JP2826005B2 - 一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法 - Google Patents
一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法Info
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Description
iを含み、靭性に優れた一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製
造方法に関するものである。
器の鉄心材料として利用されており、磁気特性として励
磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならない。しかも近
年、特にエネルギーロスの少ない低鉄損素材への市場要
求が強まっている。しかし、従来の製造方法では、熱
延、冷延、焼鈍などの複雑な工程処理が必要なため、製
造コストが非常に高いという問題がある。そこで最近、
電磁鋼の溶鋼を急冷凝固法で直接薄帯にする技術が開発
された。この方法によれば、溶鋼から直接成品または半
成品ができるので、製造コストを大幅に下げることが可
能である。
方法は、磁気特性向上のため開示されているものが主流
である。たとえば、特公昭56−51216号公報およ
び特公昭56−43295号公報では、いずれも溶鋼を
鋳型の中心部の凝固冷却速度が1℃/秒以上となるよう
に冷却し、凝固後も少なくとも600℃までを0.05
℃/秒以上で急冷することにより、硫化物、窒化物、炭
化物などの析出物を殆ど固溶させた鋳片を得、以降の工
程で析出処理することにより、微細分散させるようにし
ている。
示されてきた急冷凝固法による一方向性電磁鋼板の製造
方法は、いずれも望ましい磁気特性を得ることを目的と
したものである。しかしながら、本発明者らは、従来技
術による急冷凝固法で鋳片を工業的に生産する場合、後
工程での薄鋳片の靭性を解決することが必要である問題
点に直面した。つまり、従来技術による急冷凝固鋳片で
は繰り曲げ回数が非常に悪く、連続焼鈍ライン、冷延時
などに鋳片割れが発生し通板性が非常に悪いという、工
業上の大きな問題点を有している。
薄鋳片の脆性問題を、あまり設備的な負担をかけること
なく解決することを課題に取り組んできた。
達成すべく検討を重ねた結果、重量でSi:2.0〜
8.0%および一方向性電磁鋼の公知のインヒビター、
その他電磁鋼として必要な成分元素を含み、残部実質的
にFeからなる溶鋼を、移動更新する冷却体表面により
急冷凝固せしめて薄鋳片にする方法において、薄鋳片の
凝固完了から700℃までの温度域で圧延するに際し、
圧延開始温度T(℃)が700〜1100℃の場合、下
記(1)式に圧延開始温度Tを代入して計算される圧下
率以上で45%以下の減厚を行い、圧延開始温度が11
00℃を超える場合、圧下率5%以上45%以下の減厚
を行うと、靭性に優れた一方向性電磁鋼板用薄鋳片が得
られることを見出した。
げ試験後の破断面を観察した結果、いずれも粒内破断で
あることが判明した。このことから、一方向性電磁鋼板
用薄鋳片の脆化の原因として、従来の熱延プロセスの熱
延板と比較して薄鋳片での結晶粒径が大きいことの他
に、Si添加によりフェライト地そのものの靭性が低下
し、薄鋳片繰り曲げ時の交差すべりが困難になっている
ことを見出した。さらに、急冷凝固された薄鋳片では、
通常の連続鋳造材に比べて、溶湯の大きな収縮率または
冷却時の熱応力により導入される鋳物中の欠陥が多いこ
とも見出した。これは、急冷凝固法では0.1秒オーダ
の瞬時に凝固が起こることに起因しているものと思われ
る。そこで対策を重ねた結果、所定の温度において加工
歪みを与えることにより、交差すべりを容易にし、鋳片
に内蔵される欠陥も減少するので、靭性が改善されるこ
とを見出し、本発明を完成した。以下に本発明を詳細に
説明する。
前記のように限定した理由を、詳細に説明する。この鋼
成分の限定理由は下記のとおりである。Siは鉄損を良
くするために下限を2.0%とするが、多すぎると冷間
圧延の際に割れ易く加工が困難となるので上限を8.0
%とする。
に、以下の成分元素を添加することが好ましい。Mnは
MnSを形成するために必要な元素で、適当な分散状態
を得るため0.02〜0.15%が好ましい。SはMn
S,(Mn・Fe)Sを形成するために必要な元素で、
適当な分散状態を得るため0.001〜0.05%が望
ましい。さらに、硫化物に加えてAlNを利用する場合
は、酸可溶性AlとNを添加する。AlNの適当な分散
状態を得るため、Alは0.01〜0.04%、Nは
0.003〜0.02%が好ましい。その他、Cu,S
n,Sb,Seはインヒビターを強くする目的で1.0
%以下において少なくとも1種添加しても良い。Cにつ
いては、0.10%以下が望ましい。上限0.10%
は、これより多くなると脱炭所要時間が長くなり、経済
的に不利となるからである。
凝固し薄鋳片を得るが、その時の板厚は0.5〜3.5
mmが好ましい。上限3.5mmは、これ以上では、凝固シ
ェルが鋳片の自重により不安定になるので限定した。下
限0.5mmは、これ以下では生産効率が悪いため限定し
た。
で所定の圧下率で熱延を行う理由は次の通りである。圧
延温度の下限700℃は、これ以下では熱間変形抵抗が
高くなるため熱間圧延が困難となるので限定した。図1
は圧延開始温度1100℃における熱間圧延率と繰り曲
げ回数の関係を示す。これは半径8mmの90°曲げ試験
機にて破断するまでの回数を示した。回数は90°曲が
った時を1回とする。この図から、靭性を良好にするに
は、圧下率5%以上が必要である。また、45%以上は
靭性の向上効果が飽和している。この傾向は、700℃
以上の温度範囲において共通して見られる傾向である。
したがって、設備が巨大なものとなり工業化が難しいた
め、上限を45%に限定した。さらに、図2は、それぞ
れの圧延開始温度と圧下率における繰り曲げ回数の変化
を示す。この図から、薄鋳片の凝固完了から700℃ま
での温度域で圧延するに際し、圧延開始温度T(℃)が
700〜1100℃の場合、下記(1)式に圧延開始温
度Tを代入して計算される圧下率以上で45%以下の減
厚を行い、圧延開始温度が1100℃を超える場合、圧
下率5%以上45%以下の減厚を行うことに限定した。
一方向性電磁鋼板用薄鋳片を得ることができる。さら
に、必要な磁気特性を得るためには、急冷凝固された鋳
片は、凝固直後に気水冷却等により鋳片冷却することが
望ましい。
する場合は、AlN等の析出のために950〜1200
℃で30秒〜30分の中間焼鈍を行うことが望ましい。
次に、1回ないし、中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延
を施す。この時の最終冷延圧下率は高いゴス集積度をも
つ製品を得るため、圧下率50%以上が必要となる。こ
の後は、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を行い、さらにMg
O等の焼鈍分離剤を塗布して、二次再結晶と純化のため
1100℃以上の仕上げ焼鈍を行うことで、磁気特性が
良好な一方向性電磁鋼板が製造される。次に本発明の実
施例を挙げて説明する。
ル急冷凝固法により、(A)2.7mm、(B)2.3m
m、(C)2.0mm厚の薄鋳片に鋳造した。鋳造条件
は、ロール径が300mmφ、溶鋼のロール接触時間は約
0.3秒である。鋳造直後は、双ロール直下から気水冷
却を実施し、(A),(B)については1100℃にお
いて熱間圧延を施し、2.0mm厚とした。それぞれの圧
下率を表2に示す。また表2に、得られた鋼帯の繰り曲
げ回数を示す。これは半径8mmの90°曲げ試験機にて
破断するまでの回数を示した。条件(A),(B)で良
好な靭性が得られた。
間焼鈍を行い、さらに酸洗した後、冷間圧延を行い0.
29mm厚にした。次に湿潤水素中で脱炭焼鈍し、MgO
粉を塗布した後、1200℃に10時間、水素ガス雰囲
気中で高温焼鈍を行った。この時、得られた製品の磁気
特性を併せて表2に示す。
鋼を、双ロール急冷凝固法により、(D)3.0mm、
(E)2.5mm、(F)2.2mm厚の薄鋳片に鋳造し
た。鋳造条件は、ロール径が300mmφ、溶鋼のロール
接触時間は約0.3秒である。(D),(E)について
は、1050℃において熱間圧延を施し、2.2mm厚と
した。この時の圧下率を表4に示す。また表4に、得ら
れた鋼帯の繰り曲げ回数を示す。条件(D),(E)で
良好な靭性が得られた。ついで、得られた鋼帯を酸洗し
た後、冷間圧延を行い0.8mm厚にした。次に湿潤水素
中で焼鈍し、再度、冷間圧延を施し、0.29mm厚にし
た。次に湿潤水素中で脱炭焼鈍し、MgO粉を塗布した
後、1200℃に10時間、水素ガス雰囲気中で高温焼
鈍を行った。得られた製品の磁性は、表4に示す通りで
あった。
な靭性を有し、通板性に優れた珪素鋼薄鋳片を得ること
ができ、一方向性電磁鋼板を、安価かつ省エネルギーに
製造することができるので、産業上の貢献するところが
極めて大である。
数との関係を示す。
り曲げ回数の変化を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量でSi:2.0〜8.0%および一
方向性電磁鋼の公知のインヒビター、その他電磁鋼とし
て必要な成分元素を含み、残部実質的にFeからなる溶
鋼を、移動更新する冷却体表面により急冷凝固せしめて
薄鋳片にする方法において、薄鋳片の凝固完了から70
0℃までの温度域で圧延するに際し、圧延開始温度T
(℃)が700〜1100℃の場合、下記(1)式に圧
延開始温度Tを代入して計算される圧下率以上で45%
以下の減厚を行い、圧延開始温度が1100℃を超える
場合、圧下率5%以上45%以下の減厚を行うことを特
徴とする、靭性に優れた一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製
造方法。 【数1】 - 【請求項2】 溶鋼から薄鋳片に急冷凝固する際、板厚
を0.5〜3.5mmにすることを特徴とする請求項1記
載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34508691A JP2826005B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34508691A JP2826005B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05253602A JPH05253602A (ja) | 1993-10-05 |
JP2826005B2 true JP2826005B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=18374192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34508691A Expired - Lifetime JP2826005B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 一方向性電磁鋼板用薄鋳片の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2826005B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1316030B1 (it) * | 2000-12-18 | 2003-03-26 | Acciai Speciali Terni Spa | Procedimento per la fabbricazione di lamierini a grano orientato. |
JP6607176B2 (ja) * | 2016-12-09 | 2019-11-20 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP34508691A patent/JP2826005B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05253602A (ja) | 1993-10-05 |
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