JP2845819B2 - サンプルホールド回路 - Google Patents

サンプルホールド回路

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JP2845819B2
JP2845819B2 JP8167762A JP16776296A JP2845819B2 JP 2845819 B2 JP2845819 B2 JP 2845819B2 JP 8167762 A JP8167762 A JP 8167762A JP 16776296 A JP16776296 A JP 16776296A JP 2845819 B2 JP2845819 B2 JP 2845819B2
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賢一 齋藤
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    • G11C27/024Sample-and-hold arrangements using a capacitive memory element
    • G11C27/026Sample-and-hold arrangements using a capacitive memory element associated with an amplifier

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンプルホールド
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に、従来のサンプルホールド回路の
一例の回路図を示す。又、図4に、その回路の動作時の
入・出力波形を示す。以下に、図3,4を参照して回路
の動作を説明する。図4の期間t1 〜t2 にはクロック
端子3がハイ(H)レベルであるので、トランジスタQ
1 ,Q4 はオン状態になる。一方、トランジスタQ2
3 は、クロック端子3への信号がインバータでロウ
(L)レベルに反転された信号をベース電極に与えられ
るので、オフ状態になる。従って期間t1 〜t2 の間
は、トランジスタQ5 ,Q6 ,定電流源6Aからなる全
帰還回路およびエミッタフォロワトランジスタQ7 はオ
ン状態にあり、入力端子2に入力された電圧波形は、出
力端子5にそのまま出力される。この動作期間を、サン
プリング期間という。
【0003】次に、期間t2 〜t3 にはクロックがLレ
ベルにあるので、トランジスタQ1 ,Q4 はオフ状態に
なる。一方、トランジスタQ2 ,Q3 はオン状態にな
る。従って期間t2 〜t3 の間は、前述の全帰還回路お
よびエミッタフォロワトランジスタQ7 はオフ状態にあ
り、時刻t2 直前にトランジスタQ7 によってコンデン
サCにチャージされた電圧VC が保持される。その結
果、出力端子5の電圧は期間t2 〜t3 の間、入力端子
2への入力電圧が変化しても一定電圧VC となる。この
動作期間を、ホールド期間という。
【0004】以上の動作を繰り返すことにより、出力端
子5には、図4に示すような出力波形が得られる。
【0005】ところで、図3に示す回路では、時刻t2
においてトランジスタQ2 ,Q3 がオン状態になると、
定電流源6Aの電流I01は全てトランジスタQ2 ,Q3
に流れる。ところが定電流源6Aにはトランジスタ
2 ,Q3 のコレクタ電位を固定する要素がないので、
トランジスタQ2 ,Q3 のコレクタ電位は、トランジス
タQ2 ,Q3 のベース電位からそれらトランジスタのベ
ース・コレクタ間接合の順方向電圧降下VF の分約0.
6V下った電位になってしまう。従って二つのトランジ
スタQ2 ,Q3 は共に飽和状態になってしまう。飽和状
態にあるトランジスタのスイッチング速度は周知のとお
り、非飽和状態に比べて格段に遅くなるので、時刻t3
になってトランジスタQ2 ,Q3 のベース電位がLレベ
ルに変化しても、トランジスタQ2 ,Q3 は直ぐにはオ
フ状態に遷移できず、一定の遅れ時間td の後にオフ状
態になる。その間、前述の全帰還回路およびエミッタフ
ォロワトランジスタQ7 はオン状態になれず、出力電圧
も時間td だけ遅れて入力電圧に追従する。従って、時
刻t3 において再びサンプリング期間になっても、出力
電圧は時刻t3 での入力電圧と同じ電圧ではなく、オフ
セット電圧Vos分低い電圧値を出力してしまう。
【0006】これまで述べたように、図3に示す回路に
おいては、サンプリング期間の出力にオフセット電圧V
os が生じてしまうという問題がある。更に、クロック
端子に入力されるクロックの周波数が高くなり、特に、
Hレベルの期間が回路の遅れ時間td よりも短くなるつ
まり、td >クロックのHレベル期間、の状態になる
と、もはや回路は動作できなくなってしまう。すなわ
ち、高速動作ができないという欠点がある。
【0007】上述の欠点を改善した改良型のサンプルホ
ールド回路として、図5に示す回路がある。図5を参照
して、この回路は、基本的な動作は図3に示した回路と
同じであるが、トランジスタQ8 が追加されている。そ
して、ホールド期間にトランジスタQ2 ,Q3 がオン状
態になったときそれらトランジスタQ2 ,Q3 が飽和状
態にならないようにするために、トランジスタQ8 のベ
ース電圧を設定するための電圧源7(出力電圧=
REF )が追加されている。この電圧源7の出力電圧V
REF は、次の条件を満たすように設定する。すなわち、
両トランジスタQ2 ,Q3 のベース電極への入力クロッ
クのHレベル電圧をVCLKHとし、また回路の電源電圧を
CCとしたとき、トランジスタQ2 ,Q3 のコレクタ電
極(節点N1 )の電圧VN1 N1≧VCLKHとなるように
するのである。従って、VN1=VREF −VBE8 ≧VCLKH
(1)と
なるように電圧VREF を決める。但し、式(1)におい
てVBE8 は、トランジスタQ8 のベース・エミッタ間順
方向電圧降下である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の改良型サンプル
ホールド回路(図5)にも、次のような改善すべき点が
残されている。 サンプリング期間でのオフセット電圧Vosが大であ
る。 クロック端子への入力周波数の上限が低い。 低消費電力化が困難である。 以下に、その説明を行う。
【0009】図6は、図5に示す改良型サンプルホール
ド回路の入・出力波形を示す図である。図6において、
期間t1 〜t2 のサンプリング期間には、クロック端子
3のレベルはHレベルで、トランジスタQ1 ,Q4 はオ
ン状態にある。一方、トランジスタQ2 ,Q3 はオフ状
態にある。又、トランジスタQ5 ,Q6 ,定電流源6A
からなる全帰還回路は、動作状態にある。そのため、ト
ランジスタQ8 のエミッタ電極(節点N1 )には、入力
端子2から入力される入力波形と同じ電圧波形が現れ
る。そして、トランジスタQ8 はオフ状態にあり、トラ
ンジスタQ7 はオン状態にあるので、出力端子5にも、
図6中に示す出力波形のように、入力と同じ電圧波形が
出力される。
【0010】ここで、説明を具体的にするために、各電
圧、電流、入・出力レベルなどを、以下のように設定す
る。すなわち、 電源電圧VCC=5.0V クロック端子3入力Hレベル電圧VCLKH=1.5V クロック端子3入力Lレベル電圧VCLKL=1.0V 入力端子2入力信号振幅VinPP=2.0VPP 入力信号の中心値=3.5V 入力端子2入力信号Lレベル電圧VinL =3.5−1.
0=2.5V 入力端子2入力信号Hレベル電圧VinH =3.5+1.
0=4.5V 定電流源6B電流I02=400μA 定電流源6A電流I01=I02/2=200μA 定電流源6C電流I03=I02=400μA 各トランジスタのベース・エミッタ間順方向電圧降下V
BE=0.7V とする。
【0011】いま図6の時刻t1 において入力電圧V
inH =4.5Vとすると、前述のように全帰還回路によ
り、節点N1 の電圧VN1=4.5Vとなる。従って、出
力端子5の出力電圧Vout は、 Vout =VN1−VBE7 =4.5−0.7=3.8V (2) となる。つまり、サンプリング期間においては、出力電
圧Vout としては常に、下記の式(3)で示される電圧
out(TS) が出力される。
【0012】 Vout(TS) =入力電圧Vin−VBE7 (3) 次に、期間t2 〜t3 にはクロック端子はLレベルにあ
り、回路はホールド期間で、トランジスタQ1 ,Q4
オフ状態に、トランジスタQ2 ,Q3 はオン状態にな
る。従って、前述の全帰還回路は非動作状態にあって、
トランジスタQ8のエミッタ電極(節点N1 )の電圧V
N1(TH)は、このトランジスタQ8 がオン状態となるの
で、下記の式(4)で示される電圧に固定される。
【0013】 VN1(TH)=VCC−(VREF +VBE8 ) (4) このとき、出力端子の電圧Vout は、以下のように、一
定電圧となる。すなわち、コンデンサCには、時刻t2
において回路がサンプリング期間からホールド期間に変
化する直前の電圧値が、トランジスタQ7 によって充電
されている。また、ホールド期間になるとトランジスタ
2 ,Q3 がオン状態になり、その結果トランジスタQ
7 がオフ状態になるので、時刻t2 での入力電圧値をV
inL (=2.5V)とすると、 Vout =2.5−VBE7 =1.8V の一定電圧となる。つまり、ホールド期間においては常
に、下記の式(5)で示される電圧Vout(TH) が出力さ
れる。
【0014】 Vout(TH) =Vin(t2)−VBE7 (5) 次に、ホールド期間におけるトランジスタQ8 のエミッ
タ電圧つまり節点N1の電圧VN1と、トランジスタQ8
のベース電圧VREF について述べる。ホールド期間のと
き、トランジスタQ8 のエミッタ電圧はトランジスタQ
7 がオン状態になれない電圧、つまり下記の式(6)で
示される条件を満足する値に設定されていなければなら
ない。
【0015】 VN1−Vout(TH) <VBE7 =0.7V (6) 上記の条件は、ホールド期間中、トランジスタQ7 によ
ってコンデンサCにチャージされ保持されている電圧が
変化してしまうのを防止するためである。又、このとき
の出力電圧は、最小の入力レベルすなわちVinL のとき
の出力電圧を考える必要がある。VinL(t2) =2.5V
であるので、出力電圧は式(5)より、Vout(TH)
2.5−0.7=1.8Vとなる。
【0016】ここで、温度特性を考慮して、式(6)で
示される解を0とすると、電圧VN1は、VN1=Vout
1.8Vとなる。従って、電圧源7の電圧VREF は式
(1)を満たし、且つ、VN1=1.8Vとなるように設
定すれば良い。
【0017】従って、電圧VREF は、 VCC−(VREF +VBE8 )=VN1 (7) より、式(7)を変形して、 VREF =VCC−(VBE8 +VN1)=5.0−(0.7+
1.8)=2.5V となる。このことから、VREF −VBE8 =2.5−0.
7=1.8Vとなって、式(1)で表される、VREF
BE8 ≧VCLKH=1.5Vの条件も満足している。
【0018】次に、時刻t3 以降について考える。図6
において時刻t3 に、クロック端子3はHレベルにな
る。従って回路は再び、サンプリング期間になる。この
とき、トランジスタQ1 ,Q4 がオン状態になると共に
トランジスタQ2 ,Q3 がオフ状態になることで、全帰
還回路およびトランジスタQ7 がオン状態に遷移しよう
とするが、節点N1 の電圧はトランジスタQ6 ,Q2
3 の寄生容量(この場合は、コレクタ・ベース間接合
容量Ccb及びコレクタ・基板間接合容量Csub )によ
り、瞬時には入力信号に追従できず、図6中の期間t3
〜t4 に示すように、或る遅れ時間td をもって立ち上
る。その結果、出力電圧Vout は本来の電圧(図6の場
合は、時刻t3 での入力電圧VinはVinH =4.5Vで
あり、従って本来の出力電圧Vout は式(2)から、V
out =3.8V)より電圧Vosの分だけ低い電圧となっ
てしまう。つまり、サンプリング期間にオフセットを生
じてしまうという欠点がある。
【0019】ここで、回路条件を下記のように設定し
て、オフセット電圧Vosを見積ってみる。
【0020】電源電圧VCC=5.0V クロック端子3入力Hレベル電圧VCLKH=1.5V クロック端子3入力Hレベル電圧VCLKL=1.0V 入力端子2入力信号振幅VinPP=2.0VPP 入力信号の中心値=3.5V 入力端子2入力信号Lレベル電圧VinL =3.5−1.
0=2.5V 入力端子2入力信号Hレベル電圧VinH =3.5+1.
0=4.5V 定電流源6B電流I02=400μA 定電流源6A電流I01=I02/2=200μA 定電流源6C電流I03=I02=400μA 入力信号Vinはsin波形で、周波数fin=10MH
z、周期T=0.1μs節点N1 の寄生容量Cj =2p
Fとする。
【0021】図6の時刻t3 において、節点N1 の電圧
N1は式(6)より、VN1=1.8Vとなっている。
又、時刻t3 以降で回路が正常に動作するためには、節
点N1の電圧値VN1が入力電圧値Vinと同じ値まで上昇
した時点つまり、時刻t4 であり、それ迄には遅れ時間
d を要する。
【0022】電圧VN1が上昇するには、定電流源6Aの
電流I01により節点N1 の寄生容量Cj を充電する必要
があり、その時間は下記の式(8)で示される。
【0023】 td =Cj ・Vin(t4)/I01 (8) このとき、入力電圧Vinは、次式(9)で示される。
【0024】 Vin(t4)=VinH ・sin(2π・{(1/T)−(1/td )})(9) 式(8),(9)を遅れ時間td について解くと、下記
の式(10)を得る。
【0025】 {(I01・td )/(Cj ・VinH )}+sin(2π/td )=0 (10) 式(10)を解くと、td =28nsを得る。
【0026】次に、出力電圧Vout が時間td だけ遅れ
て立ち上ったときの、出力電圧のオフセット電圧Vos
求める。
【0027】 Vout(t4) =(VinH −VBE7 )・sin(2π{(1/T)−(1/td )}) (11) より、Vout(t4) =1.61Vを得る。
【0028】時刻t3 での入力電圧VinはVinH =4.
5Vであり、遅れ時間td =0のときの出力電圧Vout
は式(3)より、Vout =VinH −VBE7 =4.5−
0.7=3.8Vである。従って、オフセット電圧Vos
は下記の式(12) Vos=Vout(t3) −Vout(t4) (12) より、 Vos=3.8−1.16V=2.64V となる。
【0029】以上の議論より、従来の回路の場合、前述
の条件のもとでは、Vos=2.64Vのオフセット電圧
が生じてしまうことになる。
【0030】次に、回路の動作周波数を、見積る。前述
したように、クロック端子3への入力周波数finのデュ
ーティ(duty)を50%とすると、遅れ時間td
大きさと入力周波数の1/2の周期つまりサンプリング
期間との関係が下記の式(13)の条件を満たさなくな
ったとき、サンプリング期間は0となる。つまり、回路
は、応答できなくなってしまう。
【0031】 td ≦1/(2・fin) (13) 式(13)において、動作限界をtd =1/(2・
in)と考えると、クロック端子3への入力周波数の上
限finmax は、次の式(14)で示される。
【0032】 finmax ≦1/(2・td ) (14) 式(14)にtd =28nsを代入して上限入力周波数
inmax を求めると、finmax =17.8MHzを得
る。
【0033】以上より、従来の回路の場合、前述の条件
のもとでは、クロック端子3への入力周波数は上限を、
inmax =17.8MHzに制限されてしまう。
【0034】次に、クロック周波数の上限をfinmax
50MHzにするのに必要な、各定電流源電流I01,I
02,I03を見積る。この場合は、式(8)及び式(1
4)より、電流I01について解くと、下記の式(15)
を得る。
【0035】 I01=2・Cj ・Vin(t4)・finmax (15) ここで、Vin(t4)は式(9)に、T=1/50MHz=
0.02μs,1/td=1/2×50MHz=0.0
1μs,VinH =4.5Vを代入すると、 Vin(t4)=3.2V を得る。
【0036】この条件と前述の各条件とを式(15)に
代入すると、I01=640μAを得る。
【0037】ここで、既に述べたように、I02=2・I
01,I02=I03であるので、 I02=I03=2×640μA=1.28mA となる。すなわち、finmax =50MHzとするために
は、回路電流Icc=I01+I02+I03は3.2mAとな
り、初期値Icc=1.0mAに対し3.2倍にも増加さ
せなければならない。つまり、高速動作に対応させるに
は回路電流ICCを大幅に増加させる必要があり、低消費
電力化を図るのが困難であるという問題がある。
【0038】これまで述べたことから、従来のサンプル
ホールド回路には、サンプリング期間でのオフセット電
圧が大きいという問題点があることが分る。これは、ホ
ールド期間からサンプリング期間に動作が切り替った時
の節点N1 電圧の変化量が大きく、そのため回路の応答
速度が遅くなるためである。
【0039】次に、クロック入力周波数の上限が低いと
いう問題がある。これは、上述の問題と同様に、回路の
遅れ時間が大きく、遅れ時間の2倍以上の周波数を入力
しても回路が応答できないためである。
【0040】又、低消費電力化を図るのが困難であると
いう問題がある。その理由は、例えば入力クロック周波
数の上限を2.8倍(17.8MHzから50MHz)
にするためには回路電流を3.2倍にまで増加させなけ
ればならないからである。
【0041】従って本発明は、サンプリング期間におけ
るオフセット電圧が小さく、高速クロックで動作可能
で、消費電力の小さいサンプルホールド回路を提供する
ことを目的とするものである。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明のサンプルホール
ド回路は、サンプリングしホールドすべき入力信号を、
外部からのクロックに応じて電流経路が切り替る差動増
幅器によって活性,非活性が制御される全帰還型差動増
幅器で増幅し、その増幅出力を、出力点に電圧保持用の
キャパシタを備え、前記クロックに応じて電流経路が切
り替る差動増幅器によって導通,非導通が制御されるエ
ミッタフォロワの出力トランジスタで出力端子に伝達す
る構成で、電源端子と前記出力トランジスタのベース電
極との間には、非導通状態にあるときの前記出力トラン
ジスタのベース電位を制御するためのトランジスタを備
えるサンプルホールド回路において、前記入力信号を、
前記全帰還型差動増幅器に入力すると共に、前記ベース
電位制御用のトランジスタのベース電極にも入力するよ
うにして、前記非導通状態にあるときの出力トランジス
タのベース電圧が、前記入力信号の電圧変化に追従する
ようにしたことを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施
の形態のサンプルホールド回路の回路図である。又、図
2は、その動作時の入・出力波形を示す図である。図1
と図5とを比較すると、本実施の形態は、トランジスタ
8 のベース電極を入力端子2に接続している点が、従
来の回路と異っている。トランジスタQ8 のベース電極
は従来、電圧源7によって与えられる一定電圧VREF
固定されていた。本実施の形態の基本的な回路動作は従
来の回路と同じであるが、トランジスタQ8 のベース電
極に入力信号Vinを入力しているのに基づいて、ホール
ド期間の動作が従来とは異る。その相違点について、以
下に説明する。
【0044】図5に示す従来の回路においてホールド期
間には、節点N1 の電圧をトランジスタQ7 がオン状態
になれない電圧つまり、VN1=1.8Vに設定する必要
がある。従って、ホールド期間には、入力信号Vinの電
圧の如何に関わらず節点電圧VN1は一定であり、このこ
とが回路の応答時間を大きくしている原因となってい
る。
【0045】図1に示す本実施の形態の回路では、トラ
ンジスタQ8 のベース電極が入力端子2に接続されてお
り、ホールド期間にはトランジスタQ2 ,Q3 がオン状
態であるので、トランジスタQ8 もオン状態である。従
って、節点N1 の電圧VN1は一定ではなく、図2中の期
間t2 〜t3 のように、入力信号Vinに追従して変化す
る。
【0046】このとき、節点N1 の電圧VN1は、次式
(16)で示される。
【0047】 VN1=Vin−VBE8 (16) 次に、図2(本実施の形態)および図6(従来の回路)
において、時刻t3 に回路がホールド期間からサンプリ
ング期間に切り替わった時の、節点N1 の電圧の変化量
ΔVN1を考える。この時の入力電圧VinはHレベルで、
in=VinH であるから、以下のようになる。
【0048】ΔVN1(従来の回路)=VinH −VN1
4.5−1.8=2.7V ΔVN1(実施の形態)=VinH −(Vin−VBE8 ) ここで、時刻t3 での入力電圧Vinは、全帰還回路が動
作しているため、Vin=VinH であり、従って、本実施
の形態における節点電圧の変化量は、 ΔVN1(実施の形態)=VinH −(VinH −VBE8 )=VBE8 =0.7V (17) となる。
【0049】従って、本実施の形態は節点電圧の変化量
ΔVN1が従来の1/4で済み、オフセット電圧Vosが小
さく、高速で動作する。
【0050】次に、従来の回路に対して行った見積り
を、従来の回路におけると同一の条件で、本実施の形態
についても行ってみる。先ず、図2において遅れ時間t
d は、式(8)と同様に、 td =Cj ・Vin(t4)/I01 (18) である。
【0051】又、この時の入力電圧Vinは、式(17)
より、 Vin(t4)=VBE8 =0.7V一定 である。
【0052】従って、式(18)に各条件を代入してt
d について解くと、td =7.0nsとなる。
【0053】次に、出力電圧Vout がtd =0.7ns
の遅れで立ち上ったときの出力電圧のオフセット電圧V
osは、式(11)と同様に、 Vout(t4) =(VinH −VBE7 )・sin(2π{(1/T)−(1/td )}) (19) である。この式(19)より、Vout(t4) =1.8Vを
得る。
【0054】時刻t3 での入力電圧VinはVinH =4.
5Vであり、td =0のときの出力電圧は式(3)と同
様に、 Vout =VinH −VBE7 =4.5−0.7=3.8V である。従って、オフセット電圧Vosは、式(12)と
同様に、 Vos=Vout(t3) −Vout(t4) (20) となり、Vos=3.8−2.0=1.8Vとなる。
【0055】以上より、前述の条件のもとでは、従来の
回路の場合2.64Vのオフセット電圧が生じてしまう
のに対し、本実施の形態ではVos=1.8Vであり、
0.84Vの改善ができる。
【0056】次に、動作周波数について、考察する。動
作周波数の上限は、式(14)と同様に、 finmax ≦1/(2・td ) (21) である。式(21)にtd =7nsを代入すると、f
inmax =71.4MHzを得る。
【0057】以上より、前述の条件においては、従来の
回路の場合finmax =17.8MHzであったものが、
本実施の形態においてはfinmax =71.4MHzと、
約4倍の改善がなされる。
【0058】次に、動作周波数の上限をfinmax =50
MHzとするのに必要な各定電流源電流I01,I02,I
03を求めてみる。電流I01は、式(15)と同様に、 I01=2・Cj ・Vin(t4)・finmax (22) である。式(22)に、従来の回路におけると同じ条件
(但し、Vin(t4)=0.7V)を代入すると、I01=1
40μAを得る。また、前述したように、I02=I03
2×140=280μAとなる。従って、finmax =5
0MHzとするためには、回路電流Icc=I01+I02
03=700μAとなり、従来の回路におけるIcc
3.2mAに対し1/4.5で済む。finmax =50M
Hzにするために必要な回路電流が1/4.5で済むと
いうことは、1/4.5の消費電力で済むということで
あり、従って、大幅な低消費電力化が図られことにな
る。
【0059】尚、従来の回路と同じ回路電流の場合のf
inmax を見積ってみると、 finmax =I01/(2・Cj ・Vin(t4)) (23) であるので、各条件を代入してfinmax =228MHz
を得る。すなわち、従来の回路と同一の消費電力とした
場合、finmax は4.56倍に一段と高速化される。
【0060】しかも、本実施の形態では、トランジスタ
8 のベース電圧供給用電圧源(図5における、電圧源
7)が不要であるので、回路の簡素化、小型化、低価格
化が可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサンプル
ホールド回路は、出力のエミッタフォロワトランジスタ
のベース電位を制御するトランジスタに対し、ベース入
力として、サンプリング,ホールドの対象となる入力信
号を与えることにより、ホールド期間中の出力トランジ
スタのベース電位が入力信号の変化に追従するようにし
て、ホールド期間からサンプリング期間に切り替ったと
きの出力トランジスタのベース電位の変化を小さくして
いる。
【0062】これにより本発明によれば、サンプリング
期間のオフセット電圧が小さく、高速クロックで動作可
能で、しかも消費電力の小さいサンプルホールド回路を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるサンプルホールド
回路の回路図である。
【図2】図1に示す回路の動作時の入・出力波形を示す
図である。
【図3】従来のサンプルホールド回路の一例の回路図で
ある。
【図4】図3に示す回路の動作時の入・出力波形を示す
図である。
【図5】従来のサンプルホールド回路の他の例の回路図
である。
【図6】図5に示す回路の動作時の入・出力波形を示す
図である。
【符号の説明】
1 電源端子 2 入力端子 3 クロック端子 4 グランド端子 5 出力端子 6A,6B,6C 定電流源 7 電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−57499(JP,A) 特開 昭63−263698(JP,A) 特開 昭62−125597(JP,A) 特開 昭63−37896(JP,A) 特開 昭63−263699(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11C 27/02 601

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプリングしホールドすべき入力信号
    を、外部からのクロックに応じて電流経路が切り替る差
    動増幅器によって活性,非活性が制御される全帰還型差
    動増幅器で増幅し、その増幅出力を、出力点に電圧保持
    用のキャパシタを備え、前記クロックに応じて電流経路
    が切り替る差動増幅器によって導通,非導通が制御され
    るエミッタフォロワの出力トランジスタで出力端子に伝
    達する構成で、電源端子と前記出力トランジスタのベー
    ス電極との間には、非導通状態にあるときの前記出力ト
    ランジスタのベース電位を制御するためのトランジスタ
    を備えるサンプルホールド回路において、 前記入力信号を、前記全帰還型差動増幅器に入力すると
    共に、前記ベース電位制御用のトランジスタのベース電
    極にも入力するようにしたことを特徴とするサンプルホ
    ールド回路。
  2. 【請求項2】 サンプリングしホールドすべき入力信号
    を全帰還で増幅する全帰還型の第1の差動増幅器と、前
    記第1の差動増幅器の出力信号をエミッタフォロワで出
    力端子に伝達する出力トランジスタと、外部から与えら
    れるクロックの非反転,反転信号を差動対をなすトラン
    ジスタそれぞれのベース入力として、前記クロックのレ
    ベルに応じて電流経路が切り替ることにより、前記第1
    の差動増幅器を活性化させ又は非活性化させる第2の差
    動増幅器と、前記クロックの非反転,反転信号を差動対
    をなすバイポーラトランジスタそれぞれのベース入力と
    して、前記クロックのレベルに応じて電流経路が切り替
    わることにより、前記出力トランジスタを、前記第1の
    差動増幅器の活性又は非活性に対応して導通させ又は非
    導通させる第3の差動増幅器と、導通状態にある前記出
    力トランジスタが出力する信号電荷を蓄積するキャパシ
    タと、電源電位供給点と前記出力トランジスタのベース
    電極との間に電流経路をなすように設けられて、前記出
    力トランジスタが非導通状態にあるときその非導通状態
    を保持せしめるベース電位を与えるベース電位制御用ト
    ランジスタとを含んでなるサンプルホールド回路におい
    て、前記入力信号を前記第1の差動増幅器に入力すると
    共に、前記ベース電位制御用トランジスタのベース入力
    として与えるようにしたことを特徴とするサンプルホー
    ルド回路。
  3. 【請求項3】 コレクタ電極が電源端子に接続され、ベ
    ース電極が入力端子に接続されたnpn型の第1のバイ
    ポーラトランジスタと、コレクタ電極とベース電極とが
    共通接続されて第1の定電流源を介して前記電源端子に
    接続されたnpn型の第2のバイポーラトランジスタと
    を、それぞれのエミッタ電極を共通接続してなる第1の
    差動増幅器と、 コレクタ電極が前記第1,第2のバイポーラトランジス
    タの共通エミッタ電極に接続されベース電極に外部から
    のクロック信号が入力されるnpn型の第3のバイポー
    ラトランジスタと、コレクタ電極が前記第2のバイポー
    ラトランジスタの共通コレクタ・ベース電極に接続さ
    れ、ベース電極に前記クロック信号の反転信号が入力さ
    れるnpn型の第4のバイポーラトランジスタとを、そ
    れぞれのエミッタ電極を共通接続すると共に、前記第1
    の定電流源の電流の2倍の電流を供給する第2の定電流
    源を介して接地端子に接続してなる第2の差動増幅器
    と、 コレクタ電極が前記第1,第2のバイポーラトランジス
    タの共通エミッタ電極に接続されベース電極に外部から
    の反転クロック信号が入力されるnpn型の第5のバイ
    ポーラトランジスタと、コレクタ電極が出力端子に接続
    され、ベース電極に前記クロック信号が入力されるnp
    n型の第6のバイポーラトランジスタとを、それぞれの
    エミッタ電極を共通接続すると共に、前記第1の定電流
    源の電流の2倍の電流を供給する第3の定電流源を介し
    て前記接地端子に接続してなる第3の差動増幅器と、 コレクタ電極が前記電源端子に接続され、エミッタ電極
    が前記第6のバイポーラトランジスタのコレクタ電極及
    び前記出力端子に接続され、ベース電極が前記第2のバ
    イポーラトランジスタの共通コレクタ・ベース電極に接
    続されたnpn型の第7のバイポーラトランジスタと、 前記出力端子と前記接地端子との間に接続された容量と
    を含み、前記電源端子と前記第7のバイポーラトランジ
    スタのベース電極の間に電流経路を成すようにnpn型
    の第8のバイポーラトランジスタを設けた構成のサンプ
    ルホールド回路において、 前記第8のバイポーラトランジスタのベース電極を前記
    入力端子に接続したことを特徴とするサンプルホールド
    回路。
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