JP3259949B2 - 水素化物ガス検出紙 - Google Patents
水素化物ガス検出紙Info
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- JP3259949B2 JP3259949B2 JP05558797A JP5558797A JP3259949B2 JP 3259949 B2 JP3259949 B2 JP 3259949B2 JP 05558797 A JP05558797 A JP 05558797A JP 5558797 A JP5558797 A JP 5558797A JP 3259949 B2 JP3259949 B2 JP 3259949B2
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- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、水素化物ガスを
担体となるテ−プ上の呈色剤と反応させて生じる反応痕
から光学的に検出するガス検出紙に関する。
担体となるテ−プ上の呈色剤と反応させて生じる反応痕
から光学的に検出するガス検出紙に関する。
【0002】
【従来の技術】金属水素化物、例えばシラン(SiH
4)、アルシン(AsH3)、ホスフイン(PH3)、ジボラン
(B2H6)などは無色、無臭の気体であるため、人の五感
による検出が極めて困難である。このためこれら毒性の
強いガスを取り扱う半導体工業などでは水素化物ガスに
感応するガス検出装置が設置されている。これら水素化
物ガスに対する電気化学的ガスセンサや半導体ガスセン
サの検出感度が極めて低いので、通常、反応により光学
的変化を生じる試薬との呈色反応を利用するともに、検
出濃度に対応してサンプリング時間を調整することによ
りこの反応の積分効果を積極的に利用して低い濃度のガ
スを確実に検出することが行われている。
4)、アルシン(AsH3)、ホスフイン(PH3)、ジボラン
(B2H6)などは無色、無臭の気体であるため、人の五感
による検出が極めて困難である。このためこれら毒性の
強いガスを取り扱う半導体工業などでは水素化物ガスに
感応するガス検出装置が設置されている。これら水素化
物ガスに対する電気化学的ガスセンサや半導体ガスセン
サの検出感度が極めて低いので、通常、反応により光学
的変化を生じる試薬との呈色反応を利用するともに、検
出濃度に対応してサンプリング時間を調整することによ
りこの反応の積分効果を積極的に利用して低い濃度のガ
スを確実に検出することが行われている。
【0003】このような呈色剤としては過塩素酸銀や硝
酸銀、パラトルエンスルホン酸銀を主剤としたものがよ
く知られていて、通常、通気性を備えたシートにこれら
呈色剤と、変色防止剤とを担持させて検出紙を形成し
て、呈色剤の銀イオンを水素化物ガスに還元させて検出
紙上に金属銀を生成させ、検出紙の光学濃度の相対変化
を検出できるように構成されている。
酸銀、パラトルエンスルホン酸銀を主剤としたものがよ
く知られていて、通常、通気性を備えたシートにこれら
呈色剤と、変色防止剤とを担持させて検出紙を形成し
て、呈色剤の銀イオンを水素化物ガスに還元させて検出
紙上に金属銀を生成させ、検出紙の光学濃度の相対変化
を検出できるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シラン
等の水素化物ガスが使用される半導体製造工程において
は、処理工程中でアンモニアが使用されていて大気中に
1000乃至2000ppmという、被検ガスの濃度に
対して極めて高い濃度のアンモニアガスが存在する。こ
のため、検出紙に存在する変色防止剤として含有された
パラトルエンスルホン酸や硝酸等の酸がアンモニアガス
により中和されてしまい、呈色剤の銀イオンが水素化物
ガスの存在の有無に関わりなく容易に金属銀となって検
出紙を変色させ、水素化物の検出に誤差ミスを生じると
いう問題がある。本発明はこのような問題に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところはアンモニア
ガスの併存に関わりなく水素化物ガスを高い精度で検出
することができる水素化物ガス検出紙を提供することで
ある。
等の水素化物ガスが使用される半導体製造工程において
は、処理工程中でアンモニアが使用されていて大気中に
1000乃至2000ppmという、被検ガスの濃度に
対して極めて高い濃度のアンモニアガスが存在する。こ
のため、検出紙に存在する変色防止剤として含有された
パラトルエンスルホン酸や硝酸等の酸がアンモニアガス
により中和されてしまい、呈色剤の銀イオンが水素化物
ガスの存在の有無に関わりなく容易に金属銀となって検
出紙を変色させ、水素化物の検出に誤差ミスを生じると
いう問題がある。本発明はこのような問題に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところはアンモニア
ガスの併存に関わりなく水素化物ガスを高い精度で検出
することができる水素化物ガス検出紙を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、保湿剤を含有する通気性シ
ート状担体に、保湿剤と、水素化物ガスと反応して金属
銀を生成する銀塩を主剤とする呈色剤と、耐光性向上剤
としての酸とを含浸させた水素化物ガス検出紙におい
て、アンモニウム塩をアンモニアガスの妨害阻止剤とし
て含浸させるようにした。
るために本発明においては、保湿剤を含有する通気性シ
ート状担体に、保湿剤と、水素化物ガスと反応して金属
銀を生成する銀塩を主剤とする呈色剤と、耐光性向上剤
としての酸とを含浸させた水素化物ガス検出紙におい
て、アンモニウム塩をアンモニアガスの妨害阻止剤とし
て含浸させるようにした。
【0006】
【作用】アンモニウム塩により水酸基を伴うこと無く保
湿剤中に生成したアンモニウムイオンが、外部から浸入
するアンモニアガスの保湿剤への溶解を阻止して、アン
モニアガスの有無にかかわりなく呈色剤に含まれる銀イ
オンが水素化物ガスの濃度にだけ比例して金属銀とな
り、水素化物ガスの濃度に比例した光学濃度の変化を呈
する。
湿剤中に生成したアンモニウムイオンが、外部から浸入
するアンモニアガスの保湿剤への溶解を阻止して、アン
モニアガスの有無にかかわりなく呈色剤に含まれる銀イ
オンが水素化物ガスの濃度にだけ比例して金属銀とな
り、水素化物ガスの濃度に比例した光学濃度の変化を呈
する。
【0007】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の詳細を実
施例に基づいて説明する。試薬を担持する紙は、セルロ
ースをシート状に梳いて漂白し、好ましくはケイ酸(H2
SiO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム
(Al2O3)等のガス吸着剤で被覆したり、また高分子製
シートを化学処理して保湿材の担持が可能な多孔質材し
て構成されている。
施例に基づいて説明する。試薬を担持する紙は、セルロ
ースをシート状に梳いて漂白し、好ましくはケイ酸(H2
SiO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム
(Al2O3)等のガス吸着剤で被覆したり、また高分子製
シートを化学処理して保湿材の担持が可能な多孔質材し
て構成されている。
【0008】このような紙に、水素化物ガスとの反応に
より銀イオンから金属銀を生じる呈色剤、例えば過塩素
酸銀や硝酸銀を適量、例えば過塩素酸銀を例に採ると2
乃至4グラム、保存剤となる酸、例えばパラトルエンス
ルホン酸を1乃至3グラム、保湿剤、例えばグリセリン
を25グラム、及びアンモニウム塩、例えば硝酸アンモ
ニウムを所定量、それぞれ溶媒に溶解させて発色剤を調
製する。このアンモニウム塩は、被測定ガスに存在する
アンモニアガスがグリセリンに溶解するを防止できる程
度であればよく、その量を任意に設定することができ
る。
より銀イオンから金属銀を生じる呈色剤、例えば過塩素
酸銀や硝酸銀を適量、例えば過塩素酸銀を例に採ると2
乃至4グラム、保存剤となる酸、例えばパラトルエンス
ルホン酸を1乃至3グラム、保湿剤、例えばグリセリン
を25グラム、及びアンモニウム塩、例えば硝酸アンモ
ニウムを所定量、それぞれ溶媒に溶解させて発色剤を調
製する。このアンモニウム塩は、被測定ガスに存在する
アンモニアガスがグリセリンに溶解するを防止できる程
度であればよく、その量を任意に設定することができ
る。
【0009】この発色剤を担体となる紙に展開させて有
機溶媒等の不要な剤を蒸発させると、呈色剤,保存剤,保
湿剤、及びアンモニウム塩を担持した検出紙が出来上が
る。
機溶媒等の不要な剤を蒸発させると、呈色剤,保存剤,保
湿剤、及びアンモニウム塩を担持した検出紙が出来上が
る。
【0010】このようなガス検出紙は、長尺状に裁断し
てテ−プに整形され、サンプリングヘッドの吸引部にセ
ットされる。サンプリングを実行すると、被検ガスがテ
ープを通過する。この過程でテ−プ上の呈色剤である過
塩素酸銀が水素化物、例えばシランと選択的に反応して
これの濃度に対応した量の銀イオンが金属銀となりテ−
プの表面に析出する。
てテ−プに整形され、サンプリングヘッドの吸引部にセ
ットされる。サンプリングを実行すると、被検ガスがテ
ープを通過する。この過程でテ−プ上の呈色剤である過
塩素酸銀が水素化物、例えばシランと選択的に反応して
これの濃度に対応した量の銀イオンが金属銀となりテ−
プの表面に析出する。
【0011】被検ガスに含有されているアンモニアガス
は、テープの吸湿剤に予め含まれているアンモニウムイ
オンにより吸湿剤に溶解することができず、テープを素
通りする。したがってアンモニアガスの有無に関わりな
くテープの水素イオン濃度が一定に維持され、アンモニ
アガスは呈色剤の銀イオンを金属銀に変化させることが
できない。
は、テープの吸湿剤に予め含まれているアンモニウムイ
オンにより吸湿剤に溶解することができず、テープを素
通りする。したがってアンモニアガスの有無に関わりな
くテープの水素イオン濃度が一定に維持され、アンモニ
アガスは呈色剤の銀イオンを金属銀に変化させることが
できない。
【0012】このようにして所定のサンプリング時間、
例えば20秒程度が経過した時点で、吸引を停止して反
応痕の光学的濃度を測定する。つまり測定開始前の光学
的濃度、つまりテ−プのバックグランドと、ガス検出後
の光学的濃度との差分を検出することによりテ−プを通
過した水素化物ガスの濃度、もしくは積算量を知ること
ができる。
例えば20秒程度が経過した時点で、吸引を停止して反
応痕の光学的濃度を測定する。つまり測定開始前の光学
的濃度、つまりテ−プのバックグランドと、ガス検出後
の光学的濃度との差分を検出することによりテ−プを通
過した水素化物ガスの濃度、もしくは積算量を知ること
ができる。
【0013】濃度1000ppmのアンモニアガスを含
む標準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を0
分、20分、及び30分に設定して、本発明の水素化物
ガス検出紙と、硝酸アンモニウムを含まない従来の水素
化物検知紙とを用いて、検出紙のバックグランド濃度を
測定したところ、表1に示したように本発明の検出紙で
は30分程度のサンプリング時間では光学的濃度に変化
が生じないのに対して、硝酸アンモニウムを含まない従
来の検出紙では、雰囲気に晒された段階で既に光学的濃
度に変化を来しており、サンプリング時間が長くなると
ともに、濃度変化が大きくなった。
む標準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を0
分、20分、及び30分に設定して、本発明の水素化物
ガス検出紙と、硝酸アンモニウムを含まない従来の水素
化物検知紙とを用いて、検出紙のバックグランド濃度を
測定したところ、表1に示したように本発明の検出紙で
は30分程度のサンプリング時間では光学的濃度に変化
が生じないのに対して、硝酸アンモニウムを含まない従
来の検出紙では、雰囲気に晒された段階で既に光学的濃
度に変化を来しており、サンプリング時間が長くなると
ともに、濃度変化が大きくなった。
【0014】
【表1】
【0015】また、アンモニアガスを1000ppm、
また一定濃度10ppmのシランと、濃度200pp
m、500ppm、及び1000ppmのアンモニアを
含む3種類の標準ガスを用いるとともに、サンプリング
時間を1分に設定し、本発明の水素化物ガス検出紙と、
硝酸アンモニウムを含まない従来の水素化物検知紙とを
用いてシランを検出したところ、表2に示したように本
発明のものはアンモニアガスの濃度上昇にもほとんど左
右されることなくシランを検出することができたのに対
して、硝酸アンモニウムを含まない従来の水素化物検出
紙では、アンモニアガスの濃度が上昇するにつれて検出
紙のバックグランド濃度が上昇してしまい、シランガス
による濃度変化分が少なくなり、感度が著しく低下し
た。このことから、検出紙にアンモニウム塩を担持させ
ることが、アンモニアガスによる銀イオンの金属銀化を
阻止して、検出紙のバックグランド濃度を変化させるこ
となく、水素化物ガスを高い精度で検出するのに有効で
あることが確認できた。
また一定濃度10ppmのシランと、濃度200pp
m、500ppm、及び1000ppmのアンモニアを
含む3種類の標準ガスを用いるとともに、サンプリング
時間を1分に設定し、本発明の水素化物ガス検出紙と、
硝酸アンモニウムを含まない従来の水素化物検知紙とを
用いてシランを検出したところ、表2に示したように本
発明のものはアンモニアガスの濃度上昇にもほとんど左
右されることなくシランを検出することができたのに対
して、硝酸アンモニウムを含まない従来の水素化物検出
紙では、アンモニアガスの濃度が上昇するにつれて検出
紙のバックグランド濃度が上昇してしまい、シランガス
による濃度変化分が少なくなり、感度が著しく低下し
た。このことから、検出紙にアンモニウム塩を担持させ
ることが、アンモニアガスによる銀イオンの金属銀化を
阻止して、検出紙のバックグランド濃度を変化させるこ
となく、水素化物ガスを高い精度で検出するのに有効で
あることが確認できた。
【0016】
【表2】
【0017】[実施例1]水素化物ガスの検出に適した
発色剤、例えば過塩素酸銀を2乃至4グラムw/vパ−
セント、パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セ
ント、アンモニウム塩として硝酸アンモニウム0.2乃
至2グラムを100ミリリットルのメタノールに溶解さ
せ、これにグリセリン25v/vパ−セントを展開して
発色液を調製し、これに担体となる紙を十分に浸漬さ
せ、メタノ−ルを室温で蒸発させる。これにより、1平
方メ−トル当たり過塩素酸銀1.8乃至3.6グラム、
パラトルエンスルホン酸0.9乃至4.6グラム、グリ
セリン25グラムと、さらに硝酸アンモニウム0.18
乃至1.8を担持した検出紙を得ることができる。
発色剤、例えば過塩素酸銀を2乃至4グラムw/vパ−
セント、パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セ
ント、アンモニウム塩として硝酸アンモニウム0.2乃
至2グラムを100ミリリットルのメタノールに溶解さ
せ、これにグリセリン25v/vパ−セントを展開して
発色液を調製し、これに担体となる紙を十分に浸漬さ
せ、メタノ−ルを室温で蒸発させる。これにより、1平
方メ−トル当たり過塩素酸銀1.8乃至3.6グラム、
パラトルエンスルホン酸0.9乃至4.6グラム、グリ
セリン25グラムと、さらに硝酸アンモニウム0.18
乃至1.8を担持した検出紙を得ることができる。
【0018】[実施例2]水素化物ガスの検出に適した
発色剤、例えば過塩素酸銀2乃至4w/vパ−セント、
パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セント、ア
ンモニウム塩として硝酸アンモニウムを0.2乃至2グ
ラムをともに100ミリリットルのメタノールに溶解さ
せ、これにグリセリン25〜26v/vパ−セント、2
価のアルコ−ルであるエチレングリコ−ル1乃至15w
/vパ−セントを添加して前述と同様の工程を経て担体
に過塩素酸銀1.3乃至2.6グラム/平方米、パラト
ルエンスルホン酸0.9乃至4.6グラム/平方米、グ
リセリン25グラム/平方メ−トル及びエチレングリコ
−ル1乃至15グラム/平方米、及び硝酸アンモニウム
0.18乃至1.8グラム/平方米を担持した検出紙を
製作した。
発色剤、例えば過塩素酸銀2乃至4w/vパ−セント、
パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セント、ア
ンモニウム塩として硝酸アンモニウムを0.2乃至2グ
ラムをともに100ミリリットルのメタノールに溶解さ
せ、これにグリセリン25〜26v/vパ−セント、2
価のアルコ−ルであるエチレングリコ−ル1乃至15w
/vパ−セントを添加して前述と同様の工程を経て担体
に過塩素酸銀1.3乃至2.6グラム/平方米、パラト
ルエンスルホン酸0.9乃至4.6グラム/平方米、グ
リセリン25グラム/平方メ−トル及びエチレングリコ
−ル1乃至15グラム/平方米、及び硝酸アンモニウム
0.18乃至1.8グラム/平方米を担持した検出紙を
製作した。
【0019】これら第1、第2実施例の検出紙を用い
て、前述と同様に濃度1000ppmのアンモニアガス
を含む標準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を
0分、20分、及び30分に設定してバックグランド濃
度を測定したところ、表1に示したのと同様に30分程
度のサンプリング時間では光学的濃度に変化が生じず、
またアンモニアガスを1000ppm、また一定濃度1
0ppmのシランと、濃度200ppm、500pp
m、及び1000ppmのアンモニアを含む3種類の標
準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を1分に設
定して、シランを検出したところアンモニアガスの濃度
上昇にもほとんど左右されることなくシランを検出する
ことができた。
て、前述と同様に濃度1000ppmのアンモニアガス
を含む標準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を
0分、20分、及び30分に設定してバックグランド濃
度を測定したところ、表1に示したのと同様に30分程
度のサンプリング時間では光学的濃度に変化が生じず、
またアンモニアガスを1000ppm、また一定濃度1
0ppmのシランと、濃度200ppm、500pp
m、及び1000ppmのアンモニアを含む3種類の標
準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を1分に設
定して、シランを検出したところアンモニアガスの濃度
上昇にもほとんど左右されることなくシランを検出する
ことができた。
【0020】[実施例3]水素化物ガスの検出に適した
発色剤、例えば過塩素酸銀を2乃至4グラムw/vパ−
セント、パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セ
ント、アンモニウム塩として塩化アンモニウムを若干
量、たとえば2グラム程度とを100ミリリットルのメ
タノールに溶解させ、これにグリセリン25v/vパ−
セントを展開して発色液を調製する。グリセリンの添加
により塩化アンモニウムの一部が析出するので、上澄液
を採取し、これに担体となる紙を十分に浸漬させ、メタ
ノ−ルを室温で蒸発させる。これにより、1平方メ−ト
ル当たり過塩素酸銀1.8乃至3.6グラム、パラトル
エンスルホン酸0.9乃至4.6グラム、グリセリン2
5グラムと、さらに塩化アンモニウムを極微量担持した
検出紙を得ることができる。
発色剤、例えば過塩素酸銀を2乃至4グラムw/vパ−
セント、パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セ
ント、アンモニウム塩として塩化アンモニウムを若干
量、たとえば2グラム程度とを100ミリリットルのメ
タノールに溶解させ、これにグリセリン25v/vパ−
セントを展開して発色液を調製する。グリセリンの添加
により塩化アンモニウムの一部が析出するので、上澄液
を採取し、これに担体となる紙を十分に浸漬させ、メタ
ノ−ルを室温で蒸発させる。これにより、1平方メ−ト
ル当たり過塩素酸銀1.8乃至3.6グラム、パラトル
エンスルホン酸0.9乃至4.6グラム、グリセリン2
5グラムと、さらに塩化アンモニウムを極微量担持した
検出紙を得ることができる。
【0021】[実施例4]水素化物ガスの検出に適した
発色剤、例えば過塩素酸銀2乃至4w/vパ−セント、
パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セント、ア
ンモニウム塩として塩化アンモニウムを2グラム程度を
100ミリリットルのメタノールに溶解させ、これにグ
リセリン25〜26v/vパ−セント、2価のアルコ−
ルであるエチレングリコ−ル1乃至15w/vパ−セン
トを添加して発色液を調製する。グリセリンの添加によ
り硫酸アンモニウムの一部が析出するので、上澄液を採
取し、これに担体となる紙を十分に浸漬させ、メタノ−
ルを室温で蒸発させる。これにより、担体に過塩素酸銀
1.8乃至3.6グラム/平方米、パラトルエンスルホ
ン酸0.9乃至4.6グラム/平方米、グリセリン25
グラム/平方メ−トル及びエチレングリコ−ル1乃至1
5グラム/平方米、及び塩化アンモニウムを極く微量を
担持させた検出紙を製作した。
発色剤、例えば過塩素酸銀2乃至4w/vパ−セント、
パラトルエンスルホン酸1乃至5w/vパ−セント、ア
ンモニウム塩として塩化アンモニウムを2グラム程度を
100ミリリットルのメタノールに溶解させ、これにグ
リセリン25〜26v/vパ−セント、2価のアルコ−
ルであるエチレングリコ−ル1乃至15w/vパ−セン
トを添加して発色液を調製する。グリセリンの添加によ
り硫酸アンモニウムの一部が析出するので、上澄液を採
取し、これに担体となる紙を十分に浸漬させ、メタノ−
ルを室温で蒸発させる。これにより、担体に過塩素酸銀
1.8乃至3.6グラム/平方米、パラトルエンスルホ
ン酸0.9乃至4.6グラム/平方米、グリセリン25
グラム/平方メ−トル及びエチレングリコ−ル1乃至1
5グラム/平方米、及び塩化アンモニウムを極く微量を
担持させた検出紙を製作した。
【0022】これら第3、第4実施例の検知紙を用いて
前述と同様に濃度1000ppmのアンモニアガスを含
む標準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を0
分、20分、及び30分に設定してバックグランド濃度
を測定したところ、表1に示したのと同様に30分程度
のサンプリング時間では光学的濃度に変化が生じず、ま
たアンモニアガスを1000ppm、また一定濃度10
ppmのシランと、濃度200ppm、500ppm、
及び1000ppmのアンモニアを含む3種類の標準ガ
スを用いるとともに、サンプリング時間を1分に設定し
て、シランを検出したところアンモニアガスの濃度上昇
にもほとんど左右されることなくシランを検出すること
ができた。このように、ごく微量の塩化アンモニウムの
添加であってもアンモニアガスによる妨害を確実に防止
できることが確認できた。
前述と同様に濃度1000ppmのアンモニアガスを含
む標準ガスを用いるとともに、サンプリング時間を0
分、20分、及び30分に設定してバックグランド濃度
を測定したところ、表1に示したのと同様に30分程度
のサンプリング時間では光学的濃度に変化が生じず、ま
たアンモニアガスを1000ppm、また一定濃度10
ppmのシランと、濃度200ppm、500ppm、
及び1000ppmのアンモニアを含む3種類の標準ガ
スを用いるとともに、サンプリング時間を1分に設定し
て、シランを検出したところアンモニアガスの濃度上昇
にもほとんど左右されることなくシランを検出すること
ができた。このように、ごく微量の塩化アンモニウムの
添加であってもアンモニアガスによる妨害を確実に防止
できることが確認できた。
【0023】なお、上述の実施例においては1種類のア
ンモニウム塩を使用しているが、複数種のアンモニウム
塩を混合して使用しても同様の作用を奏することは明ら
かである。
ンモニウム塩を使用しているが、複数種のアンモニウム
塩を混合して使用しても同様の作用を奏することは明ら
かである。
【0024】また上述の実施例においては呈色剤として
過塩素酸銀を使用したものについて説明したが、硝酸銀
やパラトルエンスルホン酸銀を呈色剤に使用した水素化
物ガス検出紙にあってもアンモニアガスにより銀イオン
が金属銀を生成するので、上述したのと同様にアンモニ
ウム塩を保湿剤に含有させることにより、アンモニアガ
スによる検出精度の低下を防止できることは当業者には
極めて見易いところである。
過塩素酸銀を使用したものについて説明したが、硝酸銀
やパラトルエンスルホン酸銀を呈色剤に使用した水素化
物ガス検出紙にあってもアンモニアガスにより銀イオン
が金属銀を生成するので、上述したのと同様にアンモニ
ウム塩を保湿剤に含有させることにより、アンモニアガ
スによる検出精度の低下を防止できることは当業者には
極めて見易いところである。
【0025】なお、上述の実施例においては水素化物ガ
スとしてシランを例に採って説明したが、被検ガスの濃
度やサンプリング時間に比例して過塩素酸銀をコロイド
化させる他の水素化物ガス、例えばアルシン、ジボラ
ン、フォスフィン、ジシラン(Si2H6)、セレン化水
素(SeH2)、ゲルマン(GeH4)、硫化水素(H2
S)をアンモニアガス存在下で検出する場合にも有効で
あることを確認した。
スとしてシランを例に採って説明したが、被検ガスの濃
度やサンプリング時間に比例して過塩素酸銀をコロイド
化させる他の水素化物ガス、例えばアルシン、ジボラ
ン、フォスフィン、ジシラン(Si2H6)、セレン化水
素(SeH2)、ゲルマン(GeH4)、硫化水素(H2
S)をアンモニアガス存在下で検出する場合にも有効で
あることを確認した。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
保湿剤を含有する通気性シート状担体に、保湿剤と、水
素化物ガスと反応して金属銀を生成する銀縁を主剤とす
る呈色剤と、耐光性向上剤としての酸とを含浸させた水
素化物ガス検出紙において、アンモニウム塩をアンモニ
アガスの妨害阻止剤として含浸させるようにしたので、
アンモニウム塩により水酸基を伴うこと無く存在する保
湿剤中のアンモニウムイオンが外部からのアンモニアガ
スが保湿剤に溶解するのを阻止して、アンモニアガスに
よるバアックグランド濃度の変化を防止して水素化物ガ
スの濃度にだけ比例して金属銀を生成させることができ
る。
保湿剤を含有する通気性シート状担体に、保湿剤と、水
素化物ガスと反応して金属銀を生成する銀縁を主剤とす
る呈色剤と、耐光性向上剤としての酸とを含浸させた水
素化物ガス検出紙において、アンモニウム塩をアンモニ
アガスの妨害阻止剤として含浸させるようにしたので、
アンモニウム塩により水酸基を伴うこと無く存在する保
湿剤中のアンモニウムイオンが外部からのアンモニアガ
スが保湿剤に溶解するのを阻止して、アンモニアガスに
よるバアックグランド濃度の変化を防止して水素化物ガ
スの濃度にだけ比例して金属銀を生成させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−275352(JP,A) 特開 平6−186166(JP,A) 特開 平6−18509(JP,A) 特開 平6−18510(JP,A) 特開 平5−296990(JP,A) 特開 昭58−99753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 31/00 - 31/22 G01N 21/75 - 21/83
Claims (4)
- 【請求項1】 保湿剤を含有する通気性シート状担体
に、保湿剤と、水素化物ガスと反応して金属銀を生成す
る銀塩を主剤とする呈色剤と、耐光性向上剤としての酸
とを含浸させた水素化物ガス検出紙において、アンモニ
ウム塩をアンモニアガスの妨害阻止剤として含浸させて
なる水素化物ガス検出紙。 - 【請求項2】 前記呈色剤が過塩素酸銀、硝酸銀、また
はパラトルエンスルホン酸銀である請求項1に記載の水
素化物ガス検出紙。 - 【請求項3】 前記保湿剤が多価アルコールである請求
項1に記載の水素化物ガス検出紙。 - 【請求項4】 前記酸がパラトルエンスルホン酸または
硝酸である請求項1に記載の水素化物ガス検出紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05558797A JP3259949B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 水素化物ガス検出紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05558797A JP3259949B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 水素化物ガス検出紙 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10239303A JPH10239303A (ja) | 1998-09-11 |
JP3259949B2 true JP3259949B2 (ja) | 2002-02-25 |
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ID=13002892
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JP (1) | JP3259949B2 (ja) |
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EP1466169A2 (de) * | 2001-02-21 | 2004-10-13 | Walther Dr. Ensslin | Nachweisverfahren für metallkeimbildende substanzen |
KR20010093340A (ko) * | 2001-03-30 | 2001-10-29 | 전영관 | 위험가스의 누출 검지 방법 |
JP4931205B2 (ja) * | 2006-12-05 | 2012-05-16 | 理研計器株式会社 | シランガス検出材 |
-
1997
- 1997-02-24 JP JP05558797A patent/JP3259949B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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