JP2839424B2 - シールド掘進機のセグメント受渡設備 - Google Patents

シールド掘進機のセグメント受渡設備

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JP2839424B2 JP5074888A JP7488893A JP2839424B2 JP 2839424 B2 JP2839424 B2 JP 2839424B2 JP 5074888 A JP5074888 A JP 5074888A JP 7488893 A JP7488893 A JP 7488893A JP 2839424 B2 JP2839424 B2 JP 2839424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド掘進機におい
て既設トンネル内に走行自在に設置されたセグメント搬
送装置からエレクタ装置(セグメント組立装置)にセグ
メントを受け渡すセグメント受渡設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セグメント搬送装置からエレクタ
装置にセグメントを受け渡すセグメント受渡作業は、セ
グメント搬送装置により搬送したセグメントをシールド
本体のテール部で受け台上に一旦載置し、セグメント上
方にエレクタ装置のセグメント保持部を接近させて保持
させ、セグメント保持部を組立位置に移動させて装着し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記セグメン
ト受渡作業では、セグメントを載置するテール部で作業
員による人的作業が発生するとともに、セグメント保持
部で受け台に載置されたセグメントを保持するのに時間
がかかり、能率が悪いという問題があった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決して、セグメ
ントの受渡作業を能率良く行えるとともに、人的作業を
無くすことができるシールド掘進機のセグメント受渡設
備を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、トンネルに沿って設けられた搬送レール
に沿って移動自在なセグメント搬送装置により、セグメ
ントをトンネル内からシールド本体後部のエレクタ装置
に搬入するシールド掘進機のセグメント受渡設備であっ
て、セグメントに着脱自在な軸部に把持ネック部を介し
て鍔部が形成されるとともに、鍔部上にピン孔を有する
吊下ブラケットが突設された吊り具を備え、セグメント
搬送装置に昇降自在に設けられたセグメント吊下部に、
吊り具の吊下ブラケットの両側に配置されピン支持孔
がそれぞれ形成されたピン支持部材と、出退手段により
ピン支持部材の外方からピン支持孔を介して吊下ブラケ
ットのピン孔に挿脱自在な吊下ピンとを設け、上記ピン
支持部材は、筒状に形成され、セグメント吊下部の昇降
によって上方から上記吊下ブラケットに対して嵌脱自在
であるとともに鍔部に対して当接離間自在に構成され、
エレクタ装置のセグメント保持部に、把持手段により吊
り具の把持ネック部を把持可能な一対の把持部材を設
け、前記セグメント搬送装置のセグメント吊下部とエレ
クタ装置のセグメント保持部との間でセグメントを受渡
し可能に構成したものである。
【0006】
【作用】上記構成において、セグメントに吊り具を装着
し、セグメント搬送装置のセグメント吊下部を下降させ
ることによって、ピン支持部材が、鍔部に当接するま
で、上方から吊下ブラケットに外嵌される。この際、上
記ピン支持部材は筒状に形成されているため吊下ブラケ
ットにガイドされ、これによりピン支持孔とピン孔とが
横方向において位置決めされ、さらに、ピン支持部材が
鍔部に当接することによって、ピン支持孔とピン孔とが
上下方向において位置決めされる。その後、出退手段を
駆動して吊下ピンをピン支持部材のピン支持孔から吊下
ブラケットのピン孔に装着し、吊下ピンにより吊り具を
セグメント吊下部に連結する。そして、セグメント吊下
部を上昇して吊り具を介してセグメントを持ち上げ、搬
送レールに沿ってセグメント搬送装置を移動させ、シー
ルド本体の後部まで搬送する。そして、エレクタ装置の
セグメント保持部にセグメントを接近させ、把持手段に
より把持部材を閉動して吊り具の把持ネック部を把持さ
せ、セグメント保持部にセグメントを支持させる。その
後、出退手段を駆動して吊下ピンをピン孔から抜き出
し、セグメントとセグメント吊下部を切り離し、セグメ
ント搬送装置を後退させる。これによりセグメントの受
渡しが完了し、次いでエレクタ装置が駆動されてセグメ
ントは組立位置に移動され組み立てられる。
【0007】したがって、セグメントをシールド本体機
の後部に一旦載置する工程が無くなり、人的作業も不要
で、能率よく搬入することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係るシールド掘進機のセグメ
ント受渡設備の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】図2において、1はセグメントSの内面中
心付近に設けられた吊下用雌ねじ孔Nに装着される吊り
具で、下部が雌ねじ孔Nに着脱自在なねじ軸部1aが形
成され、ねじ軸部1a上にフランジ1bを介して把持用
ネック部1cが形成されるとともに、把持用ネック部1
c上端に鍔部1dが設けられている。そして、この鍔部
1d上に板状の吊下ブラケット1eが垂設され、この吊
下ブラケット1eにピン孔1fが形成されている。
【0010】図3はトンネルに沿ってセグメントを搬入
するセグメント搬送装置2を示し、トンネルに沿って配
設される搬送レール3を走行車輪4により走行自在な走
行体4には、索体5F,5Rを介してセグメント吊下部
6を昇降自在に支持するウインチ7F,7Rが設けられ
ている。前記セグメント吊下部6の前部および後部に
は、索体5F,5Rが巻回される昇降用シーブ8F,8
Rが配置されるとともに、旋回装置(図示せず)により
垂直軸9を介して旋回自在な吊下フレーム10が設けら
れている。
【0011】図1に詳細に示すように、この吊下フレー
ム10には、吊下ブラケット1eに外嵌して下端が鍔部
1dに当接されるとともに、ピン孔1fの対向位置に一
対のピン支持孔11aが形成された筒状のピン支持部材
11が垂下されている。さらにピン支持部材11の後部
に垂下されたガイド部材12のピンガイド孔12aとピ
ン支持孔11aの間に、吊下ブラケット1eのピン孔1
fに挿脱自在な吊下ピン13が出退自在に配置され、吊
下フレーム10に回動自在に取り付けられた出退レバー
(出退手段)14の駆動端が長孔を介してピン連結され
ている。そして、吊下フレーム10には吊下ピン13の
出退用ジャッキ装置(出退手段)15が配設されて、そ
の出力ロッドが出退レバー14の受動端に連結されてお
り、出退用ジャッキ装置15を駆動して出退レバー14
を矢印A,B方向に回動することにより、吊下ピン13
を出退させてピン支持孔11aから吊り具1のピン孔1
fに挿脱することができる。また、この吊下フレーム1
0の後部には水平ピン16を介してセグメント押さえ用
の支持金物17が垂下され、ターンバックル18により
セグメントSの端面に当接する支持金物17を揺動して
セグメントの押さえ位置を調整できるように構成されて
いる。
【0012】図1および図4〜図6には、シールド掘進
機のシールド本体21に配置されるエレクタ装置22が
示されており、このエレクタ装置22は、シールド本体
21のフレーム21aに複数の支持ローラー23を介し
てシールド軸心回りに旋回自在な旋回リング24が配置
され、この旋回リング24に2基の出退用シリンダー装
置25により半円弧状のセグメント組立フレーム26が
シールド半径方向に出退自在に設けられている。そして
セグメント組立フレーム26の中間部には、吊り具1の
把持ネック部1cを把持可能な一対の把持部材27R,
27Lを有するセグメント保持部28が設けられてい
る。
【0013】すなわち、セグメント保持部28は、セグ
メント組立フレーム26の前板26aと後板26bの間
で、シールド本体接線方向に配置された前ガイド軸29
R,29Lと後ガイド軸30に左右一対の把持部材27
R,27Lがそれぞれスライド自在に案内されて互いに
接近離間自在に配置され、クランプシリンダー装置(把
持手段)31R,31Lにより把持部材27R,27L
を接近させて板状爪部27aの把持凹部27b間に把持
ネック部1cを挟み込むことにより、鍔部1dで抜け止
めし、吊り具1を介してセグメントSを保持するように
構成されている。32R,32Lは把持部材27R,2
7Lの両側近傍で押さえ部材32aをセグメントS内面
に当て付けて把持部材27R,27Lのガタ付を防ぐ接
線方向の長さが短いセグメント用の保持シリンダー装
置、33R,33Lは把持爪27R,27Lの外方で押
さえ部材33aをセグメントS内面に当て付けてセグメ
ントSのバランスを保つ接線方向の長さが長い保持シリ
ンダー装置である。また、エレクタ装置22によるセグ
メントSの組立作業中に把持部材27R,27Lが不用
意に開いてセグメントSが外れるのを防ぐため、ストッ
パピース36R,36Lをそれぞれ前ガイド軸29R,
29Lに押し当てるストッパシリンダー37R,37L
が設けられている。
【0014】なお、このセグメント保持部28は、セグ
メント搬送装置2のセグメント吊下部6に支持されたセ
グメントSを直接受け取るために、セグメント吊下部6
が把持部材27R,27Lの配置位置まで重なり合い可
能に構成されており、セグメント組立フレーム26の前
26aには嵌合用開口部40が形成されるとともに、
把持爪25R,25Lの上方には嵌合用空間部29が形
成されている。
【0015】上記構成におけるセグメントSの搬入作業
を説明する。 (1)トンネル内に搬入されて吊り具1が装着されたセ
グメントS上にセグメント搬送装置2を移動させ、ウイ
ンチ7F,7Rによりセグメント吊下部6を下降してピ
ン支持部材11を、セグメントSに装着された吊り具1
の吊下ブラケット1eに上方から嵌合させて鍔部1dに
当接させる。この際、上記ピン支持部材11は筒状に形
成されているため吊下ブラケット1eにガイドされ、こ
れによりピン支持孔11aとピン孔1fとが左右横方向
において位置決めされ、さらに、ピン支持部材11の下
端が鍔部1dに当接することによって、ピン支持孔11
aとピン孔1fとが上下方向において位置決めされる。
そして、出退用ジャッキ装置15により出退レバー14
を矢印A方向に回動して吊下ピン13を突出させ、吊下
ピン13をピン支持孔11aからピン孔1fに挿入す
る。
【0016】(2)ウインチ7F,7Rによりセグメン
ト吊下部6を上昇させ吊り具1を介してセグメントSを
持ち上げる。そして、走行体4を搬送レールに沿って移
動させてシールド本体20の後部までセグメントSを搬
送する。
【0017】(3)走行体4が搬送されている時に、ウ
インチ7F,7RによりセグメントSを図1に仮想線で
示す位置に下降するとともに、吊下フレーム10を垂直
軸9を中心に回転してセグメントSを90°旋回させ、
さらに走行体4を移動して、図1に示すように、セグメ
ント吊下部6を嵌合用開口部40から嵌合用空間29に
移動させ、吊り具1に把持部材27R,27Lに対応さ
せる。そして、クランプシリンダー装置31R,31L
を駆動して把持部材27R,27Lを接近させ、板状爪
部27aの把持凹部27b間に吊り具1の把持ネック部
1cを挟持させセグメントSをエレクタ装置22のセグ
メント保持部28に保持させる。
【0018】(4)次に、出退用ジャッキ装置15によ
り出退レバー14を矢印B方向に回動して吊下ピン13
を後退させ、吊下ピン13をピン孔1fからピン支持孔
11a内に抜き出す。さらに、走行体4を後方に移動し
てセグメント吊下部6を嵌合用空間29から後退させ、
次のセグメントSの搬送に移る。
【0019】上記構成によれば、セグメントSを一旦載
置することなく、セグメント搬送装置2のセグメント吊
下部6から直接エレクタ装置22のセグメント保持部2
8に受け渡すことができ、人的作業もなく能率良くセグ
メントSを搬入することができる。
【0020】また、セグメント搬送装置2のセグメント
吊下部6を、吊下ピン13により吊り具1に連結するの
で、吊り具1の一側方に吊下ピン13と吊下ピン13の
出退手段、すなわち出退レバー14および出退用ジャッ
キ装置15を設けるだけでよく、したがって、セグメン
ト受渡し時に重なり合うエレクタ装置22のセグメント
保持部28との干渉を極力減らすことができ、セグメン
ト保持部28の各部材や機器の配置が制約されることが
少ない。
【0021】
【発明の効果】以上に述べたごとく本発明によれば、把
持用ネック部とピン孔を有する吊下ブラケットとを備え
た吊り具を使用し、セグメント搬送装置のセグメント吊
下部に、吊り具のピン孔に挿脱自在な吊下ピンを出退手
段により出退自在に設けるとともに、エレクタ装置のセ
グメント保持部に吊り具の把持用ネック部を把持手段に
より把持可能な把持部材を設けて、セグメント吊下部か
らセグメント保持部にセグメントを受渡し可能に構成し
たので、セグメントを一旦載置することなく、セグメン
トを直接受け渡すことができ、人的作業もなく能率良く
セグメントを搬入することができる。尚、セグメント搬
送装置を用いてセグメントを吊り下げて搬送する場合、
セグメント吊下部を下降させることによって、ピン支持
部材が、鍔部に当接するまで、上方から吊下ブラケット
に外嵌される。この際、上記ピン支持部材は筒状に形成
されているため吊下ブラケットにガイドされ、これによ
りピン支持孔とピン孔とが横方向において位置決めさ
れ、さらに、ピン支持部材が鍔部に当接することによっ
て、ピン支持孔とピン孔とが上下方向において位置決め
される。このように簡単な構造で上記ピン支持孔とピン
孔との位置決めが行えるといった利点がある。
【0022】また、セグメント搬送装置のセグメント吊
下部で、吊下ピンにより吊り具を連結支持するので、吊
り具の一側方にのみ吊下ピンとその出退手段を設けるだ
けの簡単な構造でよく、したがって、セグメント受渡し
時に重なり合うエレクタ装置のセグメント保持部とセグ
メント搬送装置のセグメント吊下部との干渉を極力減ら
すことができ、セグメント保持部の各部材や機器の配置
が制約されることが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセグメント受渡設備の一実施例を
示し、セグメント搬送装置からエレクタ装置へのセグメ
ント受渡し状態の側面断面図である。
【図2】同セグメント受渡設備の吊り具を示す正面図で
ある。
【図3】同セグメント受渡設備のセグメント搬送装置を
示す側面図である。
【図4】同セグメント受渡設備のエレクタ装置を示す正
面図である。
【図5】同エレクタ装置のセグメント保持部を示す正面
断面図である。
【図6】同エレクタ装置のセグメント保持部を示す平面
断面図である。
【符号の説明】
1 吊り具 1a ねじ軸部 1b フランジ 1c 把持用ネック部 1d 鍔部 1e 吊下ブラケット 1d ピン孔 2 セグメント搬送装置 3 搬送レール 4 走行体 5F,5R 索体 6 セグメント吊下部 7F,7R ウインチ 9 垂直軸 10 吊下フレーム 11 ピン支持部材 11a ピン支持孔 13 吊下ピン 14 出退レバー 15 出退用ジャッキ装置 17 支持金物 21 シールド本体22 エレクタ装置 25 出退用シリンダー装置 26 セグメント組立フレーム 27R,27L 把持部材 28 セグメント保持部 31R,31L クランプシリンダー装置 34 嵌合用開口部 35 嵌合用空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−128798(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 11/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルに沿って設けられた搬送レール
    に沿って移動自在なセグメント搬送装置により、セグメ
    ントをトンネル内からシールド本体後部のエレクタ装置
    に搬入するシールド掘進機のセグメント受渡設備であっ
    て、セグメントに着脱自在な軸部に把持ネック部を介し
    て鍔部が形成されるとともに、鍔部上にピン孔を有する
    吊下ブラケットが突設された吊り具を備え、セグメント
    搬送装置に昇降自在に設けられたセグメント吊下部に、
    吊り具の吊下ブラケットの両側に配置されピン支持孔
    がそれぞれ形成されたピン支持部材と、出退手段により
    ピン支持部材の外方からピン支持孔を介して吊下ブラケ
    ットのピン孔に挿脱自在な吊下ピンとを設け、上記ピン
    支持部材は、筒状に形成され、セグメント吊下部の昇降
    によって上方から上記吊下ブラケットに対して嵌脱自在
    であるとともに鍔部に対して当接離間自在に構成され、
    エレクタ装置のセグメント保持部に、把持手段により吊
    り具の把持ネック部を把持可能な一対の把持部材を設
    け、前記セグメント搬送装置のセグメント吊下部とエレ
    クタ装置のセグメント保持部との間でセグメントを受渡
    し可能に構成したことを特徴とするシールド掘進機のセ
    グメント受渡設備。
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