JP2829717B2 - 重量物体の据付基礎の構築方法 - Google Patents

重量物体の据付基礎の構築方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上に設置される
各種重量物体の据付基礎の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地上に設置される重量物体として
例えば大型道路標識、大型照明灯、キューピクル、分電
盤、ガス集中制御器等があり、これらの据付基礎の構築
は下記の工程により行われている。 地表から地中にかけて逆台形状の開口体を形成する
地盤の掘削工程 上記開口体の底部へ砕石を敷詰め、転圧し、その上
部に床付けするための型枠の組み立て及び生コンクリー
トの打設工程 上記生コンクリートの養生後の上記開口体をコンク
リートのブロック体とするための、型枠の組立て及び組
み立てられた型枠内への鉄筋組成体の取付け、アンカー
ボルトの取付け及び生コンクリートの打設工程 上記打設生コンクリート養生後の上記、の型枠
の取外し及び完成した据付基礎の埋戻し工程
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現下の重量物体の据付
基礎の構築については、社会情勢の進展に伴い、地下埋
設物の存在とか、高速自動車道路の中央分離体における
施工とかの諸事情により、据付基礎構築のための型枠
配設作業上の必要とする地盤の余剰掘削が困難であると
か、高速自動車道路においては、作業現場に型枠等の
資材を準備する場所がないとか、通行規制の早期解除の
ための工期短縮の要請とかの問題が生じている。
【0004】このため、施工業者は資材置場を作業現場
以外に賃借等して準備し、余剰掘削が困難な場所で据付
基礎完成後における型枠の引抜き撤去が困難な場合に
は、高価なコンクリート製の型枠を使用して埋め殺しし
ている。そして、構築作業は打設した生コンクリートが
固結しなければ、次の作業に入れないため、工事完成ま
でに数日を要するという問題があった。
【0005】更に
【従来の技術】の項のにおけるアンカーボルトの取付
については、組み立てられた枠体の上方に架設された梁
体、板体等からアンカーボルトを吊下させて行っている
が、打設生コンクリートの勢いによりアンカーボルトが
浮き上ったり、所定位置を外れたりして、後日に行われ
る重量物体との係合の場合に不具合であるとか、係合作
業に手間取るとかという問題も有していた。
【0006】本発明は、このような従来技術の有する問
題点に鑑みなされたものであり、地盤を掘削形成した開
口体の底部に鉄筋コンクリート製の床板を床付けし、そ
の床付けした床板の上面に、上記開口体の掘削面に対向
し、直立囲繞するとともに内部にアンカーボルトが固定
された配筋組成体を取り付けた鉄筋コンクリート製の枠
体を載設することにより、従来の数日に亘る工事を一日
で完了させ、かつ高品質の据付基礎が得られる許りでな
く、型枠不使用による高価な型枠の埋設の問題を解決し
た重量物体の据付基礎の構築方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明における重量物体の据付基礎の構築方法
は、重量物体の据付基礎の構築可能に地表から地中に
かけて掘削形成した逆台形箱状の開口体の底部に、均し
砕石を敷設するとともに生コンクリートを介して鉄筋コ
ンクリート製の床板を床付けし、前記床付けした床板
に、前記開口体の掘削面に対向し直立囲繞するように設
計され、上方に前記重量物体を取り付けるアンカーボル
トが配設固定され、内部に配筋組成体が配設取付けされ
た鉄筋コンクリート製の枠体を載設するとともに前記枠
体を埋め戻し、前記枠体の埋め戻し完了と同時に前記
枠体の内部に生コンクリートを打設し、前記床板と前記
枠体を一体のブロック体に構成することを特徴とする。
【0008】そして、前記アンカーボルトの配設固定
を、前記枠体の前後枠壁にそれぞれ前記アンカーボルト
の配設位置を固定させるための固定ボルトを挿着し、前
記固定ボルトの各左右にそれぞれアンカーボルトを取り
付け固定した各外向の2本のC型鋼を架設し、前記2本
のC型鋼の各前後端部間の上面に前記固定ボルトを各上
方に通挿するL型鋼を各載置し、前記L型鋼を通挿した
固定ボルトに各ナットを緊締し、前記L型鋼が前記C型
鋼を押圧し、前記C型鋼を前記枠体の前後枠壁に押圧、
固定するものとする。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の実施形態は、準備作業と現
場作業に分けられる。 a.事前の準備作業(事業所の工場、資材置場等で実
施) 土地削成による逆台形箱状の開口体の底部に床付け
する鉄筋コンクリート製の床板の作成 上記開口体の掘削面に対向し、直立囲繞するように設
計され、上方に重量物体を取り付けるアンカーボルトが
配設固定され、内部に配筋組成体が配設取付けられた鉄
筋コンクリート製の枠体の作成
【0010】b.現場の作業 用地掘削による開口体の形成を、上記の床板及び枠
体の配設に必要とする最小限度に実施する。 上記開口体の底部に砕石を敷設、均し、その均し砕
石上に生コンクリートを介して、上記の床板を床付けす
る。 上記床付けされた床板に、上記の内部に配筋組成体
を取り付けた枠体を載設する。 上記載設完了と同時に上記枠体を埋め戻すとともに
枠体内部に生コンクリートを打設する。(以上により、
全部の作業が完了する。)
【0011】 c.現場作業の従来の実施形態と本発明による実施形態の比較 従来の実施形態 本発明による実施形態 用地の掘削 用地の掘削 掘削土壌をダンプトラックにより 掘削土壌をダンプトラックに載置 作業所外へ搬出 して作業所で待機 掘削された開口体の底部に砕石を 掘削された開口体の底部に砕石を 敷き均し、床付けのための型枠を 敷き均し、生コンクリートを介して 配設して生コンクリートを打設 別途製作のコンクリート床板の床付 (以上で1日目の作業、翌日まで け 養生) (引続き、以下の作業を行う。) 上記開口体をブロック体とするた 上記開口体の内部に、別途製作の めの型枠の組立、配設及び型枠の支 上記の配筋組成体を取り付けたコン 保工 クリート枠体の載設、上記の待機 ダンプトラックの載土によるコンク リート枠体の埋戻し(以後、ダンプ トラックは作業所外へ土壌を搬出) 上記による組立枠内に、別途製 上記コンクリート枠体内への生コ 作の鉄筋組成体の取付け及びアンカ ンクリートの打設 ーボルトの固定 上記組立型枠内への生コンクリー 後片付け トの打設 (以上、2日目の作業、以後、生コ (以上、1日で全部の作業が完了) ンクリートの固結するまで型枠の取 外しが不能のため、3日間の養生を 行う。) ダンプトラックにより作業所外よ り埋戻し用土壌の搬入 上記組立型枠の取外し、引抜き 上記土壌により形成されたブロッ ク体の埋戻し 後片付け (以上6日目の作業) 合計所要日数 6日 合計所要日数 1日
【0012】 d.本発明による基礎構築のための作業の標準タイムスケジュールは、下記のと おりで、正味作業時間は3時間50分である。(シュミレーション計測) 用地掘削(作業開始) 7時30分〜8時30分 砕石均し、コンクリート床板の床付け 8時30分〜9時00分 コンクリート枠体の載設 9時00分〜9時30分 上記コンクリート枠体の埋戻し 9時30分〜10時20分 生コンクリートの打設 10時20分〜10時50分 後片付け(作業終了) 10時50分〜11時20分
【0013】このように、本発明の重量物体の据付基礎
の構築方法は、作業現場における型枠の組立及び支保工
並びに枠体内への鉄筋組成体の取付、アンカーボルトの
固定の必要が無く、それぞれ鉄筋コンクリート製の床板
及び配筋組成体及びアンカーボルト付の枠体を使用する
もので、下記のような顕著な効果を招来するものであ
る。 掘削すべき土地の諸事情による基礎体の構築の可否
が左右されない。 従来工法による現場の作業日数は、虫食い作業によ
る6日であるが、本発明によればこれを1日(正味作業
時間・4時間弱)で達成でき、工事発注者の工期短縮の
要望に十分対応できるものである。このようにして、現
場作業者の延口数の減少及び型枠不使用による資材経費
の削減が達成される。 従来の工法における型枠の解体、引抜き作業は、土
地の掘削面と型枠間の狭い場所に作業員が入って行うた
め、往往、作業員の負傷等の労災事故が発生していた
が、本発明においては、上記作業が無いのでその発生が
無い。 鉄筋コンクリート製の床板及び枠体を使用するの
で、高品質の基礎体が得られる。 その他作業日数の減少による作業車両の延べ台数の
減少等多くの好結果がもたらされる。
【0014】上記コンクリート製の枠体内へのアンカー
ボルトの配設固定は、枠体の前後枠壁にアンカーボルト
の配設位置を固定させるための固定ボルトを挿着し、そ
の固定ボルトの各左右にアンカーボルトを取り付け固定
した2本のC型鋼を各外向に架設する。そして上記2本
のC型鋼の各前後端部間の上面に、上記固定ボルトを通
挿するL型鋼を各載置し、その通挿した固定ボルトに各
ナットを緊締する。かくすることにより、L型鋼がC型
鋼を枠体の前後枠壁に圧着させ、アンカーボルトの配設
位置を強く固定する。このようにしてアンカーボルトは
打設コンクリートの勢いに左右されず設計位置に正しく
取り付けられ、後日における重量物体との係合に際し、
何等の支障を生じない。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。 逆台形箱状の開口体の形成(図1参照) 地表1aから地中1bにかけて、バックホウにより図示
すするように土壌を掘削し、掘削内面をスコップで掘り
揃えて逆台形状の開口体1を形成する。排出土壌はバッ
クホウによりダンプトラックに載置させ、後記の埋戻時
まで待機させる。なお、図1において1cは底部、1d
は掘削面、1eは余掘部分、Bは、上方に重量物体Aを
取り付ける据付基礎の構築位置を示す。 床板の床付け(図2〜図4参照) 図2に示すように、図1の開口体1の底部1cに砕石2
aを敷き均し、小型転圧機で転圧し、その転圧した砕石
2aに生コンクリート2bを介して図3に示す別途製作
の鉄筋コンクリート床板2を床付けする。なお、図3は
床板2の平面図であって横巾260cm、縦100cm
に設計され、図4は図3の正面図であって厚さ10cm
に設計されている。なお、図中の2cは配筋の状態を示
し、2dは、図5に示すように鉄棒を曲折形成した床板
釣上げ用のフック体であり、床板2の床付時に切断す
る。
【0016】 枠体の載設及び埋戻し(図1、図2、
図8〜図10参照) 次いで、上記床付けした床板2に、上記開口体1の掘削
面1dに対向し直立囲繞するように設計され、上方に重
量物体Aを取り付けるアンカーボルト4aが配設固定さ
れ、内部に配筋組成体3aが配設取り付けられた鉄筋コ
ンクリート製の枠体3を載設するとともに、上記の待
機ダンプトラックの載積の土壌により上記枠体3を埋め
戻しする。埋め戻し部分は図1の1e部分である。 生コンクリートの打設 上記枠体3の埋め戻し完了とともに枠体3の内部に生コ
ンクリートを打設し、上記床板2と上記枠体3を一体の
ブロック体(据付基礎B)とする。 以上により据付基礎Bが完成される。なお、この枠体3
の寸法は横巾240cm、高さ114cm、奥行き84
cmに設計されている。
【0017】以下、上記枠体3、配筋組成体3a及びア
ンカーボルト4aの固定取付につき説明する。 イ.枠体3の構成について(図6、図7参照) 図6は枠体3の正面図、図7は枠体3の平面図であっ
て、3cは内部の配筋状態を示し、2dは、図5に示す
枠体釣上げ用のフック体であり、枠体3の床板2への載
設時に切断する。4は、枠体3の前後壁の中央部に挿着
したアンカーボルト4a(図2参照)を正しい取付位置
に固定するための固定ボルトである。 ロ、枠体3内部の配筋組成体3a及びアンカーボルト4
aの固定について(図8〜図10参照) 図8は枠体3の平面図、図9は正面断面図、図10は図
9のCーC断面図であり、いずれも枠体3内部の鉄筋組
成体配設とアンカーボルト4aの固定方法を示すもので
ある。この3図において、3は枠体、3aは、配筋組成
体であり、図示の配筋固定棒鋼3dにより枠体3に取り
付けられている。
【0018】ハ.そして、アンカーボルト4aを構築さ
れる基礎体B(図2参照)の所定の位置に固定させるた
めに、固定ボルト4を枠体3の前後枠壁3b,3bの中
央に挿着する(図6,図7参照)。そして図8〜図10
に示すように、その固定ボルト4の各左右にアンカーボ
ルト4aを取り付け固定した2本のC型鋼4bを各外向
きにして架設し、そのC型鋼4bの各前後の端部間の上
面に、上記固定ボルト4の上端部を通挿させたL型鋼4
cを各載置し、その固定ボルト4の上端部にナットを緊
締することにより、L型鋼4cがC型鋼4bを上記枠壁
3b,3bに圧迫してアンカーボルト4aの取付け位置
を固定する。又、アンカーボルト4aの下方部は、各ア
ンカーボルト4aの下方部間の間隔が保持されるように
上下2枚の鋼板4dに各通挿、ナット止めされている。
このようにアンカーボルト4aが固定されているので、
枠体3の内部への生コンクリート注入打設に当り、アン
カーボルト4aが浮き上ったり、横方へ移動したり、下
端部の間隔が狂ったりすることが無い。 ニ.なお、上記の固定ボルト、C型鋼、L型鋼は、重量
物体の据付時に取外し撤去する。
【0019】この実施例によれば、従来の重量物体の基
礎構築における型枠の使用が無くなり、本発明方法によ
るコンクリート床板及び配筋組成体を取り付けたコンク
リート枠体を使用することにより作業内容が簡略化さ
れ、従来数日に亘る作業を一日で完成させ、従来の工事
完成時における型枠取外し作業中の負傷労働災害も無く
なる等、上記発明の実施形態の項で述べた顕著な効果が
得られるものである。
【0020】また、本発明において使用する内部に配筋
組成体を取り付けた鉄筋コンクリート製枠体は、軟弱地
盤の土留壁用ブロック、護岸構築のための壁体ブロッ
ク、河川の堰止用のブロック等にも利用できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】地表から地中にかけて掘削した逆台形箱状の開
口体を示す断面図である。
【図2】図1の開口体の内部に構築された重量物体の据
付基礎を示す断面図である。
【図3】鉄筋コンクリート製床板の構成を示す平面図で
ある。
【図4】図3の正面図である。
【図5】フック体の正面図である。
【図6】鉄筋コンクリート製枠体の構成を示す正面図で
ある。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図6に示す枠体の平面図であって、アンカーボ
ルトの固定及び内部の鉄筋組成体の取付状態を示す。
【図9】図8の正面断面図である。
【図10】図8のCーC断面図である。
【符号の説明】
A 重量物体 B 据付基礎 1 開口体 1a 地表 1b 地中 1c 底部 1d 掘削面 2 床板 2a 砕石 2b 生コンクリート 3 枠体 3a 配筋組成体 3b 枠壁 4 固定ボルト 4a アンカーボルト 4b C型鋼 4c L型鋼 4d 鋼板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量物体Aの据付基礎Bの構築可能に地
    表1aから地中1bにかけて掘削形成した逆台形箱状の
    開口体1の底部1cに、均し砕石2aを敷設するととも
    に生コンクリート2bを介して鉄筋コンクリート製の床
    板2を床付けし、 前記床付けした床板2に、前記開口体1の掘削面1dに
    対向し直立囲繞するように設計され、上方に前記重量物
    体Aを取り付けるアンカーボルト4aが配設固定され、
    内部に配筋組成体3aが配設取付けされた鉄筋コンクリ
    ート製の枠体3を載設するとともに前記枠体3を埋め戻
    し、 前記枠体3の埋め戻し完了と同時に前記枠体3の内部に
    生コンクリートを打設し、 前記床板2と前記枠体3を一体のブロック体に構成する
    ことを特徴とする重量物体の据付基礎の構築方法。
  2. 【請求項2】 前記アンカーボルト4aの配設固定を、
    前記枠体3の前後枠壁3b,3bにそれぞれ前記アンカ
    ーボルト4aの配設位置を固定させるための固定ボルト
    4,4を挿着し、前記固定ボルト4,4の各左右にそれ
    ぞれアンカーボルト4aを取り付け固定した各外向の2
    本のC型鋼4b,4bを架設し、前記2本のC型鋼4
    b,4bの各前後端部間の上面に前記固定ボルト4,4
    を各上方に通挿するL型鋼4c,4cを各載置し、前記
    L型鋼4c,4cを通挿した固定ボルト4,4に各ナッ
    トを緊締し、前記L型鋼4c,4cが前記C型鋼4b,
    4bを押圧し、前記C型鋼4b,4bを前記枠体3の前
    後枠壁3b,3bに押圧、固定するものとする請求項1
    記載の重量物体の据付基礎の構築方法。
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