JP2842178B2 - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
スチレン系樹脂組成物Info
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Description
に関するものである。更に詳しくは、本発明は、透明
性、耐衝撃性及び剛性に優れたスチレン系樹脂組成物に
関するものである。
及び成形性に優れ、かつ安価であることから、食品包装
容器などに広く使用されている。ところが、ポリスチレ
ンは、耐衝撃性に劣るという欠点を有している。かかる
欠点を解決する方法として、ポリスチレンにビニル芳香
族化合物及び共役ジエン化合物からなる熱可塑性ブロッ
ク共重合体ゴムをブレンドして用いる技術が知られてい
る(特開昭54−62251号公報及び特開昭53−2
50号公報参照。)。しかしながら、これらの方法にお
いては、透明性、耐衝撃性及び剛性を同時に高い水準に
維持することが困難であるという問題を有していた。
本発明が解決しようとする課題は、透明性、耐衝撃性及
び剛性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供する点に存
する。
記成分(A)20〜45重量%、(B)成分1〜15重
量%及び(C)成分45〜70重量%からなるスチレン
系樹脂組成物に係るものである。 (A):ビニル芳香族化合物65〜85重量%及び共役
ジエン化合物35〜15重量%からなる熱可塑性ブロッ
ク共重合体樹脂 (B):ビニル芳香族化合物10〜60重量%及び共役
ジエン化合物90〜40重量%からなる熱可塑性ブロッ
ク共重合体ゴム (C):ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)を含有す
る樹脂組成物であって、該樹脂組成物中のブタジエン含
有量が2〜10重量%であり、該ゴム変性スチレン系樹
脂(HIPS)は、マトリックスとしてのスチレン系樹
脂及びゴム状重合体を含有する軟質成分粒子が分散から
なるゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)であって、該
軟質成分粒子は、平均粒子径0.5μ以下の単一オクル
ージョン構造を有する粒子と、平均粒子径0.6μ以上
のサラミ構造を有する粒子からなり、かつ該単一オクル
ージョン構造を有する粒子/サラミ構造を有する粒子の
重量比が90/10〜99/1であるゴム変性スチレン
系樹脂(HIPS)である樹脂組成物
分は、ビニル芳香族化合物65〜85重量%及び共役ジ
エン化合物35〜15重量%からなる熱可塑性ブロック
共重合体樹脂である。
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレンなどをあげることができる。好ましく
はスチレンである。共役ジエン化合物としては、たとえ
ば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエンなどをあげることができる。好ましくは
1,3−ブタジエンである。
含有割合は、ビニル芳香族化合物65〜85重量%、好
ましくは70〜85重量%であり、共役ジエン化合物3
5〜15重量%、好ましくは30〜15重量%である。
き、また市販の該当品を利用してもよい。
(A)成分の含有量は、20〜45重量%である。
(A)成分の含有量が過少な場合は透明性に劣り、一方
(A)成分の含有量が過多な場合は剛性に劣る。
物10〜60重量%及び共役ジエン化合物90〜40重
量%からなる熱可塑性ブロック共重合体ゴムである。
としては、上記(A)成分について記したものの中から
選ぶことができる。なお、(A)成分と(B)成分のあ
いだにおいて、同一の化合物を用いてもよく、又は異種
の化合物を用いてもよい。
含有割合は、ビニル芳香族化合物10〜60重量%、好
ましくは25〜50重量%であり、共役ジエン化合物9
0〜40重量%、好ましくは75〜50重量%である。
き、また市販の該当品を利用してもよい。
(B)成分の含有量は、1〜15重量%、好ましくは3
〜15重量%である。(B)成分の含有量が過少な場合
は耐衝撃性に劣り、一方(B)成分の含有量が過多な場
合は剛性に劣る。
系樹脂(HIPS)を含有する樹脂組成物であって、該
樹脂組成物中のブタジエン含有量が2〜10重量%であ
り、該ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)は、マトリ
ックスとしてのスチレン系樹脂及びゴム状重合体を含有
する軟質成分粒子が分散からなるゴム変性スチレン系樹
脂(HIPS)であって、該軟質成分粒子は、平均粒子
径0.5μ以下の単一オクルージョン構造を有する粒子
と、平均粒子径0.6μ以上のサラミ構造を有する粒子
からなり、かつ該単一オクルージョン構造を有する粒子
/サラミ構造を有する粒子の重量比が90/10〜99
/1であるゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)である
樹脂組成物である。
0重量%、好ましくは3〜10重量%である。該含有量
が過少な場合は耐衝撃性に劣り、一方該含有量が過多な
場合は透明性及び剛性に劣る。なお、該含有量は、ヨウ
素滴定法(高分子分析ハンドブック、日本分析学会及び
高分子分析研究懇談会編、朝倉書店発行、1985年、
第267〜268頁)により、求めることができる。
記の条件を満足する特定のゴム変性スチレン系樹脂(H
IPS)が含まれる。すなわち、軟質成分粒子は、平均
粒子径0.5μ以下、好ましくは0.4μ以下の単一オ
クルージョン構造を有する粒子と、平均粒子径0.6μ
以上、好ましくは1.5μ以上のサラミ構造を有する粒
子からなる。単一オクルージョン構造を有する粒子の平
均粒子径が過大な場合は透明性に劣る。また、サラミ構
造を有する粒子の平均粒子径が過小な場合は耐衝撃性に
劣る。該単一オクルージョン構造を有する粒子/サラミ
構造を有する粒子の重量比は90/10〜99/1、好
ましくは90/10〜97/3である。単一オクルージ
ョン構造を有する粒子の割合が過小な場合は透明性に劣
り、一方単一オクルージョン構造を有する粒子の割合が
過大な場合は耐衝撃性に劣る。
ン系樹脂(HIPS)に加えて、(C)成分中のブタジ
エン含有量が前記の条件を満足する範囲において、ゴム
変性されていない、いわゆる汎用ポリスチレン(GPP
S)を含有していてもよい。
セル構造又はコア−シェル構造とも呼ばれ、スチレン系
樹脂からなるコア部分とゴム状重合体からなるシェル部
分で構成された構造を指す。また、サラミ構造とは、ゴ
ム状重合体相中にスチレン系樹脂の小粒子が点在する構
造をさす。これらの軟質成分粒子の構造は、透過型電子
顕微鏡を用いた観察により判定できる。
により求められる。すなわち、ゴム変性スチレン系樹脂
組成物(HIPS)の透過型電子顕微鏡写真の画像解析
により、単一オクルージョン構造及びサラミ構造のそれ
ぞれについての粒径(Di )とその個数ni を求め、式
D=ni Di 4 /Σni Di 3 に従いそれぞれの構造の
平均粒径Dを求める。
S)を得る方法としては、通常の方法で得られた単一オ
クルージョン構造をもったゴム変性スチレン系樹脂(H
IPS)とサラミ構造をもったゴム変性スチレン系樹脂
(HIPS)とを、本発明の要件を充足する割合で溶融
混練する方法をあげることができる。また、重合槽内に
おいて、ゴム状重合体の存在下でスチレン系化合物単量
体を重合する方法を用いることもできる。この重合方法
としては、連続塊状重合法、塊状−懸濁二段重合法があ
げられ、重合槽としては、完全混合型攪拌重合槽、縦型
又は横型の満液型攪拌重合槽、静的混合型管状重合槽及
びこれらの組合せがあげられる。なお、軟質成分粒子の
粒径、粒径分布、粒子構造の制御は、攪拌速度、重合温
度、脱気槽温度などを調節することにより実施すること
ができる。
チレン(GPPS)を併用する場合は、上記のゴム変性
スチレン系樹脂(HIPS)と汎用ポリスレン(GPP
S)を、通常の方法により混合すればよい。
(C)成分の含有量は、45〜70重量%である。
(C)成分の含有量が過少な場合は剛性に劣り、一方
(C)成分の含有量が過多な場合は透明性に劣る。
は、上記の(A)〜(C)成分の所定量を、ヘンシェル
ミキサー、タンブラーなどの混合装置でドライブレンド
するか、一軸又は二軸のスクリュー押出機、バンバリー
ミキサーなどの混練機を用い、180〜260℃の温度
で十分に加熱混練し、その後造粒すればよい。なお、必
要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、帯電防止剤、ミネラルオイル、シリコンオイルなど
の添加剤を使用することができる。本発明のスチレン系
樹脂組成物は、一般に使用されている成形機を用いて成
形することができ、成形法としては、たとえばシート押
出成形、真空圧空成形、ブロー成形、射出成形などがあ
げられる。
脂組成物は、透明性、耐衝撃性及び剛性に優れたもので
あり、かかる優れた特徴を生かして、たとえば各種食品
包装容器などに好適に使用される。
お、測定評価は以下のとおり実施した。
に準拠して行った。 (2)耐衝撃性(デュポン式衝撃強度) 0.3mm厚の樹脂シートを0℃の低温恒温槽で2時間
冷却し、ダート先端径1/8インチR、受け径3/16
インチRの装置を用い、50%破壊率のエネルギーを測
定した。 (3)剛性(引張り弾性) 0.3mm厚の樹脂シートを用い、JIS K7113
に準拠して測定した。
得られた樹脂組成物を、65mmφのシート加工機(田
辺プラスチック機械製、V65−S1000型)を用
い、樹脂温度240℃で押出し、厚さ0.3mmの樹脂
シートを得た。なお、用いたゴム変性スチレン系樹脂
(HIPS)及び汎用ポリスチレン(GPPS)は、塊
状重合法により製造した。
を満足する実施例は、すべての評価項目において優れた
結果を示している。一方、(A)成分が過少な比較例1
は透明性に劣る。(A)成分が過多な比較例2は剛性に
劣る。(B)成分を含有しない比較例3は耐衝撃性に劣
る。(B)成分が過多な比較例4は剛性に劣る。(C)
成分が過少な比較例5は剛性に劣る。(C)成分が過多
な比較例6は透明性に劣る。(C)成分として必須のゴ
ム変性スチレン系樹脂(HIPS)を含有しない比較例
7は耐衝撃性に劣る。(A)成分及び(B)成分を含有
しない比較例8及び9は透明性に劣る。
3重量%からなる熱可塑性ブロック共重合体樹脂 (B):スチレン40重量%及び1,3−ブタジエン6
0重量%からなる熱可塑性ブロック共重合体ゴム (C):表2及び3のとおり数値は重量%である
子径0.2μの単一オクルージョン構造を有する軟質成
分粒子及び平均粒子径2.2μのサラミ構造を有する軟
質成分粒子を含有し、該単一オクルージョン構造を有す
る粒子/サラミ構造を有する粒子の重量比が95/5で
あるゴム変性スチレン系樹脂(HIPS) H2:ブタジエン含有量が9.0重量%であり、平均粒
子径0.2μの単一オクルージョン構造を有する軟質成
分粒子を含有し、サラミ構造を有する軟質成分粒子を含
有しないゴム変性スチレン系樹脂(HIPS) H3:ブタジエン含有量が6.7重量%であり、平均粒
子径2.1μのサラミ構造を有する軟質成分粒子を含有
し、単一オクルージョン構造を有する軟質成分粒子を含
有しないゴム変性スチレン系樹脂(HIPS) GPPS:汎用ポリスチレン
%)
明性、耐衝撃性及び剛性に優れたスチレン系樹脂組成物
を提供することができた。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(A)成分20〜45重量%、
(B)成分1〜15重量%及び(C)成分45〜70重
量%からなるスチレン系樹脂組成物。 (A):ビニル芳香族化合物65〜85重量%及び共役
ジエン化合物35〜15重量%からなる熱可塑性ブロッ
ク共重合体樹脂 (B):ビニル芳香族化合物10〜60重量%及び共役
ジエン化合物90〜40重量%からなる熱可塑性ブロッ
ク共重合体ゴム (C):ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)を含有す
る樹脂組成物であって、該樹脂組成物中のブタジエン含
有量が2〜10重量%であり、該ゴム変性スチレン系樹
脂(HIPS)は、マトリックスとしてのスチレン系樹
脂及びゴム状重合体を含有する軟質成分粒子が分散から
なるゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)であって、該
軟質成分粒子は、平均粒子径0.5μ以下の単一オクル
ージョン構造を有する粒子と、平均粒子径0.6μ以上
のサラミ構造を有する粒子からなり、かつ該単一オクル
ージョン構造を有する粒子/サラミ構造を有する粒子の
重量比が90/10〜99/1であるゴム変性スチレン
系樹脂(HIPS)である樹脂組成物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27699493A JP2842178B2 (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | スチレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27699493A JP2842178B2 (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | スチレン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07126476A JPH07126476A (ja) | 1995-05-16 |
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JP (1) | JP2842178B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-05 JP JP27699493A patent/JP2842178B2/ja not_active Expired - Fee Related
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