JP2841650B2 - 樹脂用酸化防止剤 - Google Patents

樹脂用酸化防止剤

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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は樹脂用酸化防止剤に関するものである。
〈従来の技術〉 樹脂に耐候性を付与する目的で、種々の耐候性付与剤
が現在まで開発されてきた。最近ではHALS(ヒンダード
アミンライトスタビライザーの略)と呼ばれるヒンダー
ドアミン系化合物がそれを含有する樹脂組成物の屋外暴
露時の機械的物性の低下や光沢、色調の変化を従来の耐
候性付与剤の場合よりも著しく改良できるため、用いら
れることが多い(例えば、特開昭59−86645号公報)。
また、これら樹脂の加工安定性や熱安定性はヒンダード
アミン系化合物ではほとんど付与できないため、熱安定
剤として非常に優れた効果を有するヒンダードフェノー
ル系熱安定剤を通常の場合、別途添加することが行われ
ている。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところがヒンダードアミン系化合物とヒンダードフェ
ノール系熱安定剤を併用するとヒンダードフェノール系
熱安定剤の変色(キノン系発色)が促進されるため、両
者を併用した樹脂組成物は変色を生じやすく商品価値を
著しく低下させやすい。
また、ヒンダードアミン系化合物はヒンダードフェノ
ール系熱安定剤の酸化防止効果を低下させる作用を有し
ているため、両者を併用した樹脂組成物は十分な熱安定
性が得られにくく、加工時のゲル化、焼け付き、加工直
後の変色などの熱安定性不良による劣化を生じ易い。
本発明の目的はヒンダードフェノール系熱安定剤と併
用しても変色を促進せず、熱安定性も良好で、優れた耐
候性を樹脂組成物に与えることができるヒンダードアミ
ン系化合物を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らはヒンダードアミン系化合物およびそれを
含んだ樹脂組成物について研究を続けてきた。
その結果、ヒンダードフェノール系熱安定剤を含んだ
樹脂組成物に次亜燐酸化合物をコーティングしたヒンダ
ードアミン系化合物を併用すると耐候性、熱安定性が著
しく向上することおよびヒンダードフェノール系熱安定
剤の変色も抑制されることを見いだし、本発明を完成さ
せるに至った。
すなわち本発明は、融点が50℃以上のヒンダードアミ
ン系化合物に次亜燐酸化合物をコーティングしたことを
特徴とする樹脂用酸化防止剤である。
本発明で用いられるヒンダードアミン系化合物は、分
子量が250以上で、融点が50℃以上の4−位に置換基を
有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体であ
り、その4−位の置換基としては、たとえばカルボン酸
残基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、その他種々の
基があげられる。また、N−位にはアルキル基などが置
換していてもよく、具体的には下記(1)〜(8)式に
示す化合物を例示することができる。
本発明で用いられる次亜燐酸化合物は一般式(A)で
表されるものである。
具体的に例示すれば、次亜燐酸リチウム、次亜燐酸ナ
トリウム、次亜燐酸カリウム、次亜燐酸マグネシウム、
次亜燐酸カルシウム、次亜燐酸亜鉛、次亜燐酸チタン、
次亜燐酸バナジウム、次亜燐酸モリブデン、次亜燐酸マ
ンガン、次亜燐酸コバルト、次亜燐酸アンモニウム、次
亜燐酸ブチルアンモニウム、次亜燐酸ジエチルアンモニ
ウム、次亜燐酸トリエチルアンモニウム、次亜燐酸テト
ラエチルアンモニウム、次亜燐酸テトラブチルホスホニ
ウム、次亜燐酸テトラフェニルホスホニウムなどがあげ
られる。
使用するヒンダードアミン系化合物の形状は特に限定
されないが、径0.1mm以上10mm以下の粒状の形状が好ま
しい。
コーティング方法は特に限定されないが、浸漬法、噴
霧法、などの方法が用いられる。
フィルムコート法はその一例で、コーティングする次
亜燐酸化合物を核になるヒンダードアミン系化合物がほ
とんど溶解しない溶媒に溶解し、核になるヒンダードア
ミン系化合物をかくはんしながら、上記の次亜燐酸化合
物溶液を噴霧、乾燥を連続的に行うコーティング方法で
ある。
コーティングに使用する次亜燐酸化合物溶液の濃度お
よび溶媒に特に限定は無いが、濃度は0.1%以上飽和溶
解度以下、溶媒は次亜燐酸化合物が溶解し、ヒンダード
アミン系化合物がほとんど溶解しないものなら何でもよ
い。具体的には水、メタノール、エチレングリコール、
エタノール、プロピレングリコールなどがあげられる。
また、ヒンダードアミン系化合物への次亜燐酸化合物
の接着効果を挙げるために少量の増粘剤(例えばカルボ
キシメチルセルロースナトリウム塩)を次亜燐酸化合物
溶液に加えておくこともできる。
乾燥条件も特に限定はないが、ヒンダードアミン系酸
化防止剤の融点より10℃以下の条件で乾燥するのが望ま
しい。また、ヒンダードアミン系酸化防止剤が凝集体を
作らないようにかくはん速度、コーティング速度を調節
しながら行うのが望ましい。これらの条件を簡便に満た
す装置としては市販のフィルムコート装置があげられ
る。
次亜燐酸化合物とヒンダードアミン系化合物の組成比
にとくに限定はないが、ヒンダードアミン系化合物1重
量部に対して次亜燐酸化合物0.01〜2重量部の範囲が好
ましい。
本発明の酸化防止剤と併用されるヒンダードフェノー
ル系熱安定剤とは、2,6−ジアルキルフェノール誘導体
や2−アルキルフェノール誘導体をさし、具体的には下
記(9)〜(16)式に示す化合物を例示することができ
る。
本発明の酸化防止剤は熱安定剤としてヒンダードフェ
ノール系熱安定剤だけでなく、2価のイオウ原子を含む
チオール結合もしくはチオエーテル結合を有するイオウ
系熱安定剤や亜燐酸エステル結合を有するリン系熱安定
剤とも併用してもよい。
本発明の酸化防止剤は種々の樹脂に添加することで優
れた耐候性と熱安定性を樹脂組成物に付与できる。
特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロ
ピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン
−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−
ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、
プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、
アイオノマー樹脂などのいわゆるポリオレフィン樹脂に
効果的である。
〈発明の効果〉 本発明によれば、融点が50℃以上のヒンダードアミン
系化合物に次亜燐酸化合物をコーティングした酸化防止
剤をヒンダードフェノール系熱安定剤と共に樹脂に添加
することで優れた耐候性および熱安定性を樹脂組成物に
付与することができる。
後述する実施例で示すように、本発明で製造した酸化
防止剤はヒンダードアミン系化合物とヒンダードフェノ
ール系熱安定剤の組合せに比べて著しく優れた耐候性お
よび熱安定性を示すことがわかる。さらにヒンダードア
ミン系化合物とヒンダードフェノール系熱安定剤の組合
せにより見られる変色も著しく抑制されている。
また、これらの優れた効果は相当するヒンダードアミ
ン系化合物と同量の本発明の酸化防止剤の添加で得られ
ているとがわかる。
そのうえ、多くの次亜燐酸化合物は樹脂中で不溶であ
るために次亜燐酸化合物をそのまま用いた場合には樹脂
中で分散不良による外観不良などの問題を生じ易いが、
本発明で製造した酸化防止剤組成物の場合は核になるヒ
ンダードアミン系酸化防止剤が樹脂加工温度で溶融また
は軟化し、コーティング層の次亜燐酸化合物を包み込む
ように樹脂中へ分散していくため上記のような問題点も
解決される。
本発明の酸化防止剤は上記のような種々の樹脂に添加
することで優れた耐候性と熱安定性を付与できるため、
屋外使用用途の農業用フィルム用樹脂、バンパーなど自
動車材料樹脂、ガレージ屋根など建築材料樹脂など高い
耐候性と熱安定性が必要な樹脂に有用に用いられる。
〈実施例〉 以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。なお実施例中の試験法は次の通り
である。
熱安定性試験 厚さ1mmの試験片1gを(株)柴山科学器械製作所製高
分子材料劣化測定装置を用いて、暗所、酸素量40mLの条
件下、所定の槽内温度で酸素吸収誘導期を測定した。酸
素吸収誘導期は槽内温度が一定となった後、系内の酸素
が0.9mL減少するか、分解ガスのでる場合は系内酸素体
積が最小値を示すまでの時間で表した。酸素吸収誘導期
が長いほど、耐酸化劣化性すなわち熱安定性が優れてい
ることを示す。
耐候性試験 JIS1号ダンベルで打ち抜いた試験片をスガ試験機
(株)製のスタンダードサンシャインスーパーロングラ
イフウェザーメーターを用いて、ブラックパネル温度83
℃、2時間毎にシャワー18分間の条件下で経時させた。
経時させた試験片について、(株)島津製作所製オート
グラフDSS100を用いて、引張試験を行い伸び率(%)を
測定し、伸び率がもとの試験片の伸び率に対して半分に
なったときの耐候性試験時間(以下、「耐候性半減期」
という)を求めた。この時間の値が大きいほど耐候性が
優れていることを示す。
変色性試験 3cm×3cmの大きさに切断した厚み1mmの試験片を空気
下、60℃、相対湿度90%の条件下で経時させ、経時の前
後での黄色度の変化(イエローインデックスΔYI)をス
ガ試験機(株)製SMカラーコンピューターで測定した。
ΔYIの数値が小さいほど色の変化が小さく、耐変色性
が優れていることを示す。
実施例1〜4 第1表に示した次亜燐酸化合物10%水溶液(増粘剤と
してカルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.5%含
む)をフロイント産業(株)製ハイコーター試験機(型
式HCT−30)(コーティング条件:導入空気温度97℃、
排出空気温度33℃、スプレー圧1kg/cm2、ドラム回転20r
pm、スプレー速度10mL/分、ドラム内試料充填量1kgスケ
ール)を用いて、ヒンダードアミン系化合物であるチバ
ガイギー製キマソーブ944FL(直径0.5〜1.5mm、長さ0.5
〜8mm、円筒状)に第1表に示す量の次亜燐酸化合物の
コーティングを行い酸化防止剤を得た。いずれも厚み5
μ〜100μのほぼ均一なコーティング膜ができているこ
とが顕微鏡観察により解った。
この次亜燐酸化合物をコーティングした酸化防止剤を
用いて、第1表に示す樹脂、熱安定剤、酸化防止剤組成
物を配合し、バンバリーミキサーで150℃、5分間混練
したのち、押出機により造粒してペレットを得た。この
ペレットをプレス成形法により厚さ1mmのシートとイン
フレーション成形法により厚さ50μのフィルムに成形
し、熱安定性試験(槽内温度220℃)および耐候性試験
を行った。
結果は第1表に示す通り、優れた熱安定性および耐候
性を示した。
実施例5〜6 次亜燐酸化合物のコーティングを次亜燐酸ナトリウム
コーティング後、次亜燐酸カルシウムをコーティングす
ることで2層コートにした以外は実施例1〜4と同様の
試験を行った。
結果は第1表に示す通り、優れた熱安定性および耐候
性を示した。
比較例1 酸化防止剤としてヒンダードアミン系化合物を次亜燐
酸化合物でコーティングしないものを使用した以外は、
第1表に示すとおりの配合で実施例1〜4と同様の試験
を行った。結果はいずれも熱安定性、耐候性とも劣った
ものであった。
実施例7 実施例1と同様の方法でヒンダードアミン化合物に次
亜燐酸化合物をコーティングして製造した酸化防止剤を
第2表に示すとおり樹脂、熱安定剤、分散剤と配合し、
(株)東洋精機製作所製ラボプラストミルで160℃、60r
pm、5分間混練したのち、プレス成形法により厚さ1mm
のシートに成形し、変色性試験を行った。
結果は第2表に示す通り、優れた耐変色性を示した。
比較例2 酸化防止剤としてヒンダードアミン系化合物を用いた
以外は実施例7と同様にして、変色性試験を行った。
結果は第2表に示す通り、耐変色性の劣ったものであ
った。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点が50℃以上のヒンダードアミン系化合
    物に次亜燐酸化合物をコーティングしたことを特徴とす
    る樹脂用酸化防止剤。
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