JP2840077B2 - 二重壁構造 - Google Patents

二重壁構造

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JP2840077B2
JP2840077B2 JP1053989A JP5398989A JP2840077B2 JP 2840077 B2 JP2840077 B2 JP 2840077B2 JP 1053989 A JP1053989 A JP 1053989A JP 5398989 A JP5398989 A JP 5398989A JP 2840077 B2 JP2840077 B2 JP 2840077B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建造物の主外壁に所定間隔を置いて副外壁
を形成した二重壁構造に関する。
〔従来の技術〕
従来、既設建造物の外壁を補修する方法として、例え
ば、特開昭62−242061号公報に開示されるように、既設
建造物の外壁面に複数の外装材を所定間隔を置いて取り
付け、外装材相互間の目地にシーリング等の充填材を充
填する方法が知られている。
しかしながら、このような二重壁構造では、外装材と
その取付部材に作用する全風圧を外装材及び取付部材に
より支持していたため、外装材及び取付金具等の強度を
高く設定する必要があった。
このような問題点を解決した二重壁構造として、例え
ば、特公昭63−47866号公報に開示されるようなものが
知られている。
第29図は、この二重壁構造を示すもので、符号11は、
建造物13の主外壁を示している。
この建造物13の主外壁11には、複数の外装材15が主外
壁11と所定間隔を置いて配置され副外壁17が形成されて
おり、建造物13と副外壁17との間には空間部19が形成さ
れている。
また、外装材15相互間には、充填材を施すことなく空
目地21が形成され、この空目地21を介して外装材15の表
裏両面の空気が連通している。
そして、建造物13の隅角部23には仕切材25が配設さ
れ、この仕切材25により、隣接する空間部19間の空気の
流出入が実質的に遮断されている。
このような二重壁構造では、副外壁17に風圧が作用す
ると、空気が空目地21から外装材15の裏側に流入して空
間部19の内圧が上昇し、外装材15の表裏に作用する圧力
差、即ち、風荷重を低減することができ、外装材15及び
取付金具等に作用する応力を小さくすることができる。
また、仕切材25により隣接する空間部19の空気の流出
入を遮断しているので、隅角部23を廻り込んで生じる圧
力分布の異常を低減し、隅角部23近傍に配置される外装
材15の風荷重の低減を図ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような二重壁構造では、外装材15
裏の空間部19が広大であるため、空目地21から流入する
空気により、広大な空間部19の内圧を十分に上昇させる
ことができず、外装材15に作用する風荷重を十分に低減
することができないという問題があった。
また、実際には、副外壁17には場所により異なる風
圧、即ち、勾配を有している風圧が作用するが、空間部
19は隅角部23において仕切材25により仕切られているだ
けであったので、広大な空間部19の内圧が空目地21から
流入する空気により一様となり、外装材15の表裏に作用
する圧力差が大きい部分が生じ、風荷重が低減されない
部分が発生するという問題があった。
さらに、外装材15の表裏に作用する圧力差が場所によ
り大きくなるので、狭い空目地21から広い空間部19に高
速で風が流入する部分があり、これにより、強力な気流
が生じ、雨水の空間部19への浸入量が増加して室内漏水
の危険性が高くなるという問題があった。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、外装材に作用する風圧上昇に対応して、その
外装材の裏面の空間部の内圧を十分に上昇させ、風荷重
及び雨水の空間部への浸入を従来よりも大幅に低減する
ことができる二重壁構造を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1記載の二重壁構造は、建造物の主外壁に、こ
の主外壁と所定間隔を置いて複数の外装材を配置し、こ
れにより副外壁を形成し、前記建造物の主外壁と前記副
外壁との間に空間部を形成するとともに、前記外装材相
互間あるいは前記外装材に前記副外壁の表裏の空気を連
通する連通路を形成し、前記外装材に作用する風荷重を
低減してなる二重壁構造において、前記空間部を区画材
で仕切ることにより、前記建造物の主外壁と前記副外壁
との間に複数の空気室を形成するとともに、これ等の空
気室の区画面積は、大なる風圧勾配が作用する副外壁の
裏側に形成される空気室ほど小であることを特徴とする
ものである。
請求項2記載の二重壁構造は、建造物の主外壁に、こ
の主外壁と所定間隔を置いて複数の外装材を配置し、こ
れにより副外壁を形成し、前記建造物の主外壁と前記副
外壁との間に空間部を形成するとともに、前記外装材相
互間あるいは前記外装材に前記副外壁の表裏の空気を連
通する連通路を形成し、前記外装材に作用する風荷重を
低減してなる二重壁構造において、前記空間部を区画材
で仕切ることにより、前記建造物の主外壁と前記副外壁
との間に複数の空気室を形成するとともに、これ等の空
気室の区画面積は、建造物の副外壁の外周に行くほど小
であることを特徴とするものである。
〔作 用〕
請求項1記載の二重壁構造では、空間部を区画材で仕
切ることにより、建造物の主外壁と副外壁との間に複数
の空気室を形成するとともに、これ等の空気室の区画面
積が、大なる風圧勾配が作用する外装材の裏面に形成さ
れる空気室ほど小とされる構成としたので、大なる風圧
勾配が外装材に作用すると、その外装材の裏面に形成さ
れる区画面積の小さい独立した空気室に空気が流入し、
互いの空気室間の空気の流出が抑えられるため、狭い空
気室の内圧が外装材に作用する風圧に近づく。
また、請求項2記載の二重壁構造では、空気空間部を
区画材で仕切ることにより、建造物の主外壁と副外壁と
の間に複数の空気室を形成するとともに、これ等の空気
室の区画面積が、建造物の副外壁の外周部に行くほど小
とされる構成としたので、大なる風圧勾配が副外壁の外
周部の外装材に作用しても、前記と同様の作用によりそ
の外装材の裏面に形成される区画面積の小さい空気室に
空気が流入し、狭い空気室の内圧が外周部の外装材に作
用する風圧に近づく。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細を図面に示す実施例について説明
する。
第1図は、本発明の二重壁構造の一実施例を示すもの
で、図において、符号31は、補修した建造物33の副外壁
を示している。
この副外壁31は、第2図に示すように、建造物33の平
側の側面を形成している。
この副外壁31は、第3図に示すように、建造物33の主
外壁35に取り付けられた支持材37を介して、建造物33に
支持されている。支持材37は、アンカーボルト等を使用
して建造物33の主外壁35に高さ及び幅方向に所定間隔を
置いて取り付けられ、上下及び左右に隣接する支持体37
の間には取付用枠材39が取り付けられている。そして、
副外壁31は、枠材39に、例えば、ガラス等からなる複数
の外装材41を取り付けて形成されている。
即ち、副外壁31を形成する複数の外装材41は、主外壁
35と所定間隔を置いて配置され、建造物33の主外壁35と
副外壁31との間には空間部43が形成されている。
また、複数の外装材41相互間には連通路45が形成さ
れ、この連通路45を介して外装材41の表裏の空気が連通
している。
そして、主外壁35と外装材41との間に形成される空間
部43は、外装材41の上部に配置される区画材47により仕
切られ、これにより、複数の空気室49が形成されてい
る。
これ等の空気室49の区画面積は、大なる風圧勾配が作
用する外装材41の裏面に形成される空気室49ほど小とさ
れている。即ち、第1図に示したように、建造物33の副
外壁31の外周部51に行くほど、空気室49の区画面積が小
とされている。
以上のように構成された二重壁構造では、建造物33の
主外壁35と副外壁31との間に形成される空間部43を、区
画材47により仕切ることにより複数の空気室49を形成し
たので、外装材41に風圧が作用すると、第4図に示すよ
うに、外装材41相互間に形成される連通路45から空気室
49に空気が流入し、風圧Poが作用する外装材41裏面の空
気室49の内圧Piが風圧Poに近づく。
しかして、以上のように構成された二重壁構造では、
空間部43に複数の空気室49を形成したので、外装材41に
風圧Poが作用すると、外装材41相互間に形成される連通
路45から、その外装材41の裏面に形成される空気室49に
空気が流入し、空気室49の内圧Piが外装材41に作用する
風圧Poに近づき、外装材41に作用する風圧Po上昇に対応
して、その外装材41の裏面の空間部43の内圧Piを十分に
上昇させ、風圧Poから空気室49の内圧Piを差し引いた風
荷重(Po−Pi)及び雨水の空間部43への浸入を従来より
も大幅に低減することができる。
また、以上のように構成された二重壁構造では、空気
室49の区画面積を、外装材41に作用する風圧勾配が大な
るほど小、即ち、建造物33の副外壁31の外周部51に行く
ほど、空気室49の区画面積を小としたので、副外壁31の
外周部51に大なる風圧Poが作用しても、その風圧Poに対
応した内圧Piが、副外壁31の外周部51の裏面に形成され
る空気室49に発生し、外装材41に作用する風荷重(Po
Pi)を副外壁31の全体に渡って十分に低減することがで
きる。
さらに、外装材41に作用する風圧Poの上昇に対応し
て、その外装材41の裏面に形成される空気室49の内圧Pi
が上昇するので、風圧Poと空気室49の内圧Piとの差圧
(Po−Pi)を小さくすることができ、連通路48から空間
部43に流入する風速を小さくすることができ、これによ
り、気流の発生を防止し、雨水の空間部43への浸入量を
低減して室内漏水を確実に防止することができる。
また、隣接する空気室49とは区画材47により空気の流
出入が遮断されているため、空気室49の内圧Piを上昇す
るに必要な風量のみ出入するので、連通路45から空間部
43に流入する風速をさらに小さくすることができ、これ
により、室内漏水をさらに確実に防止することができ
る。
さらに、外装材41に作用する風荷重(Po−Pi)を副外
壁31の全体に渡って十分に低減することができるので、
外装材41及び取付金具等の強度を落とすことができ、軽
量化を図ることができる。
尚、第5図に示すように、大なる風圧Poが作用する外
周部51の外装材41裏面の空気室49の区画面積を、さらに
小とすると、外周部51の外装材41に作用する風圧Poと空
気室49の内圧Piとの差圧をさらに小さくすることがで
き、外装材41に作用する風荷重(Po−Pi)をさらに低減
することができる。
第6図乃至第9図は、上述した実施例における風圧係
数、即ち、風圧力の建造物33頂部における速度圧に対す
る比を示す分布図で、第6図は、第2図において風向が
0度の場合の風圧係数分布を示している。そして、図に
おいては、風圧係数を100倍とした値を示している。
同様に、第7図,第8図,第9図は、それぞれ風向が
15度,90度,180度の場合の風圧係数分布を示している。
これ等の図より、建造物33の平側では、外壁面の外周
部51の等圧線の間隔が狭く、圧力勾配が大きいことがわ
かる。即ち、空間部43に区画材47により複数の空気室49
を形成しない場合には、空間部43の内圧が一定となり、
従って、圧力勾配の大きい外周部51ほど風荷重が大きく
なることがわかる。
一方、次頁以降における第1表乃至第4表は、第6図
乃至第9図の風圧係数の測定点における風荷重(Po
Pi)の最大値、即ち、風向が0度,15度,90度,180度の場
合における最大の風荷重のデータを示している。これ等
のデータに対応する測定点は、例えば、第1表の右上の
部分の344kg/m2は、第6図乃至第9図のP1に対応し、左
上の部分の262kg/m2は、P2に対応している。
そして、第1表は連通路45を設けない場合、第2表は
連通路45を設け、さらに外周のみに区画材47を配置した
場合、第3表は連通路45を設け、第1図に示す区画材47
を配置した副外壁31の場合、第4表は連通路45を設け、
第5図に示す区画材47を配置した副外壁31の場合の風荷
重の最大値のデータである。
これ等の表より、空間部43に区画材47を配置しない第
1表の場合よりも、空間部43に区画材47を配置して複数
の空気室49を形成した第2表及び第3表の方が、風荷重
の最大値が全体的に小さくなっていることがわかる。
また、副外壁31の外周部51を、第3表の場合よりも、
さらに細かく仕切って区画面積の小さい空気室49を形成
した第4表の方が、風荷重の最大値が小さくなることが
わかる。
第10図は建造物33の測定ラインA,B及び測定ライン3
を示し、第11図乃至第13図は、それぞれ測定ラインA,B
及び測定ライン3における風荷重(Po−Pi)の絶対値の
最大値、即ち、風向が0度,15度,90度,180度の場合にお
ける最大である風荷重の絶対値を示す折線グラフであ
る。風荷重の絶対値の最大値は、外装材41の構造耐力の
検討に使用される。
これ等のグラフにおいて、●は第1表,○は第2表,
×は第3表,△は第4表の場合を示している。
これ等のグラフより、いづれの測定ラインについて
も、空間部43に空気室49を形成しない場合(第1表,第
2表)よりも、空間部43に複数の空気室49を形成した方
(第3表,第4表)が、風荷重の絶対値の最大値、即
ち、外装材41に作用する圧力が全体的に小さくなってい
ることがわかる。
第14図乃至第16図は、第10図に示した測定ラインA,B
及び測定ライン3の測定点における風荷重(Po−Pi)の
正の最大値、即ち、風向0度,15度,90度,180度の場合に
おいて外装材41を主外壁35側に押す方向の風荷重(Po
Pi)の最大値を示す折線グラフである。
風荷重の正の最大値は、連通路45から空間部43への雨
水の浸入の検討に使用される。
これ等のグラフより、いづれの測定ラインについて
も、空間部43に空気室49を形成しない場合(第1表,第
2表)よりも、空間部43に複数の空気室49を形成した方
(第3表,第4表)が、風荷重の正の最大値、即ち、外
装材41を主外壁35側に押す圧力が全体的に小さくなって
いることがわかる。従って、連通路45からの雨水の浸入
が低減される。
第17図は本発明の他の実施例を示すもので、図におい
て、符号55は、建造物57の副外壁を示している。
この副外壁55は、第18図に示すように、建造物57の妻
側の側面を形成している。この副外壁55は、複数の外装
材を主外壁と所定間隔を置いて配置することにより形成
されている。
そして、主外壁と外装材との間に形成される空間部58
は、区画材59により仕切られ、複数の空気室61が形成さ
れている。
これ等の空気室61の区画面積は、大なる風圧勾配が作
用する外装材の裏面に形成される空気室61ほど小とされ
ている。即ち、建造物57の副外壁55の上部及び側部の空
気室61の区画面積が小とされている。
以上のように構成された二重壁構造でも、第1図に示
した実施例とほぼ同様の効果を得ることができる。
尚、第19図に示すように、空間部58をさらに細かく区
画して空気室61を形成すると、第17図に示した実施例よ
りも、風荷重(Po−Pi)を低減することができる。
第20図乃至第22図は、上述した実施例における場合の
風圧係数、即ち、風圧の建造物57頂部における速度圧に
対する比を示す分布図で、第20図は、第18図において風
向が15度の場合の風圧係数分布を示している。そして、
図においては、風圧係数を100倍した値を示している。
同様に、第21図,第22図は、それぞれ風向が90度,270
度の場合の風圧係数分布を示している。
これ等の図より、外壁面の上部の等圧線の間隔が狭
く、圧力勾配が大きいことがわかる。即ち、空間部58に
区画材59により複数の空気室61を形成しない場合には、
空間部58の内圧Piが一定となり、従って、圧力勾配の大
きい上部ほど風荷重(Po−Pi)が大きくなることがわか
る。
一方、次頁以降における第5表乃至第8表は、第20図
乃至第22図の風圧係数の測定点における風荷重(Po
Pi)の最大値、即ち、風向15度,90度,270度の場合にお
ける最大の風荷重のデータを示している。これ等のデー
タに対応する測定点は、例えば、第5表の右上の部分の
426kg/m2は、第20図乃至第22図のP3に対応し、左上の部
分の466kg/m2は、P4に対応している。
そして、第5表は連通路を設けない場合、第6表は連
通路を設け、さらに外周のみに区画材59を配置した場
合、第7表は連通路を設け、第17図に示す区画材59を配
置した副外壁55の場合、第8表は連通路を設け、第19図
に示す区画材59を配置した副外壁55の場合の風荷重の最
大値のデータである。
これ等の表より、空間部58に区画材59を配置しない場
合(第5表)よりも、空間部58に区画材59を配置して複
数の空気室61を形成した方(第7表,第8表)が、風荷
重の最大値が全体的に小さくなっていることがわかる。
また、空間部58を、第7表の場合よりも、さらに細か
く区切って空気室61を形成した第8表の方が、風荷重の
最大値が小さくなることがわかる。
第23図は測定ラインC及び測定ライン3を示し、第24
図及び第25図は、それぞれ測定ラインC及び測定ライン
3の測定点おける風荷重(Po−Pi)の絶対値の最大値、
即ち、風向15度,90度,270度の場合における最大である
風荷重の絶対値を示す折線グラフである。
これ等のグラフにおいて、●は第5表,○は第6表,
×は第7表,△は第8表の場合を示している。
これ等のグラフより、いづれの測定ラインについて
も、空間部59に空気室61を形成しない場合(第5表,第
6表)よりも、空間部59に複数の空気室61を形成した場
合(第7表,第8表)の方が、風荷重の絶対値の最大
値、即ち、外装材に作用する圧力が全体的に小さくなっ
ていることがわかる。
第26図及び第27図は、第23図に示した測定ラインC及
び測定ライン3の測定点における風荷重(Po−Pi)の正
の最大値、即ち、風向15度,90度,270度の場合において
外装材を主外壁側に押す方向の風荷重の最大値を示す折
線グラフである。
これ等のグラフより、いづれの測定ラインについて
も、空間部59に空気室61を形成しない場合(第5表,第
6表)よりも、空間部58に複数の空気室61を形成した方
(第7表,第8表)が、風荷重の正の最大値、即ち、外
装材を主外壁側に押す圧力が全体的に小さくなっている
ことがわかる。従って、連通路からの雨水の浸入が低減
される。
尚、第1図及び第17図に示した実施例では、外装材41
相互間に連通路45を形成した例について説明したが、本
発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、
外装材自体に連通路を形成しても良く、さらに、第28図
に示すように、枠材71に連通路73を形成しても上記実施
例とほぼ同様の効果を得ることができる。
また、第1図及び第17図に示した実施例では、既設建
造物33,57の主外壁35に副外壁31,55を形成して補修する
例について説明したが、本発明は上記実施例に限定され
るものではなく、主外壁と副外壁を新築時に形成して
も、上記実施例とほぼ同様の効果を得ることができる。
さらに、第1図及び第17図に示した実施例では、空間
部43,58を、外装材41の周囲に区画材47,59を配置して仕
切る例について説明したが、本発明は上記実施例に限定
されるものではなく、外装材の中央部付近にも区画材を
配置し、仕切っても良い。
また、第1図及び第17図に配置される区画材47,59
は、空気室49,61を完全に密閉するものでなくても良
く、ある程度密閉することができれば、本発明の効果を
得ることができる。
また、第1図に示した実施例では、支持材37と区画材
47を設け、支持材37により外装材41を支持した例につい
て説明したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、支持材を廃止して区画材により外装材を支持し
ても、上記実施例とほぼ同様の効果を得ることができ
る。
〔発明の効果〕
以上述べたように、請求項1記載の二重壁構造では、
空間部を区画材で仕切ることにより、建造物の主外壁と
副外壁との間に複数の空気室を形成するとともに、これ
等の空気室の区画面積を、大なる風圧勾配が作用する外
装材の裏面に形成される空気室ほど小としたので、大な
る風圧勾配が外装材に作用すると、その外装材の裏面に
形成される区画面積の小さい空気室に空気が流入し、狭
い空気室の内圧が外装材に作用する風圧に近づき、外装
材に作用する風圧上昇に対応して、その外装材の裏面の
空間部の内圧を十分に上昇させることができ、これによ
り、外装材に作用する風荷重及び雨水の空間部への浸入
を従来よりも大幅に低減することができる。
また、請求項2記載の二重壁構造では、空気空間部を
区画材で仕切ることにより、建造物の主外壁と副外壁と
の間に複数の空気室を形成するとともに、これ等の空気
室の区画面積を、建造物の副外壁の外周部に行くほど小
としたので、大なる風圧勾配が副外壁の外周部の外装材
に作用しても、その外装材の裏面に形成される区画面積
の小さい空気室に空気が流入し、狭い空気室の内圧が風
圧に近づき、外装材に作用する風圧上昇に対応して、そ
の外装材の裏面の空間部の内圧を十分に上昇させること
ができ、これにより、外装材に作用する風荷重及び雨水
の空間部への浸入を従来よりも大幅に低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る二重壁構造の一実施例を示す側面
図である。 第2図は二重壁が形成される建造物を示す平面図であ
る。 第3図は建造物の主外壁に所定間隔をおいて配置された
外装材及びその近傍を示す縦断面図である。 第4図は本発明の二重壁構造の作用を説明する説明図で
ある。 第5図は第1図の副外壁の外周部裏面にさらに区画面積
の小さい空気室を形成した例を示す側面図である。 第6図乃至第9図は風向が0度,15度,90度,180度の場合
における風圧係数分布を示す分布図である。 第10図は建造物の平側の側面の測定ラインを示す側面図
である。 第11図乃至第13図は、第10図を各測定ラインにおける風
荷重の絶対値の最大値を示す折線グラフである。 第14図乃至第16図は、第10図の各測定ラインにおける風
荷重の正の最大値を示す折線グラフである。 第17図は本発明の二重壁構造の他の実施例を示す側面図
である。 第18図は第17図の二重壁が形成される建造物を示す平面
図である。 第19図は第17図の副外壁裏面にさらに区画面積の小さい
空気室を形成した例を示す側面図である。 第20図乃至第22図は風向が15度,90度,270度の場合にお
ける風圧係数分布を示す分布図である。 第23図は建造物の妻側の側面の測定ラインを示す側面図
である。 第24図及び第25図は、第23図の各測定ラインにおける風
荷重の絶対値の最大値を示す折線グラフである。 第26図及び第27図は、第23図の各測定ラインにおける風
荷重の正の最大値を示す折線グラフである。 第28図は、枠材に連通路を形成した例を示す縦断面図で
ある。 第29図は、従来の二重壁構造を示す横断面図である。 〔主要な部分の符号の説明〕 31,55……副外壁 33,57……建造物 35……主外壁 41……外装材 43,58……空間部 45,73……連通路 47,59……区画材 49,61……空気室 51……外周部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪野 達雄 大阪府大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会社竹中工務店大阪本店内 (56)参考文献 特開 昭56−89659(JP,A) 特開 昭51−13121(JP,A) 特公 昭63−47866(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 23/02 E04H 9/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建造物の主外壁に、この主外壁と所定間隔
    を置いて複数の外装材を配置し、これにより副外壁を形
    成し、前記建造物と主外壁と前記副外壁との間に空間部
    を形成するとともに、前記外装材相互間あるいは前記外
    装材に前記副外壁の表裏の空気を連通する連通路を形成
    し、前記外装材に作用する風荷重を低減してなる二重壁
    構造において、 前記空間部を区画材で仕切ることにより、前記建造物の
    主外壁と前記副外壁との間に複数の空気室を形成すると
    ともに、これ等の空気室の区画面積は、大なる風圧勾配
    が作用する副外壁の裏側に形成される空気室ほど小であ
    る ことを特徴とする二重壁構造。
  2. 【請求項2】建造物の主外壁に、この主外壁と所定間隔
    を置いて複数の外装材を配置し、これにより副外壁を形
    成し、前記建造物の主外壁と前記副外壁との間に空間部
    を形成するとともに、前記外装材相互間あるいは前記外
    装材に前記副外壁の表裏の空気を連通する連通路を形成
    し、前記外装材に作用する風荷重を低減してなる二重壁
    構造において、 前記空間部を区画材で仕切ることにより、前記建造物の
    主外壁と前記副外壁との間に複数の空気室を形成すると
    ともに、これ等の空気室の区画面積は、建造物の副外壁
    の外周に行くほど小である ことを特徴とする二重壁構造。
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