JP2827344B2 - 自動変速機の変速制御方法 - Google Patents

自動変速機の変速制御方法

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JP2827344B2 JP1287692A JP28769289A JP2827344B2 JP 2827344 B2 JP2827344 B2 JP 2827344B2 JP 1287692 A JP1287692 A JP 1287692A JP 28769289 A JP28769289 A JP 28769289A JP 2827344 B2 JP2827344 B2 JP 2827344B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は複数段の変速段を設定可能な自動変速機に
おいていずれかの変速段を設定するための制御方法に関
し、特に所定の変速段を設定するためのクラッチ手段や
ブレーキ手段などの摩擦係合手段の係合・解放の組合せ
が複数組ある自動変速機における変速段を設定する際の
制御方法に関するものである。
従来の技術 車両用の自動変速機は、一般に、複数組の遊星歯車機
構を使用し、それぞれのサンギヤやリングギヤあるいは
キャリヤなどの回転部材のうちの所定の回転部材同士を
連結し、またいずれかの回転部材を入力軸にクラッチ手
段を介して選択的に連結し、さらに他のいずれかの回転
部材をブレーキ手段によって選択的に固定するとともに
更に他の回転部材に出力軸を連結する構成である。この
種の自動変速機では、使用する遊星歯車機構の数やそれ
ぞれの回転部材の連結の仕方、あるいはクラッチ手段や
ブレーキ手段などの摩擦係合手段の数や設置の仕方によ
って設定可能な変速段数やそれぞれの変速段での変速
比、あるいは回転部材の回転数や負荷トルクなどが様々
に変化し、そして原理的に構成可能なものは極めて多数
にのぼる。原理的に構成可能なものであっても全てが実
用できるものではなく、製造が容易であること、小型軽
量であること、変速制御性に富むこと、耐久性に優れて
いることなどの実用上の要求を充分満すものを創作する
ことは決して容易でない。例えば三組の遊星歯車機構を
使用して前進5段・後進1段の変速段を設定可能な自動
変速機であっても、クラッチなどの摩擦係合手段の配置
の仕方や各遊星歯車機構のギヤ比(サンギヤとリングギ
ヤとの歯数の比)の採り方によって後進段での変速比が
大きくなり過ぎる場合があり、このような自動変速機に
あっては摩擦係合手段の容量を大きくする必要があり、
またその摩擦係合手段や軸受などの耐久性が損なわれる
などの問題がある。このような問題点を解消するものと
して例えば特開昭60−57036号公報では、後進段での変
速比が前進第1速での変速比に近似するよう構成した自
動変速機が提案されている。
この提案にかかる自動変速機の構成を簡単に説明する
と、これは、三組のシングルピニオン型遊星歯車機構を
主体とするものであって、第1遊星歯車機構のサンギヤ
と第2遊星歯車機構のサンギヤとが常時もしくは選択的
に連結されるとともに、第1遊星歯車機構のサンギヤと
第2遊星歯車機構のキャリヤとが必要に応じてクラッチ
を介して連結され、また第2遊星歯車機構のリングギヤ
と第3遊星歯車機構のリングギヤとが連結されるととも
に、これらのリングギヤに第1遊星歯車機構のキャリヤ
が連結され、さらに第2遊星歯車機構のキャリヤと第3
遊星歯車機構のサンギヤとがクラッチを介して連結され
ている。入力軸は、互いに連結された前記第1遊星歯車
機構のサンギヤおよび第2遊星歯車機構のサンギヤにク
ラッチを介して連結される一方、第1遊星歯車機構のリ
ングギヤに他のクラッチを介して連結されるようになっ
ている。これに対して出力軸は第3遊星歯車機構のキャ
リヤに連結されている。そして回転を止めるブレーキ手
段としては、互いに連結された前記第1遊星歯車機構の
サンギヤおよび第2遊星歯車機構のサンギヤを固定する
ブレーキと、第3遊星歯車機構のサンギヤを固定するブ
レーキとが設けられている。この特開昭60−57036号に
かかる自動変速機では、前進第1速において、第3遊星
歯車機構のサンギヤを固定するためのブレーキを係合さ
せると同時にそのサンギヤに第2遊星歯車機構のキャリ
ヤを連結するクラッチを係合させることにより第2遊星
歯車機構のキャリヤの回転を阻止しており、また後進段
においても同様にして第2遊星歯車機構のキャリヤを固
定している。そしてこの前進第1速と後進段とでの変速
比が近似した値となっている。
なお、上記の特開昭60−57036号公報には、第2遊星
歯車機構のキャリヤとケースとの間に一方向クラッチを
介装した構成がスケルトン図で示されているが、これに
対応した作動表が示されていず、また設定可能な変速段
についての説明がないので、その一方向クラッチが追加
設置された構成では、その公報に示されている他の例と
同様に各変速段が設定されるものと考えられる。
発明が解決しようとする課題 上記従来の自動変速機では、前進5段・後進1段を主
たる変速段とし、これに第2.5速および第3.5速を付加し
た全体として前進7段で後進1段を設定することができ
るものとされているが、それぞれの変速段を設定するた
めのクラッチおよびブレーキの係合・解放の組合せは、
それぞれ一種類であり、そのために上記従来の自動変速
機では、変速ショックが悪化したり、あるいは変速ショ
ックを悪化させないためには複雑な制御を余儀無くされ
たりするおそれがあった。すなわち変速制御性を向上さ
せる要件の一つとして、変速にあたって係合・解放の状
態を切換えるべき摩擦係合手段の数が可及的に少ないこ
とを挙げることができるが、上記の自動変速機では、前
進第3速で、入力軸と第1遊星歯車機構のサンギヤとを
連結するクラッチ(仮に第1クラッチとする)、入力軸
と第1遊星歯車機構のリングギヤとを連結するクラッチ
(仮に第2クラッチとする)、第3遊星歯車機構のサン
ギヤを固定するブレーキ(仮に第2ブレーキとする)の
三つの摩擦係合手段を係合させており、これに対して前
進第4速において、上記の第1クラッチと第2クラッチ
との他に、第1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車
機構のキャリヤとを連結するクラッチ(仮に第4クラッ
チとする)と、第2遊星歯車機構のキャリヤと第3遊星
歯車機構のサンギヤとを連結するクラッチ(仮に第5ク
ラッチとする)との合計四つのクラッチを係合させてお
り、その結果、前進第3速と第4速との間での変速を行
なう場合には、第4クラッチ、第5クラッチ、第2ブレ
ーキの三つ係合手段の係合解放の状態を切換える必要が
ある。そのためこれらの摩擦係合手段の係合・解放のタ
イミングを常時適正に保つことが難しく、タイミングの
ずれによって変速ショックが大きくなったり、また係合
・解放のタイミングを適正化するために油圧サーボ機構
に給排する油圧を微妙に制御しなければならないなどの
問題がある。
この発明は上記の事情を背景としてなされたもので、
変速ショックを悪化させずに、また容易に変速を実行す
ることのできる方法を提供することを目的とするもので
ある。
課題を解決するための手段 この発明の方法は、上記の目的を達成するために、複
数の摩擦係合手段の係合・解放の組合せにより、歯車変
速機構を構成している回転部材の連結状態が変更され、
変速比の互いに異なる複数の変速段が設定される自動変
速機の変速を制御し、少なくとも一つの変速比に対応す
る少なくとも一つの特定の変速段を設定するための前記
摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターンが複数種類
ある自動変速機の変速制御方法において、前記少なくと
も一つの特定の変速段を設定する場合に、該特定の変速
段から変速比の異なる他の変速段に変速する際に係合・
解放の状態を切換えるべき摩擦係合手段の数が二つ以下
となるように、前記複数の摩擦係合手段の係合・解放の
組合せパターンを選択することを特徴とする方法であ
る。
作用 この発明で対象とする自動変速機は、少なくとも一つ
の特定の変速段を設定するための摩擦係合手段の係合・
解放の組合せパターンが複数種類あるものであり、この
発明では、少なくとも一つの特定の変速段を設定するた
めの摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターンは、少
なくとも一つの特定の変速段から変速される他の変速段
における摩擦係合手段の係合・解放パターンに従って決
められる。すなわち当該少なくとも一つの特定の変速段
からこれに隣接する他の変速段もしくは二段以上離れた
他の変速段に変速する際に、例えば駆動手段を動作させ
て係合・解放の状態を変更する必要のある摩擦係合手段
の数が二つ以下となる組合せパターンを選択して当該所
定の変速段が設定される。したがって変速にあたっては
最大二つの摩擦係合手段の係合・解放の状態を切換えれ
ば良いので、その切換えのタイミングが取りやすく、変
速ショックが良好になると同時に制御が容易になる。
実 施 例 つぎにこの発明の方法を実施例に基づいて説明する。
この発明の方法は、前述したように、少なくとも一つ
の特定の変速段を設定するための摩擦係合手段の係合・
解放の組合せパターンが複数種類ある自動変速機に適用
されるのであり、そこで先ず、この発明の方法を適用で
きる自動変速機の例を示す。
第1図に示す例は三組のシングルピニオン型遊星歯車
機構1,2,3を主体として歯車列を構成したものであっ
て、これらの各遊星歯車機構1,2,3における各要素が次
のように連結されて構成されている。すなわち第1遊星
歯車機構1のキャリヤ1Cと第3遊星歯車機構3のリング
ギヤ3Rとが一体となって回転するように連結されるとと
もに、第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯
車機構3のキャリヤ3Cとが一体となって回転するように
連結されている。また第1遊星歯車機構1のサンギヤ1S
は第2クラッチ手段K2を介して第2遊星歯車機構2のキ
ャリヤ2Cに連結される一方、第4クラッチ手段K4を介し
て第2遊星歯車機構2のサンギヤ2Sに連結され、さらに
第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cは第5クラッチ手段K5
を介して第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに連結されて
いる。
なお、上記の各要素の連結構造としては、中空軸や中
実軸もしくは適宜のコネクティングドラムなどの一般の
自動変速機で採用されている連結構造などを採用するこ
とができる。
入力軸4は、トルクコンバータや流体継手などの動力
伝達手段(図示せず)を介してエンジン(図示せず)に
連結されており、この入力軸4と第1遊星歯車機構1の
リングギヤ1Rとの間には、両者を選択的に連結する第1
クラッチ手段K1が設けられ、また入力軸4と第1遊星歯
車機構1のサンギヤ1Sとの間には、両者を選択的に連結
する第3クラッチ手段K3が設けられている。
上記の各クラッチ手段K1,K2,K3,K4,K5は、要は上述し
た各部材を選択的に連結し、またその連結を解除するも
のであって、例えば油圧サーボ機構などの従来一般に自
動変速機で採用されている機構によって係合・解放され
る湿式多板クラッチや、一方向クラッチ、あるいはこれ
らの湿式多板クラッチと一方向クラッチとを直列もしく
は並列に配置した構成などを必要に応じて採用すること
ができる。なお、実用にあたっては、各構成部材の配置
上の制約があるから、各クラッチ手段K1,K2,K3,K4,K5に
対する連結部材としてコネクティングドラムなどの適宜
の中間部材を介在させ得ることは勿論である。
また第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sの回転を選択的
に阻止する第1ブレーキ主段B1が、そのサンギヤ3Sとト
ランスミッションケース(以下、単にケースと記す)6
との間に、また第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cの回転
を選択的に阻止する第2ブレーキ手段B2が、そのキャリ
ヤ2Cとケース6との間に、第2遊星歯車機構2のサンギ
ヤ2Sの回転を選択的に阻止する第3ブレーキ手段B3がそ
のサンギヤ2Sとケース6との間に、そして第1遊星歯車
機構1のサンギヤ1Sの回転を選択的に阻止する第4ブレ
ーキ手段B4がそのサンギヤ1Sとケース6との間にそれぞ
れ設けられている。これらのブレーキ手段B1,B2,B3,B4
は、従来一般の自動変速機で採用されている油圧サーボ
機構などで駆動される湿式多板ブレーキやバンドブレー
キ、あるいは一方向クラッチ、さらにはこれらを組合せ
た構成などとすることができ、また実用にあたっては、
これらのブレーキ手段B1,B2,B3,B4とこれらのブレーキ
手段B1,B2,B3,B4によって固定すべき各要素との間もし
くはケース6との間に適宜の連結部材を介在させ得るこ
とは勿論である。
そしてプロペラシャフトやカウンタギヤ(それぞれ図
示せず)に回転を伝達する出力軸5が、互いに連結され
た第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯車機
構3のキャリヤ3Cに対して連結されている。
また第2図に示す構成は、上述した第1図に示す構成
のうち第1遊星歯車機構1をダブルピニオン型の遊星歯
車機構に替えたものであり、それに伴って第1遊星歯車
機構1のリングギヤ1Rが第3遊星歯車機構3のリングギ
ヤ3Rに連結され、かつ第1遊星歯車機構1のキャリヤ1C
が第1クラッチ手段K1を介して入力軸4に連結されるよ
うになっており、その他の構成は第1図に示す構成と同
様である。
これら第1図および第2図にそれぞれ示す構成の自動
変速機では前進5段・後進1段を主たる変速段とし、こ
れに前進第2速と第3速との間に所謂第2.2速、第2.5
速、第2.7速の変速段を付加し、かつ前進第3速と第4
速との間に所謂第3.2速と第3,5速とを付加した複数の変
速段を設定することができる。また第2.2速、第2.7速、
第3.2速および第3.5速を除いた他の変速段では、当該変
速段を設定するためのクラッチ手段およびブレーキ手段
の係合・解放の組合せ(所謂係合・解放パターン)は複
数組あり、これを作動表として示せば第1表のとおりで
ある。なお、第1表において、○印は係合することを示
し、空欄は解放することを示し、また*印は係合させて
もよいことを示し、さらにこの*印には第1速の第5ク
ラッチ手段K5や第1ブレーキ手段B1などのように解放し
ても変速比や回転状態に変化が生じないもの、第4速の
b欄のパターンにおける第1ブレーキ手段B1のように解
放すれば変速比は変化しないが回転状態が変化するも
の、第2速のb欄のパターンにおける第4クラッチ手段
K4や第3ブレーキ手段B3のような他の*印の手段を係合
させていれば解放しても変速比および回転状態に変化が
生じないものを含む。また第2速、第3速、第4速、第
5速および後進段でのa,b,c…の符号を付した欄は、当
該変速段を設定するための係合・解放パターンのうち遊
星歯車機構の回転要素の回転数が異なるものの係合・解
放パターンであることを示し、さらに,,…の符
号は遊星歯車機構の回転要素の回転数が異ならないもの
の係合・解放パターン同士の種別を表わす。
第1表に示す摩擦係合手段の係合・解放のパターンに
よって設定される変速段のうち、変速比が等比級数に近
い関係になる前進段と後進段との主要変速段、すなわち
前進第1速、第2速、第3速、第4速、第5速ならびに
後進段を設定する場合、第1表に示すいずれの係合・解
放のパターンを選択してもよいのであるが、変速の際に
重要なことの一つは変速ショックが少ないことであり、
そのために先ず、変速に伴う各遊星歯車機構の要素の回
転変動が少なくなるよう係合・解放パターンを選択す
る。これは上述した第1図および第2図に示す構成の自
動変速機にあっては、前進第1速は第1表の三つのパタ
ーンのいずれか、第2速は第1表のb欄に示すパターン
のいずれか、第3速は第1表のc欄に示す二つのパター
ンのいずれか、第4速はa欄に示すパターンのいずれ
か、第5速も同様にそのa欄に示す係合・解放パター
ン、後進段もa欄のいずれかのパターンである。
そしてこの発明の変速制御方法では、以上のようにし
て選択された係合・解放パターンのうち、主要変速段を
設定するにあたっては、アップシフトやダウンシフトの
際に係合・解放の状態を切換えるべき摩擦係合手段の数
が二つ以下となるよう係合・解放パターンを選択する。
その例を第2表ないし第9表に示してある。なお以下の
表で◎印は解放させてもよいが制御上は係合させた方が
良いことを、また△印は係合させてもよいが制御上は解
放させた方がよいことを示す。
ここで第2表に示す例について説明すると、前進第1
速はのパターンすなわち第1クラッチ手段K1、第4ク
ラッチ手段K4、第1ブレーキ手段B1、第2ブレーキ手段
B2を係合させて設定する。この場合、第5クラッチ手段
K5は係合させてもよいが、変速を実行する以前に解放さ
せておく。前進第2速は、b欄ののパターンを選択
し、すなわち第1クラッチ手段K1、第4クラッチ手段K
4、第1ブレーキ手段B1、第3ブレーキ手段B3を係合さ
せて設定する。したがって第1速の状態から、第2ブレ
ーキ手段B2を解放するとともに、第3ブレーキ手段B3を
係合させ、これら二つの摩擦係合手段の係合・解放の状
態を切換えることによって第2速への変速が行われる。
この場合、第4ブレーキ手段B4を係合させることもでき
るが、これは変速を実行する以前に解放させておく。な
お、前進第2速を設定するにあたって、第1速からの変
速の際に二つの摩擦係合手段の係合・解放の状態を切換
えればよいパターンは、上記のb欄ののパターン以外
にa欄ののパターンおよびb欄ののパターンがある
が、a欄ののパターンでは、後述する第3速への変速
の際に三つ以上の摩擦係合手段の係合解放の状態を切換
える必要が生じ、そのためにこのパターンは選択しない
こととなる。以下、同様にして各変速段の係合・解放パ
ターンが選択される。
前進第3速は、c欄のパターンを選択し、すなわち第
1クラッチ手段K1、第3クラッチ手段K3、第4クラッチ
手段K4、第1ブレーキ手段B1を係合させて設定する。し
たがって第2速の状態から、第3クラッチ手段K3を係合
させるとともに、第3ブレーキ手段B3を解放させ、これ
ら二つの摩擦係合手段の係合・解放の状態を切換えるこ
とによって設定することになる。なおこの場合、第4ク
ラッチ手段K4は解放させることもできるが、第2速との
間の変速および第4速との間の変速の際のいずれの変速
を実行する場合でもそれ以前に係合させておく。前進第
4速は、a欄ののパターンを選択し、第2ないし第4
のクラッチ手段K2,K3,K4の他に第1クラッチ手段K1もし
くは第5クラッチ手段K5を係合させて設定する。したが
って第3速からのアップシフトの場合および第3速への
ダウンシフトの場合には、第1クラッチ手段K1を係合さ
せかつ第5クラッチ手段K5を解放させたパターンとし、
第2クラッチ手段K2と第1ブレーキ手段B1との二つの摩
擦係合手段の係合・解放状態の切換えによって変速を実
行し、また第5速へのアップシフトおよび第5速からの
ダウンシフトの場合には第1クラッチ手段K1を解放しか
つ第5クラッチ手段K5を係合させたパターンとし、第4
クラッチ手段K4と第3ブレーキ手段B3との二つの摩擦係
合手段の係合・解放状態の切換えによって変速を実行す
る。前進第5速は、a欄のパターンを選択し、第2およ
び第3クラッチ手段K2,K3と第5クラッチ手段K5ならび
に第3ブレーキ手段B3を係合させて設定する。この係合
・解放パターンであれば、第4速との間の変速を二つの
摩擦係合手段の係合・解放状態の切換えによって実行で
きることは上述したとおりである。なお、この前進第5
速では、第5クラッチ手段K5を解放させることもできる
が、このようにすると、第1遊星歯車機構1および第3
遊星歯車機構3が入力回転に対して機構上、所謂限定連
鎖とならず、規制を受けないので問題があり、同時に、
変速時の回転変動も不定となって制御上も好ましくな
い。そこで第5クラッチ手段K5は少なくとも変速を実行
する以前には係合させておく。そして後進段はa欄の
のパターンを選択し、第3および第4クラッチ手段K3,K
4と第1および第2ブレーキ手段B1,B2とを係合させて設
定する。これは前進段を設定するドライブレンジ(Dレ
ンジ)と後進段を設定するリバースレンジ(Rレンジ)
との間のシフトがマニュアル操作によって比較的迅速に
行なわれる場合があることを考慮したものであって、後
進段を第1表のa欄のパターンを選択して設定するこ
とにより前進第1速と後進段との間の変速を、第1クラ
ッチ手段K1と第3クラッチ手段K3との二つの摩擦係合手
段の係合・解放状態を切換えることによって達成するこ
とができる。なお後進段において第1ブレーキ手段B1を
解放させてもよいが、変速の実行に先立って係合させて
おく。また第5クラッチ手段K5は係合させておくことも
可能である。
上述のように主要変速段を設定するための摩擦係合手
段の係合・解放の組合せパターンが複数種類ある中で、
第2表に示すように係合・解放パターンを選択すれば、
アップシフトあるいはダウンシフトのいずれの変速の場
合であっても二つの摩擦係合手段の係合・解放の状態を
切換えることによって変速を実行でき、したがってその
タイミングの設定が容易であるうえにタイミングのずれ
が生じ難く、その結果、変速ショックの少ない変速制御
が容易で、また構成の簡単な制御装置によって変速操作
を行なうことができる。
第3表に示す例は、前進第2速を第1表のb欄のの
パターンを選択して設定することとし、他の変速段の設
定は上記の第2表に示すパターンと同様としたものであ
る。すなわち第2速のb欄のパターンは、第1クラッ
チ手段K1、第1ブレーキ手段B1、第4ブレーキ手段B4に
加え、第4クラッチ手段K4および第3ブレーキ手段B3を
必要に応じて係合させることのできるパターンであるか
ら、第4クラッチ手段K4をも係合させることとすれば、
のパターンとの相違は第3ブレーキ手段B3と第4ブレ
ーキ手段B4との係合・解放の状態が互いに反対となって
いるのみであり、したがってこれらの第3のブレーキ手
段B3と第4ブレーキ手段B4とは前進第1速および第3速
のいずれにおいても解放されるので、前進第2速をb欄
ののパターンで設定することとしても上記の例と同様
に、変速の際に切換えるべき摩擦係合手段の数が二つ以
下で、変速ショックの少ない変速操作の容易な変速を行
なうことができる。
第4表に示す例は、前進第4速を上述したa欄のの
パターンに加え、第1表のa欄ののパターンによって
も設定することとしたものである。こののパターンは
五つのクラッチ手段のうち第4クラッチ手段K4を解放さ
せてもよいパターンであり、したがってこの第4クラッ
チ手段K4は第5速において解放されるのであるから、第
4速と第5速との間の変速を、第1クラッチ手段K1と第
3ブレーキ手段B3との二つの摩擦係合手段の係合・解放
状態を切換えることにより達成することができる。な
お、この場合、a欄ののパターンであって第1クラッ
チ手段K1をも係合させたパターンとのパターンとを比
較すると、第4クラッチ手段K4と第5クラッチ手段K5と
の係合・解放状態が互いに反対になっているので、前進
第4速での変速の予定されていない定常状態を全てのク
ラッチ手段を係合させるパターンで設定することが好ま
しい。
第5表に示す例は、上述した第3表に示す例において
第4速にa欄ののパターンを追加したものであり、こ
のような例であっても上述した各例と同様に、変速にあ
たっての切換えるべき摩擦係合手段の数が少なく、した
がって変速ショックの低減および制御の容易性の点で有
利な変速制御を行なうことができる。
第6表に示す例は、前述した第4表に示す例のうち前
進第4速のa欄ののパターンをのパターンに替えた
ものである。この前進第4速のa欄ののパターンは五
つのクラッチ手段のうち第2クラッチ手段K2を解放して
もよいパターンであり、しかもこの第2クラッチ手段K2
は第3速で解放されるものであるから、第6表に従って
変速制御を行なっても上述した例と同様に制御性の良好
な変速を行なうことができる。
第7表に示す例は、前述した第5表に示す例のうち前
進第4速におけるa欄ののパターンをのパターンに
替えたものである。
第8表に示す例は、第6表に示す例のうち前進第4速
におけるa欄ののパターンをのパターンに替えたも
のである。
第9表に示す例は、第7表に示す例における前進第4
速のa欄ののパターンをのパターンに替えたもので
ある。
前進第4速においてa欄ののパターンとのパター
ンとを相互に入れ替え得ることは前述したとおりであ
り、したがって第7表ないし第9表に示すいずれの例で
あっても前述した各例と同様に、変色ショックの少ない
制御性の良好な変速を行なうことができる。
ところで第1表から知られるように、第4ブレーキ手
段B4は前進第2速と第2.5速とで係合させることがある
のみで他の変速段では解放しており、また第2速および
第2.5速は第4ブレーキ手段B4を解放しても設定するこ
とができ、したがって第1図に示す構成や第2図に示す
構成から第4ブレーキ手段B4を廃止した構成の自動変速
機であっても上述した変速制御と同様な制御を行なうこ
とができ、参考までにその自動変速機の例をスケルトン
で示せば第3図および第4図のとおりである。すなわち
第3図に示す例は第1図に示す構成から第4ブレーキ手
段B4を廃止した例であり、また第4図に示す例は第2図
に示す構成から第4ブレーキ手段B4を廃止した例であ
る。そしてこのような構成の自動変速機を対象としてこ
の発明の方法を実施しても、変速ショックの少ない制御
性の良好な主要変速段の変速を行なうことができる。な
お、第3図もしくは第4図に示す自動変速機を対象とす
る場合には、これらの自動変速機が第4ブレーキ手段を
有していないので、第2表ないし第9表に示す例のうち
第4ブレーキ手段B4をいずれの変速段でも係合させるこ
とのない例、具体的には、第2表、第4表、第6表、第
8表に従った変速を行なうことになる。
この発明の方法は、いずれか所定の変速段を設定する
ための摩擦係合手段の係合・解放の組合せのパターンが
複数あり、それらの係合・解放のパターンのうち当該変
速段から他の変速段に変換する際に係合・解放状態を切
換える摩擦係合手段の数が二つ以下となるよう係合・解
放のパターンを選択することを主たる内容とした方法で
あり、したがってこの発明の方法を適用することのでき
る自動変速機は前述した第1図ないし第4図に示す構成
のものに限定されないのであって、その数例を以下に示
す。
第5図に示す例は、前述した第1図に示す構成のうち
第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機構3
のサンギヤ3Sとの間の第5クラッチ手段K5を廃止してこ
れらのキャリヤ2Cとサンギヤ3sとを常時連結し、それに
伴い第1ブレーキ手段B1を廃止し、他の基本的な構成
(すなわち連結関係)は第1図に示す構成と同様とした
ものである。
また第6図に示す例は、前述した第2図に示す構成の
うち第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機
構3のサンギヤ3Sとの間の第5クラッチ手段K5を廃止し
てこれらのキャリヤ2Cとサンギヤ3Sとを常時連結し、そ
れに伴い第1ブレーキ手段B1を廃止し、他の基本的な構
成(すなわち連結関係)は第2図に示す構成と同様とし
たものである。
第7図に示す例は、上記の第5図に示す構成における
第3遊星歯車機構3をダブルピニオン型遊星歯車機構に
変更し、それに伴って第3遊星歯車機構3のリングギヤ
3Rを第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rおよび出力軸5
に連結し、かつその第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cに
第1遊星歯車機構1のキャリヤ1Cを連結し、他の基本的
な構成(すなわち連結関係)は第5図に示す構成と同様
としたものである。
第8図に示す例は、前述した第3図に示す構成のうち
第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機構3
のサンギヤ3Sとの間の第5クラッチ手段K5を廃止してこ
れらのキャリヤ2Cとサンギヤ3Sとを常時連結し、それに
伴い第1ブレーキ手段B1を廃止し、他の基本的な構成
(すなわち連結関係)は第3図に示す構成と同様とした
ものである。
また第9図に示す例は、前述した第4図に示す構成の
うち第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機
構3のサンギヤ3Sとの間の第5クラッチ手段K5を廃止し
てこれらのキャリヤ2Cとサンギヤ3Sとを常時連結し、そ
れに伴い第1ブレーキ手段B1を廃止し、他の基本的な構
成(すなわち連結関係)は第4図に示す構成と同様とし
たものである。
第10図に示す例は、上記の第8図に示す構成における
第3遊星歯車機構3をダブルピニオン型遊星歯車機構に
変更し、それに伴って第3遊星歯車機構3のリングギヤ
3Rを第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rおよび出力軸5
に連結し、かつその第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cに
第1遊星歯車機構1のキャリヤ1Cを連結し、他の基本的
な構成(すなわち連結関係)は第8図に示す構成と同様
としたものである。
これら第5図ないし第10図に示す構成の自動変速機で
は、第10表に示す変速段およびそれぞれの変速段を設定
するための摩擦係合手段の係合・解放のパターンが可能
である。
これらのうち前進5段・後進1段の主たる変速段を設
定するための変速を実行するにあたって、係合・解放の
状態を変えるべき摩擦係合手段の数が二つ以下で、また
回転部材の回転数の変動が可及的に少ないことを主眼に
して係合・解放パターンを選択すれば第11表もしくは第
12表のとおりとなる。なお、第4ブレーキ手段B4を備え
ていない自動変速機(第8図ないし第10図に示す構成の
自動変速機)には第11表に従う変速制御が適用され、第
4ブレーキ手段B4を備えている自動変速機(第5図ない
し第7図に示す構成の自動変速機)には第11表および第
12表のいずれに従った変速制御も適用可能である。
ここで第11表および第12表に示す変速制御方法におい
て前進第4速をa欄ののパターンを選択した理由を特
に説明すると、前進第3速と第4速との間の間の変速を
行なうにあたって、係合・解放の状態を切換える摩擦係
合手段の数が二つ以下になるパターンは、第4速のa欄
ののパターンとのパターンとの二つあるが、第4速
と第5速の間の変速について切換え動作させる摩擦係合
手段が二つ以下となるパターンは前進第4速のa欄の
のパターンとのパターンとの二つであり、したがって
アップシフトおよびダウンシフトに共通して使用するこ
とができる、との利点を考えると、のパターンが好ま
しいためである。なお、第4速をa速ののパターンで
設定することは何ら差し支えがなく、また前述した実施
例で説明したように、前進第4速で全てのクラッチ手段
を係合させるパターンをも併用することができ、したが
ってこのようなパターンを使用した場合には、前進第4
速のa欄ののパターン以外の係合・解放のパターンを
経由させて変速を実行することもできる。
第11図ないし第16図はこの発明の方法を適用すること
のできる更に他の自動変速機の構成を示すもので、第11
図に示す例は、前述した第1図に示す構成のうち第2遊
星歯車機構2のリングギヤ2Rを第3遊星歯車機構3のキ
ャリヤ3Cに連結せずに第3遊星歯車機構3のリングギヤ
3Rに連結し、したがって第1遊星歯車機構1のキャリヤ
1Cを第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯車
機構3のリングギヤ3Rとに連結し、他の構成は第1図に
示す構成と同様としたものである。
また第12図に示す例は、上記の第11図に示す構成にお
ける第1遊星歯車機構1をダブルピニオン型遊星歯車機
構に変更し、それに伴って第1遊星歯車機構1のリング
ギヤ1Rを第2遊星歯車機構2および第3遊星歯車機構3
のリングギヤ2R,3Rを連結し、かつ第1遊星歯車機構1
のキャリヤ1Cを第1クラッチ手段K1を介して入力軸4に
選択的に連結するように構成し、他の構成は、第11図に
示す構成と同様としたものである。
第13図に示す例は、第11図に示す構成のうち第3遊星
歯車機構3をダブルピニオン型遊星歯車機構に変更し、
それに伴って第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cを第2遊
星歯車機構2のリングギヤ2Rに連結し、かつ第3遊星歯
車機構3のリングギヤ3Rに出力軸5を連結し、他の構成
は第11図に示す構成と同様としたものである。
さらに第14図に示す例は、第11図に示す構成から第4
ブレーキ手段B4を廃止し、同様に、第15図に示す例は第
12図に示す構成から第4ブレーキ手段B4を廃止し、第16
図に示す例は第13図に示す構成から第4ブレーキ手段B4
を廃止して構成したものである。
これら第11図ないし第16図に示す構成の自動変速機で
は、第13表に示す変速段およびそれぞれの変速段を設定
するための摩擦係合手段の係合・解放のパターンが可能
である。
これらのうち前進5段・後進1段の主たる変速段を設
定するための変速を実行するにあたって、係合・解放の
状態を変えるべき摩擦係合手段の数が二つ以下で、また
回転部材の回転数の変動が可及的に少ないことを主眼に
して係合・解放パターンを選択すれば第14表ないし第23
表のとおりとなる。なお、第4ブレーキ手段B4を備えて
いない自動変速機(第14図ないし第16図に示す構成の自
動変速機)には第14表、第16表、第18表、第20表、第22
表に従う変速制御が適用され、第4ブレーキ手段B4を備
えている自動変速機(第11図ないし第13図に示す構成の
自動変速機)には第14表から第23表のいずれに従った変
速制御も適用可能である。
すなわち第14表に従う変速制御では、前進第1速は、
第1クラッチ手段K1、第4クラッチ手段K4、第1ブレー
キ手段B1、第2ブレーキ手段B2を係合(のパターン)
させて設定する。この場合、第5クラッチ手段K5は係合
させることも可能であるが、変速を実行する以前には解
放させておく。前進第2速は、第1クラッチ手段K1、第
4クラッチ手段K4、第1ブレーキ手段B1、第2ブレーキ
手段B2、第3ブレーキ手段B3を係合(b欄ののパター
ン)させて設定する。この場合、第4ブレーキ手段B4は
係合させることも可能であるが、変速を実行する以前に
は解放させておく。したがって第1速と第2速との間の
変速は、第2ブレーキ手段B2と第3ブレーキ手段B3との
二つの摩擦係合手段の係合・解放の状態を切換えること
により達成することができる。第3速は、第1クラッチ
手段K1、第3クラッチ手段K3、第1ブレーキ手段B1を係
合(c欄ののパターン)させて設定する。この場合、
第2クラッチ手段K2は係合させてもよいが、変速を実行
する以前に解放させておき、また第4クラッチ手段K4は
解放させてもよいが、変速を実行する以前に係合させて
おく。したがって第2速と第3速との間の変速は第3ク
ラッチ手段K3と第3ブレーキ手段B3との二つの摩擦係合
手段の係合・解放の状態を切換えることにより達成する
ことができる。前進第4速、のパターンとのパター
ンとによって設定する。すなわち第3速との間で変換を
行なう場合には、第2クラッチ手段K2以外のクラッチ手
段を係合させるパターンを選択し、これにより第5クラ
ッチ手段K5と第1ブレーキ手段B1との二つの摩擦係合手
段の係合・解放状態の切換えによって変速を達成し、ま
たアップシフトの場合には、第2クラッチ手段K2を変速
に先立って係合させておき、この状態から第1クラッチ
手段K1を解放したのパターンとする。そして前進第5
速は、第2および第3ならびに第5のクラッチ手段K2,K
3,K5の第3ブレーキ手段B3とを係合させて設定する。し
たがって第4速と第5速との間の変速は、第4クラッチ
手段K4と第3ブレーキ手段B3との係合・解放の状態を切
換えることにより達成することができる。さらにまた後
進段は第3および第4のクラッチ手段K3,K4と第1およ
び第2のブレーキ手段B1,B2とを係合(のパターン)
させて設定する。この場合、第5クラッチ手段K5は係合
させてもよいが、変速に先立って解放させておく。した
がって第1速と後進段との間の変速は第1クラッチ手段
K1と第3クラッチ手段K3と二つの摩擦係合手段の係合・
解放状態を切換えることにより達成することができる。
以上のようにして変速を行なうことにより変速ショッ
クの少ない制御性の良好な変速を行なうことができる。
第15表に示す例は、第14表に示す例における前進第2
速をb欄ののパターンを選択して設定することとした
ものである。この場合、第4クラッチ手段K4は解放させ
てもよいが、変速の際には係合させておき、このように
すれば、第2速のb欄ののパターンとのパターンと
の相違は、前進第1速および第3速のいずれにおいても
解放される第3ブレーキ手段B3と第4ブレーキ手段B4と
の係合・解放の状態が反対となっていることのみであ
り、したがって第14表に従う場合と同様に制御性の良い
変速を行なうことができる。
第16表に示す例は、上記の第14表に示す例における前
進第4速ののパターンをのパターンに替えたもので
ある。これらののパターンとのパターンとの相違
は、第1クラッチ手段K1と第4クラッチ手段K4との係合
・解放状態が互いに反対である点であるが、これらのク
ラッチ手段は第5速において共に解放されるのであるか
ら、第16表による変速制御であっても上記の第14表に従
う場合と同様な変速制御を行なうことができる。
第17表に示す例は、上記の第15表に示す例における前
進第4速ののパターンをのパターンに替えたもので
あり、このような変更が可能なことは上述したとおりで
ある。
第18表に示す例は、前述した第14表に示す例のうち、
前進第3速を設定するパターンとして第13表のc欄の
のパターンを二種類に切換えて設定し、かつ前進第4速
をのパターンによって設定するものである。すなわち
第3速のc欄ののパターンは、第1クラッチ手段K1と
第3クラッチ手段K3と第1ブレーキ手段B1とを係合さ
せ、かつ必要に応じて第2クラッチ手段K2と第4クラッ
チ手段K4とを係合させるものであるから、第2速との間
の変速に際しては第1クラッチ手段K1、第3クラッチ手
段K3、第4クラッチ手段K4、第1ブレーキ手段B1を係合
させるパターンを採用し、第4速との間の変速の際には
第1ないし第3のクラッチ手段K1,K2,K3と第1ブレーキ
手段B1とを係合させたパターンを選択する。そして前進
第4速はのパターンを採用する。このような変速制御
の方法であっても第18表から知られるように二つの摩擦
係合手段の係合・解放の状態を切換えることによって変
換を行なうことができる。
第19表に示す例は、上記の第18表に示す例のうち前進
第2速をb欄ののパターンを選択して設定し、他の変
速段は第18表と同様としたものである。
第20表に示す例は、前述した第16表に示す例のうち前
進第3速を設定するパターンとしてc欄ののパターン
を選択したものである。この係合・解放パターンは、第
1クラッチ手段K1、第2クラッチ手段K2、第4クラッチ
手段K4、第1ブレーキ手段B1を係合させるパターンであ
り、第2速のb欄ののパターンとの相違は、第2クラ
ッチ手段K2と第3ブレーキ手段B3との係合・解放の状態
が反対となっていることであり、したがって、これら二
つの摩擦係合手段を切換え動作させることにより変速を
行なうことができる。また全てのクラッチ手段を係合さ
せる前進第4速との相違は、第3クラッチ手段K3と第1
ブレーキ手段B1との係合・解放の状態が反対となってい
ることであり、したがってこれらの二つの摩擦係合手段
を切換え動作させることにより第3速と第4速との間の
変速を行なうことができる。
第21表に示す例は、上記の第20表に示す例のうち前進
第2速を設定するパターンをのパターンからのパタ
ーンに替えたものである。
第22表に示す例は、第20表に示す例のうち第5速への
変速に先立って設定する第4速の状態をのパターンで
設定することとしたものである。
そして、第23表に示す例は、第21表に示す例のうち第
5速を設定するに先立って設定する第4速の状態をの
パターンで設定することとしたものである。
第4速においてのパターンを選択し得ることは前述
したとおりである。
さらにこの発明を適用することのできる自動変速機の
例およびその自動変速機を対象としたこの発明の方法の
数例を示すと、第17図に示す自動変速機は第1および第
3の遊星歯車機構1,3としてシングルピニオン型の遊星
歯車機構を使用しかつ第2遊星歯車機構2としてダブル
ピニオン型の遊星歯車機構を使用したものであって、各
リングギヤ1R,2R,3Rが互いに一体となって回転するよう
連結され、また第1遊星歯車機構1のキャリヤ1Cと第2
遊星歯車機構2のキャリヤ2Cとが連結されるとともにこ
れらが第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに第4クラッチ
手段K4を介して連結されている。入力軸4と第2遊星歯
車機構2のサンギヤ2Sとの間に第1クラッチ手段K1が設
けられ、また入力軸4と第2遊星歯車機構2のキャリヤ
2Cとの間に第2クラッチ手段K2が設けられ、さらに入力
軸4と第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sとの間に第3ク
ラッチ手段K3が設けられている。一方、ブレーキ手段と
しては、第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sの回転を選択
的に阻止する第1ブレーキ手段B1と、互いに連結された
第1遊星歯車機構1および第2遊星歯車機構2のキャリ
ヤ1C,2Cの回転を阻止する第2ブレーキ手段B2と第1遊
星歯車機構1のサンギヤ1Sの回転を選択的に阻止する第
3ブレーキ手段B3とが設けられている。そして出力軸5
は第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cに連結されている。
第18図に示す構成のものは、上述した第17図に示す構
成のうち第1遊星歯車機構1と第2遊星歯車機構2と
を、リビニョオ型遊星歯車機構8に変えたものである。
すなわちラビニョオ型遊星歯車機構8は、リングギヤR
と、第1サンギヤ1Sと、第2サンギヤ2Sと、リングギヤ
Rおよび第1サンギヤ1Sに噛合するピニオンギヤおよび
そのピニオンギヤと第2サンギヤ2Sとに噛合する他のピ
ニオンギヤを保持したキャリヤCとを有しており、リン
グギヤRが第3遊星歯車機構3のリングギヤ3Rに連結さ
れるとともに、キャリヤCが第4クラッチ手段K4を介し
て第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに連結され、また第
1サンギヤ1Sが第3クラッチ手段K3を介して入力軸4に
連結され、さらに第2サンギヤ2Sが第2クラッチ手段K2
を介して入力軸4に連結され、キャリヤCが第1クラッ
チ手段K1を介して入力軸4に連結されている。そして出
力軸5は第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cに連結されて
いる。またブレーキ手段としては、第3遊星歯車機構3
のサンギヤ3Sの回転を選択的に阻止する第1ブレーキ手
段B1、ラビニョオ型遊星歯車機構8のキャリヤCの回転
を選択的に阻止する第2ブレーキ手段B2、前記第1サン
ギヤ1Sの回転を選択的に阻止する第3ブレーキ手段B3が
それぞれ設けられている。
これら第17図および第18図に示す構成の自動変速機で
は、第24表に示す変速段およびそれぞれの変速段を設定
するための摩擦係合手段の係合・解放のパターンが可能
であり、この発明の方法によれば、それらのうち第25表
ないし第28表に示すように選択されたパターンによって
前進5段・後進1段の主要変速段が設定される。
これら第25表ないし第28表から知られるようにアップ
シフトおよびダウンシフトのいずれの変速の場合であっ
ても、二つの摩擦係合手段の係合・解放の状態を切換え
ればよく、したがって変速ショックの少ない制御性の良
好な変速を行なうことができる。
ところで上述した各作動表に従う変速制御は、各変速
段を設定する摩擦係合手段の係合・解放パターンを予め
データとして記憶しておき、変速指令に基いてそれらの
データを呼出して各変速段を設定するよう制御する方法
や、例えば第1表や第13表もしくは第24表に示すような
各変速段ごとの全ての係合・解放パターンを記憶してお
き、変速指令に基づく目標変速段での係合・解放パター
ンとの比較で、変速を実行するに必要な係合・解放状態
を切換えるべき摩擦係合手段の数が二つ以下となるよう
現行の変速を設定する係合・解放パターンを適宜に選択
して設定する方法などによって実行できる。この後者の
方法を簡単に説明すれば、第19図のブロック図におい
て、自動変速機Aを制御するための制御装置Eに車速V
およびスロットル開度θを入力し、これらのデータをパ
ラメータとした変速線図に従って変速指令を出力し、設
定すべき変速段を決定する。そして第20図のフローチャ
ートにおいて、車速Vおよびスロットル開度θならびに
現行の変速段Gsを読み込み(ステップ1)、ついで車速
Vおよびスロットル開度θに基づいて決定される目標変
速段Gaが現行変速段Gsと同じか否かの判断を行ない(ス
テップ2)、その結果が“イエス”であればステップ2
の前に戻り、また“ノー”であれば、ステップ3に進ん
で隣接段への変速か否かを判断する。その結果が“ノ
ー”であれば、中間に他の変速段が介在する飛び越し変
速を実行するルーチンに進み、また判断結果が“イエ
ス”であれば、変速を実行するにあたって結合・解放状
態を切換えるべき摩擦係合手段の数が二つ以下となる結
合・解放パターンを選択する(ステップ4)。そしてそ
のパターンを設定するための変速指令を自動変速機Aに
出力する(ステップ5)。
なお、上述した各実施例では、隣接段へと変速を行う
場合を例に採って説明したが、この発明の方法は、上記
の実施例に限られず、二段階以上の飛越し変速を行う場
合にも適用することができる。また上記の実施例では、
制御対象とする自動変速機をスケルトンで示したので、
それぞれのクラッチ手段やブレーキ手段は多板構造のも
ののシンボルで図示したが、この発明で対象とする自動
変速機における摩擦係合手段は、具体的には多板構造の
ものと一方向クラッチを組合せたものやバンドブレーキ
など、本出願人が例えば特願昭63−176270号や特願昭63
−221670号などで示した構造のものを採用することがで
きる。
またこの発明で対象とする自動変速機の構造は、上述
した各実施例で示した構造に限定されないのであり、し
たがって各変速段を設定するために選択する摩擦係合手
段の係合・解放の組合せのパターンは上述した実施例で
示したパターンに限定されず、それぞれの自動変速機の
構造に応じて変化させることになる。
発明の効果 以上の説明から明らかなようにこの発明の変速制御方
法では、少なくとも一つの特定の変速段を設定するため
のクラッチ手段およびブレーキ手段の係合・解放の組合
せが複数ある自動変速機の変速を行なうにあたって、少
なくとも一つの特定の変速段から他の変速段への変速の
ために係合・解放の状態を切換えるべき摩擦係合手段の
数が二つ以下となるよう摩擦係合手段の係合・解放のパ
ターンを選択したので、摩擦係合手段の切換えのタイミ
ングにずれが生じ難く、またそのための制御が容易であ
り、したがってこの発明の方法によれば、変速ショック
が少なく制御性が良好な変速を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第18図はこの発明の方法を適用することの
できる自動変速機の例をそれぞれ示すスケルトン図、第
19図は自動変速機の一般的な制御系統を示すブロック
図、第20図はこの発明の方法の一例を説明するためのフ
ローチャートである。 1,2,3,8……遊星歯車機構、1S,2S,3S……サンギヤ、1C,
2C,3C,C……キャリヤ、1R,2R,3R,R……リングギヤ、K1,
K2,K3,K4,K5……クラッチ手段、B1,B2,B3,B4……ブレー
キ手段、A……自動変速機、E……制御装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の摩擦係合手段の係合・解放の組合せ
    により、歯車変速機構を構成している回転部材の連結状
    態が変更され、変速比の互いに異なる複数の変速段が設
    定される自動変速機の変速を制御し、少なくとも一つの
    変速比に対応する少なくとも一つの特定の変速段を設定
    するための前記摩擦係合手段の係合・解放の組合せパタ
    ーンが複数種類ある自動変速機の変速制御方法におい
    て、 前記少なくとも一つの特定の変速段を設定する場合に、
    該特定の変速段から変速比の異なる他の変速段に変速す
    る際に係合・解放の状態を切換えるべき摩擦係合手段の
    数が二つ以下となるように、前記複数の摩擦係合手段の
    係合・解放の組合せパターンを選択することを特徴とす
    る自動変速機の変速制御方法。
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