JP2827302B2 - 蒸着装置 - Google Patents

蒸着装置

Info

Publication number
JP2827302B2
JP2827302B2 JP19405389A JP19405389A JP2827302B2 JP 2827302 B2 JP2827302 B2 JP 2827302B2 JP 19405389 A JP19405389 A JP 19405389A JP 19405389 A JP19405389 A JP 19405389A JP 2827302 B2 JP2827302 B2 JP 2827302B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holder
holding
vapor deposition
thin film
evaporation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19405389A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0361357A (ja
Inventor
恵造 松下
善之 三橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP19405389A priority Critical patent/JP2827302B2/ja
Publication of JPH0361357A publication Critical patent/JPH0361357A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2827302B2 publication Critical patent/JP2827302B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子若しくはイオンビームが照射されて
蒸着材料を蒸発させる蒸着装置に係り、特に、設置面積
を拡大することなく、薄膜形成対象物への生産性を向上
させる上で極めて有効な新方式の蒸着装置に関する。
〔従来の技術〕
従来における蒸着装置としては、例えば第13図に示す
ように、真空チャンバ101の中央底部に蒸着材料Mが仕
込まれた蒸発源としてのハース102を配設すると共に、
ハース102内の蒸着材料Mに対して電子ビームBmが照射
される例えば一対の電子ガン103を配設する一方、上記
真空チャンバ101の上方には例えば薄膜形成対象物とし
ての基板104を複数配設し、電子ビームBmによって蒸着
材料Mを蒸発させ、基板104表面に蒸着材料Mを付着す
るようにしたものが知られている(株式会社アグネの
「真空技術」シークフリート・シラー,ウルリッヒ・ハ
イジッヒ著〔日本真空技術(株)訳〕第50〜51頁参
照)。尚、第13図中、符号105は電子ガン103からの電子
ビームBmをハース102内の蒸着材料Mに向けて導くため
の偏向電極である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、従来の蒸着装置において用いられる蒸発源
としてのハース102は主として溶融性の蒸着材料Mを想
定して設計され、所謂ルツボ型の受け皿構成になってい
たため、ハース102の配設姿勢は水平方向に限られ、必
然的に、蒸着材料Mの付着可能領域は鉛直上方に制約さ
れてしまう。
それゆえ、複数の基板104を着膜する際には、付着条
件が均一になる範囲で、ハース102の鉛直上方において
複数の基板104を配置することが必要になるが、特に、
薄膜形成対象物である基板104自体が大型化してきた場
合には、真空チャンバ101自体の設置面積を拡大しない
限り、基板104の配置スペースを確保することが困難で
あり、真空チャンバ101の設置面積当たりの処理能力そ
のものが頭打ちになっていた。
この発明は、以上の技術的課題に着目してなされたも
のであって、設置設備面積当たりの蒸着処理能力を向上
させることを可能とした蒸発源及びこれを用いた蒸着装
置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、この発明に係る蒸着装置は、真空チャンバ
と、取付けベースに対して傾動自在に支承され、所定姿
勢にて固定される支持部材、及び、この支持部材に昇華
性蒸着材料が位置決め保持される保持ハースを具備し、
上記真空チャンバ内の中央部に配設される蒸発源と、こ
の蒸発源に保持された、昇華性蒸着材料へ電子若しくは
イオンビームを照射するビームガンと、上記蒸発源を囲
繞して設けられると共に、多数の薄膜形成対象物が略垂
直に着脱自在に保持される薄膜形成対象物保持手段と、
上記蒸発源に対して薄膜形成対象物保持手段を相対的に
回転させる回転駆動手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
このような技術的手段において、上記蒸発源において
用いられる昇華性の蒸着材料としては、錫ドープ酸化イ
ンジウム(ITO)を始め用途に応じて適宜選定すること
ができる。
また、上記支持部材の支持構造としては、傾動自在な
チルト支持機構にて支持部材を支承し、しかも、支持部
材を任意の位置で拘束し得るものであれば、適宜設計変
更して差し支えない。
更に、上記保持ハースとしては、上記支持部材の傾斜
姿勢に応じて蒸着材料の位置がずれないように保持する
ことができ、しかも、蒸着材料の蒸発条件を維持する上
で冷却水や電流を導入し得るものであれば、適宜設計変
更して差し支えない。
また、上記蒸着材料の仕込み量を増加して長時間連続
蒸着を実現するという観点に立てば、上記保持ハース構
成として、表面部位に昇華性蒸着材料の受け部が設けら
れる回転可能な回転ハース本体と、この回転ハース本体
の受け部に位置決めされた昇華性蒸着材料を保持する材
料ホルダとからなるものを用いることが好ましい。この
場合において、上記回転ハース本体の回転動作として
は、蒸着材料の蒸発速度を考慮し、リング上の蒸着材料
全体を順次消費するように連続的に回転させるようにし
てもよいし、複数個の単位蒸着材料を個々的に配置した
場合にあっては、各単位蒸着材料を順次消費するように
間欠的に回転させるようにしてもよい。
更にまた、このような蒸発源を利用した蒸着装置発明
において、真空チャンバとしては、薄膜形成対象物の出
し入れが可能で、しかも、所望の真空度を保持し得るよ
うに設計したものであれば、適宜設計変更して差し支え
ない。
また、真空チャンバ内に配設される蒸発源の数として
は、必ずしも一つである必要はなく、付着処理面積を上
下方向において拡大する場合には、垂直方向において蒸
発源を複数配設するように設計することが好ましい。
そしてまた、ビームガンの配設位置については、支持
部材の傾斜市が変化することに伴って、保持ハースにて
保持される蒸着材料へのビーム照射位置も変化するた
め、ビームガンと保持ハースとの相対位置が変化しない
ように、支持部材上にビームガンを固定的に配設する
か、あるいは、上記支持部材の傾斜位置に応じてビーム
ガンの傾斜姿勢あるいはビーム軌跡を変化させるように
設計することが必要である。
また、薄膜形成対象物保持手段としては、所定サイズ
の薄膜形成対象物専用に予め製作しても差し支えない
が、蒸着装置としての汎用性を高めるという観点からす
れば、薄膜形成対象物保持手段として、上記蒸発源を囲
繞して設けられるドラム状取付けフレームと、このドラ
ム状取付けフレームの円周方向に対して係脱自在に所定
数配置され、上下方向にて所定数の薄膜形成対象物が着
脱自在に保持される対象物ホルダとを備える等、各種サ
イズの薄膜形成対象物に対応できるように設計すること
が好ましい。
この場合において、上記対象物ホルダの汎用性をより
高めるという観点からすれば、薄膜形成対象物の上下方
向寸法あるいは幅方向寸法に応じて対象物ホルダの薄膜
形成対象物保持領域を可変設定し得るように設計するこ
とが好ましい。
更に、上記回転駆動手段としては、蒸発源から蒸発し
た蒸着材料が周囲の薄膜形成対象物に均一に付着するよ
うに、薄膜形成対象物保持手段及び蒸発源の少なくとも
いずれか一方を所定速度で回転させるようにしたもので
あれば適宜設計変更することができる。
〔作用〕
上述したような技術的手段において、上記蒸発源は、
昇華性蒸着材料を任意の傾斜角度にて保持するものであ
るため、蒸着材料の蒸発主方向を鉛直方向に制約するこ
となく任意に設定することができる。
また、上記蒸着装置にあっては、蒸発源からの昇華性
蒸着材料の蒸発主方向が真空チャンバの側方に向かう任
意の方向に予め設定され、しかも、回転駆動手段が蒸発
源に対して薄膜形成対象物保持手段を相対的に回転させ
るので、蒸発源から蒸発した蒸着材料は上記蒸発主方向
を中心とした蒸発源の周囲全域に向かい、薄膜形成対象
物表面に均一に付着される。
〔実施例〕
以下、添付図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳
細に説明する。
第1図及び第2図はこの発明が適用された蒸着装置の
一実施例を示す。
同図において、符号1は真空チャンバ、20(具体的に
は20a,20b)は真空チャンバ1の中央部鉛直方向におい
て上下に一対配設される蒸発源、40(具体的には40a,40
b)は各蒸発源20の蒸着材料M(この実施例では錫ドー
プ酸化インジウム〔ITO〕)へ電子ビームを照射する電
子ガンユニット、50は薄膜形成対象物である基板Gを保
持する基板保持装置、90は基板保持装置50を回転させる
回転駆動装置である。
この実施例において、真空チャンバ1は架台2上に設
置されており、上下が塞がれた円筒状のチャンバ本体3
の周壁のうち相対向する部位にドア開口4,5を夫々開設
し、各ドア開口4,5には開閉ドア6,7を開閉自在に取付
け、各開閉ドア6,7を開放することにより、真空チャン
バ1内に薄膜形成対象物となる基板Gを出し入れできる
構成になっている。また、上記チャンバ本体2の底壁に
は高真空ゲートバルブ9を介して真空ポンプ10が連通接
続されており、上記真空ポンプ10には連通配管11を介し
て粗引き用ポンプユニット12が連通接続されている。更
に、上記真空チャンバ1の内周壁全域には背面ヒータ13
が設けられており、真空チャンバ1内の周囲に配置され
る基板Gを所定温度に加熱して蒸着材料Mである錫ドー
プ酸化インジウム(ITO)の付着性を維持するようにな
っている。
また、下側蒸発源20aは下側取付けブラケット21(具
体的には21a)を介して真空チャンバ1の底部に設置さ
れており、一方、上側蒸発源20aは上側取付けブラケッ
ト21(具体的には21b)を介して真空チャンバ1の頂部
に吊り下げ支持されている。
この実施例において、蒸発源20は、特に第3図(a)
(b)に示すように、上記取付けブラケット21に傾動自
在に支承される支持プレート22と、この支持プレート22
上に配設される蒸着材料M保持用の保持ハース30とを備
えている。
より具体的に述べると、上記支持プレート22の支持構
造は、取付けブラケット21に一対のサポートブラケット
23を立設すると共に、このサポートブラケット23には軸
受部材26を介して一対の中空状の回転シャフト24(具体
的には24a,24b)を回転自在に軸支する一方、上記支持
プレート22の両側に一対の突出片25を突設すると共に、
この突出片25に上記回転シャフト24を固着し、更、上記
回転シャフト24の一端には回転角調整機構27を介してア
クチュエータとしてのパルスモータ28の出力軸を連結
し、図示外の制御盤上で指定した位置情報により上記パ
ルスモータ28を適宜回転させ、上記支持プレート22のチ
ルト姿勢を所望のものに設定するようにしたものであ
る。
この実施例において、上記回転角調整機構27は、特に
第3図(b)に示すように、取付けブラケット21に固着
されるパルスモータ28の出力軸により回転する上下方向
に延びる駆動シャフト201と、この駆動シャフト201の回
転をベベルギア202を介して略水平方向へ伝達する伝達
シャフト203と、この伝達シャフト203の回転を上記回転
シャフト24に伝達する伝達ギア204とを備えている。
尚、符号205は上記伝達シャフト203を回転支承する軸受
部材である。
また、上記保持ハース30は、特に第3図及び第4図に
示すように、支持プレート22の表面一側に回転軸体31を
介して回転自在に支承される円柱状の回転ハース本体32
と、この回転ハース本体32表面に取り付けられ、かつ、
円周方向に所定角度間隔で複数の円形状材料受け部34が
例えば六個形成されたベースプレート33と、各材料受け
部34にボンディングされた蒸着材料Mである円板状の材
料ペレット35を拘束保持すべく、ベースプレート33にね
じ37止めされるクランプリング36とを備えている。尚、
符号39は蒸着対象箇所以外の材料パレット35を覆うカバ
ーである。
この実施例において、回転軸体31は、支持プレート22
の裏面側に設けられた回転支持機構300を介してアクチ
ュエータとしてのパルスモータ301の出力軸に連結され
ており、このパルスモータ301にて所定の時間間隔(こ
の実施例では上記材料ペレット35が電子ビームによって
消費される上で充分な時間)で材料ペレット35間の回転
角度分だけ間欠的に回転するようになっている。
そして、上記回転支持機構300は、例えば、取付けブ
ラケット21に固着された上記パルスモータ301の出力軸
により回転する上下方向に延びる駆動シャフト302と、
この駆動シャフト302の回転をベベルギア303を介して略
水平方向に伝達し、かつ、上記一方の回転シャフト24a
の中空部に軸受部材304を介して回転支承される第一伝
達シャフト305と、この第一伝達シャフト305と略平行に
配置され、支持プレート22に固着される軸受部材306を
介して回転支承される第二伝達シャフト307と、第一伝
達シャフト305から第二伝達シャフト307へ駆動力を伝達
するプーリ,ベルトからなるベルト伝達系308と、上記
第二伝達シャフト307の回転を回転軸体31に伝達するベ
ベルギア309とで構成されている。
また、上記回転ハース本体32内には冷却水が導入され
る冷却水路(図示せず)が形成されており、この冷却水
路には冷却水供給装置320からの冷却水が供給されるよ
うになっている。
この実施例において、冷却水供給装置320は、上記取
付けブラケット21に固着されるハース冷却水供給部321
と、このハース冷却水供給部321からの冷却水を回転支
持機構300の設けられていない側の回転シャフト24bの中
空部を介して上記回転軸体31の中心部より上記冷却水路
へ導く冷却水導入配管322と、冷却水路からの水を回転
軸体31の中心部より上記回転シャフト24bの中空部を介
して冷却水供給部321へ戻す冷却水排出配管323とを備え
ている。
そしてまた、回転ハース本体32は図示外の通電ハーネ
スを介して真空チャンバ1に接続されている。
更に、この実施例においては、上記電子ガンユニット
40は、上記支持プレート22の表面他側に固定されてお
り、ユニットケース41内に電子ビームBmが照射される電
子ガン42及び電子ガン42からの電子ビームBmが所定角度
(この実施例では270゜)偏向される偏向電極43を格納
したものである。そして、電子ガン42からの電子ビーム
Bmは、偏向電極42にて偏向された後、ユニットケース41
のビーム開口44から外部に導出されると共に、保持ハー
ス30の特定位置にある材料ペレット35部位に照射される
ようになっている。尚、第3図(b)中、符号45は電子
ガンユニット40への電力供給用ハーネスである。
また、上記基板保持装置50は、第1図及び第2図に示
すように、真空チャンバ1の周囲に配設されるドラム状
の取付けフレーム51と、この取付けフレーム51に係脱自
在な複数の基板ホルダ60とで構成されている。
この実施例において、上記取付けフレーム51は、特に
第5図に示すように、真空チャンバ1内の上方に配設さ
れるアッパリング52と、真空チャンバ1内の下方に配設
されるロアリング53と、アッパリング52及びロアリング
53間を連結する複数の連結バー54とを備え、回転駆動リ
ング55上に複数の連結サポート56を介して固定されてい
る。
そして、上記回転駆動リング55は下方側へ突出する複
数のガイドローラ57を有し、真空チャンバ1の底部に配
設されたリング状のガイドレール58に沿ってガイドロー
ラ57を摺動自在に移動させることにより回転動作し得る
ようになっている。
一方、基板ホルダ60は、第1図,第2図及び第6図に
示すように、取付けフレーム51の円周方向に沿って所定
数(この実施例では15個)配列されると共に、所定数
(この実施例では三枚)の基板Gを略垂直な姿勢に保持
するようになっている。
より具体的に述べると、この実施例に係る基板ホルダ
60は、特に第7図ないし第9図に示すように、基板Gの
幅方向両側に沿って垂直方向に延びる一対のホルダ縦フ
レーム61,62と、このホルダ縦フレーム61,62間にねじ65
止めにて架設される複数(この実施例では五本)のホル
ダ横フレーム71ないし75とを備えている。
そして、上記ホルダ縦フレーム61,62にはホルダ横フ
レーム71ないし75の取付孔63が各種基板Gサイズを考慮
して多数開設されており、上記ホルダ縦フレーム61,62
の上下方向略中央には持ち運び用のハンドル64が設けら
れている。
また、最上段のホルダ横フレーム71の略中央には上記
取付けフレーム51のアップリング52に係脱される係止フ
ック76が溶接されており、上記アッパリング52の各基板
ホルダ60の取付け位置に対応した部位には係止フック76
を位置決めする位置決めガイド59が設けられている。
そしてまた、上記最上段のホルダ横フレーム71の下縁
両側には第一のホルダクランパ77が、第二段目,第三段
目のホルダ横フレーム72,73には第二のホルダクランパ7
8が、第四段目のホルダ横フレーム74には第三のホルダ
クランパ79が夫々ねじ80止めされている。尚、この実施
例では、付着対象となる基板Gの上下方向寸法の関係か
ら最下段のホルダ横フレーム75にはホルダクランパが設
けられていない。
この実施例において、上記第一のホルダクランパ77
は、取付け基部81に基板Gの上縁が係止されるフック状
のクランプ板バネ82をねじ80止めしたものであり、ま
た、第二のホルダクランパ78は、取付け基部81の上縁に
基板Gの下縁が係止される保持溝83を凹設すると共に、
取付け基部81に基板Gの上縁が係止されるフック状のク
ランプ板バネ82をねじ80止めしたものであり、更に、第
三のホルダクランパ79は、取付け基部の上縁に基板Gの
下縁が係止される保持溝83を凹設したものである。
また、回転駆動装置90は、特に第2図及び第5図に示
すように、真空チャンバ1の底部に配設された回転駆動
モータ91と、この回転駆動モータ91の回転シャフト92に
連結されるピニオンギア93と、上記回転駆動リング55の
内周縁に刻設されて上記ピニオンギア93が噛み合うラッ
ク94とで構成されている。
次に、この実施例に係る蒸発源及び蒸着装置の作動に
ついて説明する。
先ず、蒸発源20の作動について述べると、第3図に示
すように、支持プレート22は、図示外のチルト支持機構
にて任意のチルト姿勢(チルト角度θ)に設定される。
このとき、上記保持ハース30も上記支持プレート22の
チルト姿勢に応じて傾斜配置されることになるが、材料
ペレット35は固体状のもので上記保持ハース30に確実に
保持されているため、材料ペレット35が保持ハース30か
ら零れたり、位置ずれしたりする懸念は全くない。そし
て、上記電子ガンユニット40からの電子ビームBmが保持
ハース30の特定位置Pにある材料ペレット35に照射され
ると、上記材料ペレット35は上記支持プレート22のチル
ト姿勢に直交する方向を蒸発主方向Sとして順次蒸発し
ていく。
また、上記保持ハース30は、矢印m方向に向かって間
欠的に回転するため、新しい材料ペレット35が電子ビー
ム照射位置Pに順次供給されることになり、六個の材料
ペレット35が総て消費されるまでの間連続蒸着処理が行
われ得る。
次に、蒸着装置の作動について述べると、例えば第10
図に示すように、初期設定条件として、下側蒸発源20a
の支持プレート22のチルト姿勢をチルト角度θ1に設定
し、保持ハース30から蒸発する蒸着材料Mの付着可能領
域A1として基板ホルダ60の下側領域に対応したものを選
定する一方、上側蒸発源20bの支持プレート22のチルト
姿勢をチルト角度θ2に設定し、保持ハース30から蒸発
する蒸着材料Mの付着可能領域A2として基板ホルダ60の
上側領域に対応したものを選定する。
このような初期設定を行った状態において、真空チャ
ンバ1内を開放し、基板保持装置50の取付けフレーム51
に予め基板Gが保持された基板ホルダ60をセットした
後、真空チャンバ1内を所定の真空環境に調整する。
この後、上記一対の蒸発源20a,20bにて蒸着材料Mの
蒸発動作を行わせると共に、上記回転駆動装置90にて基
板保持装置50を矢印n方向で回転させると、蒸発源20a,
20bからの蒸着材料Mは夫々付着可能領域A1,A2に向かっ
て蒸発しており、しかも、基板保持装置50に保持されて
いる総ての基板Gは上記付着可能領域A1,A2を通過する
ので、基板保持装置50の各基板ホルダ60に保持された基
板Gは上記蒸着材料Mにて均一に付着される。
また、基板保持装置50は真空チャンバ1内の側方空間
を鉛直方向において基板Gの配設スペースとして利用し
たものであるため、付着対象である基板Gの数が増加し
たとしても、基板Gの配設スペースが水平方向において
拡大することはなく、設備設置面積が不必要に増大する
事態は有効に回避される。
更に、この実施例においては、蒸着材料Mの一回の仕
込み量を充分に増加させることができるので、連続蒸着
時間を十分に長いものにして、厚膜蒸着を実現すること
ができる。
尚、上記実施例の各構成要素については、基本的な機
能を実現する範囲で適宜設計変更して差し支えない。例
えば、保持ハース30の変形例としては、第11図に示すよ
うに、回転ハース本体32上のベースプレート33表面に一
つの円形状材料受け部34′を形成し、この材料受け部3
4′内にリング状の材料ペレット35′を収容し、この材
料ペレット35′の外周縁をクランプリング36′で拘束保
持すると共に、上記材料ペレット35′の内周縁を円板状
のクランププレート38で拘束保持するようにしてもよ
い。
この場合には、上記材料ペレット35′がリング状に連
続的に露呈しているので、回転ハース本体32を連続的に
回転させて材料ペレット35′を全体的に順次消費させる
ようにすることができる。
また、上記実施例にあっては、上記支持プレート22の
チルト動作あるいは上記保持ハース30の回転動作を行う
ためのアクチュエータとしてのパルスモータ28,301を真
空チャンバ1内に配設しているが、これに限られるもの
ではなく、例えば、第12図に示すように、真空チャンバ
1の壁に貫通孔210(330)を開設し、この貫通孔210(3
30)に対応した真空チャンバ1の外側大気中にパルスモ
ータ28(301)を取付け、上記貫通孔210(330)に上記
パルスモータ28(301)からの出力軸211(331)を真空
シール部材212(332)を介して挿通させ、上記出力軸21
1(331)からの駆動力をユニバーサルシャフト213(33
3),ベベルギア214(334),伝達シャフト215(335)
等を介して支持プレート22,保持ハース33へ伝達するよ
うにしてもよい。
この場合、アクチュエータとしてのパルスモータ28,3
01に関し、真空用のものを使用しなくて済むため、アク
チュエータを安価なものにすることができる。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、請求項1記載の蒸着装置に
よれば、使用する蒸発源が昇華性蒸着材料の蒸発主方向
を任意の方向に設定し得る構成になっているので、薄膜
形成対象物の配設スペースとして真空チャンバの鉛直上
方空間に制約されることなく、真空チャンバの側方空間
を有効に利用することができる。
よって、蒸発源の周囲に位置する真空チャンバ内の側
方空間全域を薄膜形成対象物の配設スペースとして使用
することが可能になるため、薄膜形成対象物が大型化し
たとしても、設備設置スペースを不必要に拡大すること
なく、多数の薄膜形成対象物を均一に付着することが可
能になり、その分、設備設置面積当たりの蒸着処理能力
を従来方式のものに比べて高めることができる。
特に、請求項2記載の蒸着装置によれば、使用する蒸
発源について、蒸着材料の一回の仕込み量が受け皿の容
量に制約されてしまう所謂ルツボ型受け皿構成の蒸発源
に比べて、蒸着材料の一回の仕込み量を増加させること
ができるので、長時間の連続蒸着を実現することができ
る。
そして更に、請求項3記載の蒸着装置によれば蒸発源
を鉛直方向に複数配置したので、各蒸発源毎に異なる付
着可能領域を設定することが可能になる。このため、設
備設置面積を拡大することなく、蒸発源に基づく付着可
能領域を上下方向において拡大することができる。
また、請求項4記載の蒸着装置によれば、薄膜形成対
象物保持手段として、真空チャンバ内に設けられるリン
グ状フレームに対し所定数の対象物ホルダを係脱自在と
した構成のものが用いられるので、各種サイズの薄膜形
成対象物に対応した対象物ホルダを予め用意しておけ
ば、各種サイズの薄膜形成対象物に対して蒸着装置を汎
用的に使用することができる。
特に、請求項5記載の蒸着装置によれば、薄膜形成対
象物の上下方向寸法変化に対しては一つの対象物ホルダ
で吸収できるようにしたので、その分、対象物ホルダの
汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る蒸着装置の一実施例の概略構成
を示す斜視説明図、第2図は第1図中II−II線断面図、
第3図(a)(b)は実施例で用いられる蒸発源の詳細
を示す一部破断正面説明図及び一部破断平面説明図、第
4図は実施例で用いられる保持ハースの詳細を示す斜視
図、第5図は実施例で用いられる基板保持手段のリング
状フレーム及び回転駆動手段の詳細を示す第2図中V部
矢視図、第6図は実施例で用いられる基板ホルダの配設
位置関係を示す第2図中VI方向から見た矢視図、第7図
は上記基板ホルダの詳細を示す斜視図、第8図は第7図
中VIII方向から見た矢視図、第9図は第7図中IX−IX線
断面図、第10図は実施例に係る蒸着装置の作動状態を示
す説明図、第11図は蒸発源の保持ハースの変形例を示す
分解斜視図、第12図は実施例で用いられる支持プレート
22のチルト動作あるいは保持ハース30の回転動作を行う
ための駆動系の変形例を示す模式図、第13図は従来にお
ける蒸着装置の一例を示す説明図である。 〔符号の説明〕 M……蒸着材料 Bm……電子ビーム 1……真空チャンバ 20……蒸着源 21……取付けブラケット 22……支持プレート 30……保持ハース 32……回転ハース本体 34……材料受け部 36,36′……クランプリング 38……クランププレート 42……電子ガン 50……基板保持装置 51……取付けフレーム 60……基板ホルダ 61,62……ホルダ縦フレーム 71ないし75……ホルダ横フレーム 76……係止フック 77ないし79……ホルダクランパ 90……回転駆動装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空チャンバ(1)と、 取付けベース(21)に対して傾動自在に支承され、所定
    姿勢にて固定される支持部材(22)、及び、この支持部
    材(22)に昇華性蒸着材料(M)が位置決め保持される
    保持ハース(30)を具備し、上記真空チャンバ(1)内
    の中央部に配設される蒸発源(20)と、 この蒸発源(20)に保持された昇華性蒸着材料(M)へ
    電子若しくはイオンビーム(Bm)を照射するビームガン
    (42)と、 上記蒸発源(20)を囲繞して設けられると共に、多数の
    薄膜形成対象物(G)が略垂直に着脱自在に保持される
    薄膜形成対象物保持手段(50)と、 上記蒸発源(20)に対して薄膜形成対象物保持手段(5
    0)を相対的に回転させる回転駆動手段(90)とを備え
    たことを特徴とする蒸着装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のものにおいて、 上記保持ハース(30)は、表面部位に昇華性蒸着材料
    (M)の受け部(34,34′)が設けられ、連続的若しく
    は間欠的に回転する回転ハース本体(32)と、この回転
    ハース本体(32)の受け部(34,34′)に位置決めされ
    た昇華性蒸着材料(M)を保持する材料ホルダ(36,3
    6′,38)とで構成されていることを特徴とする蒸着装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のものにおいて、 蒸発源(20)が鉛直方向において複数配置されているこ
    とを特徴とする蒸着装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のものにおいて、 上記薄膜形成対象物保持手段(50)は、上記蒸発源(2
    0)を囲繞して設けられるドラム状取付けフレーム(5
    1)と、 このドラム状取付けフレーム(51)の円周方向に対して
    係脱自在に所定数配置され、上下方向にて所定数の薄膜
    形成対象物(G)が着脱自在に保持される対象物ホルダ
    (60)とを備えていることを特徴とする蒸着装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のものにおいて、 上記対象物ホルダ(60)は、薄膜形成対象物(G)の幅
    方向両側に沿って延びる一対のホルダ縦フレーム(61,6
    2)と、 このホルダ縦フレーム(61,62)間に架設されると共に
    薄膜形成対象物(G)の上下端を保持するホルダクラン
    パ(77,78,79)が設けられる複数のホルダ横フレーム
    (71,72,73,74,75)とを備え、 上記薄膜形成対象物(G)の上下方向寸法に応じて上記
    ホルダ横フレーム(71,72,73,74,75)位置をホルダ縦フ
    レーム(61,62)に沿って移動調整し得るようにしたこ
    とを特徴とする蒸着装置。
JP19405389A 1989-07-28 1989-07-28 蒸着装置 Expired - Lifetime JP2827302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19405389A JP2827302B2 (ja) 1989-07-28 1989-07-28 蒸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19405389A JP2827302B2 (ja) 1989-07-28 1989-07-28 蒸着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0361357A JPH0361357A (ja) 1991-03-18
JP2827302B2 true JP2827302B2 (ja) 1998-11-25

Family

ID=16318167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19405389A Expired - Lifetime JP2827302B2 (ja) 1989-07-28 1989-07-28 蒸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2827302B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05287520A (ja) * 1992-04-10 1993-11-02 Sanyo Shinku Kogyo Kk 成膜装置
JP3516156B2 (ja) * 1997-12-16 2004-04-05 シャープ株式会社 太陽電池の製造方法および保護カバー用素材板
JP4565875B2 (ja) * 2004-04-12 2010-10-20 株式会社アルバック 真空蒸着方法及び真空蒸着装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0361357A (ja) 1991-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5700454B2 (ja) 基材コンポーネントの表面処理及び/又はコーティング用の装置
JPS59208069A (ja) 多くの物質を蒸着させるための放射加熱部を有する蒸発装置
CN113957397B (zh) 一种脉冲激光分子束外延装置
JP2827302B2 (ja) 蒸着装置
JP5028584B2 (ja) 液晶配向膜用真空蒸着装置およびその成膜方法
KR20170069968A (ko) 분말코팅장치
KR100879380B1 (ko) 뱃치 타입 진공증착장치 및 이를 이용한 증착 코팅방법
KR20200033457A (ko) 리니어소스 및 그를 가지는 기판처리장치
CN110592550A (zh) 一种磁控溅射和电子束蒸镀双腔镀膜装置及其使用方法
DE102017129603B4 (de) Vakuumkammeranordnung und Verfahren zum Prozessieren eines Substrats
CN211079318U (zh) 一种磁控溅射和电子束蒸镀双腔镀膜装置
CN211256077U (zh) 一种基片蒸镀承载盘及真空蒸镀仪
CN112626478A (zh) 电子材料表面镀膜处理设备及其镀膜处理方法
CN215404473U (zh) 高能脉冲电弧蒸发源
CN218910499U (zh) 一种用于制备抗菌膜的真空镀膜机
JP3808244B2 (ja) ターゲットホルダー構造
JP3193764B2 (ja) イオンプレーティング装置
JPS5834171A (ja) 真空蒸着装置
KR20140123313A (ko) 박막증착장치
CN111020518A (zh) 一种基片蒸镀承载盘及真空蒸镀仪
US5429705A (en) Apparatus for coating and/or etching substrates in a vacuum chamber
KR102517747B1 (ko) Pcb 기판용 회전형 열 증발 확산 증착장치
KR101580948B1 (ko) 원료물질 공급기 및 이를 구비하는 증착장치
CN218059186U (zh) 一种光学真空镀膜设备用输送装置
JP4440625B2 (ja) 真空蒸着装置