JP2825757B2 - メッキ付着量制御方法及び装置 - Google Patents

メッキ付着量制御方法及び装置

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JP2825757B2
JP2825757B2 JP11644094A JP11644094A JP2825757B2 JP 2825757 B2 JP2825757 B2 JP 2825757B2 JP 11644094 A JP11644094 A JP 11644094A JP 11644094 A JP11644094 A JP 11644094A JP 2825757 B2 JP2825757 B2 JP 2825757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,鋼板に対して連続して
メッキ処理を行う工程におけるメッキ付着量を所定の均
一厚さに制御するメッキ付着量制御方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋼板の表面に亜鉛メッキを施す連続式溶
融亜鉛メッキラインでは,鋼板は溶融亜鉛浴によりメッ
キがなされる。このときのメッキ付着量は,溶融亜鉛浴
から出た鋼板にワイピングノズル(気体噴射ノズル)か
らガスを吹き付け,付着した溶融メッキをガスの噴流に
より押し流すことによって付着量が調整される。メッキ
付着量の調整制御は,上記ワイピングノズルの鋼板から
の距離とガス圧力とを制御することによって調整され
る。図4は特開昭63−53248号公報に開示された
メッキ付着量調整装置の構成を示すもので,溶融したメ
ッキ材33の温度及び鋼板31の搬送速度と,メッキ付
着量の実績値を計測する厚み計34の検出値とを偏差演
算装置32に入力して,メッキ付着量の検出値と設定値
とを比較演算し,この偏差量に基づいて制御演算装置3
5によりワイピングノズル37の鋼板31との距離及び
噴射させるガス圧力とをフィードバック制御するように
構成されている。この構成においては,生産プロセスの
状態変化に対応させる影響係数を適応修正装置36によ
り演算し,上記制御演算装置35の出力を修正すること
がなされている。上記のごとき溶融亜鉛メッキラインに
おいては,メッキ付着量の計測点は,通常,溶融浴から
約100m先に設置されるため,フィードバック制御を
主体とした上記従来の制御では応答に時間がかかるた
め,操業条件の変化に即応できず,制御精度が低下す
る。この問題を解決すべく特開平3−173757号公
報に開示された制御方法では,フィードフォワード制御
とフィードバック制御とを併用して,鋼板の搬送速度,
ワイピングノズルと鋼板との間隔,ワイピングノズル圧
力のいずれかの変化率が所定値を越える不安定状態では
フィードフォワード制御を行い,上記変化率が所定値以
下である安定状態ではフィードバック制御が可能となる
制御がなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,近年の
多品種少量生産の傾向は上記連続式溶融亜鉛メッキライ
ンにも適用されることが多く,鋼板の種類やメッキ付着
量が異なる製品を切り換え生産する場合に問題が生じて
いる。上記従来技術によれば,ある一定の製造条件で操
業が続く定常状態では精度のよいメッキ付着量の制御が
達成されるが,製造条件が異なる製品に切り換えられと
き,製造条件の変化に対応できずメッキ付着量の精度の
低下が著しい問題点があった。本発明は上記問題点に鑑
みて創案されたもので,鋼板の種類やメッキ付着量が異
なる製品を切り換え生産する場合の制御精度の低下を解
消するメッキ付着量制御方法及び装置を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,第1の発明は,帯状に形成された鋼板を金属溶融浴
に連続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に配置され
た気体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズルと鋼板
との間隔を調整することにより上記金属溶融浴を通過す
る鋼板に付着するメッキ付着量を制御するメッキ付着量
制御方法において,上記鋼板の種類とメッキ付着量とに
よって区分される製品毎に上記溶融メッキの安定操業時
に採取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基づ
き設定された制御演算式に基づいて上記ノズルをフィー
ドフォワード制御し,上記製品毎の操業が開始される直
前のプロセス量を計測し,上記制御演算式のパラメータ
を計測されたプロセス量に基づいて適応修正することを
特徴とするメッキ付着量制御方法として構成されてい
る。第2の発明は,帯状に形成された鋼板を金属溶融浴
に連続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に配置され
た気体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズルと鋼板
との間隔を調整することにより上記金属溶融浴を通過す
る鋼板に付着するメッキ付着量を制御するメッキ付着量
制御装置において,上記鋼板の種類とメッキ付着量とに
よって区分される製品毎に上記溶融メッキの安定操業時
に採取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基づ
き設定された制御演算式に基づいて上記ノズルをフィー
ドフォワード制御するプリセットフィードフォワード制
御装置と,上記製品毎の操業が開始される直前のプロセ
ス量を計測し,上記制御演算式のパラメータを計測され
たプロセス量に基づいて適応修正するプリセット同定装
置とを具備してなることを特徴とするメッキ付着量制御
装置である。第3の発明は,帯状に形成された鋼板を金
属溶融浴に連続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に
配置された気体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズ
ルと鋼板との間隔を調整することにより上記金属溶融浴
を通過する鋼板に付着するメッキ付着量を制御するメッ
キ付着量制御方法において,上記鋼板の種類とメッキ付
着量とによって区分される製品の変更前のプロセス量の
実測値と変更後のプロセス量の目標値との偏差を演算
し,上記偏差が大きい場合には製品毎に上記溶融メッキ
の安定操業時に採取されたプロセス量とノズル制御量と
の関係に基づき設定された制御演算式を用いて変更後の
プロセス量の絶対量を演算し,上記偏差が小さい場合に
は上記制御演算式を用いて変更後のプロセス量の変更量
を演算することにより上記ノズルをフィードフォワード
制御し,上記製品毎の操業が開始される直前のプロセス
量を計測し,上記制御演算式のパラメータを計測された
プロセス量に基づいて適応修正することを特徴とするメ
ッキ付着量制御方法である。
【0005】第4の発明は,帯状に形成された鋼板を金
属溶融浴に連続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に
配置された気体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズ
ルと鋼板との間隔を調整することにより上記金属溶融浴
を通過する鋼板に付着するメッキ付着量を制御するメッ
キ付着量制御装置において,上記鋼板の種類とメッキ付
着量とによって区分される製品の変更前のプロセス量の
実測値と変更後のプロセス量の目標値との偏差を演算す
る偏差演算部と,上記偏差が大きい場合には製品毎に上
記溶融メッキの安定操業時に採取されたプロセス量とノ
ズル制御量との関係に基づき設定された制御演算式を用
いて変更後のプロセス量の絶対量を演算する絶対量演算
部と,上記偏差が小さい場合には上記制御演算式を用い
て変更後のプロセス量の変更量を演算する変更量演算部
とを有し,上記絶対量演算部又は変更量演算部による演
算結果に基づいて上記ノズルをフィードフォワード制御
するプリセットフィードフォワード制御装置と,上記製
品毎の操業が開始される直前のプロセス量を計測し,上
記制御演算式のパラメータを計測されたプロセス量に基
づいて適応修正するプリセット同定装置とを具備してな
ることを特徴とするメッキ付着量制御装置である。
【0006】
【作用】第1,第2の発明によれば,製品毎の安定操業
時に採取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基
づいて同定された制御演算式により製品変更時から気体
噴射ノズルがフィードフォワード制御され,上記制御演
算式のパラメータが,製品毎に操業が安定した時点にお
けるプロセス量と実績メッキ付着量との関係に基づいて
適応修正されるので,製品変更に精度よく対応でき,操
業条件の変化に速やかに追従させることができる。ま
た,第3,第4の発明によれば,製品のプロセス量の実
測値と変更後のプロセス量の目標値との偏差が演算さ
れ,上記偏差が大きい場合には製品毎の安定操業時に採
取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基づいて
同定された制御演算式により変更後のプロセス量の絶対
量が演算され,上記偏差が小さい場合には上記制御演算
式により変更後のプロセス量の変更量が演算される。こ
れにより製品変更の程度に応じて気体噴射ノズルがフィ
ードフォワード制御される。そして上記制御演算式のパ
ラメータが,製品毎に操業が安定した時点におけるプロ
セス量と実績メッキ付着量との関係に基づいて適応修正
されるので,製品変更により精度よく対応でき,操業条
件の変化に速やかに追従させることができる。
【0007】
【実施例】以下,添付図面を参照して本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発明
の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,
図1は本発明の第1の実施例に係るメッキ付着量制御装
置の構成を示す模式図,図2は上記第1の実施例に係る
メッキ付着量制御装置の動作説明図,図3は本発明の第
2の実施例に係るプリセットフィードフォワード制御装
置とプリセット同定装置との構成を示す模式図である。
図1において,鋼板4はサポートローラ9a〜9cに案
内されて一定速度で搬送され,溶融亜鉛が貯溜された亜
鉛浴槽2内を通過して連続的に溶融亜鉛メッキがなされ
るよう構成されている。亜鉛浴槽2から出た鋼板4には
ワイピングノズル3から気体が噴射され,メッキ付着量
が調整される。このときのメッキ付着量はメッキ付着量
計6によって計測され,鋼板4の搬送速度はライン速度
計5によって計測される。上記構成において,第1の発
明に係るメッキ付着量制御方法では,鋼板4の種類とメ
ッキ付着量とによって区分される製品毎に上記溶融亜鉛
メッキの安定操業時に採取されたプロセス量とノズル制
御量との関係に基づき設定された制御演算式に基づいて
上記ノズルをフィードフォワード制御し,上記製品毎の
操業が開始される直前のプロセス量を計測し,上記制御
演算式のパラメータを計測されたプロセス量に基づいて
適応修正する。また,第2の発明に係るメッキ付着量制
御装置は,上記方法を具現化する装置であり,上記フィ
ードフォワード制御のためのプリセットフィードフォワ
ード制御装置7と上記適応制御のためのプリセット同定
装置8とが設けられている。プリセットフィードフォワ
ード制御装置7は上記製品変更を指示する製品変更信号
を起点としてワイピングノズル3へのノズル圧力変更指
令及びノズル間隔変更指令を出力する。プリセット同定
装置8は予め設定された製品製造終了前数メートルの時
点の信号を起点として定常状態にある各計測値からプリ
セットフィードフォワード制御装置7内の制御演算式の
パラメータを変更する。このプリセットフィードフォワ
ード制御装置7とプリセット同定装置8の動作を図2を
用いて説明する。
【0008】図2において,鋼板4に対するメッキ付着
量によって異なる製品変更を材A,材B,材C…として
示す。材Aの製造が終了し,材Bの製造が開始された時
点でプリセットフィードフォワード制御装置7は,計測
されたプロセス量(ライン速度,ノズル間隔等)と,設
定されている材Bの目標メッキ付着量とを受け取り,制
御演算式によりフィードフォワード操作量を演算し,そ
の演算結果であるノズル圧力,ノズル間隔を用いてプロ
セス条件の設定を変更する。この制御条件で材Bの製造
が進行し,予め設定された製造終了の数メートル先の予
定の時点でプリセット同定装置8に終了前信号が入力さ
れると,プリセット同定装置8は定常状態にあるプロセ
ス量を計測して上記制御演算式のパラメータ修正量を演
算する。この演算結果によりプリセットフィードフォワ
ード制御装置7の制御演算式パラメータが変更される。
材Bの製造が終了し,材Cの製造が開始された時点で上
記と同様にプリセットフィードフォワード制御装置7に
よりノズル圧力,ノズル間隔を用いてプロセス条件の設
定を変更する。上記プリセットフィードフォワード制御
装置7及びプリセット同定装置8による制御のための演
算動作を以下に示す。プリセットフィードフォワード制
御装置7はデータ変換部と制御演算部と操作量変換部と
を備え,製品変更時に入力される目標メッキ付着量,ラ
イン速度,ノズル間隔,メッキ浴温度,鋼板の成分等の
プロセス量を基にして,ノズル圧力とノズル間隔とを出
力するように構成されている。以下に示す本第1の実施
例では,簡単のため,目標メッキ付着量w(g/
2 ),実績ライン速度v(m/min),ノズル間隔
d(mm)を入力として,ノズル圧力p(kgf/cm2 )を
出力する場合の演算処理について示す。ノズル間隔d
(mm)を出力するモデル式も同様に構成できるので省略
する。
【0009】データ変換部において,入力されたプロセ
ス量データを下記のように変換する。 y=log p W=log w V=log v D=log d 制御演算部では,上記各変換データを下記制御演算式に
適用する。 y=A0 +A1 W+A2 V+A3 D ここで,A0 ,A1 ,A2 ,A3 はパラメータであり,
製品毎の操業データを採取して,そのデータを用いて
(重回帰により)初期設定値が決定されている。このパ
ラメータはプリセット同定装置8によりオンラインで適
応的に修正される。操作量出力部では,操作出力p°を
次のように計算して出力する。 p°=exp(A0 +A1 W+A2 V+A3 D) プリセット同定装置8は,ある製品の製造終了前数メー
トル時点の信号を受け,計測されたプロセス量(実績メ
ッキ付着量,ライン速度,ノズル間隔)を用いて,プリ
セットフィードフォワード制御装置7のパラメータ(A
0 ,A1 ,A2,A3 )を適応修正する。本第1の実施
例では,適応修正に逐次型最小二乗法を用いている。以
下にその動作則を示す。以下に示す添字NはN番目のサ
ンプル時点,即ちN番目の製品の製造時のデータを示し
ている。 yN :N時点でのy θN =[A0 1 2 3 T :同定するパラメ
ータ zN =[1 W V D]T :N時点で観測されたデー
タ P0 =4×4行列 KN =4×1行列(ベクトル) ここで,Iは単位行列,T は転置を表す。
【0010】上記及び下記初期条件により, P0 =βI(βは十分に大きな値) θ0 :パラメータの初期値で,製品毎の操業データから
予め設定された値 次式でθを逐次的に更新する。 KN =PN-1 N (1+zN T N-1 N -1 θN =θN-1 +KN (yN −zN T θN-1 ) PN =(I−KN N T )PN-1 上式により計算されたθN に基づいてプリセットフィー
ドフォワード制御装置7のパラメータを変更する。以上
述べた本第1の実施例構成によりオフラインでシミュレ
ーションを行ったときの制御精度は,プリセット時のメ
ッキ付着量の目標値からの偏差の絶対値の平均が約2/
3に減少できる結果が得られ,その有効性が確認され
た。尚,上記は制御モデル式への入力変数を目標メッキ
付着量,実績ライン速度,ノズル間隔とした場合である
が,メッキ浴温度,ノズル高さ,加熱炉の温度,鋼板の
温度等を追加することにより,より精度のよい制御を行
うことができる。ところで,上記第1の実施例では,特
定材料が安定操業状態にある時にノズル圧力,ライン速
度,メッキ付着量等のデータを採取して,フィードフォ
ワード制御モデルを適応修正することにより,製品変更
時のモデル精度を維持している。その場合,製品の製造
条件が大きく変更された時には,精度の良い制御が実現
できるが,製造条件のそれほど大きくない変更時には,
プリセット時のフィードフォワード制御を行わずフィー
ドフォワード制御を行う従来例と比較して精度があまり
良いとはいえない。そこで本発明者らは,上記変更が小
さい場合にも高精度な制御を実現すべく,第3,第4の
発明を創案した。以下,第3,第4の発明に係る第2の
実施例について説明する。
【0011】第3の発明に係るメッキ付着量制御方法で
は,図1において鋼板4の種類とメッキ付着量とによっ
て区分される製品の変更前のプロセス量の実測値と変更
後のプロセス量の目標値との偏差を演算し,上記偏差が
大きい場合は,製品毎に上記溶融メッキの安定操業時に
採取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基づき
設定された制御演算式を用いて変更後のプロセス量の絶
対量を演算し,上記偏差が小さい場合には上記制御演算
式を用いて変更後のプロセス量の変更量を演算すること
により上記ノズルをフィードフォワード制御し,上記製
品毎の操業が開始される直前のプロセス量を計測し,上
記制御演算式のパラメータを計測されたプロセス量に基
づいて適応修正する。また第4の発明に係るメッキ付着
量制御装置は上記方法を具現化する装置であり,上記フ
ィードフォワード制御のためのプリセットフィードフォ
ワード制御装置7と上記適応修正のためのプリセット同
定装置8とが設けられている。そして,上記第1の実施
例と同様,プリセットフィードフォワード制御装置7は
上記製品変更を指示する変更信号を起点としてワイピン
グノズル3へのノズル圧力変更指令及びノズル間隔変更
指令を出力する。プリセット同定装置8は予め設定され
た製品製造終了前数メートルの時点の信号を起点として
定常状態にある各計測値からプリセットフィードフォワ
ード制御装置7内の制御演算式のパラメータを変更す
る。このプリセットフィードフォワード制御装置7とプ
リセット同定装置8の動作についても見掛け上は上記第
1の実施例と同様である(図2参照)。しかし,本第2
の実施例では以下のような演算動作を行う。プリセット
フィードフォワード制御装置7は図3に示すように変更
量判定部(偏差演算部に相当)と制御絶対量演算部(絶
対量演算部に相当)と制御変更量演算部(変更量演算部
に相当)とから構成されており,製品変更時に入力され
る目標メッキ付着量,ライン速度,ノズル間隔,ノル液
面高さ,メッキ浴温度,鋼板の成分等のプロセス量を基
にして,ノズル圧力とノズル間隔とを出力するように構
成されている。ここでも,簡単のため,目標メッキ付着
量,実績ライン速度,ノズル間隔を入力として,ノズル
圧力を出力する場合の演算処理について示す。ノズル間
隔を出力するモデル式も同様に構成できるので省略す
る。
【0012】製品変更前の実績データをそれぞれ,実績
メッキ付着量w0 (g/m2 ),実績ライン速度v
0 (m/min),実績ノズル間隔d0 (mm),実績
ノズル高さh0 (mm),実績ノズル圧力p0 (kgf
/cm2 )とする。製品変更後のデータをそれぞれ,変
更する製品の目標メッキ付着量w(g/m 2 ),変更す
るライン速度v(m/min),変更するノズル間隔d
(mm),変更するノズル高さh(mm),出力として
のノズル圧力p(kgf/cm2 )とする。プリセット
フィードフォワード制御装置7は,w0 (g/m2 ),
0 (m/min),h0 (mm),d0 (mm),p
0 (kgf/cm2 ),w(g/m 2 ),v(m/mi
n),h(mm),d(mm)から演算を行い,p(k
gf/cm2 )を出力する。一般にメッキワイピング処
理のモデルはa,b,c,eをパラメータとして次式で
与えられる。 p =a×w0 b ×v0 c ×d0 e 上式を基本モデルと呼ぶ。まず,製品変更時にプリセッ
トフィードフォワード制御装置7へデータが入力される
と,変更量判定部にて制御絶対量演算部と制御変更量演
算部のどちらを用いるかを決定する。直前の材料の設定
と今から製造しようとしている材料の設定がどの程度違
うかを判定するためにその差を以下のように計算してお
く。ただし,変更後のノズル圧力p(kgf/cm2
は決定すべき値であり,その時点ではわからないためモ
デルを用いて予測計算する。 Δw=w−w0 ,Δv=v−v0 Δd=d−d0 ,Δh=h−h0 Δp=p−p0 ただし,p=a×wb ×vc ×de
【0013】過去に採取されたデータから絶対量演算と
変更量演算のどちらが良かったのかを比較することによ
り閾値Wq ,Vq ,Dq ,Hq ,Pq を設定しておい
て,|Δw|<Wq かつ|Δv|<Vq かつ|Δd|<
q かつ|Δh|<Hq かつ|Δp|<Pq ならば,変
更量演算を行い,それ以外なら絶対量演算を行う。制御
絶対量演算部では,次式により操作量pを演算する。 p=a×wb ×vc ×de ここで,a,b,c,eはパラメータであり,製品毎の
操業データを採取して,そのデータを用いて(重回帰に
より)初期設定が決定されている。これらのパラメータ
はプリセット同定装置8によりオンラインで製品毎に適
応的に修正される。制御変更量演算部では,基本モデル
を直前の材料データを基本にテイラー展開した線形式を
用いて操作量の変更量を演算する。即ち,次式を用い
る。
【数1】 ただし,∂p/∂w,∂p/∂v,∂p/∂dはそれぞ
れ偏微分係数である。制御変更量演算部では偏微分係数
部分を計測されたデータを用いて書き直した次式を用い
て計算する。
【数2】
【0014】ここで,Δw,Δv,Δdは変更量判定部
で演算された値を用いる。操作量は,p=p0 +Δpと
して出力する。プリセット同定装置8は,ある製品の製
造終了前数メートル時点の信号を受け,計測されたプロ
セス量(実績メッキ付着量,ライン速度,ノズル間隔,
実績ノル圧力)を用いて,プリセットフィードフォワー
ド制御装置7の基本モデルパラメータ(a,b,c,
e)を適応修正する。プリセット同定装置8は,図3に
示すように入力変換部と適応修正部と出力変換部とから
構成されている。まず,入力変換部において,入力され
たプロセス量データを下記のように変換する。 y=logp0 ,W=logw0 V=logv0 ,D=logd0 また,説明のためパラメータを次のように表記すること
にする。 A0 =loga,A1 =b,A2 =c,A3 =e 基本モデルの両辺で対数をとると,次のような線形式に
変形できる。 y=A0 +A1 W+A2 V+A3 D ここで,パラメータは製品毎の操業データを採取し,そ
のデータを用いて(重回帰により)初期設定値が決定さ
れる。本第2の実施例でも,適応修正部に既述の逐次型
最小二乗法を用いる。
【0015】これにより,計算されたパラメータθN
〔A0 1 2 3 T を出力変換部で, a=exp(A0 ),b=A1 ,c=A2 ,e=A3 として,プリセットフィードフォワード制御装置7の制
御絶対量演算部と制御変更量演算部で用いる基本モデル
パラメータを更新する。以上述べた第2の実施例構成に
よりオフラインでシミュレーションを行ったときの制御
精度についても,プリセット時のメッキ付着量の目標値
からの偏差の絶対値の平均が約2/3に減少できる結果
が得られ,その有効性が確認された。尚,上記制御モデ
ル式への入力変数を目標メッキ付着量,実績ライン速
度,ノズル間隔とした場合であるが,この場合もメッキ
浴温度,ノズル高さ,加熱炉の温度,鋼板の温度等を追
加することにより,より精度のよい制御を行うことがで
きる。尚,上記第2の実施例では,製品変更の大きさ判
定に予め設定しておいた閾値を用いたが,実使用に際し
ては,この代わりに例えば過去のデータを学習させて用
いてもよい。その場合は製品変更や操業状態が経時的に
変化していくようなプロセスであっても,閾値を都度再
設定することなく制御精度を常に確保することが可能と
なる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明の通り第1,第2の発明によ
れば,製品毎の安定操業時に採取されたプロセス量とノ
ズル制御量との関係に基づいて同定された制御演算式に
より製品変更時に気体噴射ノズルがフィードフォワード
制御され,上記制御演算式のパラメータが,製品毎に操
業が安定した時点におけるプロセス量と実績メッキ付着
量との関係に基づいて適応修正されるので,製品変更に
精度よく対応でき,操業条件の変化に速やかに追従させ
ることができる。また,第3,第4の発明によれば,製
品のプロセス量の実測値と変更後のプロセス量の目標値
との偏差が演算され,上記偏差が大きい場合には製品毎
の安定操業時に採取されたプロセス量とノズル制御量と
の関係に基づいて同定された制御演算式により変更後の
プロセス量の演算値が演算され,上記偏差が小さい場合
には上記制御演算式により変更後のプロセス量の変更量
が演算される。これにより製品変更の程度に応じて気体
噴射ノルがフィードフォワード制御される。そして上記
制御演算式のパラメータが,製品毎に操業が安定した時
点におけるプロセス量と実績メッキ付着量との関係に基
づいて適応修正されるので,製品変更により精度よく対
応でき,操業条件の変化に速やかに追従させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係るメッキ付着量調
整装置の構成を示す模式図。
【図2】 上記第1の実施例に係るメッキ付着量制御装
置の動作説明図。
【図3】 本発明の第2の実施例に係るプリセットフィ
ードフォワード制御装置とプリセット同定装置との構成
を示す模式図。
【図4】 従来例に係るメッキ付着量調整装置の構成を
示す模式図。
【符号の説明】
2…亜鉛浴槽(金属溶融浴) 3…ワイピングノズル(気体噴射ノズル) 4…鋼板 7…プリセットフィードフォワード制御装置 8…プリセット同定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 浩明 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (72)発明者 内山 泰孝 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (72)発明者 高林 幸央 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (56)参考文献 特開 平5−33110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状に形成された鋼板を金属溶融浴に連
    続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に配置された気
    体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズルと鋼板との
    間隔を調整することにより上記金属溶融浴を通過する鋼
    板に付着するメッキ付着量を制御するメッキ付着量制御
    方法において,上記鋼板の種類とメッキ付着量とによっ
    て区分される製品毎に上記溶融メッキの安定操業時に採
    取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基づき設
    定された制御演算式に基づいて上記ノズルをフィードフ
    ォワード制御し,上記製品毎の操業が開始される直前の
    プロセス量を計測し,上記制御演算式のパラメータを計
    測されたプロセス量に基づいて適応修正することを特徴
    とするメッキ付着量制御方法。
  2. 【請求項2】 帯状に形成された鋼板を金属溶融浴に連
    続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に配置された気
    体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズルと鋼板との
    間隔を調整することにより上記金属溶融浴を通過する鋼
    板に付着するメッキ付着量を制御するメッキ付着量制御
    装置において,上記鋼板の種類とメッキ付着量とによっ
    て区分される製品毎に上記溶融メッキの安定操業時に採
    取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基づき設
    定された制御演算式に基づいて上記ノズルをフィードフ
    ォワード制御するプリセットフィードフォワード制御装
    置と,上記製品毎の操業が開始される直前のプロセス量
    を計測し,上記制御演算式のパラメータを計測されたプ
    ロセス量に基づいて適応修正するプリセット同定装置と
    を具備してなることを特徴とするメッキ付着量制御装
    置。
  3. 【請求項3】 帯状に形成された鋼板を金属溶融浴に連
    続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に配置された気
    体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズルと鋼板との
    間隔を調整することにより上記金属溶融浴を通過する鋼
    板に付着するメッキ付着量を制御するメッキ付着量制御
    方法において,上記鋼板の種類とメッキ付着量とによっ
    て区分される製品の変更前のプロセス量の実測値と変更
    後のプロセス量の目標値との偏差を演算し,上記偏差が
    大きい場合には製品毎に上記溶融メッキの安定操業時に
    採取されたプロセス量とノズル制御量との関係に基づき
    設定された制御演算式を用いて変更後のプロセス量の絶
    対量を演算し,上記偏差が小さい場合には上記制御演算
    式を用いて変更後のプロセス量の変更量を演算すること
    により上記ノズルをフィードフォワード制御し,上記製
    品毎の操業が開始される直前のプロセス量を計測し,上
    記制御演算式のパラメータを計測されたプロセス量に基
    づいて適応修正することを特徴とするメッキ付着量制御
    方法。
  4. 【請求項4】 帯状に形成された鋼板を金属溶融浴に連
    続的に通過させ,該金属溶融浴の下流側に配置された気
    体噴射ノズルの噴射圧力及び気体噴射ノズルと鋼板との
    間隔を調整することにより上記金属溶融浴を通過する鋼
    板に付着するメッキ付着量を制御するメッキ付着量制御
    装置において,上記鋼板の種類とメッキ付着量とによっ
    て区分される製品の変更前のプロセス量の実測値と変更
    後のプロセス量の目標値との偏差を演算する偏差演算部
    と,上記偏差が大きい場合には製品毎に上記溶融メッキ
    の安定操業時に採取されたプロセス量とノズル制御量と
    の関係に基づき設定された制御演算式を用いて変更後の
    プロセス量の絶対量を演算する絶対量演算部と,上記偏
    差が小さい場合には上記制御演算式を用いて変更後のプ
    ロセス量の変更量を演算する変更量演算部とを有し,上
    記絶対量演算部又は変更量演算部による演算結果に基づ
    いて上記ノズルをフィードフォワード制御するプリセッ
    トフィードフォワード制御装置と,上記製品毎の操業が
    開始される直前のプロセス量を計測し,上記制御演算式
    のパラメータを計測されたプロセス量に基づいて適応修
    正するプリセット同定装置とを具備してなることを特徴
    とするメッキ付着量制御装置。
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