JP2844822B2 - アバランシェフォトダイオード - Google Patents
アバランシェフォトダイオードInfo
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- JP2844822B2 JP2844822B2 JP2093402A JP9340290A JP2844822B2 JP 2844822 B2 JP2844822 B2 JP 2844822B2 JP 2093402 A JP2093402 A JP 2093402A JP 9340290 A JP9340290 A JP 9340290A JP 2844822 B2 JP2844822 B2 JP 2844822B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高感度、低雑音特性を有するアバランシェ
フォトダイオード(APD)に関する。
フォトダイオード(APD)に関する。
(従来の技術) 高速大容量光通信システムを構成するには、超高速か
つ、低雑音・高感度特性を有する半導体受光素子が不可
欠である。このため、近年シリカ系ファイバの低損失波
長域1.0〜1.6μmに適応できるInP/InGaAs系アバランシ
ェ・フォトダイオード(APD)の高速化・高感度化に対
する研究が活発となっている。このInP/InGaAs系APDで
は現在、小受光径化による低容量化、層厚最適化による
キャリア走行時間の低域、ヘテロ界面への中間層導入に
よるキャリア・トラップの抑制により、利得帯域幅(G
B)積75GHzの高速化が実現されている。しかしながら、
その素子構造では、アバランシェ増倍層であるInPのイ
オン化率比β/αが〜2と小さいため(α:電子のイオ
ン化率、β:正孔のイオン化率)、過剰雑音指数x(イ
オン化率比が小さいほど大きくなる)が〜0.7と大きく
なり、低雑音化・高感度化には限界がある。これは、他
のIII−V族化合物半導体をアバランシェ増倍層に用い
た場合も同様であり、低雑音化・高GB積化を達成するに
はイオン化率比α/βを人工的に増大させる必要があ
る。
つ、低雑音・高感度特性を有する半導体受光素子が不可
欠である。このため、近年シリカ系ファイバの低損失波
長域1.0〜1.6μmに適応できるInP/InGaAs系アバランシ
ェ・フォトダイオード(APD)の高速化・高感度化に対
する研究が活発となっている。このInP/InGaAs系APDで
は現在、小受光径化による低容量化、層厚最適化による
キャリア走行時間の低域、ヘテロ界面への中間層導入に
よるキャリア・トラップの抑制により、利得帯域幅(G
B)積75GHzの高速化が実現されている。しかしながら、
その素子構造では、アバランシェ増倍層であるInPのイ
オン化率比β/αが〜2と小さいため(α:電子のイオ
ン化率、β:正孔のイオン化率)、過剰雑音指数x(イ
オン化率比が小さいほど大きくなる)が〜0.7と大きく
なり、低雑音化・高感度化には限界がある。これは、他
のIII−V族化合物半導体をアバランシェ増倍層に用い
た場合も同様であり、低雑音化・高GB積化を達成するに
はイオン化率比α/βを人工的に増大させる必要があ
る。
そこで、カパッソ(F.Capasso)等はアプライド・フ
ィジックス・レター(Appl.Phys.Lett.,40(1),pp.38
−40,1982)で、超格子による伝導帯エネルギー不連続
量ΔEcを電子のイオン化に利用してイオン化率比α/β
を人工的に増大させる構造を提案し、実際にGaAs/GaAlA
s系超格子でイオン化率比α/βの増大(バルクGaAsの
〜2に対して超格子層で〜8)を確認した。そのアバラ
ンシェ増倍層のバイアス印加時のエネルギーバンド図を
第4図に示す。11は厚さ550Åのn-型GaAlAs障壁層、12
は厚さ450Åのn-型GaAs井戸層であり、11と12の25周期
の繰り返しが超格子アバランシェ増倍層を構成してい
る。また、13、14はそれぞれ伝導帯不連続量ΔEc、価電
子帯不連続量ΔEvである。また、15、16はそれぞれ電子
と正孔である。この構造では伝導帯不連続量ΔEcが0.35
eVと価電子帯不連続量ΔEvの0.15eVより大きく、井戸層
に入ったときバンド不連続により獲得するエネルギーが
電子の方が大きく、これによって電子がイオン化しきい
値エネルギーに達しやすくすることで電子イオン化率を
増大させ、イオン化率比α/βの増大を図っている。し
かしながら、このGaAlAs/GaAs系超格子では長距離光通
信に用いられる波長1.0〜1.6μm帯に受光感度をもたな
いという欠点を有する。更に広帯域と高量子効率を同時
に実現していなかった。
ィジックス・レター(Appl.Phys.Lett.,40(1),pp.38
−40,1982)で、超格子による伝導帯エネルギー不連続
量ΔEcを電子のイオン化に利用してイオン化率比α/β
を人工的に増大させる構造を提案し、実際にGaAs/GaAlA
s系超格子でイオン化率比α/βの増大(バルクGaAsの
〜2に対して超格子層で〜8)を確認した。そのアバラ
ンシェ増倍層のバイアス印加時のエネルギーバンド図を
第4図に示す。11は厚さ550Åのn-型GaAlAs障壁層、12
は厚さ450Åのn-型GaAs井戸層であり、11と12の25周期
の繰り返しが超格子アバランシェ増倍層を構成してい
る。また、13、14はそれぞれ伝導帯不連続量ΔEc、価電
子帯不連続量ΔEvである。また、15、16はそれぞれ電子
と正孔である。この構造では伝導帯不連続量ΔEcが0.35
eVと価電子帯不連続量ΔEvの0.15eVより大きく、井戸層
に入ったときバンド不連続により獲得するエネルギーが
電子の方が大きく、これによって電子がイオン化しきい
値エネルギーに達しやすくすることで電子イオン化率を
増大させ、イオン化率比α/βの増大を図っている。し
かしながら、このGaAlAs/GaAs系超格子では長距離光通
信に用いられる波長1.0〜1.6μm帯に受光感度をもたな
いという欠点を有する。更に広帯域と高量子効率を同時
に実現していなかった。
このため、香川らはアプライド・フィジックス・レタ
ー(Appl.Phys.Lett.,55(10)pp.993−995,1989)に、
上記の波長域に受光感度を有するInAlAs/InGaAs超格子A
PDの検討結果を報告した。
ー(Appl.Phys.Lett.,55(10)pp.993−995,1989)に、
上記の波長域に受光感度を有するInAlAs/InGaAs超格子A
PDの検討結果を報告した。
そのバイアス印加時のエネルギーバンド図を第5図に
示す。21はp+型InGaAs光吸収層、22は厚さ200Åのn-型I
nAlAs障壁層、23は厚さ400Åのn-型InGaAs井戸層であ
り、22と23の25周期の繰り返しが超格子アバランシェ増
倍層を構成している。また24はn+型InGaAs層、また、2
5、26はそれぞれ電子と正孔である。
示す。21はp+型InGaAs光吸収層、22は厚さ200Åのn-型I
nAlAs障壁層、23は厚さ400Åのn-型InGaAs井戸層であ
り、22と23の25周期の繰り返しが超格子アバランシェ増
倍層を構成している。また24はn+型InGaAs層、また、2
5、26はそれぞれ電子と正孔である。
これによると、実験的にはイオン化率比α/βは9程
度(電界強度280kV/cm)が得られたが、5倍以上の十分
な増倍率を得る電界強度が250kV/cm以上となり、バルク
InGaAsのトンネル降伏限界を超えるため、超格子層に隣
接するInGaAs光吸収層21に電界が印加されないよう、こ
のInGaAs光吸収層21に不純物Znを添加してp+型化しなけ
ればならなかった。しかし、この構造ではInGaAs光吸収
層21に電界が印加されないことから、応答周波数はキャ
リアの拡散速度に律速されるので、5GHz程度の広帯域特
性を実現するには、該InGaAs光吸収層21の厚さをキャリ
アの拡散長、約1μm程度以下と小さくしなければなら
ず、60%以上の十分な量子効率を実現することは不可能
であった(波長1.3μmに対して量子効率16%であっ
た)。
度(電界強度280kV/cm)が得られたが、5倍以上の十分
な増倍率を得る電界強度が250kV/cm以上となり、バルク
InGaAsのトンネル降伏限界を超えるため、超格子層に隣
接するInGaAs光吸収層21に電界が印加されないよう、こ
のInGaAs光吸収層21に不純物Znを添加してp+型化しなけ
ればならなかった。しかし、この構造ではInGaAs光吸収
層21に電界が印加されないことから、応答周波数はキャ
リアの拡散速度に律速されるので、5GHz程度の広帯域特
性を実現するには、該InGaAs光吸収層21の厚さをキャリ
アの拡散長、約1μm程度以下と小さくしなければなら
ず、60%以上の十分な量子効率を実現することは不可能
であった(波長1.3μmに対して量子効率16%であっ
た)。
第6図と第7図は高い量子効率を実現するためのAPD
の別の従来例の構造断面図を示す。両図において、31は
n+型半導体基板、32はn型バッファ層、33はn-型アバラ
ンシェ倍増層(バルクもしくは、超格子層)であり、34
はn-型光吸収層、35はn-型キャップ層、36はp+領域、37
はn側電極、38はp側電極、39は絶縁保護膜であり、40
は金属膜(Au)反射鏡、41はn-型またはn型半導体多層
膜反射鏡である。
の別の従来例の構造断面図を示す。両図において、31は
n+型半導体基板、32はn型バッファ層、33はn-型アバラ
ンシェ倍増層(バルクもしくは、超格子層)であり、34
はn-型光吸収層、35はn-型キャップ層、36はp+領域、37
はn側電極、38はp側電極、39は絶縁保護膜であり、40
は金属膜(Au)反射鏡、41はn-型またはn型半導体多層
膜反射鏡である。
これらの従来例では、p+型InGaAs光吸収層34の厚さが
1μmと薄いとき、波長1.55μm入射の光の48%がこの
InGaAs層34に吸収され、残りの52%は透過する。量子効
率を上げるためにこの透過光を再びInGaAs吸収層34に入
射させるためには、InGaAs光吸収層34をはさんで、最初
入射した面(p側)と対向する位置(n側)に反射鏡を
設ける必要がある。
1μmと薄いとき、波長1.55μm入射の光の48%がこの
InGaAs層34に吸収され、残りの52%は透過する。量子効
率を上げるためにこの透過光を再びInGaAs吸収層34に入
射させるためには、InGaAs光吸収層34をはさんで、最初
入射した面(p側)と対向する位置(n側)に反射鏡を
設ける必要がある。
この様な反射鏡を形成するには、従来例では、第6
図に示すように基板31裏面を鏡面研磨して、ここに、金
属膜あるいは誘電体多層膜による反射鏡40を形成する、
第7図に示すようにn+型基板31と光吸収層34の間に半
導体多層膜反射鏡41を形成する、等が考えられる。しか
し、については、光ファイバ出射光が広がり角をもつ
ため、十分な反射率を得るには、基板31を50〜70μm程
度ときわめて薄く研磨して、ビームの広がりの影響を少
なくする必要がある。このため基板が薄くなった状態で
の反射鏡40形成は、非常に複雑な工程となりかつ歩留り
が低下するという欠点がある。また、については、結
晶成長で多層膜反射鏡41を形成するが、この多層膜反射
鏡41は、これを構成する半導体の屈折率差が通常0.2〜
0.3と小さいため厚さ2〜3μm程度と厚くなる。これ
にバルクまたは超格子増倍層33の(多層)膜厚1〜2μ
mが加わって、多層反射鏡41をn型またはn-型層とした
場合は、光吸収層34以外のキャリア走行領域の厚さが3
〜4μmと厚くなってしまい、結晶成長に多大の時間を
必要とすると共に、キャリア走行時間制限による帯域劣
化が起きる。
図に示すように基板31裏面を鏡面研磨して、ここに、金
属膜あるいは誘電体多層膜による反射鏡40を形成する、
第7図に示すようにn+型基板31と光吸収層34の間に半
導体多層膜反射鏡41を形成する、等が考えられる。しか
し、については、光ファイバ出射光が広がり角をもつ
ため、十分な反射率を得るには、基板31を50〜70μm程
度ときわめて薄く研磨して、ビームの広がりの影響を少
なくする必要がある。このため基板が薄くなった状態で
の反射鏡40形成は、非常に複雑な工程となりかつ歩留り
が低下するという欠点がある。また、については、結
晶成長で多層膜反射鏡41を形成するが、この多層膜反射
鏡41は、これを構成する半導体の屈折率差が通常0.2〜
0.3と小さいため厚さ2〜3μm程度と厚くなる。これ
にバルクまたは超格子増倍層33の(多層)膜厚1〜2μ
mが加わって、多層反射鏡41をn型またはn-型層とした
場合は、光吸収層34以外のキャリア走行領域の厚さが3
〜4μmと厚くなってしまい、結晶成長に多大の時間を
必要とすると共に、キャリア走行時間制限による帯域劣
化が起きる。
(発明が解決しようとする課題) そこで、本発明は、高イオン化率比α/βで低雑音特
性・広帯域の周波数応答特性を有し、かつ高量子効率の
アバランシェ・フォトダイオードを実現することを目的
とする。
性・広帯域の周波数応答特性を有し、かつ高量子効率の
アバランシェ・フォトダイオードを実現することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) 本発明のアバランシェフォトダイオードは超格子構造
をアバランシェ増倍層とするアバランシェフォトダイオ
ードにおいて、該超格子層が、設計受光波長のブラッグ
反射条件を満たす構造であることを特徴とする。例え
ば、該超格子層の屈折率が、ブラック反射条件を満たし
て、周期的に変化していてもよい。あるいは該超格子層
の屈折率と膜厚がブラック反射条件を満たしたまま変動
していてもよい。
をアバランシェ増倍層とするアバランシェフォトダイオ
ードにおいて、該超格子層が、設計受光波長のブラッグ
反射条件を満たす構造であることを特徴とする。例え
ば、該超格子層の屈折率が、ブラック反射条件を満たし
て、周期的に変化していてもよい。あるいは該超格子層
の屈折率と膜厚がブラック反射条件を満たしたまま変動
していてもよい。
(作用) 本発明は、上述の構成により従来より特性を改善し
た。第1図は、本発明のアバランシェフォトダイオード
の一例を示す構造断面図、第2図はそのバイアス印加時
エネルギーバンド図である。両図において、1はn+型半
導体基板、2はn型バッファー層である。3は本発明で
あるところのn-型超格子アバランシェ倍増層であり、4
の高屈折率領域(倍増領域)と、5の低屈折領域との周
期的繰り返しにより構成される。また、6はp+型光吸収
層、7はp+型キャップ層、8はn側電極、9はp側電
極、10は絶縁保護膜である。これらの図を用いて本発明
の作用を説明する。
た。第1図は、本発明のアバランシェフォトダイオード
の一例を示す構造断面図、第2図はそのバイアス印加時
エネルギーバンド図である。両図において、1はn+型半
導体基板、2はn型バッファー層である。3は本発明で
あるところのn-型超格子アバランシェ倍増層であり、4
の高屈折率領域(倍増領域)と、5の低屈折領域との周
期的繰り返しにより構成される。また、6はp+型光吸収
層、7はp+型キャップ層、8はn側電極、9はp側電
極、10は絶縁保護膜である。これらの図を用いて本発明
の作用を説明する。
第2図に示す本発明の一実施例の超格子アバランシェ
増倍層3は、その屈折率が、設計受光波長のブラッグ反
射条件を満たすように周期的に変化する構造、すなわ
ち、高屈折率領域(増倍層)4と低屈折率5の各々の厚
さが設計受光波長の1/4n倍(nは半導体層の屈折率)の
層を交互に積層した構造となっていることから、増倍層
が反射鏡としても働く。即ち、超格子アバランシェ増倍
層3と半導体多層膜反射鏡を一体化して層厚を薄くで
き、結晶成長に要する時間が短縮できると共に、光吸収
層6以外のキャリア走行領域の厚さを薄くできる。この
ためキャリア走行時間制限による帯域を上げることが可
能となる。第2図では高屈折率領域(増倍層)4が更に
短周期の周期構造となっているが、これは高増倍を得る
ためである。
増倍層3は、その屈折率が、設計受光波長のブラッグ反
射条件を満たすように周期的に変化する構造、すなわ
ち、高屈折率領域(増倍層)4と低屈折率5の各々の厚
さが設計受光波長の1/4n倍(nは半導体層の屈折率)の
層を交互に積層した構造となっていることから、増倍層
が反射鏡としても働く。即ち、超格子アバランシェ増倍
層3と半導体多層膜反射鏡を一体化して層厚を薄くで
き、結晶成長に要する時間が短縮できると共に、光吸収
層6以外のキャリア走行領域の厚さを薄くできる。この
ためキャリア走行時間制限による帯域を上げることが可
能となる。第2図では高屈折率領域(増倍層)4が更に
短周期の周期構造となっているが、これは高増倍を得る
ためである。
したがって、光吸収層6の厚さが、何らかの理由で
(本発明では、p+型InGaAs層6でのキャリア拡散速度制
限の影響がでないように)厚くできず十分な量子効率が
取れない場合には特に、本発明の超格子アバラシェ増倍
層を用いれば、高量子効率・低雑音(高イオン化率化)
・広帯域のアバランシェフォトダイオードを得ることが
できる。材料としてInP/InGaAs/InAlAs系を選べば波長
1μm帯の本発明のAPDが得られる。
(本発明では、p+型InGaAs層6でのキャリア拡散速度制
限の影響がでないように)厚くできず十分な量子効率が
取れない場合には特に、本発明の超格子アバラシェ増倍
層を用いれば、高量子効率・低雑音(高イオン化率化)
・広帯域のアバランシェフォトダイオードを得ることが
できる。材料としてInP/InGaAs/InAlAs系を選べば波長
1μm帯の本発明のAPDが得られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例として、波長1.0〜1.6μm帯に
用いられるInAlAs/InGaAs系超格子アバランシェ・フォ
トダイオードを用いて説明する。第1図に示すアバラン
シェフォトダイオードを以下の製造工程によって製作し
た。
用いられるInAlAs/InGaAs系超格子アバランシェ・フォ
トダイオードを用いて説明する。第1図に示すアバラン
シェフォトダイオードを以下の製造工程によって製作し
た。
n+型InP基板1上に、n型InPバッファ層2を1μm
厚に、キャリア濃度〜1×1015cm-3のn-型InAlGaAs−In
AlAsよりなる超格子層3を約3.4μm厚に、キャリア濃
度〜2×1018cm-3のp+型In0.53Ga0.47As光吸収層6を〜
1μm厚に、キャリア濃度〜2×1018cm-3のp+型In0.52
Al0.48Asキャップ層7を0.5μm厚に順次、有機金属気
相成長法(MOVPE)を用いて成長する。この超格子増倍
層3は、厚さ1185Åのn-型In0.52Al0.48Asの低屈折率領
域5と、厚さd1=37.1ÅのIn0.52Al0.48Asと厚さd2=7
6.2ÅのInAlGaAs(禁制帯幅に相当する波長1.45μm相
当)10周期からなる高屈折率領域4を、15周期繰り返し
た構造となっている。各層の膜厚は、波長λ=1.55μm
の光に対するIn0.52Al0.48Asの屈折率n1が3.17、InAlGa
As(禁制帯幅は波長1.45μmに相当)の屈折率n2が3.36
であることから、低屈折率領域5はλ/4n1、高屈折率領
域4はλ/4nAVをその膜厚とした。ここでnAVは次式より
得られた平均屈折率である。
厚に、キャリア濃度〜1×1015cm-3のn-型InAlGaAs−In
AlAsよりなる超格子層3を約3.4μm厚に、キャリア濃
度〜2×1018cm-3のp+型In0.53Ga0.47As光吸収層6を〜
1μm厚に、キャリア濃度〜2×1018cm-3のp+型In0.52
Al0.48Asキャップ層7を0.5μm厚に順次、有機金属気
相成長法(MOVPE)を用いて成長する。この超格子増倍
層3は、厚さ1185Åのn-型In0.52Al0.48Asの低屈折率領
域5と、厚さd1=37.1ÅのIn0.52Al0.48Asと厚さd2=7
6.2ÅのInAlGaAs(禁制帯幅に相当する波長1.45μm相
当)10周期からなる高屈折率領域4を、15周期繰り返し
た構造となっている。各層の膜厚は、波長λ=1.55μm
の光に対するIn0.52Al0.48Asの屈折率n1が3.17、InAlGa
As(禁制帯幅は波長1.45μmに相当)の屈折率n2が3.36
であることから、低屈折率領域5はλ/4n1、高屈折率領
域4はλ/4nAVをその膜厚とした。ここでnAVは次式より
得られた平均屈折率である。
nAV=n1×d1/(d1+d2)+n2×d2/(d1+d2)=3.30 膜厚d1、d2が、実効波長λ/nに対して1/10ないし1/20
と十分小さいため、上式のような平均値で平均屈折率n
AVが与えられるとすることは妥当である。
と十分小さいため、上式のような平均値で平均屈折率n
AVが与えられるとすることは妥当である。
この様な本発明の構造の超格子層の反射率の波長依存
性を第3図に示す。これより中心波長1.55μmに対して
反射率が60%になることがわかる。これにより、厚さ1
μmの光吸収層6のみの場合の波長1.55μm光に対する
量子効率48%が、63%程度まで大きく改善できる。
性を第3図に示す。これより中心波長1.55μmに対して
反射率が60%になることがわかる。これにより、厚さ1
μmの光吸収層6のみの場合の波長1.55μm光に対する
量子効率48%が、63%程度まで大きく改善できる。
次に、SiO2マスクを用いて直径50μm高さ5μmの円
形メサを0.5%臭素メタノールにて形成する。SiO2マス
クを除去した後、絶縁保護膜10を形成し、裏面研磨を行
ってから、n側電極8をAuGeで、p型電極9をAuZnで形
成した。
形メサを0.5%臭素メタノールにて形成する。SiO2マス
クを除去した後、絶縁保護膜10を形成し、裏面研磨を行
ってから、n側電極8をAuGeで、p型電極9をAuZnで形
成した。
上記の実施例で、電子と正孔のイオン化率比α/βは
8程度、過剰雑音指数x〜0.3と低雑音化がなされた。
また、周波数応答特性については、厚さ1μmのp+型In
GaAs光吸収層中のキャリア拡散速度で決まる帯域約5GHz
が得られた。
8程度、過剰雑音指数x〜0.3と低雑音化がなされた。
また、周波数応答特性については、厚さ1μmのp+型In
GaAs光吸収層中のキャリア拡散速度で決まる帯域約5GHz
が得られた。
さらに、波長1.55μmに対する量子効率は、InGaAs光
吸収層厚1μmから予想される値約48%より大きい約60
%が得られ、本発明による高量子効率化が確認された。
吸収層厚1μmから予想される値約48%より大きい約60
%が得られ、本発明による高量子効率化が確認された。
以上、本発明の本実施例により、波長1.0〜1.6μmの
感度を有する低雑音高感度APDが実現でき、本発明の価
値は極めて大きい。
感度を有する低雑音高感度APDが実現でき、本発明の価
値は極めて大きい。
本実施例では高屈折率領域4がInAlAsとInAlGaAsの短
周期構造となっているが、1116Å(=λ/4n2)のInAlGa
As層でもよい。しかし短周期構造とした方が超格子増倍
層の増倍効果が大きい。通常500Å以下の周期の超格子
層にして、障壁数も多い方が増倍効果が大きくなる。障
壁層の高さ(エネルギー)及びその幅と数を最適化すれ
ばよい。このとき、前述したように層厚と屈折率(多層
のときは平均屈折率)がブラッグ反射条件を満たすよう
にすることは言うまでもない。
周期構造となっているが、1116Å(=λ/4n2)のInAlGa
As層でもよい。しかし短周期構造とした方が超格子増倍
層の増倍効果が大きい。通常500Å以下の周期の超格子
層にして、障壁数も多い方が増倍効果が大きくなる。障
壁層の高さ(エネルギー)及びその幅と数を最適化すれ
ばよい。このとき、前述したように層厚と屈折率(多層
のときは平均屈折率)がブラッグ反射条件を満たすよう
にすることは言うまでもない。
本実施例では材料としてInGaAs/InAlGaAs/InAlAs/InP
系としたがこれに限らず他のIII−V族化合物半導体に
適用できる。
系としたがこれに限らず他のIII−V族化合物半導体に
適用できる。
本実施例ではアバランシェ増倍層3の超格子層、即ち
高屈折率領域4と低屈折率5の屈折率nと層厚dがそれ
ぞれd=λ/4nのブラッグ反射条件を満たした周期構造
であったが、必ずしも周期構造でなくてもよい。ブラッ
グ反射条件を満たした高屈折率領域や低屈折率のそれぞ
れの層厚と屈折率(多層の場合には平均屈折率)が変動
したり、漸増、漸減していても同様の効果が得られる。
高屈折率領域4と低屈折率5の屈折率nと層厚dがそれ
ぞれd=λ/4nのブラッグ反射条件を満たした周期構造
であったが、必ずしも周期構造でなくてもよい。ブラッ
グ反射条件を満たした高屈折率領域や低屈折率のそれぞ
れの層厚と屈折率(多層の場合には平均屈折率)が変動
したり、漸増、漸減していても同様の効果が得られる。
(発明の効果) 本発明によれば高イオン化率比で低雑音特性、広帯域
周波数応答特性を有し、しかも高量子効率のアバランシ
ェフォトダイオードが得られる。
周波数応答特性を有し、しかも高量子効率のアバランシ
ェフォトダイオードが得られる。
第1図は、本発明のアバランシェフォトダイオードの一
実施例を示す構造断面図、第2図はそのバイアス印加時
エネルギーバンド図である。第3図は、本発明の実施例
の超格子層の反射率の波長依存性を示す図である。第4
図は、従来例のアバランシェ増倍層のバイアス印加時の
エネルギーバンド図を示す。第5図は、他の従来例のバ
イアス印加時のエネルギーバンド図を示す。第6図及び
第7図はそれぞれ他の従来例の構造断面図を示す。 各図において 1,31……n+型半導体基板、 2,32……n型バッファー層、 3,33……n-型超格子アバランシェ増倍層、 4……高屈折率領域、5……低屈折率領域、 6……p+型光吸収層、7……p+型キャップ層、 8,37……n側電極、9,38……p側電極、 10,39……絶縁保護膜、11……n-型GaAlAs障壁層、 12……n-型GaAs井戸層、13……伝導帯不連続量、 14……価電子帯不連続量、15,25……電子、 16,26……正孔、21……p+型InGaAs光吸収層、 22……n-型InAlAs障壁層、 23……n-型InGaAs井戸層、24……n+型InGaAs層、 34……n-型光吸収層、35……n-型キャップ層、 36……p+型領域、40……金属反射膜、 41……半導体多層膜反射鏡 である。
実施例を示す構造断面図、第2図はそのバイアス印加時
エネルギーバンド図である。第3図は、本発明の実施例
の超格子層の反射率の波長依存性を示す図である。第4
図は、従来例のアバランシェ増倍層のバイアス印加時の
エネルギーバンド図を示す。第5図は、他の従来例のバ
イアス印加時のエネルギーバンド図を示す。第6図及び
第7図はそれぞれ他の従来例の構造断面図を示す。 各図において 1,31……n+型半導体基板、 2,32……n型バッファー層、 3,33……n-型超格子アバランシェ増倍層、 4……高屈折率領域、5……低屈折率領域、 6……p+型光吸収層、7……p+型キャップ層、 8,37……n側電極、9,38……p側電極、 10,39……絶縁保護膜、11……n-型GaAlAs障壁層、 12……n-型GaAs井戸層、13……伝導帯不連続量、 14……価電子帯不連続量、15,25……電子、 16,26……正孔、21……p+型InGaAs光吸収層、 22……n-型InAlAs障壁層、 23……n-型InGaAs井戸層、24……n+型InGaAs層、 34……n-型光吸収層、35……n-型キャップ層、 36……p+型領域、40……金属反射膜、 41……半導体多層膜反射鏡 である。
Claims (1)
- 【請求項1】超格子構造をアバランシェ増倍層とするア
バランシェフォドダイオードにおいて、該超格子層が、
設計受光波長のブラッグ反射条件を満たす構造であるこ
とを特徴とするアバランシェフォトダイオード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2093402A JP2844822B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | アバランシェフォトダイオード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2093402A JP2844822B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | アバランシェフォトダイオード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03291979A JPH03291979A (ja) | 1991-12-24 |
JP2844822B2 true JP2844822B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=14081307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2093402A Expired - Fee Related JP2844822B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | アバランシェフォトダイオード |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2844822B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100557826C (zh) * | 2004-10-25 | 2009-11-04 | 三菱电机株式会社 | 雪崩光电二极管 |
CN101232057B (zh) * | 2004-10-25 | 2012-05-09 | 三菱电机株式会社 | 雪崩光电二极管 |
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JP4370203B2 (ja) * | 2004-05-25 | 2009-11-25 | 三菱電機株式会社 | 半導体素子 |
JP2009021323A (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-29 | Dowa Electronics Materials Co Ltd | 半導体発光素子 |
JP4985298B2 (ja) * | 2007-10-10 | 2012-07-25 | 三菱電機株式会社 | アバランシェフォトダイオード |
CN113964237A (zh) * | 2021-09-30 | 2022-01-21 | 北京英孚瑞半导体科技有限公司 | 一种具有二次外延集电区和电场保护环的雪崩光电探测器的制备方法 |
-
1990
- 1990-04-09 JP JP2093402A patent/JP2844822B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100557826C (zh) * | 2004-10-25 | 2009-11-04 | 三菱电机株式会社 | 雪崩光电二极管 |
CN101232057B (zh) * | 2004-10-25 | 2012-05-09 | 三菱电机株式会社 | 雪崩光电二极管 |
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JPH03291979A (ja) | 1991-12-24 |
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