JP2924014B2 - 自動変速機の変速制御方法 - Google Patents

自動変速機の変速制御方法

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JP2924014B2 JP1295823A JP29582389A JP2924014B2 JP 2924014 B2 JP2924014 B2 JP 2924014B2 JP 1295823 A JP1295823 A JP 1295823A JP 29582389 A JP29582389 A JP 29582389A JP 2924014 B2 JP2924014 B2 JP 2924014B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は自動車などの車両に搭載される自動変速機
の変速を制御する方法に関するものである。
従来の技術 自動車などの車両に搭載される自動変速機は、現状で
は変速段を段階的に替える有段変速機が一般的であり、
特に自動車に搭載されている通常の自動変速機は、クラ
ッチ手段やブレーキ手段などの複数の摩擦係合手段によ
って遊星歯車機構を主体とした歯車列における駆動力の
伝達経路を替え、これにより複数の変速段に設定する構
成であることは周知のとおりである。そして最近では、
動力性能の向上や高速走行時での騒音の低減あるいは燃
費の向上などのため設定可能な変速段の多段化が図ら
れ、例えば特開昭54−132058号公報や特開昭60−57036
号公報では、前進5段・後進1段もしくはこれに前進段
で所謂第2.5速や第3.5速を付加した変速段を設定するこ
とのできる変速機が提案されている。また自動変速機で
の変速の制御は、通常、スロットル開度に代表されるエ
ンジン負荷と車速やエンジ回転数とをパラメータとして
行なっているが、有段変速である場合には出力トルクが
段階的に変化せざるを得ず、その結果、変速に伴なって
ショックが不可避的に生じ、これを低減することが重要
な要件となっており、そのため従来から様々な試みが行
われている。例えば特公昭61−58697号公報では、スロ
ットル開度や車速に基づいて制御装置などで決定された
変速が二段階以上の変速の場合には、タイマを用いて1
段階ずつ変速を実行する装置が提案され、また特開平1
−224552号公報では隣接する変速段に変速する場合に、
それらの変速段の中間の変速比をもった中間の変速段を
経由させて変速を実行する装置が提案されている。
発明が解決しようとする課題 上記従来の自動変速機のように設定可能な変速段数を
多くすれば、最大変速比と最小変速比との間の幅が広く
なって動力性能や燃費に良好になり、また各変速段の変
速比を接近した値とすれば、1段ごとの変速の場合にト
ルクの変動量が小さくなって変速ショックの緩和に有利
となる。しかしながら一般の車両用の自動変速機で設定
する変速比には限度があるから、その範囲内で設定可能
な変速段数を多くすれば、実際の走行時に二段以上の変
速が生じる場合が多くなり、この様な場合に前掲の特公
昭61−58697号公報に記載されているように1段ずつの
変速を行なう手段を採用すれば、変速ショックの低減に
効果的である。しかしその反面、目的とする変速段の達
成が遅くなる場合があり、また変速を実行するための摩
擦係合手段の係合・解放の切換えが頻繁に生じ、耐久性
の維持の点で不利になるおそれがある。さらに二段以上
越えた変速を実行する際の変速ショックを低減するため
に前掲の特開平1−224552号公報に記載されているよう
な中間段を経る変速を行なった場合、この提案にかかる
手段は隣接段の間での変速の場合に中間段を経るもので
あるから、実質的に1段ずつの変速を行なうことにな
り、その結果、上述したと同様の問題が生じる。
この発明は上記の事情に鑑み、設定可能な変速段を多
段化することに伴って所定の変速段からこれより複数段
離れた他の変速段に変速する場合にこれらの変速段の間
に介在する変速段を有効に利用して変速ショックの緩和
を図ることのできる方法を提供することを目的とするも
のである。
課題を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、複数の摩
擦係合手段とこれらの摩擦係合手段の係合・解放の状態
に応じて変速比の互いに異なる複数の変速段に設定さ
れ、かつ少なくともいずれか一つの変速段を設定するた
めの摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターンが複数
種類ある歯車列と、入力されたデータに基づいて変速比
を決定するとともに決定した変速比を設定するべく前記
摩擦係合手段を係合させるよう信号を出力する制御手段
とを有する自動変速機の変速制御方法において、現行変
速段から前記制御手段によって決定された目標変速段に
変速するべく前記の摩擦係合手段の係合・解放の組合せ
パターンを変更する際に、前記目標変速段を成立させる
摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターンを設定する
に先立って、変速比が前記現行変速段と目標変速段との
中間の値となる変速段のための摩擦係合手段の係合・解
放の組合せパターン、あるいは変速比が現行変速段もし
くは目標変速段と同一になる摩擦係合手段の係合・解放
パターンを複数種類設定することが可能な場合に、これ
らの設定可能な複数種類の組合せパターンのうち、現行
変速段から目標変速段に変速するために摩擦係合手段の
係合・解放の組合せパターンを変更する途中で一時的に
設定することによりその変速の開始から終了までの間に
おいて係合・解放状態を実質的に同時に替える摩擦係合
手段の数およびその変速の開始から終了までの間での歯
車列における回転部材の累積変動回転数が共に少なくな
る係合・解放の組合せパターンを選択して一時的に設定
することを特徴とする方法である。
作用 この発明の方法においても目標変速段は入力されたデ
ータに基づいて制御手段によって決定される。そしてこ
の発明では、その目標変速段が現行の変速段に対して二
段以上離れていた場合、すなわち目標変速段と現行変速
段との間に複数の変速段が介在していた場合、それらの
介在する変速段のうちから一時的に設定することにより
歯車列における回転部材の累積変動回転数が少なくな
り、また係合・解放の状態を実質的に同時に切換え動作
させるべき摩擦係合手段の数が少なくなる変速段を経由
させて目標変速段に変換するので、変速に伴って吸収す
べき慣性モーメントが小さくなり、また摩擦係合手段の
係合・解放のタイミングのずれが生じにくく、その結
果、変速ショックを有効に低減することができる。
実 施 例 つぎにこの発明の方法を実施例に基づいて詳細に説明
する。
この発明の方法は、前述したように、変速段が二段以
上離れている変速を行なう場合に適用できる方法があ
り、そこで先ず、この発明の方法を適用することのでき
る自動変速機の例を示す。
第1図に示す例は三組のシングルピニオン型遊星歯車
機構1,2,3を主体として歯車列を構成したものであっ
て、これらの各遊星歯車機構1,2,3における各要素が次
のように連結されて構成されている。すなわち第1遊星
歯車機構1のキャリヤ1Cと第3遊星歯車機構3のリング
ギヤ3Rとが一体となって回転するよう連結されるととも
に、第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯車
機構3のキャリヤ3Cとが一体となって回転するよう連結
されている。また第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sは第
2クラッチ手段K2を介して第2遊星歯車機構2のキャリ
ヤ2Cに連結される一方、第4クラッチ手段K4を介して第
2遊星歯車機構2のサンギヤ2Sに連結され、さらに第2
遊星歯車機構2のキャリヤ2Cは第5クラッチ手段K5を介
して第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに連結されてい
る。
なお、上記の各要素の連結構造としては、中空軸や中
実軸もしくは適宜のコネクティングドラムなどの一般の
自動変速機で採用されている連結構造などを採用するこ
とができる。
入力軸4は、トルクコンバータや流体継手などの動力
伝達手段(図示せず)を介してエンジン(図示せず)に
連結されており、この入力軸4と第1遊星歯車機構1の
リングギヤ1Rとの間には、両者を選択的に連結する第1
クラッチ手段K1が設けられ、また入力軸4と第1遊星歯
車機構1のサンギヤ1Sとの間には、両者を選択的に連結
する第3クラッチ手段K3が設けられている。
上記の各クラッチ手段K1,K2,K3,K4,K5は、要は上述し
た各部材を選択的に連結し、またその連結を解除するも
のであって、例えば油圧サーボ機構などの従来一般に自
動変速機で採用されている機構によって係合・解放され
る湿式多板クラッチや、一方向クラッチ、あるいはこれ
らの湿式多板クラッチと一方向クラッチとを直列もしく
は並列に配置した構成などを必要に応じて採用すること
ができる。なお、実用にあたっては、各構成部材の配置
上の制約があるから、各クラッチ手段K1,K2,K3,K4,K5に
対する連結部材としてコネクティングドラムなどの適宜
の中間部材を介在させ得ることは勿論である。
また第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sの回転を選択的
に阻止する第1ブレーキ手段B1が、そのサンギヤ3Sとト
ランスミッションケース(以下、単にケースと記す)6
との間に、また第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cの回転
を選択的に阻止する第2ブレーキ手段B2が、そのキャリ
ヤ2Cとケース6との間に、第2遊星歯車機構2のサンギ
ヤ2Sの回転を選択的に阻止する第3ブレーキ手段B3がそ
のサンギヤ2Sとケース6との間に、そして第1遊星歯車
機構1のサンギヤ1Sの回転を選択的に阻止する第4ブレ
ーキ手段B4がそのサンギヤ1Sとケース6との間にそれぞ
れ設けられている。これらのブレーキ手段B1,B2,B3,B4
は、従来一般の自動変速機で採用されている油圧サーボ
機構などで駆動される湿式多板ブレーキやハンドブレー
キ、あるいは一方向クラッチ、さらにはこれを組合せた
構成などとすることができ、また実用にあたっては、こ
れらのブレーキ手段B1,B2,B3,B4とこれらのブレーキ手
段B1,B2,B3,B4によって固定すべき各要素との間もしく
はケース6との間に適宜の連結部材を介在させ得ること
は勿論である。
そしてプロペラシャフトやカウンタギヤ(それぞれ図
示せず)に回転を伝達する出力軸5が、互いに連結され
た第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯車機
構3のキャリア3Cに対して連結されている。
また第2図に示す構成は、上述した第1図に示す構成
のうち第1遊星歯車機構1をダブルピニオン型の遊星歯
車機構に替えたものであり、それに伴って第1遊星歯車
機構1のリングギヤ1Rが第3遊星歯車機構3のリングギ
ヤ3Rに連結され、かつ第1遊星歯車機構1のキャリヤ1C
が第1クラッチ手段K1を介して入力軸4に連結されるよ
うになっており、その他の構成は第1図に示す構成と同
様である。
これら第1図および第2図にそれぞれ示す構成の自動
変速機では、変速比が等比級数に近い関係となる前進5
段および後進1段を主たる変速段とし、これに前進第2
速と第3速との間に所謂第2.2速、第2.5速、第2.7速の
変速段を付加し、かつ前進第3速と第4速との間に所謂
第3.2速と第3.5速とを付加した複数の変速段を設定する
ことができる。これらの主要変速段の間に設定される所
謂副次変速段は、その変速比が前後の変速段との関係で
走行に必ずしも適切でなく、したがって通常の走行はこ
の主要5段および後進段によって行なう。なお、上記の
副次変速段で定常的な走行を行なうことは任意である。
また第2.2速、第2.7速、第3.2速および第3.5速を除いた
他の変速段では、当該変速段を設定するためのクラッチ
手段およびブレーキ手段の係合・解放の組合せ(所謂係
合・解放パターン)は複数組あり、これを作動表として
示せば第1表のとおりである。またそれぞれの変速段で
の各遊星歯車機構1,2,3における要素の回転数を第2表
に示す。なお、第1表において、○印は係合することを
示し、空欄は解放することを示し、また*印は係合させ
てもよいことを示し、さらにこの*印には第1速の第5
クラッチ手段K5や第1ブレーキ手段B1などのように解放
しても変速比や回転状態に変化が生じないもの、第4速
のb欄のパターンにおける第1ブレーキ手段B1のように
解放すれば変速比は変化しないが回転状態が変化するも
の、第2速のb欄のパターンにおける第4クラッチ手段
K4や第3ブレーキ手段B3のように他の*印の手段を係合
させていれば解放しても変速比および回転状態に変化が
生じないものを含む。また第1表および第2表において
第2速、第3速、第4速、第5速および後進段でのa,b,
c…の符号を付した欄は、当該変速段を設定するための
係合・解放パターンのうち遊星歯車機構の回転要素の回
転数が異なるものの係合・解放パターンであることを示
し、さらに,,…の符号は遊星歯車機構の回転要
素の回転数が異ならないものの係合・解放パターン同士
の種別を表わす。さらに第2表に示す値は、各遊星歯車
機構1,2,3のギヤ比(サンギヤとリングギヤとの歯数の
比)を、第1図に示す例ではρ1=0.450、ρ2=0.40
5、ρ3=0.405とし、また第2図に示す例についてはρ
1=0.310、ρ2=0.450、ρ3=0.405とし、入力回転
数を“1"とした場合の比率で示したものである。
これらの表から知られるように第1図および第2図に
それぞれ示す自動変速機では、前進段で変速比が等比級
数に近い関係となる第1速、第2速、第3速、第4速、
第5速の主要変速段を設定する場合でも複数の係合・解
放パターンの選択の余地があり、また当然、所定の変速
段から他の変速段に変速する場合も摩擦係合手段の係合
・解放パターンの組合わせは多種類にのぼる。そしてま
たアルファベットの符号を付した欄のいずれを選択する
かによっては回転部材すなわち各遊星歯車機構1,2,3の
サンギヤおよびリングギヤならびにキャリヤの回転数も
異なることになる。
ところで第1図あるいは第2図に示す構成の自動変速
機において、前記の副次変速段を含めて二段以上の変速
段が介在する所謂飛越し変速を実行する場合も、変速前
の係合・解放パターンと変速後の係合・解放パターンと
の組合わせは多種類にのぼるが、変速前の変速比と変速
後の変速比とが離れていることからも推察されるよう
に、それぞれの係合・解放パターンは比較的大きく異な
っており、例えば第1速から第5速への飛越し変速を行
なう場合を例に採ると、第1速では第1クラッチ手段K1
の他に第4および第5クラッチ手段K4,K5と第1および
第2ブレーキ手段B1,B2とのうちの少なくともいずれか
三つを係合させるのに対し、第5速では第2および第3
クラッチ手段K2,K3と第3ブレーキ手段B3とを必ず係合
させることになる。したがってこのような飛越し変速を
行なう場合、係合・解放の状態を切換えるべき摩擦係合
手段の数が多くなるので、それらの摩擦係合手段の係合
・解放の切換えのタイミングを適正化することが難し
く、また変速ショックが生じ易い。また一方、飛越し変
速の場合の回転部材の変動回転数は、選択した係合・解
放パターンによって異なることになるが、変速ショック
の低減の点では、変動回転数の少ないパターンを選択す
ることが有利である。
またさらに隣接段以外の変速段に変速する際にそれぞ
れの変速段の中間にある他の変速段に一時的に設定する
ことにより、係合・解放の状態を実質的に同時に切換え
るべき摩擦係合手段の数を少なくすることが考えられる
が、単に中間段を経由するのみでは、回転部材の回転数
が増大したり、回転方向が反転したりし、それに伴う慣
性力が変速ショックに悪影響を及ぼすおそれがある。具
体的には、第1図もしくは第2図に示す構成の自動変速
機において第1速から第5速に変速する場合に第1表に
示す第4速のa欄に示すいずれかのパターンで第4速を
一時的に設定するとした場合、実質的に同時に係合・解
放状態を切換えるべき摩擦係合手段の数が少なくなる
が、その反面、第2表から知られるように、第2遊星歯
車機構2のサンギヤ2Sは“−0.78"の回転から“1.00"の
回転に増速し、しかる後に“0.00"の回転になるため、
その回転数の変動幅(累積変動回転数)は“2.78"とな
る。すなわち短時間のうちに回転数および回転方向が大
きく変化するために、慣性力が大きくなって変速ショッ
クに悪影響を及ぼす。
そこで第1図もしくは第2図に示す自動変速機を対象
としたこの発明の方法では、複数の変速段が中間に介在
する変速を行なう場合に、その介在する変速段、特に前
述した副次変速段を有効に利用して変速ショックの少な
い変速を行なうようにしたのである。具体的には、現行
の変速段と変速を行なうことによって設定すべき目標変
速段との間に介在する変速段のうち回転部材の累積変動
回転数が少なくしかも実質的に同時に係合・解放状態を
切換えるべき摩擦係合手段の数が少なくなる中間段を選
択し、その選択した変速段を経由して目標変速段へ変速
するようにしたのであり、その数例を表にして示せば、
以下のとおりである。なお、以下に示す表で◎印は解放
させてもよいが変速の実行に先立って係合させたほうが
良いことを、また△印は係合させてもよいが変速の実行
に先立って解放させたほうが良いことをそれぞれ示す。
先ず第1速から第5速に飛越し変速する場合について
示すと、この場合は第2.5速と第3.5速と第を経由して変
速を行なう。その変速を実行するための作動表は第3表
ないし第7表のとおりである。
これらの表に従って第1速から第5速への飛越し変速
の際に第2.5速(特にそのうちののパターン)および
第3.5速とを経由させれば、第2表から知られるよう
に、いずれの回転部材の累積変動回転数も第1速から第
5速に直接変速した場合と変わることがなく、また実質
的に同時に係合・解放状態を切換える摩擦係合手段の数
が二つ以下となる。なお、参考までに第2.5速のみを経
由するとした場合、各回転部材の累積変動回転数が増大
することはないが、第2.5速において第1クラッチ手段K
1、第4クラッチ手段K4、第5クラッチ手段K5、第3ブ
レーキ手段B3を係合させるのに対し、第5速では第2ク
ラッチ手段K2および第3クラッチ手段K3を必ず係合さ
せ、かつ第1クラッチ手段K1を解放するから、実質的に
同時に係合・解放状態を切換える摩擦係合手段の数が多
くなる。また第1速から第5速に飛越し変速する場合に
前述した副次変速段を経由せずに、通常の走行に使用す
る主要変速段のうちの第3速の変速段を経由するとした
場合、第3速を設定する係合・解放パターンのうちc欄
に示すパターンに設定した後にb欄に示すパターンに設
定し、しかる後に第5速に変速することも考えられ、こ
のようにすれば実質的に同時に切換える摩擦係合手段の
数が二つ以下でよいが、第3速のc欄のパターンでは第
2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cが“0.79"の回転数で回
転し、またb欄のパターンでは“0.51"の回転数で回転
するので、ここで回転数が一時的に減少し、その結果、
このキャリヤ2Cの累積変動回転数が“1.56"になり、第
1速から第5速に直接変速した場合よりも回転数が大き
く変動する。なお、実トルクが小さいこと、あるいは油
圧制御装置により変速の過渡的な制御を良好に行なえる
ことなどの理由でこの程度の変動を許容できる場合には
第2速を経由する変速を実行してもよい。
つぎに第2速から第5速に飛越し変速する場合につい
て説明すると、この場合は、経由する変速段の種類が複
数あり、第3速を経由する場合は第8表ないし第13表に
示すとおりであり、また第2.5速および第3.5速を経由す
る場合は第14表ないし第27表に示すとおりであり、さら
に第3速および第3.5速を経由する場合は第28表ないし
第34表に示すとおりであり、そしてまた第3.2速および
第3.5速を経由する場合は第35表に示すとおりである。
これらの表に従って第2速から第5速への飛越し変速
を行なえば、第2表から知られるように、いずれの回転
部材の累積変動回転数も第2速から第5速に直接変速し
た場合と変わることがなく、また実質的に同時に係合・
解放状態を切換える摩擦係合手段の数が二つ以下とな
る。なお、参考までに第3速を経由する場合に、第3速
をa欄のパターンで設定するとした場合、第3速におけ
るこのパターンでは第2遊星歯車機構2のサンギヤ2Sの
回転が一時的に逆回転方向に増大するので、変速完了時
での累積変動回転数が、第2速から第5速に直接変速し
た場合より多くなる不都合が生じる。また第3速をc欄
のパターンやd欄のパターンで設定する飛越し変速を行
なうとすれば、第2遊星歯車機構2のサンギヤ2Sの回転
数が、第5速の場合より大きくなるために、最終的な累
積変動回転数が大きくなる不都合が生じる。
第3速から第5速に飛越し変速する場合には、第4速
を経由して変速を実行する。その場合の摩擦係合手段の
係合・解放のパターンは第36表および第37表に例示する
とおりである。
これらの表に示すように、第3速をc欄のパターンで
設定し、かつ第4速をa欄のパターンもしくはb欄のパ
ターンで設定して第5速をa欄のパターンで設定するよ
う変速を行なえば、累積変動回転数が第3速から第5速
に直接変速する場合より多くなることがなく、また係合
・解放の状態を実質的に同時に切換えるべき摩擦係合手
段の数が二つ以上になることなく飛越し変速を行なうこ
とができる。なお、第3速をd欄のパターンで設定する
ことも可能であるが、この場合は、回転部材の回転方向
が変速途中で反転しないものの、第3速での第2遊星歯
車機構2のサンギヤ2Sの回転数が大きいために全体とし
ての累積変動回転数が大きくなり、また第3速をa欄も
しくはb欄のパターンで設定するとすれば、第2遊星歯
車機構2のサンギヤ2Sの回転方向が変速途中で反転し、
それに伴って累積変動回転数が大きくなる。
また第2速から第4速への飛越し変速は、第2.5速も
しくは第2.7速あるいは第3速を経由して行なうことが
でき、そのための作動表を示せば、第38表ないし第40表
のとおりである。
第2速から第4速への変速の場合、累積変動回転数が
第2速から第4速に直接変速する場合を越えないように
するには、上記の表に示す以外に例えば第2.2速を経由
する方法があるが、そうした場合には第2.2速から第4
速への変速の際に、係合・解放状態を切換えるべき摩擦
係合手段の数が三つ以上となるので、このような方法は
好ましくない。
そして第3速から第4速への変速は、通常の走行で使
用する主要変速段としては互いに隣接する変速段であっ
て飛越し変速とはならないが、第1表もしくは第2表か
ら知られるように第1図あるいは第2図に示す自動変速
機では、これらの変速段の間に第3.2速および第3.5速の
二つの中間の変速段が介在し、この点で所謂飛越し変速
となる。そこでこの発明では、第3速と第4速との間の
変速の際に第3.5速を経由して変速を実行する。その場
合に採用する係合・解放パターンは第41表に示すとおり
である。
この表に伴う変速を実行した場合の回転部材の累積変
動回転数は第2表から知られるとおりであり、第3速か
ら第4速に直接変速した場合の変動回転数を越えること
がなく、また係合・解放状態を切換えるべき摩擦係合手
段の数は二つ以下である。
ところで前述した第1表もしくは第2表から明らかな
ように、第1図もしくは第2図に示す構成の自動変速機
では、第4ブレーキ手段B4を一切係合させずに第1速な
いし第5速の主要変速段を設定することが可能であり、
したがって第4ブレーキ手段B4の無い自動変速機であっ
てもこの発明の方法を適用することができる。その自動
変速機の構成例を第3図および第4図にスケルトン図と
して示す。第3図に示す例は、前記の第1図に示す構成
から第4ブレーキ手段B4を省いたものであり、また第4
図に示す例は前記の第2図に示す構成から第4ブレーキ
手段B4を省いた例である。したがってこれらの第3図も
しくは第4図に示す構成の自動変速機を対象として複数
の中間段が介在する所謂飛越し変速を行なう場合には、
第3表ないし第41表のうち第4ブレーキ手段B4を係合さ
せなくてもよい作動表に従った制御を行なえばよい。具
体的には、第1から第5速への変速は、第3表ないし第
7表に従った変速、第2速から第5速への変速は、第10
表、第12表、第20表、第24表、第31表、第33表、第35表
に従った変速、第3速から第5速の変速は第36表および
第37表に従った変速、第2速から第4速への変速は第38
表ないし第40表に従った変速、第3速から第4速への変
速は第41表に従った変速をそれぞれ行なえばよい。
また第1図もしくは第2図に示す構成の自動変速機で
は、第5クラッチ手段K5を常時係合させ、かつ第1ブレ
ーキ手段B1を常時解放させておいても、主要前進5段と
後進段とを設定できるのであり、したがって第1図もし
くは第2図に示す自動変速機からこれらの摩擦係合手段
を廃止した構成のものであってもこの発明の方法を適用
できる。その例を示せば第5図ないし第7図に示すとお
りであり、第5図に示す例は、第1図に示す構成のうち
第5クラッチ手段K5を廃止して第2遊星歯車機構2のキ
ャリヤ2Cと第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sとを常時連
結し、かつ第1ブレーキ手段B1を廃止し、他の構成は第
1図に示す構成と同様としたものである。また第6図に
示す構成は、前述した第2図に示す構成に対して上記の
例と同様な改良を施したものである。さらに第7図に示
す例は、上記の第5図に示す構成のうち第3遊星歯車機
構3をダブルピニオン型の遊星歯車機構に替え、それに
伴って第1遊星歯車機構1のキャリヤ1Cを第3遊星歯車
機構3のキャリヤ3Cに連結し、かつ第2遊星歯車機構2
のリングギヤ2Rおよび出力軸5を第3遊星歯車機構3の
リングギヤ3Rに連結し、他の構成は第5図に示す構成と
同様としたものである。したがってこれらの第5図ない
し第7図に示す構成の自動変速機を対象として複数の中
間段が介在する所謂飛越し変速を行なう場合には、第3
表ないし第41表のうち第5クラッチ手段K5を常時係合
し、かつ第1ブレーキ手段B1を常時解放する作動表に従
った制御を行なえばよい。具体的には、第1から第5速
への変速は、第5表に従った変速、第2速から第5速へ
の変速は、第14表および第16表に従った変速をそれぞれ
行なえばよい。
さらに第1図もしくは第2図に示す構成の自動変速機
では、第5クラッチ手段K5を常時係合させ、かつ第1ブ
レーキ手段B1および第4ブレーキ手段B4を常時解放させ
ておいても、主要前進5段と後進段とを設定できるので
あり、したがって第1図もしくは第2図に示す自動変速
機からこれらの摩擦係合手段を廃止した構成のものであ
ってもこの発明の方法を適用できる。その例を示せば第
8図ないし第10図に示すとおりであり、第8図に示す例
は、第1図に示す構成のうち第5クラッチ手段K5を廃止
して第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機
構3のサンギヤ3Sとを常時連結し、かつ第1ブレーキ手
段B1と第4ブレーキ手段B4とを廃止し、他の構成は第1
図に示す構成と同様としたものである。また第9図に示
す構成は、前述した第2図に示す構成に対して上記の例
と同様な改良を施したものである。さらに第10図に示す
例は、上記の第8図に示す構成のうち第3遊星歯車機構
3をダブルピニオン型の遊星歯車機構に替え、それに伴
って第1遊星歯車機構1のキャリヤ1Cを第3遊星歯車機
構3のキャリヤ3Cに連結し、かつ第2遊星歯車機構のリ
ングギヤ2Rおよび出力軸5を第3遊星歯車機構3のリン
グギヤ3Rに連結し、他の構成は第8図に示す構成と同様
としたものである。したがってこれらの第8図ないし第
10図に示す構成の自動変速機を対象として複数の中間段
が介在する所謂飛越し変速を行なう場合には、第3表な
いし第41のうち第5クラッチ手段K5を常時係合し、かつ
第1ブレーキ手段B1および第4ブレーキ手段B4を常時解
放する作動表に従った制御を行なえばよい。具体的に
は、第1速から第5速への変速は、第5表に従った変速
を行なえばよい。
上述した各自動変速機の構成は、前述した第1図に示
すギヤトレンを基本構成とするものであるが、この発明
の方法は他のギヤトレンを基本構成としたものにも適用
でき、その例を示せば以下のとおりである。
第11図に示す例は、前述した第1図に示す構成のうち
第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rを第3遊星歯車機構
3のキャリヤ3Cに連結せずに第3遊星歯車機構3のリン
グギヤ3Rに連結し、したがって第1遊星歯車機構1のキ
ャリヤ1Cを第2遊星歯車機構2および第3遊星歯車機構
3のリングギヤ2R,3Rに連結し、他の構成は第1図に示
す構成と同様としたものである。
また第12図に示す例は、上記の第11図に示す構成にお
ける第1遊星歯車機構1をダブルピニオン型遊星歯車機
構に変更し、それに伴って第1遊星歯車機構1のリング
ギヤ1Rを第2遊星歯車機構2および第3遊星歯車機構3
のリングギヤ2R,3Rに連結し、かつ第1遊星歯車機構1
のキャリヤ1Cを第1クラッチ手段K1を介して入力軸4に
選択的に連結するように構成し、他の構成は第11図に示
す構成と同様としたものである。
第13図に示す例は、第11図に示す構成のうち第3遊星
歯車機構3をダブルピニオン型遊星歯車機構に変更し、
それに伴って第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cを第2遊
星歯車機構2のリングギヤ2Rに連結し、かつ第3遊星歯
車機構3のリングギヤ3Rに出力軸5を連結し、他の構成
は第11図に示す構成と同様としたものである。
これら第11図ないし第13図に示す構成の自動変速機で
は、第42表に示す変速段およびそれぞれの変速段を設定
するための摩擦係合手段の係合・解放パターンが可能で
あり、また各遊星歯車機構1,2,3の回転部材の入力回転
数を“1"とした場合の回転数は第43表に示すとおりであ
る。なお、第43表に示す回転数は、各遊星歯車機構1,2,
3をシングルピニオン型遊星歯車機構とした例では、そ
のギヤ比をρ1=0.450、ρ2=0.569、ρ3=0.405と
し、また第1遊星歯車機構1をダブルピニオン型とした
例ではそのギヤ比をρ1=0.31とし、さらに第3遊星歯
車機構3をダブルピニオン型とした例では、そのギヤ比
をρ3=0.28とした場合の値である。
上述した第11図ないし第13図に示す構成の自動変速機
であっても、変速比が等比級数に近い関係となる主要前
進5段の他に第2.2速や第2.5速あるいは第3.2速や第3.5
速などの副次的な変速段を設定できるため、三段以上の
飛越し変速は勿論のこと二段の飛越し変速の場合にも複
数の中間段が介在することがあり、このような場合にこ
の発明の方法を適用して回転変動が少なく、また係合・
解放状態を切換えるべき摩擦係合手段の数を少なくして
変速ショックの少ない変速を行なうことができる。その
例は以下のとおりである。
すなわち第1速から第5速への変換を行なう場合、第
2.5速および第3.5速を経由して変速を実行することがで
き、その場合の作動表の例を第44表ないし第47表に示
す。
これらいずれかの表に従って飛越し変速を行なった場
合、係合・解放状態を実質的に同時に切換えるべき摩擦
係合手段の数は二つ以下であり、またその各回転部材の
変速開始から終了までの累積変動回転数は、第43表から
知られるように、第1速から第5速に直接変速した場合
を越えることがない。なお比較として、第3速のa欄の
パターンもしくはc欄のパターンの係合・解放状態を経
由して飛越し変速を行なうと、第2遊星歯車機構2のサ
ンギヤ2Sの回転数が負の方向もしくは正の方向に増大し
過ぎて不都合である。
また第2速から第5速に飛越し変速する場合、第2.5
速および第3.5速を経由する方法、第3速および第3.5速
を経由する方法、第3速および第4.5速を経由する方法
がある。すなわち第2.5速および第3.5速を経由する方法
の作動表の例は第48表ないし第54表に示すとおりであ
り、また第3速および第3.5速を経由する方法の作動表
の例は第55表ないし第58表のとおりであり、さらに第3
速および第4.5速を経由する方法の作動表の例は第59表
および第60表のとおりである。
これらの作動表に従った飛越し変速では、回転部材の
累積変動回転数が多くなることがない。これに対して例
えば第3速でa欄のパターンもしくはc欄のパターンを
採用すると、前述した例と同様に、第2遊星歯車機構2
のサンギヤ2Sの回転数が負の方向もしくは正の方向に増
大し過ぎる不都合が生じる。
第3速から第5速への変速は、主要変速段で数えた場
合には二段の変速であるが、第3速以外に第3.5速や第
4.5速などの複数の中間段が介在し、そこでこの発明の
方法を適用する場合には、それらの中間段のうち例えば
第4.5速を経由して第5速への変換を行なう。その作動
表の一例を第61表に示す。
この第61表に従う変速を行なえば、回転部材の累積回
転数が多くなることなく、また実質的に同時に係合・解
放状態を切換えるべき摩擦係合手段の数を二つ以下に抑
えて変速を実行することができる。
さらに第2速から第4速に変速する場合には、第2.5
速あるいは第3速もしくは第3.2速を経由する方法があ
り、それらの作動表の一例を第62表ないし第78表に示
す。
これらいずれかの作動表に従って飛越し変速を行なえ
ば、回転部材の累積変動回転数を増大させず、また実質
的に同時に切換え動作させるべき摩擦係合手段の数を二
つ以下に抑えて飛越し変速を実行することができる。こ
の場合も第3速としてa欄のパターンを経由すること
は、前述した理由で好ましくない。
この発明の方法は、前述した第1図もしくは第2図に
示す構成の自動変速機に対して種々の改良を施した自動
変速機に適用できると同様に、第11図ないし第13図に示
す自動変速機に種々の改良を施した自動変速機にも適用
できるのであり、その例を以下に示す。
第14図ないし第16図に示す例は、第4ブレーキ手段B4
を廃止した例であり、より具体的には、第14図に示す構
成の自動変速機は第11図に示す構成から第4ブレーキ手
段B4を廃止したものであり、また、第15図に示す構成の
自動変速機は第12図に示す構成から第4ブレーキ手段B4
を廃止したものであり、さらに第16図に示す構成の自動
変速機は第13図に示す構成から第4ブレーキ手段B4を廃
止したものである。
これらの自動変速機を対象としてもこの発明を実施す
ることができ、その場合、前述した第44表ないし第78表
のうち第4ブレーキ手段B4を解放して実行することので
きる作動表に従う変速制御を行なえばよい。例えば、第
1速から第5速への変速は第46表もしくは第4表に従う
変速を行なえばよい。第2速から第5速への変速は、第
51表、第57表、第58表のいずれかの作動表に従った変速
を行なえばよい。そして第2速から第4速への変速は第
65表ないし第72表に従った変速を行なえばよい。
第5クラッチ手段K5および第1ブレーキ手段B1を備え
ていない自動変速機にもこの発明の方法を適用でき、そ
の自動変速機の例を示すと、第17図に示す構成は、第11
図に示す構成から第5クラッチ手段K5を廃止して第2遊
星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機構3のサン
ギヤ3Sとを常時連結し、かつ第1ブレーキ手段B1を廃止
したものであり、また第18図に示す構成は、同様に、第
12図に示す構成から第5クラッチ手段K5および第1ブレ
ーキ手段B1を廃止して構成したものであり、さらに第19
図に示す構成は、第13図に示す構成から第5クラッチ手
段K5および第1ブレーキ手段B1を廃止して構成したもの
である。
これらの構成の自動変速機を対象としてこの発明の方
法を実施する場合、例えば第1速から第5速の飛越し変
速は第45表もしくは第47表に従って行なえばよく、また
第2速から第5速への飛越し変速は第48表もしくは第50
表に従った変速を行なえばよく、さらに第2速から第4
速への変速は第62表に従った変速を行なえばよい。
第11図ないし第13図に示す構成から第5クラッチ手段
K5と第1および第4ブレーキ手段B1,B4とを廃止した構
成の自動変速機を対象としてこの発明の方法を実施する
ことができ、そのような自動変速機の例は第20図ないし
第22図に示すとおりである。すなわち第20図に示す構成
は、第11図に示す構成から第5クラッチ手段K5を廃止し
て第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機構
3のサンギヤ3Sとを常時連結し、かつ第1および第4ブ
レーキ手段B1,B4を廃止したものである。また第21図に
示す構成は、同様に、第12図に示す構成から第5クラッ
チ手段K5および第1ブレーキ手段B1、第4ブレーキ手段
B4を廃止して構成したものである。さらに第22図に示す
構成は第13図に示す構成から第5クラッチ手段K5および
第1ブレーキ手段B1、第4ブレーキ手段B4を廃止して構
成したものである。
これらの自動変速機を対象としてこの発明の方法を実
施する場合には前述した第44表ないし第78表のうち第5
クラッチ手段K5を常時係合し、かつ第1ブレーキ手段B1
および第4ブレーキ手段B4を常時解放する作動表を採用
すればよく、具体的には、第1速から第5速への飛越し
変速の場合に47表に従った変速制御を実行すればよい。
さらにこの発明を適用することのできる自動変速機の
例およびその自動変速機を対象としたこの発明の方法の
数例を示すと、第23図に示す自動変速機は第1および第
3の遊星歯車機構1,3としてシングルピニオン型の遊星
歯車機構を使用し、かつ第2遊星歯車機構としてダブル
ピニオン型の遊星歯車機構を使用したものであって、各
リングギヤ1R,2R,3Rが互いに一体となって回転するよう
連結され、また第1遊星歯車機構1のキャリヤ1Cと第2
遊星歯車機構2のキャリヤ2Cとが連結されると共にこれ
らが第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに第4クラッチ手
段K4を介して連結されている。入力軸4と第2遊星歯車
機構2のサンギヤ2Sとの間に第1クラッチ手段K1が設け
られ、また入力軸4と第2遊星歯車機構2のキャリヤ2C
との間に第2クラッチ手段K2が設けられ、さらに入力軸
4と第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sとの間に第3クラ
ッチ手段K3が設けられている。一方、ブレーキ手段とし
ては、第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sの回転を選択的
に阻止する第1ブレーキ手段B1と、互いに連結された第
1遊星歯車機構1および第2遊星歯車機構2のキャリヤ
1C,2Cの回転を阻止する第2ブレーキ手段B2と第1遊星
歯車機構1のサンギヤ1Sの回転を選択的に阻止する第3
ブレーキ手段B3とが設けられている。そして出力軸5は
第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cに連結されている。
第24図に示す構成のものは、上述した第23図に示す構
成のうち第1遊星歯車機構1と第2遊星歯車機構2と
を、ラビニョオ型遊星歯車機構8に変えたものである。
すなわちラビニョオ型遊星歯車機構8は、リングギヤR
および第1サンギヤ1Sに噛合するピニオンギヤおよびそ
のピニオンギヤと第2サンギヤ2Sと噛合する他のピニオ
ンギヤを保持したキャリヤCとを有しており、リングギ
ヤRが第3遊星歯車機構3のリングギヤ3Rに連結される
とともに、キヤリヤCが第4クラッチ手段K4を介して第
3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに連結され、また第1サ
ンギヤ1Sが第3クラッチ手段K3を介して入力軸4に連結
され、さらに第2サンギヤ2Sが第2クラッチ手段K2を介
して入力軸4に連結され、キャリヤCが第1クラッチ手
段K1を介して入力軸4に連結されている。そして出力軸
5は第3遊星歯車機構3のキャリヤ3Cに連結されてい
る。またブレーキ手段としては、第3遊星歯車機構3の
サンギヤ3Sの回転を選択的に阻止する第1ブレーキ手段
B1、ラビニョオ型遊星歯車機構8のキャリヤCの回転を
選択的に阻止する第2ブレーキ手段B2、前記第1サンギ
ヤ1Sの回転を選択的に阻止する第3ブレーキ手段B3がそ
れぞれ設けられている。
これら第23図あるいは第24図に示す構成の自動変速機
では、第79表に示す変速段およびそれぞれの変速段を設
定するための摩擦係合手段の係合・解放のパターンが可
能であり、また各遊星歯車機構1,2,3の回転部材の入力
回転数を“1"とした場合の回転数は第80表に示すとおり
である。なお第80表に示す回転数は、各遊星歯車機構1,
2,3のギヤ比をρ1=0.569、ρ2=0.446、ρ3=0.405
とした場合の値である。
上述した第23図もしくは第24図に示す構成の自動変速
機であっても、変速比が等比級数に近い関係となる主要
前進5段の他に第2.2速や第4.5速などの副次的な変速段
を設定できるため、三段以上の飛越し変速は勿論のこと
二段の飛越し変速の場合にも複数の中間段が介在するこ
とがあり、このような場合にこの発明の方法を適用して
回転変動が少なく、また係合・解放状態を切換えるべき
摩擦係合手段の数を少なくして変速ショックの少ない変
速を行なうことができる。その例は以下のとおりであ
る。
すなわち第1速から第5速への変換を行なう場合、第
2.5速もしくは第2.5速と第4.5速とを経由して変速を実
行することができ、その場合の作動表の例を第81表ない
し第83表に示す。
これらいずれかの表に従って飛越し変速を行なった場
合、係合・解放状態を実質的に同時に切換えるべき摩擦
係合手段の数は二つ以下であり、またその各回転部材の
変速開始から終了までの累積変動回転数は、第80表から
知られるように、第1速から第5速に直接変速した場合
を越えることがない。なお比較して、第3速や第4速を
経由して変速を行なった場合、第1遊星歯車機構1のサ
ンギヤ(もしくは前記第1サンギヤ)1Sや第3遊星歯車
機構3のサンギヤ3Sの回転変化方向が変速途中で反転す
るため、その累積変動回転数が増大する不都合がある。
また第2速から第5速に飛越し変速する場合、第2.5
速を経由して変速を実行し、その場合の作動表の一例は
第84表に示すとおりである。
この作動表に従った飛越し変速では、回転部材の累積
変動回転数が多くなることがない。これに対して例えば
第3速や第4速を経由した場合には、前述した例と同様
に、第1遊星歯車機構1のサンギヤ(もしくは前記第1
サンギヤ)1Sの累積変動回転数が増大する不都合が生じ
る。
さらに第2速から第4速に変速する場合には、第2.5
速を経由する方法があり、その作動表の一例を第85表お
よび第86表に示す。
これらいずれかの作動表に従って飛越し変速を行なえ
ば、回転部材の累積変動回転数を増大させず、また実質
的に同時に切換え動作させるべき摩擦係合手段の数を二
つ以下に抑えて飛越し変速を実行することができる。こ
の場合も第3速を経由することは、前述した理由で好ま
しくない。
ところで上述した各作動表に従う変速制御は、各変速
段を設定する摩擦係合手段の係合・解放パターンを予め
データとして記憶しておき、変速指令に基いてそれらの
データを呼出して各変速段を設定するよう制御する方法
や、例えば第1表や第42表もしくは第79表に示すような
各変速段ごとの全ての係合・解放パターンを記憶してお
き、変速指令に基づく目標変速段が、中間に複数の変速
段の介在する飛越し変速である場合に、上述した累積変
動回転数ならびに係合・解放状態を実質的に同時に切換
え動作させるべき摩擦係合手段の数などの条件に基づい
て経由すべき中間変速段を判断する方法などによって実
行できる。この後者の方法を簡単に説明すれば、第25図
のブロック図において、自動変速機Aを制御するための
制御装置Eに車速Vおよびスロットル開度θを入力し、
これらのデータをパラメータとした変速線図に従って変
速指令を出力し、設定すべき変速段を決定する。そして
第26図のフローチャートにおいて、車速Vおよびスロッ
トル開度θならびに現行の変速段Gsを読み込み(ステッ
プ1)、ついで車速Vおよびスロットル開度θに基づい
て決定される目標変速段Gaが現行変速段Gsと同じか否か
の判断を行ない(ステップ2)、その結果が“イエス”
であればステップ1の前に戻り、また“ノー”であれ
ば、ステップ3に進んで同時変速か否かの判断を行な
う。ここで同時変速とは、目標とする変速段を構成する
ために実質的に同時に係合・解放状態を切換えるべき摩
擦係合手段の数が三つ以上となる変速パターンであり、
同時変速でなければ、すなわち判断結果が“ノー”であ
れば、ステップ4に進んで目標変速段Gaに直ちに変速す
るための指令を出力する。また目標変速段Gaへの変速が
同時変速となる場合、すなわちステップ3での判断結果
が“イエス”の場合には、現行の変速段Gsと目標変速段
Gaとの間に介在する中間変速段のうち所定の変速段Gmを
経由した場合の回転部材の累積変動回転数が最少となる
か否かを判断し、その判断結果が“ノー”の場合には走
査過程は直前に戻って再度同様な判断を行ない、こうし
て回転部材の累積変動回転数が最少となる中間変速段Gm
を求める(ステップ5)。ステップ5の判断結果が“イ
エス”であれば、次のステップ6においてその中間変速
段Gmを経由する変速が同時変速となる否かを判断し、そ
の結果が“イエス”であれば、ステップ5の前に戻って
他の中間変速段について同様な判断を繰返して行なう。
またステップ6での判断結果が“イエス”であれば、選
択された中間変速段を経由する飛越し変速を行なえば、
回転部材の回転変動が少なく、かつ同時変速の生じない
変速パターンとなることになり、したがってステップ7
では現行の変速段Gsから目標変速段Gaへの変速を選択さ
れた中間変速段Gmを経由して行なう変速指令を自動変速
機Aに出力する。
なおこの発明で対象とする自動変速機の構成は上述し
た実施例で示したものに限定されないのであり、クラッ
チ手段やブレーキ手段などの摩擦係合手段として、バン
ドブレーキや多板クラッチなどを組合わせた構成など、
本出願人が例えば特願昭63−176270号や特願昭63−2216
70号などで示した構造のものを採用することができる。
またこの発明では、各変速段を設定するために選択する
摩擦係合手段の係合・解放の組合せのパターンは上述し
た実施例で示したパターンに限定されず、それぞれの自
動変速機の構造に応じて変化させることになる。
発明の効果 以上の説明から明らかなようにこの発明の変速制御方
法では、複数の変速段が中間に介在する変速を実行する
場合に、現行の変速段から目標とする変速段に直ちに変
速せずに、回転部材の累積変動回転数が可及的に少なく
なり、また実質的に同時に係合・解放状態を切換えるべ
き摩擦係合手段の数が少なくなるよう所定の中間の変速
段を経由して変速を行なうから、変速に伴う回転部材の
回転変動および慣性力が小さくなり、また摩擦係合手段
の係合・解放状態の切換えのタイミングが適正化され、
その結果、変速ショックの少ない良好な変速を実行する
ことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図ないし第24図はこの発明の方法を適用することの
できる自動変速機の例をそれぞれ示すスケルトン図、第
25図は自動変速機の一般的な制御系統を模式的に示すブ
ロック図、第26図はこの発明の方法の一例を説明するた
めのフローチャートである。 1,2,3……遊星歯車機構、1S,2S,3S……サンギヤ、1C,2
C,3C……キャリヤ、1R,2R,3R……リングギヤ、K1,K2,K
3,K4,K5……クラッチ手段、B1,B2,B3,B4……ブレーキ手
段、A……自動変速機、E……制御装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の摩擦係合手段とこれらの摩擦係合手
    段の係合・解放の状態に応じて変速比の互いに異なる複
    数の変速段に設定され、かつ少なくともいずれか一つの
    変速段を設定するための摩擦係合手段の係合・解放の組
    合せパターンが複数種類ある歯車列と、入力されたデー
    タに基づいて変速比を決定するとともに決定した変速比
    を設定するべく前記摩擦係合手段を係合させるよう信号
    を出力する制御手段とを有する自動変速機の変速制御方
    法において、 現行変速段から前記制御手段によって決定された目標変
    速段に変速するべく前記の摩擦係合手段の係合・解放の
    組合せパターンを変更する際に、 前記目標変速段を成立させる摩擦係合手段の係合・解放
    の組合せパターンを設定するに先立って、 変速比が前記現行変速段と目標変速段との中間の値とな
    る変速段のための摩擦係合手段の係合・解放の組合せパ
    ターン、あるいは変速比が現行変速段もしくは目標変速
    段と同一になる摩擦係合手段の係合・解放パターンを複
    数種類設定することが可能な場合に、 これらの設定可能な複数種類の組合せパターンのうち、
    現行変速段から目標変速段に変速するために摩擦係合手
    段の係合・解放の組合せパターンを変更する途中で一時
    的に設定することによりその変速の開始から終了までの
    間において係合・解放状態を実質的に同時に替える摩擦
    係合手段の数およびその変速の開始から終了までの間で
    の歯車列における回転部材の累積変動回転数が共に少な
    くなる係合・解放の組合せパターンを選択して一時的に
    設定すること を特徴とする自動変速機の変速制御方法。
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