JP2834012B2 - スピーカ収納型電話機 - Google Patents

スピーカ収納型電話機

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】 本発明は、薄型・折り畳み型等
の省スペース設計を必要とし、そのため受話音質の劣化
あるいはエコーにより通話品質の劣化が予想される電話
機に関し、特に携帯電話機に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の電話機または携帯電話機において
は良好な通話品質を得るため、特に受話音声の音質向上
のために受話用スピーカの音響特性の改善が必要とされ
た。
【０００３】そのため、受話用スピーカの口径の拡大や
ダイナミック型スピーカを用いるなどの各種方法が取ら
れていた。
【０００４】ダイナミック型スピーカを用いた場合、後
方から受聴者が聴く前方の音と逆位相の音が発せられ、
これが受聴者の耳に届くと前方の音を打ち消してしま
い、受聴に十分な音圧が得られない。これを防ぐため、
スピーカ後方に閉ざされた空間を形成する方法が取られ
ている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法により受
話音声の向上を図ろうとする場合、受話器の受話用スピ
ーカを取り付ける部分が大型化することは避けられな
い。
【０００６】受話用スピーカの取付構造の大型化は、卓
上型電話機のように電話機本体と送受話器部分とが分離
している場合には比較的容易に実現できるが、近年の電
話機のように小型化が要求される場合には極めて困難で
ある。
【０００７】このため、特に携帯電話機やコードレス電
話機等の電話機端末は、小型化による受話音質の劣化が
避けられない。
【０００８】また、小型化により受話用スピーカと送話
用マイクロホンとの間の音響結合が大きくなり、エコー
が増大して通話品質が劣化するという問題もあった。
【０００９】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、小型化された電話機においても、ダイナミック型
スピーカを用いて受話音質の向上を計るものであり、ま
た受話用スピーカと送話用マイクロホンとの音響結合を
小さくすることによりエコーを減少して通話品質の劣化
を防ぐことができる受話用スピーカ取付構造を備えた電
話機を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明は、電話機ケース（１）と、受話用スピーカ
ー（３）と、受話用スピーカ取付ケース（２）とを有す
るスピーカ収納型携帯電話機であって、 電話機ケース
（１）は、区画壁により凹状に区画された空気室（５）
を有し、 受話用スピーカ（３）は、ダイナミック型であ
り、受話用スピーカ取付ケース（２）の内部に固定さ
れ、空気室（５）内に挿脱自在に脱着され、使用時には
前方に引き出され、非使用時には空気室（５）内に収容
され、 空気室（５）は、使用時には受話用スピーカ
（３）のバックキャビネットとなり、非使用時には受話
用スピーカ（３）が収納される スピーカ収納型携帯電話
機を提供する。
【００１１】受話用スピーカーケース（２）は、好まし
くは、電話機ケース（１）の空気室（５）の区画壁側面
に対して、振動伝搬率の小さい材料で結合される。
【００１２】また、本発明の電話機は、好ましくは、空
気室（５）は、その底部にバネ（１１）を有し、このバ
ネは、使用時にはその付勢力によって受話用スピーカ
（３）を前方に突出させることを特徴とする。
【００１３】さらに、本発明の電話機は、好ましくは、
電話機ケース（１）は、ヒンジ部（１０）で結合された
受話器部ケース（１ａ）と送話器部ケース（１ｂ）とで
構成され、受話器部ケース（１ａ）が空気室（５）を有
し； 閉操作時には送話器部ケース（１ｂ）と受話器部
ケース（１ａ）とが折り合わされて、受話用スピーカ
（３）が空気室（５）に収納され、開操作時には、空気
室（５）から前方に突出することを特徴とする。
【００１４】
【発明の概要】本発明は、電話機および携帯電話機に、
省スペースにてダイナミック型スピーカを取り付けるこ
とができるスピーカの取付構造を提供する。この電話機
は、電話機ケースとそれとは別体の受話用スピーカ取付
ケースを備える。受話用スピーカは受話用スピーカ取付
ケースに固定され、受話用スピーカ取付ケースは電話機
ケースに設けられた凹部に埋め込まれる形で取り付けら
れる。この２つのケース同士は固定されず、凹部の深さ
方向にスライドして突出する構造であり、電話機を使用
しない時は受話用スピーカ取付ケースを電話機ケースの
凹部内に収納して小型化を実現し、使用時には受話用ス
ピーカ取付ケースが凹部から突出してスピーカ後方に収
納時よりも大きな閉ざされた空気室が形成される。
【００１５】また、上記の受話用スピーカ取付構造にお
いて、電話機ケースと受話用スピーカ取付ケースを結合
する部分にはゴム等を用いて、受話用スピーカ取付ケー
スの振動が電話機ケースに伝搬しにくい構造になる構成
としてある。
【００１６】
【作用】上記構成のもと、本発明は、電話機を小型化し
たまま、ダイナミック型スピーカを受話用スピーカとし
て用いることを可能とする。電話機使用時には、大きな
閉ざされた空気室がスピーカ後方に形成されるので、ス
ピーカの振動板の動作特性が良好となり、電話機不使用
時には、受話用スピーカは空気室に収納される。これに
より、小型化と受話音声の向上を同時に実現できる。
【００１７】また、本発明は、受話用スピーカが受話用
スピーカ取付ケースとさらにゴム等を介して電話機ケー
スに取り付けられ、電話機ケースに取り付けられた送話
用マイクロホンと受話用スピーカと音響結合が小さくな
るようにしたことにより、エコーの減少した良好な通話
品質を実現するものである。
【００１８】
【実施例】図面を参照して、本発明の実施例を以下に説
明する。
【００１９】
【実施例１】図１及び図２は本発明の一実施例の構成を
説明する側面図である。
【００２０】図１は、本実施例の電話機の非使用時の電
話機形状を示しており、電話機ケース１は受話用スピー
カ取付ケース２とは別体に設けられ、受話用スピーカ取
付ケース２は電話機ケース１の凹部内に収納されてい
る。また、受話用スピーカ３は受話用スピーカ取付ケー
ス２の内部に固定されている。
【００２１】図１の状態では、電話機の形状は小型化さ
れた電話機と同一の形状をとることができる。
【００２２】図２は、電話機の使用時の形状を示してお
り、受話用スピーカ取付ケース２は、電話機ケース１の
凹部からスライドして突出し、このため、受話用スピー
カ３の後方の空いた空間には空気室５が形成される。
【００２３】この空気室５は、受話用スピーカ３のバッ
クキャビネットとして前方への逆位相音のもれを防ぎ、
またスピーカの振動板に対してはダンピング効果となり
スピーカの音響特性が向上する。
【００２４】このように、使用時以外は受話用スピーカ
取付ケース２を受話器部ケース１内に収納する構成とし
たことにより、電話機を小型化したまま受話音声の向上
ができる。
【００２５】なお、図１及び図２の各状態において、受
話用スピーカ取付ケース２はそれぞれの位置で電話機ケ
ース１に対して不図示の係合手段等により適宜ロックさ
れるものとする。
【００２６】また、本実施例の別の態様として、図３に
示すように、電話機ケース１と受話用スピーカ取付ケー
ス２とがを結合する部分に、電話機ケース１側には電話
機ケース側結合ゴムリング６を付け、受話用スピーカ取
付ケース２側には受話用スピーカ取付ケース側結合ゴム
リング７を付けて互いに結合する。
【００２７】このように受話用スピーカ３の振動をゴム
等を介して減衰させて電話機ケース１に伝搬するように
したことにより、受話用スピーカ３と送話用マイクロホ
ン４との間の音響結合が小さくなり、エコーを減少する
ことができる。これにより、エコーの影響による通話品
質の低下を防止でき、ディレイの大きい回線においても
快適な通話が可能となる。
【００２８】
【実施例２】図４及び図５は、本発明の更に別の実施例
の構成を説明する図であって、折り畳み式の携帯電話機
に適用した場合の構成を示している。この電話機の電話
機ケースは、受話器部ケース１ａと送話器部ケース１ｂ
と両者を結合するヒンジ部１０とで構成される。この実
施例では、空気室５は、受話器部ケース１ａに設けられ
ている。
【００２９】図４は、本実施例の電話機の非使用時の形
状を示しており、受話器部ケース１ａと送話器部ケース
１ｂとは非使用時には折り畳まれている。この折り畳み
により、受話用スピーカ取付ケース２は送話器部ケース
１ｂにより押し込まれ、受話器部ケース１ａの空気室５
に収納されている。
【００３０】図５は電話機の使用時の形状を示してお
り、電話機使用時には受話器部ケース１ａと送話器部ケ
ース１ｂはヒンジ部１０で支持されて開かれ、受話用ス
ピーカ取付ケース２はコイル式バネ１１の弾性的な付勢
力によって受話器部ケース１ａより前方に突出する。
【００３１】このため受話用スピーカ３の後方に空気室
５が形成され、バックキャビネットとして作用して、受
話用スピーカ３の音響特性が改善する。
【００３２】このように非使用時と使用時における受話
器部の開閉操作に連動して、受話用スピーカ取付ケース
２がコイル式バネ１１の作用により自動的に突出する構
成にしたことにより、使用者は特に意識することなく、
受話用スピーカ取付ケース２の突出が行われ、折り畳み
式の携帯電話機の利点を損わずに受話音声が向上する。
【００３３】なお、図４及び図５において、受話用スピ
ーカ取付ケース２はそれぞれの位置で受話器部ケース１
に対して不図示の係合手段等により適宜ロックされるも
のとする。この場合、受話器部ケース１ａと送話器部ケ
ース１ｂの開操作の段階で、これと連動して受話用スピ
ーカ取付ケース２の収容位置のロックが解除されるよう
に構成される。
【００３４】本実施例においては、受話器を開いた形状
が通話をするのに適した形状になり、使用感が向上す
る。
【００３５】以上本発明を上記各実施例に即して説明し
たが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでなく、
本発明の原理に準ずる各種態様を含む。
【００３６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電話機
は、受話用スピーカを、電話機ケースとは別体でありか
つ電話機使用時にのみ突出するケースに取り付ける構成
としたことにより、電話機使用時に、受話用スピーカの
後方にバックキャビネットを形成することができるた
め、受話用スピーカの音響特性を改善することができ、
受話音声の品質が向上させ、快適な通話を可能とする。
【００３７】また、本発明の電話機は、電話機使用時に
のみ受話用スピーカが固定された受話用スピーカ取付ケ
ースが電話機ケースから突出してバックキャビネットを
形成する構成としているので、電話機本体が小型化した
場合や折り畳み式にした場合にも、受話音声の品質が劣
化することはない。
【００３８】また、本発明の電話機は、受話用スピーカ
を取り付けているケースと、送話用マイクロホンの取り
付けてある電話機ケースとの結合部分をゴムリングなど
を介する構成とすることにより、受話用スピーカと送話
用マイクロホンとの音響結合を小さくすることができる
ため、エコーが減少させることもできる。これにより、
エコーの影響による通話品質の低下を防止でき、ディレ
イの大きい回線においても快適な通話が可能となる。
【００３９】さらに、本発明によれば、受話用スピーカ
取付ケースが弾性的付勢力により自動的に前方に突出す
る構成にしたことにより、操作性の高い電話機を提供す
ることもできる。
【００４０】そして、本発明を折り畳み式携帯電話機適
用した場合には、電話機ケースの開閉操作に連動して、
受話用スピーカ取付ケースが自動的に突出する構成にし
て、操作性を向上させるとともに、折り畳み式の携帯電
話の利点を損わずに受話音声品質を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による一実施例の構成（非使用時の場
合）を説明する図である。
【図２】本発明による一実施例の構成（使用時の場合）
を説明する図である。
【図３】本発明の一実施例の別の好ましい態様を示す図
である。
【図４】本発明の第３の実施例（非使用時の場合）を示
す図である。
【図５】本発明の第３の実施例（使用時の場合）を示す
図である。
【符号の説明】
１ 電話機ケース １ａ 受話器部ケース １ｂ 送話器部ケース ２ 受話用スピーカ取付ケース ３ 受話用スピーカ ４ 送話用マイクロホン ５ 空気室 ６ 電話機ケース側結合ゴムリング ７ 受話用スピーカ取付ケース側結合ゴムリング ８ アンテナ ９ バッテリ １０ ヒンジ部 １１ コイル式バネ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】電話機ケース（１）と、受話用スピーカー
    （３）と、受話用スピーカ取付ケース（２）とを有する
    スピーカ収納型携帯電話機であって、 電話機ケース（１）は、区画壁により凹状に区画された
    空気室（５）を有し、 受話用スピーカ（３）は、ダイナミック型であり、受話
    用スピーカ取付ケース（２）に取り付けられ、空気室
    （５）内に挿脱自在に脱着され、使用時には前方に引き
    出され、非使用時には空気室（５）内に収容され、 空気室（５）は、使用時には受話用スピーカ（３）のバ
    ックキャビネットとなり、非使用時には受話用スピーカ
    （３）が収納される スピーカ収納型 電話機。
  2. 【請求項２】受話用スピーカーケース（２）は、電話機
    ケース（１）の空気室（５）の区画壁側面に対して、振
    動伝搬率の小さい材料で結合される請求項１に記載のス
    ピーカ収納型電話機。
  3. 【請求項３】空気室（５）は、その底部にバネ（１１）
    を有し、このバネは、使用時にはその付勢力によって受
    話用スピーカ（３）を前方に突出させる請求項１に記載
    のスピーカ収納型電話機。
  4. 【請求項４】電話機ケース（１）は、ヒンジ部（１０）
    で結合された受話器部ケース（１ａ）と送話器部ケース
    （１ｂ）とで構成され、受話器部ケース（１ａ）が空気
    室（５）を有し、 閉操作時には、送話器部ケース（１ｂ）と受話器部ケー
    ス（１ａ）とが折り合わされて受話用スピーカ（３）が
    空気室（５）に収納され、開操作時には、空気室（５）
    から前方に突出する 請求項１ないし３に記載のスピーカ
    収納型 電話機。
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