JP2827029B2

JP2827029B2 - 入浴剤組成物

Info

Publication number: JP2827029B2
Application number: JP2046933A
Authority: JP
Inventors: 英夫森田; 徹哉長島
Original assignee: KAWAKEN FUAINKEMIKARU KK
Current assignee: KAWAKEN FUAINKEMIKARU KK
Priority date: 1990-02-26
Filing date: 1990-02-26
Publication date: 1998-11-18
Anticipated expiration: 2013-11-18
Also published as: JPH03251523A

Description

【発明の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本発明は、入浴剤組成物に関するものである。さら
に、詳しくは乳化安定性に優れ、使用後の肌がスベスベ
し、しかも浴槽が汚れにくい入浴剤組成物に関するもの
である。

【従来の技術】

入浴剤の歴史は古く、ギリシャ、ローマ時代に花や香
油を浴場に浮かべたことから始まり、近年無機塩を使用
する方法が用いられるようになってから現在の入浴剤の
市場基盤ができあがった。さらに、発泡性の入浴剤が開
発されて入浴剤の市場規模が拡大した。しかし従来の無
機塩系の入浴剤は健康志向のものが大半であり、しかも
入浴後の美肌効果のために油状成分を大量に配合するこ
とができないため、入浴後の肌のスベスベ感が足りない
傾向があった。そこで、最近液状油をベースにして、乳化剤を配合し
た自己乳化型の入浴剤が注目されている。自己乳化型の
入浴剤は、入浴後の美肌効果と同時に入浴時の視覚的効
果が楽しめるものである。ところが、従来の自己乳化型
の入浴剤は、使用時の乳化安定性が乏しく浴場が不快な
状態になるものが多く、また通常の液状油の組合せでは
入浴後のスベスベ感が不足しており、さらに浴槽内に汚
れが付着するものが多い。

【発明が解決しようとする課題および作用】

本発明の目的は、従来の自己乳化型の入浴剤の欠点を
全て解消する入浴剤を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

上記課題は、本発明により解決される。すなわち本発
明は、平均HLBが８〜14の少なくとも１種の非イオン界
面活性剤２〜40重量％およびグレープシード油２〜98重
量％を含むことを特徴とする入浴剤組成物に関するもの
である。本発明の乳化剤に用いられる非イオン界面活性剤は、
平均HLBが８〜14のものであり、平均HLBがこの範囲を外
れると乳化安定性が悪くなり、入浴中および入浴後の風
呂水が不快な状態になる。なお、HLBが２以下の非イオ
ン界面活性剤とHLBが10以上の非イオン界面活性剤を組
合せて、平均HLBが８〜14の範囲になるようにしたもの
が乳化安定性が良好であり、また使用後の浴槽の汚れも
少なく好ましい。また、非イオン界面活性剤が２重量％未満では乳化が
不安定であり、40重量％を超えると皮膚への刺激が心配
になる。なお、本発明の入浴剤組成物に用いられる非イオン界
面活性剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明の入浴剤の他の必須成分であるグレープシード
油は、ブドウの種子から搾油した油を精製したものでリ
ノール酸のトリグリセライドを主成分とするものであ
り、非常にさっぱりとした感触の油である。また、他の
植物油に比べ抱水力が高いため、エモリエント作用が優
れている。さらに、グレープシード油はトコフェロール
含有量が高いため油の安定性がよい。本発明組成物にお
ける、グレープシード油の配合量は２〜98％であるが、
２重量％未満では使用感が向上しない。本発明においては、非イオン界面活性剤とグレープシ
ード油を特定割合で配合することにより、乳化安定性と
使用感に優れ、しかも浴槽の汚れが少ないという相乗効
果が生まれるのである。また、通常用いられる液状油を本発明の効果を阻害し
ない程度に加えてもよい。これらの液状油室は室温で液
体状態の油成分であれば特に限定されないが、例えばア
ボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコ
シ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、パーム油、パー
ム核油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー
油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ
油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、
メドフォウム油等の植物性の液状油脂、タートル油、卵
黄油、ミンク油、オレンジラフィー油等の動物性液状油
脂、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸
グリセリン等の液体油脂、流動パラフィン、スクワレ
ン、スクワラン等の炭化水素、オレイン酸、トール油、
イソステアリン酸等の高級脂肪酸、ラウリルアルコー
ル、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、
オクチルドデカノール等の高級アルコール、メチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハ
イドロジエンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサ
ン等のシリコン誘導体、ミリスチン酸イソプロピル、パ
ルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリス
チン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシル
デシル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバチ
ン酸ジブチル、セバチン酸イソプロピル、セバチン酸ジ
イソプロピル、セバチン酸ジ−２−エチルヘキシル、ト
リイソステアリン酸グリセリン、トリイソステアリン酸
トリメチロールプロパン、トリ−２−エチルヘキサン酸
グリセリン、トリ−２−エチルヘキサン酸トリメチロー
ルプロパン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ
−２−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、２−エチルヘ
キサン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸
オレイル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸デシル等の
エステル類が挙げられる。本発明の入浴剤組成物には、水を５重量％程度まで配
合することが可能であるので、必要に応じて水性成分も
配合することができる。さらに皮膚の保護作用の面で、
必要に応じて生薬の抽出物やテルペン系等の精油を配合
することが好ましい。これらの生薬の抽出物としては、
例えば、センキュウ、カミツレ、チンピ、ハマボウフ
ウ、ヘチマ、モモノハ等が挙げられる。また、精油とし
ては、例えばトウキ油、トウヒ油、ショウブ油、コメ胚
芽油、ケイ皮油、ヒノキ油、ラベンダー油、ミカン油、
ユーカリ油、レモン油、ローズマリー油、パイン油、シ
ョウブ油等を挙げることができる。これらの生薬や精油
の配合量は、0.01〜５重量％程度でよい。本発明の入浴剤には、通常の入浴剤や化粧料に用いら
れている慣用成分、例えばパラベン等の殺菌剤、ｌ−メ
ントール、ペパーミント油等の清涼剤、ヒアルロン酸等
のムコ多糖類、キチン、キトサン誘導体、ピロリドンカ
ルボン酸類等の保湿剤を適宜加えてもよい。本発明の入浴剤の使用量は、200の浴槽に20gが標準
であるが、使用感等において使用量の増減は自由であ
る。

【実施例】

以下本発明を、実施例によりさらに詳細に説明する。実施例１以下に示すような処方の全成分を80℃に加熱溶解した
後冷却して入浴剤を調製し、乳化安定性、使用感、浴槽
の汚れの項目を試験した。なお、処方中のグレープシー
ド油と非イオン界面活性剤の種類と配合量は第１表およ
び第２表に示したとおりである。本発明の入浴剤の結果
を第１表に、比較例の入浴剤の結果を第２表に示した。
なお、表中非イオン界面活性剤の欄の［POE」はポリオ
キシエチレンの略称であり、次のカッコ内の数字はその
付加モル数を表す。また、非イオン界面活性剤のうちソ
ルビタントリオレートのHLBは1.7である。（入浴剤の処方）・イソプロピルミリステート 25％・オクタン酸セチル 10％・スクワラン 10％・グレープシード油ｘ％・非イオン界面活性剤ｙ％・流動パラフィン残量評価方法（乳化安定性） 40℃、10の温水に入浴剤1gを加え、充分撹拌して、
肉眼で乳化安定性を判定した。 ○……完全に乳化している △……少し乳化している ×……全く乳化していない（使用感） 40℃、180の温水に入浴剤18gを入れた充分撹拌し、
10分間入浴し、タオルドライ後の皮膚のさっぱり感、ス
ベスベ感を５名のパネルにより試験し、以下のように評
価した。・５点さっぱりしていて、スベスベ感が強い・４点さっぱり感も少なく、スベスベ感も少ない・３点少しベトツキ、スベスベ感も少ない・２点ベトツキ、スベスベ感はない・１点かなりベトツキ、スベスベ感はない各パネラーの評価点を平均して、次のようにランク付
けを行った。 ○……４点以上 △……３〜４点未満 ×……３点未満（浴槽の汚れ） 40℃、10の温水に入浴剤1gを加え充分撹拌した後
に、人工汚垢（ミリスチン酸20％、オレイル酸20％、牛
脂30％、コレステロール10％、パラフィンワックス10
％、スクワレン10％）0.5gを分散し、12時間放置し、容
器より静かに水を捨てた後の容器の汚れを肉眼により観
察し、以下の基準で判定した。 ○……全く汚れが付いていない △……少し付着 ×……多量に付着実施例８以下の処方の入浴剤を実施例１に準じて調製した。な
お、非イオン界面活性剤の平均HLBは、13.0であった。（入浴剤の処方）・オクタン酸トリグリセライド５％・ミリスチン酸オクチルドデシル５％・ホホバ油３％・グレープシード油 30 ％・トウヒ油３％・米胚芽油３％・カミツレエキス 0.1％・センキュウエキス 0.1％・流動パラフィン 14.9％・香料２％・グリセリンモノステアレート（HLB＝4.0）５％・POE（20）ソルビタンモノオレエート（HLB＝20） 28 ％・水１％実施例９以下の処方の入浴剤を実施例１に準じて調製した。な
お、非イオン界面活性剤の平均HLBは、12.0であった。（入浴剤の処方）・流動パラフィン 34.3％・グレープシード油 40 ％・ソルビタントリオレエート（HLB＝1.7）２％・POE（30）硬化ヒマシ油（HLB＝11） 15 ％・ポリオキシエチレンオレイルエーテル（HLB＝15）５％・アボガド油２％・ユーカリ油１％・ローズマリー油１％・パイン油１％・酢酸トコフェノール 0.5％・ヒアルロン酸 0.1％・シコニン 0.1％実施例8,9の各入浴剤について家庭用の浴槽（200）
に20ml入れ、実用試験を行ったところ、乳化性もよく湯
上がり後の肌にサッパリ感、スベスベ感を残し、翌日浴
槽の壁面に汚れが付着することもなかった。

【発明の効果】

本発明の入浴剤は、乳化安定性に優れ、使用後の肌が
スベスベし、しかも浴槽に汚れが残らないという効果を
有している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】平均HLBが８〜14の少なくとも１種の非イ
オン界面活性剤２〜40重量％およびグレープシード油２
〜98重量％を含むことを特徴とする入浴剤組成物。