JP2829494B2 - メモリカード及びその製造方法 - Google Patents

メモリカード及びその製造方法

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JP2829494B2
JP2829494B2 JP6311166A JP31116694A JP2829494B2 JP 2829494 B2 JP2829494 B2 JP 2829494B2 JP 6311166 A JP6311166 A JP 6311166A JP 31116694 A JP31116694 A JP 31116694A JP 2829494 B2 JP2829494 B2 JP 2829494B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ICカード、非接触型
カード等のメモリカードに関し、特に折り曲げにも強く
かつ悪環境下における使用にも耐えることができ、ID
カード等多機能化への展開が容易かつ安価に図り得るメ
モリカード及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にメモリカードは、ツーピース型、
カートエッジ型及びICカード等のその他のメモリカー
ドに大別される。本願発明は、特に、IDカード等とし
て使用されるICカードや非接触型カード、無線カー
ド、光カード等のメモリカードを対象とする。これらの
メモリカードは、例えばICカードは、各種金融機関、
流通、企業、医療機関等において使用されており、記憶
容量が磁気カードに比して大きいことを利用して、近年
キャッシュカードの機能と個人情報を記録した機能の双
方を併せ持つものも登場しており、個人情報をも記録し
た運転免許証等への展開も図られている。また、非接触
型カードは、接触型カードと比較して悪環境下における
使用に強みを有することから、作業管理等FA用や鉄
道、車両の運行管理等に利用されている。一方、無線カ
ードは、マイクロウエブや光通信を利用して入退室管理
等のセキュリティシステムに活用されており、今後通勤
・通学定期券や駐車場の精算、高速道路の料金精算、テ
ーマパーク等のレジャー用等IDカード的な活用が図ら
れる方向で開発が進行している。さらに、光カードは、
その大記憶容量(磁気カードの3万倍、ICカードの3
50倍)により、医療データ用等に使用され、将来的に
は電子出版等にも需要拡大が予想されている。
【0003】ところで、このようなメモリカード1は、
一般に図63、64に示すように、従来からある磁気ス
トライプカードと同様のベース(PVC製等)にNC彫
刻等により凹部を形成し、その部分にICチップ30等
を実装することによって形成されていた。この場合、例
えば無線カードであれば、ICチップの他にさらに面状
アンテナや回路用素子類を取付けることによりカードを
形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のメモリカードにあっては、片面側にICチッ
プ等を露出させた形でカードを構成しているため次のよ
うな問題が生じていた。すなわち、まず第1に、チップ
そのものが表面に露出しているため、その使用環境や使
用条件が限定されるという問題があった。そのため、室
外での使用や作業現場での使用は制限され、これをID
カードとして用いることへの大きな障害のひとつとなっ
ていた。また第2に、上述のような構造の場合、カード
折り曲げによる断線や素子脱落の危険があるという問題
があった。さらに、かかる構造ではカード全体の厚みや
重さのバランスを欠くため変形が生じ易いという問題も
あった。このような問題は、メモリカードをIDカード
等の多機能カードとして展開させて行く場合、チップ数
の増加、そしてそれに伴う結線数の増加等によりさらに
顕著となり、従来のメモリカードをそのままIDカード
等として用いることは事実上困難であった。
【0005】一方、上記問題点を解決すべく、ICチッ
プ等を樹脂内に完全封入してカードを形成しようとする
試みもなされているが、製品の厚みにバラツキが生じた
り、製品内部に気泡が残存するなどの問題があり、着想
から試作段階に止まっているのが現状であった。
【0006】本発明は上記課題を解決し、折り曲げにも
強くかつ悪環境における使用にも耐えることができ、I
Dカード等多機能化への展開が容易かつ安価に図り得る
メモリカード及びその製造方法を提供とすることを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項1記載の本発明は、平板状の合成樹脂製の基板に
対し、半導体素子や送受信素子を含む回路素子とスペー
サ部材とを実装してなるメモリカードにおいて、上記回
路素子及び上記スペーサ部材を上記合成樹脂の基板内部
に封止状に配設し、該基板の上下両表面を合成樹脂製の
シート部材にて被覆し、上記回路素子又は上記スペーサ
部材と上記シート部材との間に、上記回路素子又は上記
スペーサ部材を上記シート部材に固定するための糊印刷
部を有し、上記糊印刷部は、上記回路素子又は上記スペ
ーサ部材を固定するために必要な最小限の量のみが配さ
れてなり、上記回路素子又は上記スペーサ部材と上記シ
ート部材との間における上記糊印刷部の周囲に上記基板
を形成する合成樹脂が入り込んでなることを特徴として
構成されている。また請求項2記載の本発明は、上記基
板を形成する合成樹脂として、エポキシ系又はUV硬化
系の樹脂が用いられ、また、上記シート部材として、ポ
リエステルフィルム、塩化ビニルシート又はポリカーボ
ネートフィルムが用いられることを特徴として構成され
ている。また請求項3記載の本発明は、上記基板の周縁
及び基板の中央部にスペーサ部材を配設し、該スペーサ
部材を上記回路素子と共に上記基板の内部に封止したこ
とを特徴として構成されている。また請求項4記載の本
発明は、上記スペーサ部材と上記シート部材との間に、
上記スペーサ部材を上記シート部材に固定するための糊
印刷部を有し、上記スペーサ部材と上記シート部材との
間における上記糊印刷部の周囲に上記基板を形成する合
成樹脂が入り込んでなることを特徴として構成されてい
る。また請求項5記載の本発明は、上記糊印刷部は、点
状に配されてなることを特徴として構成されている。ま
た請求項6記載の本発明は、平板状の合成樹脂製の基板
に対し、半導体素子や送受信素子を含む回路素子とスペ
ーサ部材とを実装してなるメモリカードの製造方法であ
って、(a)平板状の下側キャスト板上に合成樹脂製の
シート部材を敷設する工程と、(b)上記工程(a)の
前に、上記シート部材の上面又は、上記回路素子又は上
記スペーサ部材の下面に、上記回路素子又は上記スペー
サ部材を上記シート部材に固定するための糊印刷部を配
する工程と、(c)上記下側キャスト板上に敷設した上
記シート部材上に、上記回路素子と上記スペーサ部材を
載せる工程と、(d)上記工程(c)の前又は後に、
記シート部材上に合成樹脂を注入する工程と、(e)上
記合成樹脂及び上記スペーサ部材上に合成樹脂製のシー
ト部材を敷設する工程と、(f)平板状の上側キャスト
板を、上記合成樹脂及び上記スペーサ部材上に敷設した
シート部材上に載せ、該上側キャスト板を上側から押圧
する工程と、(g)上記押圧を保持しつつ上記合成樹脂
を硬化させる工程と、(h)上記合成樹脂が硬化した
後、当該硬化した合成樹脂を所定寸法に打ち抜きメモリ
カード最終製品を形成する工程とからなることを特徴と
して構成されている。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。なお本発明のメモリカードは、特に、後
述する糊印刷部に特徴を有するものである。これから説
明するメモリカードの実施例1、2及び製造方法の実施
例1〜4は糊印刷部のないメモリカードに関する実施例
であり、糊印刷部を除いた本願構成を説明するための参
考的実施例である。図1は、メモリカードの第1の実施
例の構成を示す図である。当該メモリカード1はいわゆ
るIDカードとして使用されるものを想定しており、基
板2、回路素子3、シート4から構成されている。 こ
こで、基板2は合成樹脂によって形成され、これにはポ
リウレタン系やポリエステル系、ウレタン系、軟質塩化
ビニル系、シリコン系、エストラマ系、ゴム系、アクリ
ル系、エポキシ系、フッ素系、UV硬化樹脂系、PPS
・POM等のエンプラ系そしてビトロ社(住友3M社)
製ビトロフレックス(商品名)等の合成樹脂が用いら
れ、透明でも有色、無色何れであっても良い。
【0017】また、回路素子3は、基板2の内部に合成
樹脂により包み込まれる形で封止されており、その種類
は大きく半導体素子31と受送信素子32に大別され
る。ここで半導体素子31としては、モノリシックIC
やハイブリッドIC、トランジスタ、ダイオード、各種
センサ、抵抗器、コンデンサ、半導体レーザ、液晶、発
光ダイオード、回路素子付フレキシブル板等が用いられ
る。また、受送信素子32としては、コイル状アンテ
ナ、面状アンテナ、光センサ、赤外線センサ、熱セン
サ、バイブレータ等が用いられる。この回路素子3によ
って、所定の個人情報が対応する関連機器との間で授受
され、IDカードとしての機能が果たされる。
【0018】一方、シート4はメモリカード1の表面を
覆ってなる合成樹脂製シート部材であり、メモリカード
1の表面を覆う上側シート41と裏側を覆う下側シート
42とから構成される。このシート4は、製品毎の仕様
に基づき適宜厚みが定められ、概ね0.01〜0.3m
mに形成されている。そして、その素材としては、ポリ
エステルフィルムや合成紙、塩化ビニルシート、ポリカ
ーボネートフィルム等が用いられ、基板2との関係にお
いては、相互接着性の高いものの組合わせが選択され
る。例えばPETのシートに上記ビトロフレックス(商
品名)の組合せ等があげられる。なお、この場合もその
色彩は、透明、無色を含め適宜製品の仕様によって定め
られる。例えば、運転免許証に本メモリカードを適用す
る場合には、上側シ−ト41には、表面側に後にインク
等により書き込み可能な白地のシ−トを用い、下側シ−
ト42には顔写真や記載事項が認識可能なように透明の
シ−トを用いる。またこの場合、基板2を覆いシート部
材としての役割を果たすものであれば、別途シート部材
として明確に認識されるものでなくとも良く、例えば、
基板2をコーティングしてその代替とすることも勿論可
能である 一方、シート表面には各カード仕様に基づく文字がスク
リーン印刷やオフセット印刷、シール印刷、ホットスタ
ンプ等により印刷表示されている。
【0019】図2は、メモリカードの第2の実施例の構
成を示す図、図3は、その第3の実施例の構成を示す図
である。図2の実施例は、図1に示した第1の実施例か
らシート4を省いた構成となっている。ここでは回路素
子3は、基板2の表面から露出しないように基板2内に
封止されている。また、文字等は基板2表面に直接印刷
されている。かかる構成によれば、第1の実施例のもの
より簡易かつ安価にメモリカードを製造することができ
る。 一方、図3の実施例は、第1の実施例における基
板2をフレーム21を用いて形成したものである。この
フレーム21は、射出成形により、ポリカーボネート、
ABS、PPS、POM等により形成される。そして、
フレーム21を用いたことにより、第1の実施例のもの
より曲げやねじりに対する機械的強度の向上が図られ
る。なお、この第3の実施例においてもシート4を省い
た構成を採用することもでき、その場合図3のものより
簡易かつ安価に製造できることは勿論である。
【0020】次に、メモリカードの製造方法について説
明する。図4〜図13は当該製造方法の第1の実施例の
工程及び型の構成を説明する図である。本工程において
は、まず第1に下側キャスト板10の表面に離型剤を塗
布し、その上に前述の下側シート42を構成する下側シ
ート部材11と型スペーサ12を載せる(図4)。ここ
で、下側キャスト板10は、10〜20mm程度の厚さ
のガラス板又はアクリル等の透明樹脂板によって構成
し、その上面側には下側シート部材11の位置決め用の
ガイドポスト15が設けられている。また、下側シート
部材11は下側シート42に関して述べたようにポリエ
ステルフィルム等によって形成し、その製品内側面には
図4に示すような回路素子実装位置を示す実装位置表示
線13及び最終製品寸法を示す寸法表示線14が印刷さ
れている。一方、その裏面、即ち製品外側面には、図5
に示すようなカード仕様に基づく表示が印刷されてい
る。さらに、この下側シート部材11には、下側キャス
ト板10のガイドポスト15と嵌合する位置決め用ガイ
ド穴16が設けられている。なお、下側キャスト板10
を金属やその他の不透明な合成樹脂で形成することも勿
論可能である。本実施例において、特に透明剤を用いた
のは、透明剤によれば、樹脂封入剤の流れや気泡の有
無、封入状況を直接目視により確認できるためである。
【0021】また、下側キャスト板10上には、その周
囲を取り囲むように額縁状の型スペーサ12が載せられ
ている。この型スペーサ12は、当該メモリカード1の
最終仕上り厚さ寸法と同一の厚さに形成されており、こ
れを挟んで樹脂を押圧することにより最終製品が一定の
寸法に仕上るようになっている。但し、ここで言う同一
の厚さとは略同一の厚さの意であり、完全同一の寸法を
必ずしも意味しない。すなわち、型スペーサ12の厚さ
は、理想的条件では勿論最終製品と完全同一寸法で良い
が、実際には基板や封入用樹脂、シート部材等の収縮率
や最終製品の許容寸法等を考慮した上で、この型スペ−
サ12の介在により最終製品が規定の寸法に仕上がる寸
法を採用する。なお、この型スペーサ12もガラス板又
は樹脂によって形成され、下側キャスト板10上に、下
側キャスト板10と一体に形成しても、また別体に形成
して接着しても、さらに成形時に載せるだけのものとし
ても良い。そして、下側キャスト板10と下側シート部
材11の間及び型スペーサ12の表面には製品の型離れ
を考慮して離型剤が塗布されるが、型スペーサ12を、
基板2の樹脂とは付着しないものや、下側キャスト板1
0が樹脂を離型性の良いものであるときには離型剤を省
くことも可能である。
【0022】次に、このように形成した下側キャスト板
10等に対し、図6に示すように、樹脂封入剤17を注
入する。この樹脂封入剤17は先に基板2の素材として
述べたポリウレタン系等の樹脂が用いられ、注入量を自
動的に調節できるNC制御の自動注入機や、バーコー
タ、カーテンコータ等によって注入が行われる。なお、
この場合、樹脂封入剤17の注入量を回路素子3の存在
する部分とそうでない部分とで自動的に調節することも
でき、これにより、さらに効率の良い注入を行うことが
可能となる。
【0023】樹脂封入剤17の注入後回路素子3の実装
が行われる(図7)。この実装工程では、注入した樹脂
封入剤17が硬化する前に、回路素子3を樹脂封入剤1
7の中に埋め込む。これにより回路素子3は、樹脂封入
剤17の内部に封止された状態となる。回路素子3実装
後の様子を上から見たものが図8である。ここでは、下
側シート部材11の実装位置表示線13に沿って、半導
体素子31と送受信素子32が透明樹脂封入剤の中で実
装されている様子が示されている。
【0024】回路素子3の実装が終了すると、次に製品
完成後には上側シート41を形成する上側シート部材1
8が載せられる(図9)。この上側シート部材18にも
下側シート部材11と同様にガイド穴16が設けられて
おり、これとガイドポスト15とが嵌合することにより
位置決めがなされる。上側シート部材18を載せた状態
を上から見たものが図10である。図10よりわかるよ
うに、この上側シート部材18には、カード仕様に基づ
き各種印刷が施されている。
【0025】このように上側シート部材18を載せた
後、その上側に離型剤を塗布して上側キャスト板19が
重ねられる(図11)。この上側キャスト板19は、図
12に示すように、下側キャスト板11と同様、平板状
のガラス板又は透明樹脂板等によって形成される。そし
て、そこには、ガイドポスト15と嵌合する位置決めガ
イド穴20と、樹脂封入剤17から出るガスを抜くた
め、あるいはバキュームを行うためのガス抜き穴22が
設けられている。なお、この場合も、樹脂封入剤17と
離型性の良いものを用いたときには上述の離型剤の塗布
を省くこともできる。
【0026】上側キャスト板19を重ねた後、この上側
キャスト板19が型スペーサ12に当接するように上側
から押圧する。そしてこの押圧を保持しつつ樹脂封入剤
17を硬化させる。これにより、中の樹脂封入剤17は
型スペーサ12の寸法、即ち最終製品寸法の厚さで固化
することになる。なお、この際生じるガスや樹脂封入剤
17中の気泡を押圧による自然排気あるいはバキューム
等による強制排気により先述のガス抜き穴22から抜き
取る。これにより内部にある気泡が取り去られ均一な内
部構造が得られることになる。
【0027】樹脂封入剤17が硬化した後、この硬化し
た中間製品(樹脂体)23を型から取出す。この中間製
品23の様子を示したものが図13である。そして、こ
れを所定寸法に外径抜き加工することによって図1に示
したような完成品が得られることになる。この場合、こ
の外径抜き加工は、プレス加工、ビク抜き加工(トムソ
ン抜き加工。所定形状の刃型を作成しこれを押圧して形
状を抜く加工、メモリカードの場合はその外径に合わせ
た長方形刃型を用いる)、レーザ加工、マシニング加
工、彫刻加工、カッティングマシン加工等種々の加工方
法を採用し得る。このように、完成品を中間製品から外
径抜きすることにより、所定寸法の確保が図られるばか
りでなく、気泡の生じ易い端部を切り落とし、均一な断
面が得やすい中心部のみを製品として活用できることに
なる。なお、本実施例では、6個取りの型を示したが、
型の構成はこれに限らず、さらに多数個取りの型とする
ことは勿論、1個取りの型とすることもできることは言
うまでもない。加えて、型自体の素材も適宜金属を用い
ることができるのは勿論である
【0028】次にメモリカードの製造方法の第2の実施
例について説明する。なお、以下、先の実施例と同様の
部品等については同じ番号にて示し、同様の工程につい
ては簡単に説明するに留める。本方法は先述のメモリカ
ードの第2の実施例のものを製造する方法であり、第1
の実施例による方法とは異なり、下側及び上側のシート
部材11,18を戴せる工程が存在しない。図14〜図
22は、当該製造方法の工程及び型の構成を示す図であ
る。本工程においては、まず下側キャスト板10の表面
に離型剤を塗布し、型スペーサ12を載せる。ここで、
本工程に使用される下側キャスト板10もまた、10〜
20mm程度のガラス板又は透明樹脂板によって形成さ
れるが、第1の実施例の場合と異なり実装位置表示線1
3や寸法表示線14が、当該キャスト板10自体に設け
られている。これらの表示線13,14は、本例では、
下側キャスト板10の裏側から印刷又はケガキ線によっ
て表示されている。
【0029】次に本実施例では、樹脂封入剤17が下側
キャスト板10上に直接注入される(図15)。そして
回路素子3が実装され(図16、17)、その後樹脂封
入剤17の上に離型剤を介して上側キャスト板19が重
ねられる(図18)。本例の場合、上側キャスト板19
には、ガス抜き穴22が設けられており、これによって
樹脂封入剤17中のガス抜きが行われる(図19)。な
お、本例では、上側キャスト板19に、ガイドポスト1
5に嵌合するガイド穴20を設けていないものを用いた
が、これを設けることは勿論差し支えない。
【0030】このように上側キャスト板19が載せられ
た後、適宜これを押圧して樹脂の硬化を待ち(図1
8)、中間製品23(図20)に所定の模様や文字を印
刷する(図21)。この印刷は片面でも両面でもその仕
様により任意に設定でき、スクリーン印刷やオフセット
印刷、シール印刷等により行われる。なお、表面には模
様や文字を表示させる方法は印刷に限らず、塗装やホッ
トスタンプ等種々の手段を採用することもできる。ま
た、型の内側に凹凸を設け、模様等をカード表面に直接
形成することも可能である。
【0031】印刷が終了した後、この中間製品23を外
径抜きすることにより完成品を得る(図22)。この場
合、先の実施例によるものと異なり、基板2の内部に回
路素子3が封入されているだけの構成となっており、シ
ート4は省かれたものとなっている。かかる構成のもの
は、安価であり、製造工程も簡単であるという利点を有
する。
【0032】図23〜図31は、メモリカードの製造方
法の第3の実施例における製造工程及び型の構成を示す
図である。本方法は、先述したメモリカードの第3の実
施例のものを製造する方法であり、フレーム21を戴せ
る工程が付加されている。本工程にあっては、フレーム
21を用いるため、先の実施例のように型スペーサ12
を用いる必要はなく、そのため第1段階として、下側キ
ャスト板10の上にフレーム21を載せる工程を行う。
フレーム21を下側キャスト板10の上に載せた状態を
図23に示す。また、その一部を詳細に示す断面図(断
面A−A)を図24に示す。この場合、図23に示すよ
うに、下側キャスト板10には、フレーム21の位置決
めを行うための位置決めポスト24が設けられている。
また、本例の場合、下側キャスト板10にガス抜き穴2
2が設けられており、フレーム21に設けたガス抜き穴
25と連通されている。
【0033】本例においても続いて樹脂封入剤17が注
入され(図25)、回路素子3が実装される(図26、
27)。そして、上側キャスト板19(図28)が重ね
られ、押圧される(図29)。そして、樹脂硬化後中間
製品23が取出され(図30)、印刷が施されることに
より完成品が得られる(図31)。本実施例の場合、樹
脂封入剤17の注入は図25、26等に示すようにフレ
ーム21の内側に対して行われ、余分の樹脂封入剤17
はガス抜き穴22,25を介してガスと共に排出され
る。また、そのため中間製品23に対する外径抜き工程
は不要となっている。さらに、最後の印刷工程も適宜省
くことも可能であり、上・下のキャスト板10,19に
より成形時に模様や文字を形成することもできる。加え
て、フレーム21にその成形時に刻印を形成しておくこ
とも可能である。
【0034】さらに、製造方法についての第4の実施例
について説明する。図32〜41は当該製造方法の工程
及び型の構成を示す図である。本方法は先述のメモリカ
ードの第4の実施例を製造する方法であり、フレーム2
1を使用すると共にシート4をカード表面に施したもの
を製造する方法である。
【0035】本方法では、まず下側キャスト板10上に
フレーム21と下側シート部材11を載せる。フレーム
21及び下側シート部材11を下側キャスト板10上に
載せた状態を図32に、またその一部を詳細に示す図を
図33、34に示す。ここで、下側キャスト板10には
図32に示すように、先の第3の実施例と同様位置決め
ポスト24が設けられている。また、下側シート部材1
1はフレーム21の寸法に合わせ予め所定寸法に加工し
ておく。さらに、フレーム21には、樹脂封入剤17を
押圧した場合の余肉の逃げ穴26が設けられている(図
32、34)。
【0036】本実施例も先の実施例と同様、樹脂封入剤
17の注入(図35)、回路素子3の実装(図36、3
7)がなされ、上側シート部材18が載せられる(図3
8)。そして、上側キャスト板19(図39)が重ねら
れ押圧される(図40)。ここで、本実施例では、キャ
スト押し工程において、樹脂封入剤17の余剰分はフレ
ーム21に設けられた逃げ穴26に流入する。これによ
り、型に特殊な構造を設けることなく余肉部分を吸収で
きる。
【0037】そして、樹脂硬化後中間製品23を取出
し、印刷等を施して完成品が得られる(図41)。この
場合も、フレーム21を用いているため先の第3の実施
例同様中間製品23の外径抜き工程は不要である。な
お、第3、第4の実施例にあっては、型を1個取りのも
のとしたが、ゲート数を増やすことなどにより複数個取
りの型とすることも勿論可能である。
【0038】さらに、本発明に係るメモリカードの製造
方法の第5の実施例について説明する。図42〜図49
は、本実施例による製造工程及び型の構成を示す図であ
る。本実施例は、下側シート部材11上に、回路素子3
及び型スペーサ12の固定用の接着部として、位置決め
及び仮付け用の糊印刷を施したものである。なお、この
接着部としては、本実施例の糊印刷に限られず、接着剤
を塗布する方法や、接着シ−トを打ち抜いて用いる方法
や、接着シ−トでも加熱により接着する所謂熱ボンドに
よるもの等種々の接着方法が適用可能である。この場
合、接着シ−トによれば、容易に強力な接着力が得られ
乾燥工程も不要であると共に、樹脂封入剤をUV硬化さ
せる際に部品の裏に隠れてしまいそれ自体は乾燥硬化す
ることができない状態でも接着力を維持できるという効
果もある。本実施例において使用する下側シート部材1
1は、図42に示すように、裏面(回路素子側)に糊印
刷部50が形成されている。この場合、下側シート部材
11の寸法は、最終製品よりも一回り大きいものに形成
する。例えば、最終製品が85.6×54mmである場
合、下側シート部材11は、115.6×84mmに形
成する。また、この下側シート部材11には、下側キャ
スト板10に対する位置決め用にガイド用切込み60が
設けられている。なお、下側シート部材11の表側の面
には、他の実施例同様所定の文字や模様が印刷される。
【0039】本工程にあっては、まず下側シート部材1
1に糊印刷を施す。この糊印刷部50は、粘着性物質を
インクとして用い、これを所定の模様に印刷し乾燥させ
たものである。本例においては、回路素子3及び型スペ
ーサ12を載せるべき部分にこの糊印刷が施されてい
る。但し、この糊印刷部50(接着部)は、回路素子3
や型スペーサ12側に設けることも可能であり、この場
合それに対応する部分の糊印刷部50(接着部)を適宜
省略することもできる。一方、乾燥は、自然乾燥、熱乾
燥、UV乾燥などにより行われる。このうちUV乾燥
は、乾燥時間も短く、また変形も生じないため、量産工
程として採用するには最適である。なお、糊印刷部50
は、透明でも着色されているものであっても良く、回路
素子3及び型スペーサ12を載せる部分の何れか一方に
のみ施したものであっても良い。
【0040】この糊印刷工程の後、下側キャスト板10
上に下側シート部材11を載せる。そして、下側シート
部材11上にさらに回路素子3及び型スペーサ12を載
せる(図43)。これにより、回路素子3及び型スペー
サ12は、下側シート部材11上で位置決めされると共
に、下側シート部材11上に仮付けされる。なお、回路
素子3と型スペーサ12は何れを先に載せても良く、ま
たこれを同時に載せても差し支えない。
【0041】ここで、本実施例に使用される下側キャス
ト板10は、図44に示すように、キャスト板位置決め
用のガイドポスト51と、下側シート部材11の位置決
め用のガイドピン52と、シート固定用のバキューム穴
53及び上側キャスト板19のガイドピンの逃がし穴5
4を備えた構成となっている。この場合、下側シート部
材11は、ガイドピン52とガイド用切込み60により
位置決めされる。そして、四隅に設けられたバキューム
穴53を介して型の外側から吸引されることにより下側
キャスト板10に吸着、固定される。
【0042】また、本例では型スペーサ12を下側シー
ト部材11上に載せる構成を採る。従って、型スペーサ
12は、上下シート部材11、18と合わせて最終製品
寸法となる厚みに設定されている。例えば、最終製品の
厚みが0.8mm(±80μ)である場合、上下シート
部材11、18をそれぞれ0.1mm、型スペーサ12
を0.6mmに形成する。この場合、糊印刷部50の厚
みも10μ程度あることや合成樹脂の収縮率にも留意す
る必要がある。
【0043】このように下側シート部材11、型スペー
サ12及び回路素子3を下側キャスト板10に載せた後
樹脂封入剤17を注入する(図45)。次に、本実施例
においては、上側キャスト板19に上側シート部材18
を吸着させた上で、上側キャスト板19を下側キャスト
板に重ねる(図46)。そしてこれを押圧し、樹脂硬化
後中間製品23を取出し、最終製品(図49)をプレス
抜きして形成する。
【0044】この場合、図47に示すように、この上側
キャスト板19にも下側キャスト板10と同様、シート
固定用のバキューム穴53が設けられている。そして、
下側シート部材11は、これを介して上側キャスト板1
9に吸着される。また、この上側キャスト板19には、
シート内面のエアを抜くためのエア抜き孔55が設けら
れている。これは、下側シート部材11や上側シート部
材18に設けたシート内面エア抜き用の切込み56に対
応しており、製品内部の空気を抜き、気泡の発生を抑え
るものである。なお、その他にも、上側キャスト板19
には、下側キャスト板19に対応して、ガイドポスト5
1用の嵌合穴57と、上側シート部材18の位置決め用
のガイドピン58と、ガイドピン52の逃がし穴59と
が設けられている(図46)。
【0045】一方、上側シート部材18は、図48に示
すように、他の実施例と同様の表面に所定の文字等を印
刷したシートであるが、本例で用いるものは、ガイドピ
ン58と嵌合する位置決め用のガイド用切込み60と、
ガイドピン52の逃がし用切込み61と、シート内面エ
ア抜き用の切込み56とを備えている。なお、最終製品
をプレス抜きする際には、下側シート部材11または上
側シート部材18のガイド用切込み60を用いて位置決
めを行う。
【0046】本実施例では、下側シート部材11の糊印
刷工程を含めた工程としたが、予め下側シート部材11
に糊印刷を施したものを用いてその工程を省いてもよ
い。その場合には、糊印刷部50には剥離紙を付してゴ
ミなどの付着を予防することが望ましい。また、本実施
例では1個取りの例を示したが、複数個取りとすること
が出来るのは勿論である。
【0047】ところで、さらに加えて、本発明に係るメ
モリカードの第4の実施例について説明する。図50〜
図54は、当該メモリカードの構成及びその製造工程等
を示す図である。なお、先の実施例と同様の構成のもの
は先の実施例に用いた図を参照して説明する。本実施例
によるメモリカードは、図50、51の中間製品の部分
断面図に示すように、その内部に、回路素子3と樹脂封
入剤17に加えてさらにカード内スペーサ71を設けた
構成としたものである。本実施例のメモリカードは、こ
のカード内スペーサ71により、他の実施例のメモリカ
ードよりも強度が高くなっており、曲げやねじりに対す
る剛性が大きいという特徴がある。
【0048】本実施例において使用する下側シート部材
11にも図52に示すように、裏面に糊印刷部50が形
成されているが、本実施例では図42のものに加え、カ
ード内スペーサ71用の糊印刷部501が設けられてい
る。本実施例も先の実施例と同様、糊印刷工程の後、下
側キャスト板10上に下側シート部材11を載せる。こ
こで、本実施例では下側シート部材11上に回路素子3
に加えて、型スペーサ12(第1のスペーサ)及びカー
ド内スペーサ71(第2のスペーサ)を載せる(図5
3)。ここで、型スペーサ12は先述のものと同様のも
のであるが、本実施例ではシート部材間に挟まれる構成
となるため、その厚さ寸法は、樹脂の収縮率等を加味し
た上で下側及び上側シ−ト部材11,18と合わせてカ
ード最終製品寸法となるようになっている。また、カー
ド内スペーサ71は、合成紙やポリカーボネート、PE
T等のポリエステル、塩化ビニル、ステンレス鋼や鉄等
の金属を用いて成形する。一方、その厚みは、型スペー
サ12と同一またはそれよりも薄く形成する。そして、
型スペーサ12と同一とした場合には当該カード内スペ
ーサ71の両面を糊印刷により下側及び上側シート部材
11,18に接着させる。このとき、糊印刷はカード内
スペーサ71側、下側及び上側シート部材11,18の
何れに施してもよい。一方、型スペーサ12よりも薄く
した場合には、下側または上側シート部材11,18と
の間に、例えば0.05mmの隙間を設け樹脂封入剤1
7が流入するように構成する(図51)。なお、下側キ
ャスト板10は、図44に示すものと同じものを用い
る。
【0049】このように下側シート部材11、型スペー
サ12、カード内スペーサ71及び回路素子3を下側キ
ャスト板10に載せた後、図45に示す場合と同様に、
樹脂封入剤17を注入する。次に、本実施例において
も、上側キャスト板19に上側シート部材18を吸着さ
せた上で、上側キャスト板19を下側キャスト板に重ね
る(図54)。そしてこれを押圧し、樹脂硬化後中間製
品23を取出し、最終製品をプレス抜きして形成する。
なお、上側キャスト板19及び上側シート部材18は、
図47、図48と同様のものを用いる。
【0050】このように、本実施例によるメモリカード
によれば、カード内スペーサ71の剛性及びその弾性に
よる形状維持力により、ねじり等により回路素子3が塑
性変形してメモリカードそのものが変形してしてしまう
ことを防止することができる。
【0051】また、上述の型スペーサ12及びカード内
スペーサ71の他にもスペーサの配置については次のよ
うな変形例も考えられる。図55〜58はその構成を示
す図である。ここで、図55,56は、最終製品の外形
寸法の内外に亙ってスペ−サ72を配したものを示して
いる。すなわち、上述の型スペーサ12及びカード内ス
ペーサ71を一体化したような形態となっている。ま
た、図57,58は、最終製品の外形寸法の内外に亙っ
て第1のスペ−サ72を配すると共にメモリカード中央
部に第2のスペ−サ73を配したものを示している。こ
れらの場合、スペ−サ72は、例えば最終製品の外形寸
法より約5mm程度大きく作られており、はみ出た部分は
最終製品外形を抜く時に切断される。また、このため最
終製品においては、その外周及び外周から若干内側にい
たる部分(周縁部)にスペ−サ72により外枠状の部分
が形成されることになる。このような構成をとることに
より、図55,56のものでは、図53に示すものに比
べ、外周に至るまで剛性の高いメモリカードが得られる
と共に、スペ−サ材料費の節約や、型の小型化を図るこ
とができるという効果がある。また、図57,58のも
のでは、さらに樹脂封入剤を節約できると共に、メモリ
カード全体の剛性や弾性を高め、カード表面の平面度を
向上させることができるという効果がある。
【0052】ところで、かかる構成によりメモリカード
を製造する方法として次のような例も挙げられる。ひと
つは回路素子3やスペ−サ72,73を予め樹脂封入剤
に漬けてから(リップ処理)下側シート部材11上に載
せる方法で、またひとつは、図59〜62に示すよう
に、点状に配した糊印刷部50により回路素子3等を仮
付けする方法である。
【0053】ここで、先に示したような、回路素子3等
を樹脂封入剤17の中に埋め込んだり、回路素子3等を
下側シート部材11上に載せてから樹脂封入剤17を注
入したりする方法では、回路素子3、特に受送信素子3
2のコイル内の空気がコイル内に押し込まれてしまい十
分抜けきれないという問題もあった。また、これを抜く
ために強い吸引を行うと樹脂封入剤17も共に吸引して
しまい、寸法精度が得られないという事態も生じてい
た。そこで、回路素子3やスペ−サ72,73を予め樹
脂封入剤に漬け、部材内部の空気や表面に残りがちな気
泡を予め取り去ることとしたのが本例である。これによ
り、メモリカード内部に残された空気そのものが少なく
なると共に、残っている空気も回路素子3の内部等に押
し込まれてしまう前に気泡となって表面近くに出てくる
ため、メモリカード内の空気を十分に除去することがで
きるようになるという効果がある。なお、このリップ処
理を回路素子3やスペ−サ72,73の何れか一方のみ
に施すことにしても良いことは勿論である。
【0054】一方、先に糊印刷部50を用いたメモリカ
ードの製造方法を示したが、先の糊印刷部50は帯状に
設けられているため、メモリカードが回路素子3のコイ
ルに沿って曲げられた場合には、コイルの塑性変形に伴
い、そこに付着しているコイルが糊印刷部50から剥れ
て浮いてしまうという事態も生じていた。このような場
合、コイルそしてカード自体に変形を生じるのみなら
ず、カードの送受信機能をも損なう場合もあるという問
題もあった。そこで、図59〜62に示すように、糊印
刷部50を点状に配することとし、その量を回路素子3
の仮付けに必要な最小限にとどめ、点在する糊印刷部5
0の間は回路素子3を樹脂封入剤にて固めるようにした
のが本例である。これにより、点在する糊印刷部50の
間に樹脂が回って回路素子3を包み込むため、回路素子
3の変形やカードの曲げによって回路素子3が浮いてし
まうことを防止することができる。また、たとえ糊印刷
部50において回路素子3が剥れてもわずかな剥れにと
どまるためその影響は生じない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1、2又は4
記載のメモリカードによれば、上記回路素子を上記合成
樹脂の基板内部に封止状に配設し、該基板の上下両表面
を合成樹脂製のシート部材にて被覆し、上記回路素子と
上記シート部材との間に、上記回路素子を上記シート部
材に固定するための糊印刷部を有し、上記糊印刷部は、
上記回路素子を固定するために必要な最小限の量のみが
配されてなり、上記回路素子と上記シート部材との間に
おける上記糊印刷部の周囲に上記基板を形成する合成樹
脂が入り込んでなること等により、カード曲げによる断
線やチップ露出により使用条件が制限されることがない
という効果がある。また、カード自体の薄型化も可能で
あり、チップ自体が薄くなれば、その分薄いカードを自
在に製造し得るという効果もある。さらに、基板の両表
面には樹脂シートを施してあることから、回路素子が表
面に露出することがなく、カード使用環境を制限されな
いという効果が特に顕著である。また、シートに別途印
刷を施すことができるため、カード上への表示を容易に
行うことができ、従って、カードのデザイン性の幅が大
幅に広がるという効果をも生じる。さらに、特に、両面
側共にシートを施したものにあっては、両面において同
様の機械的強度、弾性率、伸縮率を呈するため、温度や
湿度の変化に伴う変化が生じにくいという効果がある。
特に上記のように糊印刷部を配置することにより、回路
素子等の位置決めや固定が容易となり、製造時間や製造
コストの低減が図れ、かつ予め接着部のある部品を別途
用意することもでき、作業効率も良いという効果があ
る。また回路素子の変形やカードの曲げによって回路素
子が浮いてしまうことを防止することができる。また糊
印刷部において回路素子が剥れてもわずかな剥れにとど
まりその影響が生じない。また請求項3記載のメモリカ
ードによれば、樹脂封入剤の節約や、メモリカード全体
の剛性・弾性及びカード表面の平面度の向上をも図るこ
とができる。また請求項5記載のメモリカードによれ
ば、糊印刷部を点状に配することにより、点在する糊印
刷部の間に樹脂が回って回路素子を包み込むため、回路
素子の変形やカードの曲げによって回路素子が浮いてし
まうことを防止することができる。また請求項6記載の
メモリカードの製造方法によれば、上記のようなカード
を効率良く量産でき、大幅なコストダウンを図ることが
できるという効果がある。特に糊印刷部を配置すること
により、回路素子等の固定が容易にできる。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメモリカードの第1の実施例の構
造を示す図である。
【図2】本発明に係るメモリカードの第2の実施例の構
造を示す図である。
【図3】本発明に係るメモリカードの第3の実施例の構
造を示す図である。
【図4】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1の
実施例の型スペーサ・下側シート載せ工程を示す図であ
る。
【図5】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1の
実施例に使用する下側シート部材を裏側から見た図であ
る。
【図6】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1の
実施例の樹脂封入剤注入工程を示す図である。
【図7】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1の
実施例の回路素子実装工程を示す図である。
【図8】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1の
実施例において回路素子実装工程後の様子を上から見た
図である。
【図9】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1の
実施例の上側シート載せ工程を示す図である。
【図10】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1
の実施例の上側シートを載せた後の様子を上から見た図
である。
【図11】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1
の実施例のキャスト押し工程を示す図である。
【図12】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1
の実施例の上側キャスト板の構成を示す図である。
【図13】本発明に係るメモリカードの製造方法の第1
の実施例の中間製品を示す図である。
【図14】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例の型スペーサ載せ工程を示す図である。
【図15】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例の樹脂封入剤注入工程を示す図である。
【図16】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例の回路素子実装工程を示す図である。
【図17】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例において回路素子実装工程後の様子を上から見
た図である。
【図18】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例のキャスト押し工程を示す図である。
【図19】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例の上側キャスト板の構成を示す図である。
【図20】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例の中間製品を示す図である。
【図21】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例の中間製品に印刷を施した後の様子を示す図で
ある。
【図22】本発明に係るメモリカードの製造方法の第2
の実施例による完成品を示す図である。
【図23】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例のフレーム載せ工程を示す図である。
【図24】図23のA−A線に沿った断面図である。
【図25】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例の樹脂封入剤注入工程を示す図である。
【図26】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例の回路素子実装工程を示す図である。
【図27】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例において回路素子実装工程後の様子を上から見
た図である。
【図28】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例の上側キャスト板の構成を示す図である。
【図29】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例のキャスト押し工程を示す図である。
【図30】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例の中間製品を示す図である。
【図31】本発明に係るメモリカードの製造方法の第3
の実施例による完成品を示す図である。
【図32】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例のフレーム載せ工程を示す図である。
【図33】図32のA−A線に沿った断面図である。
【図34】図32のB部の詳細を示す図である。
【図35】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例の樹脂封入剤注入工程を示す図である。
【図36】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例の回路素子実装工程を示す図である。
【図37】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例の上側シート載せ工程を示す図である。
【図38】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例において回路素子実装工程後の様子を上から見
た図である。
【図39】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例の上側キャスト板の構成を示す図である。
【図40】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例のキャスト押し工程を示す図である。
【図41】本発明に係るメモリカードの製造方法の第4
の実施例による完成品を示す図である。
【図42】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例の下側シート部材の構成を示す図である。
【図43】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例の下側キャスト板上に下側シート部材、型スペ
ーサ及び回路素子を載せた状態を示す図である。
【図44】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例の下側キャスト板の構成を示す図である。
【図45】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例の樹脂封入剤注入工程を示す図である。
【図46】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例において上側キャスト板を下側キャスト板に載
せる工程を示す図である。
【図47】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例の上側キャスト板の構成を示す図である。
【図48】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例の上側シート部材の構成を示す図である。
【図49】本発明に係るメモリカードの製造方法の第5
の実施例による完成品を示す図である。
【図50】本発明に係るメモリカードの第4の実施例の
中間製品の部分断面図である。
【図51】本発明に係るメモリカードの第4の実施例の
異なる態様のものの中間製品の部分断面図である。
【図52】本発明に係るメモリカードの第4の実施例の
製造に用いる下側シート部材の構成を示す図である。
【図53】本発明に係るメモリカードの第4の実施例の
製造に用いる下側キャスト板上に下側シート部材、型ス
ペーサ、カード内スペーサ及び回路素子を載せた状態を
示す図である。
【図54】本発明に係るメモリカードの第4の実施例の
製造において上側キャスト板を下側キャスト板に載せる
工程を示す図である。
【図55】型スペーサやカード内スペーサの配置の変形
例を示す図である。
【図56】図55のものの部分拡大断面図である。
【図57】型スペーサやカード内スペーサの配置の他の
変形例を示す図である。
【図58】図57のものの部分拡大断面図である。
【図59】型スペーサやカード内スペーサの配置の図55
の変形例を、点状の糊印刷を施したシ−ト部材を用いて
構成したものを示す図である。
【図60】図59のものの部分拡大断面図である。
【図61】型スペーサやカード内スペーサの配置の図57
の変形例を、点状の糊印刷を施したシ−ト部材を用いて
構成したものを示す図である。
【図62】図61のものの部分拡大断面図である。
【図63】従来のメモリカードの構造を示す図である。
【図64】図63のA−A線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 メモリカード 2 基板 3 回路素子 4 シート 10 下側キャスト板 11 下側シート部材 12 型スペーサ 13 実装位置表示線 14 寸法表示線 15 ガイドポスト 16 ガイド穴 17 樹脂封入剤 18 上側シート部材 19 上側キャスト板 20 ガイド穴 21 フレーム 22 ガス抜き穴 23 中間製品 24 位置決めポスト 25 ガス抜き穴 50 糊印刷部(接着部) 53 バキューム穴(吸引穴) 71 カード内スペーサ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板状の合成樹脂製の基板に対し、半導体
    素子や送受信素子を含む回路素子を実装してなるメモリ
    カードにおいて、 上記回路素子を上記合成樹脂の基板内部に封止状に配設
    し、該基板の上下両表面を合成樹脂製のシート部材にて
    被覆し、 上記回路素子と上記シート部材との間に、上記回路素子
    を上記シート部材に固定するための糊印刷部を有し、 上記糊印刷部は、上記回路素子を固定するために必要な
    最小限の量のみが配されてなり、上記回路素子と上記シ
    ート部材との間における上記糊印刷部の周囲に上記基板
    を形成する合成樹脂が入り込んでなること、 を特徴とするメモリカード。
  2. 【請求項2】上記基板を形成する合成樹脂として、エポ
    キシ系又はUV硬化系の樹脂が用いられ、また、上記シ
    ート部材として、ポリエステルフィルム、塩化ビニルシ
    ート又はポリカーボネートフィルムが用いられることを
    特徴とする請求項1記載のメモリカード。
  3. 【請求項3】上記基板の周縁及び基板の中央部にスペー
    サ部材を配設し、該スペーサ部材を上記回路素子と共に
    上記基板の内部に封止したことを特徴とする請求項1又
    は2記載のメモリカード。
  4. 【請求項4】上記スペーサ部材と上記シート部材との間
    に、上記スペーサ部材を上記シート部材に固定するため
    の糊印刷部を有し、 上記スペーサ部材と上記シート部材との間における上記
    糊印刷部の周囲に上記基板を形成する合成樹脂が入り込
    んでなることを特徴とする請求項3記載のメモリカー
    ド。
  5. 【請求項5】上記糊印刷部は、点状に配されてなること
    を特徴とする請求項1乃至4記載のメモリカード。
  6. 【請求項6】平板状の合成樹脂製の基板に対し、半導体
    素子や送受信素子を含む回路素子とスペーサ部材とを実
    装してなるメモリカードの製造方法であって下記工程か
    らなるもの。 (a)平板状の下側キャスト板上に合成樹脂製のシート
    部材を敷設する工程。 (b)上記工程(a)の前に、上記シート部材の上面又
    は、上記回路素子又は上記スペーサ部材の下面に、上記
    回路素子又は上記スペーサ部材を上記シート部材に固定
    するための糊印刷部を配する工程。 (c)上記下側キャスト板上に敷設した上記シート部材
    上に、上記回路素子と上記スペーサ部材を載せる工程。 (d)上記工程(c)の前又は後に、上記シート部材上
    に合成樹脂を注入する工程。 (e)上記合成樹脂及び上記スペーサ部材上に合成樹脂
    製のシート部材を敷設する工程。 (f)平板状の上側キャスト板を、上記合成樹脂及び上
    記スペーサ部材上に敷設したシート部材上に載せ、該上
    側キャスト板を上側から押圧する工程。 (g)上記押圧を保持しつつ上記合成樹脂を硬化させる
    工程。 (h)上記合成樹脂が硬化した後、当該硬化した合成樹
    脂を所定寸法に打ち抜きメモリカード最終製品を形成す
    る工程。
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