JP2831395B2 - アスコルビン酸エステル - Google Patents
アスコルビン酸エステルInfo
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- JP2831395B2 JP2831395B2 JP1234746A JP23474689A JP2831395B2 JP 2831395 B2 JP2831395 B2 JP 2831395B2 JP 1234746 A JP1234746 A JP 1234746A JP 23474689 A JP23474689 A JP 23474689A JP 2831395 B2 JP2831395 B2 JP 2831395B2
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- acid
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なアスコルビン酸エステル、さらに詳し
くは次の一般式(1) (式中、Rは OC−(CH2)3(CH=CHCH2)5CH3 または OC−(CH2)2(CH=CHCH2)6CH3を示す。) で表されるアスコルビン酸エステルに関するものであ
る。
くは次の一般式(1) (式中、Rは OC−(CH2)3(CH=CHCH2)5CH3 または OC−(CH2)2(CH=CHCH2)6CH3を示す。) で表されるアスコルビン酸エステルに関するものであ
る。
本発明においてアスコルビン酸とは特に指定した場合
を除いてエリソルビン酸も包含する。
を除いてエリソルビン酸も包含する。
[従来の技術] アスコルビン酸は強い抗酸化作用を持ち、現在、医
薬、化粧品、食品、飼料等の分野で多様な応用がなされ
ているが、熱、光に対して非常に不安定なうえ、油脂類
に対する溶解性が乏しいため、その使用に問題があっ
た。これらの欠点を除くために脂肪酸を用いた各種アス
コルビン酸エステルが検討されている。その大部分は飽
和脂肪酸とのエステルであるが、不飽和脂肪酸とのエス
テルに関する研究も若干ながら行なわれている(特開昭
62−81307、ジャーナル オブ ファーマシー、1巻1
号67頁)。しかしながら、このうち二重結合を4つ以上
もつ脂肪酸、いわゆる高度不飽和脂肪酸とのエステルに
ついてはアラキドン酸のエステルに関する報告があるの
みである(Riv.Ital.Essenze−Profumi.Vol.50,No.8,p4
32)。
薬、化粧品、食品、飼料等の分野で多様な応用がなされ
ているが、熱、光に対して非常に不安定なうえ、油脂類
に対する溶解性が乏しいため、その使用に問題があっ
た。これらの欠点を除くために脂肪酸を用いた各種アス
コルビン酸エステルが検討されている。その大部分は飽
和脂肪酸とのエステルであるが、不飽和脂肪酸とのエス
テルに関する研究も若干ながら行なわれている(特開昭
62−81307、ジャーナル オブ ファーマシー、1巻1
号67頁)。しかしながら、このうち二重結合を4つ以上
もつ脂肪酸、いわゆる高度不飽和脂肪酸とのエステルに
ついてはアラキドン酸のエステルに関する報告があるの
みである(Riv.Ital.Essenze−Profumi.Vol.50,No.8,p4
32)。
一方、高度不飽和脂肪酸の一種であり、次の化学式で
表わされる脂肪酸、すなわち HOOC−(CH2)3(CH=CHCH2)5CH3 および HOOC−(CH2)2(CH=CHCH2)6CH3 はそれぞれエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキ
サエン酸(DHA)であり、近年、抗血栓作用や抗がん作
用、魚類の必須脂肪酸としてその生理活性が注目されて
おり、現在、食品、医薬品等への利用、開発がすすめら
れている。
表わされる脂肪酸、すなわち HOOC−(CH2)3(CH=CHCH2)5CH3 および HOOC−(CH2)2(CH=CHCH2)6CH3 はそれぞれエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキ
サエン酸(DHA)であり、近年、抗血栓作用や抗がん作
用、魚類の必須脂肪酸としてその生理活性が注目されて
おり、現在、食品、医薬品等への利用、開発がすすめら
れている。
[発明が解決しようとする課題] 前述の脂肪酸を用いたアスコルビン酸エステルは遊離
型のアスコルビン酸に比べて安定で、かつ生体内で容易
に加水分解されてアスコルビン酸と脂肪酸になることが
明らかになっている。しかしながら、アスコルビン酸の
飽和脂肪酸とのエステルは常温で固体であるため、その
物理的性状による用途の制限があるという欠点がある。
型のアスコルビン酸に比べて安定で、かつ生体内で容易
に加水分解されてアスコルビン酸と脂肪酸になることが
明らかになっている。しかしながら、アスコルビン酸の
飽和脂肪酸とのエステルは常温で固体であるため、その
物理的性状による用途の制限があるという欠点がある。
本発明は、アスコルビン酸と脂肪酸とのエステル類に
係る上記性状における問題点を解決するために鋭意検討
した結果なされたものであり、高度不飽和脂肪酸を用い
ることにより、生体内で容易に加水分解されてアスコル
ビン酸の抗酸化作用及びビタミンC効果と高度不飽和脂
肪酸の生理活性効果をあわせ持ち、用途の応用性の高い
アスコルビン酸エステルを提供するものである。
係る上記性状における問題点を解決するために鋭意検討
した結果なされたものであり、高度不飽和脂肪酸を用い
ることにより、生体内で容易に加水分解されてアスコル
ビン酸の抗酸化作用及びビタミンC効果と高度不飽和脂
肪酸の生理活性効果をあわせ持ち、用途の応用性の高い
アスコルビン酸エステルを提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の目的は、 一般式(1) (式中、Rは OC−(CH2)3(CH=CHCH2)5CH3 または OC−(CH2)2(CH=CHCH2)6CH3を示す。) で表されるアスコルビン酸エステルであることを特徴と
する、6−エイコサペンタエノイルアスコルビン酸、及
び6−ドコサヘキサエノイルアスコルビン酸を提供する
ことによって達成された。アスコルビン酸は特に指定し
た場合を除いてエリソルビン酸も包含する。
する、6−エイコサペンタエノイルアスコルビン酸、及
び6−ドコサヘキサエノイルアスコルビン酸を提供する
ことによって達成された。アスコルビン酸は特に指定し
た場合を除いてエリソルビン酸も包含する。
本発明のアスコルビン酸エステルは、例えば、アスコ
ルビン酸とエイコサペンタエン酸(EPA)またはドコサ
ヘキサエン酸(DHA)の酸クロライドから公知のエステ
ル化方法で製造することができる。
ルビン酸とエイコサペンタエン酸(EPA)またはドコサ
ヘキサエン酸(DHA)の酸クロライドから公知のエステ
ル化方法で製造することができる。
次に比較例、実施例をあげて本発明を説明する。
比較例1 ステアリン酸100mg(0.35mmol)をジメチルホルムア
ミド(DMF)3mlに溶解させ、水冷・窒素雰囲気下にて塩
化チオニル51μl(0.70mmol)を加え、室温にて30分撹
拌した。続いてアスコルビン酸619mg(3.51mmol)およ
びDMF2mlを加え、さらに室温にて1時間撹拌した。
ミド(DMF)3mlに溶解させ、水冷・窒素雰囲気下にて塩
化チオニル51μl(0.70mmol)を加え、室温にて30分撹
拌した。続いてアスコルビン酸619mg(3.51mmol)およ
びDMF2mlを加え、さらに室温にて1時間撹拌した。
反応液に精製水30mlを注ぎ、ジエチルエーテル10mlに
て抽出した。溶剤層を精製水30mlにて洗浄後分取し、硫
酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、
アスコルビン酸エステルを無色粒状晶として得た。この
ものの元素分析、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペク
トルは市販のアスコルビン酸6−ステアレートのものと
一致した。1 H−NMRスペクトル(δppm)(CDCl3) 13C−NMRスペクトル(δppm) 元素分析(C24H42O7として) 計算値(%):C,65.2;H,9.5;O,25.3 測定値(%):C,65.8;H,9.4;O,24.7 実施例1 比較例1と同様の条件下で、エイコサペンタエン酸10
0mg(0.33mmol)とアスコルビン酸582mg(3.3mmol)よ
り粘稠ペーストを59mg得、次のデータからこれは6−エ
イコサペンタエノイルアスコルビン酸であると同定し
た。
て抽出した。溶剤層を精製水30mlにて洗浄後分取し、硫
酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、
アスコルビン酸エステルを無色粒状晶として得た。この
ものの元素分析、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペク
トルは市販のアスコルビン酸6−ステアレートのものと
一致した。1 H−NMRスペクトル(δppm)(CDCl3) 13C−NMRスペクトル(δppm) 元素分析(C24H42O7として) 計算値(%):C,65.2;H,9.5;O,25.3 測定値(%):C,65.8;H,9.4;O,24.7 実施例1 比較例1と同様の条件下で、エイコサペンタエン酸10
0mg(0.33mmol)とアスコルビン酸582mg(3.3mmol)よ
り粘稠ペーストを59mg得、次のデータからこれは6−エ
イコサペンタエノイルアスコルビン酸であると同定し
た。
元素分析(C26H36O7として) 計算値(%):C,67.8;H,7.8;O,24.3 測定値(%):C,67.5;H,7.9;O,24.5 また、本アスコルビン酸エステルのFAB−MS測定では
準分子イオンピークm/z459(M−H)が観察された。こ
のことにより、この合成された物質の分子量は460であ
り、6−エイコサペンタエノイルアスコルビン酸である
と確定した。
準分子イオンピークm/z459(M−H)が観察された。こ
のことにより、この合成された物質の分子量は460であ
り、6−エイコサペンタエノイルアスコルビン酸である
と確定した。
実施例2 比較例1と同様の条件下でドコサヘキサエン酸100mg
(0.30mmol)とアスコルビン酸536mg(3.04mmol)より
粘稠ペースト47mgを得、次のデータよりこれは6−ドコ
サヘキサエノイルアスコルビン酸であると同定した。
(0.30mmol)とアスコルビン酸536mg(3.04mmol)より
粘稠ペースト47mgを得、次のデータよりこれは6−ドコ
サヘキサエノイルアスコルビン酸であると同定した。
元素分析(C28H38O7として) 計算値(%):C,69.1;H,7.8;O,23.0 測定値(%):C,69.2;H,7.7;O,23.1 また、本アスコルビン酸エステルのFAB−MS測定では
準分子イオンピークm/z485(M−H)が観察された。こ
れよりこの合成された物質の分子量は486であり、6−
ドコサヘキサエノイルアスコルビン酸であると確定し
た。
準分子イオンピークm/z485(M−H)が観察された。こ
れよりこの合成された物質の分子量は486であり、6−
ドコサヘキサエノイルアスコルビン酸であると確定し
た。
実施例3 比較例1、実施例1、2でそれぞれ得られたアスコル
ビン酸エステルを用いてマダイに対する給餌試験を行な
った。
ビン酸エステルを用いてマダイに対する給餌試験を行な
った。
試験区 I区 表1に示した配合飼料 II区 I区の飼料に0.1%アスコルビン酸添加 III区 I区の飼料に0.2%イカ肝油添加 IV区 I区の飼料に0.1%アスコルビン酸と0.2%イカ
肝油添加 V区 I区の飼料に比較例1で得たアスコルビン酸エ
ステル0.3%添加 VI区 I区の飼料に実施例1で得たアスコルビン酸エ
ステル0.3%添加 VII区 I区の飼料に実施例2で得たアスコルビン酸
エステル0.3%添加 表1 基本飼料組成 カゼイン 52(%) ゼラチン 11 アミノ酸混合物 7 デキストリン 8 ビタミン混合物 3 ミネラル混合物 8 セルロース 2 コーン油 9 上記の試験区にてマダイ稚魚(日令20、全長19mm)を
各区500尾収容し、30日間の給餌試験を行なった。給餌
終了後、各試験区のマダイについて、全長、生残率、お
よび活力について試験した。活力は1分間の空中露出後
の生存率で求めた。結果を表2に示す。
肝油添加 V区 I区の飼料に比較例1で得たアスコルビン酸エ
ステル0.3%添加 VI区 I区の飼料に実施例1で得たアスコルビン酸エ
ステル0.3%添加 VII区 I区の飼料に実施例2で得たアスコルビン酸
エステル0.3%添加 表1 基本飼料組成 カゼイン 52(%) ゼラチン 11 アミノ酸混合物 7 デキストリン 8 ビタミン混合物 3 ミネラル混合物 8 セルロース 2 コーン油 9 上記の試験区にてマダイ稚魚(日令20、全長19mm)を
各区500尾収容し、30日間の給餌試験を行なった。給餌
終了後、各試験区のマダイについて、全長、生残率、お
よび活力について試験した。活力は1分間の空中露出後
の生存率で求めた。結果を表2に示す。
[発明の効果] 本発明のアスコルビン酸エステルは、アスコルビン酸
の持つ生理活性とエイコサペンタエン酸あるいはドコサ
ヘキサエン酸の生理活性を合わせ持ち、かつ、それらの
相乗効果をも期待できる物質であるので、本アスコルビ
ン酸エステルは、医薬、化粧品、食品、飼料などに広く
応用が可能である。
の持つ生理活性とエイコサペンタエン酸あるいはドコサ
ヘキサエン酸の生理活性を合わせ持ち、かつ、それらの
相乗効果をも期待できる物質であるので、本アスコルビ
ン酸エステルは、医薬、化粧品、食品、飼料などに広く
応用が可能である。
第1図は、比較例1で合成した6−ステアロイルアスコ
ルビン酸の1H−NMRチャートである。図中(a)はNMRチ
ャートの全体図、(b)は(a)の部分的拡大図であ
る。 第2図は、比較例1で合成した6−ステアロイルアスコ
ルビン酸の13C−NMRチャートである。 第3図は、市販品6−ステアロイルアスコルビン酸の13
C−NMRチャートである。 第4図、第5図及び第6図は、それぞれ実施例1で合成
された6−エイコサペンタエノイルアスコルビン酸の1H
−NMRチャート、13C−NMRチャート、FAB−MSチャートで
ある。 第7図、第8図及び第9図は、それぞれ実施例2で合成
された6−ドコサヘキサエノイルアスコルビン酸の1H−
NMRチャート、13C−NMRチャート、FAB−MSチャートであ
る。
ルビン酸の1H−NMRチャートである。図中(a)はNMRチ
ャートの全体図、(b)は(a)の部分的拡大図であ
る。 第2図は、比較例1で合成した6−ステアロイルアスコ
ルビン酸の13C−NMRチャートである。 第3図は、市販品6−ステアロイルアスコルビン酸の13
C−NMRチャートである。 第4図、第5図及び第6図は、それぞれ実施例1で合成
された6−エイコサペンタエノイルアスコルビン酸の1H
−NMRチャート、13C−NMRチャート、FAB−MSチャートで
ある。 第7図、第8図及び第9図は、それぞれ実施例2で合成
された6−ドコサヘキサエノイルアスコルビン酸の1H−
NMRチャート、13C−NMRチャート、FAB−MSチャートであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−81307(JP,A) 特開 昭63−284109(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 307/62 A61K 31/375 A23K 1/16 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(1) (式中、Rは OC−(CH2)3(CH=CHCH2)5CH3 または OC−(CH2)2(CH=CHCH2)6CH3を示す。) で表されるアスコルビン酸エステル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1234746A JP2831395B2 (ja) | 1989-09-12 | 1989-09-12 | アスコルビン酸エステル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1234746A JP2831395B2 (ja) | 1989-09-12 | 1989-09-12 | アスコルビン酸エステル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0399073A JPH0399073A (ja) | 1991-04-24 |
JP2831395B2 true JP2831395B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=16975709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1234746A Expired - Fee Related JP2831395B2 (ja) | 1989-09-12 | 1989-09-12 | アスコルビン酸エステル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2831395B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9403855D0 (en) * | 1994-03-01 | 1994-04-20 | Scotia Holdings Plc | Fatty acid derivatives |
JP2006056795A (ja) * | 2004-08-18 | 2006-03-02 | Suntory Ltd | 6−o−pufaアスコルビン酸エステルを含有する皮膚化粧料並びに飲食品 |
JP5792330B2 (ja) * | 2014-01-27 | 2015-10-07 | サントリーホールディングス株式会社 | 6−o−pufaアスコルビン酸エステルを含有する皮膚化粧料並びに飲食品 |
-
1989
- 1989-09-12 JP JP1234746A patent/JP2831395B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0399073A (ja) | 1991-04-24 |
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Legal Events
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