JP2832612B2 - パイプベンダー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明は、ロール又は金型を交換しなくても、曲率半
径の異なったパイプの曲げ加工を可能としたパイプベン
ダーに関するものである。

従来の技術 従来パイプベンダーにおける曲げ加工方法は三点ロー
ル又は金型押圧方法が知られて実用化されているが、い
ずれの方法もパイプの両端等を支持してロール又は金型
を押圧して曲げ加工していたために、パイプの曲率半径
毎にロールまたは金型を交換しなければならず、その交
換、段取り作業が必要となって作業能率が非常に悪い欠
点を有していた。

又、ロール又は金型はパイプベンダーに取付けるため
に、極大、極小のロール又は金型は取付け出来ず、所定
範囲の曲率半径の曲げ加工しか出来ない欠点を有し、又
ロール又は金型は一定の曲率であるために、パイプの曲
率半径を曲げ途中で変化させる複合Ｒ加工は不可能であ
り、複雑な曲げ加工は出来ない欠点を有し、又三次元の
曲げ加工においては、従来のパイプベンダーでは曲げ加
工終了端部ではパイプを回転させれば可能であるが、曲
げ途中における三次元の曲げ加工は出来ない欠点を有し
ていた。

発明が解決しようとする課題 本発明は、パイプをスライドさせると共に、曲げ部分
を振動する押型で押圧することにより、ロール又は金型
を交換しなくても、曲率半径の異なったパイプの曲げ加
工を可能として、ロール又は金型の交換、段取り作業を
不要として作業能率を大幅に向上させ、且つパイプの曲
げ途中において曲率半径の異なった複合Ｒ加工及び三次
元の曲げ加工を可能と成したパイプベンダーを提供せん
とするものである。

〔発明の構成〕

課題を解決するための手段 本発明はかかる点に鑑み、パイプチャック装置の前方
にパイプガイドを設置し、該パイプガイドの全面に振動
発生装置と連結した押型を設置すると共に、パイプ傾転
装置にパイプチャック装置を設置したもの、振動発生装
置と連結した押型を、パイプの軸心方向にスライド自在
に設置したもの、及び芯金装置を軸心上に配置したパイ
プベンダーを提供して上記欠点を解決せんとしたもので
ある。

作 用 本発明は、パイプを徐々に進行させると共に、曲げ部
分を振動する押型で押圧することにより、パイプを曲げ
加工し、又押型の駆動条件を変えて複合Ｒの曲げ加工を
したり、パイプを回転させて三次元の曲げ加工をした
り、パイプを押型と芯金により押圧して薄肉と成して曲
げ加工を容易にするのである。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明すると、 １はパイプＡを曲げ加工するパイプベンダーであり、
ベース２の上面にはパイプチャック装置２を固設したパ
イプ傾転装置４をパイプＡの軸心方向にスライド自在に
設置し、パイプチャック装置３（パイプ傾転装置４）の
前方に内部に被加工部材であるパイプＡを挿通するパイ
プガイド５を設置している。

６はベース２の上面に水平に配設された送りネジであ
り、該送りネジ６はパイプ傾転装置４の内部に挿通さ
れ、送りネジ６を回転することによりパイプ傾転装置４
をスライド移動させている。

７はベース２上でパイプガイド５の前面下部に設置さ
れた振動発生装置であり、該振動発生装置７の上部には
押型８を連結すると共に、振動発生装置７はパイプＡの
軸心方向である水平方向にスライド出来、パイプＡの曲
率半径が決定される振動発生装置７のスライド量と振動
数及び押型８の押圧力は自動制御されている。

９は押型８の上面に穿設されたパイプ溝であり、該パ
イプ溝９内には頂点を有する曲線の押圧部10を形成して
いる。

11はパイプ傾転装置４の後方で軸心上に配設された芯
金装置であり、該芯金装置11では芯金12の基端を保持
し、芯金12の先端はパイプＡを挿通して押型８の押圧部
10の頂点に対応する位置（折り曲げ開始位置）まで延出
している。

次に本発明に係るパイプベンダーの作用について説明
すると、 パイプチャック装置３をスライドさせてパイプＡを徐
々に進行させると共に、パイプＡの曲げ開始位置に押型
８をあてがい、押型８を振動させながら押圧部10の頂点
で押圧し、パイプＡは微小単位で曲がり、全体的に所定
の曲率半径に曲がるのである。

又、押型８を振動発生装置７と共に左右にスライドさ
せたり、押型８の押圧力を変えたり、振動発生装置７の
振動数を増減させることにより、曲率半径は任意に変化
させることが出来、曲げ加工中において上記条件を変化
させれば曲率半径を変えて複合Ｒとすることが出来るの
である。

又、パイプ傾転装置４によりパイプＡを回転させれ
ば、曲げ加工途中において平面的な曲げ加工により三次
元の曲げ加工をすることが出来、又パイプＡを曲げ加工
すれば、曲げ部分において外側は肉厚が薄くなるが、芯
金12と押型８により押圧して薄肉と成して曲げ加工を容
易にするのである。

〔発明の効果〕

要するに本発明は、パイプチャック装置３の前方にパ
イプガイド５を設置し、該パイプガイド５の前面に振動
発生装置７と連結した押型８を設置したので、振動押圧
条件の適宜選択で、パイプＡの曲げ部を振動する押型８
で押圧することにより、自由自在な曲率半径の曲げ加工
を行うことが出来、従ってロール又は金型を交換する必
要がなく、作業能率を大幅に向上させることが出来、又
押型８の頂点で押圧しているために曲率半径に応じた押
型８は不要となってパイプＡの曲率半径を極大、極小共
に出来、又パイプＡの曲げ途中において曲率半径の異な
る複合Ｒ加工をすることが出来、又パイプＡにコイル材
の使用も出来るのである。

又、パイプ傾転装置４にパイプチャック装置３を設置
したので、曲げ途中においてパイプＡを回転させれば、
三次元の曲げ加工をすることが出来るのである。

又、振動発生装置７と連結した押型８を、パイプＡの軸
心方向にスライド自在に設置したので、パイプＡに作用
する振動押圧位置がパイプガイド５からのパイプＡの突
出量に関係して、パイプＡの曲げ部分が位置するパイプ
ガイド５と押型８の間隔を設定出来ることにより、曲率
半径の選択範囲を簡単に拡大することが出来る。

又、芯金装置11を軸心上に配設したので、芯金12をパ
イプＡ内の曲げ開始位置に挿通することにより、曲げ部
分では押型８と芯金12で押圧してパイプＡの内径に比較
して外形が薄肉となることを助長して容易に曲げ加工す
ることが出来る等その実用的効果が甚だ大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】 図は本発明の一実施例を示すものにして、 第１図はパイプベンダーの正面図、第２図は芯金使用時
の加工部の一部断面拡大正面図である。 ３パイプチャック装置、４パイプ傾転装置、５パイプガ
イド、７振動発生装置、８押型、11芯金装置

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パイプ傾転装置にパイプチャック装置を設
   置すると共に、パイプチャック装置の前方にパイプガイ
   ドを設置し、該パイプガイドの前面に振動発生装置と連
   結した押型を設置したことを特徴とするパイプベンダ
   ー。
2. 【請求項２】振動発生装置と連結した押型を、パイプの
   軸心方向にスライド自在に設置したことを特徴とする請
   求項１記載のパイプベンダー。
3. 【請求項３】芯金装置を軸心上に配設したことを特徴と
   する請求項１又は２記載のパイプベンダー。