JP2839040B2 - 半導体基板のパッシベーション - Google Patents

半導体基板のパッシベーション

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Description

【発明の詳細な説明】 本願は、ローズらによる1994年2月3日出願の米国特
許出願通し番号第08/191,828号;チェンらによる1994年
6月29日出願の米国特許出願通し番号第08/268,377号;
及び、チェンらによる1995年1月9日出願の米国特許出
願通し番号第 号の優先権を主張し、これ
らの全ては参照としてここに併合される。
集積回路の製造においては、金属を備える層を基板上
に堆積し、この層の上にポリマー又は酸化物により構成
されるレジストを形成し、そして層の露出部分をエッチ
ングすることにより、導電性の造作(ぞうさく)が形成
される。特にハロゲン含有エッチャント(例えば、C
l2、BCl3、CCl4、SiCl4、CF4、NF3、SF6及びこれらの混
合物、これらは例えばSilicon Processing for the VLS
I Era,Vol.1,Chapter 16,by Wolf and Tauber,Lattice
Press,1986に記載され、この開示内容は、参照としてこ
こに併合される)が、基板のエッチングに用いられ、例
えば、反応性イオンエッチングにおいては、エッチング
された基板はエッチャント残留物及び副生成物によって
汚染される。特に、造作がAl−CuやTi−Wの如く電池対
物質となることができるような合金で構成されている場
合に、これらの汚染物は、特に雰囲気中の湿気と共同し
て、導電性の造作を腐食することがある。汚染物副生成
物は、例えば、エッチャントからの残留ハロゲン、導電
性の造作からの金属、及び/又はポリマーのレジスト材
料との間の反応により生成される。これらは導電性の造
作の側部上で反応副生成物が凝縮することにより、側壁
堆積物の形態となることがある。また、エッチングの後
に、エッチャントガスによるエッチングがされなかった
残留レジストが、基板上に残ることもある。
このような汚染物の不利な効果を減らすためにエッチ
ング済み基板を処理し、基板上の残留レジストを除去す
ることが知られている。この基板の処理は、(i)残留
レジスト(通常、ストリッピングと称される)を除去
し、(ii)汚染物を除去又は変換し(通常、パッシベー
ションと称され、例えばCF4プラズマへの暴露を通じて
なされる)、(iii)導電性の造作の全ての部分の上に
保護層を形成する(通常、抑制と称され、例えばCHF3
ラズマへの暴露を通じてなされる)。しかし、既知のス
トリッピング、パッシベーション及び抑制の処理は、非
常に長い処理時間を要し、及び/又は、高価で使用が難
しく又は危険な材料を使用することを要する。
また、既知のパッシベーション及びストリッピングの
方法は、非常にはやく、例えば1から5時間内に、効果
がなくなり基板の腐食を許してしまうことがある。基板
の処理において少なくとも次のステップ(典型的には、
レジスト及び/又は汚染物の少なくとも一部を除去する
ストリッピング処理)までは、基板上のエッチング済み
造作の腐食を防止することが、一般的には重要である。
腐食を防止する処理が、短い時間しか効果的でなけれ
ば、このことが、製造プロセスの時間設定に関して重大
な制限となり、例えば、装置の故障により製造に不測の
遅れが生じた場合は、全バッチウエハが損失することに
もなり得る。
摘要 本発明の第1の側面に従って、エッチャント残留物及
び副生成物の不利な効果を減ずるためのエッチング済み
基板を処理する改良プロセスを、我々は見出した。この
プロセスにおいては、真空下で、水蒸気、酸素及び窒素
を備えるプロセスガスから形成されるプラズマに、基板
が暴露される。(i)水蒸気と(ii)酸素及び窒素の合
計との体積の比は、 (1)約1:2から約2:1、好ましくは0.8:1から1:0.8、そ
して特に約1:1、又は、 (2)約1:4から約1:40、好ましくは1:6から1:20、そし
て特に約1:10である。好ましくは、約1から約10トール
の圧力及び約150゜から約400℃の温度の真空チャンバ内
で、このプロセスが遂行される。基板がプラズマに暴露
される時間は、一般的には、約10から約240秒、好まし
くは約20から約60秒である。一般的に、処理時間が長い
ほど、腐食が防止される時間も長くなる。
本発明の第2の側面に従って、基板を真空下で下式の
アルキルアミンに暴露する事を備えた、エッチャント残
留物及び副生成物の不利な効果を減ずるためのエッチン
グ済み基板を処理する第2の改良プロセスを、我々は見
出し: ここで、R1はアルキル基であり、好ましくは、1から5
の炭素原子を含むアルキル基であり、例えば、メチル、
エチル又はプロピルであり:R2とR3のそれぞれは、同じ
でも異なっていてもよいが、水素原子又はアルキル基で
あり、好ましくは、1から5の炭素原子を含むアルキル
基であり、例えば、メチル、エチル又はプロピルであ
る。好ましくは、アミンの一部分がガス状の形態で存在
しアミンのこの一部分が基板上で吸着されるように、真
空チャンバ内のアミンの蒸気圧がなることが好ましい。
説明 下記の図面の説明は、好ましく例示的な特徴の詳述を
含んでいる。これらの特徴のそれぞれが、本発明に一般
的に、特定の図に関連してだけではなく、用いることが
でき、本発明はこれらの特徴の組み合わせ又は二つ以上
を含んでいる。
図1aは、エッチング済みの金属含有造作を有する基板
の模式的縦断面図であり、ここへのエッチャント副生成
物、残留レジスト及び側壁堆積物を示し; 図1bは、図1aの基板のパッシベーション及びストリッ
ピング後の模式的縦断面図であり、エッチャント副生成
物及び残留レジストが除去されたことを示し; 図1cは、図1bの基板の側壁堆積物の除去後の模式的縦
断面図であり; 図1dは、図1cの基板の、アミンを用いた抑制後の模式
的縦断面図であり、基板に吸収されたアミンを示し;そ
して、 図2は、本発明のプロセスの実施に適切な真空チャン
バの、模式的縦断面図である。
本発明のプロセスは、シリコンやガリウムヒ素等の半
導体材料を典型的に備えたエッチング済み基板20の上で
行われる。基板20上の導電性の造作22は好ましくは、金
属層、例えば、アルミニウム、Al−Cu合金等のアルミニ
ウム合金、銅及び場合によってはシリコンを備え、ま
た、例えば、Ti、W、Ti−W合金、又は、TiN、及び/
又は、例えばSi、TiN又はTi−W合金等の反射防止層を
含む拡散遮蔽層を備えていてもよい。基板20は、(i)
エッチャント副生成物24、(ii)残留レジスト26、及び
(iii)造作の側壁上の側壁堆積物27を有する。エッチ
ング済みの導電性の造作22を有している。造作22上のエ
ッチャント副生成物24は、典型的には、基板20のエッチ
ング中に生成されるラジカル及び化合物を含有する残留
ハロゲンを備えている。残留レジスト26は、エッチング
後に基板上に残るレジストの一部である。造作22の側壁
堆積物27は典型的には、(i)炭素及び水素、(ii)ア
ルミニウム等の金属含有層からの金属、及び、(iii)
ボロン及び窒素等のエッチャントガスを含んだ有機化合
物を備える。
パッシベーション、ストリッピング及び基板20の腐食
抑制に適した装置50は、図2に模式的に示される。装置
50は、エッチングチャンバ(図示されず)を備え、これ
は、真空に保たれたロードロック移送領域(図示され
ず)により真空チャンバ52に接続され、これは、プラズ
マ発生領域54と真空領域56とを有する。ガス流入口60を
通って真空チャンバ52内にプロセスガスが進入し、「シ
ャワーヘッド」タイプの拡散器62によって真空領域56内
で均一に分散される。「バスケット」フープ状支持体
(図示の如く)又はペデスタル(図示されず)を備えて
もよい基板支持体64が、真空チャンバ内に基板20を保持
するために備えられ、フォーカスリング70が基板20の周
りにプロセスガスの流れを維持する。基板の加熱には、
赤外ランプ72等の熱源が用いられてもよい。ガス状の副
生成物と消費済みプロセスガスは、真空チャンバ52内を
少なくとも1ミリトールの圧力に維持することが可能な
排気システム(図示されず)により、排気口74を通って
真空チャンバ52から排出される。
装置50のプラズマ発生領域54に接続されたマイクロウ
ェーブプラズマ発生器組立体80を用いて、プロセスガス
からプラズマを発生させてもよい。適切なマイクロウェ
ーブ発生器組立体80は、マサチューセッツ州ウォバーン
のApplied Science & Technology,Inc.から商業的に入
手可能な「ASTEX」マイクロウェーブプラズマ発生器で
ある。典型的には、マイクロウェーブ発生器組立体80
は、マイクロウェーブアプリケータ82、マイクロウェー
ブ同調組立体84、及びマグネトロンマイクロウェーブ発
生器86を備える。また、RF−発生のプラズマや誘導結合
のプラズマ等の別のプラズマも、効果的である。
本発明のプロセスを行うにあたり、エッチング済み基
板20が、適当な温度及び圧力に維持された真空チャンバ
52内に移送される。エッチング済みの基板を処理して基
板状のエッチャント残留物及び副生成物の不利な効果を
減少させる改良方法は、真空下で、水蒸気、酸素及び窒
素を備えるプロセスガスから形成されるプラズマに、基
板を暴露する事を含む。(i)水蒸気と(ii)酸素及び
窒素の合計との体積の比は、 (1)約1:2から約2:1、好ましくは0.8:1から1:0.8、そ
して特に約1:1、又は、 (2)約1:4から約1:40、好ましくは1:6から1:20、そし
て特に約1:10である。
水蒸気の体積(VH2O)と(ii)酸素及び窒素両方(V
O2+VN2)の比に依存して、プロセスガスは主にパッシ
ベーション機能を有するか、又は、主にストリッピング
機能を有する。体積による比(VH2O):(VO2+VN2
が、約1:2から約2:1、好ましくは0.8:1から1:0.8、特に
約1:1である場合は、プロセスガスは、主にパッシベー
ションガスとして機能し;そして、別のレジストストリ
ッピングのステップが用いられて基板上のレジストを除
去する。体積による比(VH2O):(VO2+VN2)が、約1:
4から約1:40、好ましくは1:6から1:20、特に約1:10であ
る場合は、プロセスガスは、主にストリッピングガスと
して機能し;そして、別のパッシベーションのステップ
が用いられて基板を保護する。ストリッピングガスとし
て主に作用するには、適切なストリッピング速度を与え
るために、水蒸気含有量は体積で、酸素と窒素のガス含
有量の合計の約20%よりも少なくなるべきである。どの
プロセスガス混合物においても、窒素に対する酸素の体
積流量は、好ましくは約1:1から約50:1、更に好ましく
は1:1から20:1、特に10:1である。
好ましくは、このプロセスは、約1から約10トールの
圧力及び約150゜から約400℃の温度において真空チャン
バ内で遂行される。基板がプラズマに暴露される時間
は、一般的には、約10から約240秒、好ましくは20から6
0秒である。一般的に、処理時間が長いほど、腐食が防
止される時間も長くなる。
このプロセスで用いられる水蒸気は、ボイラないしバ
ブラ100内で形成でき、これはフィードライン102により
真空チャンバ52に接続されている。ボイラないしバブラ
は、水を蒸発させるに充分高い温度及び充分低い圧力に
維持される。ボイラが用いられる場合は、ボイラ内の水
は水の沸点近くの温度まで加熱されている。典型的に
は、ボイラ内の圧力は、約50トールから約200トール、
更に好ましくは100トールから150トールの範囲にある。
バブラが用いられる場合は、水蒸気を真空チャンバ52へ
移動させるためにアルゴンやヘリウム等の不活性キャリ
アガスがバブラ内を通過していてもよい。
好ましくは、水蒸気、酸素及び窒素を備えたプロセス
ガスは、(i)複数のパッシベーションのステップ、又
は(ii)複数のパッシベーション及びレジストストリッ
ピングのステップを備えた複数のサイクルのプロセスに
用いられる。複数のサイクルのパッシベーションのプロ
セスは、少なくとも2つのパッシベーションのサイクル
を有し、基板上にエッチャント副生成物のみが存在する
場合、又は別のストリッピングのステップで基板のスト
リッピングを行う方が望ましい場合に望ましい。第1の
サイクルでは、チャンバ52内に上述の組成のパッシベー
ションガスが導入され、パッシベーションガスからプラ
ズマが発生する。プラズマ活性化されたパッシベーショ
ンガスは、基板20上でエッチャント副生成物24と反応し
てガス上の副衛生物を生成し、これは真空チャンバから
排出される。その後、パッシベーションガスの流れが止
められ、チャンバ内のプラズマが消失する。第2のパッ
シベーションのサイクルでは、チャンバ内にパッシベー
ションガスが再び導入され、チャンバ内にプラズマが再
び発生される。
更に典型的には、残留レジスト及びエッチャント副生
成物が基板から同時に除去できるように、ストリッピン
グのステップ及びパッシベーションのステップを共に備
えた複数のサイクルのプロセスを用いることが望まし
い。パッシベーションのステップでは、上述の組成のパ
ッシベーションガスがチャンバ52内に導入され、パッシ
ベーションガスからプラズマが発生されて、基板20をパ
ッシベーションする。ストリッピングのステップでは、
ストリッピングガスがチャンバ内に導入され、ストリッ
ピングガスからプラズマが発生されて、基板20上のポリ
マーのレジスト又は酸化物ハードマスクをストリッピン
グする。このストリッピングのステップ及びパッシベー
ションのステップは少なくとも一回、好ましくはこれら
ステップが最初に行われた同じ順番で、繰り返され、複
数のサイクルのプロセスを生じさせる。このプロセスに
おいて、パッシベーションのステップはストリッピング
のステップの前に行われてもよく、その逆でもよい。典
型的には、各プロセスステップの間に、安定化のステッ
プが行われ、引続くステップのために、このステップ中
にプロセス条件が安定化される。
一般的には、複数のサイクルのプロセスのいずれにお
いても、たとえプロセス全体の継続時間の全時間は増加
しなくとも、サイクルの数が多いほど、処理済みの基板
20に、より高い耐腐食性を与える。しかし、サイクルの
数が少なくなれば、より速いプロセスのスループットを
与えるため、特に各プロセスステップの間の安定化の継
続時間が長い場合は、サイクルの数は、好ましくは約1
から約10サイクル、更に好ましくは約2から約5サイク
ルである。
好ましくは、複数のサイクルプロセスの各パッシベー
ションのステップ又は随意のストリッピングのステップ
は、約1から約60秒、更に好ましくは2から30秒、最も
好ましくは2から20秒の、継続時間を有する。複数のサ
イクルのパッシベーション及びストリッピングのプロセ
スでは、同じサイクルの中のパッシベーションのステッ
プは、典型的には各サイクルのストリッピングのステッ
プと同じ継続時間を有するが、これらのステップはまた
異なる継続時間を有していてもよい。
複数のサイクルプロセスに使用するための別のパッシ
ベーションガスは、基板20上のエッチャント副生成物24
と反応して真空チャンバ52からの排気が可能なガス状副
生成物を生成することが可能な、何らかのガスを含んで
いる。例えば、エッチャント副生成物24が塩素を含んで
いる場合は、パッシベーションガスは、水素含有ガスを
備え、これは塩素と反応して塩化水素酸等のエッチャン
ト副生成物を生成し、このエッチャント副生成物は真空
チャンバ52から排出される。(i)アンモニア及び酸
素、又は、(ii)随意酸素及び窒素を有する水蒸気、を
含んだ適切なパッシベーションガスは、このステップに
用いることが可能である。パッシベーションガスがアン
モニア及び酸素を備える場合は、酸素に対するアンモニ
アの体積流量比は、約1:1から約1:20、更に好ましくは
約1:5から約1:15、最も好ましくは約1:10である。5リ
ッターの容量のチャンバ52に対しては、好ましいガス流
れは、300sccm NH3と3000sccm O2とを備える。アンモニ
アと酸素のパッシベーションガスを用いた場合は、10秒
のパッシベーションのステップと10秒のストリッピング
のステップとを備える2−サイクルのプロセスが、高い
対腐食性と高いプロセススループット効率の最善の組み
合わせを与える。
水蒸気のみを備えるパッシベーションガスもまた、エ
ッチャント副生成物24のパッシベーションに用いること
が可能である。真空チャンバ52が5リッターの容量を有
する場合は、水蒸気の流量は好ましくは約100から1000s
ccm、更に好ましくは約500sccmである。水蒸気を備える
パッシベーションガスに対しては、各20秒間の継続時間
を有するパッシベーションのステップとストリッピング
のステップとを備えた3サイクルの複数サイクルプロセ
スを用いれば、最善の腐食性の結果が得られた。
複数のサイクルのストリッピング及びパッシベーショ
ンプロセスにおいてポリマー樹脂をストリッピングする
適切なストリッピングガスは、(i)酸素、及び、(i
i)水蒸気、窒素ガス、又はフルオロカーボンガス等の
酸素活性化ガス又は蒸気とを含むが、フルオロカーボン
ガスには、CF4、C2F6、CHF3、C3H2F6及びC2H4F2(例え
ば、ローズへの米国特許第5,221,424号、及びフワンら
への米国特許第5,174,856号に開示され、これら両者は
ここに参照として併合される)が含まれる。好ましいス
トリッピングガスの組成は、酸素と窒素とを、約6:1か
ら約200:1、更に好ましくは10:1から12:1の体積流量比
で備え、例えば、5リッターの真空チャンバ52に対する
適切なガス流量は、O2が3000から3500sccm、N2が300scc
mである。
酸素ハードマスクのストリッピングに適切なストリッ
ピングガスは、ハロゲン含有ガスを含み、例えば、C
F4、C2F6、CHF3、C3H2F6、C2H4F2及びHFである。また、
BCl3、CCl4又はSiCl4等の他のハロゲンガスを用いて側
壁堆積物の除去を容易にすることもできるが、塩素含有
ガスを用いた場合は、パッシベーションチャンバの塩素
ガスによる汚染を防止するために、装置50のエッチング
チャンバ(図示されず)内で酸化物ストリッピングプロ
セスが行われるべきである。典型的には、ストリッピン
グのステップにおいては酸化物ハードマスクの一部だけ
がストリッピングされ、これに続くステップが用いられ
て、基板上に誘電又は絶縁層を堆積する。
複数のサイクルのプロセスにおいては、真空チャンバ
52の圧力及び温度は、その後のパッシベーションのステ
ップ又はストリッピングのステップの間に変化されても
よく、又は、その後のサイクル間で変化されてもよく、
又は、実質的に一定に維持されてもよい。好ましくは、
真空チャンバ52は、約1から約100トール、更に好まし
くは1から10トール、最も好ましくは2トールに維持さ
れる。随意、第2のステップ又はサイクルにおいて、チ
ャンバ52内の圧力は、約1トールより低い、更に典型的
には500ミリトールよりも低い、最も典型的には、約100
ミリトールよりも低い第2の低い圧力に減じられる。典
型的には、基板20は、ランプヒータ72を用いて、約150
℃から約400℃、更に好ましくは200℃から380℃の温度
に加熱される。好ましくは、プロセススループット効率
を向上するため、その後のステップの間の圧力及び温度
の変化は最小限にされる。
装置50のマイクロウェーブプラズマ発生器80を用い
て、ストリッピング又はパッシベーションガスからプラ
ズマが生成される。プラズマが基板20の加熱を生じさせ
る場合は、基板の温度が実質的に一定となるように、マ
イクロウェーブ発生器80のパワーレベルが制御される。
典型的には、マイクロウェーブ発生器80のパワー出力
は、500から2500ワット、更に好ましくは800から1500ワ
ットの範囲にある。
複数のサイクルパッシベーションプロセスは、従来の
プロセスよりも、高いプロセススループットと優れた耐
腐食性を与えることができる。シングルサイクルのプロ
セスを用いて得られると同等又はより優れた耐腐食性
が、短い継続時間のプロセスで得られる能力は、複数の
サイクルのプロセスの予期せぬ商業的な利点である。複
数のサイクルのパッシベーションプロセスは高いスルー
プットを与えることができると考えられており、その理
由は、より速い拡散のメカニズムにより、エッチャント
副生成物をより速く除去させることができるからであ
る。第1のパッシベーションのステップでは、エッチャ
ント副生成物24は、基板20の表面から除去される。その
後、パッシベーション種は残留レジスト24及び側壁堆積
物27の中へと拡散するに違いなく、そこでエッチャント
副生成物24と反応し、そして、その反応生成物が拡散に
よりレジスト又は側壁から出て行くに違いなく、その後
脱着される。パッシベーションガスの流れが複数のサイ
クルのパッシベーションプロセスにおいて停止された場
合は、パッシベーション副生成物の脱着が更に速く生じ
るはずである。その後に続く空乏化及び拡散のプロセス
により、エッチャント副生成物24のパッシベーションを
より速くより効率良くすることができる。
複数のサイクルのパッシベーション及びストリッピン
グのプロセスは、従来技術よりも速いスループット及び
優れた耐腐食性を実証した。ストリッピングのステップ
が残留レジスト26及び側壁堆積物27の部分を除去し、そ
の結果、残留レジスト26及び側壁堆積物27をより薄く、
より多孔的にし、また、残留レジスト26内へのパッシベ
ーション種の拡散と、レジスト26から外への反応生成物
の拡散とを促進する。複数のサイクルのプロセスは、基
板のパッシベーション後少なくとも24時間、更に典型的
には少なくとも48時間、雰囲気湿度による腐食への耐性
を有する基板を提供する。これは、約1から2時間の耐
腐食性しか典型的に与えない従来技術に対して実質的な
改善である。改善された耐腐食性により、更に効率の高
い処理スケジュールを可能にし、製造のロスを低くす
る。
本発明の他の側面に従って、エッチャント残留物及び
副生成物の不利な効果を減ずるためのエッチング済み基
板を処理する改良プロセスは、基板を真空下で下式のア
ルキルアミンに暴露する事を備え: ここで、R1はアルキル基であり、好ましくは、1から5
の炭素原子を含むアルキル基であり、例えば、メチル、
エチル又はプロピルであり:R2とR3のそれぞれは、同じ
でも異なっていてもよいが、水素原子又はアルキル基で
あり、好ましくは、1から5の炭素原子を含むアルキル
基であり、例えば、メチル、エチル又はプロピルであ
る。好ましくは、アミンの一部分がガス状の形態で存在
しアミンのこの一部分が基板上で吸着されるように、真
空チャンバ内のアミンの蒸気圧がなることが好ましい。
このアミンの抑制のステップでは、アミンは、造作の表
面に吸着されたパッシベーション層を形成し、これは造
作の腐食を抑制する。アミン抑制層は、高い電池対活性
を示す金属合金を含む造作22に対して、これらの金属の
腐食を防止するに有用である。
アミン抑制のステップを行うに際しては、アミンの蒸
気が真空チャンバ52のシンク領域内に、基板20に充分な
アミンを吸着させるに充分な時間導入され、基板が雰囲
気に暴露された際に少なくとも24時間基板20の腐食を抑
制する。一般には、この24時間の間に、基板20の腐食を
抑制する必要性を取り除く付加的な処理ステップを受け
る。基板20のアミン暴露の時間が長いほど、腐食の抑制
の効率が高くなる。しかし、プロセスのスループットの
効率に対しては、約120秒未満、更に好ましくは約90秒
未満、最も好ましくは約60秒未満、アミンが基板に暴露
される。アミン露出のステップでは、真空領域56は、好
ましくは約1から約100トールの範囲に、更に好ましく
は約1トールから約10トールの範囲の圧力に維持され
る。
アミンの蒸気圧は真空チャンバ52内でアミンの少なく
とも一部がガス化するように充分高く、且つ、真空チャ
ンバ52内でアミンの少なくとも1部が基板20に吸着され
るよう充分低くなるべきである。アミンのアルキル部分
は、メチル、エチル及びプロピル等のアルキルを備える
ことが好ましく、各アルキルは、1から5個の炭素を備
えることが好ましい。適切なアミンには、モノ−アルキ
ル、ジ−アルキル及びトリ−アルキル置換の、メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミンが含まれ、これは
モノメチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミ
ン等であり、その理由は、これらのアミンは沸点が低
く、商業的にすぐに入手可能だからである。使用可能な
特定のアミンには、トリメチルアミン(BP2.9℃)、こ
れは好ましいものであり、ジエチルアミン(BP7.4℃)
及びモノメチルアミン(BP−6.3℃)である。好ましく
は、アミンは、少なくとも2つのアルキル部分、更に好
ましくは3つのアルキル部分を備える。これらのアミン
の中で、トリメチルアミンが好ましく、その理由は、三
級(トリアルキル)アミンが二級(ジアルキル)アミン
よりも効率の高い抑制剤と考えられるからであり、次
に、二級アミンは、一級(モノアルキル)アミンよりも
効率の高い抑制剤であると考えられる。しかし、これら
のアミンの毒性及び商業的な入手可能性もまた、適当な
アミンの選択を支配する。
アミン蒸気は、アミンガス又は液体アミンを備えたア
ミンソース104から発生される。液体アミンソース104
は、フィードライン102によって真空チャンバ52に流体
的に接続され、液体アミンの少なくとも一部を気化させ
るに充分に高い温度及び充分に低い圧力に維持された、
ボイラ又はバブラを備えている。好ましくは、ボイラ又
はバブラは、室温に維持される。ボイラの圧力は、好ま
しくは約50トールから約200トール、更に好ましくは100
から150トールである。ボイラが用いられる場合は、ボ
イラは液体アミンの沸点と実質的に同じ温度に維持され
て、アミン蒸気を発生させる。バブラが用いられる場合
は、バブラ内でバブルとなったアルゴン又はヘリウム等
のキャリアガスが、真空チャンバ52へアミン蒸気を運
ぶ。
ストリッピング、パッシベーション及び随意アミン抑
制のステップの後、パッシベーションされストリッピン
グされた基板20はチャンバから取り出され、エッチャン
ト溶液内でエッチングされエッチングプロセスで形成す
る側壁堆積物27を除去する。従来からのウェットケミカ
ルエッチャント溶液が適している。このプロセスでは、
ウエハは、ニュージャージ州アレンタウンのAdvanced C
hemical Technologiesから商業的に入手可能な「ACT」9
00シリーズ又はHF含有ウェットケミカルエッチャントで
エッチングされる。ウェットエッチングの後、ウエハは
脱イオン水でリンスされ残留しているウェットエッチャ
ントを除去する。
実施例 以下の実施例が、本発明のプロセスを例示する。実施
例の全てが、カリフォルニア州サンタクララのアプライ
ドマテリアルズ社から商業的に入手可能な「AMAT PREC
ISION 5000 METAL ETCHER」において実施された。こ
の「PRECISION 5000」装置は、パッシベーション及び
ストリッピングチャンバ(図示のように)に接続される
エッチングチャンバ(図示されず)を有し、雰囲気に暴
露されることなく、基板はエッチングチャンバからパッ
シベーション及びストリッピングチャンバへと移送が可
能である。装置のエッチングチャンバ(図示されず)は
また、チャンバ内のプラズマ強度を増強する磁場を随意
発生させるために、チャンバを包囲する誘導コイルを備
えている。これらの実施例は、直径約200mm(8イン
チ)、厚さ0.73mmのシリコンウエハ上で実施された。
パッシベーション及びストリッピングの後、所定の時
間のインターバルの間、処理済みの基板を雰囲気に暴露
し、又は相対湿度約40%までの範囲の高い湿度レベルに
暴露し、その後、暗視野条件の顕微鏡又は電子操作顕微
鏡により、基板を測定することにより、基板の耐腐食性
が試験される。基板の腐食は、金属の造作上に形成され
た、腐食した水化種により生じた散乱光の小片として目
に見える。腐食は、パッシベーション及びストリッピン
グのステップの直接の後、2時間から7日までのインタ
ーバルにおいて測定され、ないしは、ウェットケミカル
エッチングの後、1、2又は3週間のインターバルにお
いて測定される。
実施例1〜11 これらの実施例においては、(i)TiWバリア層;(i
i)厚さ約550nmのアルミニウム−シリコン−銅導電性金
属層で、このアルミニウム合金はシリコン1.5%と銅0.5
%を含み;及び(iii)チタンの反射防止層を備える造
作を有する基板上において、単一又は複数のサイクルの
パッシベーション及びストリッピングのプロセス実施さ
れた。この以前に、基板はBCl3、Cl2及びN2ガス混合物
を用いた反応性イオンエッチングにおいてエッチングさ
れていた。
実施例1〜11の腐食試験のプロセス条件及び結果が、
表1に示される。パッシベーションのステップは、500s
ccmの体積流量で流される水蒸気を用いてなされた。ス
トリッピングのステップは、酸素、窒素、及び随意水蒸
気を記載の流量で備えるストリッピングガスを用いて実
施された。これらのプロセス全てにおいて、真空チャン
バは2トールの圧力に維持された。一般に、複数のサイ
クルのパッシベーション及びストリッピングプロセス
は、単一サイクルのプロセスと比較して、優れた腐食性
の結果を提供した。
実施例7に用いられた複数のサイクルのパッシベーシ
ョン及びストリッピングプロセスは、最良の耐腐食性を
提供した。このプロセスでは、各パッシベーションステ
ップ及びストリッピングステップは継続時間が20秒であ
り、また、パッシベーションステップとストリッピング
ステップは、3回繰り返された。72時間よりも長く96時
間迄の耐腐食性が得られた。
実施例6と7とを比較することにより、同じ全複数サ
イクルプロセスの時間に対して、サイクルの数が増加す
れば、より良好な耐腐食性を与えることが示唆される。
実施例7と9とを比較すれば、最終のストリッピング
のステップが基板の耐腐食性を実質的に増加させている
ことが見出される。最終のストリッピングステップが実
施されていない実施例9では、3から7時間までの耐腐
食性が見出された;実施例7では、72時間を超える耐腐
食性が見出された。最終のストリッピングステップが耐
腐食性を増加させるのは、ストリッピングガスの酸素が
造作のアルミニウムを酸化し、金属の造作上に酸化アル
ミニウムの保護層を形成するからであると考えられる。
実施例11は、パッシベーション及びストリッピングの
サイクルの数を増加させることにより、最も速い全処理
時間が実現されることが可能であることを例証してい
る。
実施例12〜40 これらの実施例では、(i)3000sccm及び300sccmの
アンモニアを備えるパッシベーションガスと、(ii)酸
素3000sccmと窒素300sccmを備えるストリッピングガス
を用いた複数サイクルプロセスが用いられた。
これらの実施例用いられる基板の造作は、順に、
(i)銅0.5%を含むアルミニウム合金の厚さ3,500オン
グストロームの層、(ii)450オングストロームのTiNの
層、(iii)1,000オングストロームのTiの層、及び、
(iv)365オングストロームのTiNの層を備えていた。こ
の以前に、基板は、BCl3、Cl2及びN2、随意CF4を備える
ガス混合物を用いた反応性イオンエッチングにおいてエ
ッチングされていた。
これらの全ての実施例に対して、継続時間約10秒の初
期安定化ステップが実施された。このステップでは、基
板は真空チャンバ移送された。チャンバの温度は、約60
から100℃の温度から、約325℃の温度にまで勾配上昇
し、チャンバの圧力は、約10から50ミリトールの圧力か
ら、約2トールの圧力に勾配上昇した。O2 3000sccmとN
H3 300sccmを備えるパッシベーションガスが、チャンバ
内を流された。安定化のステップの後、基板をパッシベ
ーションしストリッピングするために適したプロセスガ
ス条件が、以下に記載されるように維持された。
実施例12〜21 実施例12〜21は、L9(4つのプロセス変数に対して各
変数が3つのレベル)、直交要因配置実験を用いて処理
された。表IIには、4つのプロセス変数と、各変数に対
して用いられた3つのレベルが記載される。表IIIに
は、10のウエハのそれぞれを処理するために用いられた
実際のプロセス条件が記載される。実施例21は実施例12
と同じプロセス条件で試行され、実験の再現性を証明し
た。これらの実施例では、最初のパッシベーション及び
ストリッピングサイクルは、約325℃の温度において行
われ、2番目のパッシベーションのサイクルの温度は、
表IIに示されるように変化された。表IIIでは、変数PS/
PTは、単一のパッシベーション及びストリッピングサイ
クルの継続時間を全複数サイクルプロセス時間で割った
ものを表す。変数P/(P+S)は、単一のパッシベーシ
ョンステップの全時間をパッシベーション及びストリッ
ピングサイクルの全時間で割ったものを表す。
光学顕微鏡でウエハは100Xに拡大されて検査され、ス
トリッピングの直後にウエハ上に残留するフォトレジス
トを評価し、また、6及び24時間ウエハが雰囲気に暴露
された後のウエハの腐食を同定した。ウエハのいずれに
も、フォトレジストは観察されず、6及び24時間の試験
のインターバルの後にも、いずれのウエハにおいても腐
食の兆候は観察されなかった。これらの実施例は、複数
のサイクルのパッシベーション及びストリッピングのプ
ロセスを用いて得られる腐食性能の変化性が低いことを
例証している。
実施例22〜31 実施例22〜31も、L9直交要因配置実験を用いて処理さ
れた。要因配置変数及びレベルは、表IVに列挙される。
表Vは、実施例22〜31の各々を処理するために用いられ
る処理条件を示す。実施例31は、実施例22と同じプロセ
ス条件で試行され、実験の再現性を証明した。
処理の後、ウエハの各々は光学顕微鏡を用いて100Xに
拡大されて評価された。ウエハ上にフォトレジストは何
も見出されず、ひどい腐食を示した実施例30を除いて、
6及び24時間後、どの実施例も腐食は示さなかった。
これらの実施例の結果、基板の耐腐食性は、パッシベ
ーション及びストリッピングのプロセスをより長くしス
トリッピングプロセス温度をより高くすることにより向
上することが例証されている。
実施例32〜40 実施例32〜40では、複数のサイクルのパッシベーショ
ン及びストリッピングプロセスを用いて、ウエハ2組が
処理された。第1の組のウエハは、ストリッピング及び
パッシベーションプロセスの直後のウエハの耐腐食性を
評価するために処理された。第2番目の組のウエハは、
ストリッピング及びパッシベーションの済んだウエハが
ウェットケミカルエッチングされた後の耐腐食性を評価
するために処理された。
実施例32〜36に用いられた第1の組のウエハは、2サ
イクルのパッシベーション及びストリッピングプロセス
を用いて処理された。各サイクルにおけるパッシベーシ
ョン及びストリッピングステップは、約10秒の継続時間
試行され、合計で40秒間の複数のサイクル処理時間を与
えた。複数のサイクルの全処理時間は、各パッシベーシ
ョンステップ及びストリッピングステップの間に2秒の
インターバルを3回含むので、49秒であった。最初のサ
イクルのパッシベーションのステップ及びストリッピン
グステップは、共に、325℃の温度で実施され、2番目
のサイクルのパッシベーションのステップ及びストリッ
ピングのステップは共に、380℃の温度で実施された。
処理がなされた後、ウエハは相対湿度40%の室温の雰
囲気下に保存された。所定の時間のインターバル後の、
ウエハ上の残留レジスト及び腐食が、光学顕微鏡を用い
て評価された。ウエハの評価は、1、2、3、4及び7
日後に行われた;5枚のウエハ全てが最初の日の後に評価
され、4枚が第2日後、3枚が第3日後、このようにし
て、第7日後に、ただ1つのウエハが評価された。これ
らの時間のインターバルの後、ウエハのいずれにも腐食
は見出されなかった。
実施例37〜40に使用された第2番目の組のウエハもま
た、2−サイクルのパッシベーション及びストリッピン
グプロセスを用いて処理された。実施例37の各パッシベ
ーション及びストリッピングのステップの継続時間は10
秒であった;実施例38では5秒;実施例39では3秒;そ
して、実施例40では2秒であった。最初のサイクルのパ
ッシベーション及びストリッピングのステップは、共
に、325℃ぼ温度で実施され、第2番目のサイクルのパ
ッシベーション及びストリッピングステップは共に、38
0℃の温度で行われた。
処理が行われた後、ウエハは40%の相対速度環境下で
室温で保存された。24時間後、観察される腐食はウエハ
のいずれにもなかった。
その後、HF含有の酸性溶液を用いてウェットケミカル
エッチングがなされた。エッチングが行われた後、再び
ウエハは相対湿度40%のチャンバ内に室温で保存され、
1、2及び3週間のインターバルで、光学顕微鏡により
評価された。3週間の後においても、いずれのウエハに
も腐食は観察されなかった。実施例37〜40は、2秒間の
パッシベーション及びストリッピングのステップの継続
時間を用いて処理されたウエハと、10秒間のパッシベー
ション及びストリッピングのステップの継続時間を用い
て処理されたウエハの間には差異がなかったことを例証
した。
実施例41〜53 実施例41〜53は、単一又は複数のサイクルパッシベー
ション及びストリッピングのステップを用いて処理され
た。これらの実施例全てにおいては、パッシベーション
ガスは下記の如く、蒸気及び随意酸素と窒素を備えてい
た。
実施例41〜53の基板上の造作は、(i)厚さ100μm
のTiのバリア層、(ii)1000nm又は1050nmのいずれかの
厚さの、Cuを0.5%含有するAlの導電性層、及び(iii)
36nm又は45nmのいずれかの厚さのTiNの反射防止層を備
えていた。ウエハは、BCl3、Cl2及びN2を備えるガス混
合物を用いた反応性イオンエッチングにおいてエッチン
グされており、エッチングの前にはフォトレジストは約
1.8から2μmの厚さを有していた。
基板上に複数のサイクル及び単一サイクルのプロセス
の両方が実施されたが、単一サイクルプロセスのあるも
のは、50秒の全プロセス時間で、適切な耐腐食性を提供
した。これらの造作の金属合金の電解活性が充分に低い
ため、全プロセス時間をこれ以上短くしようとしなけれ
ば、複数サイクルプロセスは必要ないからであると考え
られる。
実施例41〜45 実施例41〜45においては、ウエハ「バスケット」又は
フープが、真空チャンバ内で基板の支持に用いられた。
ウエハバスケットに基板が置かれた後、初期のチャンバ
安定化のステップが、約15秒間実施された。この安定化
のステップでは、表VIに示された流量でプロセスガスが
真空チャンバ内に流され、真空領域の温度及び圧力は所
望のプロセスレベルに維持された。安定化の後、表VIに
示されるように、単一のサイクルのパッシベーション及
びストリッピングのプロセスが実施された。プロセスの
パッシベーションのステップは、20秒の継続時間を有
し、ストリッピングのステップは、40秒の継続時間を有
した。
実施例41から45までの腐食試験の結果は、表VIに列挙
される。基板の値腐食性がパッシベーションの温度を下
げることに影響されず(実施例41と42、並びに、実施例
43と44を比較せよ)、また、スリッピング温度の上昇に
よっても影響されない(実施例44と45を比較せよ)こと
が観察された。
実施例46〜52 実施例46〜52では、パッシベーション及びストリッピ
ングのステップのプロセス条件は一定に維持され、パッ
シベーション及びストリッピングのステップの継続時間
は、表VII及びVIIIに示されるように、変化された。実
施例46〜50では、パッシベーションのステップはストリ
ッピングのステップに先行し、実施例51及び52では、ス
トリッピングのステップがパッシベーションステップに
先行した。実施例49は、2−サイクルのパッシベーショ
ン及びストリッピングのステップが用いられた。
これらの実施例では、真空チャンバ内に基板を保持す
るためにペデスタル(図示されず)が用いられた。この
ペデスタルが基板の温度の更なる制御を可能にしたが、
その理由は、ウエハバスケットホルダと比べてより大き
なペデスタルの質量が、基板の温度を安定化させるから
である。
パッシベーションのステップでは、H2O 500sccm、O2
1000sccm及びN2 100sccmを備えるプロセスガスが用いら
れて、真空領域が約2トールの圧力に維持された。マイ
クロウェーブ発生器86のパワーレベルは、約1400ワット
に維持された。
ストリッピングのプロセスにおいては、O2 3500sccm
及びN2 300sccmを備えるプロセスガスが用いられて、真
空チャンバが約2トールの圧力に維持された。マイクロ
ウェーブパワーレベルは、約1000ワットに維持された。
これらの実施例は、200から300℃までの基板温度を用
いた、単一サイクルの水ベースのパッシベーション及び
ストリッピングプロセスが、有効な耐腐食性を与えるこ
とが可能であることを例証した。記載された金属含有層
を有する造作に対して、少なくとも約150秒の全継続時
間を有する単一サイクルプロセスが適切な耐腐食性を与
え、複数のサイクルのプロセスは必要がなかった。これ
らの実施例はまた、パッシベーションのステップ及びス
トリッピングのステップの順番は、基板の耐腐食性が影
響しないことを例証した。
実施例53 実施例53は、好ましい単一サイクルのストリッピング
及びパッシベーションプロセスを例示し、このプロセス
条件は、表IXに開示される。このプロセスは有利であ
り、その理由は、適度に高いウエハスループットを与え
る一方で、有効なパッシベーション及びストリッピング
の品質を維持するからである。このプロセスを用いてパ
ッシベーションされたウエハは、雰囲気に暴露された場
合に24時間以上の耐腐食性があることを例証した。
実施例54及び55 これらの実施例は、基板上の部分的にエッチングされ
た高い腐食性のTi−W層の腐食を防止するために、単一
サイクルの水蒸気パッシベーションプロセスを用いるこ
とが可能であることを例示する。これらの実施例では、
完全な反応性イオンエッチング、パッシベーション及び
ストリッピングプロセスのシーケンスが記載される。こ
れらの実施例に用いられるウエハは、(i)Ti−W合金
のバリア層、(ii)アルミニウム含有合金の導電性層、
及び(iii)反射防止層を備えた造作を有していた。ウ
エハ上の造作は、下側のTi−Wバリア層が露出するまで
エッチングされた。Ti−W層はエッチングされなかった
が、その理由は、その下の回路デバイスがプラズマエッ
チングプロセスによって損害されるからである。部分的
にエッチングされたTi−Wバリア層は、雰囲気に暴露さ
れれば急速に腐食され、その理由は、合金中の金属の電
解結合が腐食を促進するからである。従って、部分的に
エッチングされたバリア層は、エッチングの後直ちに水
蒸気含有プラズマを用いてパッシベーションされる。
実施例54及び55の基板は、2−ステージのエッチング
プロセスを用いるエッチングチャンバ(図示されず)内
でエッチングされる。第1番目のエッチングのステージ
では、流量50sccmのBCl3、流量40sccmのCl2及び流量20s
ccmのN2を備えたエッチャントガスが、エッチングチャ
ンバ内に導入された。チャンバ内の圧力は、約200ミリ
トールに維持された。チャンバ内のカソードに印加され
たRFパワーは約400ワットであり、そして、誘導コイル
を用いて40ガウスの磁場が発生されて、プラズマを励起
した。第1番目のエッチングのステージでは、基板上の
アルミニウム含有層が貫いてエッチングされるまでまで
行われ、このエッチングのステップの終点は、光放出技
術により測定された。第2番目のエッチングのステージ
では、基板上の厚さ1500オングストロームのTi−Wバリ
ア層が、Ti−W層の500オングストロームだけエッチン
グされるまでエッチングされ、基板上にTi−W層が1000
オングストロームだけ残った。第2番目のエッチングの
ステージでは、BCl3 25sccm、Cl2 20sccm及びN2 20sccm
を備えたプロセスガスがチャンバ内に導入され、チャン
バは約20ミリトールの圧力に維持された。カソードに印
加されたRFパワーは、250ワットのレベルに維持され、
チャンバ内でプラズマを励起するために、40ガウスの磁
場が用いられた。第2のエッチングのステージは、約40
秒間行われた。
エッチングが行われた後、ウエハはエッチングチャン
バ(図示されず)からパッシベーション及びストリッピ
ングチャンバへと移送された。実施例54では、ウエハは
別々のステップでパッシベーションされ、ストリッピン
グされた。パッシベーションのステップでは、チャンバ
内に水蒸気が500sccmの流量で導入された。マイクロウ
ェーブプラズマ発生器に800ワットのRFパワーが印加さ
れ、ウエハが250℃まで加熱された。このパッシベーシ
ョンのステップは、45秒の全時間で行われた。パッシベ
ーションが行われた後、別のストリッピングのステップ
においてウエハはストリッピングされた。ストリッピン
グのステップは、300sccmの流れの酸素と200から300scc
mまでの流れの窒素とを備えたストリッピングガスを用
いた。マイクロウェーブ発生器では1400ワットのRFパワ
ーレベルが維持され、ウエハの温度は250℃に維持され
た。パッシベーションのステップとストリッピングのス
テップの双方において、チャンバの圧力は2トールに維
持された。実施例54のパッシベーションされたウエハ
は、雰囲気に暴露された際に実質的に耐腐食的であっ
た。
実施例55のウエハは単一のステップのプロセスにおい
てパッシベーションされストリッピングされた。3000sc
cmの流れの酸素、200sccmの流れの窒素及び300sccmの流
れの水蒸気がチャンバ内に導入された。140ワットのパ
ワーレベルのプラズマが約90秒間発生して、ウエハをス
トリッピングしパッシベーションした。実施例55のパッ
シベーションされたウエハも、雰囲気下において腐食に
対して耐性を示したことが観察された。ストリッピング
及びパッシベーションの後、パッシベーションされたウ
エハ上に1000オングストロームの厚さで残ったバリア層
が、ウェットケミカルエッチングプロセスを用いて除去
された。このプロセスに付加的に、ニュージャージ州ア
レンタウンのAdvanced Chemical Technologiesから商業
的に入手可能な「ACT」900シリーズ液状エッチャントを
用いて、ウエハは化学的にエッチングされた。エッチン
グがなされた後、ウエハは脱イオン水でリンスされ、残
留エッチャントが除去された。
本発明はある好ましい態様に関して詳細に説明されて
きたが、他の形態も可能である。例えば、ここに開示さ
れたもの以外のパッシベーション及びストリッピングの
プロセスを用いて複数のサイクルのプロセスを実施する
ことが可能である。また、単一サイクルの水蒸気ベース
のパッシベーション及びストリッピングのプロセスが、
他のパッシベーション及びストリッピングのプロセスと
結合して、より大きな耐腐食性及びプロセス効率を提供
することも可能である。従って、添付した請求の範囲の
趣旨及びその範囲は、ここに含まれる好ましい態様の記
載に限定されるべきではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 369,237 (32)優先日 1995年1月6日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 シェイ,ピーター アメリカ合衆国,カリフォルニア州 94087,サニーヴェール,ブレアー ア ヴェニュー 833,ナンバー4 (72)発明者 イッシャロム,カーメル イスラエル,コリアット モッズキン 26418,モーデチ フォゲルマン スト リート 14/2 (72)発明者 ロウ,ウェスレイ アメリカ合衆国,カリフォルニア州 95129,サン ノゼ,ジョンソン アヴ ェニュー 1695 (72)発明者 パパニュ,ジェームス エス. アメリカ合衆国,カリフォルニア州 94903,サン ラファエル,ホリー ド ライヴ 351 (72)発明者 マク,スティーヴ エス.ワイ. アメリカ合衆国,カリフォルニア州 94566,プレザントン,モンテビノ ド ライヴ 878 (72)発明者 ローデス,チャールズ スティーヴン アメリカ合衆国,カリフォルニア州 93065,シミ ヴァレイ,ショール ク リーク コート 1049 (72)発明者 シエイ,ブライアン タイワン,ファリエン,リン―チェン ストリート 1 レーン エスピー. 5 (72)発明者 ラッチフォード,スコット イアン アメリカ合衆国,カリフォルニア州 94087,サニーヴェール,セサミ ドラ イヴ 1207 (72)発明者 ウィリアムス,カレン エー. アメリカ合衆国,カリフォルニア州 95128,サン ノゼ,スプルアンス ス トリート 1186 (72)発明者 ユーウォン,ヴィクトリア アメリカ合衆国,カリフォルニア州 94024,ロス アルトス,マリノヴィッ チ ウェイ 1408 (56)参考文献 特開 平2−77125(JP,A) 特開 平3−198331(JP,A) 欧州公開489179(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/302

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン含有エッチャントを用いてエッチ
    ングされた導電性の造作(ぞうさく)を有する半導体ウ
    エハ等の、エッチングされた基板にパッシベーションを
    施すプロセスであって: (a)真空チャンバ内に基板を置くステップと、 (b)水蒸気、酸素及び窒素を備えたパッシベーション
    ガスを真空チャンバ内に導入するステップであって、
    (i)水蒸気の(ii)酸素と窒素の合計に対する体積に
    よる比が約2:1〜約1:2であるステップと、 (c)パッシベーションガスからプラズマを発生させる
    ステップと を備える。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプロセスであって、 (i)水蒸気の(ii)酸素と窒素の合計に対する体積に
    よる比が0.8:1〜1:0.8である。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のプロセスであって、ステ
    ップ(b)において、酸素の窒素に対する体積による比
    が、1:1〜50:1である。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のプロセスであって、空気
    への暴露に際して少なくとも約24時間の腐食に対する耐
    性を与えるようなパッシベーションを、パッシベーショ
    ンガスが基板上のエッチングされた造作に与えるよう
    な、温度と圧力に、真空チャンバが維持される。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のプロセスであって、真空
    チャンバが約150℃〜約400℃の或る温度及び約1トール
    〜約10トールの或る圧力に維持される。
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