JP2848047B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2848047B2 JP23733491A JP23733491A JP2848047B2 JP 2848047 B2 JP2848047 B2 JP 2848047B2 JP 23733491 A JP23733491 A JP 23733491A JP 23733491 A JP23733491 A JP 23733491A JP 2848047 B2 JP2848047 B2 JP 2848047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のプラスチックフ
ィルムあるいは金属箔とプラスチックフィルムを複合ラ
ミネートするための食品包装材用ウレタン系接着剤組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品包装材料としてアルミニウム
箔などの金属箔とポリエチレン、ポリプロピレン、塩化
ビニール、ポリエステル、ナイロンなどのプラスチック
フィルムを多層ラミネートして複合フィルム化したもの
が使用されてきた。これらのプラスチックフィルムおよ
び金属箔を張り合わせる接着剤としては、ポリエステル
ポリオールとポリイソシアネート化合物を組み合わせた
ものが知られている。
【0003】しかし、このような接着剤は、ボイル、レ
トルトの高温殺菌処理を必要とする場合、レトルト後の
積み重ねなどの作業時において、不本意の折り曲げで部
分的に接着不良が発生し、外観不良の状態になったり、
あるいは耐内容物性における耐酸性、耐熱水性および内
容物や基材によっては経時的な性能面の劣化が問題にな
ることがあった。
【0004】例えば、ポリエステルあるいはナイロンフ
ィルム/アルミニウム箔/未 延伸ポリプロピレンフィ
ルムからなる一般的な複合フィルムで作成した袋に内容
物として食酢、しょう油、ソースのような酸性度の高い
食品あるいは油性食品あるいはこれらの混合物を含む食
品を充填してレトルト処理を施すと、レトルト直後から
経時にわたって、接着強度の低下あるいはアルミニウム
箔にピンホールを発生させる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ラミネ−ト
基材に強い接着強度を得ることができ、食品包装材料と
して、レトルト後の積み重ね時における不本意による折
り曲げが原因の外観劣化を防止することが可能になった
り、更に内容物性として酸性度の高い食品や油性食品
を内容物充填した場合においても、経時的な接着強度の
低下やピンホ−ルの発生がなく、長時間にわたって強い
接着強度を維持できる接着剤組成物を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
子末端に2個以上の水酸基を含有するポリエステル樹脂
と該ポリエステル樹脂の分子末端の水酸基数の50〜9
0%を消費する量の無水芳香族多価カルボン酸とを反応
して得られる、分子末端にカルボキシル基を含有するポ
リエステル樹脂(1)10〜90重量%、ポリエステル
ポリウレタンポリオ−ル90〜10重量%よりなる混合
物、オルトリン酸またはそのエステル化合物および有機
イソシアネ−ト化合物を含有してなる接着剤組成物に関
する。
【0007】本発明に用いられるポリエステルポリウレ
タンポリオ−ルは、末端に水酸基を含有するポリエステ
ルポリオ−ルと有機ジイソシアネ−トを、NCO/OH
の比が0.5〜0.95になるように配合し、反応させ
て得られる。NCO/OHの比が0.5未満では、レト
ルト後の折り曲げによる接着不良で外観が悪くなり、
0.95を越えると、合成上未反応のイソシアネ−トが
残り易く、性能面で問題を残す。
【0008】ここで使用される末端に水酸基を含有する
ポリエステルポリオ−ルは、多塩基酸又はそのエステル
化合物と多価アルコ−ルを反応して得られるもので分子
量が800〜10000、好ましくは1000〜700
0が用いられる。分子量が800未満では、凝集力が小
さく接着強度が不十分であり、10000を越えると
成上、有機ジイソシアネ−ト化合物との反応でNCO/
OHの比を大きくしにくいという問題がある。
【0009】多塩基酸およびそのエステル化合物として
は、周知の原料を使用できる。具体的には、イソフタル
酸、テレフタル酸、無水フタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、無水テト
ラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸およびそのエステル化合物で
あり、これらを単独あるいは2種以上で使用できる。
【0010】多価アルコールの具体例としては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセ
リンなどがあり、これらを単独あるいは2種以上で使用
できる。
【0011】有機ジイソシアネ−トとしては、周知の原
料を使用できる。具体的には、2,4−トリレンジイソ
シアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、キシ
リレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシア
ネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタ
レンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−
ト、水添化ジフェニルメタンジイソシアネ−トなどがあ
り、これらを単独あるいは2種以上で使用できる。
【0012】本発明で用いられるポリエステルポリウレ
タンポリオ−ルの分子量は1000〜100000、好
ましくは5000〜20000である。分子量が100
0未満では、凝集力が小さく接着強度が不十分であり、
100000を越えると反応上、未反応のイソシアネ−
ト化合物が残り易く、合成が難しい。
【0013】本発明で使用される分子末端にカルボキシ
ル基を含有するポリエステル樹脂は、分子末端に2個以
上の水酸基を含有するポリエステル樹脂と無水芳香族多
価カルボン酸と反応させて得られる。分子末端に2個以
上の水酸基を含有するポリエステル樹脂は、多塩基酸又
はそのエステル化合物と多価アルコールの反応によって
得られる。多塩基酸又はそのエステル化合物および多価
アルコールは、前述のものが使用できる。無水芳香族多
価カルボン酸としては、無水フタル酸、無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸がある。無水化していない芳
香族多価カルボン酸を使用すると反応物が加水分解を受
け、分子量が低下する場合がある。
【0014】分子末端に2個以上の水酸基を含有するポ
リエステル樹脂の分子量は1000〜100000、好
ましくは3000〜10000が使用される。1000
未満では、凝集力が小さく接着強度が不十分であり、1
00000を越えると、合成上、末端に無水芳香族多価
カルボン酸を反応させることは難しく、ゲル化する可能
性もある。
【0015】分子末端に2個以上の水酸基を含有するポ
リエステル樹脂と無水芳香族多価カルボン酸の反応は、
無水カルボン酸の開環反応によるエステル化反応が主反
応となるように反応温度を220°C以下に制御する必
要がある。両者の反応割合は、分子末端に2個以上の水
酸基を含有するポリエステル樹脂の分子末端の水酸基の
50〜90%を消費する量の無水芳香族多価カルボン酸
を使用する。ここで、[%]とは末端水酸基の個数を基
準にしたものである。上記数値が50%未満の場合、耐
内容物性の向上が十分でない。90%を越えると、反応
上未反応物が残り易く、樹脂中に懸濁状態の形で入り、
最終的にラミネ−ト物の接着強度などの物性に悪影響を
及ぼすので好ましくない。
【0016】また、分子末端に2個以上の水酸基を含有
するポリエステル樹脂に、無水脂肪族多価カルボン酸を
反応させると、同様に末端にカルボキシル基を導入でき
るが、このようなポリエステル樹脂は耐内容物性の向上
が認められなかった。ポリエステル樹脂の合成の際、多
価カルボン酸と多価アルコールから一段階で末端にカル
ボキシル基を含有するものが得ることが可能である。し
かし、ポリエステル樹脂のカルボン酸原料として芳香族
系のカルボン酸のみを選択することは、ポリエステル樹
脂の物性をコントロールする上での問題が多い。特に、
3価あるいは4価の多価カルボン酸はポリエステル樹脂
に分岐をもたらす結果、ゲル化しやすく多量に使用でき
ない。また、芳香族多価カルボン酸は昇華性があるので
合成の際、これらの昇華物が反応釜や脱水装置内に付着
し、製造上困難をきたす。
【0017】本発明では、予め所望の物性が得られるよ
うに合成した分子末端に2個以上の水酸基を含有するポ
リエステル樹脂を出発原料として末端にカルボキシル基
を導入したものであり、上記のような問題が除去され
る。
【0018】本発明で、使用されるポリエステルポリウ
レタンポリオールは、分子末端にカルボキシル基を含有
するポリエステル樹脂100重量部に対して、10〜9
00重量部の割合で混合できる。好ましくは、30〜4
00重量部である。10重量部以下であるとレトルト後
の外観劣化が生じ、900重量部以上では耐内容物性に
おいて経時的な接着強度の低下が生じる。
【0019】本発明の接着剤組成物に用いられるオルト
リン酸又はそのエステル化合物としては、例えばオルト
リン酸、オルトリン酸モノメチル、オルトリン酸モノエ
チル、オルトリン酸モノ−2−エチルヘキシルなどがあ
る。その添加割合は、ポリエステルポリウレタンポリオ
−ルと分子末端にカルボキシル基を含有するポリエステ
ル樹脂(1)の混合物100重量部に対して0.01〜
5重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。0.
01重量部未満では、耐内容物性の経時における接着強
度の低下があり、5重量部を越えると、添加してもそれ
以上の性能の向上は認められない。
【0020】本発明において、ポリエステルポリウレタ
ンポリオールや分子末端にカルボキシル基を含有するポ
リエステル樹脂(1)等と共に用いられる有機イソシア
ネ−ト化合物としては、低分子量イソシアネ−ト化合
物、低分子量イソシアネ−トと水もしくは多価アルコ−
ルとを反応させて得られるポリウレタンイソシアネ−ト
および低分子量イソシアネ−トの二量体ないし三量体で
ある低重合物がある。低分子イソシアネ−トとしては、
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、フェニレン
ジイソシアネ−ト、2,4−あるいは2,6−トリレン
ジイソシアネ−ト、ジフェニルメタン−4,4−ジイソ
シアネ−ト、3,3−ジメチル−4,4−ビフェニレン
ジイソシアネ−ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4−
ジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−トおよび
これらの混合物が挙げられる。多価アルコ−ルとして
は、例えば、本発明で用いられるポリエステルポリウレ
タンポリオ−ルを製造する前段階のポリエステルポリオ
−ルの原料として前記したものが挙げられる。
【0021】ポリエステルポリウレタンポリオ−ルと分
子末端にカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂
(1)の混合物と、有機イソシアネ−ト化合物は、該当
混合物中の水酸基とカルボキシル基の合計に対して、有
機イソシアネ−ト化合物中のイソシアネ−ト基が当量比
にして1.0〜5.0になるように配合される。
【0022】また、これらの混合樹脂にエポキシ樹脂又
はシランカップリング剤を単独あるいはそれらを混合し
て添加することができる。エポキシ樹脂の添加量として
は、これらの混合樹脂100重量部に対して、0〜20
重量部が好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノ
−ル型エポキシ樹脂、例えばエピコ−ト1001、10
02、1004、1007(シェル社製)、イソフタル
酸グリシジルエステルなどのグリシジル系エポキシ化合
物がある。なかでもビスフェノ−ル型エポキシ樹脂が好
ましい。
【0023】本発明に用いられるシランカップリング剤
としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシランなどのビニル基を有するトリアルコキ
シシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキ
シシランなどのアミノ基を有するトリアルコキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランなどのグリシジル基を有するトリアルコキシ
シランがある。その添加割合は、ポリエステルポリウレ
タンポリオ−ルと分子末端にカルボキシル基を含有する
ポリエステル樹脂の混合物100重量部に対して0.1
〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。0.
1重量部未満では耐内容物性の経時における接着強度の
低下があり、5重量部を越えると添加してもそれ以上の
性能の向上は認められない。
【0024】本発明の接着剤組成物を用いて、多層複合
フィルムをつくるには、通常用いられている方法、例え
ば、ドライラミネーターによって接着剤を一方の基材の
片面に塗布し、溶剤を揮散させた後、他方のラミネート
基剤と貼り合わせ、常温もしくは加温下に硬化させれば
良い。ラミネート基材表面に施される接着剤の量は1〜
10g/平方メートル程度である。
【0025】
【実施例】以下、実施例について説明する。例中、
〔部〕とあるのは〔重量部〕をしめす。 (1)ポリエステルポリウレタンポリオールIの製造 イソフタル酸 380部、アジピン酸 350部、エチ
レングリコール 180部、ネオペンチルグリコール
350部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら
160〜220°Cに加熱し、エステル化反応を4時間
おこない、更に反応缶を徐々に150mmHgまで減圧
した。酸価が2以下で減圧反応を停止し、分子量400
0の前段階のポリエステルポリオールを得た。得られた
ポリエステルポリオール500部にイソホロンジイソシ
アネート15.5部(NCO/OHの比が0.56)を
徐々に加え、100〜150°Cで加熱反応する。6時
間反応後に、分子量12000のポリエステルポリウレ
タンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレ
タンポリオール500部に酢酸エチル500部を加え溶
解する。この得られた固形分50%の樹脂溶液を、ポリ
エステルポリウレタンポリオールIとする。
【0026】(2)ポリエステルポリウレタンポリオー
ルIIの製造 イソフタル酸 300部、セバシン酸 420部、ネオ
ペンチルグリコール210部、1,6−ヘキサンジオー
ル 280部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しな
がら180〜220°Cに加熱し、エステル化反応を4
時間おこない、更に反応缶内を徐々に150mmHgま
で減圧した。酸価が2以下で減圧反応を停止し、分子量
3000の前段階のポリエステルポリオールを得た。得
られたポリエステルポリオール500部にイソホロンジ
イソシアネート 29.5部(NCO/OHの比が0.
8)を徐々に加え、100〜150°Cで加熱反応す
る。6時間反応後に分子量18000のポリエステルポ
リウレタンポリオールを得、その500部を酢酸エチル
500部で溶解し、固形分50%の樹脂を得た。これ
を、ポリエステルポリウレタンポリオールIIとする。
【0027】 (3)ポリエステルポリオ−ルIの製造 比較としてイソホロンジソシアネ−トを除いた以外
は、ポリエステルポリウレタンポリオ−ルIの製造と同
じ方法で、分子量6000の固形分50%のポリエステ
ルポリオ−ルを得た。これを、ポリエステルポリオ−ル
Iとする。
【0028】 (4)分子末端に2個以上の水酸基を含有するポリエス
テル樹脂Aの製造 ジメチルテレフタレ−ト 480部、エチレングリコ−
ル 536部、ネオペンチルグリコ−ル 680部およ
び触媒としてテトラブチルオルソチタネ−ト0.28部
を反応缶に仕込み、窒素気流下で撹拌しながら160〜
220°Cに加熱してエステル交換反応をおこなった。
約4時間で理論量の95%のメタノ−ルが留出した。次
に、この反応缶にイソフタル酸 412部、アジピン酸
726部を仕込み、180〜240°Cでエステル化
反応をおこなった。酸価が10以下になったところで反
応缶を徐々に減圧し、1mmHg以下、240°Cで2
時間重合させ、酸価0.5、水酸基価16.0、分子量
7000の両末端に水酸基を含有するポリエステル樹脂
を得た。
【0029】(5)分子末端にカルボキシル基を含有するポリエステ
ル樹脂Iの製造 ポリエステル樹脂500部に対して無水トリメリット
酸 22部を加え、180°Cで2時間反応させた。液
体クロマトグラフを用いて反応缶中の未反応の無水トリ
メリット酸が存在しないことを確認した後、取り出し
た。得られた樹脂は、ポリエステル樹脂分子末端水
酸基の約80%が無水トリメリット酸と反応したもので
あり、酸価23、水酸基価3.2であった。得られた樹
脂500部を酢酸エチル500部で溶解し、固形分50
%の樹脂溶液にしたものを、分子末端にカルボキシル基
を含有するポリエステル樹脂I(以下、ポリエステル樹
脂Iという)とする。
【0030】(6)分子末端に2個以上の水酸基を含有するポリエス
テル樹脂Bの製造 イソフタル酸 320部、アジピン酸 210部、エチ
レングリコ−ル 120部、ネオペンチルグリコ−ル
200部、1,6−ヘキサンジオ−ル 90部を反応缶
に仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら、160〜22
0°Cに加熱し、エステル化反応を約5時間おこなっ
た。更に反応缶を徐々に1mmHgまで減圧し、240
°Cで2時間重合させ、両末端に水酸基を含有するポリ
エステル樹脂を得た。得られた樹脂の水酸基価は2
8.0、酸価は0.5、分子量は4000であった。(7)分子末端にカルボキシル基を含有するポリエステ
ル樹脂IIの製造 ポリエステル樹脂500部に対して無水トリメリット
酸 28.8部を加え、180°Cで2時間反応させ
た。得られた樹脂は、ポリエステル樹脂の末端水酸基
の60%を消費させたもので、酸価は7.2、水酸基価
は4.5であった。得られた樹脂500部に対して酢酸
エチル500部を加えて溶解し、固形分50%の樹脂溶
液を得た。これを、分子末端にカルボキシル基を含有す
るポリエステル樹脂II(以下、ポリエステル樹脂II
という)とする。
【0031】(8)分子末端にカルボキシル基を有し、過量の水酸基
をも有するポリエステル樹脂IIIの製造 比較として前記ポリエステル樹脂500部に対して、
無水トリメリット酸を8.2部加えた。これは、ポリエ
ステル樹脂水酸基の30%が消費されたのに相当す
る。同操作により、酸価が1.2、水酸基価が11.2
の樹脂を得、これを酢酸エチルで固形分50%にしたも
のを、分子末端にカルボキシル基を有し、過量の水酸基
をも有するポリエステル樹脂III(以下、ポリエステ
ル樹脂IIIという)とする。
【0032】ポリエステルポリウレタンポリオ−ルI及
びII、ポリエステルポリオ−ルI、ポリエステル樹脂
I〜III、ポリエステル樹脂A、オルトリン酸又はオ
ルトリン酸モノエチル、およびポリイソシアネ−ト化合
物であるコロネ−トHL(日本ポリウレタン株式会社製
商品名固形分75%酢酸エチル溶液)、又、シランカ
ップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランを表1に記載するように配合し、接着剤N
O.1〜NO.10を調合した。尚、表1中におけるポ
リエステル樹脂I、IIは、分子末端に2個以上の水酸
基を含有するポリエステル樹脂A又はBと該ポリエステ
ル樹脂の分子末端の水酸基数の50〜90%を消費する
量の無水芳香族多価カルボン酸とを反応して得られる、
分子末端にカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂
I、IIを示す。また、ポリエステル樹脂IIIは、分
子末端にカルボキシル基を有し、過量の水酸基をも有す
るポリエステル樹脂IIIを示す。また、表1中の数字
は重量部を示す。
【0033】
【表1】
【0034】接着剤NO.1〜NO.10を用いて、ナ
イロンフィルム/アルミニウム箔/未延伸ポリプロピレ
ンフィルムの複合ラミネート材をつくり、性能試験をお
こなった。試験法は次のとおりである
【0035】はくり試験 被着体:ナイロンフィルム(厚み15ミクロン)、アル
ミニウム箔(厚み9ミクロン)、未延伸ポリプロピレン
(厚み70ミクロン) 接着剤塗布量:4〜5g/平方メ−トル 硬化条件:40℃ 4日間 試験試料:表1に記載の各接着剤組成物をまずナイロン
フィルムにドライラミネ−タ−によって塗布し、溶剤を
揮散させた後、アルミニウム箔面の表面に合わせた。ア
ルミニウム箔の他の面にもドライラミネ−タ−により同
接着剤組成物を塗布した後、溶剤を揮散させ、接着剤
面を未延伸ポリプロピレンフィルムに合わせた。その
後、接着剤組成物を硬化させた。上記試験試料を200
mm×25mmの大きさに切断した。これらの試験片を
用いてASTM D1876−61の試験法に準じて引
っ張り試験機によって荷重速度300mm/分でT型は
くり試験をおこなった。未延伸ポリプロピレンフィルム
とアルミニウム箔との間のはくり強度(Kg/25mm
巾)を10ヶの試験片の平均値で示した。
【0036】耐熱、耐食品性試験 ナイロンフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/
未延伸ポリプロピレンフィルムの多層構造体を有する袋
を、はくり試験で用いた試験試料と同じ方法で作製し
た。この袋に、3%酢酸とサラダ油とトマトケチャップ
を重量比で1対1対1に混合したス−プを充填した。こ
の袋を135°C、30分間熱水殺菌処理(レトルト処
理)した後、アルミニウム箔とポリプロピレンフィルム
間のはくり強度および60°C、2週間保存後のはくり
強度を測定した。試験は、各々10袋についておこなっ
た。
【0037】レトルト後の折り曲げ試験 前記の耐熱、耐食品性試験においてレトルト後、試験片
のナイロンフィルム側が表および裏になるように各々2
つに折り曲げる。折り曲げた部分を90度角のポリエチ
レン製構造物の角に強く押し当て、往復10回しごいた
後、肉眼で折り曲げた部分のはくりの有無、アルミニウ
ム箔のピンホールの有無を観察した。
【0038】結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2から明らかなように本発明による接着
剤組成物(NO.1、NO.2、NO.3、NO.4、
NO.5、NO.6)は、いずれもレトルト後の耐折り
曲げ性が優れ、又レトルト後の長期保存に対して接着強
度の低下およびアルミニウム箔のピンホ−ルも認められ
なかった。これに対して、分子末端に2個以上の水酸基
を含有するポリエステル樹脂と該ポリエステル樹脂の分
子末端の水酸基数の50〜90%を消費する量の無水芳
香族多価カルボン酸とを反応して得られる、分子末端に
カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂(1)以外
樹脂、およびオルトリン酸又はこのエステル化合物を
使用していない比較品(NO.8、NO.9、NO.1
0)は、いずれもレトルト直後は接着強度は低下してい
ないが、長期保存後の接着強度は強度低下が顕著であっ
た。又、ポリエステルポリウレタンポリオ−ルの代わり
にウレタン化していないポリエステルポリオ−ルを使用
した比較品(NO.7)は、長期保存後の接着強度の低
下は認められなかったが、耐折り曲げ性でナイロンフィ
ルムとアルミニウム箔の間に部分的なはくり状態が認め
られた。
【0041】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、ラミネート基
材に強い接着強度を得ることができ、食品包装材料とし
て、レトルト後の積み重ね時における不本意による折り
曲げが原因の外観劣化を防止することが可能になった
り、更に対内容物性として酸性度の高い食品や油性食品
を内容物充填した場合においても、経時的な接着強度の
低下やピンホールの発生がなく、長期間にわたって強い
接着強度を維持できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−84482(JP,A) 特開 昭58−122977(JP,A) 特開 昭61−209282(JP,A) 特開 平2−32186(JP,A) 特開 昭48−14730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 175/00 - 175/16 C08L 75/00 - 75/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子末端に2個以上の水酸基を含有するポ
    リエステル樹脂と該ポリエステル樹脂の分子末端の水酸
    基数の50〜90%を消費する量の無水芳香族多価カル
    ボン酸とを反応して得られる、分子末端にカルボキシル
    基を含有するポリエステル樹脂(1)10〜90重量
    %、ポリエステルポリウレタンポリオ−ル90〜10重
    量%よりなる混合物、オルトリン酸またはそのエステル
    化合物および有機イソシアネ−ト化合物を含有してなる
    接着剤組成物。
  2. 【請求項2】シランカップリング剤を配合してなる請求
    項1記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 分子末端に2個以上の水酸基を含有するポ
    リエステル樹脂の水酸基数の60〜80%を消費してな
    る請求項1又は2記載の接着剤組成物。
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