40gと水70gを添加し、10分間攪拌を行
うことにより、本発明の安定化酸化ニオブゾル(クエン酸/N
b2O5モル比2.5)を得た。(実施例1) また別に、同様にクエン酸1水和物20gと水90gを添加混
合し、本発明のゾル(クエン酸/Nb2O5モル比1.25)を得た。(実
施例2) 更に比較のために、クエン酸を添加せず水のみを添加混
合しゾルを得た。(比較例)
クエン酸1水和物40gと水70gを添加し、10分間攪拌を行
うことにより、本発明の安定化酸化ニオブゾル(クエン酸/N
b2O5モル比2.5)を得た。(実施例1) また別に、同様にクエン酸1水和物20gと水90gを添加混
合し、本発明のゾル(クエン酸/Nb2O5モル比1.25)を得た。(実
施例2) 更に比較のために、クエン酸を添加せず水のみを添加混
合しゾルを得た。(比較例)
【0017】別に、コバルトをCoとして3%を含有する
触媒原料用塩酸塩溶液を調製し、この原料16gと各々上
記の調製ゾルとを混合し、この混合液の1時間、3日、1ケ
月及び3ケ月保存後の液の状態を観察した。結果を表1に
示した。
触媒原料用塩酸塩溶液を調製し、この原料16gと各々上
記の調製ゾルとを混合し、この混合液の1時間、3日、1ケ
月及び3ケ月保存後の液の状態を観察した。結果を表1に
示した。
【0018】
【表1】 注)◎:低粘性安定、○:高粘性安定、×:ゲル状
【0019】(実施例3〜4)実施例1で得たしゅう酸
安定化酸化ニオブゾル200gに、クエン酸1水和物40gを添
加し(クエン酸/Nb2O5モル比2.5)、更にこれに29%アンモニア
水20gと水50gを添加し、10分間攪拌を行うことにより本
発明の安定化酸化ニオブゾル(NH3/クエン酸モル比2.0)を得
た。(実施例3) また別に、同様に29%アンモニア水10gと水60gを添加混
合し、本発明のゾル(NH3/クエン酸モル比1.0)を得た。(実施
例4)
安定化酸化ニオブゾル200gに、クエン酸1水和物40gを添
加し(クエン酸/Nb2O5モル比2.5)、更にこれに29%アンモニア
水20gと水50gを添加し、10分間攪拌を行うことにより本
発明の安定化酸化ニオブゾル(NH3/クエン酸モル比2.0)を得
た。(実施例3) また別に、同様に29%アンモニア水10gと水60gを添加混
合し、本発明のゾル(NH3/クエン酸モル比1.0)を得た。(実施
例4)
【0020】別に、Co 3%、Ni 1%、Al 1%を含有する
セラミックス用塩酸塩溶液を調製し、この溶液16gと各
々上記の調製ゾルとを混合し、この混合液の1時間、3
日、1ケ月及び3ケ月保存後の液の状態を観察した。結果を
表2に示した。
セラミックス用塩酸塩溶液を調製し、この溶液16gと各
々上記の調製ゾルとを混合し、この混合液の1時間、3
日、1ケ月及び3ケ月保存後の液の状態を観察した。結果を
表2に示した。
【0021】
【表2】 注)◎:低粘性安定、○:高粘性安定、×:ゲル状
【0022】(実施例5〜6)実施例1で得たしゅう酸
安定化酸化ニオブゾル200gに、クエン酸1水和物40gを添
加し(クエン酸/Nb2O5モル比2.5)、更にこれに29%アンモニア
水10g、塩化第二銅1.6g及び水60gを添加し、10分間攪拌
を行うことにより本発明の安定化酸化ニオブゾル(Cu/Nb
2O5モル比0.2)を得た。(実施例5) また別に、同様に塩化第二銅0.8gと水60.8gを添加混合
し、本発明のゾル(Cu/Nb2O5モル比0.1)を得た。(実施例
6)
安定化酸化ニオブゾル200gに、クエン酸1水和物40gを添
加し(クエン酸/Nb2O5モル比2.5)、更にこれに29%アンモニア
水10g、塩化第二銅1.6g及び水60gを添加し、10分間攪拌
を行うことにより本発明の安定化酸化ニオブゾル(Cu/Nb
2O5モル比0.2)を得た。(実施例5) また別に、同様に塩化第二銅0.8gと水60.8gを添加混合
し、本発明のゾル(Cu/Nb2O5モル比0.1)を得た。(実施例
6)
【0023】これら金属元素として銅を含有する本発明
ゾルの調製後、1時間、3日、1ケ月及び3ケ月保存後のゾル
液の状態を観察した。結果を表3に示した。
ゾルの調製後、1時間、3日、1ケ月及び3ケ月保存後のゾル
液の状態を観察した。結果を表3に示した。
【0024】
【表3】 注)◎:低粘性安定、○:高粘性安定、×:ゲル状
【0025】
【発明の効果】本発明の酸化ニオブゾルは、均一な酸化
ニオブの粒子で構成され、ニオブ以外の他の金属元素と
の併用時にゲル化によって不安定化することがなく、安
定な酸化ニオブゾルとして使用できるものである。従っ
て、本発明の酸化ニオブゾルは、触媒、オプトエレクト
ロニクス材、半導体、圧電体等を製造するためのニオブ
原料として好適であり、その用途は広範なものである。
ニオブの粒子で構成され、ニオブ以外の他の金属元素と
の併用時にゲル化によって不安定化することがなく、安
定な酸化ニオブゾルとして使用できるものである。従っ
て、本発明の酸化ニオブゾルは、触媒、オプトエレクト
ロニクス材、半導体、圧電体等を製造するためのニオブ
原料として好適であり、その用途は広範なものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 しゅう酸安定化酸化ニオブゾルにクエン
酸を含有せしめてなる安定化酸化ニオブゾル。 - 【請求項2】 クエン酸の含有量が、しゅう酸安定化酸
化ニオブゾルに対して、クエン酸/Nb2O5モル比で0.01
以上である請求項1の安定化酸化ニオブゾル。 - 【請求項3】 しゅう酸安定化酸化ニオブゾルにクエン
酸を加えた後、アンモニア水溶液を添加することからな
る安定化酸化ニオブゾルの製造方法。 - 【請求項4】 しゅう酸安定化酸化ニオブゾルにクエン
酸を加えた後、金属塩とアンモニア水溶液を添加するこ
とからなる安定化酸化ニオブゾルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30958294A JP2849799B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 安定化酸化ニオブゾル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30958294A JP2849799B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 安定化酸化ニオブゾル及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08143314A JPH08143314A (ja) | 1996-06-04 |
JP2849799B2 true JP2849799B2 (ja) | 1999-01-27 |
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JP30958294A Expired - Fee Related JP2849799B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 安定化酸化ニオブゾル及びその製造方法 |
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