JP2834248B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JP2834248B2
JP2834248B2 JP598190A JP598190A JP2834248B2 JP 2834248 B2 JP2834248 B2 JP 2834248B2 JP 598190 A JP598190 A JP 598190A JP 598190 A JP598190 A JP 598190A JP 2834248 B2 JP2834248 B2 JP 2834248B2
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隆夫 河西
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、フロッピーディスクドライブやハードディ
スクドライブなどの磁気記録装置に用いられ、情報の記
録、再生または消去を行う磁気ヘッドに関するものであ
る。
[従来の技術] 第3図は従来の磁気ヘッドの主要構成を示す分解斜視
図であり、コアチップ10及びこのコアチップ10を両側か
ら挾持するスライダピース(スモール)12とスライダピ
ース(ラージ)14を主要部として構成される。
コアチップ10はフェライトにて形成され、その上部に
記録再生ギャップ16及び消去ギャップ18が形成されてい
る。
一方、スライダピース12及び14からなるスライダ20
は、チタン酸カルシウム系セラミックスにて形成されて
いる。
そして、コアチップ10の両側面にスライダピース12及
び14を有機接着剤や無機ガラスなどにて接着することに
よって磁気ヘッドが構成される。
第4図は、こうして形成された磁気ヘッドの斜視図が
示されている。
この様な従来の磁気ヘッドは、スライダ20がスライダ
ピース12及び14の2つの部品により構成されているの
で、それぞれの部品加工が必要であり、またスライダピ
ース12及び14によってコアチップ10を挾持させる作業、
すなわちコアチップ10及び両スライダピース12及び14の
接着面を研磨するなど、接着するまでの一連の作業が必
要であり、全体としてコストアップになるという欠点を
有していた。
そこで、この様な欠点を補う目的で、第5図に示すよ
うなスライダを一体形成した磁気ヘッドが開発されてい
る(特開昭62−217413号公報、第1図等)。
第5図(A)は一体成形されたスライダ20が示されて
おり、そのスライダ20の上面20aにはコアチップ保持穴2
2が形成されている。このコアチップ保持穴22は、コア
チップ10の形状に対応して長方形形状に形成されてお
り、スライダ20の上面から下方へ貫通している。
そして、このコアチップ保持穴22に第5図(B)に示
したコアチップ10をその脚部11側から挿入する。そし
て、同図(C)に示した溶着剤としての無機ガラス棒24
によってスライダ20に固定される。すなわち、コアチッ
プ保持穴22に挿入されたコアチップ10の外側面とコアチ
ップ保持穴22の内側面との間隙に無機ガラス棒24を溶解
流入させ、両者を溶着するようにしている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の磁気ヘッドの構成によれ
ば、上述のようなコアチップ10のスライダ20への取り付
けのための溶着作業が必要であるが、第6図(A)、
(B)及び(C)の各図に示すように、コアチップ10と
コアチップ保持穴22との相対位置関係は種々異なる。例
えば同図(A)はコアチップ10がコアチップ保持穴22の
一方の短辺側に寄った場合、同図(B)はコアチップ保
持穴22の長辺側に寄った場合、そして同図(C)はコア
チップ保持穴22内にコアチップ10が傾いた状態で挿入さ
れた場合がそれぞれ示されている。
このように、コアチップ10をコアチップ保持穴22内に
挿入しただけではコアチップ10とコアチップ保持穴22と
の間のクリアランスを均等に保つことは困難である。コ
アチップ10が偏って挿入された場合、具体的にはクリア
ランスの小さい部分は約1μm前後で、クリアランスの
大きい部分は約20〜30μm程度となっている。この様な
状態で、溶着作業を行う場合、クリアランスの小さい部
分では無機ガラス棒24を良好に溶解流入させるために、
クリアランスの大きい部分よりも高温かつ長時間で作業
しなければならない。
第7図は、このようなガラスのクリアランスへの流入
速度に関するグラフが示されており、溶着温度及びガラ
ス材質を一定にした場合で、縦軸に流入速度v、横軸に
クリアランスdをとって示している。このグラフから理
解されるようにクリアランスが小さくなればなるほどガ
ラスの流入速度は遅くなるものである。
従って、温度や時間などの溶着条件をクリアランスの
小さい部分に対応させて合わせる場合、クリアランスの
大きい部分では無機ガラス棒24が不必要な部分にまで流
出し、不具合が発生する。また、溶着条件をクリアラン
スの大きい部分に適合させた場合、クリアランスの小さ
い部分では対応ガラス棒24が十分に流入せずガラスの充
填不足が生じ、溶着が不完全になるという問題があっ
た。
このように、スライダを一体型として構成した場合で
も、コアチップの取り付け作業を正確に行なうことは困
難な作業を伴うという問題があった。
発明の目的 本発明は、上記問題点を解決することを課題としてな
されたものであり、その目的は一体型スライダを用いる
ことによりスライダのコストダウンを図ると共に、コア
チップのスライダへの取り付け溶着作業を簡単かつ良好
に行うことのできる磁気ヘッドを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明に係る磁気ヘッド
を記録再生及び/または消去ギャップを有するコアチッ
プと、このコアチップを保持するための長方形形状の穴
であるコアチップ保持穴を有する一体成形されたスライ
ダと、を有し、前記コアチップをコアチップ保持穴に挿
入し溶着剤にて前記スライダに固定取り付けして構成さ
れる磁気ヘッドにおいて、前記コアチップ保持穴は、長
辺側の両側面に少なくとも2個ずつの凸部が形成され、
短辺側の両側面に少なくとも1個ずつの凸部が形成さ
れ、前記全ての凸部の先端面に囲まれた空間的に前記コ
アチップが挿入されるようにしたことを特徴とする。
[作用] 上記構成によれば、コアチップはコアチップ保持穴の
各内側面に形成された複数の凸部の先端面に囲まれた空
間内に挿入される。従って、各先端面に囲まれた空間内
に挿入される。従って、各先端面とコアチップとの間の
クリアランスには、差が生じたとしても凸部の形成され
ていないコアチップ保持穴の内側面の部分(内側面の大
部分を占める領域)は、少なくとも凸部の高さ以上のク
リアランスを確保することができ、溶着材のほぼ均等な
流入速度を確保することができる。
そして、各凸部の先端面とコアチップとの間隙には凸
部以外の大きなクリアランスの部分に充填された溶着材
が両サイドから流入することとなり、その部分のガラス
の充填不足の発生も有効に防止される。
このように、本願発明によれば、一定の溶着条件の下
で簡単に溶着作業を行なうことができ、製造の容易化を
達成することができる。
[実施例] 以下図面に基づいて本発明の磁気ヘッドの好適な実施
例について説明する。
第1図は実施例のスライダ及びコアチップの斜視図を
示しており、スライダ20は一体形成されており、その上
面20aには本発明の特徴的構成要素であるコアチップ保
持穴22が形成されている。このコアチップ保持穴22に、
従来と同様その上方からコアチップ10を挿入して取り付
けを行うものである。
本発明は、コアチップ保持穴22の形状にその特徴を有
しており、本実施例では長方形形状のコアチップ保持穴
22の長辺側の2つの側面にそれぞれ2個の凸部26a、26b
及び28a、28bが設けられている。そして短辺側の両側面
にはそれぞれ1個の凸部30及び32が形成されている。そ
して、各凸部26a、26b、28a、28b、30及び32の先端面の
内側にコアチップ10が挿入される。
第2図は、このようなコアチップ保持穴22内にコアチ
ップ10が挿入された状態を示す想像図であり、コアチッ
プ10が各凸部の先端に四方から囲まれていることが示さ
れている。
本実施例によれば、各凸部26、28、30及び32の先端面
からコアチップ10の外側面までの距離、すなわちそれら
の間のクリアランスは、従来と同様にいずれかの方向へ
の偏りによってクリアランスに大小が生じる。しかしな
がら、コアチップ保持穴22内の各凸部以外の大部分の領
域ではほぼ一定のクリアランス(凸部の高さh以上)が
得られている。従って、このクリアランスが一定の大部
分の領域では、上述の第7図のグラフからも理解される
ように無機ガラス棒24の溶解流入速度は、ほぼ一定とな
り、各凸部の先端面部分においてクリアランスに差が生
じていても全体としてほぼ一定の流入速度を得ることが
できる。また、各凸部先端面においてもガラスの流入は
上方からだけでなく第2図において矢印で示すように凸
部の両サイドから流れ込むので、ガラスの充填不足の発
生を有効に防止することができる。
従って、クリアランスの大きい部分に対応して溶着条
件を定め、その一定の条件のもとに溶着作業を行っても
ほぼ均等のガラスの流入を得ることができ、不要な部分
のガラスの流出や充填不足を生じさせることなしに簡単
に溶着作業を行うことができる。
さらに、コアチップ10はコアチップ保持穴22内では各
凸部先端面によって保持されることとなるので、凸部以
外の表面には多少の突起や湾曲があってもコアチップ10
の装着に何等影響がない。
従って、スライダ20の製造において、コアチップ22内
は比較的ラフに製造することが可能であり、製造や寸法
の管理が容易になる。特に、コアチップ保持穴22内の4
つのコーナーの部分にアールをつけることが許容される
ので、成形、焼成、溶着工程で有害なヘヤークラックな
どの発生もなくすことができ、歩留まりが向上するとい
う利点も有している。
本実施例では、コアチップ保持穴22内には長辺側にそ
れぞれ2個の突起26及び28、短辺側にそれぞれ1個の突
起30、32を形成したが、それら突起の数を増加すること
も可能であり、突起の高さhもほぼ均等なガラスの流入
作用を得ることのできる範囲であれば種々調整すること
が可能である。具体的には、コアチップ10とコアチップ
保持穴22との間のクリアランスがスライダ20の単品での
機械的強度及びクリアランスに流入するガラスの流入時
間などを考慮して、通常10μm以上100μm以下の範囲
で設定されており、その凹部高さhは必然的に10μm以
上100μm以下にしなければならない。ただし、溶着剤
としての無機ガラス棒24にはコアチップ10やスライダ20
と膨脹係数を合わせるためにアルカリ金属の酸化物(Na
2O、K2Oなど)を含有させているが、コアチップ10やス
ライダー20と膨脹係数をピッタリ合せる事は不可能であ
るため、溶着後の残留金を少なくして磁気ヘッドとして
の性能を保持するためにはガラス流入部体積をできるだ
け少なくするために10μm〜30μm程度の高さhとする
ことが好適である。
次に、各凸部の幅wについては、できるだけ小さく形
成する方がガラスの充填不足の発生を防ぐ上では望まし
い。しかしながら、スライダ20の成形において成形金型
加工が困難であることやコアチップ10を挿入する際にそ
の凸起が欠けてしまうという事態も生じることなどを考
慮して50μm程度に設計される。
なお、本発明の磁気ヘッドは、フロッピィヘッドだけ
でなくハードディスクドライブなどにおいてもコンポジ
ットタイプの磁気ヘッドであれば有効に応用することが
可能である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る磁気ヘッドによれ
ば、スライダを一体形成によって低コストで製造するこ
とができると共にコアチップのスライダへの装着を簡単
な溶着作業により正確に行うことができる。
これにより、磁気ヘッドの製造上の困難が解消され、
かつ安価な磁気ヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す斜視図、 第2図は実施例の作用を示す説明図、 第3図は従来の磁気ヘッドの構成を示す分解斜視図、 第4図は従来の磁気ヘッドの組み立て状態を示す斜視
図、 第5図(A)、(B)、(C)は従来の一体型スライダ
を用いた磁気ヘッドの構成を示す斜視図、 第6図(A)、(B)、(C)は従来のコアチップの装
着作業を示す説明図、 第7図はクリアランスとガラスの流入速度との関係を示
すグラフ図である。 10……コアチップ 20……スライダ 22……コアチップ保持穴 26a、26b、28a、28b、30、32……凸部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録再生及び/または消去ギャップを有す
    るコアチップと、 このコアチップを保持するための長方形形状のコアチッ
    プ保持穴を有する一体成形されたスライダと、 を有し、前記コアチップをコアチップ保持穴に挿入し溶
    着剤にて前記スライダに固定取り付けして構成される磁
    気ヘッドにおいて、 前記コアチップ保持穴は、長辺側の両側面に少なくとも
    2個ずつ凸部が形成され、短辺側の両側面に少なくとも
    1個ずつの凸部が形成され、 前記全ての凸部の先端面に囲まれた空間内に前記コアチ
    ップが挿入されるようにしたことを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
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