JP2842413B2 - データベース検索方法およびその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はデータベース検索技
術に関し、特にユーザから入力された検索条件を満たす
データをデータベースから検索して出力するデータベー
ス検索方法およびその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のデータベース検索装置に
あっては、検索条件が複数のキーの論理積を含む場合、
可能な限り検索時間を短縮するための工夫がなされてい
る。従来のデータベース検索装置の一例が特開平７−１
０５２２３号公報に記載されている。この公報に記載さ
れたデータベース検索装置は、予め同一のキーを持つデ
ータの出現回数をキーの内容と共に蓄積しておき、出現
回数の少ないキーから検索を行い、早期にデータの絞り
込みをすることによって、検索時間を短縮するものであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術において
は、同一のキーを持つデータの出現回数が偏在的分布を
していない場合、検索時間の短縮化は期待できない。そ
の理由は、出現件数の少ないキーによるデータの絞り込
みが効果的に実施できないからである。このため、他の
工夫によって可能な限り検索時間を短縮し得る技術が求
められている。

【０００４】本発明の目的は、ユーザによる検索条件項
目の現在までの入力頻度を利用することにより、ユーザ
が任意の検索条件を選択して入力するデータベース検索
における検索時間を短縮することにある。

【０００５】本発明の他の目的は、検索条件項目入力画
面上における検索条件項目の選択にかかる操作性を向上
させることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、個々の検索条
件項目に対するユーザの入力頻度を記録した入力頻度表
に基づき、入力頻度の高い順に検索条件項目入力画面上
の検索条件項目を並べ替えると共に、入力頻度の高い検
索条件項目をキーにして予備検索を行うことを基本とす
る。

【０００７】具体的には、検索条件項目入力画面上の複
数の検索条件項目のうちユーザによって選択された検索
条件項目に対して入力された検索条件を満たすデータを
データベースから検索して出力するデータベース検索方
法において、前記ユーザによる個々の検索条件項目に対
する入力頻度を記録した入力頻度表中の入力頻度の高い
上位所定個数の検索条件項目をキーにして前記データベ
ースを検索し、キーの値毎に検索対象データを分類した
予備検索結果を作成するステップと、前記入力頻度表に
基づき入力頻度の高い順に検索条件項目入力画面上の検
索条件項目を並べ替えるステップと、検索条件項目入力
画面上の複数の検索条件項目のうちユーザによって選択
された検索条件項目に対して入力された検索条件に基づ
いて前記予備検索結果を検索すると共に、ユーザによっ
て選択された検索条件項目に応じて前記入力頻度表を更
新するステップと、検索結果を出力装置に出力するステ
ップとを含むことを特徴とする。

【０００８】また、検索条件項目入力画面上の複数の検
索条件項目のうちユーザによって選択された検索条件項
目に対して入力された検索条件を満たすデータをデータ
ベースから検索して出力するデータベース検索装置にお
いて、ユーザによる個々の検索条件項目に対する入力頻
度を記録したユーザ毎の入力頻度表と、今回検索を行う
ユーザに対応する入力頻度表中の入力頻度の高い上位所
定個数の検索条件項目をキーにして前記データベースを
検索し、キーの値毎に検索対象データを分類した予備検
索結果を作成する予備検索手段と、今回検索を行うユー
ザに対応する入力頻度表に基づき入力頻度の高い順に検
索条件項目入力画面上の検索条件項目を並べ替える入力
画面整形手段と、検索条件項目入力画面上の複数の検索
条件項目のうちユーザによって選択された検索条件項目
に対して入力された検索条件に基づいて前記予備検索結
果を検索する検索手段と、検索手段の検索結果を出力す
る出力装置と、検索条件項目入力画面上のユーザによっ
て選択された検索条件項目に応じてそのユーザの入力頻
度表中の該当する入力頻度を更新する入力頻度表作成手
段とを備えることを特徴とする。

【０００９】一般に検索条件項目入力画面上に複数の検
索条件項目が用意されていても、個々の検索では、その
一部の検索条件項目だけを選択する場合が多い。このと
きの検索条件項目の選択傾向はユーザ毎に相違するが、
個々のユーザに限って見れば、現在までの選択傾向から
或る程度予測することができる。つまり、過去に入力頻
度の高かった検索条件項目ほど今回も選択される可能性
が高い。そこで、ユーザによる個々の検索条件項目に対
する入力頻度を記録した入力頻度表に基づき、入力頻度
の高かった上位所定個数の検索条件項目をキーにしてデ
ータベースを検索して、キーの値毎に検索対象データを
分類した予備検索結果を作成しておけば、ユーザが実際
に検索条件の値を入力した後の検索時間を短縮すること
ができる。

【００１０】また、入力頻度の高い順に検索条件項目入
力画面上の検索条件項目を並べ替えるため、ユーザが頻
繁に選択する項目ほど画面の先頭に近い部分に集められ
る。このため、検索条件項目を選択するためにカーソル
を広範囲に移動させる必要がなくなり、操作性が向上す
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態の例につ
いて図面を参照して詳細に説明する。

【００１２】図１を参照すると、本発明を適用したデー
タベース検索装置の一例は、キーボード等の入力装置１
と、プログラムによって動作するＣＰＵ等で構成された
制御装置１５と、情報を記憶する主記憶や外部記憶等の
記憶装置１６と、ＣＲＴディスプレイ等の出力装置１４
とを含む。

【００１３】制御装置１５は、入力装置１から入力され
た検索条件項目の入力頻度をユーザ毎に記録する入力頻
度表作成手段８と、入力頻度が高い順に検索条件項目を
並べ替える検索順序決定手段４と、並べ替えられた検索
条件項目を表示するための入力画面整形手段６と、入力
頻度の高い上位幾つかの検索条件項目をキーとして予め
検索を行う予備検索手段５と、ユーザによる検索条件の
値によって検索を行う検索手段９と、これらの手段と入
力装置１，出力装置１４との間の入出力を制御する入力
制御手段２および出力制御手段１３とを備えている。

【００１４】また記憶装置１６は、検索条件項目とその
入力回数を記録するユーザ毎の入力頻度表１０と、検索
対象データを格納してあるリレーショナルデータベース
等のデータベース１１と、予備検索結果１２とを記憶す
る。

【００１５】次に本発明の実施の形態の動作について、
図１乃至図３を参照して詳細に説明する。

【００１６】ユーザが本データベース検索装置を使用す
る場合、先ず、入力装置１から自己のユーザＩＤを入力
する。この入力されたユーザＩＤは、入力制御手段２に
よって制御装置１５内に入力され（１０１）、検索順序
決定手段４に供給される。検索順序決定手段４は、入力
されたユーザＩＤに対応する入力頻度表が記憶装置１６
に記憶されているか否かを調べ（１０２）、記憶されて
いればその入力頻度表１０を読み込み（１０３）、その
入力頻度表１０に記録された各検索条件項目の入力回数
を参照して、頻度の高い順に検索条件項目を並べる（１
０４）。この並べ替えられた検索条件項目は予備検索手
段５および入力画面整形手段６に供給される。

【００１７】予備検索手段５では、供給された検索条件
項目のうち、頻度の高い上位幾つかの検索条件項目を選
択し、それらをキーに検索対象のデータベース１１を検
索し、キーの値毎に検索対象データを分類した予備検索
結果１２を作成して記憶装置１６に記憶する（１０
５）。なお、頻度の高い上位幾つの検索条件項目を使用
するかは予め決められている。

【００１８】他方、入力画面整形手段６では、供給され
た検索条件項目を検索条件項目入力画面上の項目名に対
応させて整形し（１０６）、出力制御手段１３を通じて
出力装置１４に出力する（１０８）。これによって、入
力頻度の高い順に検索条件項目が並べられた検索条件項
目入力画面がユーザに提示される。

【００１９】なお、ユーザが初めて検索を行う場合は、
そのユーザの入力頻度表が未だ存在しないため、予備検
索は実施されず、従って予備検索結果１２は作成されな
い。また、入力画面整形手段６では、予め決められた順
序で検索条件項目を並べた検索条件項目入力画面を作成
し（１０７）、出力制御手段１３を通じて出力装置１４
に表示する（１０８）。

【００２０】その後、ユーザが出力装置１４に表示され
た検索条件項目入力画面に対し、任意の検索条件項目を
カーソルによって順次選択して検索条件を入力すると、
この入力された検索条件が入力制御手段２を通じて入力
頻度表作成手段８および検索手段９に供給される（１０
９）。

【００２１】入力頻度表作成手段８では、先に入力した
ユーザＩＤに対応する入力頻度表１０における今回入力
された検索条件項目の入力回数を更新する（１１０）。
なお、ユーザが初めて検索を行った場合にはそのユーザ
の入力頻度表は未だ作成されていない。このときは記憶
装置１６中にそのユーザＩＤに対応する初期状態の入力
頻度表を作成した後、今回の検索条件項目の選択に応じ
て入力頻度を更新する。

【００２２】他方、検索手段９では、入力された検索条
件を用いて、記憶装置１６に作成されている予備検索結
果１１８を検索して、条件に合致するデータを取り出し
（１１２）、出力制御手段１３を通じて出力装置１４に
検索結果を出力する（１１４）。また、ユーザが初めて
検索を行った場合には、予備検索結果１２が作成されて
いないため、検索手段９は、予備検索結果１２が作成さ
れていないことを検出（１１１）、元のデータベース１
１を用いて検索を実行し（１１３）、その検索結果を出
力制御手段１３を通じて出力装置１４に出力する（１１
４）。

【００２３】なお、図２および図３の流れ図では、予備
検索を終了した後に検索条件項目入力画面の表示と検索
条件の入力とを行うようにしているが、これらは各々独
立して実施できるため、予備検索の処理と並行して、検
索条件項目入力画面の表示と検索条件の入力の処理を行
うようにしても良い。

【００２４】

【実施例】次に本発明の実施例について、図１，図４お
よび図５を参照して詳細に説明する。

【００２５】例えば入力制御手段２を通じて入力装置１
からユーザＩＤとして“Ｋｅｎｓａｋｕ”が入力される
と（２０１）、“Ｋｅｎｓａｋｕ”のユーザＩＤが付さ
れた入力頻度表１０が記憶装置１６から検索順序決定手
段４に読み込まれる（２０２）。このとき読み込まれた
入力頻度表１０には、図４中に図示するように１，２，
３，４の検索条件項目について、それぞれ入力回数が
７，０，１０，４と記録されているものとする。検索順
序決定手段４では、頻度が高い順に検索条件項目を並べ
替えるので、この例では図３の符号３０１に示すよう
に、３，１，４，２の順番で検索条件項目が並べられ
る。

【００２６】次に予備検索手段５で、入力頻度が高い上
位２つの検索条件項目３，１を選択し、データと検索条
件項目１，２，３，４との対応関係を格納した図４に図
示する如き表１〜表４から構成されるデータベース１１
から検索条件項目３と検索条件項目１をキーにした検索
を行い、予備検索結果１２を作成する（２０４）。この
とき、検索条件項目３の取りうる値がＸ，Ｙ，Ｚの３つ
であり、検索条件項目１の取りうる値がａ，ｂ，ｃの３
つとすると、図４の表Ａに示すように（項目３，項目
１）＝（Ｘ，ａ）となるデータを集めた表Ａと、図４の
表Ｂに示すように（Ｘ，ｂ）となるデータを集めた表Ｂ
と、その他図示しないが、（Ｘ，ｃ），（Ｙ，ａ），
（Ｙ，ｂ），（Ｙ，ｃ），（Ｚ，ａ），（Ｚ，ｂ），
（Ｚ，ｃ）に対応する合計９種類の表が作成される。

【００２７】他方、入力画面整形手段６では、図５の符
号３０２に示すように頻度の高い順に、すなわち３，
１，４，２の順に検索条件項目を並べた検索条件項目入
力画面を作成して出力制御手段１３を通じて出力装置１
４に表示する（２０５）。

【００２８】その後ユーザから、検索条件として、「項
目３＝Ｘ，項目１＝ａ，項目４＝４０以下」が入力され
たとすると、これが入力制御手段２によって入力され
（２０６）、入力頻度表作成手段８においては、ユーザ
ＩＤとして“Ｋｅｎｓａｋｕ”を持つ入力頻度表１０を
更新して、図５に示すように１，２，３，４の検索条件
項目の入力回数をそれぞれ８，０，１１，５とする（２
０７）。

【００２９】また検索手段９においては、予備検索結果
１２の中から、項目３＝Ｘ，項目１＝ａに対応する表Ａ
を選択し、この表Ａを「項目４＝４０以下」の条件で検
索し、検索結果としてＤ１を求める（２０８）。そし
て、出力制御手段１３がこの検索結果Ｄ１を出力装置１
４に出力する（２０９）。

【００３０】なお、ユーザが選択した検索条件項目が予
備検索の場合と全く同じ項目１と項目３であった場合に
は、ユーザが指定した項目１，３の値に対応する何れか
表の内容全てが検索結果となる。例えば、上記の例にお
いてユーザが検索条件項目として項目３だけを選択し、
その値としてＸを指定した場合、表Ａ中のデータが検索
結果となる。また、ユーザが選択した検索条件項目の一
部が予備検索と一致する場合には、その一致した検索条
件項目の値を持つ全ての表中から不一致であった検索条
件項目の値を持つデータを検索する。例えば、上記の例
においてユーザが検索条件項目として項目３と項目４と
を選択し、その各々の値がＸ，４０以下とすると、予備
検索結果を構成する９種類の表のうち、検索条件項目３
の値がＸである３つの表から、項目４の値が４０以下で
あるデータを検索する。更に、ユーザが選択した検索条
件項目と一致する検索条件項目が予備検索に使った検索
条件項目中に１つも存在しないときは、予備検索結果全
てに対して検索が実行される。この場合、予備検索結果
の検索に代えて元のデータベース１１を検索するように
構成しても良い。

【００３１】また、上記の例では、入力頻度表中の入力
頻度の高い上位所定個数の検索条件項目として２個の検
索条件項目を使用したが、その個数は２個に限定される
ことはない。また、入力頻度表中にそのユーザが検索を
行った総回数も記録しておき、総回数分の入力回数の値
が予め定められた値より大きな検索条件項目を予備検索
に使う検索条件項目としても良い。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば以下
のような効果を得ることができる。

【００３３】常に特定の検索条件項目を選択して検索を
行うことが多いユーザの場合、ユーザが検索条件を入力
した後の検索時間を短縮することができる。その理由
は、入力頻度の高かった検索条件項目をキーにして予備
検索を行うためである。

【００３４】また、常に特定の検索条件項目を選択して
検索を行うことが多いユーザの場合、検索条件入力時の
操作性が向上する。その理由は、検索条件項目入力画面
上の検索条件項目を入力頻度の高い順に並べ替えるた
め、検索条件項目を選択するためのカーソルの移動範囲
が狭まるからである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したデータベース検索装置の一例
を示すブロック図である。

【図２】本発明の実施の形態のデータベース検索装置に
おいてユーザＩＤの入力から検索結果の出力までの動作
の流れの一部を示すフローチャートである。

【図３】本発明の実施の形態のデータベース検索装置に
おいてユーザＩＤの入力から検索結果の出力までの動作
の流れの残りの部分を示すフローチャートである。

【図４】本発明の実施例のデータベース検索装置におい
てユーザＩＤの入力から検索結果の出力までの動作の流
れの一部を示すフローチャートである。

【図５】本発明の実施例のデータベース検索装置におい
てユーザＩＤの入力から検索結果の出力までの動作の流
れの残りの部分を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１…入力装置 ２…入力制御手段 ４…検索順序決定手段 ５…予備検索手段 ６…入力画面整形手段 ８…入力頻度表作成手段 ９…検索手段 １０…入力頻度表 １１…データベース １２…予備検索結果 １３…出力制御手段 １４…出力装置 １５…制御装置 １６…記憶装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−278175（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−112370（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−181457（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−254523（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−28408（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−58167（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−205173（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−168119（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−319896（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G06F 17/30

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 個々の検索条件項目に対するユーザの入
   力頻度を記録した入力頻度表に基づき、入力頻度の高い
   順に検索条件項目入力画面上の検索条件項目を並べ替え
   ると共に、入力頻度の高い検索条件項目をキーにして予
   備検索を行うことを特徴とするデータベース検索方法。
2. 【請求項２】 検索条件項目入力画面上の複数の検索条
   件項目のうちユーザによって選択された検索条件項目に
   対して入力された検索条件を満たすデータをデータベー
   スから検索して出力するデータベース検索方法におい
   て、 前記ユーザによる個々の検索条件項目に対する入力頻度
   を記録した入力頻度表中の入力頻度の高い上位所定個数
   の検索条件項目をキーにして前記データベースを検索
   し、キーの値毎に検索対象データを分類した予備検索結
   果を作成するステップと、 前記入力頻度表に基づき入力頻度の高い順に検索条件項
   目入力画面上の検索条件項目を並べ替えるステップと、 検索条件項目入力画面上の複数の検索条件項目のうちユ
   ーザによって選択された検索条件項目に対して入力され
   た検索条件に基づいて前記予備検索結果を検索すると共
   に、ユーザによって選択された検索条件項目に応じて前
   記入力頻度表を更新するステップと、 検索結果を出力装置に出力するステップとを含むことを
   特徴とするデータベース検索方法。
3. 【請求項３】 検索条件項目入力画面上の複数の検索条
   件項目のうちユーザによって選択された検索条件項目に
   対して入力された検索条件を満たすデータをデータベー
   スから検索して出力するデータベース検索装置におい
   て、 ユーザによる個々の検索条件項目に対する入力頻度を記
   録したユーザ毎の入力頻度表と、 今回検索を行うユーザに対応する入力頻度表中の入力頻
   度の高い上位所定個数の検索条件項目をキーにして前記
   データベースを検索し、キーの値毎に検索対象データを
   分類した予備検索結果を作成する予備検索手段と、 今回検索を行うユーザに対応する入力頻度表に基づき入
   力頻度の高い順に検索条件項目入力画面上の検索条件項
   目を並べ替える入力画面整形手段と、 検索条件項目入力画面上の複数の検索条件項目のうちユ
   ーザによって選択された検索条件項目に対して入力され
   た検索条件に基づいて前記予備検索結果を検索する検索
   手段と、 検索手段の検索結果を出力する出力装置と、 検索条件項目入力画面上のユーザによって選択された検
   索条件項目に応じてそのユーザの入力頻度表中の該当す
   る入力頻度を更新する入力頻度表作成手段とを備えるこ
   とを特徴とするデータベース検索装置。