JP2831807B2 - パルスレーザ装置 - Google Patents
パルスレーザ装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、電極部構造に改良を施した大出力のパルス
レーザ装置に関するものである。
レーザ装置に関するものである。
(従来の技術) レーザ技術における近年の著しい技術進歩に伴い、各
種の産業分野において、大出力のパルスレーザ装置が使
用されており、その一層の開発が要求されている。この
ようなパルスレーザ装置のうち、特に、ガスを媒介とし
たレーザ装置において、良好なレーザ発振を得るために
は、レーザガス中で空間的に均一な放電の生成を必要と
するが、TEACO2レーザ、エキシマレーザなどの短パルス
レーザ光を発生させるパルスレーザ装置においては、そ
の動作ガス圧力が数気圧もの高圧力であり、更に、電子
付着性の強いCO2ガスあるいはハロゲンガスを含むた
め、放電が集中し、アーク放電になりやすい。これを防
止し、均一な放電を生成するために、主放電に先立って
予備電離を行うと同時に高速のパルス電圧を印加して、
短時間に放電を生成させる方法が一般的に採用されてい
る。
種の産業分野において、大出力のパルスレーザ装置が使
用されており、その一層の開発が要求されている。この
ようなパルスレーザ装置のうち、特に、ガスを媒介とし
たレーザ装置において、良好なレーザ発振を得るために
は、レーザガス中で空間的に均一な放電の生成を必要と
するが、TEACO2レーザ、エキシマレーザなどの短パルス
レーザ光を発生させるパルスレーザ装置においては、そ
の動作ガス圧力が数気圧もの高圧力であり、更に、電子
付着性の強いCO2ガスあるいはハロゲンガスを含むた
め、放電が集中し、アーク放電になりやすい。これを防
止し、均一な放電を生成するために、主放電に先立って
予備電離を行うと同時に高速のパルス電圧を印加して、
短時間に放電を生成させる方法が一般的に採用されてい
る。
また、主放電空間に安定したグロー放電を発生させる
ために、主電極表面形状は、一般的に、主電極間の電界
強度が、主電極中央部では一様に高く、且つ、主電極の
端部に向かうに従ってなだらかに低下していくような形
状とされてきた。(例えば、Springer Series in Optic
al Sciences53“The CO2 Laser",W,J.Witteman,p170な
どに示された方式) 第4図は、従来のパルスレーザ装置の主電極部構造の
一例を示すものである。すなわち、レーザガス中におい
て、第1の主電極4に対向して第2の主電極5が配設さ
れ、各主電極4,5は、その中央部に平面を有し、同部に
て最も近接しており、この中央平面部から電極端部に向
かってなだらかな曲率を有して開離している。そして、
このような形状を有することにより、主電極4,5間の電
界強度は、中央部で一様となり、端部に向かってなだら
かに低下するようになっている。
ために、主電極表面形状は、一般的に、主電極間の電界
強度が、主電極中央部では一様に高く、且つ、主電極の
端部に向かうに従ってなだらかに低下していくような形
状とされてきた。(例えば、Springer Series in Optic
al Sciences53“The CO2 Laser",W,J.Witteman,p170な
どに示された方式) 第4図は、従来のパルスレーザ装置の主電極部構造の
一例を示すものである。すなわち、レーザガス中におい
て、第1の主電極4に対向して第2の主電極5が配設さ
れ、各主電極4,5は、その中央部に平面を有し、同部に
て最も近接しており、この中央平面部から電極端部に向
かってなだらかな曲率を有して開離している。そして、
このような形状を有することにより、主電極4,5間の電
界強度は、中央部で一様となり、端部に向かってなだら
かに低下するようになっている。
また、この主電極4,5の近傍には、図示していない複
数個のスパーク放電ギャップ等が配設されており、スパ
ーク放電ギャップ間で発生するスパーク放電から出る紫
外線によって主電極間のレーザガスを予備電離するよう
になっている。
数個のスパーク放電ギャップ等が配設されており、スパ
ーク放電ギャップ間で発生するスパーク放電から出る紫
外線によって主電極間のレーザガスを予備電離するよう
になっている。
さらに、主電極4,5の長手方向両端部には、光共振器
(図示せず)が配設されている。
(図示せず)が配設されている。
このように構成された従来のパルスレーザ装置におい
て、その主電極4,5間に高速の高電圧パルスが印加され
ると、前記スパーク放電ギャップ間にスパーク放電が発
生し、主電極4,5間を予備電離した後、主電極4,5間にグ
ロー放電が発生する。
て、その主電極4,5間に高速の高電圧パルスが印加され
ると、前記スパーク放電ギャップ間にスパーク放電が発
生し、主電極4,5間を予備電離した後、主電極4,5間にグ
ロー放電が発生する。
このグロー放電により、レーザガスが励起されて、図
示していない光共振器の作用で、光共振器の設置方向に
レーザ光が発生するが、このレーザ光の強度分布はグロ
ー放電の電流分布に影響される。この点について、第5
図を用いて以下に説明する。第5図は、主電極半面の断
面形状(a)、電界強度分布(b)、及び電流分布
(c)を定数Y0(主電極間の最短距離の1/2)で規格化
して示している。すなわち、(a)乃至(c)におい
て、各X軸は、共に主電極の中央を起点とし、この起点
からの幅方向の距離(X/Y0)を示しており、第5図
(a)は、主電極間の距離の1/2をY/Y0で示している。
示していない光共振器の作用で、光共振器の設置方向に
レーザ光が発生するが、このレーザ光の強度分布はグロ
ー放電の電流分布に影響される。この点について、第5
図を用いて以下に説明する。第5図は、主電極半面の断
面形状(a)、電界強度分布(b)、及び電流分布
(c)を定数Y0(主電極間の最短距離の1/2)で規格化
して示している。すなわち、(a)乃至(c)におい
て、各X軸は、共に主電極の中央を起点とし、この起点
からの幅方向の距離(X/Y0)を示しており、第5図
(a)は、主電極間の距離の1/2をY/Y0で示している。
このうち、第5図(b)では主電極間の中央の電界強
度(X/Y0=0の点):Emaxで規格化した主電極間の電界
強度Eの分布を示しているが、一般にE/Emaxの値が99%
程度以下に低下した範囲にはグロー放電が発生しない。
このため、グロー放電の電流分布は、第5図(c)に示
すような分布となる。第5図(c)では主電極間の中央
の電流(X=0の点):Imaxで規格化した主電極間の電
流Iの分布を示している。
度(X/Y0=0の点):Emaxで規格化した主電極間の電界
強度Eの分布を示しているが、一般にE/Emaxの値が99%
程度以下に低下した範囲にはグロー放電が発生しない。
このため、グロー放電の電流分布は、第5図(c)に示
すような分布となる。第5図(c)では主電極間の中央
の電流(X=0の点):Imaxで規格化した主電極間の電
流Iの分布を示している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のような構成を有する従来のパル
スレーザ装置において、主電極間の電流分布は、第5図
(c)に示すように、中央から端部(X/X0が大の方向)
に向かうに従って、電流がなだらかに減少していくた
め、発振するレーザ光の強度分布も電流の分布に応じた
形状となる。
スレーザ装置において、主電極間の電流分布は、第5図
(c)に示すように、中央から端部(X/X0が大の方向)
に向かうに従って、電流がなだらかに減少していくた
め、発振するレーザ光の強度分布も電流の分布に応じた
形状となる。
そのため、パルスレーザ装置を増幅器として利用する
場合など、一様なレーザ光の強度分布が必要な場合は、
有効に利用できる空間が限られており、グロー放電の利
用効率が低下するという問題があった。特に、大体積の
発振空間を必要とする大出力レーザでは利用効率の低下
が大きくなり、パルスレーザ装置の動作効率を低下させ
ていた。
場合など、一様なレーザ光の強度分布が必要な場合は、
有効に利用できる空間が限られており、グロー放電の利
用効率が低下するという問題があった。特に、大体積の
発振空間を必要とする大出力レーザでは利用効率の低下
が大きくなり、パルスレーザ装置の動作効率を低下させ
ていた。
さらに、グロー放電の電流密度を増加させてレーザ発
振強度を増していった場合に、中央部の電流密度が安定
したグロー放電の許容電流密度を超えて、グロー放電が
収縮しアーク放電となり、レーザ光の最大出力が主電極
間の電流密度によって制限されるという問題があった。
振強度を増していった場合に、中央部の電流密度が安定
したグロー放電の許容電流密度を超えて、グロー放電が
収縮しアーク放電となり、レーザ光の最大出力が主電極
間の電流密度によって制限されるという問題があった。
以上のように、従来のパルスレーザ装置においては、
主電極間を流れる電流は主電極中央部で最大となり、中
央部を離れるに従って低下するため、一様な発振領域を
必要とする場合には、利用できないグロー放電空間が増
加してグロー放電の利用効率が低下するだけでなく、レ
ーザ発振出力の上限が主電極中央部の電流密度によって
制限されるという問題があった。
主電極間を流れる電流は主電極中央部で最大となり、中
央部を離れるに従って低下するため、一様な発振領域を
必要とする場合には、利用できないグロー放電空間が増
加してグロー放電の利用効率が低下するだけでなく、レ
ーザ発振出力の上限が主電極中央部の電流密度によって
制限されるという問題があった。
本発明は以上のような従来技術の課題を解消するため
に提案されたものであり、その目的は主電極間の電流分
布を一様にし、グロー放電の利用効率を向上するととも
に、電極中央部の電流密度で制限されていたレーザ出力
強度の限界値を向上させることのできるような、大出力
のパルスレーザ装置を提供することにある。
に提案されたものであり、その目的は主電極間の電流分
布を一様にし、グロー放電の利用効率を向上するととも
に、電極中央部の電流密度で制限されていたレーザ出力
強度の限界値を向上させることのできるような、大出力
のパルスレーザ装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明のパルスレーザ装置は、一対の対向する主電極
の近傍に、スパーク放電ギャップ列を配置し、主電極間
の主放電空間を予備電離するパルスレーザ装置におい
て、主電極は中央部から電極端部に向かってなだらかな
曲率を有して一旦接近し、もっとも接近した後は、電極
端部に向かってなだらかな曲率を有して開離した形状を
有し、前記主電極の断面形状が、主電極の中央を基点と
してこの基点から主電極の幅方向の距離をX軸に、主電
極の対向する距離をY軸にとって、主電極の中央におけ
る対向する主電極間の距離の1/2をY0とした場合に、X
軸のプラス側およびマイナス側の主電極表面形状が、X/
Y0=1およびX/Y0=−1近傍を中心として発生するグロ
ー放電がそれぞれX/Y0<0,X/Y0>0間で広がる位置に、
対向する主電極間の最短距離が配置されるような複数の
関数曲線から構成されていることを特徴とする。
の近傍に、スパーク放電ギャップ列を配置し、主電極間
の主放電空間を予備電離するパルスレーザ装置におい
て、主電極は中央部から電極端部に向かってなだらかな
曲率を有して一旦接近し、もっとも接近した後は、電極
端部に向かってなだらかな曲率を有して開離した形状を
有し、前記主電極の断面形状が、主電極の中央を基点と
してこの基点から主電極の幅方向の距離をX軸に、主電
極の対向する距離をY軸にとって、主電極の中央におけ
る対向する主電極間の距離の1/2をY0とした場合に、X
軸のプラス側およびマイナス側の主電極表面形状が、X/
Y0=1およびX/Y0=−1近傍を中心として発生するグロ
ー放電がそれぞれX/Y0<0,X/Y0>0間で広がる位置に、
対向する主電極間の最短距離が配置されるような複数の
関数曲線から構成されていることを特徴とする。
(作用) 本発明のパルスレーザ装置によれば、主電極の表面形
状を複数の関数曲線から構成したことにより、主電極間
の電流分布を一様にできるため、グロー放電の発生空間
の利用範囲が拡大するとともに、電極中央部の電流密度
で制限されていたレーザ出力強度の限界値を向上させる
ことができる。
状を複数の関数曲線から構成したことにより、主電極間
の電流分布を一様にできるため、グロー放電の発生空間
の利用範囲が拡大するとともに、電極中央部の電流密度
で制限されていたレーザ出力強度の限界値を向上させる
ことができる。
(実施例) 以下、本発明によるパルスレーザ装置の一実施例を第
1図乃至第3図を参照して具体的に説明する。
1図乃至第3図を参照して具体的に説明する。
まず、第1図は、本実施例のパルスレーザ装置の主電
極部構造を拡大して示す図である。この第1図に示すよ
うに、レーザガス中において、第1の主電極1に対向し
て第2の主電極2が配設され、各主電極1,2の表面は、
本発明に従ってA,B2個の関数曲線形状から構成されてい
る。この場合、A,Bは、主電極1,2の中央の軸Yに対して
左右対称であり、主電極1,2は、中央部から電極端部に
向かってなだらかな曲率を有して一旦近接し、最も近接
した後は、電極端部に向かってなだらかな曲率を有して
開離している。
極部構造を拡大して示す図である。この第1図に示すよ
うに、レーザガス中において、第1の主電極1に対向し
て第2の主電極2が配設され、各主電極1,2の表面は、
本発明に従ってA,B2個の関数曲線形状から構成されてい
る。この場合、A,Bは、主電極1,2の中央の軸Yに対して
左右対称であり、主電極1,2は、中央部から電極端部に
向かってなだらかな曲率を有して一旦近接し、最も近接
した後は、電極端部に向かってなだらかな曲率を有して
開離している。
次に、第2図は、第1図の主電極部を含むパルスレー
ザ装置の電極部構造と励起電源回路を示す回路図であ
る。すなわち、放電部aはレーザガス中に配置され、対
向配置された第1、第2の主電極1,2の両側には、紙面
垂直方向に複数個のスパーク放電ギャップ3が配設され
ている。
ザ装置の電極部構造と励起電源回路を示す回路図であ
る。すなわち、放電部aはレーザガス中に配置され、対
向配置された第1、第2の主電極1,2の両側には、紙面
垂直方向に複数個のスパーク放電ギャップ3が配設され
ている。
続いて、この第2図の励起電源回路構成を以下に説明
する。まず、主電極1,2間には、スパーク放電ギャップ
3を介して、コンデンサC2が接続されている。また、放
電部aには、残留インダクタンスを含む回路インダクタ
ンスLdを介してコンデンサC1,スイッチS1が接続され、
このコンデンサC1の一端は、抵抗Rを介して図示してい
ない高電圧電源Vcに接続され、他端はインダクタンスL
を介して接地されている。
する。まず、主電極1,2間には、スパーク放電ギャップ
3を介して、コンデンサC2が接続されている。また、放
電部aには、残留インダクタンスを含む回路インダクタ
ンスLdを介してコンデンサC1,スイッチS1が接続され、
このコンデンサC1の一端は、抵抗Rを介して図示してい
ない高電圧電源Vcに接続され、他端はインダクタンスL
を介して接地されている。
さらに、第2図において、前記主電極1,2の長手方向
(紙面の垂直方向)両端部には、光共振器(図示せず)
が配設されている。
(紙面の垂直方向)両端部には、光共振器(図示せず)
が配設されている。
このように構成された本実施例のパルスレーザ装置の
動作を以下に説明する。すなわち、高電圧電源Vc−抵抗
R−コンデンサC1−インダクタンスLの経路で、コンデ
ンサC1が充電される。
動作を以下に説明する。すなわち、高電圧電源Vc−抵抗
R−コンデンサC1−インダクタンスLの経路で、コンデ
ンサC1が充電される。
そして、スイッチS1が閉じられると、コンデンサC1に
充電された電圧が、主電極1,2間に印加される。また、
このときスパーク放電ギャップ3には、コンデンサC1の
電圧が加わるため、スパーク放電ギャップ3の一部が放
電する。そしてその後、一定の時間内に全てのスパーク
放電ギャップ3が放電し、このスパーク放電によって発
生する紫外線により、対向する主電極1,2間のレーザガ
スが予備電離される。
充電された電圧が、主電極1,2間に印加される。また、
このときスパーク放電ギャップ3には、コンデンサC1の
電圧が加わるため、スパーク放電ギャップ3の一部が放
電する。そしてその後、一定の時間内に全てのスパーク
放電ギャップ3が放電し、このスパーク放電によって発
生する紫外線により、対向する主電極1,2間のレーザガ
スが予備電離される。
このようにしてスパーク放電ギャップ3が放電する
と、コンデンサC1の電荷はコンデンサC2に移動する。コ
ンデンサC2の電圧が上昇してくると、主電極1,2間の電
圧が高くなり、主電極1,2間にグロー放電が点弧する。
と、コンデンサC1の電荷はコンデンサC2に移動する。コ
ンデンサC2の電圧が上昇してくると、主電極1,2間の電
圧が高くなり、主電極1,2間にグロー放電が点弧する。
以下に、グロー放電の生成状況を第3図により説明す
る。
る。
第3図(a)〜(c)は、それぞれ主電極半面の断面
形状、電界強度分布、及び電流分布を定数Y0(主電極間
の最短距離の1/2)で規格化して示している。すなわ
ち、(a)乃至(c)において、各X軸は、共に主電極
の中央を起点とし、この起点からの幅方向の距離(X/
Y0)を示しており、第3図(a)は、主電極間の距離の
1/2をY/Y0で示している。なお、本実施例では、X/Y0軸
方向のプラス・マイナス両側の断面形状、すなわち、Y/
Y0軸を中心とする左右の断面形状は、前述の通り対称で
あり、主電極1,2は、中央部(X/Y0=0)から電極端部
に向かってなだらかな曲率を有して一旦近接し、最も近
接した後は、電極端部に向かってなだらかな曲率を有し
て開離している。
形状、電界強度分布、及び電流分布を定数Y0(主電極間
の最短距離の1/2)で規格化して示している。すなわ
ち、(a)乃至(c)において、各X軸は、共に主電極
の中央を起点とし、この起点からの幅方向の距離(X/
Y0)を示しており、第3図(a)は、主電極間の距離の
1/2をY/Y0で示している。なお、本実施例では、X/Y0軸
方向のプラス・マイナス両側の断面形状、すなわち、Y/
Y0軸を中心とする左右の断面形状は、前述の通り対称で
あり、主電極1,2は、中央部(X/Y0=0)から電極端部
に向かってなだらかな曲率を有して一旦近接し、最も近
接した後は、電極端部に向かってなだらかな曲率を有し
て開離している。
このうち、第3図(b)では、主電極間の中央の電界
強度(X/Y0=0の点):Emaxで規格化した主電極間の電
界強度Eの分布を示しているが、第5図に示した従来例
とは異なり、X/Y0=0の点で電界強度は最大となってい
ない。すなわち、本実施例では、第3図(a)に示すよ
うに、主電極の断面形状における最近接点が、中央部で
はなく、中央部を挟むX/Y0軸方向の両側(マイナス側は
図示せず)に存在するため、この主電極間の最近接点対
応して、X/Y0軸方向の両側(マイナス側は図示せず)の
2箇所に電界強度の最大点が存在するため、この2箇所
の電界強度の最大点を中心としてグロー放電が発生する
ことになる。この場合、グロー放電の電流分布は、第3
図(c)に示すような分布となる。第3図(c)では、
電流最大値:Imaxで規格化した主電極間の電流Iの分布
を示している。この第3図(c)に示すように、電流は
X/Y0=0の点で最大となるが、ほぼX/Y0=1.5の点まで
はほぼ同じ高レベルに保持され、この後、減少してい
く。図示していないX/Y0軸方向のマイナス側において
も、同様に、X/Y0=0の点からほぼX/Y0=−1.5の点ま
ではほぼ同じ高レベルに保持され、この後、減少してい
く。
強度(X/Y0=0の点):Emaxで規格化した主電極間の電
界強度Eの分布を示しているが、第5図に示した従来例
とは異なり、X/Y0=0の点で電界強度は最大となってい
ない。すなわち、本実施例では、第3図(a)に示すよ
うに、主電極の断面形状における最近接点が、中央部で
はなく、中央部を挟むX/Y0軸方向の両側(マイナス側は
図示せず)に存在するため、この主電極間の最近接点対
応して、X/Y0軸方向の両側(マイナス側は図示せず)の
2箇所に電界強度の最大点が存在するため、この2箇所
の電界強度の最大点を中心としてグロー放電が発生する
ことになる。この場合、グロー放電の電流分布は、第3
図(c)に示すような分布となる。第3図(c)では、
電流最大値:Imaxで規格化した主電極間の電流Iの分布
を示している。この第3図(c)に示すように、電流は
X/Y0=0の点で最大となるが、ほぼX/Y0=1.5の点まで
はほぼ同じ高レベルに保持され、この後、減少してい
く。図示していないX/Y0軸方向のマイナス側において
も、同様に、X/Y0=0の点からほぼX/Y0=−1.5の点ま
ではほぼ同じ高レベルに保持され、この後、減少してい
く。
以上より、電界強度分布は第3図(b)に示すように
X/Y0=0の点で最大になっていないのに対し、第3図
(c)に示すように、電流はX/Y0=0の点で最大となる
ことがわかる。この理由を以下に述べる。すなわち、グ
ロー放電は、一般にEの値が99%程度にまで低下する範
囲に発生するため、第3図(b)から、X/Y0=1近傍ま
たはX/Y0=−1近傍を中心としたグロー放電が発生する
ことになる。従って、X軸のプラス側(X/Y0≧0)及び
マイナス側(X/Y0≦0)の主電極表面形状を、そのX/Y0
=1近傍及びX/Y0=−1近傍を中心として発生する各グ
ロー放電が、それぞれX/Y0<0、X/Y0>0まで広がるよ
うに設定すれば、X/Y0=0の主電極中央部では、X/Y0の
プラス・マイナス両側からグロー放電が広がってくるた
め、主電極中央部で電流最大とすることができる。
X/Y0=0の点で最大になっていないのに対し、第3図
(c)に示すように、電流はX/Y0=0の点で最大となる
ことがわかる。この理由を以下に述べる。すなわち、グ
ロー放電は、一般にEの値が99%程度にまで低下する範
囲に発生するため、第3図(b)から、X/Y0=1近傍ま
たはX/Y0=−1近傍を中心としたグロー放電が発生する
ことになる。従って、X軸のプラス側(X/Y0≧0)及び
マイナス側(X/Y0≦0)の主電極表面形状を、そのX/Y0
=1近傍及びX/Y0=−1近傍を中心として発生する各グ
ロー放電が、それぞれX/Y0<0、X/Y0>0まで広がるよ
うに設定すれば、X/Y0=0の主電極中央部では、X/Y0の
プラス・マイナス両側からグロー放電が広がってくるた
め、主電極中央部で電流最大とすることができる。
また、発振するレーザ光の強度分布は、電流の分布に
応じた形状となるため、電極中央部(ほぼ−1.5≦X/Y0
≦1.5の範囲)において電流の平坦部を有する本実施例
の場合、レーザ光の強度分布は、電極中央部で平坦な分
布となる。このため、パルスレーザ装置を増幅器として
利用する場合に一様なレーザ光の強度分布が得られ、グ
ロー放電空間を有効に利用でき、利用効率を高くでき
る。特に、大体積の発振空間を必要とする大出力レーザ
では、利用効率の向上が顕著である。
応じた形状となるため、電極中央部(ほぼ−1.5≦X/Y0
≦1.5の範囲)において電流の平坦部を有する本実施例
の場合、レーザ光の強度分布は、電極中央部で平坦な分
布となる。このため、パルスレーザ装置を増幅器として
利用する場合に一様なレーザ光の強度分布が得られ、グ
ロー放電空間を有効に利用でき、利用効率を高くでき
る。特に、大体積の発振空間を必要とする大出力レーザ
では、利用効率の向上が顕著である。
さらに、グロー放電の電流密度を増加させてレーザ発
振強度を増していった場合においても、本実施例の装置
においては主電極中央部の電流密度が平坦なため、安定
したグロー放電を発生する許容電流密度まで、グロー放
電空間をほぼ一様に使用できるため、全体として評価し
た場合の許容電流密度を向上できる。よって、レーザ光
の最大出力を従来例よりも増大できる。
振強度を増していった場合においても、本実施例の装置
においては主電極中央部の電流密度が平坦なため、安定
したグロー放電を発生する許容電流密度まで、グロー放
電空間をほぼ一様に使用できるため、全体として評価し
た場合の許容電流密度を向上できる。よって、レーザ光
の最大出力を従来例よりも増大できる。
以上のように、本実施例によれば、主電極間を流れる
電流分布が主電極中央部で平坦となり、一様な強度の発
振領域を得られるため、利用するグロー放電空間が増加
してグロー放電の利用効率が向上するだけでなく、レー
ザ発振出力の上限を高くできる。
電流分布が主電極中央部で平坦となり、一様な強度の発
振領域を得られるため、利用するグロー放電空間が増加
してグロー放電の利用効率が向上するだけでなく、レー
ザ発振出力の上限を高くできる。
[発明の効果] 本発明のパルスレーザ発振装置によれば、主電極の表
面形状を複数の関数曲線から構成することにより、主電
極間の電流分布を一様にできるため、グロー放電が発生
している空間の利用範囲を拡大するとともに、電極中央
部の電流密度で制限されていたレーザ出力強度の限界値
を向上し得るような、優れた大出力のパルスレーザ装置
を提供することができる。
面形状を複数の関数曲線から構成することにより、主電
極間の電流分布を一様にできるため、グロー放電が発生
している空間の利用範囲を拡大するとともに、電極中央
部の電流密度で制限されていたレーザ出力強度の限界値
を向上し得るような、優れた大出力のパルスレーザ装置
を提供することができる。
第1図は本発明のパルスレーザ装置の一実施例における
主電極部構造を示す拡大断面斜視図、第2図は同実施例
におけるパルスレーザ装置の電極部構造と励起電源回路
を示す回路図、第3図(a)乃至(c)は同実施例のパ
ルスレーザ装置の特性を示す曲線図であり、(a)は主
電極半面の断面形状、(b)は電界強度分布、(c)は
電流分布、第4図は従来のパルスレーザ装置の主電極部
構造を示す拡大断面斜視図、第5図は従来のパルスレー
ザ装置の特性を示す曲線図であり、(a)は主電極半面
の断面形状、(b)は電界強度分布、(c)は電流分布
を示している。 1,4……第1の主電極、2,5……第2の主電極、3……ス
パーク放電ギャップ。
主電極部構造を示す拡大断面斜視図、第2図は同実施例
におけるパルスレーザ装置の電極部構造と励起電源回路
を示す回路図、第3図(a)乃至(c)は同実施例のパ
ルスレーザ装置の特性を示す曲線図であり、(a)は主
電極半面の断面形状、(b)は電界強度分布、(c)は
電流分布、第4図は従来のパルスレーザ装置の主電極部
構造を示す拡大断面斜視図、第5図は従来のパルスレー
ザ装置の特性を示す曲線図であり、(a)は主電極半面
の断面形状、(b)は電界強度分布、(c)は電流分布
を示している。 1,4……第1の主電極、2,5……第2の主電極、3……ス
パーク放電ギャップ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−163382(JP,A) 特開 昭62−291188(JP,A) 特開 昭61−90483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/038
Claims (1)
- 【請求項1】一対の対向する主電極の近傍に、スパーク
放電ギャップ列を配置し、主電極間の主放電空間を予備
電離するパルスレーザ装置において、 主電極は中央部から電極端部に向かってなだらかな曲率
を有して一旦接近し、もっとも接近した後は、電極端部
に向かってなだらかな曲率を有して開離した形状を有
し、 前記主電極の断面形状が、主電極の中央を基点としてこ
の基点から主電極の幅方向の距離をX軸に、主電極の対
向する距離をY軸にとって、主電極の中央における対向
する主電極間の距離の1/2をY0とした場合に、 X軸のプラス側およびマイナス側の主電極表面形状が、
X/Y0=1およびX/Y0=−1近傍を中心として発生するグ
ロー放電がそれぞれX/Y0<0,X/Y0>0間で広がる位置
に、対向する主電極間の最短距離が配置されるような複
数の関数曲線から構成されていることを特徴とするパル
スレーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14615690A JP2831807B2 (ja) | 1990-06-06 | 1990-06-06 | パルスレーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14615690A JP2831807B2 (ja) | 1990-06-06 | 1990-06-06 | パルスレーザ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0439974A JPH0439974A (ja) | 1992-02-10 |
JP2831807B2 true JP2831807B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15401402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14615690A Expired - Lifetime JP2831807B2 (ja) | 1990-06-06 | 1990-06-06 | パルスレーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2831807B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-06 JP JP14615690A patent/JP2831807B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0439974A (ja) | 1992-02-10 |
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