JP2841249B2 - 打設コンクリートへの急結剤混入方法 - Google Patents

打設コンクリートへの急結剤混入方法

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JP2841249B2
JP2841249B2 JP3190739A JP19073991A JP2841249B2 JP 2841249 B2 JP2841249 B2 JP 2841249B2 JP 3190739 A JP3190739 A JP 3190739A JP 19073991 A JP19073991 A JP 19073991A JP 2841249 B2 JP2841249 B2 JP 2841249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル工事などの特
にコンクリートによる一次覆工作業に際し、打設コンク
リートの急速な固結(凝固)が要求される場合に採択さ
れる当該コンクリートに対する急結剤の混入方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、コンクリートの打設や吹
付け工事に際し、当該コンクリートに急結剤を添加して
いるが、後者の吹付け工事の場合には、コンクリートが
圧縮空気によって所要箇所に噴当することとなるので、
予め添加されている粉体急結剤がコンクリートとよく混
合されることとなる。
【0003】これに対し、コンクリートポンプによって
コンクリートを所要箇所まで圧送管にて供給することと
なる前者のコンクリート打設工事にあっては、コンクリ
ート圧送管の途中で粉体急結剤や液体急結剤を各々添加
したり注入したりして、これにより圧送中のコンクリー
トに混入させるようにしているが、急結剤が均一にコン
クリートと混合されず、充分な混合が得られるように打
設箇所の充分手前の箇所にて早目に急結剤を加えると、
圧送中途でコンクリート硬化の発現を見ることとなる。
【0004】そこで、注入ノズルから急結剤を注入した
後に攪拌羽根により混合したり、回転羽根自体から急結
剤を注入して混練するといった方法(特公昭63−41
99号)も実施されているが、注入された急結剤は、攪
拌しても満足すべき均一な混合状態にすることが極めて
困難である。
【0005】そこで、さらに、液体急結剤を、高圧また
は超高圧ポンプにより供給ホースを介して圧送して、該
供給ホースに設けられたノズルの端部噴出孔から、圧送
液体急結剤を所要箇所における打設コンクリートに対し
て噴射し、混合するといった方法が本願人などにより提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記方法によると、高
圧または超高圧ポンプによる液体急結剤の噴射により、
前記した打設コンクリートに対する急結剤の注入とは違
って、満足すべき均一な混合が短時間にて得られるので
あるが、急結剤なるものは、強アルカリ性状で、人体に
対して有害であることから、当該急結剤を高圧、または
超高圧ポンプで供給ホースを介して圧送するのでは、当
該供給ホースの破裂などを考えると、人体への安全面で
問題があり、また、打設コンクリートに混合する急結剤
量も正確に調整し難く、そのポンプ自体も大型となり、
設備費もかさむ等の問題がある。
【0007】本発明は、上記の従来技術が有する問題点
に鑑みてなされたもので、スラリー状の急結剤を低圧で
供給し、これを高圧の水噴射で加速して打設コンクリー
ト中に混入させるようにしたことにより、急結剤スラリ
ー供給ホースの破裂に対する心配を解消し、人体への安
全性が高く、かつ既存の定量ポンプを使用できることに
よって急結剤量の調整も容易であり、極めて均一なコン
クリートに対する急結剤の混合を得られるようにするの
が、その目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため打設コンクリートへの混練用水は高圧水とし
て、急結剤スラリーは低圧にて夫々の供給ホースを介し
て個別に圧送し、コンクリート圧送管に配設した高圧攪
拌装置のノズル本体内部において、上記高圧水の噴射で
上記急結剤スラリーを加速することにより前記打設コン
クリート中に噴入するようにしたことを特徴とする打設
コンクリートへの急結剤混入方法を提供しようとするも
のである。
【0009】
【作用】高圧水と、粉体急結剤を水で溶かしたスラリー
状の急結剤や液体急結剤といった急結剤スラリーとが個
別に供給される。この場合、水は吐出圧力500kg/
cm2 程度の高圧にて、一方、急結剤スラリーは数kg
/cm2 といった低圧にてコンクリート圧送管に配設し
た攪拌装置に各々供給され、該攪拌装置のノズル本体内
部において、高圧水の噴射で急結剤スラリーが加速され
ることでコンクリート中に急結剤が混合される。このた
め、急結剤スラリー供給ホースの破裂などの心配がなく
人体への安全性が確保され、さらに、水ジェットにより
急結剤スラリーは加速され、コンクリートと攪拌される
こととなるので、混合状態が一層よくなり、当該コンク
リート中に均一に分散して混合される。また、急結剤量
の調整は定量ポンプにて容易に行ない得る。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る方法の実施例を、図1の
装置を用いて実施する場合につき説明する。図中、1は
コンクリートポンプ、2はこれに連結されたコンクリー
ト圧送管を示し、当該コンクリート圧送管2の吐出口2
aは、型枠3を介して所要の打設箇所Aに打設コンクリ
ート4を供給し得るようになっている。上記コンクリー
ト圧送管2には、その吐出口2aの近傍にあって注入部
2bが設けられ、これには高圧攪拌装置5が直交状に連
結され、当該高圧攪拌装置5のノズル本体6には図3に
明示した如く、高圧水供給口7と急結剤スラリー供給口
8とが、所望角度θにて斜交状に各々設けられ、該高圧
水供給口7には、水を高圧でノズル本体6内部に噴射す
るための水噴射口9が設けられている。
【0011】上記ノズル本体6の下部にあっては、上記
水噴射口9と同一軸線上には、急結剤スラリーの加速用
チューブ10が固設され、低圧で上記急結剤スラリー供
給口8からノズル本体6内に供給される急結剤スラリー
を、高圧で上記水噴射口9からノズル本体6内に噴射さ
れる水ジェットにより加速して、コンクリート圧送管2
内のコンクリート中に混入されるようになっている。
【0012】上記ノズル本体6の高圧水供給口7には、
高圧ポンプ11から延設の高圧水供給ホース12が連結
され、一方、上記急結剤スラリー供給口8には定量ポン
プ13から延設の急結剤スラリー供給ホース14が連結
されている。図中Bは地山、15は水供給タンク、16
は急結剤スラリー供給タンクを各々示している。
【0013】上記の装置による時は、注入部2bに連結
の高圧攪拌装置5におけるノズル本体6の加速用チュー
ブ10から、コンクリート圧送管2内の打設コンクリー
トに、水噴射口9より高圧で噴射される水ジェットによ
って急結剤スラリーが加速されて噴射されることとな
る。ここで、上記の高圧ポンプ11による高圧水の吐出
圧力としては、500kg/cm2 程度とすることが望
ましい。また、急結剤としては、粉体急結剤を水で溶解
したスラリー状のものや液体急結剤そのままのものが使
用され、さらに、定量ポンプ13による急結剤スラリー
の吐出圧力としては数kg/cm2 程度の低圧が望まし
い。
【0014】このような低い吐出圧力で急結剤スラリー
をノズル本体6内に供給するのであるが、この急結剤ス
ラリーは、高い吐出力でノズル本体6内に噴射され水ジ
ェットにより加速されて打設コンクリートに向け噴射さ
れ、当該高圧水と急結剤スラリーは高圧攪拌装置5内で
均一に混合され、これが打設コンクリート中に高圧で噴
射されることになり、この結果、打設コンクリートとの
混合攪拌が行なわれ、打設コンクリート、急結剤スラリ
ー、水が均一に混練されることとなる。
【0015】さらに、図2に示されている高圧攪拌装置
5にあっては、コンクリート圧送管2の注入部2bに固
定金具17を取着し、これに取り付けたブラケット18
に電動または油圧モータ等を駆動源19とした揺動シリ
ンダ20が、図に矢印a−a′で示した上下方向に揺動
自在なるよう軸支されている。一方、上記固定金具17
に取り付けたブラケット21に、前記したノズル本体6
が、その下端部を支軸22にて枢着されて、コンクリー
ト圧送管2と直交状に軸支されている。
【0016】上記ノズル本体6は、その一側部において
前記揺動シリンダ20の出力軸20aに枢着され、揺動
シリンダ20の作動による出力軸20aの往復運動によ
りノズル本体6が、その支軸22を中心として図に矢印
b−b′で示したコンクリート圧送管2の断面方向へ揺
動されるよう構成されている。ここで、ノズル本体6の
加速用チューブ10は、注入部2bに開設の開口部2c
に臨ませてある。
【0017】上記の高圧攪拌装置5を用いるときは、揺
動シリンダ20によってノズル本体6が、コンクリート
圧送管2の断面方向に往復揺動するから、定量ポンプ1
3により低圧で圧送されて来た急結剤スラリーは、高圧
ポンプ11により圧送されて来た高圧の水ジェットによ
り加速用チューブ10にて加速され、コンクリート圧送
管2内を流過する打設コンクリート内へ高速で噴入され
ることとなる。従って、図2のCで示されている通り、
加速用チューブ10からの噴射ラインは揺動し、噴射角
度αをもって打設コンクリートへ噴入して行く。さら
に、圧送する打設コンクリートの配合は、高圧水と、粉
体急結剤の溶解水(液体急結剤では高圧水のみ)を考慮
の上、予め単位水量を減じた配合とすることで対応す
る。
【0018】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようにして実施
されるものであるから、高圧ポンプによる高圧水の供給
とは別に、スラリー状とした急結剤を低圧で供給し、こ
の急結剤スラリーを高圧の水噴射で加速して打設コンク
リート中に混入させることにより、高圧水により打設コ
ンクリートへの混入攪拌が充分に行なわれることとなっ
て、満足すべき均一な混合が、コンクリートの圧送過程
において速やかに行われる。また、急結剤は低圧供給で
あるため、その供給ホースの破裂等の心配がなく、人体
への安全性が高く、かつ既存の定量ポンプを使用できる
ことで、打設コンクリートに対する急結剤量の調整も容
易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る打設コンクリートへの急結剤混入
方法を実施するのに用い得る一装置例の使用状態説明図
である。
【図2】図1のコンクリート圧送管における注入部に配
置される高圧攪拌装置のノズル本体を示す縦断面図であ
る。
【図3】図1のコンクリート圧送管における注入部に配
置される高圧攪拌装置の側面図である。
【符号の説明】
2 コンクリート圧送管 5 高圧攪拌装置 6 ノズル本体 12 高圧水供給ホース 14 急結剤スラリー供給ホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅沼 潔 東京都港区赤坂4丁目9番9号 日本国 土開発株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−5966(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 11/10 B28C 7/12 E04G 21/02 103

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 打設コンクリートへの混練用水は高圧水
    として、急結剤スラリーは低圧にて夫々の供給ホースを
    介して個別に圧送し、コンクリート圧送管に配設した高
    圧攪拌装置のノズル本体内部において、上記高圧水の噴
    射で上記急結剤スラリーを加速することにより前記打設
    コンクリート中に噴入するようにしたことを特徴とする
    打設コンクリートへの急結剤混入方法。
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