JP2002509080A - グラモストラ・スパチュラタの毒から得られる鎮痛性ペプチドおよびその使用 - Google Patents

グラモストラ・スパチュラタの毒から得られる鎮痛性ペプチドおよびその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、痛みを処置するための新規方法であって、その処置を必要とする哺乳動物に、有効鎮痛量の、アミノ酸配列:Tyr−Cys−Gln−Lys−Trp−Leu−Trp−Thr−Cys−Asp−Ser−Glu−Arg−Lys−Cys−Cys−Glu−Asp−Met−Val−Cys−Arg−Leu−Trp−Cys−Lys−Lys−Arg−Leu−NH2(配列番号:1)またはTyr−Cys−Gln−Lys−Trp−Met−Trp−Thr−Cys−Asp−Glu−Glu−Arg−Lys−Cys−Cys−Glu−Gly−Leu−Val−Cys−Arg−Leu−Trp−Cys−Lys−Lys−Lys−Ile−Glu−Trp(配列番号:2)を有するペプチドを投与する方法を提供する。本発明はさらに配列番号:1のアミノ酸配列を有する精製ペプチドを提供する。配列番号:1および配列番号:2のペプチドは、鎮痛誘導活性を有する化合物の同定方法にも使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、哺乳動物に鎮痛作用(analgesia)を誘導するペプチドに
関する。より詳細には本発明は、グラモストラ・スパチュラタ(Grammos
tola spatulata)、すなわちチリピンクタランチュラグモ(Ch
ilean pink tarantula spider)の毒(venom
)から得られる鎮痛誘導性ペプチドに関する。
【0002】 発明の背景 痛みは各医師がみる基本的な臨床症状のひとつであり、通常は軽度、中程度お
よび重度の3区分に分類される。軽度ないし中程度の区分には、アスピリン、ア
セトアミノフェン、イブプロフェン、および他の非ステロイド系抗炎症薬(NS
AID)製剤を含めた多数の製剤が含まれる。麻薬系鎮痛薬は依然として、中程
度ないし重度の痛みを治療するための現在市販されている製剤の主力である。
【0003】 癌および外科手術後期間は、中程度ないし重度の痛みを伴うことが最も多い2
つの状態である。骨、神経、軟組織または内蔵への腫瘍の浸潤が最も一般的な癌
の痛みの原因であり、患者の65〜75%を占める。外科処置、化学療法または
放射線療法による癌の治療の結果としての痛みが患者の15〜25%を占め、残
り5〜10%は彼らの癌または癌療法とは無関係な痛みを訴えている。原発腫瘍
のタイプ、疾病の段階および部位、ならびに患者自体の変動要因(variab
les)、特に心理的変動要因を含めた各種要因が、癌の痛みの程度に影響を与
える。また外科処置後の痛みに対する患者の応答も、介入の位置および範囲、な
らびに個人的性状に依存する。しかし外科処置後の痛みは、治療期間の長さの違
いにより癌とは区別される。
【0004】 中程度ないし重度の痛みの治療に関する米国市場の最大区分をなす麻薬につい
ての多大な関心は、連続使用に伴う麻薬中毒および活性喪失(すなわち耐性)の
可能性である。したがって、痛み、特に癌に伴う中程度ないし重度の痛みを軽減
しうる他の鎮痛薬が求められている。鎮痛薬に対する応答性を改善し、かつ副作
用を減らすために、ドラッグデリバリー方式と新規薬物の両方に研究努力が向け
られている。新規なドラッグデリバリー方式には、経皮麻薬、PCA、制御放出
ポンプの髄腔内埋込み、および天然エンドルフィンその他の鎮痛性ペプチドを放
出する封入生細胞の埋込みが含まれる。新薬アプローチは、中程度ないし重度の
痛みの多様な経路および原因を反映している。痛みの治療のために開発されてい
る化合物の種類には、セロトニン様作用薬、ノルアドレナリン様作用薬、オピオ
イド部分アゴニスト(opioid partial agonists)およ
びカッパオピオイドアゴニスト(kappa opioid agonists
)が含まれる。重要な前臨床試験が行われている治療法ターゲットには、タキキ
ニン/ブラジキニンアンタゴニストおよび興奮性アミノ酸アンタゴニストが含ま
れる。開発中のより新しいターゲットには、成長因子、サイトカイン、窒化物酸
化物調節剤(nitride oxide regulators)などが含ま
れる。民間薬およびカエル毒抽出物を含めた天然資源(natural sou
rces)も研究されている。
【0005】 商業的可能性をもつ生物学的物質の同定を目的としたクモ毒の研究は、主に農
薬部門で注目された。これらの活動の最終目標は、最小の哺乳動物毒性で選択的
に無脊椎動物種と相互作用して麻痺および/または死を誘発する化学成分を探査
することであった。しかし最近クモ毒は、哺乳動物ターゲットを同定する化合物
および医薬の開発を補助する化合物の同定のために開発されている他の捕食動物
由来の毒と結びついた。クモ形種グラモストラ・スパチュラタ(一般にチリピン
クタランチュラグモと呼ばれる)はオオツチグモ科(Theraphosida
e)鋏角類目(Chelicerata)のメンバーである。Lampe et
al.(1993)Molecular Pharmacology,4:4
51−460による先の研究で、グラモストラ・スパチュラタの毒は電位感受性
カルシウムチャンネル(voltage−sensitive calcium
channels)と非選択的に相互作用するペプチドを含有することが示され
た。
【0006】 発明の概要 本発明は、痛みの処置方法であって、その処置を必要とする哺乳動物に、有効
鎮痛量の下記のアミノ酸配列を有するペプチド:
【0007】
【化15】
【0008】 (以下、GsAF Iと呼ぶ)(配列番号:1) または
【0009】
【化16】
【0010】 (以下、GsAF IIと呼ぶ)(配列番号:2) を投与する方法を提供する。 したがって本発明は、痛みの処置のための医薬の製造における、配列番号:1
または配列番号:2のペプチドの使用を提供する。本発明はさらに、痛みの処置
における配列番号:1または配列番号:2のペプチドの使用を提供する。
【0011】 本発明の他の態様は、下記のアミノ酸配列を有する精製ペプチド:
【0012】
【化17】
【0013】 を提供する。 本発明の他の態様は、医薬的に許容できるキャリヤーまたは希釈剤、および下
記のアミノ酸配列を有するペプチド:
【0014】
【化18】
【0015】 を含む医薬組成物を提供する。 本発明のさらに他の態様は、GsAF Iおよび/またはGsAF IIの鎮
痛誘導活性を「模倣する(mimic)」化合物の同定方法を提供する。
【0016】 本発明はさらに、GsAF Iに対して特異的な抗体を提供する。抗体はモノ
クローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。抗体は当技術分
野で既知の方法、たとえばHarlow et al.編,Antibodie
s:A Laboratory Manual,ニューヨーク、コールド・スプ
リング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(1988)の方法で調製できる。
【0017】 発明の詳細な説明 本発明者らは、チリピンクタランチュラグモ、すなわちグラモストラ・スパチ
ュラタの毒から得られるペプチドが鎮痛誘導性をもち、したがってヒトを含めた
哺乳動物において痛みを処置するための鎮痛薬として、またそれらのペプチドの
鎮痛活性を模倣する化合物を同定するための研究道具として、有用であることを
見出した。
【0018】 したがって本発明は、痛みの処置方法であって、その処置を必要とする哺乳動
物に、有効鎮痛量の下記のアミノ酸配列を有するペプチド:
【0019】
【化19】
【0020】 または
【0021】
【化20】
【0022】 を投与する方法を提供する。 これらのペプチドは、ヒト、一般的な実験室動物、たとえばラット、マウスお
よびモルモット、家畜、たとえばネコ、イヌおよびウマ、ならびに他のいかなる
哺乳動物種をも含めた哺乳動物において、痛みを処置するのに有用である。これ
らのペプチドは、いずれかの原因または状態(たとえば火傷、癌、神経疾患、器
官炎症、または外科的介入)による急性または慢性の痛みを処置するのに使用で
きる。しかしこれらのペプチドは、癌または手術による中程度ないし重度の痛み
を処置するために使用するのが好ましい。これらのペプチドは、経口、非経口、
くも膜下(intrathecally)、局所、静脈内、筋肉内または皮内/
神経上膜に投与できる。好ましい投与経路はくも膜下である。
【0023】 これらのペプチドは、それらを医薬的に許容できるキャリヤーまたは希釈剤と
共に含有させることにより、医薬用として調製できる。したがって本発明の他の
態様は、グラモストラ・スパチュラタから得られる前記ペプチド、および医薬的
に許容できるキャリヤーまたは希釈剤を含む医薬組成物を提供する。これらのペ
プチドは、それらを単独で、または適切なキャリヤー、たとえば炭酸カルシウム
、デンプン、乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびアラビアゴムと組
み合わせて、経口または非経口投与用の錠剤またはカプセル剤として単位薬量(
unit dosage)に含有させることにより、医薬用に調製できる。これ
らのペプチドを経口、非経口または局所投与用として、水溶液、水性アルコール
溶液、グリコール溶液もしくは油性溶液、または油−水エマルション中で製剤化
できる。緩衝化−水性またはキャリヤー仲介水性/非水性の、くも膜下剤形およ
び静脈内剤形を製剤化することができる。本発明の医薬組成物に適したこれらお
よび他の適切な剤形は、たとえばRemington’s Pharmaceu tical Science 、第15版、マック・パブリシング・カンパニー、
ペンシルベニア州イーストン(1980)中にみられる。本発明の医薬組成物は
、前記ペプチドの一方または両方の組合わせを含むことができる。
【0024】 医薬組成物中の有効化合物(すなわちペプチド)の量は、適切な投与量が得ら
れ、有効鎮痛量を患者に投与できるように変更できる。個々の患者に投与する用
量は、投与経路、治療期間、患者の体格および身体状態、ペプチドの力価、なら
びにそれに対する患者の応答など、多数の要因に依存するであろう。くも膜下に
投与する場合のペプチドの有効鎮痛量は、一般に約5ナノグラム/kg(患者の
体重)から約500マイクログラム/kg;好ましくは約50ナノグラム/kg
から約50マイクログラム/kg;より好ましくは約500ナノグラム/kgか
ら約5マイクログラム/kgである。他の経路で投与する場合、ペプチドの有効
量は異なるであろう。有効鎮痛量は、用量を求めるために本明細書に開示した1
以上の疼痛試験においてペプチドを試験することにより推定できる。用量は、哺
乳動物に対する適切なペプチド量を求めるための前記に挙げた1以上の基準に従
って変更できる。
【0025】 ”鎮痛を誘導する(inducing analgesia)”、”鎮痛誘導
活性(analgesia−inducing activity)”、”鎮痛
を生じる(analgesia producing)”、およびこれらに類す
る用語は、痛みを試験するため、または治療を評価するための1以上の慣用され
る実験室モデル、たとえば本明細書に述べる試験法における好ましい結果により
証明されるように、本発明のペプチドが哺乳動物において痛みを治療または軽減
する能力を表す。
【0026】 ペプチドの鎮痛活性は、下記を含めた一連の試験のうち少なくとも1つ、好ま
しくは2以上の試験により測定される:1)尾フリック(振り)潜伏(tail
flick latency)(Abbott,F.V.et al.,Ph
armacol.Biochem.Behav.,17,1213−1219,
1982;Cridland,R.A.and Henry,J.L.,Bra
in Res.,584:1−2,163−168,1992)、2)ホットプ
レート閾値(Woolfe,G. and Macdonald,A.A.,J
PET,80,300,1994;Ankier,S.I.,European
J.Pharmacol.,27,1−4,1074)、および3)フォンフ
レイ(vonFrey)フィラメント閾値(Kim,S.H.et al.,P
ain,55,85−92,1993)。
【0027】 尾フリック潜伏試験およびホットプレート閾値試験は、熱侵害受容(ther
mal nociception)の測定である。フォンフレイフィラメント閾
値試験は、機械的侵害受容活性を評価する。これら3つの試験はすべて、熱−ま
たは機械的−侵害受容器の相動性刺激(phasic stimulation
)に対する化合物の鎮痛活性を評価し、求心性のA−線維および多型C−線維の
活性化を著しく反映する。オピオイドに基づく活性機序をもつ臨床鎮痛薬はこれ
らの試験において有効であるが、末梢ターゲットと優先的に相互作用するか、ま
たは多数の作用部位をもつ鎮痛薬は、一般に活性がより低い。これらの試験は中
程度ないし強い鎮痛薬を推定するのに良好であり、オピオイド群の化合物内では
臨床効果との相関性が良い。より低い規模の痛みを臨床ターゲットとする非ステ
ロイド系抗炎症薬(NSAID)群の鎮痛薬は、これらの試験に普通に採用する
パラメーター下ではルーティンに検出されない。
【0028】 NSAIDの鎮痛性検出は、一次求心組織(primary afferen
t tissue)損傷および炎症に応答して応答性が亢進した侵害受容状態(
すなわち有害刺激に対する閾値の低下)の発生に依存する。この状態を誘導する
免疫系と神経系の相互作用は、NSAID活性のターゲットとなる。末梢侵害受
容器(peripheral nociceptor)および対応する中枢回路
構成部分(central circuitry)のこの亢進した活性の阻害は
、自発行動またはその後の有害刺激に対する応答を監視することにより、長期間
にわたって検出できる。”痛覚過敏(hyperalgesic)”状態のこれ
らのより長期的な測定は、痛みの大部分の臨床状態を模倣すると考えられる。そ
れらは相動性疼痛試験(phasic pain tests)で検出される有
効薬剤を除外することなく、有用な鎮痛薬の検出可能性をも拡張する。実験室動
物においてこの状態のモデルを作成するために、多数の疼痛試験が開発された。
この状態を誘発するために用いられる有害刺激は、刺激性化学物質/腐食性(c
austic)薬剤または炎症性刺激物質である。これらの試験において主要な
決定変数(defining valable)は、痛覚過敏/炎症状態の発生
に必要な時間間隔、および倫理的に正当化できるその持続時間である。化合物は
、痛覚過敏状態の発生を阻止するそれらの固有活性(すなわち有害刺激前に投与
された化合物)、もしくは亢進した侵害受容応答を低下させる固有活性(すなわ
ち有害刺激後に投与された化合物)、または両方について評価することができる
。これらの試験の一次目標は、侵害受容状態および炎症状態の測定である。
【0029】 ホルマリン試験(Dubuisson,D.and Dennis,S.G.
,Pain,4,161−174,1977)を用いた。これは短期の痛みに対
比して持続性の痛みを示すと考えられる2相応答(bi−phasic res
ponse)を良好に表し、妥当な短期間内(すなわち1時間以内)に実施でき
るからである。この応答の初期は、実質性一次求心性バラージ(substan
tial primary afferent barrage)により開始す
る。これは、化学物質侵害受容器が仲介体であるという点を除いて、短期相動試
験について記載したものと類似の性質のものである。第2期は、初期の組織損傷
の結果生じる痛覚過敏性自発活動であり、侵害受容閾値の低下および対応する脊
髄回路部品の準備刺激(priming)または”ワインドアップ(wind−
up)”を反映すると考えられる。このように、痛みのあるこの組織損傷状態を
誘発および持続させるには、末梢および中枢両方の神経回路部品および仲介物が
必要である。
【0030】 げっ歯類のホルマリンモデルはヒトの損傷誘発疼痛の治療の予測試験として有
効であることが立証された(Dennis,S.G.and Melzack,
R.,Advances in Pain Research and The
rapy,vol.3,747−757,編者J.J.Bonica et a
l.,ラバン・プレス:ニューヨーク、1979;Tjolsen,A.et
al.,Pain,51:5−17,1992)。臨床的に用いられている鎮痛
薬をこのモデルで評価すると、オピオイド系と相互作用することが知られている
オピオイドに基づく化合物または薬物に対するヒト有効性との強い相関性が一貫
して証明された(Wheeler−Aceto,H.”ラットにおけるホルマリ
ン誘発性組織損傷後の侵害受容および浮腫の解明:オピオイド活性の薬理学的分
析”、博士論文、テンプル・スクール・オブ・メディシン、ペンシルベニア州フ
ィラデルフィア、1994;Shibata,M.et al.,Pain,3
8,347−352,1989)。主にNSAIDに基づく作用機序をもつ比較
的緩和な鎮痛薬に関する有効性および力価プロフィル(potency pro
files)は、多様に解釈できる結果を与えた(Wheeler−Aceto
,H.、博士論文、テンプル・スクール・オブ・メディシン、ペンシルベニア州
フィラデルフィア、1994;Hunskaar,S.et al.,Neur
osci.Meth.,14,69−76,1985;Shibata,M.e
t al.,Pain,38,347−352,1989;Malmberg,
A.B.and Yaksh,T.L.,J.Pharmacol.Exp.T
her.,263,136−146,1992)。ホルマリンモデルにおける多
様に解釈できるこれらの所見は、試験の実施方法、たとえば試験パラメーター(
すなわち与えた刺激の強さ、応答測定方法、および分析した応答間隔)、用いた
実験動物の種および系統、ならびに化合物投与の経路/タイミングにおける、実
験上の相異を反映している(概説についてはWheeler−Aceto,H.
、博士論文、テンプル・スクール・オブ・メディシン、ペンシルベニア州フィラ
デルフィア、1994)。しかし、これらの試験ではこれらの実験上の相異に関
係なく、中程度ないし重度の痛みを治療するために用いた有効性の高い鎮痛薬が
検出されるというコンセンサスが存在する。これらの化合物の中枢神経系への透
過性に限界があれば、検出される活性はより低い。
【0031】 本発明のペプチドは、鎮痛薬としての使用のほか、生物学的アッセイ、たとえ
ばこれらのペプチドの鎮痛活性を模倣する化合物を検出するためのアッセイ、こ
れらのペプチドの解剖学的作用部位を検出するためのアッセイ、またはこれらの
ペプチドの作用機序についての研究に有用である。したがって本発明の他の態様
は、GsAF Iおよび/またはGsAF IIの鎮痛活性を模倣する化合物を
検出するための方法を提供する。本明細書に開示するペプチドの活性を模倣する
とは、被験化合物が鎮痛を誘導し、これらのペプチドと同一または類似の生理学
的様式で、これらのペプチドが結合または他の形で作用する細胞受容体に、結合
する能力を表す。したがって本発明は、鎮痛誘導活性を有するか、あるいは他の
形でGsAF Iおよび/またはGsAF IIの活性を模倣する化合物を同定
するための方法であって、配列番号:1または配列番号:2のアミノ酸配列を有
するペプチドの活性を測定する生物学的アッセイに被験化合物を添加し;そして
被験化合物の活性を検出する工程を含む方法を提供する。
【0032】 GsAF Iおよび/またはGsAF IIの活性を模倣する化合物を同定す
るための生物学的アッセイ法は、本明細書に記載するようなインビボアッセイ法
、または以下に記載するアッセイ法のようなインビトロアッセイ法であってよい
。たとえばGsAF Iおよび/またはGsAF IIを競合結合スクリーニン
グアッセイ(competitive binding screening
assays)に用いて、GsAF IおよびGsAF IIの活性を模倣する
化合物を下記の方法で同定できる。被験化合物および検出できるように標識した
ペプチドを、哺乳動物の細胞または組織に結合しうる条件下で哺乳動物の細胞ま
たは組織に添加する。次いで哺乳動物の細胞または組織への標識ペプチドの結合
を測定する。検出できるように標識したペプチドの活性を模倣する化合物は、受
容体上の結合部位に対しペプチドと競合するであろう。その結果、被験化合物が
ペプチドの活性を模倣する場合は、受容体への結合によって、被験化合物がペプ
チドの活性を模擬せず受容体に結合しないか、またはより低い親和性で結合する
場合より少量の検出標識が測定されるであろう。特に、GsAF Iおよび/ま
たはGsAF IIを125Iで標識して、Stumpo et al.,Eur opean J.Pharmacol.206:155,1991に記載され、
Abe et al.,Neurosci.Lett.71:203,1986
により改変されたアッセイ法に使用できる。要約すると、個々の被験化合物を脳
または脊髄膜組織と共にプレインキュベートした後、125I標識GsAF Iお よび/またはGsAF IIを添加し、次いでインキュベートして結合させる。
次いで反応混合物を濾過し、脳または脊髄膜組織を含むフィルターを緩衝液です
すぐ。125I標識ペプチドの結合をシンチレーション計数により測定することが できる。GsAF IおよびIIの活性を模倣する化合物は標識ペプチドと競合
し、GsAF IまたはIIの活性を模擬しない化合物より低い、脳または脊髄
膜組織の細胞上の受容体への標識ペプチド結合レベルを生じるであろう。非特異
的結合は、過剰の(100〜1,000倍)非標識GsAF IまたはGsAF
IIの存在下で残留するものとして規定されるであろう。
【0033】 生物学的アッセイに使用するために、これらのペプチドに検出可能な標識を取
り込ませる。検出可能な標識は、慣用されるいかなるタイプの標識であってもよ
く、実施するアッセイのタイプに従って選択される。たとえば、検出可能な標識
は、放射性標識、たとえば14C、125Iまたは3H、酵素、たとえばペルオキシダ
ーゼ、アルカリもしくは酸性ホスファターゼ、蛍光標識、たとえばフルオロイソ
チオシアネート(FITC)もしくはローダミン、抗体、抗原、小分子、たとえ
ばビオチン、常磁性イオン、ラテックス粒子、電子密度の高い粒子、たとえばフ
ェリチン(ferritin)、または光散乱性粒子、たとえばコロイド状の金
を含むことができる。それらの標識を検出するのに適した方法には、シンチレー
ション計数、オートラジオグラフィー、蛍光測定、熱量測定または発光測定が含
まれる。検出可能な標識、それらの標識化を行う方法、および標識の検出方法は
当技術分野で周知であり、たとえば下記にみられる:An Introduct ion to Radioimmunoassay and Related Techniques:Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology 、第
4版、編者T.Chard、エルゼビル・サイエンス・パブリッシャー、オラン
ダ国アムステルダム、1990;Methods in Non−Radioa ctive Detection 、Gray C.Howard編、アップルト
ン・アンド・ランゲ、コネチカット州イースト・ノーウォーク、1993、また
Radioisotopes in Biology:A Practica l Approach 、R.J.Slater編、オックスフォード大学出版社
IRLプレス、英国オックスフォード、1990。
【0034】 さらに、本発明のペプチドをKeith et al.,J.Auton.P
harmacol.,9:243−252,1989、およびMangano
et al.,European J.Pharmacol.192:9−17
,1991のアッセイに使用して、GsAF IまたはIIの活性を模倣する化
合物を同定することができる。要約するとこのアッセイ法は、K+により誘発さ れたラット脳または脊髄切片からの3H−D−アスパラギン酸(3H−D−asp
artate)および3H−ノルエピネフリン放出を測定する。脊髄または脳の 切片を、K+刺激前に、GsAF I/GsAF II、被験化合物またはビヒ クルで予め15分間平衡化することができる。K+により誘発されたラット脳ま たは脊髄切片からの3H−ノルエピネフリンおよび3H−D−アスパラギン酸放出
レベルを測定する。次いでビヒクル対照と対比した、GsAF I/GsAF
II、または被験化合物による、K+誘発性のラット脳または脊髄切片からの3
−ノルエピネフリンおよび3H−D−アスパラギン酸放出の阻害を判定する。被 験化合物をスクリーニングして、絶対阻害活性およびGsAF I/GsAF
IIに対する活性の両方を判定することができる。
【0035】 GsAF Iおよび/またはIIの鎮痛活性を模倣する化合物自体が鎮痛活性
をもち、鎮痛薬として、または他の目的で、たとえば解剖学的作用部位の判定、
本発明のペプチドの作用機序の判定、および本発明のペプチドの鎮痛活性を模倣
する他の化合物を同定するためのスクリーニングアッセイに使用できる。好まし
くは、スクリーニングアッセイに用いる被験化合物は小型の有機分子であるが、
いかなるタイプまたは大きさの化合物(タンパク質およびペプチドなど)の鎮痛
活性も本発明方法により試験することができる。
【0036】 GsAF Iおよび/またはIIを、その作用部位の確認のためのアッセイ、
およびさらにその活性の生理学的解明に使用できる。たとえばこれらのペプチド
を用いて、哺乳動物組織、単離した細胞、またはそれに由来する細胞下成分(s
ubcellular components)への、標識リガンドの結合/相
互作用の阻害を調べることができる。また、これらのペプチドを用いて、真核細
胞または原核細胞宿主系のcDNAまたはゲノム形質転換/ゲノムトランスフェ
クションにより生成した特異的な組換え発現タンパク質への、標識リガンドの結
合/相互作用の阻害を調べることができる。これらのペプチドを用いて哺乳動物
組織機能との同等な生化学的相互作用を調べることができ、これには受容体仲介
による特定の形質導入経路(transduction pathways)の
活性化/阻害、生体膜を通るイオン種の移動、および痛みにより誘導された特異
的な遺伝子活性の転写/翻訳プロフィルの変化が含まれる。具体的には、特定の
イオン種の放射性同位体検出または蛍光検出により測定される、哺乳動物細胞由
来の膜バリヤーを通したカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン
、クロリド(chloride)イオンまたは水素イオン分布の変化を測定する
方法を利用できる。これらのイオンの移動が特異的な極初期遺伝子(immed
iate early genes)の調節に与える影響も調べることができる
【0037】 本発明のペプチドはさらに、哺乳動物細胞膜を通したカリウム、ナトリウム、
カルシウムおよびクロリドの分布の電気生理学的測定に使用できる。これには、
シナプス伝達のマクロ分析(macroscopic analysis)およ
び特定イオン電流の顕微分析(microscopic analysis)が
含まれる。具体的には、脊髄後角ニューロン内での有害仲介による(noxio
us−mediated)神経作動開始(neuronal firing)お
よびシナプス伝達の阻害、ならびに個々の後根神経節または脊髄後角ニューロン
内での分離した特異的イオン電流の阻害を分析することができる。
【0038】 本発明のペプチドはさらに、哺乳動物種に与えられた侵害性(nociofe
nsive)/有害刺激に対する生理学的応答の阻害の研究に使用できる。具体
的には、未経験(naive)動物または疼痛状態を実験的に誘発した動物に与
えた熱的、機械的または化学的有害刺激に応答した運動パラメーター(すなわち
四肢引去り閾値(limb withdrawal threshold)また
は応答時間の潜伏/持続期間)を定量できる。
【0039】 GsAF IおよびIIは、グラモストラ・スパチュラタ毒からの単離、化学
的合成、または組換えDNA法により調製できる。グラモストラ・スパチュラタ
毒はスパイダー・ファーム(米国ペンシルベニア州フィースタービル)から市販
されている。クモ毒から、C−8およびC−18シリカ支持体上でトリフルオロ
酢酸/アセトニトリル緩衝液を用いる逆相高圧液体クロマトグラフィーにより連
続分画することによって、これらのペプチドを単離するのが好ましい。好ましい
C−8シリカ支持体はゾルバックス(Zorbax、登録商標)Rx C−8(
マック−モッド・アナリティカル社、ペンシルベニア州ウェストチェスター)で
あり、これはポアサイズ300Åをもち、ジイソプロピルオクチル側鎖を含むよ
うに共有結合的に修飾された(covalently modified)、直
径5ミクロンのシリカ粒子からなる。C−18シリカ支持体は、ポアサイズ30
0Åをもち、オクタデシル側鎖を含むように共有結合的に修飾された、直径5ミ
クロンのシリカ粒子からなるものが好ましい。他のタイプのC−8およびC−1
8シリカ支持体もこれらのペプチドの単離に使用するのに適する。好ましい緩衝
液はアセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸である。好ましい方法では、
粗製毒をまずC−8半調製用カラム上で、アセトニトリル中の0.1%トリフル
オロ酢酸緩衝液20〜50%という幅広い濃度勾配を用いて分画する。C−8カ
ラムおよび同一緩衝液のより狭い濃度勾配を用いて、これらのペプチドをさらに
精製し、次いでC−8カラムおよび幅広い緩衝液濃度勾配を用いてさらに分画す
る。
【0040】 GsAF IおよびIIは組換えDNA法により調製できる。これらのペプチ
ドの1つをコードするDNA配列を調製し、発現ベクターに挿入し、適切な宿主
細胞において発現させる。次いでこうして産生されたペプチドを宿主細胞および
/または細胞培養培地から精製する。これらのペプチドをコードするDNAの調
製方法およびそのDNAの発現方法は周知であり、たとえば下記にみられる:S
ambrook et al.(1989)Molecular Clonin g:A Laboratory Manual 、ニューヨーク州コールド・スプ
リング・ハーバー:コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス; Guide to Molecular Cloning Technique s:Methods in Enzymology ,vol.152,S.L.
Berger and A.R.Kimmel編、アカデミック・プレス(カリ
フォルニア州サンディエゴ)1987;およびGene Transfer a nd Expression Protocols:Methods in M olecular Biology ,vol.7,E.J.Murray編、ヒ
ューマナ・プレス(ニュージャージー州クリフトン)、1991。
【0041】 本発明のペプチドは、自動または手動の固相合成法を用いる化学的合成によっ
ても調製できる。これらの方法は当技術分野で周知であり、合成樹脂主鎖の選択
、アミノ、カルボキシルおよび側鎖保護基の選択、ならびに脱保護方式の選択な
どの特性に基づいて区別される。ペプチドの合成方法は、たとえば下記の標準的
テキストにみられる:E.Atherton and R.C.Sheppar
d,Solid Phase Peptide Synthesis:A Pr actical Approach ,IRLプレス/オックスフォード大学出版
社、英国オックスフォード、1989、およびM.Bodanszky,Pep tide Chemistry:A Practical Textbook
スプリンガー出版社、米国ニューヨーク,1988。
【0042】 好ましい合成方法においては、Fmoc化学を用いて自動合成装置によりGs
AF IおよびGsAF IIの合成を行うことができる。収量に応じて、線状
の還元ペプチドの調製を単一プロセス、またはフラグメントを結合させる縮合反
応を伴う2つの異なるプロセスで実施できる。目的ペプチドの単離、精製および
/または収率を高めるために、多様な保護基を線状ペプチドの合成に導入するこ
とができる。ペプチド中にあるシステイン残基の保護は、たとえばトリフェニル
メチル、アセトアミドメチルおよび/または4−メトキシベンジル基を任意の組
合わせで用いて達成できる。そのような方式は、折りたたまれたペプチドを得る
ための後続の酸化試験に有利となりうる。天然GsAF IおよびGsAF I
Iの分別タンパク質分解消化(differential proteolyt
ic digestion)と得られたフラグメントの質量分析とを組み合わせ
て、分子間ジスルフィド結合のアサイン(assignment)に利用できる
。次いで、収率を高めるために、このデータを合成ペプチド方式に採用すること
ができる。酸化方式には、目的とする折りたたまれたペプチドを得るための酸化
反応における、ランダム空気酸化、ヨウ素介助酸化、およびジメチルスルホキシ
ド介助酸化、ならびに少量のチオール試薬の使用が含まれる。粗製の線状還元ペ
プチドは、均質な酸化ペプチドと同様に、逆相高圧液体クロマトグラフィー−H
PLC(RP−HPLC)または他の標準法により精製できる。
【0043】 本発明の他の態様は、下記のアミノ酸配列を有する新規ペプチドを提供する:
【0044】
【化21】
【0045】 このペプチドのカルボキシ末端のロイシンはアミド化されている。すなわち末端
ロイシン残基の遊離末端が−COOHではなく−CO−NH2で終わっている。 アミド化されたペプチドおよびアミド化されていないペプチドの両方が本発明の
範囲に含まれる。
【0046】 本明細書中で用いる精製または単離したペプチドとは、汚染細胞成分、他の毒
性成分、または他の物質、たとえばペプチドの化学的合成に用いた試薬を実質的
に含まないペプチドを表す。好ましくは、ペプチドは全混合物の約50%以上の
量、より好ましくは約80%以上の量、最も好ましくは約90%以上の量のペプ
チドを含有する混合物中に存在する。
【0047】
【実施例】
【0048】
【実施例1】−グラモストラ・スパチュラタ毒からのペプチドGsAF Iの単
離および解明 A.ペプチドの単離 粗製グラモストラ・スパチュラタ毒は、凍結アリコートとしてスパイダー・フ
ァーム社(米国19053、ペンシルベニア州フィースタービル)により供給さ
れた。C−8半調製用(semi−preparative)カラム(25cm
×9.4mm)および分析用カラム(25cm×4.6mm)(ゾルバックス(
登録商標)RX−C8(マック−モッド・アナリティカル社、ペンシルベニア州
ウェストチェスター;ポアサイズ300Åをもち、ジイソプロピルオクチル側鎖
で共有結合的に修飾された、直径5ミクロンのシリカマイクロスフェア粒子から
なる);およびC−18分析用カラム(25cm×4.6mm)(バイダック(
Vydac)、カリフォルニア州ヘスペリア;ポアサイズ300Åをもち、オク
タデシル側鎖で共有結合的に修飾された、直径5ミクロンのシリカミクロスフェ
ア粒子からなる)を用いて、毒の逆相高圧液体クロマトグラフィー−HPLC(
RP−HPLC)を行った。半調製規模のRP−HPLCは5ml/分の流速を
用いて行われ、これに対し分析用分析には1ml/分の流速を用いた。
【0049】 溶出物の検出を215nmでの紫外分光法により監視し、画分を1分間隔で採
集するか、または紫外線強度に基づいて手動で採集した。初回注入体積を粗製毒
30〜50μlとした。したがって精製の各段階で多数回の分画を行い、個々の
同等画分をプールした。すべての画分を凍結乾燥した後、その後の精製またはイ
ンビボ鎮痛試験のためにHPLC用H2Oに再懸濁した。再懸濁体積は、元の粗 製毒体積に基づいた。RP−HPLCにより90%を超える均質性であると思わ
れる試料について鎮痛評価を行った。試料を再懸濁後、4度Cで保存した。保存
またはプラスチックもしくはガラスへの付着による検出可能な活性損失は証明さ
れなかった。
【0050】 ゾルバックス(登録商標)RX−C8半調製用カラム上での粗製グラモストラ
・スパチュラタ毒の最初の分画は、濃度勾配20〜50%のTFA/CH3CN 緩衝液(アセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸)を用い、3分の遅れで
30分間にわたって行われた(TFA/CH3CN緩衝液は、4mlのトリフル オロ酢酸を4Lのアセトニトリルに添加することにより調製された)。カラム流
速は5ml/分であり、1分間隔で画分を採集した。画分18が著しくGsAF
Iに富んでいた。画分17もGsAF Iペプチドを含有していたが、最も精
製された画分18より少量であった。画分18および所望により画分17の凍結
乾燥および再懸濁の後、より狭い濃度勾配のTFA/CH3CN緩衝液を用いて さらに分離を行った。
【0051】 画分18(および所望により17)をゾルバックス(登録商標)RX−C8半
調製用カラムに付与し、濃度勾配24〜30%のTFA/CH3CN緩衝液を用 い、3分の遅れで24分間にわたって分画した。主UV吸収ピークを、ピークテ
イル(peak−tails)を除いて手動で採集した。この工程後、試料の純
度は通常は少なくとも85%であることが認められた。
【0052】 上記の工程で採集した主UV吸収ピークをゾルバックス(登録商標)RX−C
8半調製用カラム上で(流速5ml/分)、濃度勾配20〜50%のTFA/C
3CN緩衝液を用い、3分の遅れで30分間にわたってさらに精製した。22 分で溶出した最初のピークを、ピークテイルを除いて手動で採集した。GsAF
I試料の純度は約98%の純度であることが認められた。
【0053】 場合により、GsAF I試料をゾルバックス(登録商標)RX−C8半調製
用カラム上で、きわめて狭い濃度勾配48〜51%のTFA/CH3CN緩衝液 に21分間にわたって暴露し、次いで凍結乾燥すると、質量が16ダルトン異な
る2種類のRP−HPLC分離可能なペプチドが現れた。他のペプチド試料を用
いて行った内部試験から、この質量の差は一次アミノ酸配列の相異によるもので
はなく、側鎖付加物を反映している可能性が最も高いと思われる。
【0054】 B.ペプチドの解明 1.分子量およびジスルフィド橋アサインのエレクトロスプレー質量分析(E
S−MS): 質量分析計(VG/ファイソンズ(Fisons)QUATTRO、ファイソ
ンズ・インスツルメンツ、英国マンチェスター)を連続捕捉モードで用いて、こ
のペプチドについてエレクトロスプレースペクトル(electrospray
spectra)を得た。各試料について(M+5H)3+、(M+4H)4+
よび(M+5H)5+電荷状態を観察し、換算してゼロ電荷状態スペクトルを求め
た。天然/酸化状態および還元状態の両方のペプチドについて分析を行った。凍
結乾燥GsAF Iを0.5Mジチオトレイトール(DTT)、0.1M N−
エチルモルホリン(pH8.5)中、38Cで10分間、還元した。約200〜
400pmole(ピコモル)のペプチドを含有するフローインジェクションを
測定した。GsAF Iの平均分子量は3707.5ダルトン(Da)と測定さ
れた。チオール還元後、平均分子量は3713.5ダルトンと測定された。各ジ
スルフィド結合が還元されるとペプチドの質量は2Da増加するので、6Daの
質量シフトに基づけば、これらのペプチドは3つのジスルフィド結合を含む。
【0055】 天然の酸化ペプチドを改質トリプシン(ベーリンガー・マンハイム)およびエ
ンドプロテイナーゼAsp−Nプロテアーゼの組合わせにより消化した。得られ
たタンパク質分解生成物の混合物を液体クロマトグラフィー−エレクトロスプレ
ー質量分析して、ジスルフィド結合をアサインした。GsAF Iペプチドのア
ミノ酸9と21を連結するジスルフィド橋を含む多数のペプチドが観察された。
pH8でタンパク質分解を行うと、ジスルフィド橋のスクランブリング(scr
ambling)が起きる可能性がある;しかしタンパク質分解生成物のランダ
ム化はみられず、この場合、ジスルフィド結合スクランブリングの可能性はない
と考えられる。残りのジスルフィド橋の結合は樹立されなかった。マトリックス
介助レーザーデソープションイオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量
分析(VG分析用/ファイソンズTOFSpec−SE、ファイソンズ・インス
ツルメンツ、英国マンチェスター)による、粗製タンパク質分解生成物混合物の
その後の分析で、エレクトロスプレー質量分析測定が確認された。
【0056】 2.還元ペプチド、ピリジルエチル化天然ペプチドおよびタンパク質分解消化
フラグメントのN−末端配列分析 気相シークエンサー(アプライド・バイオシステムズ475、カリフォルニア
州フォスター・シティー)によりN−末端配列決定を行った。16.5%高架橋
度トリス−トリシン(Tris−Tricine)ゲルを用いてSDS−Pag
eを行い(Schagger,H.and G.von Jagow,Anal
.Biochem.,166:368−379,1987)、Matsuida
ra,P.,J.Biol.Chem.,262:10035−10038の記
載に従ってProBlot(アプライド・バイオシステムズ、カリフォルニア州
フォスター・シティー)にエレクトロブロット(electroblot)した
。エレクトロブロットしたバンドを、Andrews,P.C.and J.E
.Dixon,Anal.Biochem.,161:524−528,198
7に記載の方法に従って、気相でピリジルエチル化した。カルボキシル基の活性
化およびセクアロン(sequalon)メンブラン(ミノポア社、マサチュセ
ッツ州ミルフォード)を用いるアリールアミン誘導体化ポリビニリデンジフルオ
リドとの反応によるペプチドの共有結合を、製造業者の指示に従って行った。還
元(Cysに対して100倍のジチオトレイトール、モル基準)GsAF Iペ
プチドのV8タンパク質分解消化を、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7
.8)中で18時間、酵素:基質比1:44を用いて行った。RP−HPLCに
よりフラグメントを単離し、配列分析前にレーザーデソープション/イオン化質
量分析によりそれらの質量を分析した。試料を、コーティングされたディスク上
にそのままの溶液として、または共有結合物としてシークエンサーに付与し、カ
ルボキシル末端酸性化/アミド化を確認した。下記に示すのはペプチドGsAF
Iについて得た配列である。GsAF Iペプチドのアミド化は、無傷の天然
ペプチドについての、またはV8(またはトリプシン)カルボキシル末端フラグ
メントそれぞれについてのES−MSデータにより支持される。
【0057】 ペプチドGsAF Iについて得た配列は下記のとおりである:
【0058】
【化22】
【0059】 Leu−NH2は、末端ロイシン残基がアミド化されていること、すなわち末端
ロイシン残基の遊離末端が−COOHではなく−C(=O)−NH2で終わって いることを表す。このペプチドのアミノ酸配列は、アミノ末端から出発して示さ
れている。
【0060】 3.UVスペクトル分析: これらのペプチドについて、8452Aダイオードアレイ分光光度計(ヒュー
レット・パッカード、米国ペンシルベニア州アボンデール)を用いて完全なスペ
クトルを得た。最終ペプチドの濃度は、Abs280nmから推論された。3Trp 、1Tyrおよび6Cysからの別個の寄与に基づいて計算した、280nmで
のGsAF Iのモル吸光係数は18710である。厳密な秤量に十分なペプチ
ドが単離された場合(かつTFA塩の結果として適切なペプチド含量であると仮
定して)、各濃度値は良好に一致した。定量法および多数の天然GsAF I調
製物を用いて、GsAF Iの毒濃度は約500〜750μMであると推定され
る。
【0061】
【実施例2】−ペプチドGsAF IIの単離および解明 A.ペプチドの単離 粗製グラモストラ・スパチュラタ毒は、凍結アリコートとして業者スパイダー
・ファーム社(米国19053、ペンシルベニア州フィースタービル)により供
給された。ゾルバックス(登録商標)Rx−C8半調製用カラム(25cm×9
.4mm)および分析用カラム(25cm×4.6mm)(マック−モッド・ア
ナリティカル社、ペンシルベニア州ウェストチェスター;ゾルバックス(登録商
標)Rx−C8は、ポアサイズ300Åをもち、ジイソプロピルオクチル側鎖で
共有結合的に修飾された、直径5ミクロンのシリカマイクロスフェア粒子からな
る)、およびC−18分析用カラム(25cm×4.6mm)(バイダック)、
カリフォルニア州ヘスペリア;ポアサイズ300Åをもち、オクタデシル側鎖で
共有結合的に修飾された、直径5ミクロンのシリカマイクロスフェア粒子からな
る)を用いて、毒の逆相高圧液体クロマトグラフィー−HPLC(RP−HPL
C)を行った。半調製規模のRP−HPLCは5ml/分の流速を用いて行われ
、これに対し分析用分析には1ml/分の流速を用いた。
【0062】 溶出物の検出を215nmでの紫外(UV)分光法により監視し、画分を1分
間隔で採集するか、または紫外線強度に基づいて手動で採集した。初回注入体積
を粗製毒30〜50μlとした。したがって精製の各段階で多数回の分画を行い
、個々の同等画分(identical fractions)をプールした。
すべての画分を凍結乾燥した後、その後の精製またはインビボ鎮痛試験のために
HPLC用H2Oに再懸濁した。再懸濁体積は、元の粗製毒体積に基づいた。R P−HPLCにより90%を超える均質性であると思われる試料について評価を
行った。試料を再懸濁後、4度Cで保存した。保存またはプラスチックもしくは
ガラスへの付着による検出可能な活性損失は証明されなかった。
【0063】 ゾルバックス(登録商標)RX−C8半調製用カラム上での粗製グラモストラ
・スパチュラタ毒の最初の分画は、濃度勾配20〜50%のTFA/CH3CN 緩衝液(アセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸)を用い、3分の遅れで
30分間にわたって行われた(TFA/CH3CN緩衝液は、4mlのトリフル オロ酢酸を4Lのアセトニトリルに添加することにより調製された)。カラム流
速は5ml/分であり、1分間隔で画分を採集した。画分19が著しくGsAF
IIに富んでいた。画分19の凍結乾燥および再懸濁の後、より狭い濃度勾配
のTFA/CH3CN緩衝液を用いてこの画分をさらに分離した。
【0064】 画分19をゾルバックス(登録商標)RX−C8半調製用カラムに付与し、濃
度勾配29〜33%または30〜34%のTFA/CH3CN緩衝液を用い、3 分の遅れで24分間にわたって分画した。主UV吸収ピークを、ピークテイルを
除いて手動で採集した。この工程後、試料の純度は通常は少なくとも85%であ
ることが認められた。主UV吸収ピークを、濃度勾配20〜50%のTFA/C
3CN緩衝液を用い、3分の遅れで30分間にわたってさらに精製した。23 .5分で溶出した最初のピークを、ピークテイルを除いて手動で採集した。Gs
AF II試料の純度は約98%の純度であることが認められた。
【0065】 B.ペプチドの解明 実施例1にペプチドGsAF Iについて記載した方法で、ペプチドGsAF
IIを解明した。GsAF IIの平均分子量は3979.9ダルトン(Da
)と測定された。チオール還元後、平均分子量は3985.9Daであった。各
ジスルフィド結合が還元されるとペプチドの質量は2Da増加するので、6Da
の質量シフトに基づけば、これらのペプチドは3つのジスルフィド結合を含む。
【0066】 アミノ酸組成分析は、アミノ酸分析装置を用いて行われた(アプライド・バイ
オシステムズ420H、カリフォルニア州フォスター・シティー)。データの正
規化をロイシンに関して行った。エドマン(Edman)N−末端配列分析に関
しては、残基/モル値に不一致は記録されなかった(加水分解に際して部分的ま
たは全体的に破壊された残基を除く)。
【0067】 アミノ酸組成分析により、次表に示すデータが得られた。この分析でトリプト
ファンは完全に破壊され、システインは部分的に破壊されたので、それらの存在
は、それぞれUV分光法およびエレクトロスプレー質量分析により推測された。
残基/モル値は基準としてのLeuに基づいて計算された。
【0068】
【表1】
【0069】 ペプチドGsAF IIのアミノ酸配列を以下に示す:
【0070】
【化23】
【0071】 GsAF IIの位置31におけるTrpの推論は、アミノ酸組成データおよ
びES−MS分析に基づく。具体的には、エドマン推論配列についての計算質量
値と天然ペプチドについての質量分析との説明されていない相異は、遊離酸カル
ボキシル末端であると推定して186Da、カルボキシル末端がアミド化されて
いる場合は187Daである。この質量差(+または−1Da)は、多重のアミ
ノ酸の組合わせにより説明できる。しかしこれらの組合わせはいずれもアミノ酸
組成データと良く一致しない。内部Trpの質量は186Daであり、Trpは
加水分解条件下で破壊されるので、遊離酸としてのTrpを仮に位置31にアサ
インした。このアサインはその後、トリプシン消化後に単離したGsAF II
のカルボキシルフラグメントを分析することにより支持された。このフラグメン
トの高分解能質量分析およびMS−MS配列決定分析の両方が、カルボキシル末
端に遊離酸Trpが存在することを証明する。これらのデータは、合成により調
製したLys−Ile−Glu−Trpペプチドについて等しい分析結果が得ら
れて、さらに確証された。さらに、天然ペプチドフラグメントおよび合成フラグ
メント両方のRP−HPLC保持プロフィルが一致した。
【0072】 4Trp、1Tyrの存在および6Cysからのわずかな寄与に基づいて、G
sAF IIについて280nmでのモル吸光係数24310が推論された。こ
の数値を用いると、天然GsAF II調製物のUV分光法によりこのペプチド
の毒濃度が約3〜5Mであると推定される。
【0073】
【実施例3】−鎮痛性評価−尾フリック潜伏 この試験は、ラットが脊髄仲介反射機序により、その尾を、この付属物(尾)
の背面に収束させた高強度光源(IITC社/ライフ・サイエンシズ・インスツ
ルメント、91367カリフォルニア州ウッドランド・ヒルズ)から引き去るの
に要する時間間隔を測定する。光ビームの強度は、未経験動物がそれらの尾を2
〜4秒以内に引き去るように実験的に決定された。二次的な組織損傷の量を少な
くするために、光源の最大カットオフ時間を10秒に設定した。
【0074】 データは、絶対時間、または下記の方程式で表される最大可能効果(maxi
mal possible effect,MPE)の%として表示され、10
秒が最大である: %MPE=(処置後潜伏時間−処置前潜伏時間) 10−処置前潜伏時間 (潜伏時間(latency)は、動物がその尾を光源から引き去る前の時間量
を表す) GsAF I投与: 拘束を最小にして、ペプチドGsAF Iを、若い(75〜150g)の雄ス
プラーグ−ドーレイ(Sprague−Dawley)ラット(チャールズ・リ
バーズ・ラボラトリーズ、01887マサチュセッツ州ウィルミントン)にくも
膜下(i.th.)注射した。くも膜下注射は、脊髄くも膜下腔の腰椎部棘突起
L4とL5の間に、3/8インチ×28G注射針を備えた10μLハミルトン注
射器を用いて行われた。投与量は、吸光係数18710を用いて280nmでの
紫外線吸収値から推論された濃度に基づいた。注射量は10μLであった。注射
ビヒクルは食塩水または0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)/食塩水であっ
た。ラットを光源暴露の30分前にGsAF Iで前処置した。
【0075】 尾フリック応答の完全阻害(すなわち10秒を超える潜伏時間)は、180ピ
コモル(pmole)(666ナノグラム)のGsAF Iを投与した後に大部
分のラットにおいて記録された。この用量で95%MPEが達成され、運動障害
、四肢機能障害/麻痺、立直り反射、鎮静などの副作用は最小であるか、または
なかった。用量を対数的に減少させると、効果が急速に失われた。18pmol
e(66ナノグラム)のGsAF Iは29%のMPEを生じ、1.8pmol
e(6.6ナノグラム)のGsAF Iは無効(不活性)であった。前処置時間
30分で最大活性が検出された。
【0076】 GsAF II投与: 拘束を最小にして、ペプチドGsAF IIを、若い(75〜150g)の雄
スプラーグ−ドーレイラット(チャールズ・リバーズ・ラボラトリーズ、018
87マサチュセッツ州ウィルミントン)に、脊髄くも膜下腔の腰椎部棘突起L4
とL5の間に、3/8インチ×28G注射針を備えた10μLハミルトン注射器
を用いてくも膜下注射した。投与量は、推定モル吸光係数24310を用いて2
80nmでの紫外線吸収値から推論された濃度に基づいた。注射量は10μLで
あった。注射ビヒクルは食塩水または0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)/
食塩水であった。ラットを光源暴露の15分前にGsAF IIで前処置した。
【0077】 尾フリック応答の完全阻害(すなわち10秒を超える潜伏時間)は、2.33
ナノモル(nmole)(9.27マイクログラム)のGsAF IIを投与し
たすべての動物(n=8)において記録された。動物に583pmole(2.
33マイクログラム)のGsAF IIを投与した場合、6匹中5匹の動物に1
00%のMPEが記録され、この用量での平均MPEは92%であった。GsA
F Iと同様に、これらの用量で著しい副作用は検出されなかった。
【0078】
【実施例4】−鎮痛性評価−ホットプレート閾値 この試験では、ラットが加熱面からその後脚の一方を自発的に取り去り、影響
を受けた脚を振るか、またはなめる(lick、リッキングする)時点の温度を
測定する。加熱面の温度は実験的に推論した38度Cの値に予め設定され、53
度Cまたは54度Cの最大カットオフ値を採用した。データは絶対温度(度C)
として、または次式で記載される最大可能効果%として表される。 %MPE=(後潜伏値−前潜伏値) 53−前潜伏値 (54が最大値である場合、53の代わりに54を挿入する) GsAF I投与: 拘束を最小にして、ペプチドGsAF Iを、若い(75〜150g)の雄ス
プラーグ−ドーレイラット(チャールズ・リバーズ・ラボラトリーズ、0188
7マサチュセッツ州ウィルミントン)に、脊髄くも膜下腔の腰椎部棘突起L4と
L5の間に、3/8インチ×28G注射針を備えた10μLハミルトン注射器を
用いてくも膜下注射した。投与量は、吸光係数18710を用いて280nmで
の紫外線吸収値から推論された濃度に基づいた。注射量は10μLであった。注
射ビヒクルは食塩水または0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)/食塩水であ
った。ラットを熱暴露の30分前にGsAF Iで前処置した。
【0079】 30分の前処置間隔で、180pmole(666ナノグラム)のGsAF
Iが70%のMPEを生じた。用量を10倍減少させると(18pmoleに)
、活性が有意に失われた。1時間の前処置で多数回投与において、より大きな有
効性が得られた。1時間の前処置では、180pmole(66ナノグラム)の
GsAF Iが91%のMPEを生じ、18pmole(6.6ナノグラム)が
24%のMPEを生じた。これらの用量で運動に対する不都合な影響はみられな
かった。これは、動物の前脚が閾値より低い温度で応答性であり、温度を高める
と前脚を加熱面から速やかに持ち上げたという所見により確証された。
【0080】 GsAF II投与: 拘束を最小にして、ペプチドGsAF IIを、若い(75〜150g)の雄
スプラーグ−ドーレイラット(チャールズ・リバーズ・ラボラトリーズ、マサチ
ュセッツ州ウィルミントン)に、脊髄くも膜下腔の腰椎部棘突起L4とL5の間
に、3/8インチ×28G注射針を備えた10μLハミルトン注射器を用いてく
も膜下注射した。投与量は、吸光係数18710を用いて280nmでの紫外線
吸収値から推論された濃度に基づいた。注射量は10μLであった。注射ビヒク
ルは食塩水または0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)/食塩水であった。ラ
ットを熱暴露の15分前にGsAF IIで前処置した。
【0081】 2.33nmole(9.27マイクログラム)用量のGsAF IIを投与
したすべての動物(n=8)において、100%のMPEが記録された。用量を
583pmole(2.32マイクログラム)に減少させると、59%の平均M
PEが記録された。これらの用量で運動共調問題(motor coordin
ation problems)はみられなかった。
【0082】
【実施例5】−鎮痛性評価−フォンフレイ閾値 この試験では、ラットが自発的に強引な逃避運動で後脚を引き去るか、または
鳴き声をあげるまで、後脚の背面に次第に太いフィラメントを当てる。フィラメ
ントの太さには任意の数値を付し、これを下記の方程式により重量グラムに換算
できる: 重量グラム=10(フォンフレイスコア-1) 1000 データは絶対重量グラム値として、または次式で記載される最大可能効果(MP
E)%として表される。 %MPE=(後潜伏値−前潜伏値) 446.7−前潜伏値 GsAF I投与: 注射の30分後に試験した場合、180pmole(666ナノグラム)およ
び18pmole(66ナノグラム)のGsAF Iが、それぞれ93%および
24%のMPEを生じた。前処置期間を1時間に延長すると、180pmole
用量では100%のMPE、18pmole(6.6ナノグラム)用量では22
%のMPEが得られた。著しい副作用はなかった。
【0083】 GsAF II投与: 注射の30分後に試験した場合、2.33nmole(9.27マイクログラ
ム)用量のGsAF IIが83%のMPEを生じた。583pmole(2.
32マイクログラム)用量のGsAF Iは48%のMPEを生じた。高い方の
用量で、試験したラットの75%が最大鎮痛活性(すなわち100%のMPE)
を示した。GsAF Iのデータに基づいて、より長い前処置を採用するとより
大きな鎮痛効果が得られると推測される。
【0084】
【実施例6】−鎮痛性評価−ホルマリン疼痛試験 この試験のための有害刺激は、動物の後脚の一方の背面への5%ホルマリン溶
液皮下注射である。この試験に用いた運動活性指数は、1)その付属物(脚)を
リッキングするのに費やした全時間、および2)刺激した脚のフリンチ(fli
nching、引取り)/揺らし(shaking)応答の全回数である。デー
タ収集は、脚にホルマリン溶液を注射した直後から開始される。短期応答は、ホ
ルマリン注射後0〜5分の期間で判定される。長期応答は、ホルマリン注射後2
0〜35分の期間で判定される。データ収集をコンピュータ処理フォーマットで
行う。データの表示は、絶対値を用いて、または食塩水ビヒクル注射後の応答レ
ベルにより定められる対照に対する%として行われる。
【0085】 GsAF I投与: 拘束を最小にして、ペプチドGsAF Iを、若い(75〜150g)の雄ス
プラーグ−ドーレイラット(チャールズ・リバーズ・ラボラトリーズ、0188
7マサチュセッツ州ウィルミントン)に、脊髄くも膜下腔の腰椎部棘突起L4と
L5の間に、3/8インチ×28G注射針を備えた10μLハミルトン注射器を
用いてくも膜下注射した。投与量は、吸光係数18710を用いて280nmで
の紫外線吸収値から推論された濃度に基づいた。注射量は10μLであった。注
射ビヒクルは食塩水または0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)/食塩水であ
った。ラットをホルマリン溶液注射の30分前にGsAF Iで前処置した。
【0086】 180pmole(666ナノグラム)、18pmole(66ナノグラム)
のGsAF Iが91%のMPEを生じ、1.8pmole(6.6ナノグラム
)のGsAF I注射後、下記の結果が得られた。数値は対照に対する%として
示され、絶対レベルをかっこ内に示す。
【0087】
【表2】
【0088】 GsAF II投与: 拘束を最小にして、ペプチドGsAF IIを、若い(75〜150g)の雄
スプラーグ−ドーレイラット(チャールズ・リバーズ・ラボラトリーズ、018
87マサチュセッツ州ウィルミントン)に、脊髄くも膜下腔の腰椎部棘突起L4
とL5の間に、3/8インチ×28G注射針を備えた10μLハミルトン注射器
を用いてくも膜下注射した。投与量は、前記のように280nmでの紫外線吸収
値から推論された濃度に基づいた。3980Daの質量に基づくと、GsAF
IIの583pmoleは2.3マイクログラムに相当し、GsAF IIの2
.33nmoleは9.3マイクログラムに相当する。注射量は10μLであっ
た。注射ビヒクルは食塩水または0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)/食塩
水であった。ラットをホルマリン注射の15分前にGsAF IIで前処置した
【0089】
【表3】
【0090】 前記分析のほか、180pmole(666ナノグラム)のGsAF Iを5
%ホルマリン注射の5分後に投与し、前記に従って長期応答を記録した。有効性
の高いGsAF Iの活性が保持された。長期フリンチ応答(tonic fl
inch response)は86%阻害され(すなわち対照の14%)、長
期リッキング期間は91%短縮された(すなわち対照の9%)。この特性は、μ
−オピオイド受容体と相互作用する強い鎮痛性化合物についてのみ報告されてい
る。これは、GsAF Iの鎮痛活性が感覚線維(主にc−線維)の初期の迅速
な作動開始(firing)の妨害、または後角ニューロン内でワインドアップ
の閉塞によるものではないことも証明する。
【0091】
【実施例7】−鎮痛性評価−オピオイド受容体試験 GsAF IおよびIIの抗侵害受容効果がオピオイド受容体により仲介され
るか否かを判定するために、若い(75〜150g)の雄スプラーグ−ドーレイ
ラット(チャールズ・リバーズ・ラボラトリーズ、マサチュセッツ州ウィルミン
トン)を、モルフィンの抗侵害受容活性を復帰させる用量のオピオイドアンタゴ
ニストで前処置した。次いで動物を尾フリック試験(実施例3)およびフォンフ
レイ試験(実施例5)で試験した。180pmole(666ナノグラム)のG
sAF Iをくも膜下投与する5分前の10mg/kgナロキソン(nalox
one)皮下投与は、10分後(すなわち、GsAF I投与の10分後であっ
て、ナロキソン皮下投与の15分後)に測定して、GsAF I(180pmo
le、くも膜下)の鎮痛活性を阻止できなかったが、モルフィン(3μg、くも
膜下)の鎮痛効果には完全に拮抗した。さらに、180pmoleのGsAF
Iをくも膜下投与する直前のナロキソン(50μg)くも膜下投与は、10分後
に測定して、鎮痛応答を阻止できなかったのに対し、くも膜下モルフィン(3μ
g)の復帰が測定された。
【0092】 また、不可逆的オピオイドアンタゴニストであるB−フナルトレキサミン(f
unaltrexamine)による前処置(GsAF I注射の18時間前に
5μgをくも膜下投与)は、ホットプレート試験(実施例4)またはホルマリン
試験(実施例6)のいずれにおいても、GsAF Iの鎮痛活性を阻止できなか
った。GsAF I(おそらくGsAF IIも)の鎮痛プロフィルは、非オピ
オイド受容体関連機序で仲介される高い有効性を示す。
【0093】
【実施例8】−GsAF Iとモルフィンの交差耐性に関する鎮痛性評価 ヒトおよびげっ歯類にモルフィンを反復投与すると、いかなる各用量について
も鎮痛応答性が低下し、すなわち用量応答曲線が左方シフトする。耐性と呼ばれ
るこの現象により、同等の疼痛軽減を維持するためのモルフィン用量が経時的に
漸増する。臨床的には、負の副作用(すなわち鎮静、便秘、呼吸抑圧など)と対
比した鎮痛に対する耐性発現の差が、長期治療方式におけるモルフィンの有用性
を制限する可能性がある。耐性の生理学的根拠は完全には理解されていないが、
推定鎮痛性化合物はそれらの有効性がモルフィン投与の結果変化する(すなわち
モルフィン交差耐性)か否かを判定する評価を行うことができる。若い(75〜
150g)の雄スプラーグ−ドーレイラット(チャールズ・リバーズ・ラボラト
リーズ、マサチュセッツ州ウィルミントン)に、1日2回、6日間、漸増量(す
なわち2.5mg/kg/回−1日目;5mg/kg/回−2日目;10mg/
kg/回−3日目;20mg/kg/回−4および5日目;25mg/kg/回
−6日目)のモルフィン、またはビヒクル対照としての食塩水を皮下投与した。
7日目に、ホルマリン疼痛試験の長期フリンチ応答(実施例6に記載)により、
モルフィンとGsAF Iの鎮痛活性を試験した。モルフィンおよびGsAF
Iの用量応答測定は、若い(75〜150g)の雄スプラーグ−ドーレイラット
(チャールズ・リバーズ・ラボラトリーズ、01887マサチュセッツ州ウィル
ミントン)へのくも膜下投与により行われた。拘束を最小にして、モルフィンま
たはGsAF Iを脊髄くも膜下腔の腰椎部棘突起L4とL5の間に、3/8イ
ンチ×28G注射針を備えた10μLハミルトン注射器を用いて注射した。Gs
AF Iの投与量は、吸光係数18710を用いて280nmでの紫外線吸収値
から推論された濃度に基づいた。注射量は、モルフィンおよびGsAF Iとも
10μLであった。モルフィンおよびGsAF Iのビヒクル対照は、それぞれ
食塩水および0.1%BSA/食塩水であった。
【0094】 モルフィンで6日間処置し、次いでモルフィン投与の結果としての鎮痛誘導を
7日目に評価した動物は、食塩水ビヒクルを与えた動物と対比して、有意に左方
への用量応答曲線シフト(300倍)を示した(食塩水対照群についてはED50 =0.1ug、くも膜下;モルフィン処置群についてはED50>30ug、くも
膜下)。ED50は、最大鎮痛効果の50%を与えるのに必要な用量である。これ
に対しGsAF Iの用量応答特性は、この試験の2つの処置群について有意差
がなかった(食塩水対照群についてはED50−26.7pmole、くも膜下;
モルフィン処置群についてはED50−20pmole、くも膜下)。これは、予
めモルフィンに暴露してもGsAF Iの鎮痛特性は変化せず、すなわち、交差
耐性が生じないことを示す。
【0095】
【実施例9】−鎮痛性評価−急性炎症疼痛試験 組織傷害は、傷害部位および隣接組織部位の両方に炎症および痛覚過敏(すな
わち閾値を超える有害刺激に対する疼痛応答の程度や持続時間の亢進)を生じる
。炎症疼痛状態でのGsAF IIの抗痛覚過敏活性を評価するために、35〜
400gの成体雄スプラーグ−ドーレイラットにおいて、Hargreaves
et al.,Pain,32:77−88,1988の方法に従って海草抽
出物カラゲニンを後脚に片側注射した後、脚引去り潜伏時間を測定した。要約す
ると、ラットをガラス板に乗せ、板の下側から後脚の表面へ向けて放射熱を収束
させることにより、引去り潜伏時間を測定する。板の表面から後脚を引き去るま
での秒数として、潜伏値を記録する。カラゲニン(4mg/後脚)注射の前に基
礎測定を行い、次いでカラゲニン注射の150分後に測定して、痛覚過敏応答レ
ベルを求める。2回目の測定の後、GsAF Iまたはビヒクル(すなわち0.
1%BSA/食塩水)を、脊髄の腰膨大部内に配置したくも膜下留置カニューレ
により投与する。化合物投与後、種々の時間間隔で脚引去り潜伏時間を測定する
ことにより、抗痛覚過敏活性を判定する。脚引去り潜伏と同時に、抗炎症活性お
よび抗発熱活性を検出するために、脚体積および脚温度を測定する。
【0096】
【表4】
【0097】 痛覚過敏は試験したすべての動物に検出された。上の表に示すように、カラゲ
ニン注射後150分で、脚引去り時間が有意に短縮した。3nmoleのGsA
F IIを投与すると、脚引去り潜伏が30分でほぼ最大値(17.82±3.
78秒)、60分では予定したカットオフ値(20.8秒)にまで高まることに
より、この痛覚過敏、熱誘発応答が完全に復帰した。脚体積または脚温度のいず
れにも有意の低下は検出されず、著しい運動損失または明らかな副作用の徴候は
なかった。GsAF IIは急性末梢炎症疼痛に対する有効な鎮痛/抗痛覚過敏
性化合物である。鎮痛誘導に浮腫または体温の短期低下は伴わなかったので、G
sAF IIは抗炎症性はもたないと思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/18 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/68 33/68 A61K 37/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (71)出願人 Fernhurst,Haslemer e,Surrey GU27 3JE,Un ited Kingdom

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のアミノ酸配列を有する精製ペプチド: 【化1】
  2. 【請求項2】 医薬的に許容できるキャリヤーまたは希釈剤、および下記のア
    ミノ酸配列を有するペプチド: 【化2】 を含む医薬組成物。
  3. 【請求項3】 鎮痛誘導活性を有する化合物の同定方法であって、下記のアミ
    ノ酸配列を有するペプチド: 【化3】 または 【化4】 の活性を測定する生物学的アッセイに被験化合物を添加し;そして 被験化合物の活性を検出する 工程を含む方法。
  4. 【請求項4】 ペプチドが下記のアミノ酸配列を有するペプチド: 【化5】 である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 ペプチドが下記のアミノ酸配列を有するペプチド: 【化6】 である、請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 ペプチド: 【化7】 または 【化8】 に対して特異的な抗体。
  7. 【請求項7】 痛みの処置のための医薬の製造における、下記のアミノ酸配列
    を有するペプチド: 【化9】 または 【化10】 の使用。
  8. 【請求項8】 痛みの処置のための、下記のアミノ酸配列を有するペプチド: 【化11】 または 【化12】 の使用。
  9. 【請求項9】 痛みの処置方法であって、その処置を必要とする哺乳動物に、
    有効鎮痛量の下記のアミノ酸配列を有するペプチド: 【化13】 または 【化14】 を投与する方法。
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