JP2842970B2 - 水素化物ガス検出用テ−プ - Google Patents
水素化物ガス検出用テ−プInfo
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Description
−ステ−プ上の呈色剤と反応させて生じる反応痕から光
学的に検出するのに最適なガス検出用テ−プに関する。
H3)、シラン(SiH4)、アルシン(AsH3)、ジボラン
(B2H6)などは無色、無臭の気体であるため、人の五感
による検出が極めて困難である。このためこれら毒性の
強いガスを取り扱う半導体工業などでは水素化物ガスに
感応するガス検出装置が設置されている。これら水素化
物ガスに対する電気化学的ガスセンサや半導体ガスセン
サの検出感度が極めて低いので、通常、反応により光学
的変化を生じる試薬との呈色反応させ、この時に生じた
反応痕の濃度を光学濃度測定装置により測定して検出す
ることが行われている。
O3)がよく知られている。硝酸銀を使用した水素化物検
出用テ−プは、通気性を備えたセルロ−ステ−プに硝酸
銀を担持させ、硝酸銀が水素化物ガスに晒されて還元さ
れた時に銀コロイドの反応痕を形成させるように構成さ
れている。この反応痕の光学的濃度を測定することによ
り水素化物の濃度を容易に知ることができる。しかしな
がら、硝酸銀は感光性が極めて高いため、硝酸銀を使用
した水素化物ガス検出テ−プは通常、遮光状態での保管
が必要となるが、それでも24時間程度で褐色に変色す
るという大きな問題を抱えている。このような問題を解
消するために、硝酸銀や吸湿剤を含浸させたセルロ−ス
テ−プに硝酸銀などの強酸を添加して、光による銀コロ
イドの生成を可及的に抑えて耐光性を向上させたものが
提案されている(特開昭58-99753号公報)。硝酸銀が添
加された水素化物検出用テ−プは、遮光容器に収容して
保管すれば変色を招くことなく半年位は保存が可能であ
る。
添加されている硝酸は、強酸であるため、試薬担持体で
あるセルロ−スをニトロ化してしまうため、長期間の間
にテ−プの機械的強度が急激に低下する。このような問
題は、ガスサンプリング手段や光学的濃度検出手段を組
込んだ自動測定装置に使用した場合に大きな問題とな
る。つまり、自動測定のためには一定周期でガス検出用
テ−プの未使用部分を測定エリアに対向露出させる必要
上、通常検出テ−プは、保存リ−ルに収容され、使用時
に測定エリアを経由するようにして巻取りリ−ルに掛け
渡され他状態で測定装置にセットされており、1回のガ
スサンプリングが終了した段階で一定長だけ未使用部分
を測定エリアに繰出されていく。この繰出し時にかなり
大きな張力がテ−プに作用するため、機械的強度が低下
していると切断されて測定が中断するという問題があ
る。
は、先に試薬担持体の機械的強度を低下させることなく
耐光性を向上させるために、硝酸に替えてパラトルエン
スルホン酸を使用したものを提案した(特開平2-275352
号公報)。このテ−プは、長期間に渡って変色もまたセ
ルロ−スのニトロ化も生じないため、常に製造時と同一
の性能を維持して極めて使い勝手が高いという特徴があ
る。
として硝酸銀を使用している関係上、硝酸銀の感光性が
無視できず長期間保管されたものにあっては、若干の変
色が生じており、特に検出感度が低いガスの測定におい
ては測定誤差が無視できないという問題がある。本発明
はこのような問題に鑑みてなされたものであってその目
的とするところは、試薬担持体の機械的強度を落とすこ
となく、しかも感光性を殆ど有しない水素化ガス検出用
テ−プを提供することである。
るために本発明においては、ガス吸着剤及び保湿剤を含
有したシートに、過塩素酸銀、パラトルエンスルホン
酸、及びグリセリンを含浸させるようにした。
に比較して感光性が極めて低く、かつ水素化物ガスと反
応して該ガスの濃度に対応した量だけ還元されてコロイ
ド銀を析出して反応痕を生じる。そしてグリセリンがそ
の吸湿性により過塩素酸銀とパラトルエンスルホン酸と
を溶解状態に維持して、検出感度を安定化させる。
いて説明する。試薬を担持するセルロ−ステ−プは、植
物繊維を梳いて通気性を有するシ−ト体に整形し、これ
を漂白して可及的に白色としたものにケイ酸(H2Si
O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(A
l2O3)等のガス吸着剤を被覆した後、テ−プ状に裁断し
て構成されている。
着剤は、気体や液体さらには溶解物質を担持するもの
で、水素化物ガスと呈色薬との反応に必要な水分を常時
保持するとともに、検出時には水素化物ガスを吸着して
テ−プ上の過塩素酸銀との反応を促進させるのに役立っ
ている。このように構成されたセルロ−ステ−プに、1
平方米当り過塩素酸銀を0.5乃至4.0グラム、パラ
トルエンスルホン酸を0.3乃至3グラム、グリセリン
を25グラム程度含浸担持させる。
る手法としては、メタノ−ルなどの有機溶媒に、過塩素
酸銀を濃度0.75乃至6.0w/vパ−セント、パラ
トルエンスルホン酸を0.5乃至4.5w/vパ−セン
ト、グリセリンを15vパ−セント溶解させてなる調製
液に、上述したセルロ−ステ−プを浸漬し、溶媒ととも
にセルロ−ス内に含浸させる。ついでテ−プを調製液か
ら引上げ、有機溶媒を室温で蒸発させることにより過塩
素酸銀、パラトルエンスルホン酸、及びグリセリンをテ
−プに残留させることができる。このような操作を調製
液に含まれている試薬の濃度に応じて1回若しくは複数
回繰り返すことにより、所定濃度の試薬をテ−プ上に担
持させることができる。
を測定するための装置の一例を示すものであって、図中
符号1は、テ−プ2の搬送経路に対向させて配置された
ガス吸引部で、テ−プ2に対向する面には直径1センチ
メ−トル程度の通孔3が穿設されており、パイプ4を介
して図示しない吸引ポンプからの負圧が作用するように
構成されている。
−プ2の他面側に配置された測定ヘッド部5で、吸引部
1の通孔と対向する位置に通孔が形成された遮光容器と
して構成されており、内部に発光素子7と受光素子8
を、テ−プ2上に形成された反応痕を検出できるような
関係でもって配置収容し、さらに一端に被検ガスの導入
口9を設けて構成されている。上述したガス検出用テ−
プをリ−ル10,11にテ−プをセットし、吸引部4に
図示しないポンプからの吸引圧を作用させると、導入口
9から測定ヘッド部5に被検ガスが吸込まれる。この被
検ガスは、通孔6から検出用テ−プ2を経由して通孔3
から外部に排出される。被検ガスが検出用テ−プ2を通
過する過程でテ−プ2上の過塩素酸銀が水素化物、例え
ばホスフイン(PH3)と選択的に反応し、ホスフインの
濃度に比例した量のコロイド銀がテ−プ表面に析出す
る。
例えば20秒程度が経過した時点で、吸引を停止して反
応痕の光学的濃度の測定工程に移る。発光素子7からの
光は、テ−プ表面に形成された反応痕の光学的濃度に応
じて吸収を受けるので、測定開始前の光学的濃度、つま
りテ−プのバックグランドとの光学的な濃度差を求める
ことによりテ−プを通過した水素化物ガスの濃度、もし
くは積算量を知ることができる。1サンプリング分の測
定が終了した時点で、巻取りリ−ル10を駆動してリ−
ル11に収容されているテ−プの未使用部分を測定領域
に移動させる。
ガスの代表例であるホスフィンを用いて、その濃度を変
えながら本発明の水素化物ガス検出用テ−プによる検出
出力を調べた検量線を示すものであって、検出器出力と
ガスの濃度が極めて高い直線性で対応していることが明
らかである。そして、ガスに対する感度は、硝酸銀を呈
色薬に用いている従来の水素化物ガス検出用テ−プに対
しても何等遜色がなかった。
ットの蛍光燈の直下20cmの所に載置して自然光に近
い光(照度1500ルックス程度)を照射し、検出用テ−プ
の濃度変化を測定したとところ、図3に示したような結
果を得た。すなわち、未露光時における水素化物検出用
テ−プの光学的濃度を基準値D0とし、所定時間におけ
る同一テ−プの濃度Dtとの差分(Dt−D0)と、基準
濃度との比(Dt−D0)/D0を測定したものである。
図からも明らかなように本願発明の水素化物ガス検出用
テ−プ(図中A)は、従来の硝酸銀を呈色薬に使用し、
耐光剤として硝酸を利用したテ−プ(図中B)や、さら
には機械的強度を向上させるために硝酸に代えてパラト
ルエンスルホン酸を使用したテ−プ(図中C)に比較し
て、露光時間に対する濃度変化率が特に初期段階(積算
露光時間10時間程度)では1/3乃至1/2と極めて
小さいことが判る。通常の保管状態では上述の試験にお
ける10時間程度の露光を受けることが殆どないことを
考え合わせると、本願発明の水素化物ガス検出用テ−プ
は、正常に保管されていれば実用上殆ど光学的な濃度変
化を引き起こすことがない。このように本願発明による
水素化物ガス検出テ−プの高い耐光性は、特に濃度が低
いサンプルガスや、呈色薬との反応性が低いシランガス
を高い精度で測定できることを意味している。
強度を調べるためにインストロン社製紙葉試験装置を用
いて引っ張り強さを測定したところ平方ミリメ−トル当
たり、0.55kgであるのに対して、耐光性向上剤と
して硝酸を使用した従来の水素化物ガス検出用テ−プは
本発明の約70パ−セント程度の0.4Kg/平方ミリ
メ−トルとであった。このことから本発明のものは自動
測定装置に装着しても高い信頼性で自動測定が可能であ
ることが判明した。
/vパ−セント、パラトルエンスルホン酸0.5乃至
4.5w/vパ−セント、更にグリセリン15v/vパ
−セントをそれぞれメタノ−ルに溶解した調製液に、ガ
ス吸着剤が被覆されているセルロ−ステ−プを浸漬さ
せ、引上げてからテ−プに含まれているメタノ−ルを室
温で蒸発させる。このような手法により1平方メ−トル
当たり過塩素酸銀0.5乃至4グラム、パラトルエンス
ルホン酸0.3乃至3.0グラム、グリセリン25グラ
ムを保持したテ−プを得ることができる。
影響を調べたところ、図4に示したように平方米当り
0.5グラム以上であれば実用的な検出感度を得ること
ができ、また4グラム/平方米以上とすると一応ガスの
検出は可能であるが、検出感度が低下するばかりでなく
呈色剤の消費量も多くなるため、経済的理由から得策で
はない。
ス内、ホスフィンに例を採って説明したが、水素化物ガ
スとして呈色薬に対して共通な化学的性質を示すアルシ
ン、ジボラン、シラン、ジシラン(Si2H6)、セレン
化水素(SeH2)、ゲルマン(GeH4)、硫化水素(H
2S)などの他のものの検出にも同様に感度を示すこと
を確認した。
は、ガス吸着剤及び吸湿剤を含有したシートに、過塩素
酸銀、パラトルエンスルホン酸、及びグリセリンを含浸
させたので、パラトルエンスルホン酸による耐光性の向
上を図りつつ、グリセリンが本来的に備えている吸湿性
により過塩素酸銀とパラトルエンスルホン酸とをシート
上で溶解状態に維持させて検出感度を安定化することが
できる。
ス検出器の原理を示す図である。
ンに対する検量線を示す図である。
素化物検出用テ−プの露光時間と濃度変化率との関係を
示す線図である。
関係を示す線図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ガス吸着剤及び保湿剤を含有したシート
に、過塩素酸銀、パラトルエンスルホン酸、及びグリセ
リンを含浸させた水素化物ガス検知テープ。 - 【請求項2】 前記過塩素酸銀が、前記シート1平方メ
ートル当たり、0.5乃至4.0グラム含浸されている
請求項1に記載の水素化物ガス検知テープ。 - 【請求項3】 前記パラトルエンスルホン酸が、前記シ
ート1平方メートル当たり、0.3乃至3.0グラム含
浸されている請求項1または請求項2に記載の水素化物
ガス検知テープ。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP19922292A JP2842970B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 水素化物ガス検出用テ−プ |
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GB9312784A GB2268584B (en) | 1992-07-02 | 1993-06-21 | Tape for detecting hydrides |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19922292A JP2842970B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 水素化物ガス検出用テ−プ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618509A JPH0618509A (ja) | 1994-01-25 |
JP2842970B2 true JP2842970B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=16404179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19922292A Expired - Lifetime JP2842970B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 水素化物ガス検出用テ−プ |
Country Status (1)
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JP2006343282A (ja) * | 2005-06-10 | 2006-12-21 | Riken Keiki Co Ltd | 硫化水素検知材 |
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-
1992
- 1992-07-02 JP JP19922292A patent/JP2842970B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0618509A (ja) | 1994-01-25 |
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