JP2845693B2 - クロルヒドリンの製造方法 - Google Patents

クロルヒドリンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロルヒドリンの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロルヒドリンは、エポキシ化合物の製
造原料等として重要な化合物である。
【0003】従来、クロルヒドリンは、塩素を水に溶解
して生成した次亜塩素酸とオレフィンとを反応させる方
法により製造されていた。(例えば、特開昭52−48
606)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製造技術では、塩素および水と生成する次亜塩素酸およ
び塩化水素とに化学平衡が存在するために、(1)塩素
とオレフィンが反応することにより副生成物が生成す
る、(2)生成するクロルヒドリンの濃度を十分高くで
きず、通常の引き続き行われるケン化反応によるエポキ
サイドの製造において多量の排水がでる、といった問題
点があった。そのため、この方法においては、2個以上
の反応器を使用し、反応液を直列に流して反応させるこ
とにより、ある程度改善はされているものの、その効果
は不十分であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、副生成物
の生成を抑え高い選択率で、かつ高濃度でクロルヒドリ
ンを製造する方法について鋭意検討した結果、一酸化二
塩素と水とを反応させて得た次亜塩素酸と、オレフィン
とを反応させる方法により、上記の目標を達成すること
ができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、一酸化二塩素と水とを反
応させて得た次亜塩素酸と、オレフィンとを反応させる
ことを特徴とするクロルヒドリンの製造方法である。
【0007】本発明において原料として使用される一酸
化二塩素は、公知の方法で製造されたものが何等制限な
く使用される。(例えば、インオルガニックシンセシー
ズ,5巻,156頁(Inorganic Synth
esis Vol 5,156))。一酸化二塩素の性
状は、液状でも、ガス状でも、溶媒に溶解したものでも
よい。一酸化二塩素を溶解する溶媒としては、一酸化二
塩素および水と反応しない溶媒であれば特に制限されな
い。具体的には、四塩化炭素等のハロゲン化物が挙げら
れる。
【0008】本発明においては、まず一酸化二塩素と水
との反応により次亜塩素酸の水溶液を製造する。
【0009】このような次亜塩素酸水溶液は、水に対す
る次亜塩素酸の飽和濃度が5モル/Lであるので、目的
の生成するクロルヒドリンの濃度も5モル/L以下が可
能である。また、次亜塩素酸の水溶液を所望の濃度に調
整したい時は、一酸化二塩素1モルから2モルの次亜塩
素酸が生成するので、計算により水の使用量を決めれば
よい。
【0010】反応温度は、一酸化二塩素および生成する
次亜塩素酸の分解を抑えるために、通常、−80〜80
℃、好ましくは−10〜40℃である。反応は、撹拌
下、一酸化二塩素に水を加えてもよく、水に一酸化二塩
素を加えても良い。好ましくは、一酸化二塩素が高温で
は不安定であるので、反応温度にした水に冷却した一酸
化二塩素を加えた方がよい。一酸化二塩素の冷却温度
は、−80〜20℃、溶媒に溶解した一酸化二塩素は、
溶媒の凝固点〜20℃の範囲が好ましい。反応時間は、
通常、0.01〜30分、好ましくは0.1〜10分で
ある。
【0011】反応は、後述するオレフィンとの反応と組
み合わせて、回分式、半連続式、連続式のいずれも採用
可能であるが、反応液は撹拌するのが好ましい。
【0012】連続式で反応させる場合、同一反応器で、
循環する水への一酸化二塩素の導入口から十分に離れた
場所にオレフィンの導入口を設けて、連続して反応させ
てもよい。
【0013】本発明においては、上記の反応により得ら
れた次亜塩素酸水溶液に、次いでオレフィンと反応させ
て、クロルヒドリンを製造する。
【0014】本発明におけるオレフィンは、いわゆる分
子内に二重結合を有する脂肪族炭化水素である公知の化
合物が何等制限なく使用できる。好適には、置換、好ま
しくはハロゲンによる置換もしくは非置換の脂肪族炭化
水素基、または芳香族炭化水素基が、炭素−炭素二重結
合に結合した化合物が挙げられる。具体的には、エチレ
ン、プロピレン、アリルクロライド、ブチレン、ペンテ
ン、スチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。さら
に好ましくは、炭素数2〜5の低級オレフィンおよびア
リルクロライドが挙げられる。炭素数2〜5の低級オレ
フィンの具体的な例としては、エチレン、プロピレン、
ブチレン、ペンテンが挙げられる。
【0015】本発明に用いられるオレフィンの性状は、
ガス状、液状のいずれでもよい。オレフィンの使用量
は、特に制限されるものではないが、好適には次亜塩素
酸1モルに対して0.3〜20モル、さらに好ましくは
0.5〜5モルの範囲から選ばれる。
【0016】反応温度は、特に制限されるものではない
が、通常、0〜80℃、さらに好ましくは0〜50℃の
範囲から選ばれる。反応時間は、通常、0.1分〜1時
間の間から選ばれる。
【0017】また、反応は、回分式、半連続式、連続式
いずれも実施可能であるが、反応液は撹拌するのが好ま
しい。さらには、常圧、加圧、減圧のいずれでも実施可
能である。
【0018】このようにして、副生成物の極めて少ない
高濃度のクロルヒドリンの水溶液が得られる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、一酸化二塩素と水から
次亜塩素酸を生成させる反応には化学平衡が存在しない
ため、塩化水素などを含まない高濃度の次亜塩素酸水溶
液を得ることができるので、オレフィンとの反応におい
て副生成物の極めて少なく高選択的で、かつ高濃度のク
ロルヒドリン水溶液を得ることができる。したがって、
本発明の方法は工業的製法として極めて有用である。
【0020】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0021】実施例1 撹拌機、温度計を備えた4つ口フラスコ(一酸化二塩素
の気液接触面の材質はガラスまたはポリテトラフルオロ
エチレン)に水1000mL入れ、0℃に冷却し、撹拌
下、0℃に冷却した一酸化二塩素の四塩化炭素溶液
(0.19モル/L)250mLを加えて3分間反応さ
せた後、水層を分離して、次亜塩素酸水溶液1010m
Lを得た。(次亜塩素酸濃度0.37モル/L,塩素陰
イオン0.001モル/L)。この溶液に、撹拌下、ア
リルクロライド27.5g(0.36モル)を25℃で
加えて5分間反応させた後、反応液を分析したところ、
4.6重量%のジクロルヒドリンが含有され、その選択
率は99.2モル%であった。また副生物として、1,
2,3−トリクロロプロパンが0.7モル%、テトラク
ロロイソプロピルエーテルが0.1モル%の選択率で生
成していた。
【0022】実施例2〜4 オレフィンとしてアリルクロライドを使用し、表1に示
す濃度の次亜塩素酸水溶液を用いた以外は、実施例1と
同様に操作した。その結果は、表1に示す通りであっ
た。
【0023】
【表1】
【0024】実施例5〜6 オートクレーブを使用し密閉状態で、表2に示すガス状
のオレフィンを供給し、かつ、その供給量を表2に示す
量とした以外は、実施例1と同様にしてクロルヒドリン
を製造した。その結果は、表2に示す通りであった。
【0025】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 31/36 C07C 29/66 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化二塩素と水とを反応させて得た次亜
    塩素酸と、オレフィンとを反応させることを特徴とする
    クロルヒドリンの製造方法。
JP29360492A 1992-11-02 1992-11-02 クロルヒドリンの製造方法 Expired - Fee Related JP2845693B2 (ja)

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