JP2838073B2 - 痛覚脱失を生じるためならびにニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害するための組成物および処方物 - Google Patents

痛覚脱失を生じるためならびにニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害するための組成物および処方物

Info

Publication number
JP2838073B2
JP2838073B2 JP8188120A JP18812096A JP2838073B2 JP 2838073 B2 JP2838073 B2 JP 2838073B2 JP 8188120 A JP8188120 A JP 8188120A JP 18812096 A JP18812096 A JP 18812096A JP 2838073 B2 JP2838073 B2 JP 2838073B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
snx
conopeptide
mviia
active
omega
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8188120A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09104634A (ja
Inventor
アーサー アムステュッツ ガリー
スコット バワースオックス スティーブン
ゴヒル キッショーチャンドラ
アイサドール アドルエンセンス ピーター
クリスティパティ ラマシャーマ
ガッドボイス テレサ
レイモンド ペテス マーク
アール. ルーサー ロバート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NYUURETSUKUSU CORP
Original Assignee
NYUURETSUKUSU CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/496,847 external-priority patent/US5795864A/en
Priority claimed from US08/613,400 external-priority patent/US6054429A/en
Application filed by NYUURETSUKUSU CORP filed Critical NYUURETSUKUSU CORP
Publication of JPH09104634A publication Critical patent/JPH09104634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2838073B2 publication Critical patent/JP2838073B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P23/00Anaesthetics
    • A61P23/02Local anaesthetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニューロパシー性
疼痛疾患の進行を阻害するための医薬の製造におけるω
コノペプチド(omega-conopeptide)の使用に関する。
本発明はまた、患者への硬膜外投与に適切な医薬の製造
におけるωコノペプチドの使用、およびそのような医薬
に使用されるωコノペプチドを安定化するに適切な処方
物に関する。
【0002】
【従来の技術】鎮痛治療は、患者による共通の疼痛の知
覚を有する症状を処置することを示す。最も通常の疼痛
の形態である体性の疼痛または侵害受容性疼痛は、皮
膚、基礎を成す組織または内臓に由来するあらゆる種々
の有害なまたは痛みの刺激から生じる。侵害受容性疼痛
は、末梢の侵害受容性求心性C-神経線維およびA-神経線
維の活性化から生じる。これらの神経線維は、脊髄の後
角に突出し、そして特定の脳領域に求心性のシナプスを
形成する。
【0003】侵害受容性疼痛応答を誘発する刺激の例
は、皮膚への有害な刺激(熱または寒冷)、組織損傷
(例えば、皮膚および基礎を成す組織への裂傷)、およ
び炎症である。侵害受容性疼痛の軽減は、非麻薬性鎮痛
薬(例えば、アスピリン、イブプロフェン、またはイン
ドメタシン)、あるいは、オピオイド化合物(これは、
C線維の発火(firing)に直接阻害作用を有する)により
提供され得る。特定の局所麻酔薬(例えば、ブピビカイ
ン(bupivicaine))、抗ヒスタミン薬、アンフェタミン
類、および抗うつ薬は、オピオイドの効果を増強するた
めに使用され得る。さらに、共有の米国特許第5,364,84
2号は、痛覚脱失を生じまたはオピオイド痛覚脱失を増
強する、N型カルシウムチャンネルをブロックするωコ
ノペプチド組成物の効果を開示している。
【0004】ニューロパシー性疼痛は、末梢または中枢
の体性感覚経路の傷害あるいは慢性変化から生じる疼痛
であり、本明細書中ではひとまとめにして「ニューロパ
シー性疼痛疾患」という。それは、一般に、複雑で様々
な病因を有する慢性症状である。ニューロパシー性疼痛
を引き起こす基礎を成す末梢神経の傷害は、代表的に
は、末梢神経、神経叢または神経周囲軟組織への外傷ま
たは傷害のためである。ニューロパシー性疼痛はまた、
ガン、骨変性疾患およびAIDSを含む、1またはそれ以上
の多くの基礎を成す病状の結果であり得る。
【0005】ニューロパシー性疼痛は、刺激される構成
要素および刺激されない(自発的な)構成要素の両方を
有する種々の形態で存在する。ニューロパシー性疼痛の
刺激される構成要素は、通常、感覚刺激に対する過敏症
を包含し、そして過痛覚脱失(有害な刺激に対する過度
の応答)、知覚過敏症(接触に対する過度の応答)、お
よび異痛症(無害の機械的刺激または熱刺激による疼痛
知覚)を包含し得る。患者はまた、種々の発現を有する
自発的な疼痛を経験し得る。「カウザルギー」と呼ばれ
る1つの発現は、代表的な神経傷害であり、そして、連
続的な、重篤な熱傷疼痛および異痛症により特徴付けら
れる。神経痛は、ニューロパシー性疼痛の1つの形態で
あり、これは、末梢神経の外傷または刺激の結果であ
り、そしてその焦点の病因と矛盾がない徴候を有する。
いくつかの場合では(例えば、三叉神経痛)、患者は発
作性の電撃痛を経験する。対照的に、拡散性知覚ニュー
ロパシーは、代表的には脚および手に影響を及ぼす対称
的な遠心性の疼痛とともに現れる。ニューロパシー性疼
痛はまた、中枢性の体性感覚経路(例えば、脊髄、脳
幹、視床または皮質のレベルでの上行体性感覚経路)へ
の傷害から生じる。このような障害は、末梢で感じられ
る連続性の自発性疼痛の症候群を生じ得る。
【0006】現在、臨床医は、侵害受容性疼痛処置に効
果的な同じ薬物によりニューロパシー性疼痛を処置する
ことを試み得る;しかし、結果は一般には期待はずれで
ある。非麻薬性鎮痛薬、オピオイドおよび局所麻酔薬に
加えて、ニューロパシー性疼痛を処置する試みは、抗痙
攣薬(フェニトイン)、抗交感神経薬、三環系抗うつ
薬、および経皮的神経刺激の使用を包含している。WO93
/13128号は、N型カルシウムチャンネルをブロックする
ωコノペプチドが、ニューロパシー性疼痛の軽減を生じ
ることを開示している。
【0007】ニューロパシー性疼痛疾患の合併症は、時
間の経過につれてニューロパシー性疼痛の徴候の悪化を
生じるその進行性の性質である。この変性の病因はよく
わかっていない;しかし、傷害した神経および隣接した
神経は、低レベルの刺激に対してより敏感になるようで
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニューロパ
シー性疼痛疾患の進行を阻害するための医薬の製造にお
けるωコノペプチドの使用を目的とする。本発明はま
た、患者への硬膜外投与に適切な医薬の製造におけるω
コノペプチドの使用、およびそのような医薬に使用され
るωコノペプチドを安定化するに適切な処方物を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、N型電位感受
性カルシウムチャンネル(VSCC)をブロックするωコノペ
プチドが、特に、このような化合物が、時間と共に疼痛
徴候が悪化しないようなニューロパシー性疼痛の部位に
送達される場合、ニューロパシー性疼痛疾患の進行を防
止するという発見に基づく。
【0010】本発明はまた、疼痛処置のためのωコノペ
プチドの新規の投与経路を開示する。ωコノペプチドの
親水性の荷電した性質および脊髄髄膜の透過特性を考慮
して、以前は、ωコノペプチドの硬膜外投与が、膜透過
増強剤の添加を必要とすることが信じられていた。本発
明の1つの発見によれば、ωコノペプチドは、膜透過増
強剤の非存在下で硬膜下腔内投与(例えば、脊髄液への
直接送達)に使用する効果的な鎮痛薬用量に匹敵し得る
用量で硬膜外投与される場合、疼痛の軽減を提供し得
る。本明細書中に記載されるように、このような硬膜外
投与は、投与される化合物が硬膜外腔と、そしてより特
定すると脊髄髄膜との、接触を延長させて配置されるよ
うに行われる場合、特に効果的である。改良された方法
は、硬膜外投与が、化合物の脊髄内投与よりも技術的に
傷害を与えることがより少なく、そして患者への危険が
より少ないという利点を有する。
【0011】本発明はまた、この化合物を含有する溶液
に安定性を与えるωコノペプチドの改良された処方物を
開示する。このような処方物は、延長した(連続投与)
処置方法に特に有用である。これらの安定化した処方物
はまた、コノペプチド溶液の長期保存に有用である。
【0012】1つの局面では、本発明は、化合物が被験
体の神経傷害の進行部位に投与される場合、ニューロパ
シー性疼痛により特徴付けられるニューロパシー性疼痛
疾患の進行を阻害するための医薬の製造におけるN型カ
ルシウムチャンネルのアンタゴニストであるωコノペプ
チドの使用を包含する。ωコノペプチドは、 (a)モルモ
ットの回腸の電気的に刺激された収縮を阻害し、そして
(b)ωコノペプチドMVIIA結合部位からMVIIAを置換する
化合物の能力により示されるように、神経組織に存在す
るωコノペプチドMVIIA結合部位に対して選択的に結合
する能力により特徴付けられる。
【0013】好ましい実施態様によれば、医薬に使用さ
れるωコノペプチドはさらに以下により特徴付けられ
る: (i)モルモットの回腸収縮の阻害のような活性、および
ωコノトキシンMVIIAおよびTVIAのこのような活性の範
囲内である、MVIIA結合部位に選択的な結合の活性(ま
たは能力); (ii)MVIIA結合部位に対する結合親和性の部位2ωコノ
ペプチド結合部位に対する結合親和性に対する選択性の
比率(これは、ωコノペプチドMVIIA/SNX-111、SNX-19
9、SNX-236、SNX-239、およびTVIA/SNX-185に対して決
定される選択性の比率の範囲内である)により示され
る、MVIIA部位選択的結合の活性(または能力); (iii)メチオニン酸化を防止するに効果的な抗酸化剤の
含有; (iv)傷害した神経部位でのニューロパシー性疼痛疾患の
進行の阻害における末梢神経投与による使用;または (v)ωコノペプチドTVIA/SNX-185、MVIIA/SNX-111、SNX-
236、SNX-159、SNX-239、SNX-199、SNX-273、SNX-279、
およびそれらの誘導体からの選択。
【0014】他の局面では、本発明は、ωコノペプチド
およびカルボン酸緩衝液抗酸化剤組成物を含有する安定
なωコノペプチド処方物を包含する。好ましい実施態様
では、カルボン酸緩衝液は乳酸塩緩衝液であり、そして
また、遊離のメチオニンを含有し得る。
【0015】別の局面では、本発明は、硬膜外投与によ
り被験体で痛覚脱失を生じる医薬の製造における、N型
電位感受性カルシウムチャンネルをブロックするωコノ
ペプチドの使用を包含する。この医薬で使用されるωコ
ノペプチドは、上記と同じインビトロ活性を有する。硬
膜外医薬は、同等の期間にわたって投与される硬膜下腔
内の痛覚脱失に効果的な用量の範囲内の用量で提供され
る。好ましい実施態様では、医薬に使用するために選択
されるωコノペプチドは、以下により特徴付けられる: (i)MVIIA結合部位への結合と部位2ωコノペプチド結合
部位への結合の選択性の比率(これは、ωコノペプチド
MVIIA/SNX-111、SNX-199、SNX-236、SNX-239、およびTV
IA/SNX-185に対して決定される選択性の比率の範囲内で
ある); (ii)MVIIA/SNX-111、TVIA/SNX-185、SNX-236、SNX-15
9、SNX-239、SNX-199、SNX-273、SNX-279、およびそれ
らの誘導体からなる群より選択されるωコノペプチドの
医薬への含有; (iii)連続的注入による医薬の投与;または (iv)硬膜外領域とコノペプチドとの延長された接触をも
たらすための持続放出処方物の含有。
【0016】別の好ましい実施態様では、硬膜外投与の
ための医薬は、1またはそれ以上のωコノペプチドMVII
A/SNX-111、TVIA/SNX-185、SNX-236、SNX-159、SNX-23
9、SNX-199、SNX-273、SNX-279、およびそれらの誘導体
を含み得る。
【0017】さらに別の関連した実施態様では、本発明
は、配列:CKGKGAKCSRLAYDCCTGSCRSGKCを有するωコノ
ペプチドSNX-273を包含する。本発明はまた、配列:CKG
KGAKCSRLM(O)YDCCTGSCRSGKC(ここで、M(O)は、酸化さ
れたメチオニン残基を示す)を有するωコノペプチドSN
X-279を包含する。これらのωコノペプチドは両方と
も、痛覚脱失特性を有し、そして上記の医薬に含有され
るために適切である。
【0018】本発明のこれらおよび他の目的および特徴
は、以下の本発明の詳細な説明を添付されている図面と
共に読んだ場合、より完全に明らかとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
I.定義:別に指示のない限り、以下の用語は、以下のよ
うな定義を有する:「疼痛」は、体性(侵害受容性)疼
痛およびニューロパシー性疼痛の両方を包含する。
【0020】「体性疼痛」および「侵害受容性疼痛」
は、皮膚、基礎を成す組織、または内臓に由来するあら
ゆる種々の有害な刺激または痛みの刺激から生じる疼痛
をいうために交換可能に使用され、そして、これは、末
梢の侵害受容性求心性C-神経線維およびA-神経線維(こ
れは、脊髄の背側根に突き出ており、そして、これは特
定の脳領域に求心性を有するシナプスを形成する)を活
性化する。
【0021】「ニューロパシー性疼痛」は、末梢または
中枢の体性感覚経路における傷害または慢性変化から生
じる。複雑で種々の病因がある。
【0022】ニューロパシー性疼痛を生じる、基礎を成
す末梢神経の傷害は、代表的には、末梢神経、神経叢、
または神経周囲の軟組織への外傷または傷害のためであ
る。ニューロパシー性疼痛はまた、ガン、骨変性疾患、
およびAIDSを含む1またはそれ以上の多くの基礎を成す
病状の結果であり得る。この型の疼痛は、上で議論した
ように多くの形態で存在し得るが、これは、代表的に
は、苦痛領域における疼痛の持続する感覚と付随し得る
感覚刺激に対する過敏症を包含する。ニューロパシー性
疼痛のこれらの種々の基礎を成す原因は、集合的に「ニ
ューロパシー性疼痛疾患」と呼ばれる。
【0023】「ニューロパシー性疼痛疾患の進行」は、
時間の経過に伴うニューロパシー性疼痛の徴候の悪化を
いう。治療法は、このような徴候の悪化を防止または阻
害する場合、ニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害ま
たは遅延させるといわれている。ニューロパシー性疼痛
疾患の特定の例は、中枢性のニューロパシー(例えば、
脊髄の傷害により生じ得る)、末梢性のニューロパシー
(例えば、反射性交感神経性ジストロフィー症(RS
D))、帯状疱疹ニューロパシー、および糖尿病性ニュー
ロパシー、末梢神経の傷害の結果であるニューロパシ
ー、ならびに未知の原因に関連するが、ニューロパシー
性疼痛の古典的徴候を示すニューロパシー性疼痛(例え
ば、知覚過敏症、異痛症、および痛覚過敏性)を包含す
るが、それらに限定されない。
【0024】「神経周囲投与」は、神経またはその周辺
への、特に傷害した神経への治療剤の適用を意味する。
【0025】「硬膜外投与」は、硬膜と脊髄管内の脊髄
を取り囲むクモ膜との間の領域として定義される硬膜外
腔への化合物の投与をいう。
【0026】「硬膜下腔内投与」は、脊髄のクモ膜下腔
への化合物の投与をいう;クモ膜下腔にとは、クモ膜と
脊髄を取り囲む柔膜との間の領域を意味する。
【0027】「神経傷害の進行部位における」医薬の投
与は、冒された神経、ガングリオン、脊髄シナプス、ま
たは冒された組織領域に非常に近接して医薬を置く任意
の手段を包含する。この用語により包含される投与態様
は、神経周囲投与、硬膜外投与、硬膜下腔内投与、およ
び静脈内投与を包含するが、これらに限定されない。
【0028】「活性なωコノペプチド」は、 (a)N型電
位感受性カルシウムチャンネルをブロックし、(b)特定
の構造的制約に従い、そして(c) (i)モルモット回腸の
電気的に刺激された収縮を阻害し、そして(ii)神経膜の
MVIIA結合部位に結合するインビトロ活性を特定したペ
プチドをいう。このペプチドは、25〜35アミノ酸長であ
り、そして本明細書中の第IIA項に記載されたように、
他の配列制約に従う。インビトロ活性は、好ましくは、
適切なアッセイでωコノペプチドMVIIAおよびTVIAにつ
いて測定された活性の範囲内である。
【0029】II.治療医薬の調製 この項では、本発明に従って、ニューロパシー性疼痛疾
患の進行の阻害に使用するための、ωコノペプチド組成
物の調製について記載する。
【0030】A.活性なωコノペプチド ωコノペプチドは、Conus属のマリンスネイル(marine
snail)により産生されるペプチド毒素またはそれに由
来する成分であり、これは、カルシウムチャンネルブロ
ッカーとして作用する(Grayら、1988)。8つの天然に生
じるωコノペプチドの一次配列を、図1および図2に示
す。ここで、SNX-231は、MVIIC/SNX-230のオルタナティ
ブ形態である。慣用の頭文字がアミノ酸残基に対して使
用され、そしてXは4-ヒドロキシプロリン、および省略
された4Hypを表す。図中に示すペプチドは全て、それぞ
れのC末端でアミド化される。
【0031】1.活性なωコノペプチドの構造的特徴 本発明の医薬を形成するに有用なωコノペプチドは、以
下に記載のような特定の物理的および化学的な制約に従
う。一般に、この処置方法に有用なωコノペプチドは、
25〜35アミノ酸長であり、そして3つのジスルフィド結
合を特定の位置に有する。この項は、鎮痛性のωコノペ
プチドの選択のためのさらなるガイダンスを提供する;
しかし、以下で提供されるガイダンスが、本明細書中に
記載されたインビトロの予言的アッセイに対して補助的
であることが認められる。
【0032】完全な配列が公知であるペプチドの配列類
似性分析(図6)に基づいて、天然に生じる活性なωコ
ノペプチドを、それぞれ群に区別される内部相同性を有
する異なる群IおよびIIに、図6により認められ得るよ
うにグループ分けし得る。第3の群は、不活性ペプチド
SNX-231、ならびにSVIA(SNX-157)および神経膜上のMVII
A部位に対する結合活性および/またはノルエピネフリ
ン阻害の活性が、活性化合物の範囲外であるωコノペプ
チドを包含する。
【0033】ωコノペプチドの3群は、6つのCys残基
を整列させた図6に配置され、これは、これらの残基を
1、8、15、16、20、および28位に配置する。この整列
を作るために、ギャップをこれら3群に示す位置に導入
した。以下の分析では、これらのギャップは、それら
が、活性なωコノペプチドのそれぞれの群でアミノ酸欠
失を示す場合でさえも、図中に示す指定された数を保っ
ている。
【0034】一次配列のみに基づく、ペプチドの配列変
異を、以下の制約を採用して分析した: 1.両方の活性群(IおよびII)のペプチドは、1、
8、15、16、20、および28位にCys残基を含有する。
【0035】2.活性群のペプチドは、1と16、8と2
0、および15と28位のCys残基で連結する3つのジスルフ
ィド結合を含有する。この制約は、3つの選択された架
橋の形成を防止さもなければ妨害する他の位置のアミノ
酸変異を除く。
【0036】3.I群内では、7つの非保存残基で生じ
たアミノ酸変異が許容され、そしてカルボキシ末端がア
ミド化されているか、または遊離酸形態を有するペプチ
ドを包含する。つまり、第1の群の化合物の誘導体は、
以下の形態を有するペプチド構造を包含する:CKGKGA-X
1-C-X2-X3-X4-X5-YDCCTGSC-X6-R-X7-GKC-t、ここで、X
1はKまたはS;X2はSまたはH;X3はR、L、また
はA;X4はLまたはT;X5はMまたはS;X6はNま
たは欠失;X7はSまたは欠失、および、tはカルボキ
シ基またはアミド化されたカルボキシ末端基である。
【0037】4.II群内では、4つの非保存残基で生じ
たアミノ酸変異が許容され、そしてカルボキシ末端がア
ミド化されているか、または遊離酸形態を有するペプチ
ドを包含する。従って、第2の群の化合物の誘導体は、
以下の形態を有するペプチド構造を包含する:CLSXGSSC
S-X1X2X3-YNCCRSCN-X4-YSRKCR-t、ここで、X1はXまた
はR;X2はTまたはL;X3はSまたはM;X4はXま
たはP、および、tはカルボキシ基またはアミド化され
たカルボキシ末端基である。
【0038】5.両方の活性な群を一緒に考慮すれば、
全ての活性な種で保存されるアミノ酸位置は保存されて
いる。従って、例えば、Cys残基、5位のグリシン、13
位のチロシン、19位のセリン、および26位のリジンは全
て保存されている。好ましいOCTアナログまたは誘導体
は、配列間保存および置換を目的として、活性であるこ
とが公知の配列を比較することにより選択され得る。
【0039】6.両方の活性な群を一緒に考慮すれば、
活性種の範囲内で変異し得るようなアミノ酸位置が存在
する。例えば、2位のアミノ酸はリジンまたはロイシン
であり得、3位のアミノ酸はグリシンまたはセリンであ
り得、そして4位のアミノ酸はヒドロキシプロリンまた
はアルギニンであり得る。さらに、変異位置の2または
それ以上のアミノ酸が通常の置換クラスである場合、こ
のクラス内の置換は有利であり得る。標準的な置換クラ
スは、通常の側鎖の特性、および、例えば、標準的なDa
yhoff頻度交換マトリックス(Dayhoff)により決定される
ような、天然の相同なタンパク質の最も高い置換頻度に
基づく6つのクラスである。これらのクラスは、クラス
I:Cys;クラスII:小さな脂肪族側鎖およびOH基の側
鎖を表す、Ser、Thr、Pro、Hyp、Ala、およびGly;クラ
スIII:中性の側鎖および水素結合を形成し得る負に荷
電した側鎖を表す、Asn、Asp、Glu、およびGln;クラス
IV:塩基性の極性側鎖を表す、His、Arg、およびLys;
クラスV:分枝した脂肪族側鎖を表す、Ile、Val、およ
びLeu、ならびにMet;およびクラスVI:芳香族側鎖を表
す、Phe、Tyr、およびTrp。さらに、それぞれの群は、
関連するアミノ酸アナログ(例えば、クラスIVにおける
オルニチン、ホモアルギニン、N−メチルリジン、ジメ
チルリジン、またはトリメチルリジン、およびVI群にお
けるハロゲン化チロシン)を包含し得る。さらに、この
クラスは、L−アミノ酸が置換に好ましいとはいえ、L
およびDの立体異性体を両方とも包含し得る。
【0040】7.公知の不活性種(III群)を考慮すれ
ば、不活性種に存在するが、活性種には存在しないアミ
ノ酸への任意の選択した残基の位置での置換は、活性化
合物での活性を保存するために好ましくない。
【0041】上記のアミノ酸の選択ルール6〜7は、活
性なωコノペプチド内の許容されるアミノ酸置換のため
のガイドとして意図される。アミノ酸置換またはアミノ
酸改変が作られると、ペプチドは、カルシウムチャンネ
ルアンタゴニスト活性の前兆として本発明により同定さ
れる必須のインビトロ特性、および疼痛の適切な動物モ
デルに必須のインビボ特性について、さらにスクリーニ
ングされる。
【0042】2. 活性ωコノペプチドのインビトロ特性
および薬理学的特性 この節は、活性ωコノペプチドのインビトロ特性を記載
する。活性ωコノペプチドは、(i)N型電位感受性カ
ルシウムチャンネルをブロックし、(ii)ニューロン膜
のωコノペプチドMVIIA(部位1)結合部位に、選択
的、特異的に結合し、そして(iii)以下に考察される
ように、モルモット回腸収縮アッセイにおいて神経伝達
物質の放出を阻害する。
【0043】a. カルシウムチャンネルアンタゴニスト
活性
【0044】活性ωコノペプチドは、N型電位感受性カ
ルシウムチャンネル(VSCC)を通過するカルシウムイオ
ンの透過を阻害する。N型VSCCの遮断を、米国特許第5,
364,842号に記載のように、単離された細胞系(例え
ば、マウス神経芽細胞腫細胞株、N1E115株、またはヒト
神経芽細胞腫細胞株IMR32 )において測定し得る。N型
カルシウム電流は、ωコノペプチドMVIIAによりブロッ
クされるが、ジヒドロピリジンにより阻害されない。膜
電流は、実施例1に詳細に記載される手順により、ホー
ルセル形態のパッチクランプ法で簡便に測定される。
【0045】図7は、−80mVから−20mVまでの電位ステ
ップにより誘導された内向きカルシウム電流のトレース
を示す。ここでバリウム(Ba)を、カルシウムチャンネ
ルを通過する電荷キャリアーとしてカルシウム(Ca)と
置換した(McCleskey, E.W.ら、Proc.Natl.Acad.Sci. U
SA 84:4327-31 (1987))。曲線aは、ニフェジピン存在
下でのコントロールトレースを示す。ニフェジピンは、
L型カルシウムチャンネルブロッカーであり、このチャ
ンネルの電流特性に影響しなかった。曲線b〜dは、漸増
濃度(increasing concentration)のωコノペプチドMV
IIAを添加することによる、チャンネルの遮断を示す。
本発明の医薬において用いられるコノペプチドもまた、
この電流をブロックする。
【0046】b. ωコノペプチドレセプターへの特異
的、高親和性結合 活性ωペプチドの特徴は、ニューロン組織中に主に存在
する結合部位の特定の集団に結合するそれらの能力であ
る。ジヒドロピリジンおよび他のL型チャンネルブロッ
カーは、これらの部位からωコノトキシン結合と置換し
ない。
【0047】この結合親和性は、高親和性MVIIA(SNX-1
11)結合部位(本明細書中で「部位1」とも呼ばれる)
についての化合物の結合定数、および/または高親和性
SVIB(SNX-183)またはMVIIC(SNX-230)結合部位(本
明細書中で「部位2」とも呼ばれる)についての化合物
の結合定数により特徴付けられ得る。これらの2つの別
個の結合部位の特徴は、下記に要約される。この2つの
結合部位への結合について測定されたωコノペプチドの
結合定数の比率により、ωコノペプチドを特徴付けるこ
ともまた、有用である。
【0048】ニューロン組織中のMVIIA結合部位への結
合は、様々な細胞タイプおよびシナプトソームの細胞画
分において実証され得る。1つの好ましいシナプトソー
ムの画分は、哺乳動物の脳シナプトソーム膜標本(例え
ば、本明細書の実施例2に記載されるラット脳シナプト
ソーム標本)である。MVIIA結合部位についての化合物
の結合定数は、代表的には、競合置換アッセイにおいて
測定される。ここで試験化合物は、シナプトソーム標本
への結合について放射性標識MVIIA(SNX-111)と競合す
る。
【0049】平衡飽和結合実験の従来のスキャッチャー
ド分析を用いて、約10pMのKd結合定数を、ラットシナプ
トソーム膜へのωコノペプチドMVIIAの結合について計
算した。同様に、Kdを、シナプトソーム膜中の結合部位
への放射性標識SVIB(SNX-183)およびMVIIC(SNX-23
0)の結合について測定した。
【0050】結合部位に対する試験N型VSCCブロック化
合物の結合定数を測定するために、この試験化合物を、
漸増濃度で、膜標本(例えば、シナプトソーム標本)
に、標準濃度の放射性標識ωコノペプチドMVIIA(SNX-1
11)の存在下で添加する。次いで、シナプトソーム材料
を迅速に濾過し、洗浄し、そして結合した放射標識につ
いてアッセイする。競合置換結合曲線(例えば、図8に
示されたMVIIA結合の置換についての曲線)を分析し、M
VIIA結合部位に対するこの化合物のIC50値(すなわち、
標識MVIIAペプチドの50%置換を得る濃度)をまず測定
する。Kiを、実施例2に詳細に記載されるように、MVII
AのKd値およびこの化合物のIC50値から標準的な方法に
より決定する。相対的な効力値もまた、記載のように、
この情報から計算し得る。Ki値のように、この値は、僅
かに異なる条件下または異なる時間で実施されたアッセ
イ間の比率較を可能にする。特定の化合物に対して特異
的なIC50値は、標本間で変化し得るが、化合物間の結合
親和性の順位序列は、実験間で本質的には変化しないま
まであるはずである。本発明の医薬中に含有されること
に有用であるか否かを決定するために、化合物を試験す
る場合、この試験化合物の効力を、所定の標本中の標準
化合物(例えば、MVIIAおよびGVIA)と比率較し、以下
に記載のように、本発明の方法において有用とみなされ
る効力の範囲内でこの試験化合物が、MVIIA結合と置換
するか否かを決定する。
【0051】ラットシナプトソーム標本におけるMVIIA
(「部位1」)結合部位へのMVIIA(SNX-111)の結合に
ついて、多数のωコノペプチドに対して計算されたIC50
値を表1に示す。化合物を、IC50値が増加する順番に配
列する。ここでより低い値は、この結合部位についてよ
り高い親和性と関連する。
【0052】
【表1】
【0053】同様に、「部位2」(SVIB/SNX-183または
MVIIC/SNX-230)結合部位に結合する化合物についてのI
C50値およびKi値を、上記のように、シナプトソーム標
本に対する標識SVIB(SNX-183)またはMVIIC(SNX-23
0)結合のKdを決定し、次いで試験化合物による標識化
合物の競合置換を用いて、試験化合物のIC50およびKi
たは相対的な効力値を決定することにより計算し得る。
図9は、SVIB(SNX-183)および/またはMVIIC(SNX-23
0)結合部位への結合を検査したいくつかのωコノペプ
チドについてのコンピュータでフィットさせた競合結合
曲線を示す。これらの曲線から、IC50値を決定した。
【0054】表2および表3は、部位1および部位2結
合部位への種々のωコノペプチドの結合についての相対
的な効力を列挙する。これらのデータは、Ki(表2)値
またはIC50(表3)値のいずれかが、部位への結合に対
する選択性の比率を計算するためにいかにして用いられ
得るかを説明する。
【0055】一般的に、本発明の医薬を形成することに
おいて有用なωコノペプチドは、ωコノペプチドMVIIA
およびTVIAについて測定された親和性の範囲内で、MVII
A部位に対する結合親和性、または部位2に関するMVIIA
部位に対する選択性の比率を有する。より一般的には、
選択性の比率の範囲は、ωコノペプチドMVIIA/SNX-11
1、SNX-199、SNX-236、SNX-239およびTVIA/SNX-185によ
り規定される。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】c. 神経伝達物質の放出の選択的阻害 活性ωコノペプチドはまた、神経系の種々の領域におい
て神経伝達物質の放出を阻害する。本発明の種々の局面
に従って測定され得る神経伝達物質は、ドーパミン、ノ
ルエピネフリン、アセチルコリン、GABA、グルタミン
酸、および多数のペプチド神経伝達物質(例えば、カル
シトニン遺伝子関連ペプチド)を包含するが、これらに
限定されない。
【0059】単離組織アッセイは、神経伝達物質放出に
対する効果を測定するための伝統的な薬理学的方法であ
る。1つのこのような標本は、モルモット回腸であり、
ここで電気刺激による収縮の阻害が、アセチルコリン放
出の阻害と相関する。実施例4は、この標本およびアッ
セイを詳細に記載する。表4は、電気刺激に対するモル
モット回腸の収縮における種々のωコノペプチドについ
てのIC50値を示す。活性ωコノペプチドSNX-111およびS
NX-185は、このような収縮を阻害することにおいて最も
強力であるが、一方不活性化合物SNX-183およびSNX-157
は、非常に効力が弱い。
【0060】
【表4】
【0061】要約すると、本発明の医薬の製造において
有用であるN型VSCCブロックωコノペプチドは、ωコノ
ペプチドMVIIA/SNX-111、TVIA/SNX-185、SNX-236、SNX-
159、SNX-239、SNX-199、SNX-273、およびSNX-279につ
いて観測されるように、モルモット回腸における電気刺
激による収縮を阻害することにおいて、およびニューロ
ン組織中のMVIIA結合部位に選択的に結合することにお
いて、特定のインビトロ特性および薬理学的特性を示
す。
【0062】一旦、前記のインビトロの基準に従って医
薬における使用について選択されると、活性ωコノペプ
チドは、ヒトについての投与量の範囲を決定するため
に、ニューロパシーの多数の実験動物モデルのいずれか
において試験され得る。
【0063】B. ωコノペプチドの調製 ωコノペプチドは、従来の合成法により生成し得るか、
または天然の供給源から単離し得る。同一の配列を有す
る合成ペプチドおよび天然に存在するペプチドは、本明
細書中で記載される医薬において使用される場合、実質
的に同一にふるまう。示された全てのωコノペプチド
は、図3においてMVIIAペプチドについて示されるよう
に、システイン残基1と4とを、2と5とを、および3
と6とを接続する3つのジスルフィド結合を有する。図
3〜5は、本発明に従って合成および試験された天然の
ωコノペプチドMVIIA、TVIA、およびSVIBのアナログま
たは誘導体を示す。標準的なアミノ酸1文字表記を図中
で用いる;さらに、以下の略語を用いる:X=ヒドロキシ
プロリン;Nle=ノルロイシン;Met(O)=スルホキシメチ
オニン;C末端のNH2基は、このペプチドがC末端でアミ
ド化されていることを示す;G-OHは、未改変グリシン残
基で終止することを示す。
【0064】多数のωコノペプチドが、商業的供給源か
ら入手可能である(例えば、MVIIA、GVIA、MVIICは、Ba
chem、Torrance、CAから入手可能である;SVIBは、Peni
nsula Laboratories、Belmont、CAから入手可能であ
る)。ωコノペプチドはまた、従来の固相法(例えば、
(Olivera, B.ら、Biochemistry 23:5087-5090(1984);米
国特許第5,051,403号および第5,364,842号)に記載され
ている)により合成され得る。このペプチド中の3つの
ジスルフィド結合は、ジチオスレイトール(DTT)また
は任意に他のチオールを含有する化合物(例えば、シス
テイン、グルタチオン)の存在下での空気酸化により形
成され得、そして他(WO 93/13128)に記載される手順
によりさらに精製され得る。
【0065】C. ωコノペプチド処方物 水、生理食塩水、またはペプチド化学の分野で用いられ
る多数の緩衝液のいずれかに溶解する場合、ペプチド濃
度が約0.1mg/mlより少ないSNX-111の溶液は、迅速に酸
化する。このような酸化は、生物学的活性の減少または
喪失を生じる。本発明のある局面によると、ωコノペプ
チドは、ペプチド構造中に存在するメチオニン残基の酸
化を防止することにより、溶液中で顕著に安定化され得
ることが発見されている。特に、SNX-111(12位にメチ
オニンを含有する)は、そのメチオニンがスルホキシ形
態で存在する場合、ωコノペプチドMVIIA結合部位への
結合において約10倍弱い効力である。
【0066】本発明の支援として実施された実験では、
SNX-111の酸化が、ペプチド溶液へのカルボン酸(乳酸
塩)緩衝液の添加により防止され得ることが見い出され
た。0.01〜0.1mg/mlの範囲のSNX-111の溶液は、乳酸塩
(150mM, pH 4〜4.5)で安定化した場合、45℃で数週間
安定である。さらに、50μg/mlのメチオニンを含有する
緩衝液もまた、SNX-111を安定化することにおいて効果
的である。ここで、150mMの乳酸緩衝液または酸性化生
理食塩水(pH 4〜4.5)のいずれかを用いて、溶液を緩
衝し得る。
【0067】このような安定なωコノペプチド処方物
は、保存、または化合物の緩徐な注入を包含する方法に
おける使用に有用である。溶液は、処方物が用いられる
投与の特定の経路により、直接的に投与され得るか、ま
たは投与前に中和され得る。例えば、乳酸緩衝液(150m
M, pH 4〜4.5)中の約10μlのSNX-111は、目立った不都
合な効果を伴わずに、ラット脊髄(硬膜下腔内)へ直接
投与されている。図10は、メチオニン-乳酸処方物とし
て投与されたSNX-111が、ニューロパシー性疼痛を減少
させることにおいてSNX-111単独と同じくらい効果的で
あることを実証する実験の結果を示す。
【0068】さらなる処方物は、損傷した神経または標
的神経を包囲し得る、髄膜組織を通過するコノペプチド
の透過を増強する手段を包含し得る。化合物の輸送を増
強する手段は、当該分野で公知であり、そしてリポソー
ム膜中にコノペプチドをカプセル化すること、組成物へ
の界面活性剤の添加、イオン対化薬剤の添加などを包含
し得る。髄膜貫通輸送はまた、当該分野で周知の方法に
従い、髄膜関門を中断させるに効果的な高張性投薬溶液
を被験体に投与することにより促進され得る。あるい
は、髄膜貫通輸送または経皮的輸送は、ωコノペプチド
の一次配列を改変することにより、例えば、中性アミノ
酸側鎖または疎水性成分を陽イオン残基に置換すること
によりさらに促進され得る。
【0069】III. 処置方法 A. ニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害する医薬 ニューロパシー性疼痛疾患の進行は、上記の理学的およ
び薬理学的特徴を有する活性N型VSCCブロックωコノペ
プチドを被験体に投与することにより、特にこのような
投与がニューロパシー部位に限局される場合には、ニュ
ーロパシー性疼痛疾患の初期段階の症状を示す被験体に
おいて遅延され得る。
【0070】この節は、ニューロパシー性疼痛疾患の進
行を防止することに用いられ得る種々の投与形態を記載
する。この節はまた、ωコノペプチド医薬がこの疾患の
進行を防止するために用いられる異痛症(弱い刺激に対
する感受性)により特徴付けられるニューロパシー性疼
痛疾患のモデル例を記載する。
【0071】1. ニューロパシー性疼痛の進行の阻害 実施例5に記載のラット異痛モデルは、ニューロパシー
性疼痛疾患のモデル例である。このモデルは、本発明の
医薬が、ニューロパシー性疼痛の進行を阻害するため
に、いかにして用いられ得るかの例を提供する。さら
に、このモデルは、ニューロパシー性疼痛の進行を阻害
することに効果的な介入および治療法を評価するために
用いられている。
【0072】このモデルでは、実験的な神経結紮の後、
ニューロパシー性疼痛の症状が、神経傷害後1〜7日目
にわたって増加し、その後疼痛応答のプラトーを伴う。
上記の第II節で概説された原理に従って選択された活性
ωコノペプチドは、神経傷害の直前、神経侵害の間、ま
たは神経傷害の後に試験被験体にこの化合物を投与する
ことにより、1〜7日目の間このようなニューロパシー
の進行を阻害または防止する能力について評価される。
疼痛応答の閾値は、結紮傷害の後、1〜7日目、または
より後の日に標準的なパラダイムにおいて測定される。
このようなωコノペプチド投与は、以下の小節2に記載
の任意の方法により実施される。
【0073】このモデル例において、ニューロパシー性
疼痛疾患の進行の阻害は、コントロールのニューロパシ
ー動物と比率較して、1〜7日目の間疼痛刺激に対して
高められた閾値が存在する場合、またはプラトーまでの
時間の延長が存在する場合に観測される。
【0074】このモデルにおいて決定される効果的な投
薬量および処方物は、当該分野で周知の方法により、等
価な大きな動物およびヒトへの投薬量に外挿され得る。
【0075】2.ニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻
害するための活性ωコノペプチドの投与形態 この節は、ニューロパシー性疼痛の進行を阻害するため
に、本発明に従って、この進行の部位に活性ωコノペプ
チドを送達するために用いられ得る投与の種々の態様を
記載する。
【0076】神経周囲投与。 N型VSCCブロックωコノ
ペプチドを含有する医薬は、ニューロパシー性疼痛疾患
の進行を防止するために神経周囲に投与され得る。ここ
で、化合物は、影響を受けた神経に、または神経損傷に
引き続く神経突起伸長物の増殖により特徴付けられる影
響を受けた皮膚領域のいずれかに直接投与される。影響
を受けた皮膚領域への投与のために、化合物は、直接的
か、または経皮用塗布器の使用を伴うかのいずれかで、
局所的に送達され得る。
【0077】あるいは、医薬は、神経の領域に皮下に注
射され得る。神経周囲投与の他の形態では、損傷神経の
周りのカフであり、ここでカフは、治療的なN型カルシ
ウムチャンネルブロック化合物を含有する生物分解性の
マトリックスから形成される。あるいは、またはさら
に、治療的化合物は、損傷神経を修復するために設計さ
れた神経添え木(nerve splint)に化合物を結合するか
またはこれに化合物を被覆することにより、損傷神経に
極めて近接して配置され得る。このような神経添え木の
例は、米国特許第4,534,349号および第4,920,962号によ
り提供される。神経周囲送達はまた、活性ωコノペプチ
ドを縫合材に取り込ませること(例えば、米国特許第5,
308,889号に記載のコラーゲンベースの縫合材)によ
り、達成され得る。次いでこの材料は、外傷または手術
に起因するような損傷組織を縫合するために用いられ
る。
【0078】この化合物はまた、経皮送達により神経周
囲部位に送達され得る。一般に、経皮送達は、選択され
た皮膚領域への化合物の緩徐な送達を可能にする経皮
「パッチ」の使用を包含する。ωコノペプチドの経皮送
達のために、経皮送達は、好ましくは、イオン導入法
(例えば、米国特許第5,032,109号に記載(電解経皮送達
システム)および米国特許第5,314,502号に記載のもの)
を用いて実施され得る。透過増強物質(例えば、脂溶性
物質(例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族アルコー
ル)、または水溶性物質(例えば、エチレングリコー
ル、1,3-プロパンジオール、グリセロール、プロピレン
グリコールなどのようなアルカンポリオール))を含有
することが望ましくあり得る。あるいは、米国特許第5,
362,497号は、経皮送達をさらに増強するために経皮処
方物に添加され得る「超吸水性樹脂」を記載している。
このような樹脂の例は、ポリアクリレート、鹸化ビニル
アセテート−アクリル酸エステルコポリマー、架橋ポリ
ビニルアルコール−マレイン酸無水物コポリマー、鹸化
ポリアクリロニトリルグラフトポリマー、デンプンアク
リル酸グラフトポリマーなどを含むが、これらに限定さ
れない。このような処方物はまた、問題の領域への閉鎖
包帯剤において使用され得る。
【0079】遅延放出のために、N型VSCCブロック化合
物は、緩徐な放出のために処方される薬学組成物(例え
ば、当該分野において公知の生体適合性ポリマーから形
成されたマイクロカプセル)中に含有され得る。ペプチ
ドの連続的な放出のために、このペプチドは、水溶性ポ
リマー(例えば米国特許第5,320,840号に記載のポリラ
クチド(polylactide)、または両親媒性ブロックコポ
リマーから誘導される生物分解性ヒドロゲル)と共有結
合し得る。米国特許第5,024,841号に記載のような、コ
ラーゲンベースのマトリックスインプラントもまた、ペ
プチド治療剤の持続性送達に有用である。液体形態で送
達後に、自己硬化性である生物分解性ポリマーおよび液
体形態で送達後にインサイチュでインプラントを形成す
る生物分解性ポリマーを含有する組成物もまた、神経周
囲領域への皮下の緩徐な放出について特に有用である。
このような組成物は、例えば、米国特許第5,278,202号
に記載される。
【0080】投薬量は、個々の患者の身体的特性に従っ
て変化するが、用量は、影響を受けた領域中約1μg/g
組織と100μg/g組織との間の送達を提供するように選択
されるべきである。
【0081】硬膜下腔内投与。 本発明の医薬はまた、
痛覚の多シナプス中継が生じる脊髄の領域(例えば、影
響を受けた脊椎レベルの後角領域)に投与され得る。こ
のタイプの局所適用は、WO93/13128に記載のような、硬
膜下腔内投与により達成され得る。
【0082】活性ωコノペプチドは、緩徐な注入により
硬膜下腔内に投与され得る。調節された速度で化合物を
送達することに有用な多数の移植可能なポンプまたは身
体に据え付け可能なポンプが当該分野で公知である。米
国特許第4,619,652号に記載されるこのようなポンプの
1つは、持続性(tonic)流速で、または周期性パルス
において化合物を送達するために用いられ得る身体に据
え付け可能なポンプである。活性ωコノペプチドMVIIA
が、硬膜下腔内経路により連続的なフローで、ヒトに投
与される場合、0.1〜500ng/kg/時のおよその範囲の用量
が、化合物の治療濃度を達成するために必要とされ得
る。
【0083】硬膜外投与。 脊髄領域への送達はまた、
くも膜外部の脊髄の領域への硬膜外注射により行われ得
る。この経路によるωコノペプチドの投与ついて、髄膜
を通過するコノペプチドの透過を増強するための手段
を、コノペプチド組成物に添加することに好都合であり
得ることがさらに理解される。このような手段は、当該
分野で公知であり、そしてリポソームのカプセル化、ま
たはペプチド組成物への界面活性剤またはイオン対化薬
剤(ion-pairing agent)の添加を包含する。あるい
は、またはさらに、増加したくも膜透過は、髄膜関門の
透過性を増加させるのに効果的な高張性の投薬溶液を投
与することにより達成され得る。
【0084】本明細書中に記載される本発明の他の局面
により、活性ωコノペプチドの硬膜外投与はまた、膜透
過化薬剤の添加を伴わずにωコノペプチドを硬膜外投与
することにより実施され得る。本発明のこの局面は、下
記の第IIIB節で考察される。
【0085】静脈内投与。 活性ωコノペプチドの静脈
内投与は、上記の処置原理に従って、神経周囲領域およ
び/または脊髄のシナプスにおいて、化合物の治療的な
濃度を達成するために用いられ得る。ωコノペプチドの
効果的な脊髄内レベルを達成するために、ラットにおけ
る0.1〜15mg/kgの範囲の用量と等価なヒト用量が必要と
され得る。さらに、この化合物は、治療レベルを達成す
るために1〜10mg/kg/時の速度での連続的な静脈内注入
により投与され得る。
【0086】B. 硬膜外投与による疼痛の処置のための
医薬 組成物への膜透過化薬剤の添加を伴わないωコノペプチ
ドの硬膜外投与により、痛覚脱失を生じ得ることが本発
明のさらなる発見である。この知見は、ωペプチドの親
水性、荷電特性、およびこのような物理化学的特性を有
する化合物に対する上皮空間を取り囲む髄膜の比率較的
低い透過性に基づくと予想外である。
【0087】この予想外の結果は、本発明の支援として
実施された実験の結果により部分的に説明され得る。特
定の機構理論に同意(subscribing)することなく、こ
のような結合は、インビボで観察された結果の理論的根
拠を提供し得る。この実験の結果から、脊髄の髄膜は、
ωコノペプチドについて特異的で、比率較的低い親和性
の結合部位を有すること(実施例3、図11)が決定され
た。競合結合曲線は、低い非特異的結合(約20%)、お
よび単一の低親和性部位への結合に一致する、1に近い
Hill係数を示す。計算されたIC50値は、41μMである。
【0088】本発明の支援として実施された実験におい
て、活性ωコノペプチド(上記に規定されるような)
は、これらの化合物の効果的な、硬膜下腔内(脊髄内)
用量に等しいか、またはこれより極僅かに高い用量でこ
れと同一の化合物が硬膜外に投与される場合、被験体に
おいて痛覚脱失を生じ得ることは示されていない。実施
例5に記載される、末梢性ニューロパシーのラット異痛
症モデルに曝されたマウスにおいて決定された効果的な
硬膜下腔内用量は、0.1〜0.3μg(SNX-239、SNX-159、S
NX-273、 SNX-279、 SNX-111)の範囲である。連続的な
硬膜下腔内注入によって与えられる場合、痛覚脱失を生
じるために必要な活性ωコノペプチドの全用量は、ボー
ラス(bolus)用量とおおむね同一(2.4μgのSNX-111)
である。
【0089】本発明の支援として実施された模範的実験
において、30μgの硬膜外用量のSNX-111は、末梢性ニュ
ーロパシーにかかったラットにおいて痛覚脱失を生じる
に効果的である(図12)。この用量は、同一の実験モデ
ルにおけるSNX-111の硬膜下腔内用量の効果的な範囲
(3〜30μg)内である。0.5μg/時の定常性硬膜下腔内
注入(図13)または0.1、0.3、または1.0μg/時の定常
性硬膜外注入(図14)により投与される場合、より著し
く、活性ωコノペプチドSNX-111は、比率較可能な用量
で痛覚脱失を生じた。化合物がこの様式で投与される場
合、化合物は、硬膜外領域と長期にわたって接触する。
これらの結果から、このような長期にわたる接触が、硬
膜外投与において望ましいことが理解され得る。長期に
わたる接触を提供する他の有用な方法(例えば、持続性
放出処方物による)は、当該分野で公知であり、そして
上記の第IIIA2節に開示される。
【0090】本発明を実施する上で、疼痛を経験する被
験体は、標準的な硬膜外投与の手順により、その用語が
上記の第I節および第II節に定義されるような、効果的
な痛覚脱失用量の活性ωコノペプチドを与えられる。
「範囲内」とは、用量が効果的な硬膜下腔内用量のおお
よそ±1桁の範囲内であるべきであることを意味し、そ
してより好ましくは、この用量の±0.5対数ユニットの
範囲内であることを意味する。従って、上記の実施例に
おいて、総用量1〜3μgのSNX-111が、ラットにおいて痛
覚脱失を生じるに硬膜下腔内的に効果的な用量である場
合、硬膜外投与の範囲は、約0.1〜30μgである。
【0091】ヒトにおいて、SNX-111は、0.3ng/kg/時と
300ng/kg/時との間の用量で24時間の期間にわたって、
硬膜下腔内に連続的注入として与えられた場合、痛覚脱
失を提供することが見い出されている。正確な用量は、
被験体のサイズおよび他の生理学的な属性に依存する
が、ヒト硬膜外用量は、化合物が硬膜下腔内に与えられ
る場合に、痛覚脱失に必要とされる用量の範囲内であ
る。上記に基づいて、ヒトにおける効果的な硬膜外用量
は、0.3〜3000ng/kg/時の範囲内であることが予測され
得る。
【0092】硬膜外用量が、連続的注入により少なくと
も24時間与えられることが望ましいが、このパラメー
タ、および投薬量パラメータは、特定の患者の必要性に
従い、疼痛の薬物治療を調節する標準的な臨床プロトコ
ルの枠組み内で、臨床医により調整される。投薬量に関
するさらなる情報は、標準的な薬物動態学的原理に従っ
て、当該分野において公知の標準動物モデルに関して決
定され得る。
【0093】上記の末梢性ニューロパシーのラット異痛
症モデルに加えて、他の標準動物モデル(例えば、ラッ
トTail-Flickモデルまたはラットホルマリンモデル)
は、効力(efficacy)を決定するため、および活性ωコ
ノペプチドの硬膜外投与を用いて侵害受容性疼痛を処置
するための用量を見積もるために用いられ得る。一般
に、抗侵害受容性の用量は、ニューロパシー性疼痛に苦
しむ患者において痛覚脱失を生じるために必要な用量よ
りも少ない。
【0094】上記の第IIC節に記載のように、安定化さ
れた処方物は、硬膜外投与のための医薬を製造すること
において有用であり、従って本発明の一部を形成する。
投与の前に溶液を中和することが望ましいが、賦形剤と
してラクテートまたは酸性化生理食塩水を利用する処方
物はまた、急性の硬膜外または硬膜下腔内のボーラス注
射、または酸性化賦形剤が適切に使用される他の経路に
より直接的に投与され得る。中和は、必要である場合、
被験体への投与の直前に、薬学的に受容可能な中和賦形
剤緩衝液中への希釈により達成され得る。
【0095】以下の実施例は、本発明の方法の様々な特
徴を説明することを意図するが、本発明の範囲を限定す
ることを意図されない。
【0096】
【実施例】実施例1 カルシウムチャンネルアンタゴニスト活性:イオン電流
の阻害 カルシウムチャンネルを通過するイオン電流を、単一パ
ッチ-クランプ電極により電位固定した細胞において検
査した。種々の細胞タイプ(ヒト神経芽腫細胞株IMR-32
を含む)もまた、カルシウムアンタゴニスト活性を測定
するために使用され得るが、これらホールセルパッチク
ランプ研究を、N1E115マウス神経芽腫細胞で実施した。
【0097】A. 電流測定方法 他のチャンネルの非存在下でのカルシウムチャンネルの
測定を可能にするためにバス溶液(bath solution)を設
計した。溶液を、標準的なプロトコルに従って調製し、
そして80mM N-メチル-D-グルカミン(NMDG)(ナトリウム
の置換物として)、30mM テトラエチルアンモニウムクロ
ライド(TEACl)(カリウム電流をブロックするため)、10m
M BaCl2(カルシウムチャンネルを通過する電荷キャリア
として)、およびpH7.3の10mM HEPESを含んだ。いくつか
の溶液はまた、2mMのキニジン(カリウム電流をブロック
するため)および3μMテトロドトキシン(ナトリウム電
流をブロックするため)を含んだ。正常なバス生理食塩
水は:140mM NaCl、10mMグルコース、3mM KCl、2mM C
aCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES (pH7.3)であった。細胞
内溶液は、pH7.3〜7.4で150mM CsCl、0.5mM CaCl2、5m
M EGTA、5mM MgCl2、2mM K2ATPを含んだ。バス生理食
塩水および全ての内部溶液は使用する前に濾過した。
【0098】ピペットを、Corning 7052ガラス(Garner
Glass Company,Claremont,CA 91711)から作製し、Sylga
rd(Dow Corning,Midland,MI 48640)でコートし、そし
て使用前に火で磨いた(fire-polished)。バブルの数は
代表的には5〜6であり、ピペット抵抗は代表的には2
〜5Mohmであった。Corning 8161、Kimble、および他の
ガラスもまた使用したが、観察されるカルシウム電流に
顕著な効果はなかった。
【0099】Axopatch 1-C増幅器(Axon Instruments, F
oster City,CA 94404)を用いて、室温で記録を行い、そ
してpCLAMPソフトウエア(Axon Instruments)で解析し
た。代表的サンプリングレートである0.1kHzのために、
データを1000Hzのフィルターにかけた;解析をスクリー
ン上で実施し、Hewlett-Packard LaserJet Printer(Hew
lett-Packard,Palo Alto,CA 94306)で印刷した。
【0100】代表的な実験を次のように実施した:シー
ル形成に続いてのシリーズ抵抗補償および容量の一過性
キャンセル(capacitative transient cancellation)
後、電位固定プロトコルを実施した。ここで、細胞電位
を、保持電位(代表的には、−100mV)から試験電位にス
テップさせた。試験電位は、10mVずつ増加する−60mV〜
+20mVの範囲である。細胞を、パルス間の5秒間保持電
位で保持した。
【0101】B. 電流阻害測定 図7に記載のように、カルシウム電流トレースをN1E-11
5マウス神経芽腫細胞から得た。図において、時間は左
から右に読み、下向きのトレースは細胞内に流れ込む正
電流を示す。電流を、−100mVから−10mVまでの電位ス
テップによって誘導した。細胞を、NMDGでナトリウムを
置換し、2mMのCa++の代わりに10mM Ba++を含む生理食塩
水中に浴した。バス中のTEAおよびピペット溶液中のCs+
によって、カリウム電流をブロックした。
【0102】b-dと標記される図7の3つのトレース
は、10nM(b)、50nM(c)、そして200nM(d)とMVIIA ω-コ
ノペプチド濃度を増加させると、カルシウム電流は減少
することを示す。
【0103】実施例2 シナプトソーム膜におけるωコノペプチド結合部位に対
するωコノペプチド結合 A. 哺乳動物の脳シナプトソームおよびシナプトソー
ム膜の調製 シナプトソームを、ラットの全脳または脳の海馬領域か
ら調製した。ラットを屠殺し、そして前脳を取り出し、
そして以下のプロテアーゼインヒビター(PI)を含有する
10mlの氷冷0.32Mスクロースに移した:1mM EGTA;1mM E
DTA;1μM ペプスタチン;2μMロイペプチン。モータ
ー駆動テフロン-ガラスホモジナイザー(400rpmで約8通
過)を使用して脳をホモジナイズした。4つの脳からの
ホモジネートをプールし、そして900×gで10分間4℃で
遠心分離した。次いで、上清を8,500×gで15分間遠心分
離した。得られたペレットを、PIを添加した10mlの氷冷
0.32Mスクロースそれぞれにボルテックス混合しながら
再懸濁した。次いで、懸濁液を8,500×gで15分間遠心分
離した。ペレットを、PIを加えた20mlの氷冷0.32Mスク
ロースに再懸濁した。懸濁液(5ml/チューブ)を、4段階
のスクロース密度勾配(それぞれ7ml:1.2Mスクロース、
1.0Mスクロース、0.8Mスクロース、0.6Mスクロース;全
てのスクロース溶液がPIを含有する)に積層した。勾配
チューブを、スイングバケットローターにおいて、160,
000×gで60分間、4℃で遠心分離した。1.0Mスクロース
層および1.0Mスクロース層と1.2Mスクロース層との間の
界面を回収し、そしてPIを加えた氷冷脱イオン水で希釈
して、0.32Mの最終スクロース濃度を得た。得られた懸
濁液を20,000×gで15分間遠心分離した。次いで、ペレ
ットを、PIを加えた5mlの氷冷リン酸緩衝化生理食塩水
に再懸濁した。次いで、得られたラット脳シナプトソー
ムを等分し、そして液体窒素封じ込めシステム中に保存
した。
【0104】結合アッセイにおいて使用する前に、シナ
プトソームを解凍し、そしてPIを加えた3倍量の氷冷脱
イオン水で希釈した。10秒間2回の破砕(burst)のため
に、この懸濁液をPT 10-35ポリトロン(設定6)を用いて
ホモジナイズした。ホモジネートを40,000×gで20分
間、4℃で遠心分離した。得られたペレットを、PIを加
えた約5mlの氷冷リン酸緩衝化生理食塩水に再懸濁し
た。得られた脳シナプトソーム膜標本を等分し、そして
使用するまで−80℃で保存した。Bradford試薬(BioRad)
を用い、ウシ血清アルブミンをスタンダードとして、膜
標本のタンパク質濃度を測定した。
【0105】B. 競合置換結合アッセイ 1. OCT MVIIAの競合置換。 20mM HEPES, pH7.0、75mM
NaCl、0.1mM EGTA、0.1mM EDTA、2μMロイペプチン(l
eupeptin)、0.035μg/mlアプロチニン、および0.1%ウシ
血清アルブミン(BSA)からなる結合緩衝液中に、パート
Aに記載のように調製したラットの脳シナプトソーム膜
を懸濁した。[125I]-MVIIA(SNX-111)OCT(25〜30,000cp
m、約1500〜2000 Ci/mmol)および試験化合物を、1nM M
VIIA(SNX-111)OCTの存在下または非存在下、ポリプロピ
レンチューブに等分して、非特異的結合を測定した。膜
懸濁液を希釈し、最後に試験チューブに等分した。各ア
ッセイチューブは10μgの膜タンパク質を含有し、そし
て全容量は0.5mlであった。1時間、室温でインキュベ
ートした後、チューブを氷浴中におき、次いで、 GF/C
フィルター(Whatman)を通過させて濾過した。このGF/C
フィルターは、Millipore濾過システムを使用して、0.6
%ポリエチレンイミンに予め浸し、そして洗浄緩衝液(20
mM HEPES,pH7.0、125mM NaCl、0.1%BSA)で予め洗浄し
た。濾過の直前に、各アッセイチューブに3mlの氷冷洗
浄緩衝液を与えた。濾過した膜を、3ml容量の氷冷洗浄
緩衝液で2回洗浄し、乾燥させ、そしてBeckmanγカウ
ンター(75%のカウント効率)でフィルター結合放射活性
を測定した。
【0106】IC50値を、4-パラメータのロジスティック
関数によって作成される競合置換ラインフィッティング
曲線から算定した。これらの値は、ラット脳シナプトソ
ーム膜に対する[125I]−MVIIA(SNX-111)OCTの全特異的
結合を50%阻害するために必要な試験化合物の濃度を表
す。ここで特異的結合は、過剰な(1nM)非標識MVIIA OCT
の非存在下と存在下との間の[125I]−MVIIA(SNX-111)OC
T結合の相違として定義される。非特異的結合は、過剰
な非標識MVIIA OCTの存在下で測定される放射性標識化
合物の結合である。このような値は、一連の化合物の特
定の結合部位についての相対的親和性の近似値として役
に立つ。
【0107】2. OCT SVIBの競合置換。ラットの脳シ
ナプトソーム膜を上記のように調製した。 OCT SVIB
を、 Iodogen反応により125Iヨウ素で、ヨウ素化するこ
とにより放射性標識した。ラットの脳シナプトソーム膜
における放射性標識SVIBの置換結合を、実施例4Bのよ
うに行った。IC50値および相対的効力値を下記のように
算定した。表2および表3は、試験されるω-コノペプ
チドの相対的効力値、および化合物のOCT MVIIA部位に
ついての相対的な効力とSIVB結合部位に対する相対的効
力との比率を示す。
【0108】各試験物質の結合定数(Ki)を、別の機会に
二連で実施した2つのアッセイからの競合結合データの
非線形、最小二乗回帰分析(Bennett,G.JおよびXie,Y.-
K.,Pain 33:87-107(1988))を使用して算定した。KiとIC
50(この濃度で50%の標識化合物が試験化合物によって置
換される)との間の関係を、Cheng-Prusoff式によって表
す: Ki=IC50/(1+[L]/Kd) ここで、IC50は標識リガンドの特異的結合を50%減少さ
せる試験物質の濃度であり;[L]は、実験で使用される[
125I]−MVIIA(SNX-111)OCTの濃度であり;そしてKdは、
飽和結合実験においてラットの脳シナプトソーム膜に対
する[125I]MVIIA(SNX-111)OCTの結合について決定され
た結合定数である。表3は、ラットの脳シナプトソーム
膜のMVIIA結合部位に対しての、種々のωコノペプチド
について算定されたIC50をまとめる。結合置換の相対的
効力を、試験化合物のIC50と参照化合物のIC50との比と
して算定する。これらの参照化合物は、一般的には、標
識リガンドの非標識等価物である。相対効力の計算は以
下の通りである: [log (相対的効力)]=log(IC50(ref))−log(IC
50(test))。
【0109】実施例3 髄膜に対する結合 髄膜を、Macaque nemestrinaサルの脊髄(T3〜L5)から得
た。この脊髄を取り出し、腹側面に沿って3つの全ての
髄層を、同時に切開した。硬膜、くも膜および軟膜をい
っしょに各脊髄から注意深く回収し、それらの正常な解
剖学的関係を保存した。
【0110】凍結脊髄軟膜-くも膜を細かく刻み、プロ
テアーゼインヒビター(1mM EDTA、1mM EGTA、1μMペプ
スタチン、2μMロイペプチン)を含む5mlの脱イオン水
に懸濁し、Polytron(PT-10-35、スピード6)で10秒間ホ
モジネートし、そして40,000gで20分間遠心分離した。
膜ペレットを、プロテアーゼインヒビターを含有する5
mlの0.05Mリン酸緩衝液(pH7.4)に再懸濁し、そして使用
するまで液体窒素中に保存した。膜標本におけるタンパ
ク質濃度を、Bradford Reagent(Bio-Rad)を使用して、
ウシ血清アルブミン(BSA)をスタンダードとして測定し
た。本質的には、AhmadおよびMiljanich(Ahmad,S.N.お
よびMiljanich,G.P., Brain Research 453:247-256(198
8))の方法に従って、IodogenTMとの反応より125Iヨウ素
でMVLLA OCTを放射性標識した。12×75mmポリプロピレ
ンチューブにおいて、結合アッセイを室温で実施した。
結合緩衝液は20mM Hepes,pH7.2、75mM NaCl、0.1mM EDT
A、0.1mM EGTA、2.0μMロイペプチン、0.5Uアプロチニ
ン(aprototinin)、および0.1% BSAを含んだ。結合混合
液は、0.2ml中の5μlの髄膜、0.1ml中の125I-SNX-11
1、および0.2mlの結合緩衝液を含み、チューブ当たり0.
5mlの最終容量を得た。125I-SNX-111競合結合カーブ
を、種々の濃度のSNX-194([Nle12] SNX-111)をアッセイ
チューブに添加することによって作成した。非特異的結
合を500μMのSNX-194の存在下で測定した。アッセイチ
ューブを氷冷水浴に移し、そして各サンプルを3mlの冷
却洗浄緩衝液(20mM Hepes,pH7.2、125mM NaCl、0.1% BS
A)で希釈することによって反応を停止した。膜結合放射
活性を、Milliporeマニホルド濾過システム上で、0.6%
ポリエチレンイミンに予め浸したガラス繊維フィルター
を用いて分離した。フィルターを氷冷洗浄緩衝液(3ml)
で2回洗浄し、そしてBeckmanγカウンター(Model G-50
0)で75%のカウント効率でカウントした。データを4つ
のパラメーターのロジスティック関数にフィットさせ
た: 効果=Eo+(Ei−Eo)*1/1+(K/L)h ここで、Eo=0用量での効果、 E1=無限用量での効
果、K=IC50、L=競合リガンドの濃度、およびh=勾
配。パラメータ値は非線形、最小二乗曲線フィッティン
グアルゴリズムを使用してコンピューター(Hewlett-Pac
kard 9000)により算定した。
【0111】実施例4 モルモット回腸の電気刺激による収縮の阻害 モルモット(300〜400gm)を断頭し、そして回腸を取り出
した。盲腸から約6cmの回腸セクションを、即座に、水
浴中37℃で維持したKrebb's改変緩衝液に置き、そして9
5% O2と5% CO2との混合気体で曝気した。緩衝液は次の
ものを含有する:4.6mM KCl;1.2mM KH2PO4、1.2mM MgS
O4、10.0mM グルコース、118.2mM NaCl、24.8mM NaHC
O3;2.5mM CaCl2
【0112】回腸の小片を切断し、ガラスピペットで延
ばし、切れ目をつけ、そして縦走筋を取り出した。各小
片を、一方の端で電極に接着し、そして他方の端で力ト
ランスデューサーに接着した。標本を、37℃で維持し、
そしてO2:CO2で曝気した器官バス(organ bath)中に沈
降した。静止張力を1gmにセットし、そして刺激当たり
4.5ミリ秒の持続時間の、30〜50Vで組織を刺激した。
【0113】ベースライン応答(収縮)を10〜15分間記録
し、そして薬物のアリコート(100ml)を阻害が生じるま
でバスに添加した。試験に続いて、元の大きさの応答が
達成されるまで、組織を洗浄した。
【0114】実施例5 末梢性ニューロパシーのラット異痛症モデル 本明細書中で記載するニューロパシーの動物モデルは、
末梢神経の傷害に続発するカウザルギーまたは反射性交
感神経性ジストロフィー(RSD)と呼ばれるヒト状態に類
似する。この状態は、知覚過敏(自然刺激(natural stim
uli)に対する増強された感受性)、痛覚過敏(疼痛に対す
る異常な感受性)、異痛症(広範囲な圧痛、触覚刺激に対
する過敏性によって特徴付けられる)、および自発性灼
熱痛によって特徴付けられる。これらの症状は、一般的
には、時間と共に増大または進行する。
【0115】下記の実験モデルは、ラットの末梢神経
(脊髄神経L5およびL6)を再現良く傷害するように設計さ
れる。ラットは、測定され得る知覚過敏状態を進展させ
る。ここでは、漸変(graded degree)の剛性を有する剛
毛(wire hair)を使用して、ニューロパシー性のラット
後肢を刺激することにより異痛を測定した。感覚消失化
合物は、このような動物が刺激に対して示す高められた
感受性を逆転する(reverse)。このようなモデルのデー
タは、一般的に、最大効果のパーセントとして表され、
ここで最大効果は、外科的に誘導された異痛症の完全な
逆転、または15グラムの「毛」または「針金」によって提供
される最大刺激に対する相対的な不感受性(insensitivi
ty)を示す。
【0116】化合物の硬膜下腔内投与のために、雄性Sp
rague-Dawleyラット(250〜350グラム)を、ハロタン麻酔
下で挿入された慢性の腰椎硬膜下腔内カテーテルで調製
した(Yaksh,T.L.,およびRudy,T.A.,Physiol. Behav. 1
7:1031-1036 (1976))。
【0117】神経病発生性手術(neuropathogenic surge
ry):動物を、ペントバルビタールナトリウムで麻酔
し、腹臥位に置き、そして、KimおよびChung(Kim,S.H.
およびChung,J.M.,Pain 50:355-363(1992))に記載され
るように、棘突起から左側椎(paraspinal)筋をL4〜S2
ベルで分離した。左L5およびL6神経根を曝し、そして6-
0外科用絹縫合糸で強固に結紮した。
【0118】動物を、神経病発生性手術から回復させ、
動物が機械的異痛症の一定の兆候を表す(約7〜10日)ま
で、侵害受容性応答を毎日測定した。薬物の硬膜外投与
のために、次いで、少し改変したDurantおよびYaksh(Du
rant,P.A.C.,およびYaksh,T.L.,Anesthesiology 64:43-
53(1986))の手順に従って、動物に留置(indwelling)脊
髄(腰椎硬膜外カテーテルを植め込んだ。 カテーテル設
置1日後にボーラス注射によるか、またはカテーテル植
え込みと同時に開始する連続的な一定速度での注射によ
るかのいずれかで、SNX-111またはビヒクル(生理食塩
水)を投与した。ボーラス注射のために、SNX-111を30μ
l容量で投与し、続いて10μlの生理食塩水でラインをフ
ラッシュした。連続的な硬膜外注入のために、カテーテ
ルを留置ミニ浸透圧ポンプに接続し、そして試験溶液
を、0.5〜1.0μl/時間の速度で送達した。SNX-111投与
の直前、およびSNX-111投与の間または投与後には所定
の間隔で、機械的異痛症の閾値を測定した。
【0119】薬物の硬膜下腔内投与のために、Yakshお
よびRudy(Yaksh,T.L.およびRudy,T.A.,Physiol.Behav.1
7:1031-1036(1976))に記載されるように、腰椎クモ膜下
腔に、生理食塩水を満たしたポリエチレン(PE-10)チュ
ーブのカテーテルを入れた。カテーテルを、近傍の筋肉
組織に固定縫合糸(stay suture)で固定した(anchore
d)。ここで、カテーテルが大槽から現れる。ボーラス注
射のために、試験化合物を生理食塩水に溶解し、硬膜下
腔内カテーテルを介して10μl容量で投与し、次いでカ
テーテルラインを10μlの生理食塩水でフラッシュし
た。連続的な注入を上記のように行った。
【0120】機械的異痛症の閾値を評価する前に、カテ
ーテル挿入から回復させるために、少なくとも3日間を
動物に与えた。代表的には、異痛症は、手術後1〜2日
目から生じることが観察され、そして45日程度の間続い
た。運動欠損を示す動物はさらなる研究から除外した。
【0121】左後足引っ込め(異痛)を生じるのに必要と
される非有害刺激の閾値を評価するために、漸変剛性
(0.4〜15グラムの範囲)のVon Freyフィラメント(Stoelt
ing,Wood Dale,IL)を、外科的処置をした後足の足底に
系統的に適用した。この毛を、表面に対して、僅かな腕
曲を生じるに十分な力で保持し、そして6〜8秒間保持
した。応答がなければ、次のより剛直な毛を試験した。
鋭い(brisk)引っ込め応答の誘発を生じさせ、次のより
低い刺激強度を試験した。このパラダイムを統計的方法
(Dixon,W.J,Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol.20:441-462
(1976))に従って繰り返し、50%応答閾値を規定した。異
痛症を、外科的処理をした全ての動物が示す3グラムよ
りも少ない閾値(毛刺激強度に関して)によって明かにし
た。
【0122】閾値試験についての機械的刺激の上限を15
グラムと設定した。100に近い%MPE値は、正常な機械的
閾値(すなわち15グラム、または15グラム近く)を示す;
0に近い値は、異痛症を示す。試験終了後、動物を殺
し、そして脊柱を切開し、カテーテルの位置を確かめそ
してカテーテル先端の状態を検査した。次いで、カテー
テルを取り出し、生理食塩水でフラッシュして漏出を検
出し、開存性(patency)を確かめた。カテーテルが塞が
れているか、または硬膜外腔に適切に位置していなかっ
た場合には、研究から除外した。
【0123】このモデルにおいて得られたデータを、下
記の式に従って%最大効果(%MPE)として表す。ここで最
大効果は、異痛症の完全な反転を示すか、または刺激に
対する不感受性(最大は、15グラムの毛カットオフに等
しい)を示す。ゼロのベースラインは3グラムよりも少
ない中間の感受性を示す。
【0124】%MPE={(新しい閾値(g))−(ベースライン
閾値(g)}/{(15グラム)−(ベースライン閾値)}×100 この分析に従うと、MPE%が高いほど、より良い抗侵害受
容性効果である。SNX-273およびSNX-279を含む活性コノ
ペプチドは、生理食塩水コントロールに比べて、機械的
異痛症を顕著にブロックする。これは、異痛の抑制につ
いての効力の見かけの順序は、SNX-111= SNX-273> SN
X-279である。 SNX-111結合部位での化合物の相対的親
和性と一致する(IC50: SNX-111、8pM; SNX-273、8p
M; SNX-279、40pM)。
【0125】動物でまた、左右対称な歩行の不能によっ
て証明されるような、一般的な運動機能不全の出現、お
よび異常な活動の他の任意の兆候を観察した。生理食塩
水を処置した動物においては、運動活性に対する効果は
観察されなかった;SNX-111投与の特徴である用量依存
性震せんが、 SNX-111を与えた動物において観察され
た。
【0126】A. ニューロパシー性疼痛の進行の阻
害。
【0127】SNX-111を動物に投与し、機械的異痛症ま
たは温度性異痛症の進展を減少させることによって明か
にされるような、ニューロパシーの進展の防止を評価す
る。動物に、皮下に埋め込んだ浸透圧ミニポンプ(Alza
Corp.,Palo Alto,CA)に接続した留置静脈内(右頚静脈)
または脊髄硬膜下腔内カテーテルを埋め込み、化合物ま
たはビヒクル(酸性化生理食塩水、pH4〜4.5)の連続的
で一定速度の注入を提供する。慢性研究のために、末梢
神経傷害を作成する上記外科手順を受ける前に、動物を
24時間回復させた。薬物またはビヒクルの注入を、手術
の1日前に開始する。初めの研究において試験したSNX-
111の用量は、100μg/kg/時間 i.v.(14日間)および100n
g/kg/時間 i.t.(14日間)である。
【0128】機械的異痛を、上記のようにvan Frey針金
刺激を用いて、手術する前の日に開始して、約40日間毎
日評価する。期間中、薬物処置動物とコントロール(ビ
ヒクル処置)動物との間で平均刺激閾値を比較する。
【0129】さらに、または処置動物の別のセットにお
いて、急性刺激または持続性刺激として、温度刺激を与
える。急性刺激は、影響を受けた足の足底表面にアセト
ンを適用することによって施され、そしてこの適用に対
する、鋭い足の引っ込めをカウントした。持続性刺激に
対する応答を、ラットを中温(neutral temperature)(30
℃)または低温(5℃)に維持した真鍮プレート上に置く
ことにより測定する。順応の5分後、5分間の観察期間
の間、ラットが足をプレートから離す累積継続時間を測
定する。データを上記のように解析した。
【0130】実施例6 メチオニン乳酸緩衝液処方物 実施例5において詳細に記載したパラダイムにおいてメ
チオニン乳酸緩衝液処方物を使用して、脊髄に投与した
SNX-111の痛覚脱失効力を試験した。SNX-111(10μg/ml)
およびL-メチオニン(50μg/ml)を乳酸ナトリウム(150m
M)(250mM乳酸でpH4〜4.5に調整)を含むビヒクルに溶解
した。実施例5に記載のように、試験化合物またはコン
トロール化合物での処置30分後、60分後、120分後、お
よび240分後に、この処方物を、0.1μgのSNX-111を硬膜
下腔内に送達するために使用した。図10は、10μlの生
理食塩水(白丸)、または50μg/mlメチオニンを含有する
乳酸緩衝液(150mM)であって、10μg/mlのSNX-111を含む
(黒四角)またはSNX-111を含まない(黒三角)の単回で硬
膜下腔内へのボーラス注射の機械的異痛症に対する効果
を示す。生理食塩水単独でも、または乳酸メチオニンコ
ントロール緩衝液単独でも異痛症を抑制するために効果
的ではなかった。一方、SNX-111処方物は、この点に関
して効果的であった。さらに、生理食塩水で処置したコ
ントロールの%MPE値は、乳酸メチオニン緩衝液を単独で
与えた動物の%MPE値と顕著に異なっていなかった。
【0131】本発明は、特定の実施態様に関して記載さ
れたが、種々の変化および改変が本発明から逸脱するこ
となくなし得ることは、当業者に明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然のωコノペプチドMVIIA/SNX-111(配列番
号1)、MVIIB/SNX-159(配列番号2)、GVIA/SNX-124
(配列番号3)、GVIIA/SNX-178(配列番号4)、およ
びRVIA/SNX-182(配列番号5)の一次配列を示す。
【図2】天然のωコノペプチドSVIA/SNX-157(配列番号
6)、TVIA/SNX-185(配列番号7)、SVIB/SNX-183(配
列番号8)、MVIIC/SNX-230(配列番号29)、およびSNX
-231(配列番号21)の一次配列を示す。
【図3】ジスルフィド結合パターンを含有するMVIIA/SN
X-111ならびにSNX-111アナログのωコノペプチドSNX-19
0(配列番号9)、SNX-191(配列番号10)、SNX-193
(配列番号11)、SNX-194(配列番号12)、SNX-195(配
列番号13)、SNX-196(配列番号14)、SNX-197(配列番
号15)、SNX-198(配列番号16)、SNX-199(配列番号3
3)の一次配列を示し、ここで、Nleはノルロイシンを示
す。
【図4】SNX-111アナログのωコノペプチドSNX-200(配
列番号17)、SNX-201(配列番号18)、SNX-239(配列番
号32)、SNX-240(配列番号34)、SNX-273([ala12-SNX
-111;配列番号35)、およびSNX-279(Met(O)12-SNX-11
1;配列番号36)の一次配列を示し、ここで、Met(O)
は、スルホニルメチオニン置換を示す。
【図5】SVIB/SNX-183アナログSNX-202ならびにTVIA/SN
X-185アナログSNX-207およびSNX-236を示す。
【図6】ωコノペプチドのグループ分けを示す:I、MVI
IA、SNX-199(配列番号33)、MVIIBおよびSNX-239(配
列番号32)、II、TVIA、SNX-207、およびSNX-236、なら
びにIII、RVIA、SVIA、GVIIA、SVIB、MVIIC、およびSNX
-231。
【図7】未処理のN1E-115神経芽腫細胞(曲線a)およ
び漸増濃度のMVIIA(SNX-111)に曝した神経芽腫細胞(曲
線b〜d)での電圧工程により誘導される、電圧ゲート
カルシウム電流のトレースを示す。
【図8】ラット脳シナプトソームにおけるMVIIA(SNX-11
1)結合部位に対するωコノペプチド結合の、コンピュー
タで適合させた競合結合曲線を示す。
【図9】ラット脳シナプトソームにおけるMVIIC(SNX-23
0)結合部位に対するωコノペプチド結合の、コンピュー
タで適合させた競合結合曲線を示す。
【図10】乳酸塩緩衝液中でメチオニンと組み合わせた
SNX-111処方物の鎮痛効力を示す。
【図11】[Nle12]SNX-111によるサルの軟膜クモ膜物質
ホモジネートに対する[125I]SNX-111結合の置換のプロ
ットを示す。
【図12】30μgSNX-111をボーラスで硬膜外注射後の種
々の時間での%MPEとしての機械的異痛症の閾値のヒス
トグラムを示す。
【図13】生理食塩水または0.1μg/時間のSNX-111を
連続的に硬膜下腔内注入した24、72、120、または168時
間後の%MPEとしての機械的異痛症の閾値のヒストグラ
ムを示す。
【図14】生理食塩水または種々の量のSNX-111を、ラ
ットの腰脊椎の硬膜外腔への一定の硬膜外注入の24、4
8、または72時間後の%MPEとしての機械的異痛症の閾値
のヒストグラムを示す。
フロントページの続き (73)特許権者 596104511 3760 Haven Avenue, M enlo Park, Califor nia 94025 U.S.A. (72)発明者 スティーブン スコット バワースオッ クス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94025, メンロ パーク, ダンスミ ュア ウェイ 148 (72)発明者 キッショーチャンドラ ゴヒル アメリカ合衆国 カリフォルニア 94805, リッチモンド, プリマウス アベニュー 647 (72)発明者 ピーター アイサドール アドルエンセ ンス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94040, マウンテン ビュー, エル モンテ アベニュー 1109 (72)発明者 ラマシャーマ クリスティパティ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94555, フレモント, レオネート ウェイ 4584 (72)発明者 テレサ ガッドボイス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94025, メンロ パーク, フローレ ンス アベニュー 941 (72)発明者 マーク レイモンド ペテス アメリカ合衆国 カリフォルニア 95112, サン ホセ, ノース 18テ ィーエイチ ストリート 168 (72)発明者 ロバート アール. ルーサー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94024, ロス アルトス ヒルズ, ジャビル レーン 23930 (56)参考文献 特開 平2−53733(JP,A) 特表 平3−500882(JP,A) 国際公開93/13128(WO,A) 国際公開94/14466(WO,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/00 - 38/58 C07K 14/00 - 14/825 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N型電位感受性カルシウムチャンネルを
    ブロックする活性なωコノペプチドの、該活性なωコノ
    ペプチドが被験体に神経傷害の進行部位で投与される場
    合に、ニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害する医薬
    の製造における使用であって、該活性なωコノペプチド
    が、(a)モルモット回腸の電気刺激による収縮を阻害
    し、そして(b)ニューロン組織に存在するωコノペプチ
    ドMVIIA結合部位からMVIIAを置換する該活性なωコノペ
    プチドの能力により示されるような、該部位へ選択的に
    結合する能力を有することによって特徴付けられる、使
    用。
  2. 【請求項2】 モルモット回腸収縮の阻害、および前記
    MVIIA結合部位に対する結合における、前記活性なωコ
    ノペプチドの能力が、ωコノトキシンMVIIAおよびTVIA
    のこのような能力の範囲内にある、請求項1に記載の使
    用。
  3. 【請求項3】 前記活性なコノペプチドが、TVIA/SNX-1
    85、MVIIA/SNX-111、SNX-236、SNX-159、SNX-239、SNX-
    199、SNX-273、SNX-279、およびそれらの誘導体からな
    る群より選択される、請求項1に記載の使用。
  4. 【請求項4】 前記医薬がメチオニン酸化を防止するに
    効果的な抗酸化剤をさらに含有する、請求項1に記載の
    使用。
  5. 【請求項5】 前記ωコノペプチドMVIIA結合部位に選
    択的に結合する前記能力が、該MVIIA結合部位に対する
    結合親和性と部位2のωコノペプチド結合部位に対する
    結合親和性との選択性比率であって、ωコノペプチドMV
    IIA/SNX-111、SNX-199、SNX-236、SNX-239およびTVIA/S
    NX-185について決定される選択性比率の範囲内にある選
    択性比率によってさらに示される、請求項1に記載の使
    用。
  6. 【請求項6】 前記医薬が、傷害された神経部位でニュ
    ーロパシー性疼痛疾患の進行を阻害するために使用さ
    れ、そして神経傷害部位で神経周囲に投与される、請求
    項1に記載の使用。
  7. 【請求項7】 配列CKGKGAKCSRLAYDCC
    TGSCRSGKCを有する活性なωコノペプチドSNX-
    273。
  8. 【請求項8】 配列CKGKGAKCSRLM(O)YD
    CCTGSCRSGKCを有する活性なωコノペプチド
    SNX-279であって、ここでM(O)が酸化メチオニン残基
    を示す、ωコノペプチドSNX-279。
  9. 【請求項9】 N型電位感受性カルシウムイオンチャン
    ネルをブロックする活性なωコノペプチドの、患者への
    硬膜外投与により該患者に痛覚脱失を生じる医薬の製造
    における使用であって、該活性なωコノペプチドが(a)
    モルモット回腸の電気刺激による収縮を阻害し、そして
    (b)ニューロン組織に存在するωコノペプチドMVIIA結合
    部位に選択的に結合するに効果的であり、ここで該活性
    なωコノペプチドの、モルモット回腸収縮の阻害および
    該MVIIA結合部位への結合における活性は、ωコノトキ
    シンMVIIAおよびTVIAのこのような活性の範囲にあり、
    そしてここで該硬膜外投与が、脊髄硬膜外経路により、
    該活性なコノペプチドが硬膜外領域と延長された接触を
    するような時間に亘り、等価な時間に亘って投与される
    効果的な硬膜下腔内痛覚脱失用量の範囲内の投与量で行
    われる、使用。
  10. 【請求項10】 前記硬膜外投与が連続的注入による、
    請求項9に記載の使用。
  11. 【請求項11】 前記延長された接触が、持続放出処方
    物において前記活性なコノペプチドを投与することによ
    って達成される、請求項9に記載の使用。
  12. 【請求項12】 前記活性なコノペプチドが、MVIIA/SN
    X-111、TVIA/SNX-185、SNX-236、SNX-159、SNX-239、SN
    X-199、SNX-273、SNX-279、およびそれらの誘導体から
    なる群より選択される、請求項9に記載の使用。
  13. 【請求項13】 前記活性なコノペプチドがMVIIA/SNX-
    111である、請求項9に記載の使用。
  14. 【請求項14】 ωコノペプチドMVIIA結合部位に選択
    的に結合する前記活性が、該MVIIA結合部位に対する結
    合と部位2のωコノペプチド結合部位に対する結合との
    選択性比率であって、ωコノペプチドMVIIA/SNX-111、S
    NX-199、SNX-236、SNX-239およびTVIA/SNX-185について
    決定される選択性比率の範囲内にある選択性比率によっ
    てさらに示される、請求項9に記載の使用。
JP8188120A 1995-06-27 1996-06-27 痛覚脱失を生じるためならびにニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害するための組成物および処方物 Expired - Fee Related JP2838073B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/496,847 US5795864A (en) 1995-06-27 1995-06-27 Stable omega conopetide formulations
US08/613,400 1996-03-08
US08/613,400 US6054429A (en) 1996-03-08 1996-03-08 Epidural method of producing analgesia
US08/496,847 1996-03-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09104634A JPH09104634A (ja) 1997-04-22
JP2838073B2 true JP2838073B2 (ja) 1998-12-16

Family

ID=27052304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8188120A Expired - Fee Related JP2838073B2 (ja) 1995-06-27 1996-06-27 痛覚脱失を生じるためならびにニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害するための組成物および処方物

Country Status (14)

Country Link
EP (2) EP1336409B1 (ja)
JP (1) JP2838073B2 (ja)
AT (2) ATE235914T1 (ja)
AU (1) AU695166B2 (ja)
CA (1) CA2224795C (ja)
DE (3) DE69637021T2 (ja)
DK (2) DK1336409T3 (ja)
ES (2) ES2194998T3 (ja)
FR (1) FR05C0027I2 (ja)
HK (1) HK1058146A1 (ja)
LU (1) LU91181I2 (ja)
NL (1) NL300201I2 (ja)
PT (2) PT1336409E (ja)
WO (1) WO1997001351A1 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5931809A (en) * 1995-07-14 1999-08-03 Depotech Corporation Epidural administration of therapeutic compounds with sustained rate of release
CA2319038A1 (en) * 1998-02-20 1999-08-26 Zeneca Limited Analgesic peptides from venom of grammostola spatulata and use thereof
AUPP627498A0 (en) 1998-10-02 1998-10-22 University Of Queensland, The Novel peptides - i
WO2004050688A1 (en) 2002-12-02 2004-06-17 Xenome Ltd NOVEL χ-CONOTOXIN PEPTIDES (-II)
ATE547424T1 (de) 2002-12-02 2012-03-15 Xenome Ltd Chi-conotoxinpeptide mit einer n-terminalen pyroglutaminsäure
US7772188B2 (en) 2003-01-28 2010-08-10 Ironwood Pharmaceuticals, Inc. Methods and compositions for the treatment of gastrointestinal disorders
EP1594517B1 (en) 2003-01-28 2007-06-20 Microbia, Inc. Compositions for the treatment of gastrointestinal disorders
WO2005032556A1 (en) 2003-10-02 2005-04-14 Elan Pharmaceuticals, Inc. Method for reducing pain
GB0410215D0 (en) * 2004-05-07 2004-06-09 Lescroart Pol Nerve damage
US8188048B2 (en) 2006-06-23 2012-05-29 Xenome Limited Combination therapy
EP2077854B1 (en) * 2006-11-04 2013-01-23 Anygen Co., Ltd. Omega conotoxins
US7879802B2 (en) 2007-06-04 2011-02-01 Synergy Pharmaceuticals Inc. Agonists of guanylate cyclase useful for the treatment of gastrointestinal disorders, inflammation, cancer and other disorders
US8969514B2 (en) 2007-06-04 2015-03-03 Synergy Pharmaceuticals, Inc. Agonists of guanylate cyclase useful for the treatment of hypercholesterolemia, atherosclerosis, coronary heart disease, gallstone, obesity and other cardiovascular diseases
WO2009135258A1 (en) * 2008-05-06 2009-11-12 Cnsbio Pty Ltd Methods and compositions for the management of pain using omega-conotoxins
EP3239170B1 (en) 2008-06-04 2019-03-20 Synergy Pharmaceuticals Inc. Agonists of guanylate cyclase useful for the treatment of gastrointestinal disorders, inflammation, cancer and other disorders
EP3241839B1 (en) 2008-07-16 2019-09-04 Bausch Health Ireland Limited Agonists of guanylate cyclase useful for the treatment of gastrointestinal, inflammation, cancer and other disorders
CA2745694C (en) 2008-12-03 2018-03-27 Synergy Pharmaceuticals, Inc. Formulations of guanylate cyclase c agonists and methods of use
KR101766619B1 (ko) 2008-12-31 2017-08-08 알데릭스, 인코포레이티드 체액 저류 또는 염 과부하와 연관된 장애 및 위장관 장애의 치료 시에 nhe-매개된 역수송을 억제하는 화합물 및 방법
WO2018129556A1 (en) 2017-01-09 2018-07-12 Ardelyx, Inc. Compounds and methods for inhibiting nhe-mediated antiport in the treatment of disorders associated with fluid retention or salt overload and gastrointestinal tract disorders
US9616097B2 (en) 2010-09-15 2017-04-11 Synergy Pharmaceuticals, Inc. Formulations of guanylate cyclase C agonists and methods of use
KR102138390B1 (ko) 2012-08-21 2020-07-27 알데릭스, 인코포레이티드 체액 저류 또는 염 과부하와 연관된 장애 및 위장관 장애의 치료에서 nhe-매개된 역수송 저해를 위한 화합물 및 방법
US10376481B2 (en) 2012-08-21 2019-08-13 Ardelyx, Inc. Compounds and methods for inhibiting NHE-mediated antiport in the treatment of disorders associated with fluid retention or salt overload and gastrointestinal tract disorders
CA2905435A1 (en) 2013-03-15 2014-09-25 Synergy Pharmaceuticals Inc. Compositions useful for the treatment of gastrointestinal disorders
US9708367B2 (en) 2013-03-15 2017-07-18 Synergy Pharmaceuticals, Inc. Agonists of guanylate cyclase and their uses
EP2983667B1 (en) 2013-04-12 2019-03-20 Ardelyx, Inc. Nhe3-binding compounds and methods for inhibiting phosphate transport
JP6606491B2 (ja) 2013-06-05 2019-11-13 シナジー ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド グアニル酸シクラーゼcの超高純度アゴニスト、その作成および使用方法
WO2018129552A1 (en) 2017-01-09 2018-07-12 Ardelyx, Inc. Compounds useful for treating gastrointestinal tract disorders
AU2018206479B2 (en) 2017-01-09 2022-07-14 Ardelyx, Inc. Inhibitors of NHE-mediated antiport

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3926287A1 (de) * 1989-08-09 1991-02-21 Bernhard Clasbrummel Medizinische anwendung von omega-conotoxin gvia oder omega-conotoxin gvia-analoga zur sympathikolyse
US5051403A (en) * 1989-11-22 1991-09-24 Neurex Corporation Method of treating ischemia-related neuronal damage
AU3074592A (en) * 1991-11-12 1993-06-15 Neurex Corporation Compositions for delayed treatment of ischemia-related neuronal damage
EP0625162B1 (en) * 1991-12-30 1998-05-13 Neurex Corporation Methods of producing analgesia and enhancing opiate analgesia
JPH06247879A (ja) * 1993-02-17 1994-09-06 Bristol Myers Squibb Co デオキシチミジンヌクレオシドを含有する注射用製剤の安定化方法およびその方法によって得られる安定化注射用製剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09104634A (ja) 1997-04-22
ATE235914T1 (de) 2003-04-15
DE69637021D1 (de) 2007-05-24
HK1058146A1 (en) 2004-05-07
AU6400296A (en) 1997-01-30
ES2194998T3 (es) 2003-12-01
DE69627153D1 (de) 2003-05-08
CA2224795A1 (en) 1997-01-16
DK0835126T3 (da) 2003-07-14
EP0835126B1 (en) 2003-04-02
ATE359086T1 (de) 2007-05-15
FR05C0027I1 (ja) 2005-08-12
NL300201I1 (nl) 2005-09-01
FR05C0027I2 (ja) 2006-12-29
WO1997001351A1 (en) 1997-01-16
DE122005000043I2 (de) 2006-08-03
PT1336409E (pt) 2007-06-29
DE69637021T2 (de) 2008-01-10
DE122005000043I1 (de) 2006-06-29
NL300201I2 (nl) 2006-02-01
PT835126E (pt) 2003-07-31
LU91181I2 (fr) 2005-09-06
EP1336409B1 (en) 2007-04-11
EP1336409A1 (en) 2003-08-20
AU695166B2 (en) 1998-08-06
ES2283671T3 (es) 2007-11-01
CA2224795C (en) 2001-04-03
DE69627153T2 (de) 2003-12-04
EP0835126A1 (en) 1998-04-15
DK1336409T3 (da) 2007-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2838073B2 (ja) 痛覚脱失を生じるためならびにニューロパシー性疼痛疾患の進行を阻害するための組成物および処方物
US5795864A (en) Stable omega conopetide formulations
US6054429A (en) Epidural method of producing analgesia
EP0625162B1 (en) Methods of producing analgesia and enhancing opiate analgesia
JP5801197B2 (ja) 痛みの治療に関する薬剤及び方法
Miljanich Ziconotide: neuronal calcium channel blocker for treating severe chronic pain
AU648052B2 (en) Compositions for treating ischemia-related neuronal damage
JP6279626B2 (ja) エンドモルフィンのμオピオイド受容体アゴニスト類似体
JP3868494B2 (ja) オピオイドアンタゴニストおよびそれらの使用方法
US6136786A (en) Method for enhancing analgesia
US20040138204A1 (en) Compositions and methods for pain reduction
EP2120987A1 (en) Treating stroke and other diseases without inhibiting n-type calcium channels
US7863416B2 (en) Nociceptin-based analgesics
WO2018068670A1 (zh) 神经兴奋性损伤相关多肽在预防、缓解或治疗疼痛的用途
JP6000245B2 (ja) 鎮痛作用とasicチャンネルを阻害する新規ペプチド
WO2013026896A1 (en) Peptide agent for enhanced drug delivery for improved peripheral analgesia
JPH10511077A (ja) N末端基で切断されたダイノルフィン類似体を用いた鎮痛方法
WO1993010145A1 (en) Compositions for delayed treatment of ischemia-related neuronal damage
JP2002509080A (ja) グラモストラ・スパチュラタの毒から得られる鎮痛性ペプチドおよびその使用
JP2017532292A (ja) ミリストイル化レプチン関連ペプチド及びその使用
Rawal et al. Spinal narcotics

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980910

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071009

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081009

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091009

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091009

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101009

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111009

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111009

Year of fee payment: 13

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111009

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111009

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees