JP2845397B2 - 田植機の苗植装置 - Google Patents
田植機の苗植装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機において、
苗載台上の苗マットから苗を一株づつ分割したのちこれ
を圃場面に植付けるための苗植装置のうちロータリー式
の苗植装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の苗植装置には、上下揺動
式のものと、ロータリー式のものとがあり、前者の上下
揺動式のものは、例えば特公昭49−27762号公報
に記載されているように、先端に分割爪を有する植付け
杆の基端を、機体側に扇動リンクを介して連結する一
方、該植付け杆の中途部を、エンジンにて回転駆動され
る爪軸に固着したクランクの先端に枢着し、該クランク
の回転により植付け杆を、その分割爪における先端に上
下方向に長い楕円状閉ループの運動軌跡を描かせるよう
に上下揺動させるもので、このものは、その植付け杆の
激しい上下揺動のために振動が著しく大きくて、苗の植
付けが不安定で、しかも、植付け速度が遅い等の欠点が
あった。 【0003】これに対して、後者のロータリー式の苗植
装置は、特公昭49−17807号公報に記載されてい
るように、伝動ケースからの動力伝達によって回転駆動
される略水平横向きの回転軸に回転体ケースを設け、こ
の回転体ケースに、前記回転軸を中心とする円周上に、
複数の植付け軸を回転自在に軸支し、該各植付け軸に、
苗載台に向かって延びる分割爪を備えた植付け杆を取付
け、この各分割爪付き植付け杆を、前記回転体ケースに
設けた歯車列により、当該回転体ケースの一回転中にそ
の回転方向と逆方向に一回転するように構成したもので
あるから、前者の上下揺動式のものより、振動が少な
く、且つ、植付け速度を向上できる利点を有する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このロータリ
ー式の苗植装置では、各植付け杆を、当該植付け杆にお
ける分割爪の先端に前記上下揺動式の苗植装置の場合と
同様に上下方向に長い楕円状閉ループの運動軌跡を描か
せるように首振り回動することが必要であり、前記特公
昭49−17807号公報のものは、この首振り回動
を、クランク機構によって行うように構成しているか
ら、動きが不円滑で、細かい振動が発生するばかりか、
耐久性が低いのであった。 【0005】しかも、前記特公昭49−17807号公
報のものは、回転体ケースを、その回転軸の先端部にお
いてのみ支持するように構成しているため、回転体ケー
スの支持が不十分で、回転体ケースを高速度で回転した
場合に、回転体ケースが横振れすることになって、耐久
性が低いと言う問題があった。本発明は、前記従来にお
けるロータリー式の苗植装置が有する問題を解消すると
共に、苗植装置の取付け及び取り外し性能を、当該苗植
装置の大型化を招来することなく向上すると共に、耐久
性の向上を図ることを技術的課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「伝動ケースからの動力伝達によって
回転駆動される略水平横向きの回転軸に中空状の回転体
ケースを取付け、該回転体ケースに、前記回転軸を中心
とする円周上に複数の植付け軸を回転自在に軸支し、該
各植付け軸のうち前記回転体ケースからの突出端に、苗
載台に向かって延びる分割爪を備えた植付け杆を取付け
て成る田植機の苗植装置において、 前記回転体ケースに
回転軸に対する取付けを、回転体ケースにおける左右両
側面板のうち前記伝動ケースと反対側における側面板を
回転軸に対して嵌着することで行うように構成する一
方、前記回転体ケース内には、その中心に設けた非回転
の太陽歯車と前記各植付け軸との間に、当該回転体ケー
スの回転に伴って前記各植付け軸に対して不等速回転を
伝えるようにした歯車列を設けて、前記各植付け杆をそ
の分割爪の先端が上下方向に長い楕円状閉ループの軌跡
を描くように首振り回動するように構成し、前記太陽歯
車を、前記伝動ケースに前記回転軸に被嵌するように取
付けた固定部材に対して、前記回転軸の軸方向に噛合可
能な噛合部を介して非回転状態に着脱自在に連結し、更
に、前記太陽歯車における左右両側面のうち前記伝動ケ
ースと反対側の側面を、前記回転体ケースにおける左右
両側面板のうち前記伝動ケースと反対側の側面板におけ
る内面に近接する。」と言う構成にした。 【0007】 【発明の作用・効果】本発明は、回転体ケースに設ける
歯車列を、不等速回転を伝える歯車列に構成することに
よって、各植付け杆に首振り回動を付与し、もって、こ
の各植付け杆における分割爪の先端に、上下方向に長い
楕円状閉ループ状の運動軌跡を描かせるようにしたもの
であるから、各植付け杆における分割爪の動きが円滑に
なって、圃場面に対する苗の植付けを安定化できると共
に、耐久性を大幅に向上できる。 【0008】しかも、前記歯車列における太陽歯車を、
伝動ケースに取付けた固定部材に対して、回転軸の軸方
向に噛合可能な噛合部を介して非回転状態に着脱自在に
連結し、更に、この太陽歯車における左右両側面のうち
前記伝動ケースと反対側の側面を、前記回転体ケースに
おける左右両側面板のうち前記伝動ケースと反対側の側
面板における内面に近接したことにより、太陽歯車を、
当該太陽歯車における伝動ケースから離れる方向へのス
ラスト荷重を回転体ケースにて支持した状態のもとで、
軸方向に移動するだけで固定部材に対して非回転状態に
連結したり、その連結を解除したりすることができて、
太陽歯車を非回転状態に連結する個所の構造を簡単でき
ると共に、この個所を小型化でき、且つ、太陽歯車をそ
のスラスト荷重を支持した状態のもとで非回転状態に連
結することが至極簡単にできるから、苗植装置全体の取
付け・取り外しが、苗植装置の大型化を招来することな
く、容易にできるのである。 【0009】その上、前記固定部材を、回転軸に被嵌す
ると言う構成にしたことにより、回転軸に圃場における
藁屑等が直接的に巻き付くを確実に防止できるから、耐
久性を向上できるのである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について説明すると、図において符号1は、田植機の機
体における伝動ケースを示し、該伝動ケース1の側面に
は、ボス体2を、水平横向きで且つ苗載台10と略平行
に突出して、このボス体2内には、田植機の機体に搭載
したエンジン(図示せず)からの動力伝達にて回転駆動
される回転軸3が挿入され、この回転軸3の前記ボス体
2からの突出端には、小判形に形成した回転体ケース4
が、着脱可能に装着され、且つ、この回転体ケース4
は、矢印Aで示すように右方向に回転するように構成さ
れている。この場合において、前記回転軸3に対する回
転体ケース4の取付けは、回転体ケース4における2つ
割りのケース4a,4bのうち前記伝動ケース1とは反
対側の分割ケース4bに一体的に設けた取付け用ボス
を、回転軸3に対して被嵌するように構成されている。 【0011】更に、この回転体ケースは、2つ割りのケ
ース4a,4bにて中空状に形成され、その内部の中心
には、太陽歯車5が配設され、この太陽歯車5は、前記
伝動ケース1に対して、回転不能に係止されている。そ
の構造は、前記回転軸3に被嵌し、且つ、前記伝動ケー
ス1に対して回転位相調節可能に装着した固定部材6
と、前記太陽歯車5とが、スプライン等の噛合部7にて
噛み合うことによってなされる。更に、この太陽歯車5
における左右両側面のうち前記伝動ケース1とは反対側
の側面に、前記回転体ケース4における2つ割りのケー
ス4a,4bのうち前記伝動ケース1とは反対側の分割
ケース4bにおける内面を近接することにより、前記太
陽歯車5における伝動ケース1から離れる方向へのスラ
スト荷重を、前記分割ケースにて支持するように構成さ
れている。 【0012】また、前記固定部材6には、前記噛合部7
の外径部にベアリング等の軸受部を設けて、この軸受部
によって、前記回転体ケース4を回転自在に支持する。
前記回転体ケース4の外側ケース4bにおける左右両端
には、回転軸3からの距離(L)が等しい位置に、ボス
部8を前記回転軸3と平行に一体的に突出し、該ボス部
8の外周には、前記苗載台10に向かって延びるように
した分割爪9を備えた中空状の植付け杆11をその基部
において回転自在に被嵌・装着する。 【0013】前記ボス部8内径に対して回転自在に嵌挿
する植付け軸12は、その一端を側板13に固着し、該
植付け軸12の他端を前記回転体ケース4の中空部に臨
ませる一方、植付け軸12の前記側板13を前記植付け
杆11の外側板14にボルト15の締結にて固着する。
前記回転体ケース4内には、回転軸3と各植付け軸12
との中間の位置に中間軸16を両軸と平行に回転自在に
軸支し、該各中間軸16上には、前記太陽歯車5に噛合
し且つ太陽歯車5と同歯数の中間歯車17を回転自在に
設ける一方、前記植付け軸12上には、前記中間軸16
上の中間歯車17に常時噛合する遊星歯車18を嵌着し
て、前記回転体ケース4の一回転により植付け軸12が
回転体ケース4の回転方向と逆方向に一回転するように
構成する。 【0014】このとき、太陽歯車5及び中間歯車17並
びに遊星歯車18を、これら各歯車5,17,18の中
心(O),(O′),(O″)が、その各軸3,16,
12の回転中心から適宜寸法(e)だけ偏心した偏心歯
車にして不等速歯車列を構成する。そして、前記中空状
の各植付け杆11内に前記ボス部8の一端を臨ませ、該
一端には噛み合い爪19を形成し、これに噛み合い係合
するカム20を前記植付け軸12に回動自在に被嵌し
て、植付け杆11における分割爪9の左右挟み付け駆動
や苗押出具の駆動への動力伝達部になるように構成す
る。 【0015】図3及び図5に示す実施の形態は、各植付
け杆11における左右一対の分割爪9が左右開閉自在
で、苗載台10上の苗マットを分割するときは分割爪9
下端の左右間隔が狭く、圃場面に植え付けるとき、即ち
分割爪9の下降下端近傍で当該分割爪9下端の左右間隔
が広くなるように強制的に開くもので、各植付け杆11
には、その左右一対の分割爪9のうち一方の爪9aを植
付け杆11の外側面に着脱自在にボルト固着し、他方の
爪9bを着脱自在に固着した部材21が取付く開閉軸2
2は、植付け杆11に前記一方の爪9aと略平行に回動
自在に軸支され、植付け杆11の中空内において、開閉
軸22に取付くレバー23の先端に突設した突起24
を、前記カム20の外周面にばね25の押圧にて接当
し、且つカム20の外周面を、前記各植付け杆11がそ
の下降下限の近傍に来たときのみ、前記開閉軸22を強
制回動させて前記他方の爪9bの下端が前記一方の爪9
aの下端に対して離れるように構成する。 【0016】この構成において、回転体ケース4がその
回転軸3により矢印Aの右方向に公転すると、伝動ケー
ス1に対して回転不能の太陽歯車5に噛合する中間歯車
17は、回転体ケース4の公転に伴って、その公転の回
転角度と同じ回転角度だけ矢印Bの右方向に自転する。
この中間歯車17に遊星歯車18を介して連動する植付
け軸12は、中間歯車17の自転により矢印Cの方向つ
まり回転体ケース4の公転方向と逆方向に自転するか
ら、この植付け軸12に取付く植付け杆11は、その分
割爪9が図1に示すように苗載台10の方向を向いた姿
勢状態のまま、回転軸3を中心に上下方向に旋回運動す
ることになり、この旋回運動中において、苗載台10に
面する側を上から下に下降するときその分割爪9の先端
部にて苗載台10上の苗マットから苗を一株だけ分割し
て取り出したのち、その下降下限の近傍において圃場面
26に植付けし、その後において圃場面26より上昇す
るのである。 【0017】そして、各植付け杆11が回転体ケース4
から突出するボス部8に回動自在に被嵌しているから、
前記回転体ケース4の矢印Aの右方向への公転中に、各
植付け杆11が前記各ボス部8に対して矢印Cの左方向
つまり回転体4の公転方向と逆方向に自転することによ
り、各植付け杆11においてボス部8と噛み合うカム2
0に接当するレバー23は、植付け杆11の下降下限に
おいてその分割爪9の先端が圃場面26に侵入したと
き、前記カム20の形状に基づきばね25力にて上向き
方向に回動するから、このレバー23が取付く開閉軸2
2はその軸線回りに適宜角度だけ回動し、該開閉軸22
の部材21に設けた他方の爪9bの下端が前記一方の爪
9aの下端に対して離れ、苗を確実に圃場土内に植え付
けることができる。 【0018】なお、前記中間軸16と植付け軸12とを
連動連結する同じ歯数の歯車17,18を、これら各歯
車の中心(O)をその各々の軸16,12の回転中心か
ら適宜寸法(e)だけ偏芯した偏芯歯車に構成しておく
ことにより、回転体ケース4の右方向への公転に伴う植
付け軸12の左方向への自転は、その一回転中において
偏芯型の両連動歯車17,18の直径差にて回転体4の
自転速度に対して早くなったり、遅くなったりするよう
に首振り回動することになるから、回転体ケース4の公
転に対して植付け軸12の左方向への自転が遅くなる時
期が、植付け杆11の圃場面26に近付くように下降す
る時期に、植付け軸12の左方向への自転が早くなる時
期が、植付け杆11の上昇上限に近付くように上昇する
時期に各々該当するように設定することより、各植付け
杆11は、圃場面26に近付くように下降するときに回
転体ケース4の公転よりも左方向に遅れ勝手に自転して
姿勢を下向きに変え、上昇上限に近付くとき回転体ケー
ス4の公転よりも余分に左方向に進み勝手に自転して姿
勢を上向きに変えるから、各植付け杆11の分割爪9に
おける先端部の運動軌跡の閉ループは、図1に二点鎖線
で示すように上下方向に細長い楕円状の閉ループ曲線2
7となるのである。 【0019】なお、他の実施の形態においては、この苗
植装置における複数個の植付け杆に、当該植付け杆にお
ける分割爪によって分割した苗を圃場面に押し込むため
の押出具を各々装着するものであっても良く、この場
合、押出具を分割爪に沿って上下動させるためのガイド
軸を上下駆動するのに、回転体4のボス部8に噛み合う
前記カム20を利用することができる。
苗載台上の苗マットから苗を一株づつ分割したのちこれ
を圃場面に植付けるための苗植装置のうちロータリー式
の苗植装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の苗植装置には、上下揺動
式のものと、ロータリー式のものとがあり、前者の上下
揺動式のものは、例えば特公昭49−27762号公報
に記載されているように、先端に分割爪を有する植付け
杆の基端を、機体側に扇動リンクを介して連結する一
方、該植付け杆の中途部を、エンジンにて回転駆動され
る爪軸に固着したクランクの先端に枢着し、該クランク
の回転により植付け杆を、その分割爪における先端に上
下方向に長い楕円状閉ループの運動軌跡を描かせるよう
に上下揺動させるもので、このものは、その植付け杆の
激しい上下揺動のために振動が著しく大きくて、苗の植
付けが不安定で、しかも、植付け速度が遅い等の欠点が
あった。 【0003】これに対して、後者のロータリー式の苗植
装置は、特公昭49−17807号公報に記載されてい
るように、伝動ケースからの動力伝達によって回転駆動
される略水平横向きの回転軸に回転体ケースを設け、こ
の回転体ケースに、前記回転軸を中心とする円周上に、
複数の植付け軸を回転自在に軸支し、該各植付け軸に、
苗載台に向かって延びる分割爪を備えた植付け杆を取付
け、この各分割爪付き植付け杆を、前記回転体ケースに
設けた歯車列により、当該回転体ケースの一回転中にそ
の回転方向と逆方向に一回転するように構成したもので
あるから、前者の上下揺動式のものより、振動が少な
く、且つ、植付け速度を向上できる利点を有する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このロータリ
ー式の苗植装置では、各植付け杆を、当該植付け杆にお
ける分割爪の先端に前記上下揺動式の苗植装置の場合と
同様に上下方向に長い楕円状閉ループの運動軌跡を描か
せるように首振り回動することが必要であり、前記特公
昭49−17807号公報のものは、この首振り回動
を、クランク機構によって行うように構成しているか
ら、動きが不円滑で、細かい振動が発生するばかりか、
耐久性が低いのであった。 【0005】しかも、前記特公昭49−17807号公
報のものは、回転体ケースを、その回転軸の先端部にお
いてのみ支持するように構成しているため、回転体ケー
スの支持が不十分で、回転体ケースを高速度で回転した
場合に、回転体ケースが横振れすることになって、耐久
性が低いと言う問題があった。本発明は、前記従来にお
けるロータリー式の苗植装置が有する問題を解消すると
共に、苗植装置の取付け及び取り外し性能を、当該苗植
装置の大型化を招来することなく向上すると共に、耐久
性の向上を図ることを技術的課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「伝動ケースからの動力伝達によって
回転駆動される略水平横向きの回転軸に中空状の回転体
ケースを取付け、該回転体ケースに、前記回転軸を中心
とする円周上に複数の植付け軸を回転自在に軸支し、該
各植付け軸のうち前記回転体ケースからの突出端に、苗
載台に向かって延びる分割爪を備えた植付け杆を取付け
て成る田植機の苗植装置において、 前記回転体ケースに
回転軸に対する取付けを、回転体ケースにおける左右両
側面板のうち前記伝動ケースと反対側における側面板を
回転軸に対して嵌着することで行うように構成する一
方、前記回転体ケース内には、その中心に設けた非回転
の太陽歯車と前記各植付け軸との間に、当該回転体ケー
スの回転に伴って前記各植付け軸に対して不等速回転を
伝えるようにした歯車列を設けて、前記各植付け杆をそ
の分割爪の先端が上下方向に長い楕円状閉ループの軌跡
を描くように首振り回動するように構成し、前記太陽歯
車を、前記伝動ケースに前記回転軸に被嵌するように取
付けた固定部材に対して、前記回転軸の軸方向に噛合可
能な噛合部を介して非回転状態に着脱自在に連結し、更
に、前記太陽歯車における左右両側面のうち前記伝動ケ
ースと反対側の側面を、前記回転体ケースにおける左右
両側面板のうち前記伝動ケースと反対側の側面板におけ
る内面に近接する。」と言う構成にした。 【0007】 【発明の作用・効果】本発明は、回転体ケースに設ける
歯車列を、不等速回転を伝える歯車列に構成することに
よって、各植付け杆に首振り回動を付与し、もって、こ
の各植付け杆における分割爪の先端に、上下方向に長い
楕円状閉ループ状の運動軌跡を描かせるようにしたもの
であるから、各植付け杆における分割爪の動きが円滑に
なって、圃場面に対する苗の植付けを安定化できると共
に、耐久性を大幅に向上できる。 【0008】しかも、前記歯車列における太陽歯車を、
伝動ケースに取付けた固定部材に対して、回転軸の軸方
向に噛合可能な噛合部を介して非回転状態に着脱自在に
連結し、更に、この太陽歯車における左右両側面のうち
前記伝動ケースと反対側の側面を、前記回転体ケースに
おける左右両側面板のうち前記伝動ケースと反対側の側
面板における内面に近接したことにより、太陽歯車を、
当該太陽歯車における伝動ケースから離れる方向へのス
ラスト荷重を回転体ケースにて支持した状態のもとで、
軸方向に移動するだけで固定部材に対して非回転状態に
連結したり、その連結を解除したりすることができて、
太陽歯車を非回転状態に連結する個所の構造を簡単でき
ると共に、この個所を小型化でき、且つ、太陽歯車をそ
のスラスト荷重を支持した状態のもとで非回転状態に連
結することが至極簡単にできるから、苗植装置全体の取
付け・取り外しが、苗植装置の大型化を招来することな
く、容易にできるのである。 【0009】その上、前記固定部材を、回転軸に被嵌す
ると言う構成にしたことにより、回転軸に圃場における
藁屑等が直接的に巻き付くを確実に防止できるから、耐
久性を向上できるのである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について説明すると、図において符号1は、田植機の機
体における伝動ケースを示し、該伝動ケース1の側面に
は、ボス体2を、水平横向きで且つ苗載台10と略平行
に突出して、このボス体2内には、田植機の機体に搭載
したエンジン(図示せず)からの動力伝達にて回転駆動
される回転軸3が挿入され、この回転軸3の前記ボス体
2からの突出端には、小判形に形成した回転体ケース4
が、着脱可能に装着され、且つ、この回転体ケース4
は、矢印Aで示すように右方向に回転するように構成さ
れている。この場合において、前記回転軸3に対する回
転体ケース4の取付けは、回転体ケース4における2つ
割りのケース4a,4bのうち前記伝動ケース1とは反
対側の分割ケース4bに一体的に設けた取付け用ボス
を、回転軸3に対して被嵌するように構成されている。 【0011】更に、この回転体ケースは、2つ割りのケ
ース4a,4bにて中空状に形成され、その内部の中心
には、太陽歯車5が配設され、この太陽歯車5は、前記
伝動ケース1に対して、回転不能に係止されている。そ
の構造は、前記回転軸3に被嵌し、且つ、前記伝動ケー
ス1に対して回転位相調節可能に装着した固定部材6
と、前記太陽歯車5とが、スプライン等の噛合部7にて
噛み合うことによってなされる。更に、この太陽歯車5
における左右両側面のうち前記伝動ケース1とは反対側
の側面に、前記回転体ケース4における2つ割りのケー
ス4a,4bのうち前記伝動ケース1とは反対側の分割
ケース4bにおける内面を近接することにより、前記太
陽歯車5における伝動ケース1から離れる方向へのスラ
スト荷重を、前記分割ケースにて支持するように構成さ
れている。 【0012】また、前記固定部材6には、前記噛合部7
の外径部にベアリング等の軸受部を設けて、この軸受部
によって、前記回転体ケース4を回転自在に支持する。
前記回転体ケース4の外側ケース4bにおける左右両端
には、回転軸3からの距離(L)が等しい位置に、ボス
部8を前記回転軸3と平行に一体的に突出し、該ボス部
8の外周には、前記苗載台10に向かって延びるように
した分割爪9を備えた中空状の植付け杆11をその基部
において回転自在に被嵌・装着する。 【0013】前記ボス部8内径に対して回転自在に嵌挿
する植付け軸12は、その一端を側板13に固着し、該
植付け軸12の他端を前記回転体ケース4の中空部に臨
ませる一方、植付け軸12の前記側板13を前記植付け
杆11の外側板14にボルト15の締結にて固着する。
前記回転体ケース4内には、回転軸3と各植付け軸12
との中間の位置に中間軸16を両軸と平行に回転自在に
軸支し、該各中間軸16上には、前記太陽歯車5に噛合
し且つ太陽歯車5と同歯数の中間歯車17を回転自在に
設ける一方、前記植付け軸12上には、前記中間軸16
上の中間歯車17に常時噛合する遊星歯車18を嵌着し
て、前記回転体ケース4の一回転により植付け軸12が
回転体ケース4の回転方向と逆方向に一回転するように
構成する。 【0014】このとき、太陽歯車5及び中間歯車17並
びに遊星歯車18を、これら各歯車5,17,18の中
心(O),(O′),(O″)が、その各軸3,16,
12の回転中心から適宜寸法(e)だけ偏心した偏心歯
車にして不等速歯車列を構成する。そして、前記中空状
の各植付け杆11内に前記ボス部8の一端を臨ませ、該
一端には噛み合い爪19を形成し、これに噛み合い係合
するカム20を前記植付け軸12に回動自在に被嵌し
て、植付け杆11における分割爪9の左右挟み付け駆動
や苗押出具の駆動への動力伝達部になるように構成す
る。 【0015】図3及び図5に示す実施の形態は、各植付
け杆11における左右一対の分割爪9が左右開閉自在
で、苗載台10上の苗マットを分割するときは分割爪9
下端の左右間隔が狭く、圃場面に植え付けるとき、即ち
分割爪9の下降下端近傍で当該分割爪9下端の左右間隔
が広くなるように強制的に開くもので、各植付け杆11
には、その左右一対の分割爪9のうち一方の爪9aを植
付け杆11の外側面に着脱自在にボルト固着し、他方の
爪9bを着脱自在に固着した部材21が取付く開閉軸2
2は、植付け杆11に前記一方の爪9aと略平行に回動
自在に軸支され、植付け杆11の中空内において、開閉
軸22に取付くレバー23の先端に突設した突起24
を、前記カム20の外周面にばね25の押圧にて接当
し、且つカム20の外周面を、前記各植付け杆11がそ
の下降下限の近傍に来たときのみ、前記開閉軸22を強
制回動させて前記他方の爪9bの下端が前記一方の爪9
aの下端に対して離れるように構成する。 【0016】この構成において、回転体ケース4がその
回転軸3により矢印Aの右方向に公転すると、伝動ケー
ス1に対して回転不能の太陽歯車5に噛合する中間歯車
17は、回転体ケース4の公転に伴って、その公転の回
転角度と同じ回転角度だけ矢印Bの右方向に自転する。
この中間歯車17に遊星歯車18を介して連動する植付
け軸12は、中間歯車17の自転により矢印Cの方向つ
まり回転体ケース4の公転方向と逆方向に自転するか
ら、この植付け軸12に取付く植付け杆11は、その分
割爪9が図1に示すように苗載台10の方向を向いた姿
勢状態のまま、回転軸3を中心に上下方向に旋回運動す
ることになり、この旋回運動中において、苗載台10に
面する側を上から下に下降するときその分割爪9の先端
部にて苗載台10上の苗マットから苗を一株だけ分割し
て取り出したのち、その下降下限の近傍において圃場面
26に植付けし、その後において圃場面26より上昇す
るのである。 【0017】そして、各植付け杆11が回転体ケース4
から突出するボス部8に回動自在に被嵌しているから、
前記回転体ケース4の矢印Aの右方向への公転中に、各
植付け杆11が前記各ボス部8に対して矢印Cの左方向
つまり回転体4の公転方向と逆方向に自転することによ
り、各植付け杆11においてボス部8と噛み合うカム2
0に接当するレバー23は、植付け杆11の下降下限に
おいてその分割爪9の先端が圃場面26に侵入したと
き、前記カム20の形状に基づきばね25力にて上向き
方向に回動するから、このレバー23が取付く開閉軸2
2はその軸線回りに適宜角度だけ回動し、該開閉軸22
の部材21に設けた他方の爪9bの下端が前記一方の爪
9aの下端に対して離れ、苗を確実に圃場土内に植え付
けることができる。 【0018】なお、前記中間軸16と植付け軸12とを
連動連結する同じ歯数の歯車17,18を、これら各歯
車の中心(O)をその各々の軸16,12の回転中心か
ら適宜寸法(e)だけ偏芯した偏芯歯車に構成しておく
ことにより、回転体ケース4の右方向への公転に伴う植
付け軸12の左方向への自転は、その一回転中において
偏芯型の両連動歯車17,18の直径差にて回転体4の
自転速度に対して早くなったり、遅くなったりするよう
に首振り回動することになるから、回転体ケース4の公
転に対して植付け軸12の左方向への自転が遅くなる時
期が、植付け杆11の圃場面26に近付くように下降す
る時期に、植付け軸12の左方向への自転が早くなる時
期が、植付け杆11の上昇上限に近付くように上昇する
時期に各々該当するように設定することより、各植付け
杆11は、圃場面26に近付くように下降するときに回
転体ケース4の公転よりも左方向に遅れ勝手に自転して
姿勢を下向きに変え、上昇上限に近付くとき回転体ケー
ス4の公転よりも余分に左方向に進み勝手に自転して姿
勢を上向きに変えるから、各植付け杆11の分割爪9に
おける先端部の運動軌跡の閉ループは、図1に二点鎖線
で示すように上下方向に細長い楕円状の閉ループ曲線2
7となるのである。 【0019】なお、他の実施の形態においては、この苗
植装置における複数個の植付け杆に、当該植付け杆にお
ける分割爪によって分割した苗を圃場面に押し込むため
の押出具を各々装着するものであっても良く、この場
合、押出具を分割爪に沿って上下動させるためのガイド
軸を上下駆動するのに、回転体4のボス部8に噛み合う
前記カム20を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による苗植装置の正面図で
ある。 【図2】図1の平面図である。 【図3】図1のIII −III 視拡大断面図てある。 【図4】図3のIV−IV視断面図である。 【図5】図3のV−V視拡大断面図である。 【符号の説明】 1 伝動ケース 3 回転軸 4 回転体ケース 5 太陽歯車 6 固定部材 7 噛合部 8 ボス部 12 植付け軸 11 植付け杆 9 分割爪 10 苗載台 16 中間軸 17 中間歯車 18 遊星歯車
ある。 【図2】図1の平面図である。 【図3】図1のIII −III 視拡大断面図てある。 【図4】図3のIV−IV視断面図である。 【図5】図3のV−V視拡大断面図である。 【符号の説明】 1 伝動ケース 3 回転軸 4 回転体ケース 5 太陽歯車 6 固定部材 7 噛合部 8 ボス部 12 植付け軸 11 植付け杆 9 分割爪 10 苗載台 16 中間軸 17 中間歯車 18 遊星歯車
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.伝動ケースからの動力伝達によって回転駆動される
略水平横向きの回転軸に中空状の回転体ケースを取付
け、該回転体ケースに、前記回転軸を中心とする円周上
に複数の植付け軸を回転自在に軸支し、該各植付け軸の
うち前記回転体ケースからの突出端に、苗載台に向かっ
て延びる分割爪を備えた植付け杆を取付けて成る田植機
の苗植装置において、 前記回転体ケースに回転軸に対する取付けを、回転体ケ
ースにおける左右両側面板のうち前記伝動ケースと反対
側における側面板を回転軸に対して嵌着することで行う
ように構成する一方、 前記回転体ケース内には、その中
心に設けた非回転の太陽歯車と前記各植付け軸との間
に、当該回転体ケースの回転に伴って前記各植付け軸に
対して不等速回転を伝えるようにした歯車列を設けて、
前記各植付け杆をその分割爪の先端が上下方向に長い楕
円状閉ループの軌跡を描くように首振り回動するように
構成し、前記太陽歯車を、前記伝動ケースに前記回転軸
に被嵌するように取付けた固定部材に対して、前記回転
軸の軸方向に噛合可能な噛合部を介して非回転状態に着
脱自在に連結し、更に、前記太陽歯車における左右両側
面のうち前記伝動ケースと反対側の側面を、前記回転体
ケースにおける左右両側面板のうち前記伝動ケースと反
対側の側面板における内面に近接したことを特徴とする
田植機の苗植装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP268797A JP2845397B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 田植機の苗植装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP268797A JP2845397B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 田植機の苗植装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19247688A Division JPS6460305A (en) | 1988-08-01 | 1988-08-01 | Seedling planter in rice transplanter |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09294434A JPH09294434A (ja) | 1997-11-18 |
JP2845397B2 true JP2845397B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=11536207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP268797A Expired - Lifetime JP2845397B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 田植機の苗植装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2845397B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113854073B (zh) * | 2021-09-29 | 2022-12-13 | 湖南农业大学 | 一种水稻压根免耕栽培方法 |
-
1997
- 1997-01-10 JP JP268797A patent/JP2845397B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09294434A (ja) | 1997-11-18 |
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