JP2826606B2 - キャニスタパージ制御装置 - Google Patents

キャニスタパージ制御装置

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JP2826606B2
JP2826606B2 JP2303093A JP2303093A JP2826606B2 JP 2826606 B2 JP2826606 B2 JP 2826606B2 JP 2303093 A JP2303093 A JP 2303093A JP 2303093 A JP2303093 A JP 2303093A JP 2826606 B2 JP2826606 B2 JP 2826606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャニスタに溜まった
燃料をエンジン吸気通路へパージ導入する際に、その導
入状態を制御するための、キャニスタパージ制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、キャニスタとエンジン吸気通
路との間に介装されたパージ導入路にパージコントロー
ルバルブを設けて、エンジン吸入空気量(吸気量)が所
定値よりも大きいときに、このパージコントロールバル
ブを開いて、パージ導入を行なう一方、エンジン吸入空
気量が所定値以下のときに、このパージコントロールバ
ルブを閉じて、パージ導入をカットすることが行なわれ
ている。
【0003】ここで、エンジン吸入空気量が所定値以下
のときに、このパージコントロールバルブを閉じて、パ
ージ導入をカットするのは、もしエンジン吸入空気量が
所定値以下のときに、パージ導入を行なえば、このパー
ジ導入によるエンジンへの供給空燃比に与える影響が大
きくなり、適正な空燃比制御を行なえないからである。
【0004】さらに、パージ導入の空燃比に与える影響
をより低減するために、パージ導入量(以下、パージ量
という)を例えばエンジン吸入空気量に応じて調整する
ようにしたものも考えられている。ただし、一般に、パ
ージコントロールバルブには、開度調整できるようなも
のではなく、開か閉かのオン・オフ調整のみできるソレ
ノイドバルブが用いられ、パージ量の調整は、パージコ
ントロールバルブの開閉比率を制御することで行なう。
例えば、一定の時間T内でのパージコントロールバルブ
の開放時間tを調整することで、パージ量の調整を行な
える。
【0005】そこで、適当な制御周期で、エンジン吸入
空気量の検出情報からこれに対応するパージ量を設定
し、これに基づき、例えば図3(A)に示すように、パ
ージコントロールバルブを開閉制御することが考えられ
ている。なお、図3(A)に示す例では、オンが開放状
態でオフが閉鎖状態になる。また、エンジン吸入空気量
に対するパージ量調整の応答性やパージ導入される燃料
と吸気との混合性を考慮すると、できるだけ小さなバル
ブ駆動周波数(又は短い制御周期)が望ましいが、電磁
弁の性能や耐久性等を考慮すると、バルブ駆動周波数を
小さくする(制御周期を短くする)のにも限度がある。
そこで、これらの種々の条件からバルブ駆動周波数(制
御周期)が設定される。
【0006】一般には、この制御周期は一定のものに設
定されるが、制御周期を可変にしたものも開示されてい
る。例えば特開昭62−174557号公報には、パー
ジコントロールバルブのデューティ比に逆比例した周波
数(即ち、デューティ比に比例した周期)を設定して、
この周波数(又は周期)でパージコントロールバルブを
制御することが開示されている。また、実開平4−16
58公報には、エンジンのアイドリング信号を受けると
低い周波数(即ち、長い周期)を設定して、この周波数
(又は周期)でパージコントロールバルブを制御するこ
とが開示されている。さらに、特開昭62−26362
号公報にも、制御周期を可変にすることが開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パージコン
トロールバルブの駆動周波数とエンジンの吸気回数(即
ち、吸気周波数)が一致すると、パージ導入と吸気とが
共振を起こして、空燃比が波打って増減する所謂ビート
現象が生じてしまい、所望の空燃比を安定して得られな
くなり、適正な空燃比制御を行なえないという不具合が
ある。ここで、吸気の脈動周波数とパージコントロール
バルブの開閉周波数とが共振すると、吸気が最も少ない
瞬間にパージによる燃料の増大が生じ、空燃比の変動が
最大となってしまうが、このように空燃比が波打って増
減する現象を空燃比ビート現象という。
【0008】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、パージ導入と吸気との共振を回避できるよう
にして空燃比のビート現象の発生を防止し適正な空燃比
制御を行なえなるようにした、キャニスタパージ制御装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のキャニスタパージ制御装置は、キャニスタと
エンジン吸気通路との間に介装されたパージ導入路に設
けられたパージコントロールバルブをそなえ、エンジン
回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、エン
ジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段とが設けられ
るとともに、該エンジン回転速度検出手段および該エン
ジン負荷検出手段での検出結果に基づき、所望のバルブ
駆動周期で、該パージコントロールバルブによる該パー
ジ導入路の開閉比率を制御する制御手段が設けられ、且
つ、該エンジン回転速度検出手段での検出結果を受け
て、検出されたエンジン回転速度が、現在のバルブ駆動
周期で該パージコントロールバルブを駆動した場合に、
空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速度を含むエン
ジン回転速度域であるかどうかを判定する判定手段と、
該判定手段で空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速
度を含むエンジン回転速度域でないと判定されている間
は、該パージコントロールバルブのバルブ駆動周期を現
在のバルブ駆動周期に設定しておき、該判定手段で空燃
比ビート現象が生じるエンジン回転速度を含むエンジン
回転速度域であると判定されると、該パージコントロー
ルバルブのバルブ駆動周期を他のバルブ駆動周期に変更
するバルブ駆動周期変更手段とが設けられたことを特徴
としている。
【0010】また、請求項2記載の本発明のキャニスタ
パージ制御装置では、上述の請求項1記載の構成に加え
て、該エンジン回転速度域の境界回転速度が、該エンジ
ン回転速度の増加時と減少時とで異なるように設定さ
れ、該エンジン回転速度の増加時の境界回転速度の方
が、減少時の境界回転速度よりも大きい値に設定されて
いることを特徴としている。
【0011】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のキャニスタパー
ジ制御装置では、判定手段が、エンジン回転速度検出手
段での検出結果を受けて、検出されたエンジン回転速度
が、現在のバルブ駆動周期でパージコントロールバルブ
を駆動した場合に、空燃比ビート現象が生じるエンジン
回転速度を含むエンジン回転速度域であるかどうかを判
定する。
【0012】バルブ駆動周期変更手段では、該判定手段
で空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速度を含むエ
ンジン回転速度域でないと判定されている間は、該パー
ジコントロールバルブのバルブ駆動周期を現在のバルブ
駆動周期に設定しておき、該判定手段で空燃比ビート現
象が生じるエンジン回転速度を含むエンジン回転速度域
であると判定されると、該パージコントロールバルブの
バルブ駆動周期を他のバルブ駆動周期に変更する。
【0013】制御手段では、このように設定されたバル
ブ駆動周期で、エンジン回転速度検出手段およびエンジ
ン負荷検出手段での検出結果に基づき、パージコントロ
ールバルブによるパージ導入路の開閉比率を制御する。
また、請求項2記載の本発明のキャニスタパージ制御装
置では、空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速度域
の境界回転速度が、該エンジン回転速度の増加時と該エ
ンジン回転速度の減少時とで異なるように設定され、特
に、該エンジン回転速度の増加時の境界回転速度の方
が、減少時の境界回転速度よりも大きい値に設定されて
いるので、検出されたエンジン回転速度がエンジン回転
速度域の境界付近で不安定に増減する状態にあっても、
バルブ駆動周期が不必要に変更されることがなく、制御
が安定する。
【0014】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1〜図4は本発明の一実施例としてのキ
ャニスタパージ制御装置を示すもので、図1はその構成
を示す模式図、図2はそのバルブ駆動周期の特性を示す
図、図3はそのバルブ駆動の例を示すタイムチャート、
図4はその燃料制御要領を説明するフローチャートであ
る。
【0015】このキャニスタパージ制御装置は、図1に
示すように、パージ導入路1と、このパージ導入路1の
途中に設けられたパージコントロールバルブ2と、この
パージコントロールバルブ2によるパージ導入路1の開
閉比率(又はデューティ)Rを制御する制御手段3とを
そなえている。パージ導入路1は、燃料タンク4に接続
されたキャニスタ5と、エンジン吸気通路6との間に介
装されている。これにより、キャニスタ5内の蒸散燃料
(パージ)をパージコントロールソレノイドバルブ2付
きのパージ導入路1を介して吸気通路6へ放出すること
ができるようになっている。
【0016】なお、このエンジン吸気通路6には、スロ
ットルバルブ7が介設され、このスロットルバルブ7の
下流部分には、エンジン8の各燃焼室に吸気を分配する
吸気マニホルド9が設けられている。この例では、パー
ジ導入路1の一端は、スロットルバルブ7の下流であっ
て吸気マニホルド9の上流の集合部に接続されている。
なお、吸気マニホルド9に代えて、プレナムチャンバが
設けられる場合もある。
【0017】また、パージコントロールバルブ2は、ソ
レノイド2Aにより開閉駆動されるソレノイドバルブと
して構成され、開放モードと閉鎖モードとの2つのモー
ドのいずれかに切り替えられるようになっており、パー
ジコントロールソレノイドバルブ2を開けば、パージ導
入することができ、パージコントロールソレノイドバル
ブ2を閉じれば、パージ導入をカットすることができる
ようになっている。
【0018】なお、このソレノイド2Aは、パージソレ
ノイドともいうほか、ソレノイド2Aを通じて、このパ
ージコントロールバルブ2の開閉比率Rが制御されるの
で、デューティソレノイドともいう。そして、パージコ
ントロールバルブ2は、例えば、デューティソレノイド
2Aへ電流を供給すると開放して(この状態をオンとい
う)、電流供給を停止すると閉鎖する(この状態をオフ
という)ように設定することができる。
【0019】また、このパージコントロールバルブ2の
開閉比率Rは、単位時間T当たりのバルブ開放時間t、
即ち、R=t/Tと定義でき、図3(A)に示すよう
に、バルブ駆動周期T毎に、設定されたバルブ開放時間
tだけパージコントロールバルブ2を開放し、残りはパ
ージコントロールバルブ2を閉鎖するようになってい
る。ここでは、後で詳述するように、基準バルブ駆動周
期T1 と、この基準バルブ駆動周期T1 での空燃比ビー
ト現象の発生を回避するためのバルブ駆動周期T2
が、設定されており、例えば図3(B)に示すように、
バルブ駆動周期TがT 1 からT2 に変更されると、これ
に応じてバルブ開放時間tも変更される。なお、この図
3(B)に示す例では、開閉比率RがR1 (=t1 /T
1 ),R2 (=t2 /T1 ),R3 (=t3 /T2 ),
4 (=t4 /T2 )と順に緩やかに変化している場合
を示している。
【0020】制御手段3は、電子制御ユニット(EC
U)10の一つの機能部分として設けられており、エン
ジン回転速度〔これは単位時間(1分)当たりのエンジ
ン回転数なので、以下、エンジン回転数ともいう〕N
e,エンジンへの吸入空気の流量A,エンジンの冷却水
温Tw及び始動スイッチの状態等の情報に基づいて、開
閉比率Rを制御して、デューティソレノイド2Aを制御
するようになっている。特に、この開閉比率Rは、パー
ジ導入がエンジン8への供給空燃比A/Fに大きく影響
することのないようにして、適正な空燃比制御を行なえ
るように設定される。したがって、エンジン8の空燃比
制御と関連して開閉比率Rが設定される。
【0021】例えば、エンジンの負荷状態,回転速度状
態およびエンジンが冷態状態にあるかどうか等によっ
て、エンジンの空燃比A/Fが設定されるが、開閉比率
Rはこの空燃比A/Fに対応した値(例えば比例した
値)に設定される。ただし、このエンジンの負荷状態,
回転速度状態およびエンジンの温度状態等によって、パ
ージ導入が空燃比A/Fに大きく影響する場合(例えは
アイドリング時等)には、パージ導入を停止するパージ
停止モードとされ、パージ導入が空燃比A/Fに大きく
影響しない場合に、パージ導入モードされるようになっ
ている。そして、このパージ導入モードの時に、開閉比
率Rを設定してパージ導入を行なうようになっている。
【0022】一般的には、エンジンの冷態時には、開閉
比率Rは大きく(つまり、単位時間T当たりのバルブ開
放時間tを大きく)設定される。また、エンジンの負荷
が大きいほど、開閉比率Rは大きく設定される。さら
に、エンジンの回転速度が大きいほど開閉比率Rは大き
く設定される。この例では、エンジンの負荷状態とし
て、エンジンへの吸入空気流量Aから求まる体積効率が
用いられており、吸気通路6側のエアクリーナ配設部分
等に、例えば吸入空気量Aをカルマン渦情報から検出す
るエアフローセンサ11を設け、このエアフローセンサ
11の情報が制御手段3に送られて体積効率が算出され
るように構成されている。また、エンジン回転速度検出
手段としてのエンジン回転数センサ(正確にはエンジン
回転速度センサ)13,エンジンの温度状態としてのエ
ンジン冷却水温を検出する水温センサ12,始動スイッ
チ14およびバルブ駆動周期変更手段15からの各情報
も、制御手段3に送られるように構成されている。
【0023】なお、始動スイッチ14はパージ制御の開
始条件及び停止条件となるもので、始動スイッチ14が
オン状態のときにパージ制御が開始され、始動スイッチ
14がオフ状態になるとパージ制御が停止される。ま
た、バルブ駆動周期変更手段15は、判定手段16から
の判定情報に基づいて、バルブ駆動周期の変更指令信号
を出力するもので、バルブ駆動周期変更手段15及び判
定手段16もECU10の一つの機能部分として設けら
れている。
【0024】バルブ駆動周期変更手段15は、エンジン
回転数Neが、バルブ駆動周期Tが基準バルブ駆動周期
1 のときに空燃比ビート現象が生じるようなエンジン
回転数域になったら、バルブ駆動周期Tを、基準バルブ
駆動周期T1 と異なるバルブ駆動周期T2 に変更する指
令を行ない、逆に、エンジン回転数Neが、基準バルブ
駆動周期T1 で空燃比ビート現象が生じるようなエンジ
ン回転数域から外れたら、バルブ駆動周期Tを、バルブ
駆動周期T2 から基準バルブ駆動周期T1 に復帰させる
ような指令を行なうようになっている。この例では、図
2に示すように、基準バルブ駆動周期T1 が60mse
cに設定され、空燃比ビート現象を回避するバルブ駆動
周期T2 が80msecに設定されている。
【0025】判定手段16では、エンジン回転数センサ
13からの検出情報(エンジン回転数)Neを受けて、
この検出されたエンジン回転数Neが空燃比ビート現象
が生じるエンジン回転数を含むエンジン回転数域にある
かどうかを判定する。ただし、ここでは、エンジン回転
数域の境界回転数が、エンジン回転数Neの増加時と減
少時とで異なるように設定されている。つまり、エンジ
ン回転数Neの増加時の境界回転数の方が、減少時の境
界回転数よりも大きい値に設定されている。
【0026】例えば図2に示す例では、基準バルブ駆動
周期T1 (=60msec)の時には、エンジン回転数
Neが2000rpm付近で、パージ導入が吸気に対し
て1次共振を起こしビート現象が生じるようになってい
る。また、バルブ駆動周期T 2 (=80msec)の時
には、エンジン回転数Neが1500rpm付近で、パ
ージ導入が吸気に対して1次共振を起こしビート現象が
生じ、エンジン回転数Neが3000rpm付近で、パ
ージ導入が吸気に対して2次共振を起こしビート現象が
生じるようになっている。
【0027】そこで、上述の空燃比ビート現象が生じる
エンジン回転数域の下限境界回転数については、エンジ
ン回転数Neの増加時には1800rpm、減少時には
1700rpmに設定され、エンジン回転数域の上限境
界回転数については、エンジン回転数Neの増加時には
2300rpm、減少時には2200rpmに設定され
ている。
【0028】これにより、基準バルブ駆動周期T1 での
ビート現象の発生をバルブ駆動周期T2 で回避すること
ができ、また、上述のように、エンジン回転数域の境界
回転数が、エンジン回転数Neの増加時と減少時とで異
なるという所謂ヒステリヒスが設けられていることで、
エンジン回転数がエンジン回転数域の境界付近で不安定
に増減する状態にあっても、バルブ駆動周期Tが不必要
に変更されることのないようになっている。
【0029】なお、上述のように、基準バルブ駆動周期
1 を60msec及び空燃比ビート現象を回避するバ
ルブ駆動周期T2 を80msecと設定しているのは、
以下の理由による。つまり、バルブ駆動周期Tをあまり
小さくすると、デューティに対する流量特性が悪化する
という不具合が生じ、この流量特性を考えると、バルブ
駆動周期Tをある程度大きくしたい。
【0030】一方、バルブ駆動周期Tを大きくすると、
バルブ駆動周波数が小さくなり、パージ導入が吸気に対
して共振を起こすエンジン回転数(回転速度)が低くな
って、共振点がエンジンの常用回転域に多数出現してし
まう。つまり、空燃比ビート現象を回避するためには、
バルブ駆動周期Tを小さくした方がよく、例えばバルブ
駆動周期Tを小さくするほど、バルブ駆動周波数が大き
くなって、パージ導入が吸気に対して共振を起こすエン
ジン回転数(回転速度)が高くなり、共振点をエンジン
の常用回転域よりも高いところへシフトすることも可能
である。
【0031】このようにバルブ駆動周期Tの設定には相
反する条件があるため、デューティに対する流量特性の
悪化が少なく、且つ、パージ導入の吸気に対する共振点
を少なくできる周期として、基準バルブ駆動周期T1
設定しているのである。また、空燃比ビート現象を回避
するバルブ駆動周期T2 を80msecと基準バルブ駆
動周期T1 よりも大きい側へシフトしているのは、デュ
ーティに対する流量特性の悪化を抑え且つパージ導入の
吸気に対する共振点を少ない周期切替で避けられるもの
という観点からである。
【0032】なお、ECU10のハードウエア構成を簡
単に説明すると、このECU10はその主要部としてC
PU(図示せず)をそなえており、さらに、CPUは、
バスラインを介して、プログラムデータや固定値データ
を記憶するROM(図示せず),更新して順次書き替え
られるRAM(図示せず),フリーランニングカウンタ
およびバッテリが接続されている間はその記憶内容が保
持されることによってバックアップされたバッテリバッ
クアップRAM(図示せず)との間でデータの授受を行
なうようになっている。
【0033】また、RAM内データはイグニッションス
イッチをオフすると消えてリセットされるようになって
いる。本発明のキャニスタパージ制御装置は、上述のご
とく構成されることにより、例えば図4のフローチャー
トに示すように動作する。なお、この図4のフローチャ
ートは、パージ制御に関するサブルーチンを示すもの
で、このサブルーチンはエンジンの制御を行なうメイン
ルーチン(図示略)内に組み込まれる。
【0034】図4に示すように、このルーチンでは、ス
テップP1で、エアフローセンサ11及び水温センサ1
2からの情報を受けて、制御手段3が、パージ導入が空
燃比A/Fに大きく影響する状態にあるかどうかによ
り、パージ導入モードかパージ停止モードを判断する。
パージ導入モードでなければ、即ち、パージ停止モード
ならば、ソレノイド2Aを駆動しないでパージ導入を行
なわないが、パージ導入モードであれば、ステップP2
以降で、パージ導入を行なう。
【0035】つまり、まず、ステップP2で、判断手段
16が、エンジン回転数センサ13からの検出情報を受
けて、エンジン回転数Neが増加中又は一定状態にある
かを判断する。エンジン回転数Neが増加中又は一定状
態にあれば、ステップP3に進んで、エンジン回転数N
eが、エンジン回転数増加時の空燃比ビート現象が生じ
るエンジン回転数域(1800rpm〜2300rp
m)の範囲内にあるかを判断する。
【0036】エンジン回転数Neが、このエンジン回転
数域(1800rpm〜2300rpm)の範囲内にあ
れば、ステップP5に進んで、バルブ駆動周期変更手段
15で、バルブ駆動周期Tがバルブ駆動周期T2 (=8
0msec)に設定され、エンジン回転数域(1800
rpm〜2300rpm)の範囲内になければ、ステッ
プP6に進んで、バルブ駆動周期変更手段15で、バル
ブ駆動周期Tが基準バルブ駆動周期T1 (=60mse
c)に設定される。
【0037】一方、ステップP2で、エンジン回転数N
eが増加中又は一定状態にない、つまり、エンジン回転
数Neが減少中にあれば、ステップP4に進んで、エン
ジン回転数Neが、エンジン回転減少時の空燃比ビート
現象が生じるエンジン回転数域(1700rpm〜22
00rpm)の範囲内にあるかを判断する。エンジン回
転数Neが、このエンジン回転数域(1700rpm〜
2200rpm)の範囲内にあれば、ステップP5に進
んで、バルブ駆動周期変更手段15で、バルブ駆動周期
Tがバルブ駆動周期T2 に設定され、エンジン回転数域
(1700rpm〜2200rpm)の範囲内になけれ
ば、ステップP6に進んで、バルブ駆動周期変更手段1
5で、バルブ駆動周期Tが基準バルブ駆動周期T1 に設
定される。
【0038】バルブ駆動周期変更手段15では、上述の
ようにバルブ駆動周期Tを基準バルブ駆動周期T1 又は
バルブ駆動周期T2 に設定するが、前回の制御周期で設
定されたバルブ駆動周期Tと今回設定されたバルブ駆動
周期Tとが異なる場合には、バルブ駆動周期変更信号を
出力する。つまり、エンジン回転数Neが増加中であれ
ば、エンジン回転数Neが1800rpmを超えたとこ
ろで、バルブ駆動周期Tを基準バルブ駆動周期T1 (=
60msec)からバルブ駆動周期T2 (=80mse
c)へ切り替えるように制御手段3へ指令信号を出力す
る。さらに、エンジン回転数Neが増加して、エンジン
回転数Neが2300rpmを超えたところで、バルブ
駆動周期Tをバルブ駆動周期T2 (=80msec)か
ら基準バルブ駆動周期T1 (=60msec)へ復帰さ
せるように制御手段3へ指令信号を出力する。
【0039】また、エンジン回転数Neが減少中であれ
ば、エンジン回転数Neが2200rpmを下回ったと
ころで、バルブ駆動周期Tを基準バルブ駆動周期T
1 (=60msec)からバルブ駆動周期T2 (=80
msec)へ切り替えるように制御手段3へ指令信号を
出力する。さらに、エンジン回転数Neが増加して、エ
ンジン回転数Neが1700rpmを下回ったところ
で、バルブ駆動周期Tをバルブ駆動周期T2 (=80m
sec)から基準バルブ駆動周期T1 (=60mse
c)へ復帰させるように制御手段3へ指令信号を出力す
る。
【0040】そして、ステップP5で、バルブ駆動周期
Tがバルブ駆動周期T2 に設定されるとステップP7へ
進んで、ステップP6で、バルブ駆動周期Tが基準バル
ブ駆動周期T1 に設定されるとステップP8へ進んで、
制御手段3によって、例えば図4中のそれぞれのステッ
プ内に示すようなマップに基づいて、エンジン回転数N
eとエンジン負荷状態とに応じて、パージコントロール
バルブ2のデューティを求める。なお、ここでは、エン
ジン負荷状態として吸気流量Aから求められる体積効率
が用いられており、体積効率が大きいほど、また、エン
ジンの回転速度が大きいほど、開閉比率(つまり、デュ
ーティ)Rは大きく設定される。
【0041】さらに、このような開閉比率R及び設定し
たバルブ駆動周期T1 又はT2 から、パージコントロー
ルバルブ2の開放時間(即ち、ソレノイド2Aの駆動時
間)tを決定して、この時間tに応じてソレノイド2A
を駆動する。また、この図4には示さないが、エンジン
の冷態時には、開閉比率Rは大きく設定される。
【0042】このようにして、エンジン回転数Neに基
づいて、基準バルブ駆動周期T1 (=60msec)の
時にビート現象を生じるエンジン回転数Neが2000
rpm付近の回転数領域では、バルブ駆動周期Tが1
ルブ駆動周期T2 (=80msec)にシフトされるの
で、空燃比のビート現象の発生が防止され、所望の空燃
比を安定して得られるようになり、適正な空燃比制御を
行なえるようになる効果がある。
【0043】また、エンジン回転数域の境界回転数が、
エンジン回転数Neの増加時と減少時とで異なるという
所謂ヒステリヒスが設けられているので、エンジン回転
数がエンジン回転数域の境界付近で不安定に増減する状
態にあると生じやすい、制御のハンチングが回避され、
バルブ駆動周期Tの切替が安定して行なわれ、所望のパ
ージ制御を実現できる。
【0044】なお、エンジンの負荷情報としては、エン
ジンへの吸入空気流量Aやこれから求まる体積効率に限
定されるものでなく、例えばスロットル開度やブースト
圧やこれらに基づいた量等を用いることもできる。ま
た、実施例において設定した各数値、つまり、基準バル
ブ駆動周期T1 及び空燃比ビート現象を回避するバルブ
駆動周期T2 として設定した数値(60msec及び8
0msec)や、空燃比ビート現象が生じるエンジン回
転数域の下限境界回転数(エンジン回転数Neの増加時
の1800rpm、減少時の1700rpm)及び上限
境界回転数(エンジン回転数Neの増加時の2300r
pm、減少時の2200rpm)等の各値は、一例であ
り、これに限定されるものではない。
【0045】つまり、基準バルブ駆動周期T1 について
は、デューティに対する流量特性の悪化が少なく、且
つ、パージ導入の吸気に対する共振点を少なくできるよ
うなものを、エンジンの特性(例えば常用回転域の範
囲)等に応じて設定すればよい。また、空燃比ビート現
象を回避するバルブ駆動周期T2 は、デューティに対す
る流量特性の悪化を抑え且つパージ導入の吸気に対する
共振点を少ない周期切替で避けられるようなものを、エ
ンジンの特性等に応じて設定すればよい。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のキャニスタパージ制御装置によれば、キャニスタ
とエンジン吸気通路との間に介装されたパージ導入路に
設けられたパージコントロールバルブをそなえ、エンジ
ン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、エ
ンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段とが設けら
れるとともに、該エンジン回転速度検出手段および該エ
ンジン負荷検出手段での検出結果に基づき、所望のバル
ブ駆動周期で、該パージコントロールバルブによる該パ
ージ導入路の開閉比率を制御する制御手段が設けられ、
且つ、該エンジン回転速度検出手段での検出結果を受け
て、検出されたエンジン回転速度が、現在のバルブ駆動
周期で該パージコントロールバルブを駆動した場合に、
空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速度を含むエン
ジン回転速度域であるかどうかを判定する判定手段と、
該判定手段で空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速
度を含むエンジン回転速度域でないと判定されている間
は、該パージコントロールバルブのバルブ駆動周期を現
在のバルブ駆動周期に設定しておき、該判定手段で空燃
比ビート現象が生じるエンジン回転速度を含むエンジン
回転速度域であると判定されると、該パージコントロー
ルバルブのバルブ駆動周期を他のバルブ駆動周期に変更
するバルブ駆動周期変更手段とが設けられるという構成
により、空燃比のビート現象の発生が防止され、所望の
空燃比を安定して得られるようになり、適正な空燃比制
御を行なえるようになる効果がある。
【0047】また、請求項2記載の本発明のキャニスタ
パージ制御装置によれでば、上述の請求項1記載の構成
に加えて、該エンジン回転速度域の境界回転速度が、該
エンジン回転速度の増加時と減少時とで異なるように設
定され、該エンジン回転速度の増加時の境界回転速度の
方が、減少時の境界回転速度よりも大きい値に設定され
ていることにより、制御のハンチングが回避され、バル
ブ駆動周期の切替が安定して行なわれ、所望のパージ制
御を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのキャニスタパージ制
御装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例としてのキャニスタパージ制
御装置のバルブ駆動周期の特性を示す図である。
【図3】本発明の一実施例としてのキャニスタパージ制
御装置のバルブ駆動の例を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の一実施例としてのキャニスタパージ制
御装置の燃料制御要領を説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 パージ導入路 2 パージコントロールバルブ 3 制御手段 4 燃料タンク 5 キャニスタ 6 エンジン吸気通路 7 スロットルバルブ 8 エンジン 9 吸気マニホルド 2A ソレノイド 10 電子制御ユニット(ECU) 11 エンジン負荷検出手段としてのエアフローセンサ 12 水温センサ 13 エンジン回転速度検出手段としてのエンジン回転
数センサ(エンジン回転速度センサ) 14 始動スイッチ 15 バルブ駆動周期変更手段 16 判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 25/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャニスタとエンジン吸気通路との間に
    介装されたパージ導入路に設けられたパージコントロー
    ルバルブをそなえ、 エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段
    と、 エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段とが設け
    られるとともに、 該エンジン回転速度検出手段および該エンジン負荷検出
    手段での検出結果に基づき、所望のバルブ駆動周期で、
    該パージコントロールバルブによる該パージ導入路の開
    閉比率を制御する制御手段が設けられ、 且つ、該エンジン回転速度検出手段での検出結果を受け
    て、検出されたエンジン回転速度が、現在のバルブ駆動
    周期で該パージコントロールバルブを駆動した場合に、
    空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速度を含むエン
    ジン回転速度域であるかどうかを判定する判定手段と、 該判定手段で空燃比ビート現象が生じるエンジン回転速
    度を含むエンジン回転速度域でないと判定されている間
    は、該パージコントロールバルブのバルブ駆動周期を現
    在のバルブ駆動周期に設定しておき、該判定手段で空燃
    比ビート現象が生じるエンジン回転速度を含むエンジン
    回転速度域であると判定されると、該パージコントロー
    ルバルブのバルブ駆動周期を他のバルブ駆動周期に変更
    するバルブ駆動周期変更手段とが設けられたことを特徴
    とする、キャニスタパージ制御装置。
  2. 【請求項2】 該エンジン回転速度域の境界回転速度
    が、該エンジン回転速度の増加時と減少時とで異なるよ
    うに設定され、該エンジン回転速度の増加時の境界回転
    速度の方が、減少時の境界回転速度よりも大きい値に設
    定されていることを特徴とする、請求項1記載のキャニ
    スタパージ制御装置。
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