JP2839894B2 - 磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録装置

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JP2839894B2
JP2839894B2 JP63303831A JP30383188A JP2839894B2 JP 2839894 B2 JP2839894 B2 JP 2839894B2 JP 63303831 A JP63303831 A JP 63303831A JP 30383188 A JP30383188 A JP 30383188A JP 2839894 B2 JP2839894 B2 JP 2839894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、磁気テープ、磁気ディスク(ハードディ
スク)、フロッピーディスク、磁気カード等の磁気記録
媒体を記録媒体として磁気ヘッドにより情報の書き込み
または読み出しを行う磁気記録装置に関する。
[従来の技術] 一般に磁気記録装置は、第13図にブロック図で示すよ
うに、情報を記録する磁気記録媒体、磁気記録媒体に対
して情報の書き込みまたは読み出しを行う磁気ヘッド、
磁気記録媒体の表面に沿って磁気ヘッドを相対的に移動
させるための駆動機構、および各部の制御および情報処
理等を行う電子回路等からなっている。
前記磁気記録媒体としては、磁気テープ、磁気ディス
ク(ハードディスク)、フロッピーディスク、磁気カー
ド等が使用される。磁気ヘッドとしては、微小ギャップ
を有する高透磁率磁性体コアにコイルを巻いたものが用
いられる。駆動機構としては、主として回転モータや、
リニアアクチュエータが用いられる。電子回路として
は、磁気ヘッドの駆動回路、駆動機構の駆動回路、情報
の処理および信頼性の保証のための回路等が含まれてい
る。
この種の従来の磁気記録装置はすべて、磁気ヘッドと
磁気記録媒体とが媒体表面と平行な方向のみの相対移動
を行う構造である。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来の磁気記録装置において、磁気ヘッドが磁気
記録媒体の表面に沿って相対移動して書き込み・読み出
しを行う際、通常、この相対移動によって磁気ヘッドと
磁気記録媒体との間に微小間隙が生じ、この微小間隙は
磁気ヘッドおよび磁気記録媒体の摩耗を防止する効果を
持つ。しかし、磁気記録装置の記録密度はこの微小間隙
によって制限され、記録密度を増大するためこの微小間
隙を小さく設定すると、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの
相対移動時に摩耗を生じ、装置全体としての信頼性が失
われてしまうという問題がある。
ところで、磁気ディスク装置において、磁気ヘッドが
磁気ディスクに密着して離れない状態(いわゆる凝着と
呼ばれる状態)となって磁気ディスクが始動時に動き始
めないという現象が発生することを防ぐために、磁気デ
ィスクの始動時に、磁気ヘッドに磁気記録媒体面と平行
な方向の超音波振動を与えて磁気ヘッドの磁気ディスク
表面からの剥離を図るという考えが従来出されている
が、このような磁気記録媒体面と平行な方向の振動は、
始動時にしか適用できないし、また磁気記録媒体と磁気
ヘッドとの微小間隙には関与しないから、上記の問題を
解決し得ないものであった。
一方、特開昭61−187179号「磁気ヘッドスライダ」に
は、磁気ヘッドを支持するスライダに超音波振動子を取
り付け、この超音波振動子が発する超音波をスライダと
磁気ディスク媒体との接触界面に向けスライダを介して
照射するようにした磁気記録装置が開示されている。こ
のものは、磁気ディスクの回転開始時に超音波振動子を
作動させ、超音波振動子から発した超音波がスライダを
伝搬して接触界面に到達し、スライダと磁気ディスクと
の間にある潤滑剤や水分などに照射され、このときに周
期のきわめて短い疎密波によりスライダと磁気ディスク
との間に働く吸着力を消滅させ、磁気ディスクを円滑に
回転起動させることができる。
しかしなが、このものは、磁気ディスクの円滑な回転
起動を目的とするものである。このため、定常回転中の
磁気ディスクと磁気ヘッドとは、互いに常時接触し合う
関係を維持することになり、この間の接触に基づく双方
の摩耗は、回転期間の通算時間が増えるほど、すなわち
使用期間が増えるほど進行することは明らかであった。
また、このものは、磁気ヘッドを支持する双胴形のスラ
イダの底面に超音波振動子を固着し、スライダ自体を超
音波振動させる構成であるから、スライダに支持された
磁気ヘッド自体もスライダとともに振動することにな
る。従って、仮に磁気ディスクの回転中も超音波を照射
する構成とした場合、スライダの振動に同調して磁気デ
ィスクが振動するときに、磁気ディスクの振動と磁気ヘ
ッドの振動とが同調していれば、磁気ディスクによる信
号の書き込みや読み取りにさほど悪影響は生じないが、
実際には磁気ディスクとスライダは同調振動せず、磁気
ヘッドと磁気ディスクとの間に振動位相差が存在するこ
とは明らかである。このため、磁気ヘッドと磁気ディス
クは、超音波振動周期とも異なる一定しない周期で当接
と離間を繰り返すことになり、磁気ディスクの暴れによ
って異常書き込みやドロップアウトが発生しやすい等の
課題を抱えるものであった。特に、磁気ヘッドは、磁気
ディスク上に形成された微小な磁化領域を磁化させた
り、磁化領域の磁化極性を読み取ったりするものであ
り、このため磁気ディスクと磁気ヘッドとの間に許容さ
れる間隙には、当然のことながら一定の上限が存在する
が、磁気ディスクが暴れたりしたときには、磁気ディス
クと磁気ヘッドとの間の間隙が許容限界を越えてしま
い、異常書き込みを招きやすく、またこれとは逆に磁気
ヘッドが磁気ディスクに衝合することで、磁気ディスク
の信号記録面を傷つけてしまい、ドロップアウトを招く
ことは想像に難くないものであった。また、超音波振動
の周波数も5〜50kHzと広い範囲が推奨さており、仮に
5〜20kHzの周波数を選択して定常回転中も超音波振動
を印加する構成とした場合、音声信号のように可聴帯域
内の周波数をもって振動する信号については、磁気ヘッ
ドの超音波振動が振動帯域内で無用の変調を引き起こし
てしまい、記録信号を劣化させるといった弊害を招く危
険を抱えるものであった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、磁気記
録媒体と磁気ヘッドとの間の微小間隙を十分小さく維持
して記録密度の向上を図りつつ、同時に磁気記録媒体お
よび磁気ヘッドの摩耗を防止することのできる磁気記録
装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記課題を解決したものであり、情報を磁
気的に記録する磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に接し
て該磁気記録媒体に対する情報の書き込みたは読み出し
を行う磁気ヘッドと、前記磁気記録媒体と前記磁気ヘッ
ドとを相対的に移動させる駆動機構と、前記磁気ヘッド
を支持し、該磁気ヘッドに対し前記磁気記録媒体の表面
に垂直な方向に可聴帯域以上の周波数の超音波振動を加
え、前記駆動機構が前記磁気記録媒体と前記磁気ヘッド
とを相対的に移動させる期間の全期間に亙り、前記磁気
ヘッドを前記超音波振動周期でもって前記磁気記録媒体
に当接離間させ、該磁気ヘッドの摩耗を防止する超音波
振動印加手段を具備することを特徴とするものである。
[作用] 本発明によれば、磁気ヘッドが磁気記録媒表面に垂直
な方向に超音波振動するから、磁気ヘッドと磁気記録媒
体とは互いに衝突すると直ちに互いにはじかれて離れ、
これを繰り返して相互間の微小間隙を維持する。したが
って、磁気記録媒体と磁気ヘッドとが互いに接触してい
る時間と比べて互いに離れている時間が長く、両者相互
間の摩耗は効果的に防止される。また、磁気記録媒体お
よび磁気ヘッドの摩耗が防止されるから、両者間の微小
間隙を十分小さく設定することができ、磁気記録装置の
記録密度を向上させることができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を第1図ないし第12図を参照し
て説明する。第1図ないし第4図は、本発明を適用しよ
うとする磁気記録装置の具体例をそれぞれ示すもので、
第1図は、磁気テープ装置の要部の側面図、第2図は、
磁気ディスク装置の要部の斜視図、第3図(イ)は、フ
ロッピーディスク装置の要部の斜視図、第3図(ロ)
は、第3図(イ)の要部拡大図、第4図は、磁気カード
装置の要部の斜視図、第5図ないし第7図は、本発明に
おける超音波振動発生装置の実施例を示すもので、第5
図は、圧電素子型の超音波振動発生装置の斜視図、第6
図は、磁歪素子型の超音波振動発生装置の斜視図、第7
図は、磁界と電流との作用による電磁力を利用した電磁
力型の超音波振動発生装置の斜視図、第8図ないし第11
図は、第1図ないし第4図の各磁気記録装置において磁
気ヘッドを超音波振動させる本発明の実施例をそれぞれ
示すもので、第8図は、磁気テープ装置の場合の図、第
9図(イ)は、磁気ディスク装置の場合の図、第9図
(ロ)は、同磁気ディスク装置の場合の他の実施例を示
す図、第10図(イ)は、フロッピーディスク装置の場合
の図、第10図(ロ)は、同フロッピーディスク装置の場
合の他の実施例を示す図、第11図は、磁気カード装置の
場合の図、第12図は、本発明の構成を説明するブロック
図である。
第12図にブロック図で示すように、本発明は、磁気ヘ
ッドに磁気記録媒体表面に垂直な方向の超音波振動を加
える超音波振動印加手段を設けたものである。まず、本
発明を適用しようとする磁気記録装置の具体例を第1
図、第2図、第3図、第4図にそれぞれ示す。
第1図はVTR、R−DAT等の磁気テープ装置、つまり磁
気記録媒体が磁気テープである磁気記録装置の要部を側
面図で示す。同図において、1は磁気記録媒体である磁
気テープ、2は磁気ヘッドである。3は磁気テープ装置
のシャーシ、4は下部固定シリンダ5と上部回転シリン
ダ6とからなるシリンダである。下部固定シリンダ5
は、シャーシ3に固定されている。前記磁気ヘッド2
は、前記上部回転シリンダ6側に取り付けられている。
7は、上部回転シリンダ6を回転駆動する回転モータで
あり、シャーシ3に取り付けられている。前記回転モー
タ7および上記回転シリンダ6は、磁気ヘッド2を磁気
テープ1に対して相対移動させる駆動機構を構成する。
第2図は、磁気ディスク装置、つまり磁気記録媒体が
磁気ディスク(ハードディスク)である磁気記録装置の
要部を示す斜視図である。図において、11は磁気ディス
ク、12は磁気ヘッドである。13は磁気ディスク11を固定
したスピンドル、14はスピンドルを回転駆動する回転モ
ータである。前記磁気ヘッド12は、アーム15に基端部が
固定されたジンバルバネ16の先端部に取り付けられてい
る。このジンバルバネ16は、ステンレスの板ばねで磁気
ヘッド12を取り付ける先端部が横U字形となっている。
前記アーム15は、ヘッド送り用のリニアアクチュエータ
17により矢印の水平方向に往復駆動される。このリニア
アクチュエータ17には、例えばステップモータやボイス
コイルモータ等が使用される。18は、磁気ヘッド12によ
る書き込み・読み出し用のICを示す。前記回転モータ14
およびスピンドル13は磁気ディスク11側の駆動機構を構
成し、前記リニアアクチュエータ17、アーム15およびジ
ィンバルバネ16は磁気ヘッド12側の駆動機構を構成す
る。
第3図(イ)は、フロッピーディスク装置、つまり磁
気記録媒体がフロッピーディスクである磁気記録装置の
要部を斜視図に示す。同図において、21はジャケットに
入れられたフロッピーディスク、22は磁気ヘッドであ
る。23はフロッピーディスク21を支持するスピンドル、
24はスピンドル23を回転駆動する回転モータである。磁
気ヘッド22は、アーム25に取り付けられたジンバルバネ
26に取り付けられている。このジンバンルバネ26は、第
3図(ロ)に拡大して示すように、アーム25の先端部に
あけた穴25aに縁部が固定されるとともに、磁気ヘッド2
2の周囲の前後左右の4点を支持する形状であり、磁気
ヘッド22を柔軟に支持するために媒体面に垂直な方向に
弾性変形可能であるばかりでなく、磁気ヘッド破損防止
のための水平方向の弾性変形も若干可能である。前記ア
ーム25は前記と同様、例えばステップモータやボイスコ
イルモータ等によるヘッド送り用のリニアアクチュエー
タ27により矢印の水平方向に往復駆動される。前記回転
モータ24およびスピンドル23等はフロッピーディスク21
側の駆動機構を構成し、また前記リニアアクチュエータ
27、アーム25およびジンバルバネ26等が磁気ヘッド22側
の駆動機構を構成する。
第4図は、磁気カード装置、すなわち磁気記録媒体が
磁気カードである磁気記録装置の要部を示す斜視図であ
る。図において、31は磁気カード、32は磁気ヘッドであ
る。磁気ヘッド32は装置本体側に固定的に取り付けられ
た横U字形の押さえバネ33に取り付けられている。34
は、磁気カード31の送り駆動を行う送りローラで、駆動
機構を構成する。35は、磁気ヘッド32に対向して磁気カ
ード31の裏面に配置したパッドである。
次に、磁気ヘッドに印加する超音波振動を発生させる
ための超音波振動発生装置について説明する。
第5図は、圧電素子型の超音波振動発生装置Aを示
す。この超音波振動発生装置Aは積層圧電体41を用いた
もので、この積層圧電体41は、ジルコンチタン酸鉛等の
圧電体42を電極43を間に挟んで複数個層状に積層した構
造である。44は、積層圧電体41を固定する固定部であ
る。45は、積層圧電体41の超音波振動を加振対象に伝達
する剛体の可動部で、積層圧電体41の上面に片持ち状に
固定されている。前記積層圧電体41に電圧を印加する高
周波電源46は、例えば周波数20KHz以上、電圧10〜1000V
程度とする。積層圧電体41は高周波電源により駆動され
て厚み方向に伸縮振動し、可動部45が矢印のように上下
に超音波振動する。
なお、加振対象を上記積層圧電体41の上面に直接固定
して、加振対象を積層圧電体41により直接振動させるこ
とも当然可能である。
第6図は、磁歪素子型の超音波振動発生装置Bを示
す。この超音波振動発生装置Bは、固定部44に固定した
支持台47に板ばねの可動部48の基端部を固定し、固定部
46に固定した例えばFe−Co−Si−B合金等の高磁歪磁性
体49の上面部を前記可動部48の裏面に連結し、この高磁
歪磁性体49を囲むコイル50を設けた構造である。このコ
イル50に高周波電源51を接続する。この高周波電源51
は、例えば周波数20KHz以上、電流数mA〜数十A程度と
する。高磁歪磁性体49は、高周波電流がコイル50に流れ
ることにより生じた交番磁界の作用を受けて伸縮振動
し、板ばねである可動部48の先端が矢印のように上下に
超音波振動する。
なお、この磁歪素子型の場合も、加振対象を磁歪素子
に直接固定して直接振動させることができる。
第7図は、磁界と電流の作用による電磁力を利用した
電磁力型の超音波振動発生装置Cを示す。この超音波振
動発生装置Cは、固定部52に固定した支持台53に板ばね
の可動部54の基端部を固定し、この可動部54の下面にバ
リウムフェライト、アルニコ磁石、希土類−Co磁石等の
永久磁石55を固定(永久磁石55は固定部52から浮いてい
る)し、一方、固定部52側に前記永久磁石55を挿通させ
るコイル56を配置した構造である。なお、永久磁石55は
水平方向の磁界を発生するもので、図示は省略したがコ
イル56の外側にヨーク(可動部54に固定)を配置すると
よい。また、コイル56は、固定部52に固定した図示略の
ボビンに巻く。コイル56に高周波電流が流れると、コイ
ル56を流れる電流と永久磁石55による磁界とが作用し、
コイル56と永久磁石55との間にフレミングの左手の法則
に従う電磁力が発生するが、コイル56が固定なので、永
久磁石55側が、つまり可動部54が上下に往復振動し、超
音波振動を発生する。なお、以上の超音波発生装置によ
る振動の振幅は数百Å〜数μm程度とする。
次に、上述の超音波振動発生装置A,B,Cを採用し、各
磁気記録装置における磁気ヘッドに磁気記録媒体表面に
垂直な方向の超音波振動を印加する具体的な実施例を説
明する。
第8図は、第1図で説明した磁気テープ装置における
磁気ヘッド2に超音波振動を加える場合を示す。図に示
すように、磁気ヘッド2はヘッド保持部60を介してアー
ム61に取り付けられ、このアーム61の基端部は、第5図
に示した圧電素子型の超音波振動発生装置Aにおける可
動部45、または第6図に示した磁歪素子型の超音波振動
発生装置Bにおける可動部48、または第7図に示した電
磁力型の超音波振動発生装置Cにおける可動部54のそれ
ぞれ先端に固定される。可動部45または48または54の振
動方向は、矢印のようにシリンダ4の半径方向とする。
上記構成の磁気記録装置において、超音波振動発生装
置AまたはBまたはCを作動させると、それらの可動部
45または48または54が振動し、この可動部45または48ま
たは54と一体のアーム61が第8図中の矢印のようにシリ
ンダ4の半径方向に振動し、アーム61と一体の磁気ヘッ
ド2が磁気テープ1の面と垂直な方向に超音波振動す
る。
第9図(イ)は、第2図で示した磁気ディスク装置に
おける磁気ヘッド12に超音波振動を加える場合を示す。
図において、磁気ディスク11、磁気ヘッド12、アーム1
5、ジンバルバネ16は第2図で説明した通りである。こ
の実施例では、ジンバルバネ16と磁気ヘッド12との間
に、例えば第5図に示した積層圧電体41を介在させた構
造である。この場合、ジンバルバネ16の共振周波数と積
層圧電体41による超音波振動数とは相異なるようにす
る。
上記構成において積層圧電体41に高周波電圧を印加す
ると、積層圧電体41が上下方向に伸縮振動し、この積層
圧電体41の下面に固定された磁気ヘッド12が磁気ディス
ク11の面に対して垂直な方向に超音波振動する。
なお、上記実施例は、積層圧電体41の振動で磁気ヘッ
ド12を直接振動させるものであるが、磁気ヘッド12を例
えば第5図に示した超音波振動発生装置Aの可動部45等
を介して振動させる構造とすることもできる。すなわ
ち、第9図(ロ)に示すように、例えば横U字形のシン
バルバネ16の下側部分に可動部45の先端を固定する。こ
の場合、超音波振動発生装置Aの可動部45が上下に振動
することにより、磁気ヘッド12が磁気ディスク11の面に
垂直に振動する。
また、第9図(イ)において、積層圧電体41の代わり
に第6図に示した高磁歪磁性体49を用いても、同様に磁
気ヘッド12を超音波振動させることができる。この高磁
歪磁性体49による直接振動、または可動部48を介して振
動のいずれも可能である。
また、図示は省略するが、第7図に示した電磁力型の
超音波振動発生装置Cを採用することもできる。この場
合、前述した第9図(ロ)のごとき構造を採用し、横U
字形のジンバルバネ16の下側部分に第7図に可動部54の
先端を固定する。
第10図(イ)は、第3図で説明したフロッピーディス
ク装置における磁気ヘッド22に超音波振動を加える場合
を示す。図において、アーム25、ジンバルバネ26は第3
図で説明した通りである。この実施例では、ジンバルバ
ネ26に例えば第5図に示した積層圧電体41(第6図の高
磁歪磁性体49でも同様である)を取り付け、この積層圧
電体41の下面に磁気ヘッド22を固定している。
この場合、ジンバルバネ26の共振周波数と積層圧電体
41による超音波振動数とか相異なるようにする。なお、
図示のものは積層圧電体41の伸縮時の慣性等を考慮し
て、ジンバルバネ26の上側にも積層圧電体が延出する構
造としているが、当然ジンバルバネ26の下側のみでもよ
い。
上記構成において、積層圧電体41に高周波電圧を印加
すると、積層圧電体41が上下方向に伸縮振動し、積層圧
電体41の下面に固定された磁気ヘッド22がフロッピーデ
ィスク21の面に垂直に超音波振動する。
なお、上記のように積層圧電体4で直接振動させるの
でなく、第10図(ロ)に示すように、磁気ヘッド22は第
3図(ロ)に示した通りジンバルバネ26に直接取り付
け、磁気ヘッド22の上面部に超音波振動発生装置Aまた
はBまたはCの可動部45または48または54の先端を固定
することもできる。
第11図は、第4図で説明した磁気カード装置における
磁気ヘッド32に超音波振動を加える場合を示す。この実
施例は、押さえバネ33と磁気ヘッド32との間に、例えば
第5図に示した積層圧電体41(第6図の高磁歪磁性体49
でも同様である)を介在させた構造である。
上記構成において、積層圧電体41を作動させると、積
層圧電体41が上下方向に伸縮振動し、積層圧電体41の下
面に固定された磁気ヘッド32が、磁気カード31の面に垂
直に超音波振動する。なお、磁気カード装置の場合も、
前述の第9図(ロ)と同様、可動部45または48または54
の先端部を押さえバネ33の下側部分に固定した構造とす
ることもできる。
[発明の効果] 本発明によれば、磁気ヘッドを磁気記録媒体の表面に
垂直な方向に超音波振動を加える超音波振動印加手段に
て支持し、駆動機構が磁気記録媒体と磁気ヘッドとを相
対的に移動させる期間中、磁気ヘッドを超音波振動周期
でもって磁気記録媒体に当接離間させ、磁気ヘッドの摩
耗を防止する構成としたから、磁気ヘッドと磁気記録媒
体とは互いに当接すると直ちに互いにはじかれて離れ、
超音波振動周期でもって当接と離間を繰り返しながら相
互間の微小間隙を維持するため、両者が互いに接触して
いる時間はきわめて短く、これにより磁気記録媒体の起
動初期は勿論、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの相対移動
が定常的に安定して信号の記録再生環境が整う定常駆動
期間中においても、恒常的に磁気ヘッドならびに磁気記
録媒体の摩耗を効果的に防止することができ、しかも超
音波振動周波数が可聴帯域以上の周波数であるから、特
に音声信号のように可聴帯域内の周波数をもって振動す
る信号を記録する場合でも、磁気ヘッドの超音波振動が
信号帯域内で無用の変調を引き起こすことはなく、従っ
て磁気ヘッドの摩耗防止策が記録信号を劣化させるとい
った弊害を招く危険はなく、またこの摩耗防止により、
磁気ヘッドと磁気記憶媒体との間の微小間隙を十分小さ
く設定することができるため、同じ磁気記録媒体に対し
従来の記録密度を越える高密度の記録が可能であり、さ
らに起動時だけではなく駆動期間中もずっと磁気ヘッド
を超音波振動させるが、磁気記録媒体自体は振動しない
ため、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間の振動位相差に
より非同調振動が増幅されてしまうことはなく、磁気記
録媒体の暴れによる異常書き込みやドロップアウトが発
生しないため、良質の記録再生が可能である等の本願特
有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は、本発明を適用しようとする磁気
記録装置の具体例をそれぞれ示すもので、第1図は、磁
気テープ装置の要部の側面図、第2図は、磁気ディスク
装置の要部の斜視図、第3図(イ)は、フロッピーディ
スク装置の要部の斜視図、第3図(ロ)は、第3図
(イ)の要部拡大図、第4図は、磁気カード装置の要部
の斜視図、第5図ないし第7図は、本発明における超音
波振動発生装置の実施例を示すもので、第5図は、圧電
素子型の超音波振動発生装置の斜視図、第6図は、磁歪
素子型の超音波振動発生装置の斜視図、第7図は、磁界
と電流との作用による電磁力を利用した電磁力型の超音
波振動発生装置の斜視図、第8図ないし第11図は、第1
図ないし第4図の各磁気記録装置において磁気ヘッドを
超音波振動させる本発明の実施例をそれぞれ示すもの
で、第8図は、磁気テープ装置の場合の図、第9図
(イ)は、磁気ディスク装置の場合の図、第9図(ロ)
は、同磁気ディスク装置の場合の他の実施例を示す図、
第10図(イ)は、フロッピーディスク装置の場合の図、
第10図(ロ)は、同フロッピーディスク装置の場合の他
の実施例を示す図、第11図は、磁気カード装置の場合の
図、第12図は、本発明の構成を説明するブロック図、第
13図は、従来の磁気記録装置の一例を示すブロック図で
ある。 1……磁気テープ 11……磁気ディスク 21……フロッピーディスク 31……磁気カード 2,12,22,32……磁気ヘッド 41……積層圧電体 45,48,54……可動部 49……高磁歪磁性体 55……永久磁石 50,56……コイル 61……アーム A……圧電素子型の超音波振動発生装置 B……磁歪素子型の超音波振動発生装置 C……電磁力型の超音波振動発生装置

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を磁気的に記録する磁気記録媒体と、
    該磁気記録媒体に接して該磁気記録媒体に対する情報の
    書き込みまたは読み出しを行う磁気ヘッドと、前記磁気
    記録媒体と前記磁気ヘッドとを相対的に移動させる駆動
    機構と、前記磁気ヘッドを支持し、該磁気ヘッドに対し
    前記磁気記録媒体の表面に垂直な方向に可聴帯域以上の
    周波数の超音波振動を加え、前記駆動機構が前記磁気記
    録媒体と前記磁気ヘッドとを相対的に移動させる期間の
    全期間に亙り、前記磁気ヘッドを前記超音波振動周期で
    もって前記磁気記録媒体に当接離間させ、該磁気ヘッド
    の磨耗を防止する超音波振動印加手段とを具備すること
    を特徴とする磁気記録装置。
  2. 【請求項2】前記超音波振動印加手段は、圧電素子を交
    番電圧により伸縮振動させて超音波振動を発生させる超
    音波振動発生装置を有することを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録装置。
  3. 【請求項3】前記超音波振動印加手段は、磁歪素子を交
    番磁界により伸縮振動させて超音波振動を発生させる超
    音波振動発生装置を有することを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録装置。
  4. 【請求項4】前記超音波振動印加手段は、固定部または
    可動部の一方のコイルを、他方にこのコイルに磁界を作
    用させる磁石を取り付け、前記コイルに高周波電流を流
    した時にコイルまたは磁石に働く電磁力により超音波振
    動を発生させる超音波振動発生装置を有することを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録装置。
  5. 【請求項5】前記磁気記録媒体がテープであることを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の磁気記録装
    置。
  6. 【請求項6】前記磁気記録媒体が磁気ディスクであるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3または4記載の磁気記
    録装置。
  7. 【請求項7】前記磁気記録媒体がフロッピーディスクで
    あることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    磁気記録装置。
  8. 【請求項8】前記磁気記録媒体が磁気カードであること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載の磁気記録
    装置。
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