JP2839333B2 - リヤクッションユニット - Google Patents

リヤクッションユニット

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は二輪車用のリヤクッションユニットの減衰力
調整機構に関する。
(従来の技術) 二輪車のリヤクションユニットの発生減衰力をスイン
グアームに回動角に応じて変化させ、圧縮変位量の増大
に伴い発生減衰力を高めるようにした装置が、特開昭64
−41492号公報に開示されている。
この場合、ピストンロッドを貫通して設けたプッシュ
ロッドを、リヤクッションユニットの揺動角度に応じて
カムにより軸方向に駆動し、減衰弁の発生減衰力を変化
させている。
(発明が解決すべき課題) ところが、このようにスイングアームの揺動角度を検
出するカムによりプッシュロッドを変位させる場合、リ
ヤクッションユニットを車体に組み付けるときに、組み
付け誤差があると、プッシュロッドのストローク量が微
妙に変動し、発生減衰力が目標通りに制御できない。
これはリヤクッションユニットと車体構造とが一緒に
なって初めて機能が発揮される構造のためであって、リ
ィヤクッションユニット単体として発生減衰力の調整を
事前に行うことが難しく、車体に組み付ける際に、正常
に作動するかどうかをテストしながら微調整する必要が
あった。
本発明はこのような問題を解決することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) そこで本発明は、作動油を充填したダンパシリンダに
ピストンを収装し、ピストン両側の油室を連通する油通
路をピストンに形成し、ピストンに結合するピストンロ
ッドをダンパシリンダが突出させ、ピストンロッドとダ
ンパシリンダのいずれか一方を後輪を支持するスイング
アームに、いずれか他方を車体フレームにそれぞれ連結
したリヤクッションユニットにおいて、前記ピストンロ
ッドとダンパシリンダとの間に懸架スプリングと直列に
位置検出スプリングを配設し、位置検出スプリングの変
位に応じて作動するレバーを設け、このレバーに連動し
て軸方向に移動するプッシュロッドをピストンロッドを
縦貫して設け、このプッシュロッドの変位に応じて油通
路抵抗を変化させる減衰弁を前記油通路に介装した。
(作用) スイングアームの揺動角度に応じて懸架スプリングが
圧縮され、これに応じて位置検出スプリングもたわむ、
位置検出スプリングの位置によりレバーが回動し、プッ
シュロッドを軸方向に変位させる。プッシュロッドの変
位により減衰弁の発生する減衰力が調整され、変位量が
大きくなるほど減衰力が高まる。
したがって、中立状態からスイングアームの圧縮方向
への変位量に応じて発生減衰力を高め、中立付近での軟
らかな減衰力を、圧縮量の増大に伴って硬くしていくこ
とができる。
(実施例) 第1図に示すように、ダンパシリンダ1の内部にはピ
ストン2が摺動自在に収装され、その上下に油室3と4
を画成している。ピストン2にはピストンロッド6が結
合され、このピストンロッド6のストロークに伴い上下
の油室3,4間で作動油を流通させる油通路7a,7bがピスト
ン2に形成される。下方の油室4に対してはダンパシリ
ンダ1の外部に取付けた油溜室5が連通している。
なお、油溜室5は内部にガスが封入してあり、ピスト
ンロッド6の浸入体積分の作動油の出入りを補償する。
前記油通路7a,7bの作動油の流通に抵抗を与えて減衰
力を発生させるために、圧側減衰弁9と伸側減衰弁10が
ピストン2に取付けられる。
このうち、圧側減衰弁9は発生減衰力が可変的に制御
できるもので、リーフバルブ11の背面に位置してバルブ
ストッパ12が摺動自在に設けられ、このバルブストッパ
12の位置を、ピストンロッド6の内部で軸方向に変位す
る摺動ロッド13に連結したピン14によって規制する。
つまり、摺動ロッド13が押し込まれると、バルブスト
ッパ12がリーフバルブ11に近付き、リーフバルブ11の最
大たわみ量を規制して発生減衰力を高めるようになって
いる。
ピストンロッド6を軸方向に貫通してプッシュロッド
15が設けられ、このプッシュロッド15の変位がスプリン
グ16を介して摺動ロッド13に伝達される。プッシュロッ
ド15は一端がピストンロッド6から突出するが、内端の
つば部により抜け止めされている。
ピストンロッド6の先端には、車体フレームまたはス
イングアームに対する取付部17と共に、ブラケット18が
設けられ、このブラケット18に支持軸19によりレバー20
が回動自由に支持される。
ダンパシリンダ1の外周には懸架スプリング22が介装
され、懸架スプリング22の一端はダンパシリンダ1に取
付けた受座23に、他端はピストンロッド6の先端に取付
けた受座24に嵌合するスライドガイド25に支持される。
そして、摺動自由に嵌合するフランジ形のスライドガ
ラス25と受座24との間には、位置検出スプリング26が介
装され、懸架スプリング22と直列にダンパ荷重を支持す
る。
前記レバー20はくの字形に形成され、その回動基端20
aがスライドガイド25に、回動先端20bが前記プッシュ路
ロッド15の先端にそれぞれ当節し、位置検出スプリング
26の圧縮量に対応して変位するスライドガイド25によっ
てレバー20が回動し、プッシュロッド15を押圧ストロー
クさせるように構成される。
なお、ダンパシリンダ1の端部にはスイングアームま
たは車体フレームに連結するための取付部27が形成され
る。
以上のように構成され、次に作用について説明する。
このリヤクッションユニットは、ピストンロッド6の
取付部17とダンパシリンダ1の取付部27とを介して、車
体フレームと後輪を支持するスイングアームとの間に配
置連結される。
いま圧縮荷重が作用すると、ピストンロッド6がダン
パシリンダ1に浸入していき、ピストン2の上方の拡大
する油室3に下方の縮小する油室4からの作動油が、圧
側減衰弁9を押し開いて流入すると共に、ピストンロッ
ド6の侵入体積分に相当する作動油が油溜室5に流出す
る。
そして圧側減衰弁9を通過するときの抵抗に応じて圧
側減衰力が発生する。
ところで、ピストンロッド6の侵入に伴い懸架スプリ
ング22が圧縮され、同時にこれと直列に配置した位置検
出スプリング26にも圧縮力が働く。位置検出スプリング
26はばね定数と初期たわみ(初期設定荷重)にもよって
異るが、作用する圧縮力によって初期状態から圧縮方向
に変位する。
位置検出スプリング26の圧縮変位に伴いスライドガイ
ド25が押し出されると、レバー20が支持軸19を中心に回
動し、プッシュロッド15をピストンロッド6の内部に押
し込む。
これによりスプリング16を介して摺動ロッド13が変位
し、ピン14を介してバルブストッパ12が押し込まれ、リ
ーフバルブ11の最大リフト量を減少させる。この結果、
圧側減衰弁9の発生減衰力が高められるのである。
なお、プッシュロッド15の働きを摺動ロッド13に伝達
するスプリング16は、リーフバルブ11を介して受ける反
力が、所定値以上に大きくならない限り圧縮されず、通
常の範囲ではプッシュロッド15の変位をそのまま摺動ロ
ッド13に伝達し、圧側減衰力をプッシュロッド15の変位
量に応じて高める。
プッシュロッド15の変位量はとりもなおさずレバー20
を介してのスライドガイド25の移動量、つまり位置検出
スプリング26の圧縮量にほからなず、したがって、圧縮
方向へのストローク量が大きくなるほど、圧側減衰力は
上昇していくのである。
なお、圧縮ストロークの大きい状態で路面から突き上
げを受けたときなど、リーフバルブ11にかかる圧力によ
りバルブストッパ12、摺動ロッド13を介してスプリング
16が圧縮され、一時的に圧側減衰弁9の開度を増加させ
る。このため、突き上げショックが車体側に直接的に伝
達されないように吸収することができる。
他方、ピストンロッド6が伸側に作動するときは、ピ
ストン2の移動により収縮する上方の油室3からの作動
油が、拡大する下方の油室4に向けて伸側減衰弁10を通
過して流れ、これにより伸側減衰力を発生し、かつ不足
分の作動油について油溜室5から補充される。
このようにして、圧縮荷重の作用時には、圧縮ストロ
ーク量に対応して圧側減衰力を高めることができ、した
がって、中立ストローク付近では柔らかな乗り心地を保
ちながら、高圧縮位置では減衰力を高めて走行姿勢の安
定性を向上させられるのであり、そして、この場合、減
衰力の可変的な制御は、リヤクッションユニット単独で
調整することができ、しかも、減衰力の変化は位置検出
スプリング26のたわみ量に依存するので、車体に取付け
る際の取付誤差などが、発生減衰力特性に影響を及ぼす
ことがなく、常に安定した特性を発揮させることができ
る。
なお、この実施例では圧側減衰力を可変的に調整する
機構を示したが、減衰弁の具体的な構成等を含めてこれ
らに限定されるわけではなく、要はプッシュロッド15の
変位に応じて減衰力を可変制御できる機構であれば、ど
のような構成でも本発明を適用することができる。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、ピストンロッドのスト
ローク位置に応じて減衰力を可変的に制御でき、走行特
性と乗り心地とを共に満足することができる一方、減衰
力の調整機構は、車体側への取付と無関係に設定できる
ので、車体への組み付け誤差等によらず、常に精度のよ
い安定した減衰力特性を発揮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す断面図である。 1……ダンパシリンダ、2……ピストン、3,4……油
室、6……ピストンロッド、7a,7b……油通路、9……
圧側減衰弁、10……伸側減衰弁、12……バルブストッ
パ、13……摺動ロッド、15……プッシュロッド、20……
レバー、22……懸架スプリング、25……スライドガイ
ド、26……位置検出スプリング。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/00 - 9/58 B62K 25/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動油を充填したダンパシリンダにピスト
    ンを収装し、ピストン両側の油室を連通する油通路をピ
    ストンに形成し、ピストンに結合するピストンロッドを
    ダンパシリンダが突出させ、ピストンロッドとダンパシ
    リンダのいずれか一方を後輪を支持するスイングアーム
    に、いずれか他方を車体フレームにそれぞれ連結したリ
    ヤクッションユニットにおいて、前記ピストンロッドと
    ダンパシリンダとの間に懸架スプリングと直列に位置検
    出スプリングを配設し、位置検出スプリングの変位に応
    じて作動するレバーを設け、このレバーに連動して軸方
    向に移動するプッシュロッドをピストンロッドを縦貫し
    て設け、このプッシュロッドの変位に応じて油通路抵抗
    を変化させる減衰弁を前記油通路に介装したことを特徴
    とするリヤクッションユニット。
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