JP2833877B2 - 変調誤差測定装置 - Google Patents

変調誤差測定装置

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JP2833877B2 JP13007491A JP13007491A JP2833877B2 JP 2833877 B2 JP2833877 B2 JP 2833877B2 JP 13007491 A JP13007491 A JP 13007491A JP 13007491 A JP13007491 A JP 13007491A JP 2833877 B2 JP2833877 B2 JP 2833877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外部から入力された変調
波が正しく変調されているか否かを正確に測定する変調
誤差測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、デジタルデータ信号を正確に送
信する場合には、このデシタルデータ信号をそのまま送
信するのではなく、何等かの変調方式を用いて変調して
送信する。受信側においては受信した変調波を復調器を
用いて元のデジタルデータ信号に復調する。
【0003】図4は一般的なデータ伝送システムを示す
模式図である。送信機1の入力端子2へ入力された信号
レベルが[1]または[0]に変化する図5に示すデジ
タルデータ信号aは変調器1aへ入力される。変調器1
aは搬送波発生器1bから出力された搬送波cをデジタ
ルデータ信号aで変調して、変調波bとして出力する。
変調器1aから出力された変調波bは高周波増幅器1c
で増幅された後伝送路3へ送出される。伝送路3内を伝
送された変調波bは受信機4内の高周波増幅器4aで増
幅された後、復調器4bで元のデジタルデータ信号aに
復調される。
【0004】そして、デジタルデータ信号を高速で送信
する場合の変調方式として、例えば4相,8相位相変調
(PSK)および16値直交振幅変調(QAM)等が一
般的に採用されている。したがって、送信機1から出力
される変調波bは、図5に示すように、デジタルデータ
信号aの各シンボル値に応じて位相φ,振幅Aが変化す
る。
【0005】一方、データ伝送システムにおいて、送信
機1へ印加したデジタルデータ信号aが受信機4におい
て正確に元のデジタルデータ信号aに復元されるために
は、先ず送信機1内の変調器1a,搬送波発生器1bが
正確に作動することが前提となる。したがって、データ
伝送システムの動作状態を試験する場合には、まず変調
器1a,搬送波発生器1bの動作をチェックする。
【0006】従来、変調器1aから出力された変調波b
を評価する場合には、周波数スペクトル解析、周波数誤
差解析等の従来のFM変調や振幅変調等のアナログ変調
信号における試験手法をそのまま継承していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したよう
にデジタルデータ信号を送信する場合の変調方式におい
ては、従来のアナログ変調方式において評価すべき周波
数スペクトル解析や周波数誤差解析等の他に、デジタル
データ信号特有の位相や振幅の誤差を正確に評価できな
い問題がある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、測定すべき変調波と比較すべき基準変調波
を装置内で前記測定すべき変調波を用いて作成し、作成
された基準変調波と変調波との間の位相誤差,振幅誤差
をベクトル表示することによって、簡単な構成でもって
正確に変調波を評価できる変調誤差測定装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の変調誤差測定装置においては、外部から入力
された、搬送波をデジタルデータ信号で変調してなる変
調波を元のデジタルデータ信号へ復調する復調器と、搬
送波と同一周波数を有し、搬送波に比較して精度の高い
基準搬送波を出力する基準搬送波発生器と、この基準搬
送波発生器から出力された基準搬送波を復調されたデジ
タルデータ信号で変調する基準変調器と、この基準変調
器から出力される基準変調波を基準振幅成分と基準位相
成分とに分解する第1のベクトル分解器と、外部から入
力された変調波を被測定振幅成分と被測定位相成分とに
分解する第2のベクトル分解器と、基準振幅成分と被測
定振幅成分との間の誤差振幅成分を検出する振幅比較器
と、基準位相成分と被測定位相成分との間の誤差位相成
分を検出する位相比較器と、第1のベクトル分解器から
出力される基準振幅成分および基準位相成分からなる基
準ベクトルと振幅比較器および位相比較器から出力され
る誤差振幅成分および誤差位相成分からなる誤差ベクト
ルとを表示するベクトル表示器とを備えている。
【0010】
【作用】このように構成された変調誤差測定装置におい
ては、外部から入力された変調波は復調器でもって元の
デジタルデータ信号に復調される。そして、基準変調器
は基準搬送波を復調されたデジタルデータ信号でもって
変調して基準変調波を出力する。
【0011】なお、復調器で復調されたデジタルデータ
信号は元のデジタルデータ信号に完全に一致している保
証はないが、一般のデジタルデータ伝送システムにおい
ては、この段階で符号誤りが発生する確立は非常に小さ
く、これから測定しようとする変調波における振幅や位
相は元のデジタルデータ信号のシンボル値に対応した離
散的な値である。したがって、これらの振幅や位相にお
けるアナログ的な振幅誤差や位相誤差の値も非常に小さ
いことを想定している。
【0012】よって、外部から入力された変調信号の振
幅および位相が、装置内部で作成された基準変調波の振
幅および位相に比較してどれだけずれているかが各比較
器で計測され、計測された誤差成分の誤差ベクトルが基
準変調波の基準ベクトルと対比して表示される。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
【0014】図1は実施例の変調誤差測定装置の概略構
成を示すブロック図である。入力端子11を介して入力
された搬送波bは復調器12へ入力される。この搬送波
bは例えば図4に示した送信機1において、デジタルデ
ータ信号aを搬送波発生器1bから出力された搬送波c
を変調器1aでもって4相,8相位相変調(PSK)又
は16値直交振幅変調(QAM)手法等で変調された搬
送波である。したがって、この搬送波bの振幅Aおよび
位相φは元のデジタルデータ信号aのシンボル値の変化
に応じて、離散的に変化する。
【0015】復調器12は入力された搬送波bをデジタ
ルデータ信号a1 に復調する。なお、この復調されたデ
ジタルデータ信号a1 と元のデジタルデータ信号aとは
前述した理由で一致していると見なすことが可能であ
る。
【0016】復調器12にて復調されたデジタルデータ
信号a1 は次の基準変調器13へ入力される。この基準
変調器13には基準搬送波発生器14から出力された基
準搬送波cS が入力される。なお、基準搬送波発生器1
4は前記送信機1側の搬送波発生器1bと同一周波数を
有する搬送波を出力するが、前記搬送波発生器1bに比
較して格段に周波数値および振幅値が安定した精度の高
い基準搬送波cS を出力する。そして、基準変調器13
も前記送信機1側の変調器1aと同一の変調動作を行う
が、変調動作における直線性等の変調精度を格段に上昇
させている。したがって、この基準変調器13は、デジ
タルデータ信号b1 でもって基準搬送波cS を変調して
基準変調波bS を出力する。
【0017】基準変調器13から出力された基準変調波
S は次の第1のベクトル分解器15へ入力される。第
1のベクトル分解器15は入力された基準変調波bS
基準振幅成分AS と基準位相成分φS とに分解する。な
お、基準位相成分φS を算出する場合の基準位相は再生
されたデジタルデータ信号a1 のシンボルデータ変換タ
イミングとしている。
【0018】一方、入力端子11から入力された変調波
bは第1のベクトル分解器15と同一構成の第2のベク
トル分解器16へ入力される。この第2のベクトル分解
器16は変調波bを被測定振幅成分AC と被測定位相成
分φC とに分解する。
【0019】第1のベクトル分解器15および第2のベ
クトル分解器16からそれぞれ出力された基準振幅成分
S と被測定振幅成分AC は振幅比較器17へ入力され
る。振幅比較器17は基準振幅成分AS と被測定振幅成
分AC とを比較して、基準振幅成分AS から被測定振幅
成分AC を差引いた誤差振幅成分AE (=AS −AC
を切換回路18の一方の端子18aへ送出する。また、
第1のベクトル分解器15から出力された基準振幅成分
S はそのまま切換回路18の他方の端子18bへ印加
される。
【0020】第1のベクトル分解器15および第2のベ
クトル分解器16からそれぞれ出力された基準位相成分
φS と被測定位相成分φC は位相比較器19へ入力され
る。位相比較器19は基準位相成分φS から被測定位相
成分φC を差引いた誤差位相成分φE (=φS −φC
を算出して加算回路20へ送出する。加算回路20には
第1のベクトル分解器15から出力された基準位相成分
φS が入力されている。そして、加算回路20は基準位
相成分φS と誤差位相成分φE とを加算した表示位相成
分φD (=φS +φE )を切換回路21の一方の端子2
1aへ送出する。また、第1のベクトル分解器15から
出力された基準位相成分φS はそのまま切換回路21の
他方の端子21bへ印加される。
【0021】また、第1のベクトル分解器15から出力
された基準振幅成分AS と基準位相成分φS は座標算出
回路22へ入力される。座標算出回路22は、ベクトル
表示器23のxy座標系で表示される図2(a)に示す
基準ベクトル24の先端Pの座標(XS ,YS )を算出
して、次の座標移動回路25へ送出する。座標移動回路
25はスイッチ回路26を介してベクトル表示器23の
座標移動制御端子へ前記先端座標(XS ,YS )を印加
する。各切換回路18,21およびスイッチ回路26は
切換制御回路27から出力される切換信号gによって一
定周期でもって切換制御される。
【0022】切換回路18の共通端子18cから出力さ
れる振幅成分Aはベクトル表示器23の振幅端子へ入力
され、切換回路21の共通端子21cから出力される位
相成分φはベクトル表示器23の位相端子へ入力され
る。
【0023】ベクトル表示器23は座標移動制御端子へ
制御信号が入力していない状態においては、図2(a)
に示すように、予め定められた原点位置Oを中心とする
xy座標面に入力された振幅成分Aと位相成分φとで構
成される基準ベクトル24を表示する。また、座標移動
制御端子へ先端座標(XS ,YS )が印加されている
と、座標の原点を先端座標(XS ,YS )が示す位置へ
移動させ、その移動後の原点位置からベクトルを表示す
る。
【0024】また、ベクトル表示器23には復調器12
から同期信号hが入力される。すなわち、入力端子11
に入力される変調波bが、例えば、図3に示すよよう
に、8位相変調(PSK)の場合は、変調波bの位相φ
が複数(3個)のデジタルデータ信号aの[000] から[1
11] までの各シンボル値に応じて8通りに変化するの
で、ベクトル表示器23にそのまま表示するとベクトル
の角度(位相)φが頻繁に変化して非常に見にくい。し
たがって、復調されたデータ信号a1 が前記8通りのシ
ンボル値のなかからある特定のシンボル値になった時
に、復調器12から同期信号hをベクトル表示器23へ
送出する。ベクトル表示器23は同期信号hが入力して
いる期間だけ各入力端子に印加されている各成分A,φ
をベクトル表示すれば、監視者はベクトルが停止してい
るように見える。
【0025】このように構成された変調誤差測定装置に
おいて、入力端子11へ入力された変調波bは復調器1
2でもって元のデジタルデータ信号a1 に復調され、基
準変調器13からこのデジタルデータ信号a1 でもって
変調された基準変調波bS が作成される。そして、この
基準変調波bS と入力端子11へ入力された変調波bと
を比較する。すなわち、第1,第2のベクトル分析器1
5,16でそれぞれを振幅成分と位相成分とに分解し
て、比較器17,19によってそれぞれを比較して誤差
成分AE ,φE を算出する。
【0026】そして、切替制御回路27から出力されて
いる切替信号gがL(ロー)レベルになり、各切替回路
18,21を図1に示すように端子18b,21b側に
切替えて、スイッチ回路26を開放した状態において
は、ベクトル表示器23には基準振幅成分AS および基
準位相成分φS が印加される。また、座標移動制御端子
にはデータが印加されていないので、図2(a)に示す
ように予め定められた原点0から基準ベクトル24をx
y座標系に表示する。
【0027】次に、切替制御回路27から出力されてい
る切替信号gがH(ハイ)レベルに変化すると、各切替
回路18,21の共通端子18c,21cは端子18
a,21a側に切替えられ、かつスイッチ回路26が閉
成される。この状態においては、ベクトル表示器23に
は誤差振幅成分AE および表示位相成分φD が印加され
る。また、座標移動制御端子には図2(a)の基準ベク
トル24における先端Pの先端座標(XS ,YS )が印
加される。その結果、表示座標の原点が先の原点Oから
図2(b)に示すように先端座標(XS ,YS )へ移動
する。よって、この移動された原点(XS ,YS )から
誤差ベクトル28が表示される。
【0028】そして、切替信号gの切換周期が短かけれ
ば、監視者の目の残像として図2(c)に示すように、
基準ベクトル24とこの基準ベクトル24の先端Pに誤
差ベクトル28が接続された状態に見える。
【0029】このように、誤差ベクトル28が基準ベク
トル24と同一画面で幾何学的に表示されるので、誤差
ベクトル28の長さでもって誤差振幅量(成分AE )を
定性的および定量的に把握でき、誤差ベクトル28の基
準ベクトル24との角度でもって誤差位相(位相成分φ
E )を定性的および定量的に把握できる。
【0030】このように、変調波bの各誤差AE ,φE
を測定することによって、送信機1側の搬送波発生器1
bから出力される搬送波cのS/Nや変調器1aの直線
性を評価できる。
【0031】また、このような構成の変調誤差測定装置
においては、被測定信号としての変調波bに対する基準
変調波bS を、この変調誤差測定装置内において、入力
された変調信号bを復調したデジタルデータ信号a1
再度変調することによって得ている。
【0032】したがって、送信機1側から何等基準信号
を受領することなく、変調誤差測定装置自体で変調波b
の振幅誤差AE や位相誤差φE を定性的かつ定量的に測
定できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の変調誤差測
定装置によれば、測定すべき変調波を基準復調器で復調
し、復調されたデジタルデータ信号で基準搬送波を再度
変調して基準変調波を作成し、作成され基準変調波と変
調波との間の位相誤差,振幅誤差をベクトル表示してい
る。したがって、測定者は、デジタルデータ信号伝送特
有の変調波における微小な振幅誤差や位相誤差を、基準
ベクトルと比較対照しながら見易い状態でかつ定量的に
把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる変調誤差測定装置
の概略構成を示すブロック図、
【図2】 同実施例装置におけるベクトル表示器の表示
状態を示す図、
【図3】 同実施例装置で測定される変調波の位相特性
を示す図、
【図4】 一般的なデジタルデータ伝送システムを示す
模式図、
【図5】 一般的なデジタルデータ信号および変調波を
示す図。
【符号の説明】
1…送信機、12…復調器、13…基準変調器、14…
基準搬波送発生器、15…第1のベクトル分解器、16
…第2のベクトル分解器、17…振幅比較器、18,2
1…切替回路、19…位相比較器、20…加算回路、2
2…座標算出回路、23…ベクトル表示器、24…基準
ベクトル、25…座標移動回路、26…スイッチ回路、
27…切替制御回路、28…誤差ベクトル。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から入力された、搬送波をデジタル
    データ信号で変調してなる変調波を元のデジタルデータ
    信号へ復調する復調器(12)と、前記搬送波と同一周波数
    を有し、前記搬送波に比較して精度の高い基準搬送波を
    出力する基準搬送波発生器(14)と、この基準搬送波発生
    器から出力された基準搬送波を前記復調されたデジタル
    データ信号で変調する基準変調器(13)と、この基準変調
    器から出力される基準変調波を基準振幅成分と基準位相
    成分とに分解する第1のベクトル分解器(15)と、前記外
    部から入力された変調波を被測定振幅成分と被測定位相
    成分とに分解する第2のベクトル分解器(16)と、前記基
    準振幅成分と前記被測定振幅成分との間の誤差振幅成分
    を検出する振幅比較器(17)と、前記基準位相成分と前記
    被測定位相成分との間の誤差位相成分を検出する位相比
    較器(19)と、前記第1のベクトル分解器から出力される
    基準振幅成分および基準位相成分からなる基準ベクトル
    と前記振幅比較器および位相比較器から出力される誤差
    振幅成分および誤差位相成分からなる誤差ベクトルとを
    表示するベクトル表示器(23)とを備えた変調誤差測定装
    置。
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