JPH11506737A - 小細胞肺ガンを治療または検出するためのコノトキシンペプチドu002およびmiiの使用 - Google Patents

小細胞肺ガンを治療または検出するためのコノトキシンペプチドu002およびmiiの使用

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JPH11506737A
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サントス,アメウルフィノ・エセ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、小細胞肺ガン(SCLC)を患う患者を治療し、またはSCLC腫瘍の存在を検出するための、比較的短いペプチド、詳細には、α-コノトキシンペプチドMIIおよびU002の使用に指向される。MIIおよびU002は他のα-コノトキシンペプチドと同様にニューロンニコチン性受容体に結合するが、それらは、神経筋に対して顕著に低い親和性しか有していないことが判明した。SCLCを患う患者は、本発明により、有効成分としてα-コノトキシンペプチドを含有する医薬組成物を好ましくは静脈内または筋肉内投与することによって治療する。SCLC腫瘍の存在または位置は、本発明により、検出し得るマーカーで標識したMIIまたはU002を対象に注射し、続いて標識したMIIまたはU002の結合を検出してSCLC腫瘍の存在または位置を決定することによって、検出する。

Description

【発明の詳細な説明】 小細胞肺ガンを治療または検出するための コノトキシンペプチドU002およびMIIの使用 本発明は、米国国立衛生研究所(Bethesda,Maryland)によって付与された補 助金番号GM-22737下の政府補助金によってなされた。合衆国政府は、本発明にお いて特定の権利を有する。 発明の背景 本発明は、小細胞肺ガン(SCLC)を患う患者を治療し、あるいは、SCLC 腫瘍の存在を検出するための比較的短いペプチド、特に、MII-およびU00 2-α-コノトキシンの使用に関する。 発明の背景、特に、実施に関するさらなる詳細を提供する場合を説明するため に本明細書中で用いる刊行物および他の材料は、出典明示して本明細書の一部と みなし、簡便性のため、以下の明細書中および添付した著者目録中に各々対応し た群の数字で参照する。 イモガイ属の軟体動物は、そのユニークな捕食生活様式を行えるようにする非 常に高い毒性の毒を産生する。餌食動物は、銛(harpoon)および皮下注射針の両 方の様式で機能するディスポーサブル中空(disposable hollow)歯である非常に 特殊化された毒装置によって注射される毒によって固定される。 毒性動物とその毒液を注入された餌食との間ほど印象的な生物間の関係は、ほ とんど存在しない。毒は餌食を捕捉するための主要な武器としてか、または防御 機構として使用され得る。これらの毒は、毒液を注入された動物の必須器官系を 破壊し、これらの毒の多くは、神経筋系の受容体およびイオンチャンネルに指向 された分子を含有する。 捕食性イモガイ(イモガイ科(Conus))はユニークな生物学的戦略を発達させて きた。その毒は、種々の神経筋受容体を標的化する比較的小さなペプチドを含有 し、植物のアルカロイドまたは微生物の二次代謝物と薬理学的多様性は同等であ り得る。これらのペプチドの多くははっきりとした立体配置を有する最小核酸- コード翻訳産物の中に入り、それ自体が、幾分珍しい。このサイズ範囲のペプチ ドは、通常、多くの立体配置内で平衡化する。固定立体配置を有する蛋白質は、 一般的により大きい。 一般的に「コノトキシン」または「コノトキシンペプチド」と呼称されるこれ らの毒性ペプチドを産生するイモガイは、ほぼ500種よりなる毒性複足類動物 の大きな属である。すべてのイモガイ種は、毒を注射して餌食を捕捉する捕食者 であり、全体として毒を注入し得る属である動物のスペクトルは広い。広範な種 々のハンティング戦略が用いられる;しかしながら、どのConus種も根本的には 同一の毒注入の基本パターンを用いる。 これらの魚類-ハンティング(fish-hunting)イモガイ毒中の主要な麻酔ペプチ ドは、同定され、特徴付けされた最初のものである。C.geographus毒において は、3つのクラスのジスルフィド-リッチなペプチド:α-コノトキシンペプチド (ニコチン性アセチルコリン受容体を標的化し、遮断する):μ-コノトキシンペ プチド(骨格筋Na+チャンネルを標的化し、遮断する);および、ω-コノトキシ ンペプチド(シナプス前部ニューロンCa2+チャンネルを標的化し、遮断する)が 見出された。しかしながら、各毒のクラスに複数の相同物が存在する;例えば、 C.geographus毒単独に存在する少なくとも5種の異なるω-コノトキシンペプチ ドが存在する。配列においてはかなりの変動が明らかであり、異なるω-コノト キシンペプチド配列をまず比較した場合、ジスルフィド結合に含まれるシステイ ン残基と1個のグリシン残基のみが不変動であることが判明した。C.geographu s毒中に見出されたもう1つのクラスのコノトキシンは、若齢マウスに眠りを引 き起こし、老齢マウスに活動亢進状態を引き起こすコナントキンと呼称されるも のであり、これはNMDA受容体を標的化する。各イモガイ毒は、それ自体の特 有の群または特性の異なるコノトキシン配列を有するようである。 これらのペプチドの多くは、今日、神経科学においてかなり標準的な研究ツー ルとなっている。μ-コノトキシンペプチドは、筋肉Na+チャンネルを優先的に 遮断するが、軸索Na+チャンネルは遮断しないその能力のために、軸索または シナプス事象に影響を及ぼすことなく、骨格筋を固定するための簡便なツールで ある。ω-コノトキシンペプチドは、電位-感受性Ca2+チャンネルを研究するた めの標準的な薬理学的試薬となってきており、シナプス前部末端および神経伝達 物質放出を遮断するために使用される。α-コノトキシンは種々の臨床用途を有 する。1つのかかる用途は、哺乳動物神経筋接合nAChRのアンタゴニスト的 遮断を達成するその能力のための、臨床的筋肉弛緩薬としてのその利用である。 小細胞肺ガン(SCLC)細胞は、コリン作動性ニコチン性受容体を発現するこ とが明らかにされている(Maneckjeeら(19);Chiniら(20);Tarroniら(21); Schullerら(22))。これらのSCLCニコチン性受容体は、ニューロンタイプ のものであることが示されている(Chiniら(20);Tarroniら(21))。ニコチン およびシトシンは、各々、SCLC細胞中で強力なマイトジェンとして作用する 5-ヒドロキシトリプタミン(5HTまたはセロトニン)の放出を刺激する(Maneck jeeら(19);Cattaneoら(23))。α-コノトキシンMIは、セロトニンの放出 を誘導するニコチンまたはシトシンを遮断し、1μM濃度でSCLC不死化のニ コチンおよびシトシン刺激に完全に拮抗する(Codignolaら(24))。ニューロン タイプのニコチン性受容体に結合するα-コノトキシンは、SCLCのごとき腫 瘍の不死化を防ぐのに適しており、下記のごとく治療的に使用してかかる不死化 を治療的に阻害することができる。これらのα-コノトキシンは、下記のごとく 小細胞肺ガンの存在および/または位置を検出するために診断的に使用すること もできる。Codignolaら(24)はα-コノトキシンMIがこれらのSCLC受容体 に結合すると報告しているが、α-コノトキシンMIは治療および診断用途には 適していない。なぜならば、それは、神経筋受容体にも結合し、死に至り得る完 全麻痺を引き起こし得るからである。神経筋受容体に結合しないα-コノトキシ ンか、またはニコチン性ニューロン受容体と比してかかる受容体に遥かに低い親 和性しか有していないα-コノトキシンが、治療または診断の目的に適している 。 前記の種々の一般特性を有するさらなるコノトキシンペプチド、および小細胞 肺ガンを治療するための神経筋受容体に対して低い親和性しか有していないコノ トキシンペプチドが求め続けられている。 発明の概要 本発明は、小細胞肺ガン(SCLC)を患う患者を治療するためか、またはSC LC腫瘍の存在を検出するための、比較的短いペプチド、詳細にはα-コノトキ シンペプチドMIおよびU002の使用に指向される。MIIおよびU002は 他のα-コノトキシンペプチドと同様にニューロンニコチン性受容体に結合する が、それらが神経筋受容体に対して顕著に低い親和性しか有していないことが見 出された。 SCLCを患う患者は、有効成分としてα-コノトキシンペプチドを含有する 医薬組成物を投与することによって、本発明により治療する。該組成物は、一般 的に、約200ないし約2000ナノモル、好ましくは500ナノモルの有効成 分を含有する、投与ユニット、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、茶サ ジ一杯剤(teaspoonful)などを含有するであろう。投与の好ましい様式は、静脈 内または筋肉内である。投与スケジュールは、用いる特定のα-コノトキシンペ プチドの生物学的寿命に依存して、1日当たり1回から数日間毎日1回までのい ずれかの範囲とし得る。 SCLC腫瘍の存在または位置は、検出可能なマーカーで標識したMIIまた はU002を対象に注射し、続いて、標識MIIまたはU002の結合を検出し て、SCLC腫瘍の存在または位置を決定することによって、本発明により検出 する。 好ましい具体例の詳細な説明 魚類-ハンティング・イモガイは、その餌食に毒物を注射するのに種々の麻酔 性ペプチドを使用する。単離され、特徴付けられた最初のConusペプチドは、Con usgeographusの毒からの13-アミノ酸塩基性ペプチド、α-コノトキシンGIで あり、これは、脊椎動物の神経筋接合部でニコチン性アセチルコリン受容体を阻 害 する。α-コノトキシンは、多種の魚類-ハンティングConus種によって使用され 、その餌食の神経筋接合部を遮断する。3種の異なる魚類-ハンティングConus種 から6種のα-コノトキシンが生化学的に特徴付けられている。 今日までにConus毒から精製されたすべてのα-コノトキシン(表Iに示す)は幾 つかの共通した構造特徴を有し;高親和性α-コノトキシンに対する最小機能単 位を規定する12個の「コア」アミノ酸が存在し;6種の異なるα-コノトキシ ンからの共通配列を表に示す。最も普通でないα-コノトキシンは、さらなるジ スルフィド結合がその中に存在するConus striatusからのα-コノトキシンSIIで ある。しかしながら、すべてのα-コノトキシンのコア配列の中には、2個のジ スルフィド結合および多数の他のアミノ酸がよく保存されている。 最近、C.geographusからのα-コノトキシンの予想前駆体構造が、α-コノト キシンGIおよびその相同体をコードするcDNAクローンの配列分析によって 決定された。GIの前駆体は、64アミノ酸のプレプロペプチドである。一般的 なConusペプチドについては、シグナル配列およびオープンリーディングフレー ムに隣接する3'非翻訳領域はかなり保存されている。PCRプライマーは、他 のConus毒からのさらなるα-コノトキシン相同体の配列の予想を目的として、こ れらのα-コノトキシンGI配列を用いて作製した。該戦略は、特定のConus毒輸 送管からのメッセンジャーRNAまたはcDNAのいずれかを用いて出発し、α -コノトキシンに関連する配列を選択的に増幅した。 本発明は、小細胞肺ガン(SCLC)を患う患者を治療するか、またはSCLC 腫瘍の存在を検出するための比較的短いペプチド、詳細には、α-コノトキシン ペプチドMIIおよびU002の使用に指向される。MIIおよびU002は他 のα-コノトキシンペプチドと同様にニューロンニコチン性受容体に結合するが 、それらは神経筋受容体に対して顕著に低い親和性しか有していないことが見出 された。従って、MIIおよびU002はSCLCの診断および治療に特に適し ている。 SCLCを患う患者は、有効成分としてα-コノトキシンペプチドを含有する 医薬組成物を投与することによって、本発明により治療する。該組成物は、一般 的に、約200ないし約2000ナノモル、好ましくは500ナノモルの有効成 分を含有する投与ユニット、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、茶サジ 一杯剤などを含むであろう。投与の好ましい様式は、静脈内または筋肉内である 。投与スケジュールは、用いる特定のα-コノトキシンペプチドの生物学的寿命 に依存して、1日当たり1回から数日間にわたって1回までのいずれの範囲とす ることもできる。 SCLC腫瘍の存在または位置は、検出可能なマーカーで標識したMIIまた はU002を対象に注射し、続いて標識したMIIまたはU002の結合を検出 してSCLC腫瘍の存在または位置を決定することによって、本発明により検出 する。 A-系統コノトキシンペプチドは、α-コノトキシンペプチド中の配列に対して 、シグナル配列、およびコノトキシンペプチドをコードする遺伝子の3’-非翻 訳領域に強力な相同性を有するコノトキシンペプチドである。A-系統コノトキ シンペプチドは、該シグナル配列および3'非翻訳領域をベースとするプライマ ーを用いて、毒輸送管mRNAの逆転写によって調製したConus cDNAライブ ラリーまたはcDNAのポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅を行うことによって同 定し得る。A-系統コノトキシンペプチドには、α-コノトキシンペプチド、α- コノトキシン-様ペプチド、およびκ-コノトキシンペプチドが含まれる。 詳細には、本発明において有用なα-コノトキシンペプチドは以下の配列を有 する: U002:Gly-Cys-Cys-Ser-Asp-Pro-Arg-Cys-Ala-Trp-Arg-Cys(配列番号:9 )。C-末端は好ましくはアミド化されている。 MII:Gly-Cys-Cys-Ser-Asn-Xaa1-Val-Cys-His-Leu-Glu-His-Ser-Asn-Leu-C ys(配列番号:10)。Xaa1はProまたはヒドロキシ-Proであってもよく、C-末端 は好ましくはアミド化されている。 Conus種から精製したコノトキシンペプチドは、一般的に、多くのプロリル残 基のProの代わりにヒドロキシ-Proを含有している。Proまたはヒドロキシ-Proの いずれかを用いて合成したコノトキシンペプチドは本明細書に記載する生物活性 を有する。従って、Proまたはヒドロキシ-Proは、本明細書において同定したペ プチドのいずれのプロリルまたはヒドロキシ-プロリル残基においても使用する ことができ、それらは同等であると考えられる。コノトキシンペプチドの修飾プ ロリル残基ないしヒドロキシ-Proへの翻訳後修飾に加えて、他の残基も貝中で翻 訳後修飾される。これらの残基には、γ-カルボキシグルタメートまたはβ-カル ボキシアスパルテートに各々修飾され得るGlxまたはAsxが含まれる。かか る修飾は、残基がコノトキシンペプチドのN-末端に存在する場合に見られる。 さらなる翻訳後修飾には、Serおよび/またはThr残基のグリコシル化が含 まれ得る。従って、これらの修飾を有するコノトキシンペプチドは前記で特定し た配列の同等物であると考えられ、本発明の範囲内に入る。 精製および配列分析、PCR増幅、組換えDNA技術などによるごとき、コノ トキシンペプチドのアミノ酸配列を同定した後、成熟コノトキシンペプチドはさ らに下記する慣用的な技術を用いて合成することができる。U002およびMII (以前はMG-1とも命名されていた)をコードするDNAは、WO 95/11256(18) 記載のごとく得ることができる。 これらのペプチドは化学合成するのに十分に小さい。前記のペプチドを調製す る一般的化学合成は本明細書中にて後記する。1つのα-コノトキシンペプチド の特定の化学合成の一例は、WO 95/11256に示されている。これらのコノトキシ ンペプチドは、米国特許第4,447,356号(1)またはOliveraら(2)に記載されてい る技術を用いて、特定のConus種から単離し、精製することによっても得ること ができる。 該コノトキシンペプチドは数種のイモガイから精製することによっても得るこ とができるが、個々の貝から得ることができるコノトキシンペプチドの量は非常 に少量なため、望ましい実質的に純粋なコノトキシンペプチドは、化学合成によ って商業的に価値ある量で最良の実施で得られる。例えば、単一のイモガイから の収量は、約10μg以下のA-系統コノトキシンペプチドである。「実質的に 純粋な」とは、実質的に他の同タイプの他の生物学的分子が実質的に存在しない で、該ペプチドが存在することを意味し;それは、好ましくは少なくとも約85 重量%、好ましくは少なくとも約95%のかかる存在する同タイプの生物学的分 子(例えば、水、緩衝液および無害な小分子が存在し得る)の量で存在する。生物 学的に活性なコノトキシンペプチドの化学合成は、アミノ酸配列の正確な決定の 工程に依存する。 該コノトキシンペプチドは、当該分野でよく知られている組換えDNA技術に よっても作製し得る。かかる技術はSambrookら(3)によって記載されている。こ のようにして作製したペプチドを単離し、要すれば還元し、酸化させて正確なジ スルフィド結合を形成させる。 本発明のA-系統コノトキシンペプチドにおけるジスルフィド結合を形成する 1つの方法は、冷室温下の長期間の該線状ペプチドの空気酸化である。この方法 は、実質量の生物活性ジスルフィド結合ペプチドを生成する。酸化ペプチドは、 逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いて分画し、異なる結合配 置を有するペプチドを分離する。その後に、これらの画分と天然物の溶出とを比 較するか、または単純なアッセイを用いることによって、最大生物活性の正確な 結合を有する特定の画分を簡単に決定する。また、線状ペプチド、または2以上 の画分を有する酸化産物を時としてイン・ビボ投与に使用し得ることも判明した 。なぜならば、イン・ビボで生じる架橋および/または再配列が生物学的に活性 なコノトキシン分子を生成することが判明したからである。しかしながら、より 低い生物活性の他の画分が存在することにより希釈されるため、幾分高い用量が 必要となり得る。 本発明のA-系統コノトキシンペプチド中にジスルフィド結合を形成させる第 2の方法には、A-系統コノトキシンペプチドの合成の間の、第2および第5シ ステイン上の保護剤としてのアセトアミドメチル(Acm)の使用が含まれる。こ れらの2個の残基に対するAcmの使用は、他のA-系統コノトキシンペプチド におけるジスルフィド結合との類似性に基づいている。Acm保護システインを 有するペプチドを室温にて一晩空気酸化する。二環式ペプチドをHPLCによっ て分離し、所望の異性体を単離する。最終のジスルフィド架橋は、ヨウ素化によ って行う。望ましくない異性体は、線状ペプチドに還元することによって効率的 にリサイクルされる。所望の異性体は、部分還元分析(4)によって決定する。こ の分析においては、二環式前駆体の試料をトリス-[2-カルボキシエチル]ホスフ ィンで処理して線状ペプチドおよび単一-架橋中間体を得る。後者のペプチドを ヨードアセトアミドと反応させて、アルキル化システイン残基の位置を配列分析 によって確立する。 該ペプチドは、排他的な固相技術によるか、部分固相技術によるか、断片縮合 によるか、または古典的な溶液カップリングによるごとき、適当な方法によって 合成する。近年開発された組換えDNA技術を用いて、これらのペプチド、特に 翻訳後修飾工程に不要な天然アミノ酸残基のみを含有する長いもの、を調製する ことができる。 従来の溶液相ペプチド合成においては、構成アミノ酸を所望の配列で伸長する ペプチド鎖に付加する一連のカップリング反応によって、ペプチド鎖を調製する ことができる。種々のN-保護基、例えば、ジクロロヘキシルカルボジイミドま たはカルボニルジイミダゾール、種々の活性エステル、例えば、N-ヒドロキシ フタルイミドまたはN-ヒドロキシ-スクシンイミドのエステル、ならびに種々の 切断試薬を使用して、溶液中で反応を行わせ、続いて単離し、中間体を精製する ことは、よく知られた古典的なペプチド方法である。古典的な溶液合成は、論文 "Methoden der Organischen Chemie(Houben-Weyl):Synthese von Peptiden"( 5)に詳細に記載されている。排他的固相合成の技術は、テキストブック”Soli d-Phase Peptide Synthesis”(6)に記載されており、米国特許第4,105,603号 (7)の開示によって例示されている。合成の断片縮合法は米国特許第3,972,85 9号(8)に例示されている。他の利用し得る合成は、米国特許第3,842,067号(9) および第3,862,925号(10)によって例示されている。 かかる化学合成に共通することは、種々のアミノ酸基のラービル側鎖基の適当 な保護基での保護であり、これは該基が最終的に除去されるまで、そのサイトで 化学反応が生じるのを防ぐであろう。通常、アミノ酸またはフラグメント上のα -アミノ基の保護も共通するが、その基はカルボキシル基で反応し、続いてα-ア ミノ保護基が選択的に除去されて、その位置で起こる続く反応が許容される。従 って、かかる合成における工程のごとく、ラービル側鎖を有する残基のうちの種 々のものに結合した適当な側鎖保護基を有するペプチド鎖中にその所望の配列で 位置する各アミノ酸残基を含有する中間化合物を生成することは共通する。 側鎖アミノ保護基の選択に関する限りは、一般的に、該合成の間のα-アミノ 基の脱保護の間に除去されないものを選択する。しかしながら、数種のアミノ酸 、例えば、Hisについては、保護は一般的に不要である。ペプチドの合成に使 用する特定の側鎖保護基の選択においては、以下の一般ルールに従う:(a)該保 護基は、好ましくはその保護特性を維持し、カップリング条件下において分裂し ないこと、(b)該保護基は、合成の各工程におけるα-アミノ保護基を除去する ために選択される反応条件下で安定でなければならないこと、および(c)側鎖保 護 基は、該ペプチド鎖を望ましくないように変化させない反応条件下で、所望のア ミノ酸配列を含有する合成が完了した際に除去され得るものでなければならない こと。 組換えDNA技術を用いてこれらのペプチドの多く、またはすべてさえも調製 することが可能であろう。しかしながら、ペプチドがそのように調製されない場 合には、当該技術分野で知られている他の同等の化学合成も前記のごとく用いる ことができるが、Merrifield固相合成を用いてそれを調製するのが好ましい。固 相合成は、適当な樹脂に保護α-アミノ酸をカップリングさせることによってペ プチドのC-末端から開始する。かかる出発物質は、α-アミノ-保護アミノ酸を 、エステル結合によってクロロメチル化樹脂またはヒドロキシメチル樹脂に結合 することによってか、あるいは、アミド結合によってベンズヒドリルアミン(B HA)樹脂またはパラメチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂に結合するこ とによって調製し得る。ヒドロキシメチル樹脂の調製は、Bondanskyら(11)に よって記載されている。クロロ-メチル化樹脂は、Bio Rad Laboratories社(Rich mond,CA)およびLab.Systems,Inc社から市販されている。かかる樹脂の調製は 、Stewartら(6)によって記載されている。BHAおよびMBHA樹脂支持体は 市販されており、合成する所望のポリペプチドがC-末端に非置換アミドを有す る場合に一般的に用いられる。従って、固相樹脂支持体は、式-O-CH2-樹脂支 持体、-NH BHA樹脂支持体、または-NH-MBHA樹脂支持体を有するもの のごとき、当該技術分野で知られているいずれのものであってもよい。非置換ア ミドが望ましい場合には、BHAまたはMBHA樹脂を使用するのが好ましい。 なぜならば、切断によって直接アミドが得られるからである。N-メチルアミド が望ましい場合には、N-メチルBHA樹脂からそれを生成することができる。 他の置換アミドが望ましい場合には、米国特許第4,569,967号(12)の教示を用 いることができ、あるいは、遊離酸以外のなお他の基が望ましい場合には、Houb enWeylテキスト(5)に記載されている古典的方法を用いて該ペプチドを合成する ことが好ましい。 Bocによって、および側鎖保護基によって保護されたC-末端アミノ酸は、 適当には、K.Horikiら(13)に記載の方法に従って、C-末端に遊離酸を有する ペプチドを合成すべき場合には、撹拌しつつ24時間、約60℃のDMF中のK Fを用いて、クロロメチル化樹脂に最初にカップリングさせることができる。B OC-保護アミノ酸を樹脂支持体にカップリングさせた後に、塩化メチレン中の トリフルオロ酢酸(TFA)またはTFA単独を用いることによって、該アミノ保 護基を除去する。該脱保護は、約0℃ないし室温の温度にて行う。ジオキサン中 のHClのごとき他の標準的な切断試薬、および特定のα-アミノ保護基を除去 するための条件は、SchroderおよびLubke(14)記載と同様に使用し得る。 α-アミノ-保護基を除去した後に、残りのα-アミノ-および側鎖-保護アミノ 酸を所望の順序で段階的にカップリングさせて、前記定義の中間化合物を得、あ るいは、別法として、合成において各アミノ酸に別々に付加して、固相反応器に 添加する前に、そのうちの幾つかを互いにカップリングさせることもできる。適 当なカップリング試薬の選択は、当業者の範囲内に入る。カップリング試薬とし て特に適当なのは、N,N'-ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)である。 ペプチドの固相合成で用いる活性化試薬は、ペプチド技術分野でよく知られて いる。適当な活性化試薬の例は、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミドおよび N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドのごとき、カルボ ジイミドである。他の活性化試薬およびペプチドカップリングにおけるそれらの 使用は、SchroderおよびLubke(14)、およびKapoor(15)によって記載されて いる。 各保護アミノ酸またはアミノ酸配列は、約2倍量またはより過剰な量で固相反 応器に導入し、カップリングは、ジメチルホルムアミド(DMF):CH2Cl2( 1:1)の媒質、またはDMFもしくはCH2Cl2単独中にて行うことができる 。中間カップリングが起こる場合には、次のアミノ酸のカップリングの前のα- アミノ保護基を除去する前に、該カップリング工程を繰り返す。合成の各ステー ジにおけるカップリング反応の成功は、手動で行う場合、好ましくは、Kaiserら (16)によって記載されているごとく、ニンヒドリン反応によってモニターする 。カップリング反応は、Rivierら(17)に報告されているようなプログラムを用 い て、Beckman 990 automatic synthesizer上でのごとく、自動的に行うことがで きる。 所望のアミノ酸配列が完成した後に、樹脂からペプチドを切断するのみならず 、すべての残っている側鎖保護基、および以前に除去されていない場合にはN- 末端のα-アミノ保護基も切断する液体フッ化水素のごとき試薬で処理すること によって、中間ペプチドを樹脂支持体から除去し、遊離酸形態のペプチドを得る ことができる。配列中にMetが存在する場合には、好ましくは、HFで樹脂か らペプチドを切断して、活性なS-アルキル化を除去する前に、トリフルオロ酢 酸(TFA)/エタンジオールを用いてBoc-保護基を最初に除去する。切断に フッ化水素を用いる場合には、アニソール、クレゾール、ジメチルスルフィドお よびメチルエチルスルフィドのごとき1種または2種以上のスキャベンジャーを 反応容器に含ませる。 線状ペプチドの環化は、好ましくは、ペプチド樹脂の一部分の間のペプチドの 環化とは反対に行って、Cys残基の間に結合を生成させる。かかるジスルフィ ド環化結合に作用するためには、当該技術分野でよく知られているように、アン モノリシスによって完全に保護したペプチドをヒドロキシメチル化樹脂またはク ロロメチル化樹脂支持体から切断して、完全に保護されたアミド中間体を得、そ の後、これを適当に環化させ、脱保護することができる。別法として、脱保護、 ならびに、前記の樹脂またはベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂もしくはメチル ベンズヒドリルアミン(MBHA)からのペプチドの切断は、フッ化水素(HF)を 用いて0℃で起こし、続いて前記のごとく酸化することができる。 SCLCを患う患者は、有効成分としてα-コノトキシンペプチドを含有する 医薬組成物を投与することによって、本発明により治療する。該組成物は、一般 的に、約200ないし約2000ナノモル、好ましくは500ナノモルの有効成 分を含有する、投与ユニット、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、茶サ ジ一杯剤などを含有するであろう。投与の好ましい様式は、静脈内または筋肉内 である。一般的に、α-コノトキシンペプチドは分解に対して比較的耐性であり 、体内で数日間のオーダーで持続し得る。従って、投与スケジュールは、用いる 特 定のα-コノトキシンペプチドの生物学的寿命に依存して、1日当たり2回から 数日間毎日1回までのいずれの範囲ともし得る。 医薬担体と完全な混合物中の有効成分として本発明の化合物を含有する医薬組 成物は、慣用的な医薬製剤技術に従って調製し得る。該担体は、投与、例えば、 静脈内、経口、または非経口、に望まれる調製物の形態に依存して、広範な種々 の形態を採り得る。経口投与形態の組成物の調製においては、例えば、経口液体 調製物(例えば、懸濁液、エリクシルおよび溶液のごとき)の場合には、水、グリ コール、油剤、アルコール、賦香剤、保存料、着色剤などのごときいずれかの通 常の医薬媒質;あるいは、経口固形調製物(例えば、散剤、カプセル剤および錠 剤のごとき)の場合には、デンプン、砂糖、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤 、崩壊剤などのごとき担体を用いることができる。投与におけるそれらの容易性 のために、錠剤およびカプセル剤が、固形医薬担体を明らかに用いる場合の、最 も有利な経口投与ユニット形態を代表する。望むなら、錠剤は標準的な技術によ って糖衣または腸溶外皮とすることもできる。非経口に関しては、担体は、通常 、例えば、溶解性を補助するために、または 保存目的で他の成分も含有するこ とができるが、滅菌水を含むであろう。注射用懸濁液は、適当な液体担体、懸濁 化剤などを用いことができる場合でも調製し得る。 U002またはMIIコノトキシンは、当該技術分野でよく知られている標準 的な技術によって、1種または2種以上のラジオアイソトープで標識する。イン ・ビボでスキャンし得るいずれの適当なラジオアイソトープも用いることができ る。131Iまたは125Iを標識として用いるのが好ましい。標識毒素は、5-50 ナノモルの範囲、好ましくは約25ナノモルで静脈内投与する。ついで、標識M IIまたはU002の結合を、フォトスキャン装置の使用によるごとき、当該技 術分野でよく知られている標準的な技術によって検出する。標識毒素はSCLC 細胞に結合するであろうが、それらは自律神経節にも結合し得る。しかしながら 、自律神経節の位置は知られており、SCLC細胞に対する標識毒素の結合から 生じるシグナルから区別し得る。 実施例 本発明を以下の実施例に参照して説明するが、説明様式で記載されているもの であり、如何なる場合においても該発明を限定することを意図するものではない 。当該技術分野でよく知られている標準的な技術、または以下に詳細に記載した 技術を用いた。 実施例1 U002の生物活性 WO 95/11256号(18)に記載されているごとく調製したコノトキシンペプチド U002の生物活性は、カエル皮膚胸筋の自然発生微小終板電位に対するその作 用を測定することにより、およびα-ブンガロトキシンと競合するその能力を測 定することによって決定した。 U002がアセチルコリン受容体に作用するか否かを試験するために、自然発 生微小終板電位(mepps)に対する毒素の作用を測定した。自然発生微小終板電位( mepps)は、Sylgard-被覆カバーガラスにピン留めし、ついで、蛍光顕微鏡のステ ージに固定したチャンバーに入れた皮膚胸筋から細胞内的に測定した。毒素は、 テトラメチルローダミン-リゾチームコンジュゲート(5μM)を含有する溶液中 に中心に適用した。パッファー(puffer)ピペットから放出した毒素が終板領域と 接触していることを確かめるために、溶液の蛍光を、モニターすべきその位置に 放置した。浴を灌流することによって、パッファーピペットを取り除いた後に毒 を終板から洗い流した。パッファーピペットから適用したU002(205mM) は、mepp増幅を30%低下させ、これは毒を洗い流した後に回復した。この 結果は、アセチルコリン受容体が毒によって可逆的に遮断されることを示してい る。 電気生理学的データはNational Instruments社(Lab NB)またはGW Instruments 社(Mac-ADIOS adio)のいずれかからのA/D変換器ハードウエアを備えたMacin- toshコンピュータ上のバーチャルインスツルメントソフトウェア(LabVIEW National Inst.社製)で得た。 カエル神経筋接合部で得られた結果、すなわち、前記した微小終板電位(mepps )の遮断は、(決定的な事実ではないが)このペプチドが脊椎動物神経筋接合部の アセチルコリン受容体に結合することを強く示している。この受容体指摘を確認 するために、α-コノトキシンペプチドU002がニコチン性アセチルコリン受 容体のリガンド結合サイトに結合するか否かを、このサイトに対するラジオアイ ソトープ標識α-ブンガロトキシンと競合するこのペプチドの能力をアッセイす ることによって実験した。 結合実験は、Torpedo Californicaの電気板から単離したシナプス後膜画分の 濾過アッセイを用いることによって行った。125I-ブンガロトキシン(2000 Ci/ミリモル)をアッセイ当たりほぼ105cpmで用い;用いた条件下での1 00%結合は20,000cpmであった。非標識α-ブンガロトキシン1μMと予 めインキュベートすることによって測定した非特異的結合は、差し引いた。この 実験の結果は、50μMのα-コノトキシンペプチドU002がTorped電気器官 に見出されたよく特徴付けられたニコチン性アセチルコリン受容体への125I-α -ブンガロトキシンの結合を70%遮断することを示した。 実施例2 α-コノトキシンMIIペプチドの精製 α-コノトキシンMIIは、α3β2サブタイプのニューロンニコチン性受容体 に結合するペプチドについてスクリーニングすることによってConus magusの毒 から単離された(MIIは、別法としてWO 95/11256(18)に記載のごとく生成す ることもできる)。ニューロンニコチン性受容体をコードするラット脳からのク ローン化cDNAを用いてmRNAを作製し、これを標準的な技術によってXeno pus卵母細胞に注射した。このmRNAは該母卵細胞中で発現され、正常なニコ チン性受容体が産生し、卵母細胞の細胞表面の一部分を形成した。アセチルコリ ンの直接的な生理学的効果がこれらの細胞で生成し得た。MIIは、Xenopus卵 母細胞中に発現されたクローン化ニコチン性受容体に対して毒画分を電気生理 学的にスクリーニングすることによって見出された。該アッセイは標準的なもの である。卵母細胞を電流固定し、該細胞を含有する媒質にアセチルコリンを添加 した。毒が全く存在しなければ、アセチルコリンを添加すると電流トレーシング (current tracing)によって認められ得る負の電流を引き起こす。毒が存在する とこの効果を低下させるか、または全くなくするであろう。種々のイモガイ毒を 試験し、Conus magusからの毒がこのアッセイにおいては特に活性が強いことが 判明した。この毒をHPLCによって分画し、種々の画分をこの方法によってア ッセイした。コノトキシンMIIは活性毒であるまま単離した。コノトキシンM IIはアセチルコリンの作用に拮抗することが判明した。従って、それは、それ がニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニストであるという意味において他 のすべてのα-コノトキシンと同様に挙動する。しかしながら、MIIは、それ がニコチン性受容体のα3β2サブタイプを潜在的に標的化する点で他のα-コノ トキシンとは異なる。また、それは、ニコチン性受容体のα7サブタイプにも強 力な活性を示す。α-コノトキシンMIIは、5-10nMのIC50で、α3β2ニ コチン性アセチルコリン受容体を発現する卵母細胞中でアセチルコリンに対する 応答を遮断する。このペプチドは、他のすべての試験したαxβyニコチン性アセ チルコリン受容体のアセチルコリン応答を遮断することにおいて、2-3桁、活 性が低かった。 実施例3 α-コノトキシンによるSCLC不死化の阻害 以前に記載したごとく、小細胞肺ガン(SCLC)細胞は、ニューロンタイプで あるコリン作動性ニコチン性受容体を発現している。ニコチンおよびシトシンは 、各々、SCLC細胞で強力なマイトジェンとして作用する5-ヒドロキシトリ プタミン(5HTまたはセロトニン)の放出を刺激する。α-コノトキシンMIは ニコチンまたはシトシンが誘導したセロトニンの放出を遮断し、それは、SCL C不死化のニコチンおよびシトシン刺激に1μMの濃度で完全に拮抗する。α- コノトキシンMIはこれらのSCLC受容体に結合するが、α-コノトキシンM I は治療または診断用途に適さない。なぜならば、それは、神経筋受容体にも結合 し、死に至り得る完全麻酔を引き起こし得るからである。α-コノトキシンMI およびU002は、ニコチン性ニューロン受容体と比して、神経筋受容体に対し て遥かに低い親和性しか有していない。α-コノトキシンMIIおよびU002 のSCLC細胞に対する活性は、Codignolaら(24)に記載のごとく試験する。 これらのペプチドは、ニコチンまたはシトシンが誘導したセロトニンの放出を遮 断し、SCLC不死化のニコチンおよびシトシン刺激に拮抗した。従って、MI IおよびU002はSCLCのごとき腫瘍の不死化を防ぐのに適しており、以下 に記載するごとく治療的に使用してかかる不死化を阻害することができる。これ らのα-コノトキシンは、以下に記載するごとく小細胞肺ガンの存在および/ま たは位置を検出するために診断的に使用することもできる。 実施例4 α-コノトキシンを用いたSCLCの診断 α-コノトキシンMIIまたはU002を、当該技術分野でよく知られている 標準的な技術を用いて131Iまたは125Iで標識する。標識した毒は、5-50ナ ノモルの範囲、好ましくは約25ナノモルで静脈内投与する。ついで、フォトス キャン装置の使用するごとき当該技術分野でよく知られた標準的な技術によって 該標識を検出する。標識した毒は、SCLC細胞に結合する。加えて、自律神経 節に対しても幾分かの結合が起こり得る。標識した毒のSCLC細胞に対する結 合から生じるシグナルは、標識した毒の自律神経節に対する結合からのシグナル から、後者の知られている位置に基づいて容易に区別される。 実施例5 SCLC腫瘍を治療するためのα-コノトキシンの治療的使用 SCLCニコチン性受容体に結合し、神経筋受容体に対して低い親和性を有す るα-コノトキシンMIIまたはU002は、治療的に用いてSCLC腫瘍を患 う患者を治療する。MIIまたはU002を含有する医薬組成物は、好ましくは 静脈内または筋肉内で、適当な投与コノトキシンを有し得る、SCLCと診断さ れた患者に投与する。200-2000ナノモル、好ましくは約500ナノモル の用量を投与する。投与スケジュールは、用いる特定のコノトキシンのイン・ビ ボ安定性に依存する。コノトキシンは分解に対して比較的耐性であるため、それ は、数日間のオーダーで持続し得る。したがって、MIIまたはU002に関す る典型的な投与スケジュールは、1日当たりに2回から数日間毎日1回までのい ずれかである。 本発明の方法および組成物が種々の具体例の形で取り込まれ得、本明細書中に おいてはそのうちの数種を開示したに過ぎないことは理解されるであろう。他の 実施例が存在し、本発明の範囲から離れないことは当業者であれば明らかであろ う。かくして、記載した具体例は例示的なものであって、限定することを意図す るものでは決してない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クルツ,ローデス・ジェイ アメリカ合衆国84114ユタ州ソルト・レイ ク・シティ、エム・ストリート・ナンバー 403、31番 (72)発明者 ヒルヤード,ディビッド・アール アメリカ合衆国84124ユタ州ソルト・レイ ク・シティ・ジュノ・サークル3685番 (72)発明者 マッキントッシュ,ジェイ・マイケル アメリカ合衆国84108ユタ州ソルト・レイ ク・シティ、サウス・2000・イースト1151 番 (72)発明者 サントス,アメウルフィノ・エセ フィリピン、ケソン・シティ、ディリマ ン、ユー・ピー・キャンパス、プロク・ア キナルド7番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.医薬上許容される担体中にMIIおよびU002よりなる群から選択され るα-コノトキシンの有効量を含んでなる医薬組成物を投与することを特徴とす る小細胞肺ガンを患う患者を治療する方法。 2.医薬上許容される担体中にMIIおよびU002よりなる群から選択され るα-コノトキシンの有効量を含んでなる医薬組成物を投与することを特徴とす る小細胞肺ガン不死化(proliferation)を阻害する方法。 3.MIIおよびU002よりなる群から選択される標識したα-コノトキシ ンを対象に注射し、腫瘍の存在を検出することを特徴とする小細胞肺ガン腫瘍の 存在を検出する方法。 4.MIIおよびU002よりなる群から選択される標識したα-コノトキシ ンを対象に注射し、腫瘍の存在を検出することを特徴とする小細胞肺ガン腫瘍の 位置を検出する方法。 5.小細胞肺ガンを患う患者を治療する医薬組成物を調製するためのα-コノ トキシンMIIまたはU002の使用。 6.小細胞肺ガン不死化を阻害する医薬組成物を調製するためのα-コノトキ シンMIIまたはU002の使用。 7.小細胞肺ガン腫瘍の存在または位置を検出する診断組成物を調製するため のα-コノトキシンMIIまたはU002の使用。
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