JP2825760B2 - 焼却炉 - Google Patents

焼却炉

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JP2825760B2
JP2825760B2 JP6126347A JP12634794A JP2825760B2 JP 2825760 B2 JP2825760 B2 JP 2825760B2 JP 6126347 A JP6126347 A JP 6126347A JP 12634794 A JP12634794 A JP 12634794A JP 2825760 B2 JP2825760 B2 JP 2825760B2
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furnace body
rotary furnace
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rotary
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久文 藤澤
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FUJISAWA KENKI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来焼却が困難とされ
ていた汚物、廃液、腐敗植物、堆肥、絞りカスなどのよ
うな水分の多いヘドロ状、堆肥状の燃焼対象物を脱水、
乾燥、焼却することができる焼却炉に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来一般に使用されている焼却炉は、燃
焼対象物を移動させずに燃焼させる対象物固定式の焼却
炉と、燃焼対象物を移動させながら燃焼させる対象物移
動式の焼却炉とに大別される。まず対象物固定式の焼却
炉は、各種の形状に作られた固定した箱の中に燃焼対象
物を入れ、自燃または他の熱源によって燃焼させる形式
のもので、外部より攪拌、解砕、揺動等の力を加えない
限り、燃焼対象物はそのままの状態で焼却されるものを
いう。
【0003】一方、対象物移動式の焼却炉は加熱または
焼却の工程中に燃焼対象物が移動、攪拌、反転などによ
って動かされるものをいい、それによって対象物固定式
では果たし得なかった燃焼効率、加熱効率を上昇させる
とともに、堆積などによって燃え残りが発生しないよう
に工夫されたものである。この形式の炉はおおむね燃焼
対象物の連続投入が可能であり、その移動方式によって
コンベヤ式、回転テーブル式、散粉式、ロータリーキル
ン式などがある。
【0004】前記したような水分の多いヘドロ状、堆肥
状の燃焼対象物は、従来からあるどのような焼却炉を用
いても完全に焼却することはできなかった。その理由
は、水分が非常に多いこと、従って燃焼に至る前の
乾燥工程において大量の水蒸気を発生すること、気孔
率が少ないために脱水後も固化、堆積し易く、空気混入
ができないこと、かろうじて着火しても燃焼温度が上
がらず、焼却時間も乾燥ゴミの数倍かかること、乾
燥、粉砕、気化した後でも木や紙よりも燃えにくく、不
完全燃焼が発生し易いことなどである。従って、仮にロ
ータリーキルン式の焼却炉を採用するとしても、相当な
大型、大火力の炉を作成し、長距離をゆっくり移動させ
つつ長時間をかけて燃焼させる必要があり、狭いスペー
スで簡便に焼却することは不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決して、従来の焼却炉では完全に焼却する
ことが困難であった水分の多いヘドロ状、堆肥状の燃焼
対象物をも、狭いスペースで簡便に焼却することができ
るようにした新規な焼却炉を提供するためになされたも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の焼却炉は、耐火構造の外套炉体の
内部に、上半部に格子状の開口を設けた回転炉体を水平
面に対して傾斜させ、かつその外周面を外套炉体の内面
に密接させて設けるとともに、この外套炉体の上部に燃
焼対象物の投入口を設け、また回転炉体の外周には前記
投入口から回転炉体の外面に供給され攪拌、解砕された
燃焼対象物を回転炉体の内部に落下させ燃焼させるため
の開口を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の焼却炉は、外套炉体の上部の投入口
ら回転炉体上に燃焼対象物を供給し、外套炉体内の高温
により燃焼対象物を乾燥させると同時に、回転炉体の回
転により燃焼対象物を攪拌、解砕、反転させ、回転炉体
の外周の開口から燃焼対象物を回転炉体の内部に落下さ
せ燃焼させることができる。このように乾燥、解砕、攪
拌、燃焼等の各工程を回転炉体の外部と内部を有効に利
用して手順よく進行させることができるので、水分の多
いヘドロ状、堆肥状の燃焼対象物をも、狭いスペースで
簡便に焼却することができる。
【0008】
【実施例】以下に図示の実施例により、本発明を更に詳
細に説明する。図1及び図2において、1は箱型をした
耐火構造の外套炉体であり、その一方の側壁にバーナ2
と空気供給管3とが設けられている。この外套炉体1の
内部には、回転炉体4が設けられている。回転炉体4は
水平面に対して傾斜させた中心軸5を備えており、この
中心軸5のまわりにモータ6によって回転させることが
できる。回転速度は毎分1回転程度の低速度であり、回
転方向は一定でもよいが、正逆両方向に回転できるよう
にしておくことが好ましい。
【0009】回転炉体4の下半部は耐火物製の円筒部7
とされているが、その上半部はリング8の外周面に細長
い鋼板を間隔を明けて張り付けた格子状の開口9とされ
ている。格子状の開口9のうち、円筒部7に近い部分に
は比較的大きい開口10が形成されている。なお、前記し
たバーナ2と空気供給管3とは耐火物製の円筒部7の開
口端面から燃焼ガスを回転炉体4の内部に吹き込む構造
となっている。
【0010】図2に示すように、外套炉体1の内面のう
ち回転炉体4の格子状の開口9の下側部分は、キャスタ
ブル耐火物により回転炉体4の外周面に沿った湾曲面11
とされている。この湾曲面11は回転炉体4の外周面に接
近した位置にあり、この湾曲面11上に落下した灰などは
傾斜面に沿って下方(右側)へ移動し、引出し可能な灰
受け箱12に入るようになっている。
【0011】外套炉体1の天井面の回転炉体4の格子状
の開口9に対応する部分には、燃焼対象物の投入口13が
設けられている。また回転炉体4の円筒部7に対応する
部分には、二次燃焼用のバーナ17を備えた二次燃焼室14
が設けられている。この二次燃焼室14の下面は外套炉体
1の内部に開口しており、又その上面は負圧排風ダクト
15に連通している。さらにこの負圧排風ダクト15の先端
は、サイクロン16を介して煙突につながっている。
【0012】なお、前記した回転炉体4の中心軸5はそ
の外周から圧縮空気を噴出することができる構造として
ある。この空気は中心軸5や格子状の開口9の鋼板を冷
却してその温度を400 ℃前後に保つ役割とともに、燃焼
対象物の乾燥、燃焼を助ける役割をも有している。
【0013】次にこの焼却炉により水分の多いヘドロ
状、堆肥状の燃焼対象物を焼却する場合の手順を説明す
る。まず外套炉体1の内部を800 〜1000℃程度に加熱し
ておき、投入口13から回転炉体4の格子状の開口9の上
に燃焼対象物を供給する。燃焼対象物の一部はそのまま
格子状の開口9を通過して回転炉体4の内部に落下する
が、大部分は格子状の開口9の上に堆積する。ところ
が、中心軸5から供給された圧縮空気とバーナフレーム
格子状の開口9の間隙から噴出して燃焼対象物を加
熱、乾燥させるとともに、回転炉体4の回転につれて
子状の開口9上に堆積した燃焼対象物に対して、攪拌、
反転、解砕、ふるい分け等の作用が加わるので、燃焼対
象物は次第に小塊に分解され、格子状の開口9の間や開
口10から回転炉体4の内部に落下する。
【0014】このようにして回転炉体4の内部に落下し
た燃焼対象物は、回転炉体4の回転により攪拌、反転さ
れるので燃焼が促進され、除々に粉粒化しつつ円筒部7
へ移動する。そしてバーナ2からの高温のバーナーフレ
ームにより加熱され、完全燃焼して回転炉体4の下端か
ら灰受け箱12に落下する。また、この間に格子状の開口
に付着している燃焼対象物も除々に分離され、焼却さ
れる。なお、回転炉体4の内部に送り羽根を設けてお
き、回転炉体4を正逆両方向に回転させて燃焼対象物の
攪拌、反転、解砕を促進することもできる。
【0015】燃焼ガスは回転炉体4の格子状の開口9
ら外套炉体1の内部に入り、バーナ17を備えた二次燃焼
室14に入る。この部分で二次燃焼が行われ、燃焼対象物
から発生した可燃ガスや未燃粉塵等が燃焼されるととも
に、脱臭される。なお二次燃焼室14には赤外線発生格子
を設けておくことが好ましい。その後、燃焼ガスは負圧
排風ダクト15を介してサイクロン16に入り、ダストを分
離したうえ大気中に放出される。
【0016】上記したように、中心軸5から供給された
圧縮空気は格子状の開口9を通過して外套炉体1の内部
に入り、更に二次燃焼室14から負圧排風ダクト15を介し
てサイクロン16に入るが、圧力分布はこれとは逆に焼却
工程が進行するに連れて負圧となるようにコントロール
されている。このような安定した圧力分布を形成するこ
とにより、安定した焼却が可能となる。
【0017】以上に説明した実施例では、回転炉体4に
格子状の開口9を設けてこの格子状の開口9により攪
拌、反転、解砕された燃焼対象物が格子状の開口9や開
口10から回転炉体4の内部に落下するようにした。しか
し回転炉体の構造はこれに限定されるものではなく例え
ば格子状の開口のない回転炉体の外周面に攪拌翼を設
け、回転炉体上に投入された燃焼対象物をこの攪拌翼に
より攪拌、解砕、反転させつつ乾燥、燃焼させ、回転炉
体の途中に設けた開口から回転炉体の内部に落下させて
燃焼させるような形式とすることもできる。また回転炉
体の回転軸を水平とすることもできる。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の焼却炉
上部に燃焼対象物の投入口を備えた外套炉体の内部に
回転炉体を設け、投入口から回転炉体の外面に供給され
た燃焼対象物を攪拌、解砕させたうえ開口から回転炉体
の内部に落下させて燃焼させるようにしたことにより、
従来は焼却が困難であった汚物、廃液、腐敗植物、堆
肥、絞りカスなどのような水分の多いヘドロ状、堆肥状
の燃焼対象物を完全に焼却することができる。しかも本
発明の焼却炉は外套炉体と回転炉体とを組み合わせたこ
とにより、全体を小型化することができ、従来のロータ
リーキルン等に比較して狭いスペースで、上記のような
燃焼対象物を簡便に焼却することができる。よって本発
明は従来の問題点を解決した焼却炉として、その価値は
きわめて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の焼却炉の部分断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 外套炉体 2 バーナ 3 空気供給管 4 回転炉体 5 中心軸 6 モータ 7 円筒部 8 リング 9 格子状の開口部 10 開口 11 湾曲面 12 灰受け箱 13 投入口 14 二次燃焼室 15 負圧排風ダクト 16 サイクロン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火構造の外套炉体の内部に、上半部に
    格子状の開口を設けた回転炉体を水平面に対して傾斜さ
    せ、かつその外周面を外套炉体の内面に密接させて設け
    るとともに、この外套炉体の上部に燃焼対象物の投入口
    を設け、また回転炉体の外周には前記投入口から回転炉
    体の外面に供給され攪拌、解砕された燃焼対象物を回転
    炉体の内部に落下させ燃焼させるための開口を設けたこ
    とを特徴とする焼却炉。
JP6126347A 1994-06-08 1994-06-08 焼却炉 Expired - Lifetime JP2825760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6126347A JP2825760B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 焼却炉

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JP6126347A JP2825760B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 焼却炉

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Publication Number Publication Date
JPH07332634A JPH07332634A (ja) 1995-12-22
JP2825760B2 true JP2825760B2 (ja) 1998-11-18

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JP6126347A Expired - Lifetime JP2825760B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 焼却炉

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Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0771774B2 (ja) * 1987-08-14 1995-08-02 三菱電機株式会社 放電加工用電源装置
US4870911A (en) * 1988-08-05 1989-10-03 Westinghouse Electric Corp. Apparatus for waste disposal and method

Also Published As

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JPH07332634A (ja) 1995-12-22

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