JP2847416B2 - 耐熱性及び耐光性に優れた難燃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
耐熱性及び耐光性に優れた難燃性スチレン系樹脂組成物Info
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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- C08L25/00—Compositions of, homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L25/02—Homopolymers or copolymers of hydrocarbons
- C08L25/04—Homopolymers or copolymers of styrene
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Description
〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性及び耐光性に優れた難燃性スチレン
系樹脂組成物に関するものである。 〔従来の技術〕 (1)背景 従来、スチレン系樹脂をヘキサブロモシクロドデカン
(以下“HBCD"ともいう)で難燃化する際の熱安定剤と
しては、例えば、特公昭59−43060号公報に記載されて
いるように、有機スズ系ポリマーとイソプロピリデンジ
フェニル基含有有機リン系化合物又は特公昭62−34784
号公報記載の如く、有機スズ系化合物と有機リン系化合
物とエポキシ化合物とを配合することが知られている。 (2)従来技術の問題点 しかし上記公知のHBCDによるスチレン系樹脂の難燃化
法では、 HBCD自体の耐熱、耐光性が悪く、かつ、これにより
熱安定化した成型樹脂が着色するため、淡色用途の成型
品には使用できない、 成型時にHBCD自体の熱分解が起こり、発生した臭化
水素により金型が腐食するのみでなく、樹脂の物性、耐
光性及び難燃性が低下する、 HBCD中の異性体の含有割合が一定でないため、添加
樹脂の物性変動による品質不良や信頼性に問題がある、 成型温度の精密な管理が必要なため、成型加工メー
カーが使い辛い、 成型屑の再利用が困難である、 等の問題点があった。 〔発明が解決しようとする課題〕 以上の実情に鑑み、本発明は、特定の高融点HBCD異性
体と熱安定剤を併用することによって、従来技術におけ
る上記問題点を解決した、難燃化スチレン系樹脂組成物
を提供することを目的とする。
系樹脂組成物に関するものである。 〔従来の技術〕 (1)背景 従来、スチレン系樹脂をヘキサブロモシクロドデカン
(以下“HBCD"ともいう)で難燃化する際の熱安定剤と
しては、例えば、特公昭59−43060号公報に記載されて
いるように、有機スズ系ポリマーとイソプロピリデンジ
フェニル基含有有機リン系化合物又は特公昭62−34784
号公報記載の如く、有機スズ系化合物と有機リン系化合
物とエポキシ化合物とを配合することが知られている。 (2)従来技術の問題点 しかし上記公知のHBCDによるスチレン系樹脂の難燃化
法では、 HBCD自体の耐熱、耐光性が悪く、かつ、これにより
熱安定化した成型樹脂が着色するため、淡色用途の成型
品には使用できない、 成型時にHBCD自体の熱分解が起こり、発生した臭化
水素により金型が腐食するのみでなく、樹脂の物性、耐
光性及び難燃性が低下する、 HBCD中の異性体の含有割合が一定でないため、添加
樹脂の物性変動による品質不良や信頼性に問題がある、 成型温度の精密な管理が必要なため、成型加工メー
カーが使い辛い、 成型屑の再利用が困難である、 等の問題点があった。 〔発明が解決しようとする課題〕 以上の実情に鑑み、本発明は、特定の高融点HBCD異性
体と熱安定剤を併用することによって、従来技術におけ
る上記問題点を解決した、難燃化スチレン系樹脂組成物
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕 (1)概念 本発明は、スチレン系樹脂の難燃剤としてこれまで使
用されてきたHBCDの本態を追及した結果、既存のHBCDに
は融点206℃の高融点異性体と融点159℃の低融点異性体
が含まれており、これらの内、高融点の異性体はスチレ
ン系樹脂の難燃化に適当であるが、低融点のものは、成
型時の作業温度で分解してしまい、目的上不適当である
ことを確認した。そして進んで、市販のHBCD製品が示す
好ましくない挙動は、高融点異性体以外の低融点HBCD異
性体と5臭素化体以下の低ブロム化合物の混在に因るも
のであることを確認した。 (2)概要 本発明は以上の知見に基づくもので、その要旨は、ス
チレン系樹脂と、融点206℃の高融点異性体含有率80重
量%以上のヘキサブロモシクロドデカンと、熱安定剤か
らなることを特徴とする耐熱性及び耐光性に優れた難燃
性スチレン系樹脂組成物に存する。 以下、発明の構成に係る主要な事項につき項分けして
記載する。 (3)スチレン系樹脂 本発明を組成するスチレン系樹脂は、スチレンモノマ
ーの重合体、α−メチルスチレン・スチレンモノマー共
重合体等の一般的にスチレン系樹脂と称されるものであ
る。なお、本樹脂は、少量のブタジエン、メチルメタク
リレート、アクリルニトリル、臭素化スチレン、無水マ
レイン酸、イタコン酸等の第三成分を含んでもよい。 (4)HBCD 本発明組成物を構成するHBCDは、融点206℃の高融点
異性体80重量%以上のものである。融点159℃の低融点
異性体は、含まれないか又は含まれていても20重量%未
満であり、かつ5臭素化体以下の低ブロム体の有量が0.
5重量%以下、殊に0.1重量%以下であるのが好ましい。 かかるHBCDは、市販のHBCDをソルビリティパラメータ
ー(S.P)8〜12の極性溶剤単独又はC1〜C5のアルコー
ルとの混合溶剤で精製することにより得られる。 HBCDの高融点異性体と低融点異性体との配合比を一定
に調整するには、高純度の高融点異性体を窒素ガスの導
入下に有機溶剤中で加熱して熱転位させることにより、
高純度の低融点異性体に変化させ、得られた高純度の低
融点異性体を適宜混合するのがよい。なお、無溶剤下に
高融点異性体をその融点以上の温度に加熱して熱転位さ
せることも可能であるが、ともすれば熱分解のため、高
純度の低融点異性体を得ることは困難である。 また、比較的耐熱性のよい高融点異性体の単体であっ
ても、融点以上の温度に加熱されると着色し、臭化水素
ガスを発生して5臭素化体以下の低臭化物に変化する。 なお、公知の合成技術に基づいて得られるHBCDは、有
機溶剤中でt−t−c−シクロドデカトリエンと臭素を
反応させるものであるが、反応系内に生成するHBCD中の
高融点HBCD異性体と低融点HBCD異性体の比率は、略々65
/35の割合で、殆ど一定である。また、5臭素化体以下
の不純物の生成は、反応条件により異なるが、大凡15〜
20重量%程度である。 反応生成物中の5臭素化体以下の化合物は、スチレン
系樹脂に添加した場合、耐熱、耐光性を著しく低下させ
るが、低融点異性体は、高融点異性体に比べて耐熱性は
劣るが、樹脂との相溶性に優れ、樹脂の物性を安定させ
る働きをするようである。 (5)熱安定剤 本発明組成物における熱安定剤の内、ペンタエリスリ
トール型ジホスファイト化合物として、例えば、ジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニール)−ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト等が挙げられる。 また有機スズ含硫化化合物としては、例えばジブチル
スズ−3−メルカプトプロピオン酸塩、ジ−n−オクチ
ルスズ−3−メルカプトプロピオン酸塩、ジブチルスズ
メルカプト酢酸塩、ジエチレングリコールビス(ブチル
スズチオアセテート)、ジブチルスズサルファイド、ジ
オクチルスズサルファイド、ジブチルスズジオクチルメ
ルカプタイド、ジメチルスズビス(エチレンゴリコール
モノチオグリコレート)、ジブチルスズビス(エチレン
グリコールモノチオグリコレート)等が挙げられ、これ
らを併用し又は他の安定剤と併用することもできる。但
し場合により、安定剤及び樹脂組成物との拮抗作用によ
り、安定剤が低下することがある。 (6)配合など 熱安定剤の添加方法は、いずれの方法であってもよい
が、本発明所定のHBCDに添加して樹脂に配合する方法の
採用が好ましい。 通常、スチレン系樹脂100重量部に対して、当該HBCD
を0.5〜10重量部の比率で添加するのがよく、熱安定剤
は、該HBCD100重量部に対して0.2〜10重量部添加されれ
ば充分である。 (7)成型温度 成型加工温度は、200〜235℃の範囲が適当である。20
0℃未満では樹脂の流動性が低下し、また240℃以上にな
ると、着色及び分解が生じる恐れがある。 〔作用〕 本発明は、難燃性を付与する成分として、高融点異性
体含有率80重量%以上のHBCDを使用したことにより、耐
熱性及び耐光性に優れた難燃性スチレン系樹脂組成物を
可能としたものである。 〔実施例〕 以下実施例により本発明実施の態様及び効果につき述
べるが、例示は単に説明用のものであって、発明思想の
限定又は制限を意図したものではない。 なお、実施例中「部」及び「%」は重量基準を表す。 実施例1(HBCD試料の調製) (a)HBCDの合成 イソアミルアルコール420部、BF3・エチルエーテル錯
塩4.2部をフラスコに仕込み、反応温度20〜30℃で臭素4
95部(3.09モル)と1,5,9−シクロドデカトリエン162部
(1モル)を同時に滴下し、滴下終了後、2時間撹拌を
続けた。反応系内に生成した粗製HBCDの組成は、高融点
HBCD57.8%、低融点HBCD26.2%、5臭素化体以下16.0%
であった。 次いで、反応系を20℃に冷却し、20%のソジウムメチ
ラート−メタノール溶液を加えてpH8〜8.5に中和した。
生成した結晶を濾取し、メタノールで洗浄して、通常の
HBCD(異性体混合物)559部を得た。 次に通常のHBCD200部をメチルイソブチルケトン(S.P
8.4)160部とメタノール140部との混合溶剤中に添加
し、70℃で1時間撹拌、溶解させた。 上記溶液を25℃に冷却し、生成した結晶を濾取し、10
0部のメタノールで洗浄後、乾燥して、高純度高融点HBC
D65部を得た。 得られた高純度の高融点異性体100部をキシレン200部
中、窒素ガスを導入しながら加熱し、キシレンを留去し
ながら昇温させ、190℃で40分間保持後、冷却した。そ
の後、真空乾燥して溶剤を除去し、高純度の低融点HBCD
を得た。 得られた高純度高融点異性体と高純度低融点異性体を
適当に配合し、下表−1記載の特定HBCDを調整した。 異性体等の分析は、逆相液体クロマト法による。MP
(融点)の測定は、Rigaku TAS DCS 8230による。 なお、表−1中、Dは高純度高融点異性体と高純度低
融点異性体を93:7の割合で混合したものである。また、
Eは高純度高融点異性体と高純度低融点異性体を84/16
の割合で混合したものである。 実施例2(HBCD試料の熱安定性) 上記表−1記載の試料A〜Eに各種熱安定剤を加え又
は加えずに加熱して、減量開始温度と210℃×20分間の
熱履歴を付加したときの耐熱着色性及び揮発減量を測定
した。結果を以下表−2に示す。 実施例3(使用例1) HIポリスチレン樹脂(《エスチレンH45》新日鉄化学
工業(株)製)に表−2発明例1及び3並びに比較例1
及び3の組成物を加え、熱ロールを後いて200℃にて3
分間混練した。得られた配合物を、200℃、20気圧で3
分間プレスした後、冷却用スクリュープレスにかけてテ
スト用シートを得た。このシートを用いて色調変化、難
燃性及び物性を測定した結果を以下表−3に示す。 実施例4(使用例2) GPポリスチレン樹脂(《エスチレンG−20》新日鉄化
学工業(株)製)に表−2発明例1及び3並びに比較例
1及び3の組成物を加えて撹拌混合し、230℃に調温さ
れた内径40m/mφの押出機で混練後、130まで冷却し、口
径4m/mφのダイスより8kg/cm2に加圧しながら押し出し
て発泡させた。 得られた発泡体を粗砕してしチップ化後、このチップ
を発泡機により同条件下に再発泡させた。得られた発泡
体につき難燃性及び物性・熱安定性熱、気泡の粒径及び
押出安定性を測定した結果を下記表−4に示す。 実施例5(使用例3) HIポリスチレン樹脂(《エスチレンH−65》新日鉄化
学工業(株)製)1000部に、表−2発明例3及び比較例
3の組成物985.5部及びジブチルスズマレートポリマー1
4.5部をバーチカルミキサーで混合し、190℃に調温され
た内径20m/mφの押出機で混練後、130まで冷却し、口径
3m/mφのダイスより押し出した。得られたストランドを
切断して50%マスターペレットとした。得られたマスタ
ーペレットをHIポリスチレン樹脂と混合し、210℃に調
節された射出成型機を用いて射出成型することによりテ
ストピースを得た。 以上のテストピースにつき、実施例3と同様に色調変
化、難燃性及び物性を測定した結果を下記表−5に示
す。
用されてきたHBCDの本態を追及した結果、既存のHBCDに
は融点206℃の高融点異性体と融点159℃の低融点異性体
が含まれており、これらの内、高融点の異性体はスチレ
ン系樹脂の難燃化に適当であるが、低融点のものは、成
型時の作業温度で分解してしまい、目的上不適当である
ことを確認した。そして進んで、市販のHBCD製品が示す
好ましくない挙動は、高融点異性体以外の低融点HBCD異
性体と5臭素化体以下の低ブロム化合物の混在に因るも
のであることを確認した。 (2)概要 本発明は以上の知見に基づくもので、その要旨は、ス
チレン系樹脂と、融点206℃の高融点異性体含有率80重
量%以上のヘキサブロモシクロドデカンと、熱安定剤か
らなることを特徴とする耐熱性及び耐光性に優れた難燃
性スチレン系樹脂組成物に存する。 以下、発明の構成に係る主要な事項につき項分けして
記載する。 (3)スチレン系樹脂 本発明を組成するスチレン系樹脂は、スチレンモノマ
ーの重合体、α−メチルスチレン・スチレンモノマー共
重合体等の一般的にスチレン系樹脂と称されるものであ
る。なお、本樹脂は、少量のブタジエン、メチルメタク
リレート、アクリルニトリル、臭素化スチレン、無水マ
レイン酸、イタコン酸等の第三成分を含んでもよい。 (4)HBCD 本発明組成物を構成するHBCDは、融点206℃の高融点
異性体80重量%以上のものである。融点159℃の低融点
異性体は、含まれないか又は含まれていても20重量%未
満であり、かつ5臭素化体以下の低ブロム体の有量が0.
5重量%以下、殊に0.1重量%以下であるのが好ましい。 かかるHBCDは、市販のHBCDをソルビリティパラメータ
ー(S.P)8〜12の極性溶剤単独又はC1〜C5のアルコー
ルとの混合溶剤で精製することにより得られる。 HBCDの高融点異性体と低融点異性体との配合比を一定
に調整するには、高純度の高融点異性体を窒素ガスの導
入下に有機溶剤中で加熱して熱転位させることにより、
高純度の低融点異性体に変化させ、得られた高純度の低
融点異性体を適宜混合するのがよい。なお、無溶剤下に
高融点異性体をその融点以上の温度に加熱して熱転位さ
せることも可能であるが、ともすれば熱分解のため、高
純度の低融点異性体を得ることは困難である。 また、比較的耐熱性のよい高融点異性体の単体であっ
ても、融点以上の温度に加熱されると着色し、臭化水素
ガスを発生して5臭素化体以下の低臭化物に変化する。 なお、公知の合成技術に基づいて得られるHBCDは、有
機溶剤中でt−t−c−シクロドデカトリエンと臭素を
反応させるものであるが、反応系内に生成するHBCD中の
高融点HBCD異性体と低融点HBCD異性体の比率は、略々65
/35の割合で、殆ど一定である。また、5臭素化体以下
の不純物の生成は、反応条件により異なるが、大凡15〜
20重量%程度である。 反応生成物中の5臭素化体以下の化合物は、スチレン
系樹脂に添加した場合、耐熱、耐光性を著しく低下させ
るが、低融点異性体は、高融点異性体に比べて耐熱性は
劣るが、樹脂との相溶性に優れ、樹脂の物性を安定させ
る働きをするようである。 (5)熱安定剤 本発明組成物における熱安定剤の内、ペンタエリスリ
トール型ジホスファイト化合物として、例えば、ジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニール)−ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト等が挙げられる。 また有機スズ含硫化化合物としては、例えばジブチル
スズ−3−メルカプトプロピオン酸塩、ジ−n−オクチ
ルスズ−3−メルカプトプロピオン酸塩、ジブチルスズ
メルカプト酢酸塩、ジエチレングリコールビス(ブチル
スズチオアセテート)、ジブチルスズサルファイド、ジ
オクチルスズサルファイド、ジブチルスズジオクチルメ
ルカプタイド、ジメチルスズビス(エチレンゴリコール
モノチオグリコレート)、ジブチルスズビス(エチレン
グリコールモノチオグリコレート)等が挙げられ、これ
らを併用し又は他の安定剤と併用することもできる。但
し場合により、安定剤及び樹脂組成物との拮抗作用によ
り、安定剤が低下することがある。 (6)配合など 熱安定剤の添加方法は、いずれの方法であってもよい
が、本発明所定のHBCDに添加して樹脂に配合する方法の
採用が好ましい。 通常、スチレン系樹脂100重量部に対して、当該HBCD
を0.5〜10重量部の比率で添加するのがよく、熱安定剤
は、該HBCD100重量部に対して0.2〜10重量部添加されれ
ば充分である。 (7)成型温度 成型加工温度は、200〜235℃の範囲が適当である。20
0℃未満では樹脂の流動性が低下し、また240℃以上にな
ると、着色及び分解が生じる恐れがある。 〔作用〕 本発明は、難燃性を付与する成分として、高融点異性
体含有率80重量%以上のHBCDを使用したことにより、耐
熱性及び耐光性に優れた難燃性スチレン系樹脂組成物を
可能としたものである。 〔実施例〕 以下実施例により本発明実施の態様及び効果につき述
べるが、例示は単に説明用のものであって、発明思想の
限定又は制限を意図したものではない。 なお、実施例中「部」及び「%」は重量基準を表す。 実施例1(HBCD試料の調製) (a)HBCDの合成 イソアミルアルコール420部、BF3・エチルエーテル錯
塩4.2部をフラスコに仕込み、反応温度20〜30℃で臭素4
95部(3.09モル)と1,5,9−シクロドデカトリエン162部
(1モル)を同時に滴下し、滴下終了後、2時間撹拌を
続けた。反応系内に生成した粗製HBCDの組成は、高融点
HBCD57.8%、低融点HBCD26.2%、5臭素化体以下16.0%
であった。 次いで、反応系を20℃に冷却し、20%のソジウムメチ
ラート−メタノール溶液を加えてpH8〜8.5に中和した。
生成した結晶を濾取し、メタノールで洗浄して、通常の
HBCD(異性体混合物)559部を得た。 次に通常のHBCD200部をメチルイソブチルケトン(S.P
8.4)160部とメタノール140部との混合溶剤中に添加
し、70℃で1時間撹拌、溶解させた。 上記溶液を25℃に冷却し、生成した結晶を濾取し、10
0部のメタノールで洗浄後、乾燥して、高純度高融点HBC
D65部を得た。 得られた高純度の高融点異性体100部をキシレン200部
中、窒素ガスを導入しながら加熱し、キシレンを留去し
ながら昇温させ、190℃で40分間保持後、冷却した。そ
の後、真空乾燥して溶剤を除去し、高純度の低融点HBCD
を得た。 得られた高純度高融点異性体と高純度低融点異性体を
適当に配合し、下表−1記載の特定HBCDを調整した。 異性体等の分析は、逆相液体クロマト法による。MP
(融点)の測定は、Rigaku TAS DCS 8230による。 なお、表−1中、Dは高純度高融点異性体と高純度低
融点異性体を93:7の割合で混合したものである。また、
Eは高純度高融点異性体と高純度低融点異性体を84/16
の割合で混合したものである。 実施例2(HBCD試料の熱安定性) 上記表−1記載の試料A〜Eに各種熱安定剤を加え又
は加えずに加熱して、減量開始温度と210℃×20分間の
熱履歴を付加したときの耐熱着色性及び揮発減量を測定
した。結果を以下表−2に示す。 実施例3(使用例1) HIポリスチレン樹脂(《エスチレンH45》新日鉄化学
工業(株)製)に表−2発明例1及び3並びに比較例1
及び3の組成物を加え、熱ロールを後いて200℃にて3
分間混練した。得られた配合物を、200℃、20気圧で3
分間プレスした後、冷却用スクリュープレスにかけてテ
スト用シートを得た。このシートを用いて色調変化、難
燃性及び物性を測定した結果を以下表−3に示す。 実施例4(使用例2) GPポリスチレン樹脂(《エスチレンG−20》新日鉄化
学工業(株)製)に表−2発明例1及び3並びに比較例
1及び3の組成物を加えて撹拌混合し、230℃に調温さ
れた内径40m/mφの押出機で混練後、130まで冷却し、口
径4m/mφのダイスより8kg/cm2に加圧しながら押し出し
て発泡させた。 得られた発泡体を粗砕してしチップ化後、このチップ
を発泡機により同条件下に再発泡させた。得られた発泡
体につき難燃性及び物性・熱安定性熱、気泡の粒径及び
押出安定性を測定した結果を下記表−4に示す。 実施例5(使用例3) HIポリスチレン樹脂(《エスチレンH−65》新日鉄化
学工業(株)製)1000部に、表−2発明例3及び比較例
3の組成物985.5部及びジブチルスズマレートポリマー1
4.5部をバーチカルミキサーで混合し、190℃に調温され
た内径20m/mφの押出機で混練後、130まで冷却し、口径
3m/mφのダイスより押し出した。得られたストランドを
切断して50%マスターペレットとした。得られたマスタ
ーペレットをHIポリスチレン樹脂と混合し、210℃に調
節された射出成型機を用いて射出成型することによりテ
ストピースを得た。 以上のテストピースにつき、実施例3と同様に色調変
化、難燃性及び物性を測定した結果を下記表−5に示
す。
以上説明しかつ実証した通り、本発明は、スチレン樹
脂における射出成型、押出成型又は圧延等の一般的な作
業温度において、金型腐食の懸念なしに、熱劣化の少な
い耐熱性、耐光性成形物を与える難燃性スチレン系樹脂
を提供しうると共に、高濃度のHBCD入りマスターバッチ
を生産できるため、粉塵による職場環境の向上にも寄与
しうる。
脂における射出成型、押出成型又は圧延等の一般的な作
業温度において、金型腐食の懸念なしに、熱劣化の少な
い耐熱性、耐光性成形物を与える難燃性スチレン系樹脂
を提供しうると共に、高濃度のHBCD入りマスターバッチ
を生産できるため、粉塵による職場環境の向上にも寄与
しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08K 5/00 5:02 5:58)
Claims (2)
- 【請求項1】スチレン系樹脂と、融点206℃の高融点異
性体含有率80重量%以上のヘキサブロモシクロドデカン
と、熱安定剤からなることを特徴とする耐熱性及び耐光
性に優れた難燃性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】熱安定剤が、ペンタエリスリトール型ジホ
スファイト化合物及び/又は有機スズ含硫化化合物であ
る請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2032236A JP2847416B2 (ja) | 1990-02-13 | 1990-02-13 | 耐熱性及び耐光性に優れた難燃性スチレン系樹脂組成物 |
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