JP2839459B2 - 透析装置の配管系の洗浄および消毒方式 - Google Patents

透析装置の配管系の洗浄および消毒方式

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JP2839459B2 JP7057571A JP5757195A JP2839459B2 JP 2839459 B2 JP2839459 B2 JP 2839459B2 JP 7057571 A JP7057571 A JP 7057571A JP 5757195 A JP5757195 A JP 5757195A JP 2839459 B2 JP2839459 B2 JP 2839459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、限外濾過制御システム
等を備えた透析装置における脱気手段の洗浄および消毒
方式に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、限外濾過制御システムを備えた
透析装置においては、透析患者に対する安全を確保する
ため、限外濾過運転の精度維持と、ダイアライザへの気
泡流入の防止とが必要である。このため、従来の透析装
置の配管系においては、図3に示すような脱気手段が設
けられている。
【0003】すなわち、図3において、参照符号10は
透析液の給液系に設けた電磁弁を示し、透析液は、この
電磁弁10より、陰圧発生手段としての絞り12、脱気
ポンプ14を介して、気泡分離チャンバ16へ供給され
るように構成されている。また、気泡分離チャンバ16
は、内部にフロート20を備え、頂部に排気弁22を介
して外部排気管24に連通接続されている。以上の構成
によって、透析液の脱気部(1点鎖線で囲まれた構成部
分)が形成される。
【0004】さらに、気泡分離チャンバ16の下部より
透析液供給管26を導出し、この供給管26を透析制御
配管部28に接続している。そして、この透析制御配管
部28から排出される透析液は、前記外部排気管24と
連通接続する排液系30を介して排液されるよう構成さ
れている。なお、前記透析制御配管部28を介して、適
宜ダイアライザが配管接続されている。また、前記電磁
弁10より絞り12および脱気ポンプ14を介して気泡
分離チャンバ16に連通接続される透析液の給液系18
の一部と、前記気泡分離チャンバ16の底部との間は、
接続配管19によって相互に連通接続され、給液系18
の残液排出を容易に行うことができるように構成されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記の従来
の透析装置の配管系における脱気部においては、脱気ポ
ンプ14において陰圧を発生することにより、気液分離
した透析液を気泡分離チャンバ16内に導入して気泡の
分離を行い、気泡分離チャンバ16の上部に気相部分3
2が形成される。そして、前記脱気部に対し、洗浄およ
消毒液を流通させた場合、前記気泡分離チャンバ16
の気相部分32と、排気弁22を介して外部へ排気を行
うための排気管24との内部を除き、適正な洗浄および
消毒を達成することができる。
【0006】従って、前記従来の透析装置における配管
系においては、気泡分離チャンバ16の気相部分32
と、排気弁22を介して外部へ排気を行うための排気管
24との内部については、洗浄および消毒を行うことが
できない。この結果、正常な透析液を供給した場合に、
前記気泡分離チャンバ16の気相部分32において不純
物や細菌が混入する危険が大きくなる難点がある。
【0007】また、従来の方式においては、洗浄および
消毒液並びに酸洗浄液の使用量が比較的多く、これら排
液の処理においても多くの問題点を有していた。
【0008】そこで、本発明の目的は、従来困難とされ
た気泡分離チャンバの気相部分や排気管の内部における
洗浄および消毒を可能とすると共に、洗浄および消毒液
の使用量を低減して、排液処理の問題についても軽減し
得る透析装置の配管系の洗浄および消毒方式を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る透析装置の配管系の洗浄および消毒方
式は、開閉弁を設けた給液系に脱気ポンプを備えた陰圧
発生手段を介して気泡分離チャンバを連通接続すると共
に、前記気泡分離チャンバと前記給液系の一部とを接続
配管により接続し、前記気泡分離チャンバに透析制御配
管部へ給液を行う透析液供給管を連通接続すると共に前
記透析制御配管部から排液系を導出し、さらに前記気泡
分離チャンバの気相部分と前記排液系とを連通する排気
管を設けてなる透析装置の配管系において、給液系に設
けた開閉弁を開放して、脱気ポンプにより気泡分離チャ
ンバ内へ洗浄および消毒液を供給し、次いで気泡分離チ
ャンバ内の洗浄および消毒液を、送液手段を備えた透析
制御配管部より排液系に導出する工程と、前記開閉弁を
閉成して、脱気ポンプにより気泡分離チャンバ内の洗浄
および消毒液を前記給液系と接続配管とにより形成され
る透析液循環供給系内において循環させると共に、送液
手段を備えた透析制御配管部より気泡分離チャンバ内の
洗浄および消毒液を排液系および排気管を介して気泡分
離チャンバ内へ再循環する工程とからなることを特徴と
する。
【0010】この場合、送液手段を備えた透析制御配管
部は、陰圧ポンプを設けて限外濾過を行う透析制御配管
部とするか、または除水制御機構を設けた除水制御配管
部とすることができる。
【0011】また、給液側の開閉弁を電磁弁で構成し、
所定の時間間隔で開閉操作するように構成することがで
きる。
【0012】
【作用】本発明に係る透析装置の配管系の洗浄および
毒方式によれば、開閉弁を設けた給液系に脱気ポンプを
備えた陰圧発生手段を介して気泡分離チャンバを連通接
続すると共に、前記気泡分離チャンバと前記給液系の一
部とを接続配管により接続し、前記気泡分離チャンバに
透析制御配管部へ給液を行う透析液供給管を連通接続す
ると共に前記透析制御配管部から排液系を導出し、さら
に前記気泡分離チャンバの気相部分と前記排液系とを連
通する排気管を設けてなる透析装置の配管系において、
まず、給液系に設けた開閉弁を開放して、脱気ポンプに
より気泡分離チャンバ内へ洗浄および消毒液を供給し、
次いで気泡分離チャンバ内の洗浄および消毒液を、透析
制御配管部の送液手段により排液系に導出するシングル
パス方式により流通させて、配管系の洗浄および消毒を
行うことができる。
【0013】また、前記開閉弁を閉成して、脱気ポンプ
により気泡分離チャンバ内の洗浄および消毒液を透析液
循環供給系内において循環させると共に、透析制御配管
部の送液手段により気泡分離チャンバ内の洗浄および
毒液を排液系および排気管を介して気泡分離チャンバ内
へ再循環させることにより、従来流通が困難であった気
泡分離チャンバの気相部分や排気管の内部に洗浄および
消毒液を再循環させて、脱気部を含む配管系全体を円滑
かつ確実に洗浄および消毒することができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明に係る透析装置の配管系の洗浄
および消毒方式の実施例につき、添付図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図3に示
す従来の透析装置における配管系の構成と同一の構成部
分には同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0015】図1において、先ず本発明の透析装置の脱
気回路を構成する配管系の基本的構成は、前記従来の配
管系(図3)と同一である。従って、重複するが理解を
容易にするため再び簡単に説明する。すなわち、参照符
号10は透析液の給液系18に設けた電磁弁を示し、透
析液は、この電磁弁10より、陰圧発生手段としての絞
り12、脱気ポンプ14を介して、気泡分離チャンバ1
6へ供給されるように構成されている。また、気泡分離
チャンバ16は、内部にフロート20を備え、頂部に排
気弁22を介して外部排気管24に連通接続されてい
る。従って、本実施例においても、従来と同様に前記構
成によって、透析液の脱気部(1点鎖線で囲まれた構成
部分)が形成される。
【0016】さらに、気泡分離チャンバ16の下部より
透析液供給管26を導出し、この供給管26を透析制御
配管部34に接続している。この場合、透析制御配管部
34は、例えば陰圧ポンプを設けて限外濾過を行う透析
制御配管部とすることができる。また、代案として、除
水制御機構を備えた除水制御配管部とすることができ
る。そして、この透析制御配管部34から排出される透
析液は、前記外部排気管24と連通接続する排液系30
を介して排液されるよう構成されている。なお、前記透
析制御配管部34を介して適宜ダイアライザが配管接続
されている。
【0017】しかるに、本実施例において、気泡分離チ
ャンバ16は、内部にフロート20を収納した構成とす
るが、上端部および下端部において、それぞれ気体およ
び液が外部へ取出し易いように、円錐状に形成し、上端
先端部には排気弁22を介して排気管24を連通接続す
ると共に、下端先端部には透析液供給管26を連通接続
する。
【0018】このように構成した本実施例の透析装置に
おける配管系において、配管系の洗浄および消毒工程時
に、電磁弁10を開放した状態においては、給液系18
から気泡分離チャンバ16内へ導入される洗浄および
毒液は、供給管26より透析制御配管部34を介し、排
液系30を経て外部へ排出される、いわゆるシングルパ
ス方式により、配管系の洗浄および消毒処理を行う。
【0019】次いで、電磁弁10を閉成した場合には、
気泡分離チャンバ16内の洗浄および消毒液は、脱気ポ
ンプ14の作動により、給液系18およびこの給液系1
8の一部と気泡分離チャンバ16の底部とを相互に連通
接続する接続配管19によって形成される透析液循環供
給系内を循環する。これに対し、透析制御配管部34の
送液手段が作動することにより、気泡分離チャンバ16
内の洗浄および消毒液が引き抜かれて、気泡分離チャン
バ16内は負圧に保持されるため、透析制御配管部34
から排出される洗浄および消毒液は、排気管24を図示
の矢印の方向に逆流し、排気弁22を介して気泡分離チ
ャンバ16内へ循環する。
【0020】このようにして、前記電磁弁10を閉成す
ることにより、洗浄および消毒液を、従来流通が困難で
あった気泡分離チャンバ16の気相部分32や排気管2
4の内部に再循環させて、脱気部を含む配管系全体を円
滑かつ確実に洗浄および消毒することができる。
【0021】そこで、本発明においては、前記電磁弁1
0の開閉操作を、例えば図2の(a)に示すように、所
定の時間間隔で繰り返し行うことにより、配管系内の洗
および消毒液の流れを、図2の(b)に示すように、
脱気部に再循環させて、短時間にして効率のよい洗浄
よび消毒処理を達成することができる。
【0022】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更
が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る透析
装置の配管系の洗浄および消毒方式によれば、開閉弁を
設けた給液系に脱気ポンプを備えた陰圧発生手段を介し
て気泡分離チャンバを連通接続すると共に、前記気泡分
離チャンバと前記給液系の一部とを接続配管により接続
し、前記気泡分離チャンバに透析制御配管部へ給液を行
う透析液供給管を連通接続すると共に前記透析制御配管
部から排液系を導出し、さらに前記気泡分離チャンバの
気相部分と前記排液系とを連通する排気管を設けてなる
透析装置の配管系において、給液系に設けた開閉弁を開
放して、脱気ポンプにより気泡分離チャンバ内へ洗浄
よび消毒液を供給し、次いで気泡分離チャンバ内の洗浄
および消毒液を、送液手段を備えた透析制御配管部より
排液系に導出する工程と、前記開閉弁を閉成して、脱気
ポンプにより気泡分離チャンバ内の洗浄および消毒液を
前記給液系と接続配管とにより形成される透析液循環供
給系内において循環させると共に、送液手段を備えた透
析制御配管部より気泡分離チャンバ内の洗浄液および
毒液を排液系および排気管を介して気泡分離チャンバ内
へ再循環する工程とから構成することにより、気泡分離
チャンバの気相部分や排気管の内部の全体に亘って、洗
および消毒液を流通させて、脱気手段を含む配管系全
体を円滑かつ確実に洗浄および消毒することができる。
【0024】このようにして、本発明の洗浄および消毒
方式によれば、装置内部の気相部分や排気管を含む配管
系全体の洗浄および消毒を円滑かつ確実に達成すること
ができる。従って、エンドトキシンフリーな清浄な透析
液を、常にダイアライザに供給することができる。ま
た、定期的な給液の遮断を行うことにより、洗浄水およ
び消毒液もしくは酸洗浄液の使用量を低減して節約する
ことができると共に、 毒液や酸洗浄液の排液量も低減
して、排液処理の問題も軽減することができる等の多く
の利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透析装置の配管系の洗浄および
毒方式の一実施例を示す透析液脱気回路の系統図であ
る。
【図2】図1に示す脱気回路において配管系の洗浄およ
消毒を実施するための動作状態を示すもので、(a)
は電磁弁の開閉操作のタイムチャート図、(b)は配管
系内の液の流れの変化のタイムチャート図である。
【図3】従来の透析装置における透析液脱気回路の系統
図である。
【符号の説明】
10 電磁弁 12 絞り 14 脱気ポンプ 16 気泡分離チャンバ 18 給液系 19 接続配管 20 フロート 22 排気弁 24 排気管 26 透析液供給管 28 透析制御配管部 30 排液系 32 気相部分 34 透析制御配管部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 1/14 563 A61L 2/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉弁を設けた給液系に脱気ポンプを備
    えた陰圧発生手段を介して気泡分離チャンバを連通接続
    すると共に、前記気泡分離チャンバと前記給液系の一部
    とを接続配管により接続し、前記気泡分離チャンバに透
    析制御配管部へ給液を行う透析液供給管を連通接続する
    と共に前記透析制御配管部から排液系を導出し、さらに
    前記気泡分離チャンバの気相部分と前記排液系とを連通
    する排気管を設けてなる透析装置の配管系において、 給液系に設けた開閉弁を開放して、脱気ポンプにより気
    泡分離チャンバ内へ洗浄および消毒液を供給し、次いで
    気泡分離チャンバ内の洗浄および消毒液を、送液手段を
    備えた透析制御配管部より排液系に導出する工程と、 前記開閉弁を閉成して、脱気ポンプにより気泡分離チャ
    ンバ内の洗浄および消毒液を前記給液系と接続配管とに
    より形成される透析液循環供給系内において循環させる
    と共に、送液手段を備えた透析制御配管部より気泡分離
    チャンバ内の洗浄および消毒液を排液系および排気管を
    介して気泡分離チャンバ内へ再循環する工程とからなる
    ことを特徴とする透析装置の配管系の洗浄および消毒方
    式。
  2. 【請求項2】 送液手段を備えた透析制御配管部は、陰
    圧ポンプを設けて限外濾過を行う透析制御配管部からな
    る請求項1記載の透析装置の配管系の洗浄および消毒方
    式。
  3. 【請求項3】 送液手段を備えた透析制御配管部は、除
    水制御機構を設けた除水制御配管部からなる請求項1記
    載の透析装置の配管系の洗浄および消毒方式。
  4. 【請求項4】 給液側の開閉弁を電磁弁で構成し、所定
    の時間間隔で開閉操作するように構成してなる請求項1
    ないし3のいずれかに記載の透析装置の配管系の洗浄
    よび消毒方式。
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JP7396093B2 (ja) * 2020-02-14 2023-12-12 ニプロ株式会社 透析システム

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