JP2844499B2

JP2844499B2 - インパクト検出装置

Info

Publication number: JP2844499B2
Application number: JP14519891A
Authority: JP
Inventors: 芳宏杉野; 良司村椿; 修朴谷
Original assignee: SUGINO MASHIN KK
Current assignee: SUGINO MASHIN KK
Priority date: 1991-05-22
Filing date: 1991-05-22
Publication date: 1999-01-06
Anticipated expiration: 2014-01-06
Also published as: JPH04343867A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、被験者のゴルフスイ
ング動作の欠点等を分析する際に用いる装置に利用され
るものであり、スイング動作中のインパクト時を検出す
る装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年のゴルフブームを反映し、ゴルフの
手腕の上達を目的とした種々の装置が考案されている。
そのひとつに、ゴルフスイング時の被験者の体重移動の
状態を検出して、被験者ゴルフスイングの測定するシス
テムが考案されている。

【０００３】これらの装置の多くは、ビデオＴＶ等を利
用したスイング動作時における外観上の観察手段による
ものであるが、スイング動作時の体重移動状態を検出
し、この検出結果をスイング動作中の時間軸に沿って表
示することで、被験者のスイング動作の状態を数値的に
解析できる装置が考案されている（特願平２−２９９０
６５、特願平２−２９９０６６）。上記の装置は実際の
打球時における被験者の体重移動状態を検出するもので
あり、また複数回の打球結果に基く検出結果を比較でき
るものもある。

【０００４】ところで、これらの装置を使用する場合
に、検知された体重移動状態の時系列データが、スイン
グ動作中のどの時点に対応するかが明確に認識されれ
ば、得られたデータから被験者のスイング動作の解析を
行うことが容易になる。このため、従来のスイング動作
の解析装置ではスイング動作中のインパクト時を検出す
るインパクト検出手段を設け、例えば前記時系列データ
中に取入れている等して、スイング動作中のインパクト
時を明確に認識させている。

【０００５】従来のインパクト検出装置の一例を図４に
示す。ここでは、被験者に実際にボールを打ってもら
い、そのスイング分析を行うことを前提としており、ボ
ール載置部３３上に載置されたボール３１に対し光学セ
ンサ３２を利用して現実にボール３１が飛ばされた時点
を検出する。

【０００６】これは、ボールにクラブが当った時点（イ
ンパクト時）の検出であるが、実際にはゴルフクラブが
光学センサの光軸上を横切った時点を検出する。このた
め、ボールの有無に拘らずインパクト時が検出できるの
で、被験者の素振りの際にもインパクト時の検出が可能
となっている。

【０００７】なお、この従来例ではボール３１に対し横
方向から検出光を照射する構成としているが、特にこの
方式に限定されるものではなく、ボール３１の載置位置
をクラブが通過する時点を検出できるものであれば良
い。また、ボール載置部の下部に光学センサを埋設した
方式のものや、金属センサを用いクラブの通過を検出す
る構成のものでもよい。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、通常ゴルフ
スイング動作を行う場合に、アドレス時に『ワッグル』
と呼ばれる予備的動作を行う場合が多い。この『ワッグ
ル』とは、被験者がスイング動作の開始のタイミングを
図るために、クラブをボール位置の近辺でこまめに動か
す動作を言う。このため、アドレス時のワッグル動作に
より、前述したインパクト検出手段が作動し、インパク
ト時が誤って検出される問題が生ずる。

【０００９】また、被験者がスイング動作を完了した
（スイング動作がフィニッシュに至った）後、ボール位
置近傍にクラブを下した場合にも、インパクト時の誤検
出の問題が生ずる。従って、これらの誤検出に基くデー
タが取入れられると、スイング動作の解析が正確に行え
ない問題となり、他のスイング動作解析データ中に取入
れられた場合には、該データ自身が使用できなくなる問
題となる。

【００１０】さらに、一連のスイング動作に基くデータ
を取り込む際に、スイング動作の開始時点から終了時ま
でのデータをインパクト時を基準として取り込む場合に
は、上記の誤検出が生ずると実際のスイング動作中のデ
ータは取り込めず、スイング動作開始前若しくは終了後
のみのデータが取り込まれることとなる。本発明は上記
問題点を解決し、スイング動作中の実際のインパクト時
のみを正確に検出できる装置を得ることを目的としてい
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため本発
明では、被験者のゴルフスイング動作におけるインパク
ト時を検出するインパクト検出手段において、ゴルフボ
ール載置位置をクラブヘッドが通過した時点を検出する
通過時検知手段と、ゴルフボール載置位置の直前位置を
通過するクラブヘッドの通過速度を検出するヘッドスピ
ード検知手段とを有し、前記ヘッドスピード検知手段で
予め定めた閾値よりも早い速度が検出された後に、最初
に前記通過時検知手段により検出された通過時をインパ
クト点として認識して検出することを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明は上記のように構成されているため、以
下の作用を奏する。まず、スイング動作においてはイン
パクト前後でクラブのヘッドスピードが最大となるのが
一般的であり、この速度はワッグル動作におけるヘッド
の移動速度より格段に早いことは言うまでもない。

【００１３】このため、ワッグル動作等で予想されるク
ラブのヘッドスピードより早く、実際のスイング動作に
おけるインパクト前後においてのヘッドスピードより遅
い所定の値を閾値として定める。このヘッドスピード
は、被験者毎に異なるものであるため、被験者に併せて
定めるかあるいは可変に構成して適時定めることが好ま
しい。

【００１４】そして、この閾値よりも早い値が検出され
た場合には、実際にスイング動作を行っていることが明
確に認識できるので、その直後に（最初に）ゴルフボー
ル載置位置をクラブヘッドが通過した時点を検出すれ
ば、そこで検出された通過時が真のインパクト時とな
る。

【００１５】さらに、閾値よりも早い値が検出された後
の最初の通過時としているためスイング動作のフィニッ
シュ後にクラブを下した場合等でインパクト時が誤検出
されることはない。

【００１６】ここで、スイング動作のインパクト時は、
クラブヘッドがボールを打った時点であるため、ボール
載置位置をクラブヘッドが通過した時点を捕えれば、ボ
ールの有無に拘らずスイング動作中のインパクト時が検
出できる。このため、前記通過時検知手段でゴルフボー
ル載置位置をクラブヘッドが通過した時点を検出すれば
インパクト時が検出できる。この通過時検知手段は、特
に限定されるものではなく、前記した従来例を利用した
ものでも良い。

【００１７】また、ヘッドスピード検知手段は、ゴルフ
ボール載置位置の直前位置を通過するクラブヘッドの通
過速度を検出できるものであれば、その機構は特に限定
されるものではない。以下、実施例を通じ本発明をさら
に詳しく説明する。

【００１８】

【実施例】図１に本発明の一実施例に係るインパクト検
出手段をスイング動作中の体重移動状態を時系列的に検
出する装置に組込んだものを示す。この図において、テ
ィーマット５上のスイング動作方向に光学センサ１〜３
が順に併置されており、それぞれの光学センサ１〜３は
クラブが通過した時点を検出する。

【００１９】ここで、光学センサ３は、ボール載置位置
のクラブ通過を検出するものであり、光学センサ１及び
２で個別に検出したクラブ通過時の時間差と、相互の相
対間隔からクラブヘッドの通過速度（ヘッドスピード）
が検出される。そして、被験者が床反力計１１Ｌと１１
Ｒ上に乗り、ティーマット５上でスイング動作を行う
と、クラブのヘッドスピードと共にインパクト時が検出
される。

【００２０】ここで、一般のスイング動作時におけるヘ
ッドスピードは３０ｍ／ｓ以上であり、スイング動作に
入る前のワッグル動作によるクラブヘッドの移動速度は
１０ｍ／ｓ以下と考えられるため、ヘッドスピード検出
の閾値を例えば１０ｍ／ｓに定めれば、スイング動作に
入る前のワッグル動作等で光学センサ３がクラブの通過
を検出しても、この通過時をインパクト時として誤検出
することはない。

【００２１】また、閾値以上のヘッドスピードが検出さ
れた後に、最初に光学センサ３でクラブの通過を検出し
た時をインパクト時として検出しているため、スイング
動作のフィニッシュ時の後にクラブを下した場合等に光
学センサ３がクラブの通過を検出しても、この検出時を
インパクト時として誤検出することはない。

【００２２】さらに、本実施例ではヘッドスピード検出
のために光学センサ１及び２の二つのセンサを用いてお
り、一方をボール載置位置直前に配し、他方をそこから
所定間隔を開けて配しているため、ワッグル動作による
クラブヘッドの小さな動きではヘッドスピード自体が検
出されないため、これによってもワッグル動作等による
誤検出を防止している。

【００２３】次に、本実施例ではスイング動作中の体重
移動状態を時系列的に検出すると共に、被験者のスイン
グ動作の検出データ中に前記検出されたインパクト時を
取入れる。これを、本実施例のインパクト検出手段をゴ
ルフスイングチェックシステムに応用した一例の概略を
示した図２を用いて説明する。

【００２４】ここで、スイング動作中の体重移動状態を
経時的に検出する手段は、特に限定されるものではな
く、先に示した先願（特願平２−２９９０６５、特願平
２−２９９０６６）に開示したものや、その他の方式に
よるものでも良い。

【００２５】まず、前述したように被験者は、右脚と左
脚に対応した床反力計１１Ｌと１１Ｒとの上でスイング
動作を行うものであるが、この場合、被験者は音声モニ
タ２６からの開始指示音声（例えば『始めて下さ
い。』）によりスイング動作を開始（準備）する。

【００２６】しかし、被験者は該指示にかかわらず、直
ちにスイング動作を開始せず、ワッグル動作等を数秒行
った後に、スイング動作を開始するのが一般的であり、
この間隔は被験者個人毎に異なる。このため、前記開始
指示音声と同時に左右の床反力計１１Ｌと１１Ｒからの
検出データの取入れを一応開始する。そして、スイング
動作が開始され、インパクト時を検出した後の数秒間
は、前記データの取入れを続け、該時間経過後に終了す
る。

【００２７】ここで、実際のスイング動作はインパクト
時を中心とした前後２秒間前後であるため、前記取入れ
データから、検出されたインパクト時を挟んで前２秒間
と後１秒間とを、実際のスイング動作中のデータとして
ＣＰＵ２４で記憶する。この際に、検出されたインパク
ト時は、前記記憶データ中にマーキングされて、同時に
記憶される。そして、この記憶データから重心移動図等
を作成して、ＣＲＴ２５若しくはプリンタ２７等で表示
する。

【００２８】ここで、ＣＰＵ２４では複数回のスイング
動作に基く検出データを個々に記憶させることができ、
これらの記憶データから任意のデータを呼び出して、前
記重心移動図等に重ねて表示することが可能な構成と成
っている。

【００２９】この表示方法の一例を図３に示す。図に示
すように、複数の検出データを重ね合せる場合には、こ
れらのデータを明確に比較するために、基準位置として
インパクト時を一致させて重ね合わせることが好まし
い。

【００３０】これは、インパクト時が体重移動の変化が
顕著に現れる時点であり、スイング動作中で実際にその
目的たるボールを打つ動作を行う時点だからである。さ
らに、スイング動作の開始時点まで、若しくは開始時か
らスイング動作のトップ時に至るまでの時間が、被験者
個人によってそれぞれ異なるが、インパクト時を中心と
してトップ時からフィニッシュ時に至るまでの時間は、
あまり個人差が生じないことが確認されている。

【００３１】このため、複数の検出データを明確に比較
するために、インパクト時を一致させて重ね合せる事と
しているが、従来のインパクト検出機構による誤検出が
生じた場合には、同図(A) に示すように、重ね合せた比
較データによる相互比較が行えない問題が生じていた。

【００３２】しかし、本実施例によれば、前述したイン
パクト検出手段により真のインパクト時が確実に検出さ
れるため、同図(B) に示すように、複数のデータを重ね
合せて表示した場合にも、正確な対比が行えるものとな
っている。

【００３３】そして、この複数データの個々の重ね合わ
せ図からも明らかなように、インパクト時を一致させて
重ね合わせたことで、各スイング動作毎のバラ付きが明
確に判断できる利点がある。なお、この実施例に示すサ
ンプリングデータは上級者のものであり、各データ間の
バラ付きは比較的少ない。

【００３４】また、例えば熟練者等の他人のデータと比
較する場合にも、これらの記憶データをそれぞれ重ね合
わせ処理を行う際に上記のようにインパクト時を一致さ
せた状態での比較を行うことで、被験者のスイング動作
の特徴が判断できる。

【００３５】さらに、被験者の複数回の検出データの平
均値を採るような重ね合わせ処理をすることも可能であ
り、このような平均化されたデータを算出する場合に
も、上記のように真のインパクト時を一致させた状態で
重ね合せて平均化することで、明確な平均値が得られ、
この平均値データから被験者のスイング動作の特徴（癖
等）がより明確に判断できる。

【００３６】なお、この実施例ではボール載置位置に対
し横方向から検出光を照射する構成としているが、特に
この方式に限定されるものではなく、ボール載置位置を
クラブが通過する時点を検出できるものであれば良い。

【００３７】ただし、従来例でボール載置部の下部に光
学センサを埋設した方式のものが有るが、この方式では
光学センサの検出部にゴミその他の異物が入り込み易い
問題がある。また、金属センサを用いクラブの通過を検
出する構成の従来例も見られるが、ボールに検出部を近
接させなければならないので、被験者に不安感を与える
問題がある。さらに、これらの二つの従来方式では、被
験者が誤ってボール以外の部分をクラブで叩く（いわゆ
るダフリ等の場合）恐れがあるため、検出部を損傷させ
る可能性が高い問題がある。本実施例によればこれらの
問題点が生じない利点がある。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
イング動作中のインパクト時の検出に当り、真のインパ
クト時が確実に検出できるものとなっている。

【００３９】そして、ここで検出されたインパクト時を
基に、複数のスイング動作に基く検出データを比較若し
くは合成する際には、真のインパクト時を一致させて重
ね合わせ処理できるため、個々のデータの明確な対比判
定が行える利点があり、さらには正確な平均値が計測で
きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例にかかるインパクト検出手段
をゴルフスイング分析システムに応用した一例を示す説
明図である。

【図２】同じく実施例の構成を示すブロック図である。

【図３】同じく実施例における重心図の一例を示す説明
図である。

【図４】従来のインパクト検出装置の一例を示す説明図
である。

【符号の説明】

１〜３…光学センサ５…ティーマット１１Ｌ，１１Ｒ…床反力計、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A63B 69/36 541

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】被験者のゴルフスイング動作におけるイ
ンパクト時を検出するインパクト検出手段において、ゴ
ルフボール載置位置をクラブヘッドが通過した時点を検
出する通過時検知手段と、ゴルフボール載置位置の直前
位置を通過するクラブヘッドの通過速度を検出するヘッ
ドスピード検知手段とを有し、前記ヘッドスピード検知
手段で予め定めた閾値よりも早い速度が検出された後
に、最初に前記通過時検知手段により検出された通過時
をインパクト点として認識して検出することを特徴とす
るインパクト検出装置。