JP2824097B2 - つかいすておむつ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、つかいすておむつ、詳しくは、ウエスト部
に吸収体端部を覆うバリアー部を備え、吸収体端部から
の体液の漏れを防止するとともに、ウエスト部の横方向
に伸縮性のある弾性部材を備えてウエスト回り方向に伸
縮自在にすることによって腰を締め付けずにフィット性
を高め、しかも体液の漏れや体液による下着の漏れを防
止することが可能なつかいすておむつに関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕

紙おむつが一般の布おむつより吸水性、保水性が高
く、排泄物を収容することは周知の所である。

従来、特開昭58−54002号公報に見られるように、つ
かいすておむつのウエスト部の吸収体端部において、液
透過性トップシートと、液不透過性バックシート、前記
両シート間に不透水性プラスチックシートを介在させた
つかいすておむつがあるが、これは、おむつの吸収体縁
を通じて吸収体から体液が漏れるのを防止するには役立
つが、着用者（赤ちゃん）への装着の仕方しだいではウ
エスト回りに隙間が生じてしまい、生じないようにする
ために締めつければ赤ちゃんに不快感を与えることにな
る。又、締めつけた状態においても動きの激しい赤ちゃ
んは、活動することにより体型寸法が変化するため、お
むつが変形してずれ落ちたり、ウエスト回りに隙間が生
じて腰部へのフィット性がなくなったりするために、体
液が漏れやすい欠点があった。

一方、ウエスト回りのフィット性を向上させ、体液が
漏れることによる下着の濡れを防止させたつかいすてお
むつとして、特開昭59−144601号公報、特開昭60−1710
1号公報に見られるように、腰周り部に熱収縮性の弾性
伸縮部材を設けたものが提案されているが、いずれも前
記両シート間の横方向に伸縮弾性部材を介在させ、通気
チャンネルを形成させたため、通気性があり、蒸れは防
止されるものの、前記通気チャンネルから体液が漏れ易
く、ウエストまわりからのモレが防止されるおむつが本
来有すべき性能が発揮できない欠点があった。

そこで、ウエスト廻りのフィット性を向上させ、特に
前側のウエストフラップ部と赤ちゃんの体との間に衣
類、特に下着が挟まれて排泄物で濡れることを防止する
手立てを講じたつかいすておむつとして、特開昭62−22
3303号公報に見られるように腰周り部にポリウレタンフ
ォームの弾性伸縮部材を設けたものが提案されている。
しかし、この場合は、おむつと体との隙間に下着が挿入
されて濡れることは防止できても、吸収体の縁を介して
体液が漏れることを防止できない欠点があった。

更に、これらを合わせた手段を講じたつかいすておむ
つとして、特開昭61−275402号公報に見られるように、
液透過性トップシートと、液不透過性バックシートの両
者間に、単一のウエストシールド及び弾性的に伸縮性の
ウエストバンドを具備し、おむつの周辺に向かって移行
する液体が使用者の下着を濡らすのを防止したものが提
案されている。しかし、このつかいすておむつでは、ウ
エストバンド部のウエストギャザーは吸収体からの体液
の漏れを防止出来るほど着用者の腰回りへのフィット性
が無く、ギャザー部から体液が伝わって漏れ易く、前記
手段の効果が十分に発揮されないといった問題があっ
た。

従って、本発明の目的は、ウエスト部における防漏性
を改善し、吸収体縁を介して体液が漏れることを防止
し、且つウエスト部と腹部との間に隙間ができ、そこか
ら体液が漏れて下着を濡らすこと等を確実に防止できる
つかいすておむつを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、液透過性トップシート、液不透過性バック
シート及び該両シート間に位置する吸収体を備え、且つ
装着時の固定用係止具を有するつかいすておむつにおい
て、縦方向両端部にはそれぞれ所定幅のウエストフラッ
プが形成されており、上記各ウエストフラップには、前
記液透過性トップシートと前記液不透過性バックシート
との間に、内側端が前記吸収体の表面上に延在されたウ
エストバリアーシートが配設され、且つ該ウエストバリ
アーシートと上記液透過性トップシートとの間に、幅方
向に延在されたウエストギャザーを構成する少なくとも
一つの伸縮性弾性部材が配設されていることを特徴とす
るつかいすておむつを提供することにより、上記目的を
達成したものである。

〔作用〕

本発明のつかいすておむつにおいては、そのウエスト
部に吸収体端部を覆うウエストバリアー部を設けるとと
もに、横方向に伸縮自在な弾性ギャザー部を設けること
により、吸収体端部（縁）からの体液の漏れを防止する
と同時に着用者とおむつとの間の隙間から体液が漏れて
下着を漏らすことを防止することを可能とした。

また、ウエストギャザーを構成する伸縮弾性部材が、
液透過性トップシート、内側端が吸収体の上面に延在さ
れているウエストバリアー（シート）との間に配設され
ているため、ウエストギャザーの効果が有効に作用し、
ウエスト部のフィット性が一段と向上する。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳
細に説明する。

第１図は、本実施例のつかいすておむつの外側を示す
平面図、第２図は上記つかいすておむつを組み立てた状
態を示す斜視図、第３図は第１図におけるＡ−Ａ′線断
面図、第４図は第１図におけるＢ−Ｂ′線に対応する位
置の分解断面図である。

本実施例のつかいすておむつは、液透過性トップシー
ト１と液不透過性バックシート２と該両シート間に位置
する吸収体３とが、それぞれ所定の大きさで略中央部に
配されたものであり、また、縦方向一端部近傍には、該
つかいすておむつを着用する際にウエスト周囲を固定す
る為のテープファスナー（係止具）６とを備えているも
のである。

また、前記つかいすておむつは、前記吸収体３の縦方
向線を越えて外側方向へ延出してなるトップシート１と
バックシート２とで連続形成されたウエストフラップ７
を有し、該ウエストフラップ７には上記両シート１及び
２の間に、吸収体３の縦方向縁から離れて設置されてな
るウエストギャザー（伸縮弾性部材）５が取り付けられ
ている。そして、上記ウエストギャザー５はトップシー
ト１と、内側端が前記吸収体３の上面にまで延在する
（第３図参照）ウエストバリアー（シート）４との間に
配され且つおむつ横（幅）方向に延長して取りつけてあ
る。

前記液透過性トップシート１としては、例えば不織
布、多孔性プラスチックフィルム、多孔発泡体等を用い
ることができる。

前記液不透過性バックシート２としては、例えばプラ
スチックフィルム、通気防水性プラスチックフィルム、
該フィルムと繊維不織布とのラミネートシート等を用い
ることができ、前記ラミネートシートの場合には、不織
布が外面（非肌当接面）に位置するようなものが用いら
れる。

前記吸収体３としては、例えばフラッフパルプに高吸
収性ポリマーの粒子が散布されるか、あるいは混合され
た、少なくとも上下面にティッシュペーパー、疎水性ネ
ット又は有効不織布等の透水性シートが被覆されたもの
を用いることができる。

前記ウエストバリア（シート）４としては、蒸気透過
性であることを好ましく、例えばプラスチックフィル
ム、通気防水性プラスチックフィルム又は多孔薄肉発泡
体等を用いることができる。

前記ウエストギャザー５を構成する弾性部材として
は、ポリウレタン弾性繊維及び天然ゴム等よりなる糸状
弾性体、フィルム状の弾性体又はポリウレタンフォーム
等を用いることができる。ポリウレタンフォームとして
は、厚さが１〜3mm幅が少なくとも5mm、セル（気泡）数
が20〜70kg/m³になる範囲で存在し、しかも連続気泡を
有するものが好ましい。

前記ウエストギャザー５は第３図、第４図に示すよう
に、トップシート１とウエストバリアー４に対して、例
えばホットメルト型接着剤（図示せず）で接合されてい
る。このような構成にすることにより、前記従来例のよ
うに、ウエストギャザー５がトップシート１とバックシ
ート２との間にホットメルト型接着剤で接合されている
だけの場合のように吸収体端部から尿が濡れることを防
止出来る。

即ち、本実施例によれば、第３図に示すようなウエス
トバリアー４とトップシート１との間にウエストギャザ
ー５を形成することで、吸収体３の端部からの尿漏れを
防止し、また、前後のウエストフラップ７がめくれた
り、ウエスト部に隙間が空いたりするために下着が挟み
込まれて漏れたりすることが防止される。

また、本実施例では、前記の如くウエストギャザー５
は、吸収体３から離れて設置されるが、その際、該ウエ
ストギャザー５の内側縁と、吸収体３の縦方向縁との間
隔は少なくとも5mm以上離れていることが好ましい。こ
のように5mm以上の間隔をとることは、テープファスナ
ー６の引張作用線と、ウエストギャザー５の伸縮線とを
あえてずらすことになり、その結果、つかいすておむつ
を装着した場合は腹部においてウエストギャザー５がテ
ープファスナー６とは独立に機能して密着する。さら
に、ウエストギャザー５の伸縮作用がおなかの上に位置
するランディングテープ８にまで及ばないためにランデ
ィングテープがシワにならず、動きの激しい赤ちゃんの
場合でも、簡単にテープファスナー６を止めることがで
き、しかも外れ難いため確実に固定できる。従って、前
記ウエストギャザー５は、腹部への密着性が一段と良好
になり、該ギャザー５と腹部との間に衣類が挟まれて濡
れることもない。

また、本実施例のおむつは、出荷に際してパック詰め
する場合も、ウエストギャザー５に折れ曲りが発生する
ことを防止できる。

即ち、おむつをパック詰めする場合は、それを幅方向
に３つ折りして狭幅形状に折り畳んだ後、折り畳んだ状
態のものを長手方向に３つ折りして短形状にし、横及び
縦のそれぞれの方向に３つ折りにした状態のおむつを袋
に入れることが行われる。短形状に折り畳んだ状態のお
むつを、模式的に示したのが、第８図（ａ）である（図
では狭幅形状に折り畳んだおむつを一本の線で表してい
る）。

上記第８図（ａ）の状態におむつを折り畳む場合に
は、通常、ランディングテープに対する汚れ付着防止の
ために、該テープが位置する側を内側になるようにする
が、その際同図（ｂ）に示すようにウエストギャザー５
が形成されているウエストフラップ７が外側に折れ曲が
り、曲がり癖が付いてしまい、そのため着用時にウエス
トギャザー５が十分に機能しない等の問題が発生するこ
とがあった。

しかしながら、本実施例のつかいすておむつでは、ウ
エストギャザー５が吸収層３から離在されているので、
該両者間の領域で折り曲げ自在で、仮に外側に折れ曲が
ってもウエストギャザー５自体は折れ曲がったり、ヨレ
たりすることはない。従って、上述の意味からも、本実
施例のおむつでは、ウエストギャザー５が腹部に対して
十分に密着する。

以上詳述したつかいすておむつは、ウエスト部におけ
る防漏性を改善させ前後モレ、特に吸収体縁を通じて体
液が漏れることと、隙間から体液が漏れて下着を濡らす
ことの両方のモレを確実に防止出来、しかもウエストフ
ラップ７が蒸気通過性で、むれ、かぶれを防止できるよ
うにする為に、液透過性のトップシート１と蒸気通過性
のウエストバリアー４との間にギャザー５を形成して前
述の欠点を解決したものである。前記した従来例では、
ウエストギャザー５を設けるために、一方向に収縮し、
かつ加熱などの特定な処理後に弾性になる高分子材料を
使用したり、フィルム、糸ゴム、ウレタンフォーム等の
弾性部材を伸張させた状態で熱溶融型ホットメルト接着
剤、超音波等を使用したりして液透過性トップシート
と、液不透過性バックシートとの間で接着してウエスト
ギャザーを形成したものがあるにすぎない。

また、本実施例では、前後のウエストフラップ７がめ
くれたり、離れたりして着用状態が著しく悪いのみなら
ず、衣類、特に下着が挿入されて濡れることを防止する
ために、ウエストギャザー５の伸縮作用線上にテープフ
ァスナー６があるが、その作用が及ばぬように吸収体端
部から離れた位置にウエストギャザーが設置されてい
る。従って、前記テープファスナー６の機能を確保して
しかも母親等のおむつ装着の仕方に影響されず、ウエス
トギャザー５が独立に作用し腹部の変化に追従、密着で
きるため、漏れやぬれを確実に防止できる。

これに反し、従来例では、ウエストギャザーが吸収体
端部に近接あるいは、被覆されているおむつの着用状態
において、背側のウエストフラップは、該バンドの収縮
作用で着用者の身体に比較的よく密着するが、前側のウ
エストフラップは前側のウエストギャザーの伸縮作用線
と背側の横方向両側に備えたテープファスナーとの位置
関係や母親等のおむつ装着の仕方によって赤ちゃんの活
動による腹囲変化に追従できず、前後のウエストフラッ
プ７がめくれたり、離れたりして着用状態が著しく悪い
のみならず、衣類、特に下着が挿入されて濡れることが
あり、その上に、テープファスナーをウエストギャザー
に連結しなければならず、そのためテープの位置修正、
付け剥がし、排泄物のチェック等の機能が失われてしま
う。

第５図、第６図及び第７図は、それぞれ本発明の他の
実施例のつかいすておむつの要部を示す、第３図に相当
する断面図である。

第５図に示す実施例のつかいすておむつは、ウエスト
フラップ７の位置に、二つの伸縮弾性部材（ウエストギ
ャザー）５が配設されている以外は、基本的に前記実施
例のものと同一のものであり、ウエストギャザー５によ
る着用者の腹部に対するフィット性を一段と向上させた
ものである。

また、第６図に示す実施例のつかいすておむつは、二
本の糸状弾性体でウエストギャザー５が形成されている
以外は、前記実施例のつかいすておむつと基本的に同一
の構成からなるものである。

更に、第７図に示す実施例のつかいすておむつは、フ
ィルム状弾性体でウエストギャザー５が形成されている
以外は、前記実施例のつかいすておむつと基本的に同一
の構成からなるものである。

以上本発明のつかいすておむつを実施例に基づいて具
体的に説明したが、本発明は前記実施例に示したものに
限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて任意に変更可能である。

〔発明の効果〕

本発明のつかいすておむつは、ウエスト部における防
漏性を改善し、吸収体縁を介して体液が漏れることを防
止し、且つウエスト部と腹部との間に隙間ができ、そこ
から体液が漏れて下着を濡らすこと等を確実に防止でき
る。

即ち、ウエストフラップを構成するシート間に取り付
けられたウエストギャザーは、トップシートと、内側端
が吸収体上面に延在するウエストバリアーとの間に設置
されているので、吸収体端部を通じて体液が漏れること
が防止されるとともに、赤ちゃんの腹部と密着するの
で、腹部との間に隙間が生じることが防止され、そのた
めに、下着が挟まれて濡れることもない。

また、前記ウエストギャザーを吸収体から離して設置
することにより、テープファスナーの引張作用線とウエ
ストギャザーの伸縮線とをずらすことができるので、腹
部においてウエストギャザーが独立に機能し、赤ちゃん
の腹部に密着する。さらに、ウエストギャザーの伸縮が
おなかの上に位置するランディングテープまでに及ばな
いので、ランディングテープがシワにならず、動きの激
しい赤ちゃんでも、簡単且つ確実にテープをとめること
ができ、しかも外れることがない。従って、前記ウエス
トギャザーと腹部との間に衣類が挟まれて濡れるとがな
く、腹部への密着性がさらに良好になる。

また、バックシート、ウエストバリアーを、蒸気通過
性フィルムで形成し、さらに、ウエストギャザーをプラ
スチックフォームで形成することにより、ウエストフラ
ップにおいては、おむつの内外の蒸気透過を前記ウエス
トギャザーを通して行うことができるので、むれを防止
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本実施例のつかいすておむつの外側を示す平
面図、第２図は上記つかいすておむつを組み立てた状態
を示す斜視図、第３図は第１図におけるＡ−Ａ′線断面
図、第４図は第１図におけるＢ−Ｂ′線に対応する位置
の分解断面図、第５図、第６図及び第７図はそれぞれ他
の実施例の要部を示す第３図に相当する部分断面図、第
８図（ａ）（ｂ）はつかいすておむつの折り畳状態を示
す説明図である。 1;トップシート、2;バックシート 3;吸収体、4;ウエストバリアー 5;ウエストギャザー 6;係止具（テープファスナー） 7;ウエストフラップ 8;ランディングテープ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−182403（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−54002（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−100246（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−173101（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A61F 13/15,13/46 - 13/64

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液透過性トップシート、液不透過性バック
   シート及び該両シート間に位置する吸収体を備え、且つ
   装着時の固定用係止具を有するつかいすておむつにおい
   て、縦方向両端部にはそれぞれ所定幅のウエストフラッ
   プが形成されており、上記各ウエストフラップには、前
   記液透過性トップシートと前記液不透過性バックシート
   との間に、内側端が前記吸収体の表面上に延在されたウ
   エストバリアーシートが配設され、且つ該ウエストバリ
   アーシートと上記液透過性トップシートとの間に、幅方
   向に延在されたウエストギャザーを構成する少なくとも
   一つの伸縮性弾性部材が配設されていることを特徴とす
   るつかいすておむつ。
2. 【請求項２】前記伸縮性弾性部材が、前記吸収体から離
   れて配設されている請求項（１）記載のつかいすておむ
   つ。
3. 【請求項３】前記伸縮性弾性部材が、糸状弾性体、フィ
   ルム状弾性体又はポリウレタンフォームよりなる請求項
   （１）記載のつかいすておむつ。