JP2838568B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP2838568B2
JP2838568B2 JP2048435A JP4843590A JP2838568B2 JP 2838568 B2 JP2838568 B2 JP 2838568B2 JP 2048435 A JP2048435 A JP 2048435A JP 4843590 A JP4843590 A JP 4843590A JP 2838568 B2 JP2838568 B2 JP 2838568B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
dye
recording
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2048435A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03224792A (ja
Inventor
憲良 南波
正博 新海
鉄司 井上
寿美子 北川
信一 手塚
利樹 青井
勝 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Publication of JPH03224792A publication Critical patent/JPH03224792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2838568B2 publication Critical patent/JP2838568B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、光記録媒体、特にコンパクトディスク対応
のライト・ワンス型の光記録デイスクに関する。
<従来の技術> コンパクトディスク(以下、CDと略称する)規格に対
応して追記ないし記録を行うことのできる光記録ディス
クが提案されている(日経エレクトロニクス1989年1月
23日号,No.465,P107、社団法人近畿化学協会機能性色素
部会,1989年3月3日,大阪科学技術センター、SPIE vo
l 1078 Optical Data Storage Topical Meeting,80 198
9等)。
このものは、透明樹脂基板上に、色素層、Au反射層お
よび保護膜をこの順に設層して形成される。すなわち、
反射層を色素層に密着して設けるものである。
そして、この提案は、CD用途であり、CD用途では、光
記録ディスクの色素層に記録レーザー光を照射すると、
色素層が光を吸収し融解ないし分解するとともに基板も
軟化して、色素材料と、基板材料とが界面で混じり合
い、光の位相差により反射率が下がるピット部が基板と
色素層との界面に形成されるとされている。
従来は、色素層にピットを形成するために色素層上に
空気層を設けていたが、この提案では、反射層を色素層
に密着して設ける密着型であるので、CD規格のディスク
全厚1.2mmの構成が可能となっている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明者らは、このような光記録ディスクについて種
々追試を行った。
その結果、このような反射層と色素を含有する記録層
とを密着して設ける場合には、基板と記録層との界面に
形成されるピット部が色素等の記録層材質の分解物を含
有し、かつ基板材質を含有しない場合は、ピット形状が
良好で、記録・再生の際のノイズが小さく、十分なS/N
比が得られること等を見い出した。
本発明の目的は、ピット形状が良好で、良好な記録と
再生を行うことができる密着型の光記録媒体を提供する
ことにある。
<課題を解決するための手段> このような目的は下記(1)〜(10)の本発明によっ
て達成される。
(1)基板上に2種以上の色素を含有する記録層を有
し、この記録層上に密着して反射層を積層し、この反射
層上に保護膜を積層して構成され、 記録光を前記記録層に照射してピット部を形成し、再
生光により再生を行う光記録媒体であって、 前記保護膜が、放射線硬化型化合物を放射線硬化した
ものであり、 前記保護膜の25℃における鉛筆硬度がH〜8Hであり、 前記ピット部の前記基板と前記記録層の界面部には、
記録層材質の分解物を含有し、かつ基板材質を実質的に
含有しない層が存在していることを特徴とする光記録媒
体。
(2)前記ピット部には、空隙が形成されている上記
(1)に記載の光記録媒体。
(3)記録光および再生光の波長における前記記録層の
消衰係数kが0.03〜0.25である上記(1)または(2)
に記載の光記録媒体。
(4)記録光および再生光の波長における前記記録層の
屈折率nが1.8〜4.0である上記(3)に記載の光記録媒
体。
(5)記録光および再生光の波長が600〜900nmである上
記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光記録媒体。
(6)前記記録層の厚さが500〜2000Åである上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載の光記録媒体。
(7)基板側から再生光を照射したとき、未記録部分の
反射率が60%以上であり、記録部分の反射率が未記録部
分の反射率の60%以下である上記(1)ないし(6)の
いずれかに記載の光記録媒体。
(8)前記記録層が塗布膜である上記(1)ないし
(7)のいずれかに記載の光記録媒体。
(9)前記保護膜の厚さが0.1μm以上である上記
(1)ないし(8)のいずれかに記載の光記録媒体。
(10)前記2種以上の色素が2種以上のインドレニンシ
アニン色素を含む上記(1)ないし(9)のいずれかの
光記録媒体。
<作用> 本発明の光記録媒体は、ピット部が、記録層材質の分
解物を含有し、かつ基板材質を含有しない材質で形成さ
れるので、ピット形状が良く、しかも記録・再生時に高
いS/N比が得られ、良好な記録・再生を行うことができ
る。
また、ピット部での大きな反射率低下を示すため、CD
プレーヤによる再生を行うことのできる良好な光記録が
可能となる。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
第1図には、本発明の光記録媒体1の1例が示され
る。
この光記録媒体1は、基板2上に、色素を含有する記
録層3を有し、記録層3に密着して、反射層4、保護膜
5を形成した密着型のものである。
基板2は、記録光および再生光(600〜900nm程度、特
に700〜800nm程度の半導体レーザー光、特に780nm)に
対し、実質的に透明(好ましくは透過率80%以上)な樹
脂あるいはガラスから形成される。これにより、基板裏
面側からの記録および再生が可能となる。
基板2は、通常のサイズのディスク状であって、CDと
して用いる場合、厚さは1.2mm程度、直径は80ないし120
mm程度とする。
この場合、基板材質としては、樹脂を用いることが好
ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アモル
ファスポリオレフィン、TPX等の熱可塑性樹脂が好適で
ある。
これらのうち、25℃における酸素透過量が5×10-10c
m3・cm-2・s-1・(cmHg)-1以下のものは、耐光性がき
わめて高いものとなり好適である。
このような場合、25℃における酸素透過量が4×10
-10cm3・cm-2・s-1・(cmHg)-1以下となると、より一
層好ましい結果を得る。なお、25℃における酸素透過量
は、ほぼ0から、上記の値まで種々の値に設定すること
ができる。
酸素透過量は、JIS Z 1707に準じて測定すればよい。
より具体的には、酸素透過量Qcm3・cm-2・s-1・(cmH
g)-1および酸素透過係数cm3・cm・cm-2・s-1・(cmH
g)-1以下は以下により測定される。
P=(273/T)・(V/A)・l・(1/p)・(1/760)・
(dh/dt) Q=(273/T)・(V/A)・(1/p)・(1/760)・(dh/d
t) ここに、T=298K V:低圧側の容積(cm3) A:試料透過面積(cm2) l:基板厚さ(cm、一般に0.12cm) p:酸素圧力(cmHg) dh/dt:透過曲線の直線部分の勾配(mmHg・s-1) 基板の酸素透過量Qを上記のように設定するには、種
々の方法が可能である。
その第1は、基板材質を酸素遮断性のものとする方法
である。
このような場合には、必要に応じ各種強化法によって
強化されたガラスを用いればよい。
あるいは、下記のような樹脂を用いればよい。なお、
下記においては、代表的な重合度ないし組成での25℃で
の酸素透過係数Pが併記される。従って、これを通常の
厚さ0.12cmで除した値が基体の酸素透過量Qとなる。
1)アモルファスポリオレフィン 環状オレフィン成分と必要に応じエチレン性二重結合
成分との通常ランダム共重合体である環状オレフィン系
重合体(特開昭63−273655号、同63−114643号、同63−
218727号、同63−243108号、同64−31844号等) P=0.05×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1
度 2)高密度ポリエチレン P=0.4×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1程度 3)ポリビニルアルコール系 例えばポリビニルアルコール P=0.009×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1
度 エチレン−ビニルアルコール共重合体 P=(10-3〜10-4)×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(c
mHg)-1程度など 4)ポリ塩化ビニル P=0.05×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1
度 5)ポリ塩化ビニリデン P=0.05×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1
度 6)ポリアミド 例えばナイロン6 P=0.04×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1
度など 7)ポリエステル 例えばポリエチレンテレフタレート P=0.04×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1
度など 8)エポキシ樹脂 等 なお、通常用いられる樹脂基板材質の酸素透過係数P
は下記のような値である。
アクリル樹脂 P=1.2×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmHg)-1程度 ポリカーボネート P=(1.5〜3)×10-10cm3・cm・cm-2・s-1・(cmH
g)-1 従って、これらでは、1.2mm厚にて、Qは10×10-10cm
3・cm-2・s-1・(cmHg)-1をこえ、耐光性が悪化する。
次に、第2の態様では、基板材質として、アクリル樹
脂や、ポリカーボネート等の酸素透過性のもを用いる。
そして、外表面、内表面の少なくとも一方と、必要に
応じ、内・外周面に酸素遮断性の被膜を形成する。
酸素遮断性膜材質としては、前記の低酸素透過係数樹
脂材質の塗膜やスパッタ膜、プラズマ重合膜等が挙げら
れる。
また、各種ガラス、透明無機材質等の気相成表膜も好
適である。
これら酸素遮断性膜は前記のQが得られるような膜厚
に設層される。
基板2の記録層3形成面には、トラッキング用のグル
ーブが形成されることが好ましい。
グルーブは、スパイラル状の連続型グループであるこ
とが好ましく、深さは250〜1800Å、幅は0.3〜1.1μ
m、特に0.4〜0.6μm、ランド(隣り合うグルーブ同士
の間の部分)幅は0.5〜1.3μm、特に1.0〜1.2μmであ
ることが好ましい。
グルーブをこのような構成とすることにより、グルー
ブ部の反射レベルを下げることなく良好なトラッキング
信号を得ることができる。
なお、グルーブには、アドレス信号用の凹凸を設ける
こともできる。
本発明では、基板がグルーブを有する場合、記録光は
グルーブ内の記録層に照射されるよう構成されることが
好ましい。すなわち、本発明の光記録媒体は、グルーブ
記録の光記録媒体として用いられることが好ましい。グ
ルーブ記録とすることにより、記録層の有効厚さを大き
くすることができる。
また、基板2上に図示しない樹脂層を例えば2P法によ
り設層して、樹脂層にトラッキング用の溝やアドレス信
号用の凹凸を設けてもよい。
樹脂層を構成する樹脂材質に特に制限はなく、いわゆ
る2P法に用いられる公知の樹脂から適宜に選択すればよ
いが、通常、放射線硬化型化合物が用いられる。
記録層3は、1種あるいは2種以上の色素を相溶して
形成される。
記録層3の記録光および再生光波長における消衰係数
(複素屈折率の虚部)kは、0.03〜0.25であることが好
ましい。
kが0.03未満となると記録層の吸収率が低下し、通常
の記録パワーで記録を行うことが困難である。
また、kが0.25をこえると、反射率が60%を下回って
しまい、CD規格による再生を行うことが困難である。
この場合、kが0.04〜0.20、特に0.05〜0.15である
と、きわめて好ましい結果をうる。
また、屈折率(複素屈折率の実部)nは、1.8〜4.0、
より好ましくは、2.2〜3.3であることが好ましい。
n<1.8では反射率が低下し、CD規格による再生が困
難となる傾向にある。また、n>4.0とするためには、
原料色素の入手が難しい。
用いる光吸収性の色素としては、吸収極大が600〜900
nm、好ましくは600〜800nm、より好ましくは650〜750nm
であれば、他に特に制限はないが、シアニン系、フタロ
シアニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、
アゾ系、トリフェニルメタン系、ピリリウムないしチア
ピリリウム塩系、スクワリリウム系、クロコニウム系、
金属錯体色素系等の1種ないし2種以上が好ましい。
シアニン色素としては、インドレニン環、特にベンゾ
インドレニン環を有するシアンニン色素であることが好
ましい。
また、光吸収色素にクエンチャーを混合してもよい。
さらに、色素カチオンとクエンチャーアニオンとのイオ
ン結合体を光吸収色素として用いてもよい。
クエンチャーとしては、アセチルアセトナート系、ビ
スジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系
などのビスジチオール系、チオカテコール系、サリチル
アルデヒドオキシム系、チオビスフェノレート系等の金
属錯体が好ましい。
また、窒素のラジカルカチオンを有するアミン系化合
物やヒンダードアミン等のアミン系のクエンチャーも好
適である。
結合体を構成する色素としては、インドレニン環を有
するシアニン色素が、またクエンチャートとしてはビス
フェニルジチオール金属錯体等の金属錯体色素が好まし
い。
好ましい色素、クエンチャー、結合体の詳細について
は特開昭59−24692号、同59−55794号、同59−55795
号、同59−81194号、同59−83695号、同60−18387号、
同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60
−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−445
55号、同60−44389号、同60−44390号、同60−47069
号、同60−20991号、同60−71294号、同60−54892号、
同60−71295号、同60−71296号、同60−73891号、同60
−73892号、同60−73893号、同60−83892号、同60−854
49号、同60−92893号、同60−159087号、同60−162691
号、同60−203488号、同60−201988号、同60−234886
号、同60−234892号、同61−16894号、同61−11292号、
同61−11294号、同61−16891号、同61−8384号、同61−
14988号、同61−163243号、同61−210539号、特願昭60
−54013号、特開昭62−30088号、同62−32132号、同62
−31792号、CMC出版刊「機能性色素の化学」P74〜76等
に記載されている。
なお、クエンチャーは、光吸収色素と別個に添加して
も、結合体の形で添加してもよいが、光吸収色素の総計
の1モルに対し1モル以下、特に0.05〜0.5モル程度添
加することが好ましい。
これにより耐光性はより一層改善される。
本発明では、上記のような光吸収性の色素、色素−ク
エンチャー混合物、色素−クエンチャー結合体から上記
範囲のnおよびkを有するものを選択するが、あるいは
新たに分子設計を行ない合成することもできる。
なお、色素の記録光および再生光に対するkは、その
骨格や置換基により0〜2程度まで種々変化しているた
め、例えばkが0.03〜0.25の色素を選定するに際して
は、その骨格や置換基に制限がある。このため、塗布溶
媒に制限を生じたり、基板材質によっては塗工できない
こともある。あるいは気相成膜できないこともある。ま
た、新たに分子設計を行なう場合、設計および合成に大
きな労力を必要とする。
一方、本発明者らの実験によれば、2種以上の色素を
含有する混合色素層のkは、用いる各色素単独から構成
される色素層のkに応じ、その混合比にほぼ対応する値
になることが判明した。従って、本発明では、記録層3
は2種以上の色素を相溶して形成される。
この際、ほとんどの色素の混合系で混合比にほぼ比例
したkがえられるものである。すなわち、i種の色素の
混合分率およびkをそれぞれCiおよびkiとしたとき、k
は、ほぼΣCikiとなる。従って、kの異なる色素同士を
混合比を制御して混合することにより、k=0.03〜0.25
の色素層を得ることができる。このため、きわめて広い
範囲の色素群の中から用いる色素を選択することができ
る。
このことは、波長依存性の改善にも適用できる。半導
体レーザーの波長は通常±10nmの範囲にあり、市販のCD
プレーヤにおいては、770から790nmの範囲で反射率を70
%以上に確保する必要がある。一般に色素のk値は大き
な波長依存性をもつものが多く、780nmでは適切な値で
あっても、770あるいは790nmでは大きくはずれてしまう
場合が多い。このような場合には、第二の色素を混合す
ることによって、780±10nmの範囲で常に適切なnおよ
びk値が得られるように設定することができる。
この結果、塗布溶媒等の制約など成膜法に制限はなく
なり、また、合成が容易で安価な色素の使用や、特性の
良好な色素の使用や、難溶性の色素の使用もを可能とす
ることができる。
記録層3を混合色素層とする場合、用いる色素は、n
=1.6〜6.5、k=0〜2の範囲内のものから選択すれば
よい。
なお、nおよびkの測定に際しては、所定の透明基板
上に記録層を例えば400〜800Å程度の厚さに実際の条件
にて設層して、測定サンプルを作製する。次いで、基板
を通しての、あるいは記録層側からの反射率を測定す
る。反射率は記録再生光波長を用いて鏡面反射(5゜程
度)にて測定する。また、サンプルの透過率を測定す
る。これらの測定値から、例えば、共立全書「光学」石
黒浩三P168〜178に準じ、n、kを算出すればよい。
このような記録層3の厚さは、500〜2000Åとするこ
とが好ましい。この範囲外では反射率が低下して、CD規
格の再生を行うことが難しくなる。
記録層3の設層方法に特に制限はないが、本発明で
は、色素選択や、媒体設計や、製造上の自由度や容易さ
がより拡大する点で、塗布によって設層することが好ま
しい。
記録層3の塗設には、ケトン系、エステル系、エーテ
ル系、芳香族系、ハロゲン化アルキル系、アルコール系
等の各種溶媒を用いることができ、溶媒選択の自由度も
大きい。塗布には、スピンコート等を用いればよい。
記録層3は、色素の蒸着膜によって形成されてもよ
い。
この場合の色素は、フタロシアニン系、ナフタロシア
ニン系、アントラキノン系、アゾ系、トリフェニルメタ
ン系、ピリリウムないしチアピリリウム塩系、スクワリ
リウム系、クロコニウム系、金属錯体色素系等の昇華性
の色素を用いるのがよく、特に、フタロシアニン系、ナ
フタロシアニン系の色素を用いることが好ましい。
このような昇華性の色素を用いることによって、ピッ
ト形状が良好となり、ジッターが減少することもある。
このような記録層3には、直接密着して反射層4が設
層される。
反射層4としては、Au、AlMg合金、AlNi合金、Ag、Pt
およびCu等の高反射率金属を用いればよいが、これらの
うちでは反射率が特に高いことからAu、AlMg合金および
AlNi合金のいずれかを用いることが好ましい。なお、Al
Mg合金中のMg含有率は3〜7wt%程度が好ましい。ま
た、AlNi合金中のNi含有率は3〜4wt%程度が好まし
い。
反射層4の厚さは500Å以上であることが好ましく、
蒸着、スパッタ等により設層すればよい。また、厚さの
上限に特に制限はないが、コスト、生産作業時間等を考
慮すると、1000Å程度以下であることが好ましい。
これにより、媒体の未記録部の基板をとおしての反射
率は、60%以上、特に70%以上がえられる。
反射層4上には、保護膜5が設層される。
保護膜5は、例えば紫外線硬化樹脂等の各種樹脂材質
から、通常は、0.1〜100μm程度の厚さに設層すればよ
い。保護膜5は、層状であってもシート状であってもよ
い。
保護膜5は、特に放射線硬化型化合物および光重合増
感剤を含有する塗膜を放射線硬化したものである。
そして、保護膜5の硬度が、25℃における鉛筆硬度
(JIS K−5400)で、H〜8H、特に2H〜7Hであるように
構成される。
このように構成することにより、ジッターが格段と減
少する。
また、高温・高湿あるいは温湿度変化条件下の保存に
おいても、保護膜と反射層との剥離が生じない。
より具体的には、保護膜の硬度がHより軟らかいとジ
ッターが増大し、8Hより硬くなると塗膜がもろくなり膜
形成能が低下する他、反射層との接着力が低下する。
このような保護膜形成に用いる放射線硬化型化合物に
は、オリゴエステルアクリレートが含まれることが好ま
しい。
オリゴエステルアクリレートは、アクリレート基また
はメタクリレート基を複数有するオリゴエステル化合物
である。そして好ましいオリゴステルアクリレートとし
ては、分子量1000〜10000、好ましくは2000〜7000であ
って、重合度2〜10、好ましくは、3〜5のものが挙げ
られる。また、これらのうちアクリレート基またはメタ
クリレート基を2〜6個、好ましくは3〜6個有する多
官能オリゴエステルアクリレートが好ましい。
多官能オリゴエステルアクリレートとしてはアロニッ
クスM−7100、M−5400、M−5500、M−5700、M−62
50、M−6500、M−8030、M−8060、M−8100等(東亜
合成化学社製)として市販されているものを用いること
ができ、これらは下記式(A)、(B)で示されるもの
である。
(A) (B) A−M−N−M−A A:アクリレート基またはメタクリレート基、M:2価ア
ルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノール
A等)残基、N:2塩基酸(例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、アジピン酸、コハク酸等)残基、 n:1〜10、好ましくは2〜5 これらのうちでは、(A)で示されるものが好まし
い。
このようなオリゴエステルアクリレートは単独で使用
してもよい。
また、他の放射線硬化型化合物を併用してもよい。そ
のような場合、オリゴエステルアクリレートは、放射線
硬化型化合物中20wt%以上存在することが好ましい。
上記のオリゴエステルアクリレートには、他の放射線
硬化型化合物を併用することができ、このようなものと
しては、イオン化エネルギーに感応し、ラジカル重合性
を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、メタクリル
酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル
系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレンイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和二重
結合等の放射線照射による架橋あるいは重合する基を分
子中に含有または導入したモノマー、オリゴマーおよび
ポリマー等を挙げることができる。これらは多官能、特
に3官能以上であることが好ましい。
放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。
これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート)、トリメチルロールプロパンジ
アクリレート(メタクリレート)、ウレタンエラストマ
ー(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれ
らのものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノー
ルエチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレ
ート)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮
合環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラ
クトン−アクリル基のついた化合物、 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタ
エリスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタ
エリスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタ
エリスリトール縮合物Dという)、 および下記一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。
また、放射線硬化型オリゴマーとしては、ウレタンエ
ラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのものに
COOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
また、上記の化合物に加えて、あるいはこれにかえて
熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによって得られ
る放射線硬化型化合物を用いてもよい。
このような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジ
カル重合性を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレンイン酸誘導体等の
不飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合す
る基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹
脂である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能ポリエスエル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
このような放射線硬化型化合物の保護膜の膜厚は0.1
〜30μm、より好ましくは1〜10μmである。
この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成し
にくく、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が十分でな
く、記録層の耐久性が下がる。
しかも、ジッター防止効果が低下する。
また、30μmをこえると、樹脂膜の硬化の際に伴う収
縮により記録媒体の反りや保護膜中のクラックが生じや
すい。
このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
本発明において塗膜に照射する放射線としては、紫外
線、電子線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
紫外線を用いる場合には、前述したような放射線硬化
型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えられる。
本発明に用いる光重合増感剤としては、下記一般式
(I)で表わされる化合物が好ましい。このものを、多
官能オリゴエステルアクリレートと用いることにより、
前記の硬度が容易に得られ、膜物性も良好となる。
そして、接着剤層との剥離も少なくなり、耐久性、耐
湿性も良好となる。
上記一般式(I)において、Rは炭素数1〜4の置換
もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等を表わし、なかでもメチル
基、エチル基等が好ましい。
Lは炭素数1〜3の置換もしくは非置換のアルキレン
基、例えば−CH2−、 等を表わし、なかでも が好ましい。
Yは、複素環基、例えばモルホリノ基、2−モルホリ
ニル基、、ピペリジノ基、4−ピペリジニル基、2−ピ
リジル基、2−キノリル基、1−ピロリジニル基、1−
ピロリル基、2−チエニル基、2−フリル基等を表わ
し、なかでもモルホリノ基が好ましい。
RS−は、一般式(I)中のベンゼン環の置換可能ない
ずれの位置でベンゼン環と結合してもよいが、 のp位であることが好ましい。
本発明において、一般式(I)で表わされる化合物の
うちで、最も好ましいものは以下のものである。
この化合物Aは、IRGACURE907(日本チバガイギー社
製)として市販されているものである。
一般式(I)で表わされる化合物は、放射線硬化の際
光重合開始剤ないし光重合増感剤として作用するもので
ある。
このような化合物の有機保護コート層における含有量
は、0.1〜20wt%、好ましくは1〜10wt%とするのがよ
い。
0.1wt%未満では光重合開始剤ないし光重合増感剤と
しての作用が十分ではないからであり、20wt%をこえる
と残存する光重合開始剤ないし光重合増感剤が記録層に
浸透し、記録層に悪影響を与えるからである。
また、光重合増感剤としては、必要に応じ前記の一般
式(I)で表わされる化合物の他に、次のような公知の
ものが併用できる。
例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシ
ベンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセト
フェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケ
トン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノ
ン類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモ
ノスルフィド等のスルフィド類等を挙げることができ
る。
そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。
たとえば、キセノン放電管、水素放電管などの紫外線
電球等を用いればよい。
また、場合によっては電子線を用いることもできる。
このような保護膜5上には、さらに層状ないしシート
状の樹脂製の保護層が設けられていてもよい。
反射層4上および/または記録層3・反射層4間に
は、さらに他のジッター防止膜が設けられてもよい。
このようなジッター防止膜としては、プラズマ重合膜
または無機質薄膜があり、反射層4上に設けるときに
は、それ自体保護膜として機能させても、その上にさら
に保護膜を形成してもよい。
ジッター防止膜5は、0.05μm以上、特に0.1〜10μ
mの厚さであることが好ましい。
膜厚が薄すぎると、ジッター防止の効果が低下し、厚
すぎると、CD規格からはずれたり、コスト高となり、膜
厚にみあった効果がえられない。
用いるプラズマ重合膜としては、公知のプラズマ重合
膜いずれであってもよく、Cを含み、これに加え、H、
O、Cl、F等のハロゲン、Si、N等の種々の元素を含む
ものであってよい。
これらのうちではC、Hと必要に応じSiおよびOの1
種以上とを含むものが好ましい。
この際ソースガスやプラズマ重合条件等は公知のもの
を用いればよい。
これらプラズマ重合膜は実質的に透明であるので、反
射層の上層、下層いずれに設層してもよい。
一方、用いる無機質膜としても種々の無機化合物であ
ってもよく、酸化物、窒化物、炭化物、ケイ化物等の1
種以上を含有するものであってさらに記録層3と反射層
4との間には、密着して接着層を設けてもよい。
接着層は、有機シリケート化合物、有機チタネート化
合物、有機アルミネート化合物もしくは有機ジルコネー
ト化合物の加水分解縮合物またはSi、Ti、AlもしくはZr
のハロゲン化物の加水分解縮合物を含有することが好ま
しい。
用いる有機チタネート化合物としては、公知の種々の
化合物が使用可能であるが、特にアルキルチタン酸エス
テル、置換アルキルチタン酸エステル、アルケニルチタ
ン酸エステルまたは置換アルケニルチタン酸エステルが
好ましい。
また、有機ジルコネート化合物としては、公知の種々
の化合物が使用可能であるが、特にアルキルジルコン酸
エステル、置換アルキルジルコン酸エステル、アルケニ
ルジルコン酸エステルまたは置換アルケニルジルコン酸
エステルが好ましい。
また、有機アルミネート化合物としては、アルミニウ
ムアルコキシド、アルミニウムキレート化合物が好まし
い。
これらのうち、特に好適に使用できるのは、下記構造
式をもつものである。
M(OR1)(OR2)(OR3)(OR4) Al(OR1)(OR2)(OR3) ここに、Mは、TiまたはZrを表わす。
また、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、水素原子、
または置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアルケ
ニル基を表わす。ただし、R1〜R4のうち、少なくとも2
個以上は、水素原子ではなく、アルキル基またはアルケ
ニル基であることが好ましい。
また、置換または非置換のアルキル基またはアルケニ
ル基の炭素原子数は、2〜18であることが好ましい。
なお、アルキル基またはアルケニル基を置換する基と
しては、カルボキシル基、アルキルカルボキシ基、ジ
(ヒドロキシアルキル)アミノ基等の置換アミノ基、ヒ
ドロキシル基、アルキルオキシカルボニル基などが好適
である。
以下に、好ましい有機チタネート化合物の具体例を挙
げる。
T1 テトラエチルチタネート T2 テトラプロピルチタネート T3 テトライソプロピルチタネート T4 テトラ(n−ブチル)チタネート T5 テトラ(イソブチル)チタネート T6 テトラ(sec−ブチル)チタネート T7 テトラ(tert−ブチル)チタネート T8 テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート T9 テトラステアリルチタネート T10 ヒドロキシチタニウムステアレート T11 イソプロポキシチタニウムステアレート T12 ヒドロキシチタニウムオレエート T13 イソプロポキシチタニウムオレエート T14 ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)
チタネート T15 ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミ
ン)チタネート T16 ジヒドロキシ・ビス(ラクティックアシド)チタ
ネート T17 テトラオクチレングリコールチタネート T18 ジ−i−プロポキシ・ビス(アセト酢酸エチル)
チタネート また、好ましい有機ジルコネート化合物の具体例を挙
げる。
テトラ−n−プロピルジルコネート、テトラ−i−プ
ロピルジルコネート,テトラ−n−ブチルジルコネー
ト、テトラ−i−ブチルジルコネート、ジルコニウムテ
トラアセチルアセトナート、ジルコニウム−2−エチル
ヘキソエート、ジルコニウムナフテン酸、ジアセテート
ジルコン酸など。
また、好ましい有機アルミネート化合物の具体例を挙
げる。
アルミニウム−i−プロピレート、モノ−sec−ブト
キシアルミニウムジイソオピレート、アルミニウム−se
c−ブチレート、エチルアセトアセテートアルミニウム
ジイソプロピレート、アルミニウム(エチルアセトアセ
テート)など。
有機シリケート化合物としては、アルキルケイ酸、特
に四低級アルキル(メチル、エチル)ケイ酸が好まし
い。
なお、有機チタネート化合物、有機ジルコネート化合
物、有機アルミネート化合物、有機シリケート化合物
は、塗布液中でオリゴマーやコロイド状縮合酸化物を形
成していてもよい。
ハロゲン化物としては、ハロゲン化ケイ素、特に、四
塩化ケイ素が好ましい。
このような有機シリケート化合物、有機チタネート化
合物、有機アルミネート化合物、有機ジルコネート化合
物あるいはハロゲン化物を用いて接着層を形成するに
は、これらを、水、アルコール、ヘキサン、ベンゼン等
の溶媒、あるいはこれらの混合溶媒で希釈し、これを色
素層上に塗布し、放置して加水分解を行ない、縮合物を
得ればよい。
接着層の塗布方法に特に制限はなく、スピンコート等
を用いればよい。
接着層の厚さは、10〜300Å、特に20〜100Åであるこ
とが好ましい。厚さがこの範囲未満であると光学的に不
均一となる他、接着強度が不十分となる。また、この範
囲の超えると光学特性が変化してしまい、反射率、変調
度ともに大きくとることができなくなる。
このような構成の光記録媒体1に記録ないし追記を行
うには、例えば780nmの記録光を、基板2をとおしてパ
ルス状に照射する。
これにより、記録層3が光を吸収して発熱し、同時に
基板2も加熱される。この結果、基板2と記録層3との
界面近傍において、色素等の記録層材質の融解や分解が
生じ、記録層3と基板2との界面に圧力が加わり、グル
ーブの底壁や側壁を変形させることがある。
この場合記録層3の融解物や分解物を含有する分解物
層61が、通常グルーブ23の底部および境界を覆うような
形状に残存する。
分解物層61の材質は、実質的に基板材質を含まない材
質であり、記録層材質の分解物あるいは記録層材質の分
解物と、記録層材質との混合物によって構成される。
分解物層61は、記録層3の厚さの通常30〜90%程度の
厚さである。
そして、通常、分解物層61上には、反射層との界面に
空隙63が形成され、分解物層61と、空隙63とがピット部
6に形成される。
空隙63は、記録層3の厚さの通常10〜70%程度の厚さ
である。
また、このような記録過程において、基板2は変形し
ない場合もあるが、通常、基板2のピット部6は、加熱
時の圧力によって凹状にへこむことになる。基板2のへ
こみ量は、ピット部6の寸法が大きい程大きく、通常0
〜300Å程度の深さである。
また、空隙63上には、反射層4に密着して微少膜厚に
て記録層3ないしその分解物等が残存することもある。
このように、ピット部6の基板2と記録層3との界面
部には、実質的に基板材質を含有しない層が形成され
る。
本発明者らは、ピット部6の基板2と記録層3間に基
板材質が含まれていないことを下記のように確認した。
まず、一定条件にて作製し、記録を行った1枚の光記
録媒体1から、いくつかのサンプル片を用意し、各サン
プルから保護膜5と、反射層4とを剥離した。
次いで、基板2の表面をアルコール系の溶剤にて洗浄
した。
この場合、洗浄条件は、アルコール系の溶剤中にて軽
く揺らす程度の弱い洗浄と、超音波をかけながら洗浄す
る強い洗浄との2種類とした。
そして、洗浄後の基板2の走査型トンネル顕微鏡(ST
M)出力画像から基板2のグループ内の厚みを求めた。
この結果、強い洗浄力を持つ超音波洗浄を行ったサン
プルの場合、基板2のピット部6は、平坦ないしへこん
でいた。
これに対し、弱い洗浄力にて洗浄を行ったサンプルの
基板2のピット部6は盛り上がっていた。
これらの結果から、弱い洗浄力にて洗浄を行ったサン
プルの盛り上がって見える部分は、色素等の記録層材質
が熱を受けて分解したもの、つまり溶解度が低下した記
録層材質の分解物を含有する層であると考えられる。
実際、これら洗浄後の残存物を液体クロマトグラフ
ィ、吸収スペクトル、FTIR、MAS等により測定した結
果、弱い洗浄力の場合にはピット底には分解物の存在
と、基板材質が含まれていないことが確認されている。
このように、本発明のメカニズムは、日経エレクトロ
ニクス1989年1月23日号、No.465、P107に開示されてい
る提案、すなわち 「記録レーザ光を照射した際、色素層が融解ないし分解
するとともに基板も軟化して、色素材料と、基板材料と
が界面で混じり合い、ピット部が形成される。」 というメカニズムとは異なるものである。
そして、その結果、ピット形状が良好となり、S/N比
が向上するものである。
なお、記録光のパワーは5〜9mW程度、基板回転線速
度は1.2〜1.4m/s程度とする。
このようにしてピット部6を形成したのち、例えば78
0nmの再生光を、基板2をとおして照射すると、ピット
部6により光の位相差を生じ、反射率が未飽和部分の60
%以下、特に50%以下、さらには40%以下に低下する。
一方、未記録部では、60%以上、特に70%以上の高反
射率を示しているので、CD規格による再生が可能とな
る。
再生光のパワーは、0.1〜10mW程度とする。
<実施例> 実施例1 連続グルーブを有する120mmφ、厚さ1.2mmのポリカー
ボネート樹脂基板上に色素を含有する記録層を設層し
た。この記録層上に、蒸着によりAuを1000Å厚に設層し
て反射層とし、さらに、オリゴエステルアクリレートを
含有する紫外線硬化型樹脂を塗布した後紫外線硬化して
10μm厚の保護膜とし、光記録ディスクサンプルを得
た。
各サンプルの記録層に含有される色素を下記に示す。
記録層の設層は、基板を500rpmで回転させながらスピ
ンコート塗布により行なった。塗布溶液としては、1.5w
t%メタノール溶液を用いた。乾燥後の色素層の厚さは1
300Åであった。
各サンプルの記録層が含有する色素およびその含有量
比と、記録層の屈折率(n)および消衰係数(k)と
を、下記表1に示す。
nおよびkは、上記色素を含有する溶液を測定用基板
上に乾燥膜厚600Åに成膜して被検記録層とし、この被
検記録層のnおよびkを測定することにより求めた。な
お、この測定は、「光学」(石黒浩三著、共立全書)第
168〜178ページの記載に準じて行なった。また、上記色
素A1およびA2を含有する記録層の測定に際しては、溶媒
にメタノール、測定用基板にポリカーボネート基板を用
いた。
得られた各サンプルに対し、波長780nm、7mWのレーザ
ーにてコンパクトディスク信号の記録を行ない、次いで
市販のコンパクトディスクプレーヤで再生を行なった。
この結果、サンプルNo.1ではS/N比が高く、良好な再
生を行なうことができた。
次いで前記のサンプルNo.1から2枚のサンプル片を得
た。
そして、保護膜と、反射層とを剥離した後、基板の表
面を、メタノールを用いてそれぞれ異なる条件にて2分
間洗浄した。
この場合、メタノール中にて軽く揺らす程度の弱い洗
浄を行ったものをサンプルNo.1−1とし、超音波をかけ
ながら強い洗浄を行ったものをサンプルNo.1−2とす
る。
洗浄後、基板表面に、膜厚100ÅのAu膜をスパッタリ
ングにて形成し、東洋テクニカ社から販売されている走
査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて、両サンプルの表
面状態を画像化した。
サンプルNo.1−1のSTM画像は第2図、サンプルNo.1
−2のSTM画像は第3図に示されるとおりである。
第2図および第3図から、弱い洗浄を行ったサンプル
No.1−1は、グルーブ内はピット部の膜厚が厚く、強い
洗浄を行ったサンプルNo.1−2は、グルーブ内の膜厚が
ほぼ一定であることが確認できる。
また、グルーブ内の膜厚をより正確に確認するため、
グルーブに沿った断面における表面状態を示すグラフを
作製した。サンプルNo.1−1のグラフを第4図、サンプ
ルNo.1−2のグラフを第5図に示す。
グラフの縦軸は基準面からの基板厚さ方向の高さであ
り、横軸はグルーブ方向の距離である。また、図中、矢
印aはピット部、矢印bはピット部外の位置を示す。
第4図から明らかなように弱い洗浄を行ったサンプル
No.1−1は、記号aで示されるようにピット部が盛り上
がっている。
これに対し、第5図から明らかなように強い洗浄を行
ったサンプルNo.1−2は、記号aで示されるようにピッ
ト部が少しへこんでいる。
これらの事からサンプルNo.1−1の盛り上がって見え
る部分は、色素が熱を受けて分解したもの、つまり溶解
度が低下した色素の分解物を含有する分解物層と考えら
れる。
そして、このピット部の記録層と、基板との界面部に
形成された層を超音波にて剥離した後、分析に行った結
果、分解物が存在することおよび実質的に基板材質が含
有されていないことが確認できた。
これらの結果から、本発明の効果が明らかである。
さらに、上記色素A1、A2を用い、下記表2に示される
ような記録層を設層した。
得られた各サンプルに対し、上記と同様に、波長780n
m、7mWのレーザーにてコンパクトディスク信号の記録を
行ない、次いで市販のコンパクトディスクプレーヤで再
生を行なったところ、この結果、サンプルNo.1では上記
のとおり良好な再生を行なうことができたが、その他の
サンプルNo.1−3では色素層の吸収が不十分であり、記
録が不可能であった。また、No.1−4では反射が小さ
く、再生が不可能であった。
実施例2 連続グルーブを有する120mmφ、厚さ1.2mmのアモルフ
ァスポリオレフィン樹脂基板上に、下記の色素を含有す
る記録層を設層した。この記録層上に、蒸着によりAuを
1000Å厚に設層して反射層とし、さらに、オリゴエステ
ルアクリレートを含有する紫外線硬化型樹脂を塗布した
後紫外線硬化して10μm厚の保護膜とし、光記録ディス
クサンプルを得た。
サンプルの記録層に含有される色素を下記に示す。ま
た、下記色素B1の透過および反射スペクトルを第6図
に、下記色素B2の透過および反射スペクトルを第7図に
示す。
記録層の設層は、基板を500rpmで回転させながらスピ
ンコート塗布により行なった。塗布溶液としては、ジク
ロロエタンの1.5wt%溶液を用いた。乾燥後の色素層の
厚さは1300Åであった。
各サンプルの記録層が含有する色素およびその含有量
比と、記録層の屈折率(n)および消衰係数(k)と
を、下記表3に示す。
記録層のn、kの測定に際しては、溶媒にジクロロエ
タン、測定用基板にガラス基板を用いた。
得られた各サンプルに対し、実施例1と同様に、波長
780nm、7mWのレーザーにてコンパクトディスク信号の記
録を行ない、次いで市販のコンパクトディスクプレーヤ
で再生を行なったところ、この結果、サンプルNo.2−2
は良好な再生を行なうことができたが、その他のサンプ
ルNo.2−1では色素層の吸収が低く、記録感度が低下し
た。また、No.2−3、2−4では反射が小さく、再生が
不可能であった。
実施例3 連続グルーブを有する120mmφ、厚さ1.2mmのポリカー
ボネート樹脂基板上に、下記の色素層を設層した。グル
ーブは、深さ900Å、幅0.5μmとし、ランド幅は1.1μ
mとした。
色素層は下記C1 96wt%とC2 4wt%の相溶膜とした。
色素層の設層は、基板を500rpmで回転させながらスピ
ンコート塗布により行った。
塗布溶液としては、上記色素C1を含有する色素層には
セロソルブの3wt%溶液を用いた。乾燥後の色素層の厚
さは1000Å程度であった。なお、色素層の厚さの測定
は、走査型電子顕微鏡を利用した断面測定装置(エリオ
ニクス(株)製PMS−1)により行なった。
780nmにおける色素層の屈折率nは2.3、および消衰係
数kは0.08であった。
この色素層上に、蒸着によりAuを1000Å厚に設層して
反射層とし、さらに、下記の塗布組成物を塗布した後紫
外線硬化して保護膜とし、光記録ディスクサンプルを得
た。
なお、保護膜は、下記の放射線硬化型化合物および光
重合増感剤を含む塗布組成物をスピンナーコートで設層
した。
(塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート[オリゴエステルア
クリレート(3官能以上)30重量%、トリメチルプロパ
ンアクリレート70重量%、商品名アロニックスM−803
0;東亜合成社製] 100重量部 光重合増感剤(前記化合物A:商品名IRGACURE907;日本チ
バガイギー社製) 5重量部 このような塗布組成物を設層後、120W/cmの紫外線を1
5sec照射し架橋硬化させ、硬化膜とした。
この時の膜厚は5μmであった。
これをサンプルNo.11とする。
サンプルNo.11の保護膜に用いた100重量部の多官能オ
リゴエステルアクリレートのアロニックスM−8030をア
ロニックスM−400(6官能以上のモノマー)50重量部
およびアロニックスM−309(3官能モノマー)50重量
部に替えた他はサンプルNo.11と同様にしてサンプルNo.
12を作製した。
また、サンプルNo.11の100重量部のアロニックスM−
8030のうち50重量部をアロニックスM−111(単官能モ
ノマー)に替え、接着剤層として合成ゴム系ホットメル
ト型接着剤HM−1275(HBフーラージャパン社製)をロー
ルコーターで30μm厚に設層した他はサンプルNo.11と
同様にしてサンプルNo.13を作製した。
さらに、サンプルNo.11のアロニックスM−8030(100
重量部)を、アロニックスM−6100(2官能オリゴエス
テルアクリレート)50重量部と上記アロニックスM−11
1 50重量部とに替え、その他はサンプルNo.11と同様に
してサンプルNo.14を作製した。
得られた各サンプルに対し、波長780nmのレーザーに
てCD信号(190〜720kHzの9種類のパルス、デューティ
ー50%)の記録を行なった。記録パワーは7mW、記録時
の線速は1.3m/sとした。なお、記録はグルーブ部に行な
った。また、記録時のトラッキングはプッシュプルトラ
ックエラー制御により行なった。
次いで市販のコンパクトディスクプレーヤで再生を行
なった。再生パワーは0.2mWとした。
この結果、これら各サンプルでは、未記録部で70%以
上の反射率が得られ、CD信号の11Tパルスの記録部の反
射率は未記録部の反射率の40%以下であった。また、こ
れらのサンプルでは、実施例1と同様のピットが形成さ
れていた。
次に各サンプルにつき、ジッターを測定した。
ジッターは、MEGURO社製CDジッターメーターMJM−631
で測定した。
結果を表4に示す。
表4に示される結果から、鉛筆硬度が高くなると、ジ
ッターが格段と減少することがわかる。
なお、サンプルNo.11、12の耐候性、耐食性、耐久性
は良好なものであった。
実施例4 実施例3のサンプルNo.11において、色素を下記表5
のように変更した。
用いた色素D1クエンチャーQ1は下記のとおりである。
ただし、色素層の設層には、ジアセトンアルコール溶
液を用いた。
これらの770、780、790nmにおけるnおよびkを表5
に示す。
表5に示される結果から、色素の混合により、770〜7
90nmにおいて、良好なnおよびkがえられることがわか
る。
得られた各サンプルに対し、実施例1と同様に780nm
にて記録を行い、再生波長を770、780、790nmにかえ
て、再生を行った。
この結果、サンプルNo.31、32では、いずれの波長で
も良好な記録再生を行なうことができた。これらのサン
プルでは、未記録部で70%以上の反射率が得られ、CD信
号の11Tパルスの記録部の反射率は未記録部の反射率の4
0%以下であった。また、これらのサンプルでは、信号
記録部分の基板と記録層との界面に実施例1と同様にピ
ットが形成されていた。
また、サンプルNo.33では、780、790nmでは再生を行
うことができたが、770nmでは再生を行うことができな
かった。
また、サンプルNo.34では記録ができなかった。
次に上記サンプルのそれぞれにおいて、グルーブ部で
の色素層の厚さを500Å未満としたサンプルおよび1500
Åを超える厚さとしたサンプルを作製し、上記と同様な
記録再生試験を行なった。この結果、500Å未満および1
500Åを超えるサンプルではグルーブ部の反射率が60%
未満となり、再生に必要な十分な反射率およびピットが
得られなかった。
実施例5 連続グルーブを有する120mmφ、厚さ1.2mmのアモルフ
ァスポリオレフィン基板上に、色素層を設層した。グル
ーブは、深さ1200Å、幅0.5μmとし、ランド幅は1.1μ
mとした。
アモルファスポリオレフィンとしては、環状オレフィ
ンとエチレンのランダム共重合体を用いた。
この基板の酸素透過量Qは0.4×10-10cm3・cm-2・s-1
・(cmHg)-1であった。
色素層は下記E1を用いた。
色素層の設層は、基板を500rpmで回転させながらスピ
ンコート塗布により行なった。
塗布溶液としては、色素層にてシクロヘキサノンの2w
t%溶液を用いた。乾燥後の色素層の厚さは1300Å程度
であった。なお、色素層の厚さの測定は、走査型電子顕
微鏡を利用した断面測定装置(エリオニクス(株)製PM
S−1)により行なった。
780nmにおける色素層の屈折率nは2.6、および消衰係
数kは0.1であった。
この色素層上に、蒸着によりAuを1000Å厚に設層して
反射層とし、さらに、下記の塗布組成物を塗布した後紫
外線硬化して保護膜とし、光記録ディスクサンプルを得
た。
なお、保護膜は、実施例2のNo.11の放射線硬化型化
合物および光重合増感剤を含む塗布組成物をスピンナー
コートで設層した。
このような塗布組成物を設層後、120W/cmの紫外線を1
5sec照射し架橋硬化させ、硬化膜とした。
この時の膜厚は5μmであった、 これをサンプルNo.41とする。
次に、サンプルNo.41において、基板材質をポリカー
ボネートにかえ、色素層の塗布溶液をエチルセルソルブ
の3wt%溶液とした他は、上記と全く同様にしてサンプ
ルNo.42をえた。
ポリカーボネート基板の酸素透過量Qは25×10-10cm3
・cm-2・s-1・(cmHg)-1であった。
さらに、サンプルNo.41、No.42において、色素D1に10
重量%の下記クエンチャーQ1を添加した他、上記と全く
同様にしてサンプルNo.43、No.44をえた。
これら各サンプルNo.41〜44につき1.5kwのXeランプを
20cmの距離から基板をとおして照射し、色素残有率を照
射時間に対してプロットした。
色素残有率は(100−R)/(100−R0) (ただし、RおよびR0は、それぞれ、所期および照射後
の780nmでの反射率) により求めた。
結果を第8図に示す。
第8図に示される結果から、クエンチャーを使用しな
くとも、サンプルNo.41では、格段と耐光性が向上して
いることがわかる。
なお、これらのサンプルでは、前記同様のピットが形
成されており、良好な記録再生を行うことができた。
実施例6 連続グルーブを有する120mmφ、厚さ1.2mmのアモルフ
ァスポリオレフィン基板上に下記の色素を用いて色素層
蒸着により設層した。グルーブは、深さ800Å、幅0.4μ
mとし、ランド幅は1.2μmとした。
この基板上に、以下の中心金属を有するフタロシアニ
ンを用いて色素層を蒸着した。色素 M1 E1 Si[OSi(CH3 E2 Cu E3 RuCl2 なお、色素の蒸着は抵抗加熱法により、蒸着条件は、
以下のようにした。
作業圧力 1×10-5Torr 基板温度 20℃ 蒸着速度 600Å/分 このようにして設層した色素層のグルーブ内における
厚さは1200Åであった。
この場合、色素層の厚さの測定は、走査型電子顕微鏡
を利用した断面測定装置(エリオニクス(株)製PMS−
1)により行なった。
780nmにおけるnおよびkの値を表6に示す。
この色素層上に、実施例4と全く同様に、反射層およ
び保護膜を形成し、光記録ディスクサンプルを得た。
この時の膜厚は5μmであった。
このようにして得られたサンプルを用いた色素に応じ
てサンプルNo.51、52、53とする。
これらのサンプルに対し、波長780nmのレーザーにてC
D信号(190〜720kHzの9種類のパルス、デューティー50
%)の記録を行なった。記録パワーは10mW、記録時の線
速は1.3m/sとした。なお、記録はグルーブ部に行なっ
た。また、記録時のトラッキングはプッシュプルトラッ
クエラー制御により行なった。
次いで市販のコンパクトディスクプレーヤで再生を行
なった。再生パワーは0.2mWとした。
これらの各サンプルについて、未記録部での反射率
(%)と、この未記録部の反射率に対するCD信号の11T
パルスの記録部の反射率の割合(%)を求めた。
これらの結果を表6に示す。
なお、これら各サンプルとも、実施例1と同様のピッ
トが形成されており、ジッターも低いものであった。
実施例7 実施例2のサンプルNo.11において、下記表7のよう
にジッター防止膜を形成した。
ジッター防止膜A プラズマ重合膜 モノマーガス テトラメトキシシラン 205CCM キャリヤーガス Ar 55CCM 動作圧力 0.07Torr パワー 250W 周波数 13.56MHz 膜厚(エリプソメータで測定) 0.5μm ジッター防止膜B プラズマ重合膜 モノマーガス メチルメタクリレート 205CCM キャリヤーガス Ar 55CCM 動作圧力 0.05Torr パワー 250W 周波数 13.56MHz 膜厚 2μm ジッター防止膜C プラズマ重合膜 モノマーガス テトラメトキシシラン 205CCM キャリヤーガス Ar 5CCM 動作圧力 0.05Torr パワー 250W 周波数 13.56MHz 膜厚 0.3μm ジッター防止膜D プラズマ重合膜 モノマーガス トリエチルシラン 205CCM キャリヤーガス Ar 5CCM 動作圧力 0.06Torr パワー 250W 周波数 13.56MHz 膜厚 0.5μm ジッター防止膜E スパッタ膜 SiO2 膜厚 0.5μm ジッター防止膜F スパッタ膜 TiO2 膜厚 0.3μm ジッター防止膜G スパッタ膜 WO3 膜厚 0.3μm ジッター防止膜H スパッタ膜 SiAlON 膜厚 0.5μm これらサンプル61〜68では、ジッターの低減がみられ
た。
実施例8 実施例2のサンプルNo.11において、記録層3と反射
層4との間に、下記の接着層No.1〜4を設層した。
[接着層No.1] 酢酸エチルとエチルアルコールを10:11の割合で混合
し、撹拌しながら徐々にSi(OC2H5を酢酸エチルに
対し2/25の割合で添加し、3〜4日間放置した溶液をn
−プロパノールでさらに10倍希釈して塗布溶液を得た。
この溶液を色素層上にスピンコートし、60℃にて30分間
乾燥して形成した。
[接着層No.2] 上記化合物T14を、i−プロパノール−水の1:1混合溶
媒で30倍に希釈して、色素層上にスピンコートし、乾燥
して形成した。
[接着層No.3] エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレ
ートを、i−プロパノール:水の3:1混合溶媒で30倍に
希釈して色素層上にスピンコートし、乾燥して形成し
た。
[接着層No.4] テトラエチルアセトアセテートZr(オキシ塩化Zr 1
モルとアセト酢酸エチル 4モルとを炭酸ナトリウムの
存在下で反応させて合成したもの)の2%n−プロパノ
ール溶液を色素層上にスピンコートし、乾燥して形成し
た。
なお、上記各接着層の乾燥後の厚さは、50Åであっ
た。
これらのサンプルについて、保護膜上に粘着テープを
貼りつけた後に剥がす実験を行なったところ、接着層を
有しないサンプルでは反射層の剥離が観察されたが、接
着層を有するサンプルでは、剥離は観察されなかった。
<発明の効果> 本発明によれば、高反射率で、しかもピット部での大
きな反射率低下を示すので、CD規格による再生を行うこ
とのできる良好な光記録が可能となる。
そして、ピット形状が良好で、しかも高いS/N比が得
られ、良好な記録・再生を行うことができる光記録媒体
が実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光記録媒体を示す部分断面図であ
る。 第2図および第3図は、それぞれ、本発明の光記録媒体
の記録層を洗浄除去した後の基板表面の走査型トンネル
顕微鏡の出力画像の写真である。 第4図および第5図は、それぞれ本発明の光記録媒体の
基板表面のグルーブに沿った断面における表面状態が示
されるグラフである。 第6図および第7図は、それぞれ、本発明に用いる色素
の透過および反射スペクトルを示すグラフである。 第8図は、光耐光性の結果を示すグラフである。 符号の説明 1……光記録媒体 2……基板 21……ランド部 23……グルーブ 3……記録層 4……反射層 5……保護膜 6……ピット部 61……分解物層 63……空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1−209127 (32)優先日 平1(1989)8月11日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−209128 (32)優先日 平1(1989)8月11日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−227089 (32)優先日 平1(1989)9月1日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−324245 (32)優先日 平1(1989)12月14日 (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (72)発明者 北川 寿美子 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 手塚 信一 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 青井 利樹 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 高山 勝 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−135937(JP,A) 特開 平2−54439(JP,A) 特開 平2−168446(JP,A) 特開 平2−179790(JP,A) 特開 平2−244437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に2種以上の色素を含有する記録層
    を有し、この記録層上に密着して反射層を積層し、この
    反射層上に保護膜を積層して構成され、 記録光を前記記録層に照射してピット部を形成し、再生
    光により再生を行う光記録媒体であって、 前記保護膜が、放射線硬化型化合物を放射線硬化したも
    のであり、 前記保護膜の25℃における鉛筆硬度がH〜8Hであり、 前記ピット部の前記基板と前記記録層の界面部には、記
    録層材質の分解物を含有し、かつ基板材質を実質的に含
    有しない層が存在していることを特徴とする光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】前記ピット部には、空隙が形成されている
    請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】記録光および再生光の波長における前記記
    録層の消衰係数kが0.03〜0.25である請求項1または2
    に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】記録光および再生光の波長における前記記
    録層の屈折率nが1.8〜4.0である請求項3に記載の光記
    録媒体。
  5. 【請求項5】記録光および再生光の波長が600〜900nmで
    ある請求項1ないし4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】前記記録層の厚さが500〜2000Åである請
    求項1ないし5のいずれかに記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】基板側から再生光を照射したとき、未記録
    部分の反射率が60%以上であり、記録部分の反射率が未
    記録部分の反射率の60%以下である請求項1ないし6の
    いずれかに記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】前記記録層が塗布膜である請求項1ないし
    7のいずれかに記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】前記保護膜の厚さが0.1μm以上である請
    求項1ないし8のいずれかに記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】前記2種以上の色素が2種以上のインド
    レニンシアニン色素を含む請求項1ないし9のいずれか
    の光記録媒体。
JP2048435A 1989-03-03 1990-02-28 光記録媒体 Expired - Lifetime JP2838568B2 (ja)

Applications Claiming Priority (14)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01051556 1989-03-03
JP1-51556 1989-03-03
JP6538089 1989-03-17
JP1-65380 1989-03-17
JP9336389 1989-04-13
JP1-93363 1989-04-13
JP20912889 1989-08-11
JP1-209128 1989-08-11
JP20912789 1989-08-11
JP1-209127 1989-08-11
JP1-227089 1989-09-01
JP22708989 1989-09-01
JP32424589 1989-12-14
JP1-324245 1989-12-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03224792A JPH03224792A (ja) 1991-10-03
JP2838568B2 true JP2838568B2 (ja) 1998-12-16

Family

ID=27564780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2048435A Expired - Lifetime JP2838568B2 (ja) 1989-03-03 1990-02-28 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2838568B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2110233C (en) 1992-12-02 1999-01-12 Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated Optical information recording medium and composition for optical information recording film
KR100285541B1 (en) * 1994-09-30 2001-01-04 Samsung Electronics Co Ltd Method for manufacturing organic optical cd-recordable disc
JP4998255B2 (ja) * 2007-12-28 2012-08-15 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 シアントナー
JP4702643B2 (ja) * 2008-07-02 2011-06-15 ソニー株式会社 光情報記録媒体
JP4632101B2 (ja) 2008-07-02 2011-02-16 ソニー株式会社 光情報記録媒体
JP2011086327A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Sony Corp 光記録媒体、光記録媒体の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63135937A (ja) * 1986-11-27 1988-06-08 Teijin Ltd 光記録媒体及び光記録・再生方法
JP2710040B2 (ja) * 1988-09-01 1998-02-10 太陽誘電株式会社 光情報記録媒体
JPH0254439A (ja) * 1988-08-19 1990-02-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光記録媒体
JP2969638B2 (ja) * 1988-12-29 1999-11-02 ソニー株式会社 光記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03224792A (ja) 1991-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3199486B2 (ja) 光記録ディスク
US5161150A (en) Optical recording medium
JP3009909B2 (ja) 光記録媒体
JP2002269821A (ja) 光情報記録媒体
EP0458257B1 (en) Optical recording medium
JP2838568B2 (ja) 光記録媒体
JP4284025B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2003039830A (ja) 光情報記録媒体
JP3020256B2 (ja) 光記録媒体
JP4185270B2 (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2004050612A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JPH0449539A (ja) 光情報媒体
JP3009182B2 (ja) 光記録媒体
JP2002096558A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2838584B2 (ja) 光記録ディスク
JP4284036B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2003016689A (ja) 光情報記録媒体
JP4077612B2 (ja) 光情報記録媒体の製造方法
JP3025698B2 (ja) 光記録ディスク
JP4160998B2 (ja) 光情報記録再生方法
US7378140B2 (en) Optical information recording method
JP2005078655A (ja) 光情報記録媒体
JPH07323665A (ja) 光記録媒体
JPH04353635A (ja) 光記録媒体
JPH09245374A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071016

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081016

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081016

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091016

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091016

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101016

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101016

Year of fee payment: 12