JPH061812A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び透明容器 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び透明容器

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JPH061812A
JPH061812A JP15779992A JP15779992A JPH061812A JP H061812 A JPH061812 A JP H061812A JP 15779992 A JP15779992 A JP 15779992A JP 15779992 A JP15779992 A JP 15779992A JP H061812 A JPH061812 A JP H061812A
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JP
Japan
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rubber
soft component
resin composition
particles
component particles
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JP15779992A
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English (en)
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Kazuo Tanaka
和夫 田中
Isato Kihara
勇人 木原
周二 ▲よし▼見
Shiyuuji Yoshimi
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 マトリックスとしてのスチレン系樹脂にゴム
状重合体を含有する軟質成分粒子が分散したゴム変性ス
チレン系樹脂組成物で、(a)〜(d)の条件を充足す
るもの。 (a)軟質成分粒子は、カプセル構造を有するものと、
サラミ構造を有するものの二種が存在し、全軟質成分粒
子中におけるサラミ構造のものの重量割合(φ重量%)
が5重量%以上であること (b)カプセル構造を有するものの平均粒子径が0.5
μ以下であり、サラミ構造を有するものの平均粒子径が
2μ以上であること (c)ゴム変性スチレン系樹脂組成物中における全軟質
成分粒子の重量割合(G重量%)が7〜17重量%であ
ること (d)Gとφの間に、式(1)の関係が存在すること 17−0.1φ≧G (1) 【効果】 剛性及び耐衝撃性を高水準に維持し、かつコ
ンタクトクリア性に優れ、よって特に食品用などの透明
容器とするのに最適な組成物を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物及び該ゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いた
透明容器に関するものである。更に詳しくは、本発明
は、耐衝撃性を高水準に維持し、かつコンタクトクリア
性に極めて優れ、よって特に食品用などの透明容器とす
るのに最適なゴム変性スチレン系樹脂組成物及び該ゴム
変性スチレン系樹脂組成物を用いた透明容器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂とゴム状重合体からなる
ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、いわゆる耐衝撃性ポ
リスチレン(HIPS)として知られている。かかる耐
衝撃性ポリスチレンは、通常のポリスチレンのもつ剛性
を維持しつつ耐衝撃強度をも高めた樹脂として有用なも
のである。ところで、各種飲料をはじめとする食品用容
器には、容器として十分な剛性と耐衝撃性を備えるとい
う要求以外に、その内容物がよく見えるという、いわゆ
るコンタクトクリア性に優れることが求められる。これ
は店頭商品としてのデイスプレイ効果上の観点以外に、
安全衛生上の観点からも重要な要求項目である。
【0003】従来、ゴム変性スチレン系樹脂組成物にお
いて、その軟質成分粒子を0.2μ程度の粒径を有する
いわゆるカプセルタイプとすることにより、コンタクト
クリア性を高める方法が知られている。しかしながらこ
の方法においては耐衝撃性を高水準に維持するためには
多量の軟質成分粒子を含有させなければならず、この場
合、コンタクトクリア性が低下してくるという問題を有
していた。また、マトリックスとしてスチレンとビニル
モノマーとの共重合体を用いることにより、コンタクト
クリア性を高める方法も公知である。しかしながらこの
方法では、比較的高価な該共重合体を使用する関係上、
得られるゴム変性スチレン系樹脂組成物のコストが高く
なり、産業的観点からは好ましい方法とはいえなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、剛性および耐衝撃性を
高水準に維持し、かつコンタクトクリア性に極めて優
れ、よって特に食品用などの透明容器とするのに最適な
ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び該ゴム変性スチレン
系樹脂組成物を用いた透明容器を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したもの
である。すなわち、本発明のうち、一の発明は、マトリ
ックスとしてのスチレン系樹脂にゴム状重合体を含有す
る軟質成分粒子が分散したゴム変性スチレン系樹脂組成
物であって、下記(a)〜(d)の条件を充足するゴム
変性スチレン系樹脂組成物に係るものである。 (a)軟質成分粒子は、カプセル構造を有するものと、
サラミ構造を有するものの二種が存在し、全軟質成分粒
子中におけるサラミ構造を有する軟質成分粒子の重量割
合(φ重量%)が5重量%以上であること (b)カプセル構造を有する軟質成分粒子の平均粒子径
が0.5μ以下であり、サラミ構造を有する軟質成分粒
子の平均粒子径が2μ以上であること (c)ゴム変性スチレン系樹脂組成物中における全軟質
成分粒子の重量割合(G重量%)が7〜17重量%であ
ること (d)上記のGとφの間に、下記式(1)の関係が存在
すること 17−0.1φ≧G (1) また、本発明のうち、他の発明は、上記のゴム変性スチ
レン系樹脂組成物を用いた透明容器に係るものである。
【0006】以下、詳細に説明する。本発明のスチレン
系樹脂を構成するスチレン系化合物単量体としては、ス
チレンが一般的であるが、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレンなどのアルキル置換
スチレン類も使用できる。
【0007】ゴム状重合体としてはたとえば公知のミド
ルシス及びハイシスポリブタジエン、スチレンーブタジ
エンブロック共重合体、スチレンーブタジエンースチレ
ンブロック共重合体、ポリイソプレン、スチレンーイソ
プレンブロック共重合体、スチレンーイソプレンースチ
レンブロック共重合体、及び該共重合体水添物、エチレ
ンープロピレンゴムが用いられる。
【0008】本発明における軟質成分粒子は、カプセル
構造を有するものと、サラミ構造を有するものの二種が
存在することが必要である。ここで、カプセル構造と
は、単一オクルージョン構造又はコア−シェル構造とも
呼ばれ、スチレン系樹脂からなるコア部分とゴム状重合
体からなるシェル部分で構成された構造を指す。また、
サラミ構造とは、ゴム状重合体相中にスチレン系樹脂の
小粒子が点在する構造をさす。なお、軟質成分粒子の構
造は、透過型電子顕微鏡を用いた観察により判定でき
る。
【0009】本発明においては、全軟質成分粒子中にお
けるサラミ構造を有する軟質成分粒子の重量割合(φ重
量%)は5重量%以上、好ましくは7〜50重量%であ
る。該割合が過少な場合は耐衝撃性に劣る。一方該割合
が過多な場合は剛性及びコンタクトクリア性に劣ること
がある。
【0010】カプセル構造を有する軟質成分粒子の平均
粒子径は0.5μ以下、好ましくは0.3μ以下であ
る。該粒子径が過大な場合はコンタクトクリア性に劣
る。サラミ構造を有する軟質成分粒子の平均粒子径が2
μ以上、好ましくは3μ以上である。該粒子径が過小な
場合は耐衝撃性及びコンタクトクリア性に劣る。ここ
で、軟質成分粒子の平均粒子径は、以下の方法により求
められる。すなわち、ゴム変性スチレン系樹脂組成物の
透過型電子顕微鏡写真の画像解析により、カプセル構造
及びサラミ構造のそれぞれについての粒径(di )とそ
の個数Ni を求め、下式に従いそれぞれの構造の平均粒
径dを求める。 d=Σ(di 4 i /Σ(di 3 i
【0011】本発明においては、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物中における全軟質成分粒子の重量割合(G重量
%)は7〜17重量%、好ましくは8〜17重量%であ
る。該割合が過少な場合は耐衝撃性に劣り、一方該割合
が過多な場合はコンタクトクリア性に劣る。ここで、ゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物中における全軟質成分粒子
の重量割合(G重量%)は、以下の方法により求められ
る。すなわち、ゴム変性スチレン系樹脂組成物0.05
gを、室温(23℃)のメチルエチルケトン/メタノー
ル混合溶媒(体積比=10/1)50mlに溶解させ、
そのときの不溶分の乾燥重量をもって全軟質成分粒子の
重量とし、用いたゴム変性スチレン系樹脂組成物に対す
る軟質成分の重量割合(G重量%)を算出する。
【0012】本発明においては、上記のGとφの間に、
下記式(1)の関係が存在することが必要である。 17−0.1φ≧G (1) 上記の関係を満足しない場合は、コンタクトクリア性に
劣る。
【0013】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
得る方法としては、通常の方法で得られたサラミ構造を
もった耐衝撃性ポリスチレンとカプセル構造をもった耐
衝撃性ポリスチレンとを、本発明の要件を充足する割合
で混練する方法をあげることができる。また、重合槽内
において、ゴム状重合体の存在下でスチレン系化合物単
量体を重合する方法を用いることもできる。この重合方
法としては、連続塊状重合法、塊状−懸濁2段重合法が
あげられ、重合槽としては、完全混合型攪拌重合槽、縦
型又は横型の満液型攪拌重合槽、静的混合型管状重合槽
及びこれらの組合せがあげられる。なお、軟質成分粒子
の粒径、粒径分布、粒子構造の制御は、攪拌速度、重合
温度、脱気槽温度などを調節することにより実施するこ
とができる。
【0014】本発明の樹脂組成物を用いるに際しては、
必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
滑剤、帯電防止剤、ミネラルオイル、シリコンオイルな
どの添加剤を使用することができる。また、本発明のゴ
ム変性スチレン樹脂組成物は、一般に使用されている成
形機を用いて成形することができ、成形法としては、た
とえば射出成形、押出成形、ブロー成形、特に最適なも
のとしてインジェクションブロー成形があげられる。
【0015】かくして得られる、本発明のゴム変性スチ
レン系樹脂組成物は、剛性、耐衝撃性を高水準に維持
し、かつコンタクトクリア性に極めて優れるものであ
り、よってかかる優れた特徴を生かして、高水準の透明
性(コンタクトクリア性)が要求される透明容器、具体
的には乳酸菌飲料その他の各種飲料及び食品用容器、化
粧品用容器、医薬品用容器などに好適に使用される。
【0016】
【実施例】次に、実施例により、本発明を説明する。表
1〜2の混合成分欄に示したとおりの割合で耐衝撃性ポ
リスチレン(HIPS−1〜3)及び汎用ポリスチレン
(GPPS)を混合し、更に40mmφ押出機を用いて
220℃で造粒することにより、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物のペレットを得た。なお、上記の耐衝撃性ポリ
スチレン及び汎用ポリスチレンは、塊状重合法により得
た。
【0017】測定方法は下記のとおりである。なお、下
記以外の項目については、前記説明のとおり実施した。 (1)全光線透過率 0.7mm厚の射出成形シートを用い、JIS K67
14に準拠して測定した。 (2)コンタクトクリア性 0.7mm厚の射出成形シートを台紙に張り付け、目視
により判定した。 (3)曲げ弾性率 JIS K7203に準拠して測定した。 (4)アイゾット衝撃強度 JIS K7110に準拠して測定した。 条件及び結果を表1〜2に示した。
【0018】結果から、次のことがわかる。本発明の要
件を充足する全実施例は、すべての評価項目において、
満足すべき結果を示している。一方、カプセル構造又は
サラミ構造のうち、一種の構造の軟質成分粒子しか含有
しない比較例1及び2は、全光線透過率及びコンタクト
クリア性に劣る。カプセル構造の軟質成分粒子しか含有
しない場合において、全光線透過率及びコンタクトクリ
ア性の改良を試みた比較例3は、アイゾット衝撃強度に
劣る。サラミ構造の軟質成分粒子の平均粒子径が過小な
比較例4は、全光線透過率、コンタクトクリア性及びア
イゾット衝撃強度に劣る。G値が過大であり、かつG値
と(17−0.1φ)値の関係が本発明の範囲にない比
較例5は、全光線透過率及びコンタクトクリア性に劣
る。G値と(17−0.1φ)値の関係が本発明の範囲
にない比較例6は、剛性(曲げ弾性率)、全光線透過率
及びコンタクトクリア性に劣る。
【0019】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 施 例 1 2 3 4 混合成分(重量%) GPPS *1 46.5 65.0 47.5 45.0 HIPS-1 *2 46.5 28.0 47.5 45.0 HIPS-2 *3 7.0 7.0 5.0 10.0 HIPS-3 *4 - - - - ゴム変性スチレン系樹脂 組成物の構造特性 d(カプセル)μ *5 0.2 0.2 0.2 0.2 d(サラミ)μ *6 2.2 2.2 2.2 2.2 φ重量% *7 12 18 8 16 G重量% *8 13.2 8.5 13.4 13.4 17-0.1φ 15.8 15.2 16.2 15.4 評価 全光線透過率 % 63 70 65 64 コンタクトクリア性 良 良 良 良 曲げ弾性率 kg/cm2 24400 27000 24400 23800 アイゾット衝撃強度 kg ・cm/cm 4.8 4.1 4.5 5.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0020】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 較 例 1 2 3 4 5 6 混合成分(重量%) GPPS *1 40.0 20.0 50.0 47.5 28.0 40.0 HIPS-1 *2 - 80.0 50.0 47.5 65.0 20.0 HIPS-2 *3 60.0 - - - 7.0 40.0 HIPS-3 *4 - - - 5.0 - - ゴム変性スチレン系樹脂 組成物の構造特性 d(カプセル)μ *5 - 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 d(サラミ)μ *6 2.2 - - 1.0 2.2 2.2 φ重量% *7 100 0 0 7 9 64 G重量% *8 13.2 20.0 12.5 12.8 17.8 13.8 17-0.1φ 7.0 17.0 17.0 16.3 16.1 10.6 評価 全光線透過率 % 53 55 67 57 59 54 コンタクトクリア性 劣 劣 良 劣 劣 劣 曲げ弾性率 kg/cm2 20900 21000 24900 25100 21900 20400 アイゾット衝撃強度 kg ・cm/cm 6.9 5.6 3.0 3.1 5.4 7.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0021】*1 GPPS 汎用ポリスチレン *2 HIPS−1 カプセル構造の軟質成分粒子を有する耐衝撃性ポリスチ
レン、軟質成分重量割合25重量%、軟質成分粒子平均
粒径0.2μ *3 HIPS−2 サラミ構造の軟質成分粒子を有する耐衝撃性ポリスチレ
ン、軟質成分重量割合22重量%、軟質成分粒子平均粒
径2.2μ *4 HIPS−3 サラミ構造の軟質成分粒子を有する耐衝撃性ポリスチレ
ン、軟質成分重量割合18重量%、軟質成分粒子平均粒
径1.0μ *5 d(カプセル) カプセル構造の軟質成分粒子の平均粒径 *6 d(サラミ) サラミ構造の軟質成分粒子の平均粒径 *7 φ重量% 全軟質成分粒子中におけるサラミ構造を有する軟質成分
粒子の重量割合 *8 G重量% ゴム変性スチレン系樹脂組成物中における全軟質成分粒
子の重量割合
【0022】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、剛
性および耐衝撃性を高水準に維持し、かつコンタクトク
リア性に極めて優れ、よって特に食品用などの透明容器
とするのに最適なゴム変性スチレン系樹脂組成物及び該
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いた透明容器を提供
することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリックスとしてのスチレン系樹脂にゴ
    ム状重合体を含有する軟質成分粒子が分散したゴム変性
    スチレン系樹脂組成物であって、下記(a)〜(d)の
    条件を充足するゴム変性スチレン系樹脂組成物。 (a)軟質成分粒子は、カプセル構造を有するものと、
    サラミ構造を有するものの二種が存在し、全軟質成分粒
    子中におけるサラミ構造を有する軟質成分粒子の重量割
    合(φ重量%)が5重量%以上であること (b)カプセル構造を有する軟質成分粒子の平均粒子径
    が0.5μ以下であり、サラミ構造を有する軟質成分粒
    子の平均粒子径が2μ以上であること (c)ゴム変性スチレン系樹脂組成物中における全軟質
    成分粒子の重量割合(G重量%)が7〜17重量%であ
    ること (d)上記のGとφの間に、下記式(1)の関係が存在
    すること 17−0.1φ≧G (1)
  2. 【請求項2】請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組
    成物を用いた透明容器。
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