JP2822856B2 - グラフィック処理装置 - Google Patents
グラフィック処理装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文字や図形を表示,印字
等するグラフィック処理装置、それを用いたデータ処理
装置及びデータ処理システムに係り、特に所定のグラフ
ィックデータを他の位置にカラー演算処理をして高速に
転送するグラフィック処理装置、それを用いたデータ処
理装置及びデータ処理システムに関する。 【0002】 【従来の技術】ラスタスキャン方式でCRTに文字や図
形を表示する方法として表示装置の各画素に対応する情
報を記憶するメモリ(ビットマップメモリ)を持つ方式
(ビットマップ方式と呼ぶ)がある。また、このビット
マップメモリを持つ方式はプリンタへの出力を制御する
場合にも用いられている。従来、このビットマップメモ
リに文字や図形データを発生する処理を主としてリフト
ウエアで行っていたが、扱うデータ量が多いため低速で
あるという問題があった。一方、特にグラフィック図形
発生を高速に行う分野では専用のハードウエアを用いる
方法も一部用いられているが高価になるのが難点であ
る。 【0003】これに対し、文字や図形データの発生機能
をLSIに内蔵することが行われるようになってきてお
り、例えば公知の文献としては、「御法川和夫ほか『座
標で描画位置を指定でき、塗りつぶしやコピーなど豊富
なコマンドを持つCRTコントローラ』日経エレクトロ
ニクス1984年5月21日号,pp.221〜254」で
ある。このLSIを用いれば比較的低いコストでグラフ
ィック処理を大幅に高速化できる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前述の文献によると、
転送元データを論理演算又は算術演算して転送先データ
を生成し、この生成されたデータを転送先アドレスに書
き込むことが示されている。 【0005】つまり、このような転送の処理では、転送
先アドレスに保持されているデータの内容に応じたデー
タの演算処理をして、高速に転送することができない。
もし、転送先アドレスに保持されているデータの内容を
考慮した転送処理を行うとすると、プログラム作成段階
で、転送先アドレスに保持されているデータの内容を考
慮して論理演算や算術演算の組み合わせで所定のデータ
が書き込まれるようにプログラムを作成しなければなら
ないという煩雑さが生じる。 【0006】以上のように、従来技術によると、プログ
ラム量が大きくなり、処理時間の高速化,メモリ容量の
低減が困難になるという問題がある。 【0007】本発明の目的は、所定のグラフィックデー
タを所定の位置から他の位置へ転送するのに、転送先に
予め保持されているグラフィックデータとのカラー演算
処理をして、高速に行うグラフィック処理装置、それを
用いたデータ処理装置、及びデータ処理システムの提供
にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的は、メインメモ
リと、画像データを保持する画像メモリと、画像メモリ
と接続され画像メモリに書き込むための画像データを生
成する画像処理プロセッサと、メインメモリと画像処理
プロセッサとの間でデータの転送を行うためにメインメ
モリに接続された第1の信号線と、画像処理プロセッサ
と接続された第2の信号線と、第1,2の信号線との間
に設けられたスイッチとを有する画像処理装置であっ
て、画像処理プロセッサは、第1の信号線と第2の信号
線との接続を制御するスイッチを制御するための制御信
号を生成する制御部と、カラーデータを保持するカラー
レジスタとを少なくとも有し、制御部によって生成され
た制御信号をスイッチに出力し、メインメモリに記憶さ
れたデータを読み出し、この読み出したデータの内容に
応じてカラーレジスタに保持されているカラーデータを
指定し、この指定されたカラーデータを画像メモリに書
き込むことにより達成することができる。 【0009】 【作用】転送先に保持されているグラフィックデータと
転送元のグラフィックデータ又はカラーレジスタに保持
されたグラフィックデータの比較を行って、その比較結
果に応じてカラー演算を行うことができる。また、転送
元データの内容に応じてカラーデータを指定することが
できるので、転送しながらカラー処理が可能になる。さ
らに、転送元のカラーデータの内容に応じて、1ビット
のデータに変換、つまり、カラーデータを2値化するこ
とができる。 【0010】従って、転送先に保持されているデータと
の比較,転送元のデータの変換を行いながら高速に転送
することができる。また、プログラム作成の負担が減少
し、さらに、プログラム量も減少する。よって、グラフ
ィック処理装置として高速化するだけでなく、データ処
理装置,データ処理システムとしても高速化が達成され
る。 【0011】 【実施例】以下図面に基づいて本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。 【0012】図1は本発明を実施したグラフィック表示
装置の全体構成概要の一例を示す。第2のプロセッサ手
段となる図形処理装置(GDP)10,第1のプロセッ
サ手段となる中央処理装置(CPU)11,第1の記憶
手段となるメインメモリ12,直接メモリアクセスコン
トローラ(DMAC)13,第2の記憶手段となるフレ
ームバッファ14,並直列変換回路15,出力手段とな
る表示装置(CRT)16,アドレスデコーダ17,バ
ス接続制御手段となるバススイッチ20、から成る。
尚、中央処理装置11に接続されたシステムバスには、
図示しないが、他の表示装置や印刷装置等の他の入出力
手段を接続してメインメモリ12の画素情報を用いて表
示,印刷等の他の入出力をすることが可能である。 【0013】中央処理装置11はメインメモリ12に記
憶されたプログラムまたは、図示しない他の外部装置か
ら転送されるプログラムを実行処理しシステム全体を管
理制御する。直接メモリアクセスコントローラ13は、
メインメモリ12と図形処理装置10とフレームバッフ
ァ14あるいは他の入出力装置(図示しない)との間の
直接メモリアクセスを制御する。図形処理装置10は中
央処理装置11あるいはメインメモリ12から転送され
るコマンドとパラメータ情報を中央処理装置11に接続
されたデータバスより受け取り、あらかじめ定められた
処理手順に従って、フレームバッファ14あるいはメイ
ンメモリ12をフレームバッファ14に接続されたアド
レス/データバスよりアクセスし文字や図形データを発
生する。図形処理装置10はコマンド,パラメータ情報
をフレームバッファ14からも読み出すことができる。
また図形処理装置10は、表示装置16を制御する同期
タイミング信号の発生及び所定のタイミングに同期して
フレームバッファ14から順次表示すべき情報を読み出
すための制御も司っている。また、図形処理装置10
は、中央処理装置11あるいは直接メモリアクセスコン
トローラ13とフレームバッファとの間の直接メモリア
クセスを制御するためのバススイッチ20を制御する信
号の発生及び図形処理装置10がメインメモリ12をア
クセスし文字や図形を発生するための制御信号の発生を
行う。アドレスデコーダ17は中央処理装置11に接続
されたアドレスバスのアドレスをデコードし、バススイ
ッチ20にフレームバッファバス要求信号を発生する。
バススイッチ20は、フレームバッファ14のアドレス
を、図形処理装置10あるいは中央処理装置11に接続
されたアドレスバスのいずれから供給するかを切り換え
る。あるいはバススイッチ20は、メインメモリ12の
アドレスを中央処理装置11に接続されたアドレスバス
あるいは図形処理装置10のアドレスのいずれから供給
するかをも切り換える。すなわち、バススイッチ20は
双方向スイッチとしての機能を有し、図形処理装置10
からの制御信号により制御される。 【0014】図2,図3,図4にその他の構成例を示
す。これらの構成はCRT,液晶デイスプレイ,ELデ
イスプレイ,プラズマデイスプレイ,ECDデイスプレイ
等の表示装置のほか感熱プリンタ,液晶プリンタ,LE
Dプリンタ,レーザ・ビーム・プリンタなどの印刷装置
にも適用できるもので、その場合には表示装置16に相
当する部分が印刷装置となる。 【0015】図2は中央処理装置11に接続されたバス
とフレームバッファ14に接続されたバスを分離したグ
ラフィック表示装置の構成である。 【0016】図形処理装置(GDP)10,中央処理装
置(CPU)11,メインメモリ12,直接メモリアク
セスコントローラ(DMAC)13,フレームバッファ
14,並直列変換回路15,表示装置(CRT)16、
から成る。 【0017】この構成は小型装置向きの簡潔な構成であ
る。 【0018】図3は、フレームバッファ14のアドレス
を図形処理装置10あるいは中央処理装置11に接続さ
れたアドレスバスのいずれから供給するかを切り換える
バススイッチ21を有するグラフィック表示装置の構成
例である。 【0019】図形処理装置(GDP)10,中央処理装
置(CPU)11,メインメモリ12,直接メモリアク
セスコントローラ(DMAC)13,フレームバッファ
14,並直列変換回路15,表示装置(CRT)16,
アドレスデコーダ17,バススイッチ21から成る。 【0020】図1あるいは図3の構成例では、中央処理
装置11のアドレス領域の1部に割り付け、アドレスデ
コーダ17によるデコードによりフレームバッファ14
のバス権の要求信号を発生し、図形処理装置10を介さ
ないで中央処理装置11あるいは直接メモリアクセスコ
ントローラ13とフレームバッファ14との間でデータ
転送を行う。この結果、中央処理装置11から任意にフ
レームバッファ14をアクセスできるという効果があ
る。 【0021】図4は、メインメモリ12のアドレスを中
央処理装置11に接続されたアドレスバスあるいは図形
処理装置10のアドレスのいずれから供給するかを切り
換えるバススイッチ22を有するグラフィック表示装置
の構成例である。 【0022】図形処理装置(GDP)10,中央処理装
置(CPU)11,メインメモリ12,直接メモリアク
セスコントローラ(DMAC)13,フレームバッファ
14,並直列変換回路15,表示装置(CRT)16,
バススイッチ22から成る。 【0023】図1あるいは図4の構成例では、文字フォ
ントをメインメモリ12の領域に配置して、図形処理装
置10はビットマップ文字カラー展開処理を行うことが
できる。また、2値情報あるいは多値情報で構成される
パターン情報をメインメモリ12の領域に配置して、図
形処理装置10はパターン展開処理を実行する。あるい
は、メインメモリ12とフレームバッファ14との間で
ビットマップのコピーを行うことができる。これは、メ
モリ幅あるいは1画素あたりのビット構成数が異なるビ
ットマップ間においてもコピー処理を行うことができ
る。 【0024】以下に中央処理装置11がフレームバッフ
ァ14を図形処理装置10を介さないで直接アクセスす
る場合の制御例の詳細を説明する。ただし、フレームバ
ッファ14を直接アクセスできるのは、中央処理装置1
1だけではなく、中央処理装置11のアドレスおよびデ
ータバスに接続されている、直接メモリアクセスコント
ローラ13等、データ転送機能を有する半導体装置全部
に本方式は適用できる。 【0025】図5に、中央処理装置11がバススイッチ
20あるいはバススイッチ21を介してフレームバッフ
ァ14をアクセスする場合のシーケンスを示す。アドレ
スデコーダ17は、中央処理装置11に接続されている
アドレスバスのアドレスをデコードし、バススイッチ2
0あるいはバススイッチ21にフレームバッファ14の
バス権を要求する信号をアサートする。バススイッチ2
0あるいはバススイッチ21はバス権の要求信号を受け
て図形処理装置10に対して停止信号HALTをアサー
トする。図形処理装置10は、フレームバッファ14に
対して、描画,表示,リフレッシュ制御およびアトリビ
ュート出力を実行するが、HALT入力に対する優先度
をあらかじめ独立に設定でき、HALTに対して停止し
ない期間を示すBUSY信号を外部にアサートする。B
USY期間外HALT入力に対し図形処理装置10は内
部動作を停止し、アドレスバスおよびデータバスはトラ
イステートにする。バススイッチ20あるいはバススイ
ッチ21はBUSY期間外システムバスとフレームバッ
ファバスを接続し、中央処理装置11はフレームバッフ
ァ14をアクセスすることができる。アクセスを実行す
ると、バススイッチ20あるいはバススイッチ21はA
CK信号を中央処理装置に入力し、一連の動作は完結す
る。 【0026】以上は図形処理装置10が一個の場合の動
作であるが、図形処理装置10が複数個あるいは機能の
異なる他の図形処理装置を同一フレームバッファバスに
接続した場合に対し、図形処理装置は描画要求信号DR
REQを出力し、バスアービトレーションを可能にして
いる。 【0027】図6に、図形処理装置10がバススイッチ
20あるいはバススイッチ22を介してメインメモリ1
2をアクセスする場合のシーケンスの一例を示す。 【0028】図形処理装置10に対して、あらかじめコ
マンドMMA(Main Memory AccessMode)をセットして
おくと図形処理装置10の有するアドレス空間の上位2
56Mバイト(全体で512Mバイト)のアドレスをメ
インメモリ12空間として割り付けることができる。こ
の場合、図形処理装置10はシステムバス要求信号BR
EQをアサートする。バス要求信号を受けたバススイッ
チ20あるいはバススイッチ22は、中央処理装置11
(ここではモトローラ社のCPUを仮定)に対しBR信
号をアサートする。同時に、図形処理装置10に対して
はHALTを入力し、描画プロセッサを停止させてお
く。バススイッチ20あるいはバススイッチ22は、中
央処理装置11からBG信号を受け付けると、システム
バスが開放されるのを確認し、中央処理装置11に対し
てBGACKをアサートする。同時に、図形処理装置1
0に対してHALTをネゲートし、システムバスのアク
セスを許可する。図形処理装置10は描画期間に入ると
HOLD信号を出力し、システムバスへのアクセス実行
期間を示す。バススイッチ20あるいはバススイッチ2
2はHOLD期間メインメモリ12に対するアクセスを
実行する。 【0029】メインメモリ12に対して1サイクルで描
画が終了しない場合、バススイッチ20あるいはバスス
イッチ22は図形処理装置に対してRETRY信号をア
サートし、再度描画を実行させることができる。 【0030】図7は複数個の図形処理装置10を用いて
構成したグラフィック表示装置の一例を示す。n個(n
≧2)の図形処理装置10−1,10−2,……10−
n,中央処理装置11,メインメモリ12,直接メモリ
アクセスコントローラ13,n個に分割されたフレーム
バッファ14−1,14−2,……14−n,n個の並
直列変換回路15−1,15−2,……15−n,表示
装置CRT(図示しない)、n個のバススイッチ20−
1,20−2,……20−nからなる。 【0031】図7の実施例は、1画素のデータが複数ビ
ットで表現される場合(多色や多階調)に、フレームバ
ッファ14をカラープレーン単位に分割し、複数の図形
処理装置10を配置して並列処理を可能ならしめるもの
である。各図形処理装置10−1,10−2,……10−
nはバススイッチ20−1,20−2,……20−nの効
果によって、メインメモリ12をアクセスすることがで
きる。従って文字フォントのような共通に用いる基本情
報はメインメモリ12上に置くことができ、メモリ効率
を向上できる。さらに、文字フォントを各フレームバッ
ファ14−1,14−2,……14−nに展開するよう
な共通の処理を行う場合には、EXEC信号を用いてコ
マンド処理の同期をとることができ、メインメモリ12
から読出したデータを各図形処理装置10−1,10−
2,……10−nで同時に取込むことができる。この結
果、同一データの読出しが1回で済み、処理効率を向上
できる。 【0032】次に図形処理装置(GDP)の内部構成に
ついて詳しく説明する。 【0033】図8は図形処理装置10の内部構成を示
し、描画プロセッサ101,表示プロセッサ102,タ
イミングプロセッサ103,CPUインタフェース10
6,割込み制御回路105,DMA制御回路104,ディ
スプレイインタフェース108、及びバス制御回路10
7から成る。描画プロセッサ101は、線や面等の図形
発生やCPUと表示用メモリ間のデータ転送等を制御す
るもので、描画アドレスを出力し表示用メモリの読み書
きを行う。表示プロセッサ102はラスタ走査に従って
順次表示される表示用メモリの表示アドレスを出力す
る。タイミングプロセッサ103は、CRTの同期信号
や表示タイミングや表示と描画の切り替え信号等の各種
タイミング信号を発生する。CPUインタフェース10
6は、CPUデータバスと図形処理装置10間の同期化
等中央処理装置(CPU)11とのインタフェースを司
る。割込み制御回路105はCPUに対する割込み要求
信号(IRQ)を発生する。直接メモリアクセス(以下D
MAと呼び)制御回路104はDMAコントローラ(以
下DMACと呼ぶ)13に対する制御信号のやりとりを
制御する。ディスプレイインタフェース108は、表示
と描画のアドレス切り替え制御等表示用メモリ及びディ
スプレイ装置とのインタフェースを司る。バス制御回路
107は、フレームバッファ用のバスのアクセス権を制
御するもので、外部から要求される信号に対しバスの使
用を許可するかどうかを制御する。この図形処理装置1
0では、描画,表示,タイミングの3プロセッサが機能
分散し並列動作することにより、処理効率を向上してい
る。 【0034】次に、図形処理装置10の各入出力端子の
機能について詳細に説明する。 【0035】(1)双方向性データバス(D0〜D15:
入出力) システムバスと図形処理装置10間のデータ転送に使用
する入出力信号である。この端子はスリーステートバッ
ファになっており、中央処理装置11側から図形処理装
置10の内部レジスタをリードするとき以外はハイイン
ピーダンス状態になっている。 【0036】(2)リセット(RES:入力) 外部から図形処理装置10の内部状態をリセットするた
めの入力信号である。この端子に“Low” レベル信号が
入力されると、内部の状態がリセットされ、表示,描画
動作が停止する。 【0037】(3)リード/ライト(R/W:入力) 中央処理装置11側のシステムバスと図形処理装置10
間のデータ転送の方向を制御する入力信号である。“Hi
gh”レベルのときリード(図形処理装置10から中央処
理装置11側へのデータ転送)、“Low”レベルのときラ
イト(中央処理装置11側から図形処理装置10へのデ
ータ転送、となる。ただしDMA転送モードのときは
“High”レベルでメインメモリ側から図形処理装置10
への転送、“Low” レベルのときGDP10からメイン
メモリ12側への転送となる。 【0038】(4)チップセレクト(CS:入力) 中央処理装置11が図形処理装置10に対してアクセス
する場合の選択入力である。すなわち、CSに“Low”
レベルを入力したときのみ、図形処理装置10の内部レ
ジスタに対しリード/ライトを実行できる。 【0039】(5)レジスタセレクト(RS1〜2:入
力) 図形処理装置10の内部レジスタを選択する入力信号で
ある。RS1,RS2が共に“Low” のときは、書込み
時はアドレスレジスタが、読出し時はステータスレジス
タが選択される。RS1が“Low",RS2が“High”の
ときはFIFOが選択され、RS1=“High”,RS2
=“Low” のときはアドレスレジスタの指定する制御レ
ジスタが選択される。 【0040】(6)データ転送アクノリッジ(DTAC
K:出力) データ転送の完了を示す出力信号である。非同期のバス
とインタフェースする場合に、この信号を用いてデータ
転送を制御する。 【0041】(7)割込み要求(LRQ:出力) 中央処理装置11に対してコマンド終了,未定義コマン
ド検出等を知らせる割込み要求の出力信号である。この
端子はオープンドレイン出力となっており、他のデバイ
スからの割込み要求出力とワイヤードORをとることが
できる。 【0042】(8)DMA転送要求(DREQ:出力) DMA転送モードでデータ転送を行うとき、DMAコン
トローラ13に対してデータ転送要求を行うための出力
信号である。DMA転送の方式としては、サイクルスチ
ールとバーストモードの2通りが選択できる。 【0043】(9)DMA転送アクノリッジ(DACK:
入力) DREQ信号に対するDMAコントローラ13からの応
答入力である。この端子に“Low” レベルが入力された
ときにデータのアクセスが行われる。 【0044】(10)水平同期/外部水平同期(HSYNC/EXH
SYNC:入出力) この端子が出力に設定されているときは、CRTディス
プレイ装置16の水平同期信号を出力する。入力に設定
されているとはTV等の外部装置から水平同期信号を入
力し、内部の水平同期動作はこの入力信号に同期する。 【0045】(11)垂直同期(USYNC:出力) CRTディスプレイ装置16に垂直同期をかけるための
出力信号である。 【0046】(12)垂直外部同期(EXVSYNC:入出力) 複数個の図形処理装置10−1,10−2,……10−
nの並列動作、または他の外部機器との同期動作を行う
ための入出力信号である。マスタモードの場合はこの端
子は出力となり、スレーブモードのときは入力となる。
ノンインタレース時には、VSYNCと同一信号,イン
タレースモードでは奇数フィールドのみのVSYNCを
分離した信号を用いて同期動作を実行する。 【0047】(13)表示タイミング1/2(DISP1,
DISP2:出力) 画面の表示タイミングを示す出力信号である。DISP
1はベース画面として設定された各図面の表示期間のO
Rをとつた信号出力である。DISP2はスーパインポ
ーズ画面の表示期間を示す信号を出力する。 【0048】(14)カーソル表示(CUD:出力) CRTディスプレイ装置16の画面にカーソルを表示す
るための出力信号である。カーソル定義レジスタを制御
することにより、グラフィック・カーソルまたはクロス
ヘアカーソルのいずれかを選択できる。 【0049】(15)メモリデータ(MD0〜31:入出
力) 図形処理装置10とフレームバッファ14との間のデー
タ転送を行う32ビットの入出力端子である。また、表
示サイクル期間中は、アトリビユート信号の出力端子と
なる。 【0050】(16)メモリアドレス(MA0〜27:出
力) フレームバッファ14のアドレスを出力する端子であ
る。フレームバッファ14にダイナミックRAMを用い
る場合、水平同期期間中にこの端子にリフレッシュアド
レスを出力することができる。 【0051】(17)メモリアドレス・ストローブ(MA
S:出力) MA0〜27の出力が有効な期間を示すストローブ信号
である。 【0052】(18)フレームバッファ・バスステータス(F
BS0〜3:出力) フレームバッファ・バスの各メモリサイクルごとの状態
を示す信号出力である。外部ではこの信号をデコードす
ることにより、バスサイクルの種類を知ることができ
る。下表に詳細を示す。 【0053】 【表1】【0054】(19)エグゼキュート(EXEC:入出力) n個の図形処理装置10−1,10−2,……10−n
をカラープレーン単位で複数個用いる場合、コマンド単
位で描画動作の同期を行うための入出力信号である。こ
の端子はオープンドレインになっており、各図形処理装
置10−1,10−2,……10−nごとの信号をワイ
ヤードOR接続する。図形処理装置10−1,10−
2,……10−nはコマンド実行中はこの端子を“Lo
w” にしコマンドを終了すると“High”にする。従って
ワイヤードOR接続されたこの端子は、すべての図形処
理装置10−1,10−2,……10−nがコマンドを
終了したときに“High”になる。図形処理装置10−
1,10−2,……10−nはこの端子が“Low” の期
間中は次のコマンド実行に移れないが“High”を検出し
た直後に次のコマンド実行に移ることができる。 【0055】(20)クロック1,2(CLK1,2:入
力) 図形処理装置10の内部動作の基準となるクロック信号
を入力する。クロック信号CLK2はクロック信号CL
K1に対して90゜位相を遅られた信号を入力する。 【0056】(21)2クロック(2CLK:出力) クロック信号CLK1を2分周したクロック信号を出力
する。 【0057】(22)メモリサイクル(MCYC:出力) フレームバッファ14のメモリアクセス・タイミングを
示す信号出力で、この信号は2CLKを2分周したクロ
ックである。 【0058】(23)バスリクエステ(BREQ:出力) 図形処理装置10がシステムメモリ12をアクセスする
際のバス使用権の要求信号である。 【0059】(24)ホールド(HOLD:出力) 図形処理装置10がシステムバスに対しバス要求を出力
し、バスマスタになった後、そのバスを専有している期
間中この端子に“High”を出力する。 【0060】(25)リトライ(RETRY:入力) 描画アクセスの再実行を指令する入力端子である。図形
処理装置10がシステムメモリ12をアクセスする場
合、システムメモリ12のサイクルタイムが図形処理装
置10のメモリサイクルタイムより長い場合、この端子
に“High”を入力することにより、次の描画サイクルで
同一のメモリアクセスを再実行することができる。 【0061】(26)ビジー(BUSY:出力) 図形処理装置10がフレームバッファ14を解放できな
いメモリサイクル期間を示す。リフレッシュアドレスの
出力期間中や表示優先モードでの表示メモリサイクル期
間中で“High”レベルが出力される。 【0062】(27)ホールト(HALT:入力) 図形処理装置10のフレームバッファアクセスを禁止さ
せるための入力信号である。BUSYが“Low” のと
き、ホールトが受け付けられ図形処理装置10はメモリ
アクセスを実行しない。信号BUSYが“High”のとき
はこの信号入力は無視される。従って、この信号によっ
て表示優先モードでは描画メモリサイクルを、描画優先
モードでは描画と表示の両メモリサイクルを禁止するこ
とができる。また、図形処理装置10がシステムメモリ
12をアクセスする場合には、信号BREQ出力後、外
部回路でこの端子に“High”を入力し、その後システム
バスの使用許可信号に応じて信号HALTに“Low” を
入力することによりバスの使用許可を知らせる。 【0063】(28)ドローリクエスト(DRREQ:出
力) フレームバッファ14に対する描画要求信号である。複
数の図形処理装置10がフレームバッファ14を共有す
る場合、この信号を外部のバス調停回路で判定してバス
の使用権を割付ける。 【0064】図9は、図形処理装置10の中の描画プロ
セッサ101の内部構成を示したものである。描画プロ
セッサ101は、コマンドやパラメータを中央処理装置
11等から受け取ったり、データ転送を行うためのFIFO
1015,コマンドをセットするコマンドレジスタ101
4,論理アドレス演算部1013とそれを制御する第1
のマイクロプログラムROM1011 及び第1のマイクロ命令
デコーダ1012,物理アドレス演算部1019とカラ
ーデータ演算部1020を制御する第2のマイクロプロ
グラムROM1016 及び第2のマイクロ命令デコーダ101
7,線種情報やペル情報などを格納する内部RAM1018 で
構成される。 【0065】中央処理装置(CPU)11からコマンド
を受け取ると、コマンドはコマンドレジスタ1015へ
セットされ、それに対応したマイクロプログラムが第1
のマイクロプログラムROM1011 から読み出される。第1
のマイクロ命令デコーダ1012はそれをデコードし論理ア
ドレス演算部1013を制御する。一方、マイクロ命令
の一部は、第2のマイクロプログラムROM1016 を読み出
すためのアドレスとなる。読み出されたマイクロプログ
ラムは、第2のマイクロ命令デコーダ1017によって
デコードされ論理アドレスに対応したフレームバッファ
14のメモリアドレスを算出するための物理アドレス演
算部1019と、図形データを演算するカラーデータ演
算部1020を制御する。また、内部RAM1018 は、内部
RAM独自のアドレッシングと、フレームバッファ空間
の一部としてアクセスできるフレームバッファアドレッ
シングを持つ。内部RAMは、フレームバッファより高
速にアクセスできる特徴があるため、頻繁にアクセスす
る情報を格納するのに適している。それらの情報として
は、線分を描画する場合の線種を指定する線種情報,線
分の太さを指定するペル情報,面描画を行う場合の模様
を指定するパターン情報、内部の情報を一時退避するス
タック等が上げられる。本実施例では、線種情報とペル
情報は内部の独自アドレッシングで管理し、パターン情
報とスタックはフレームバッファアドレッシングで管理
する。それは、内部RAM1018 をアクセスする場合、独自
のアドレッシングの方がフレームバッファアドレッシン
グとしてアクセスするより高速にアクセスできるからで
ある。一方、パターン情報やスタックは、容量を限定す
ることができないため、内部RAM1018 に設定できない事
態には、フレームバッファへの領域の拡張ができること
を目的とし、フレームバッファアドレッシングで管理す
る。 【0066】しかし、本実施例以外の内部RAM1018 の使
用法として、内部RAM独自のアドレッシングのみを持
ち、パターンやスタックをより高速にアクセスする方法
や、フレームバッファアドレッシングのみを持ち、線種
やペル情報の容量拡張を可能にする方法も考えられる。 【0067】次に、内部RAM1018 のフレームバッファア
ドレッシングについて説明する。 【0068】図10は図形処理装置(GDP)10内の
描画プロセッサ101のフレームバッファ14へのイン
タフェースに関連する部分およびバス制御回路107の
ブロック図を示したものである。バス制御回路107
は、中央処理装置11のシステムバスに接続されるフレ
ームバッファ14へのアクセスのための制御信号、図形
処理装置10からシステムメモリ12へのアクセスのた
めの制御信号を発生させる。 【0069】内部RAM1018 をフレームバッファアドレッ
シングでアクセスする場合には、まず、内部RAMアド
レスレジスタ(IRAR)2006に、フレームバッフ
ァ14上の配置する先頭アドレスを格納しておく。該レ
ジスタ2006は32ビットのうち、下位12ビットは
設定しない。描画プロセッサ101はフレームバッファ
14をアクセスする時に、そのアドレスをビット単位で
メモリアドレスレジスタ(MAR)2004にセットす
る。この時、該レジスタ2004と上記レジスタの内容
を一致検出器(IRCMP)2007で比較する。該比
較器2007は、32ビットのうち下位12ビットは比
較しない。従って該比較器2007が一致信号を出力し
ていれば、上記メモリアドレスレジスタ2004に設定
してあるアドレスは、内部RAM1018 をアクセスするアド
レスである。そこで、上記一致信号をもつて、内部RAM1
018 をアクセスするために内部RAM独自のアドレッシ
ングのためのアドレス情報の代りに、上記メモリアドレ
スレジスタ2004のアドレス値に下位12ビットによ
り内部RAM1018 をアクセスする。一方、フレームバッフ
ァ14のアクセスを行わないように、ドローリクエスト
発生器2013に対し、アクセスを禁止するように指示
する。 【0070】図11は、中央処理装置(CPU)11か
らアクセスできる図形処理装置(GDP)10内部の制
御レジスタ、RAMの一覧を示す。これらの内部レジス
タのアクセス方法には、次の2つの場合がある。 【0071】(1)中央処理装置(CPU)11から直接
アクセスできるレジスタ 図12は、中央処理装置11から直接アクセスできるレ
ジスタ,RAMの詳細構成をまとめたものである。アド
レスレジスタは、RS1,RS2,CS,R/Wが共に
“Low” の条件が書き込むことができる。アドレス/ラ
イトFIFOカウンタレジスタは、RS1,RS2,C
Sが共に“Low” でR/Wが“High”の条件でアドレス
レジスタとライトFIFOカウンタを読み出すことがで
きる。ステータスレジスタは、RS1が“Low",RS2
が“High”,CSが“Low”,R/Wが“High”の時に読
み出すことができる。ステータスレジスタクリアレジス
タは、RS1が“Low”,RS2が“High”,CSが“L
ow”,R/Wが“Low” の時に書き込むことができる。
FIFOは、RS1が“High”,RS1が“Low”,CS
が“Low” でアクセスできる。それ以外のレジスタは、
アドレスレジスタでレジスタ番号を指定した後、RS
1,RS2が共に“High”,CSが“Low” の条件でア
クセスすることができる。 【0072】(2)FIFO経由でアクセスできるレジス
タ 描画を制御するレジスタ、RAMは、FIFO(First
In First Out)経由でアクセスする。 【0073】ライトFIFOは32ワード、リードFI
FOは8ワードある。内部では、1つのコマンドを処理
するごとに次のコマンドがコマンドレジスタに転送され
る。図13は、描画パラメータレジスタの詳細構成を示
す。 【0074】次に図12に基づき、各レジスタの機能を
説明する。 【0075】(1)アドレスレジスタ(AR:Address Reg
ister) アドレスレジスタ(AR)は、図形処理装置(GDP)
10内部のコントロールレジスタのアドレス($000
〜$1FF)を指定するためのレジスタである。コント
ロールレジスタにライトまたはリードを行う時、まずA
Rに該当する制御レジスタのアドレスを書き込む必要が
ある。また、このレジスタのINCビットを0にすると
アドレスレジスタの更新は行われないが、1にすると制
御レジスタをアクセスする毎に、アドレスレジスタを+
2ずつ更新していく。これにより、制御レジスタを連続
してアクセスする場合にはアドレスレジスタのセットを
最初に行うだけで良い。 【0076】(2)アドレス/ライトFIFOカウンタレ
ジスタ(AWFCR:Address/WriteFIFO Counter Reg
ister) このレジスタは、アドレスレジスタと、ライトFIFO
空き語数の内容を読み出すレジスタである。中央処理装
置11は、このレジスタにより、アドレスレジスタの設
定値を知ることができると共に、ライトFIFOの空き
語数を知ることで、ライトFIFOヘその語数分のコマ
ンドやパラメータを連続して転送することでができる。 【0077】(3)ステータスレジスタ(SR:Status Re
gister) ステータスレジスタ(SR)は、図形処理装置10の内
部状態を示すレジスタである。各ビットの意味は次の通
りである。 【0078】○アップデート(UDT:Update) タイミング及び表示制御レジスタの書き換え許可期間を
示す。 【0079】○コマンドDMAコンプリート(CDC:
Command DMA Complete) コマンドDMAモードに於いて、コマンドDMAを終了
させるコマンドであるDENDコマンドを実行した場合
にセットされるビットである。 【0080】○DMAエラー(DER:DMA Error) コマンドDMAモードに於いて、GET,RDコンドを
実行した場合にセットされ、コマンドDMAモードを続
行できないことを示す。 【0081】○メモリプロテクションバイオレーション
(MPV:Memory ProtectionViolation) PAINTコマンドで、フレームバッファのスタック領
域をアクセスする場合、スタック領域を越えてアクセス
したことを示す。 【0082】○ストップ(STP:Stop) STOPコマンドを実行したことを示す。 【0083】○コマンドエラー(CER:Command Erro
r) 未定義コマンドを実行したか、2値情報で示される座標
空間とカラー情報で示される座標空間の間でZOOMコ
マンドかROTコマンドを実行したことを示す。 【0084】○エリア検出(ARD:Area Detect) 描画領域テストモードの指定に従ってエリアが検出され
たことを示す。 【0085】○コマンド終了(CED:Command End) コマンド実行の終了かコマンドが実行されていないこと
を示す。 【0086】○リードFIFOフル(REF:Read
FIFO Foll) リードFIFOに8ワード(16バイト)のデータが入
っており、これ以上のデータリードコマンドの実行が不
可能であることを示す。 【0087】リードFIFOのデータをリードすると、
RFFはクリアされる。 【0088】○リードFIFOレディ(REF:Rea
d FIFO Ready) リードFIFOにデータが準備されたことを示す。リー
ドFIFOデータを全てリードすると、RFRはクリア
される。 【0089】○ライトFIFOレディ(WFR:Write
FIFO Ready) ライトFIFOへのライトが可能であることを示す。ラ
イトFIFOに32ワード(64バイト)のデータがラ
イトされるとWFRはクリアされる。 【0090】○ライトFIFOエンプティ(WFE:Wr
ite FIFO Empty;bit0) ライトFIFOが空であることを示す。 【0091】ライトFIFOにデータをライトするとW
FEはクリアされる。 【0092】(3)ステータスレジスタクリアレジスタ
(SRCR:Status Register ClearRegister) ステータスレジスタクリアレジスタ(SRCR)は、ス
テータスレジスタの各ビットをクリアするレジスタであ
る。ステータスレジスタのクリアを行うビットに対応し
たビットに1をセットすることで、ステータスレジスタ
の各ビットはリセットされる。ただし、ステータスレジ
スタのRFF,RFR,WFR,WFEビットはこのレ
ジスタではリセットは行えない。 【0093】(4)FIFOエントリ(FE:FIFO Entr
y) FIFOエントリ(FE)は、図形処理装置(GDP)
10にコマンド/パラメータのライト,図形処理装置1
0よりデータのリードを行うためのレジスタである。図
形処理装置(GDP)10はそれぞれ16バイトのリー
ドFIFO,64バイトのライトFIFOを内蔵してお
り、リードを行うとリードFIFOが、ライトを行うと
ライトFIFOが選択される。コマンド/パラメータ
を、ライトFIFOにライトすることによりコマンドは
順次実行され、リードコマンド実行後リードデータは順
次リードFIFOに準備される。 【0094】(5)コマンド制御レジスタ(CCR:Comm
and Control Register) コマンド制御レジスタ(CCR)は、コマンド処理を制
御するレジスタで、各ビットの意味は次の通りである。 【0095】○アボート(ABT:ABorT) 【0096】 【表2】 【0097】○ポーズ(PSE:PauSE) 【0098】 【表3】 【0099】○データ DMA モード(DDM:Date
Dma Mode) 【0100】 【表4】【0101】○コマンド DMA モード(CDM:C
ommand DMA Mode) 【0102】 【表5】 【0103】○DMA 転送要求制御(DRC;DMA
Request Control) 【0104】 【表6】 【0105】○グラフィックビットモード(GBM:G
raphic Bit Mode)グラフィックビット
モード(GBM)は、図形処理装置(GDP)10で取
り扱う画素データのビット構成を設定するビットであ
る。ビット構成は、6種類が選択でき、システムにあっ
たカラー(階調)構成を容易に実現することができる。 【0106】○エリアモード(AREA:Area D
eteet Mode) 描画領域を管理するモードで、図14に示すモードを有
する。 【0107】○コンティニューモード(CNT:Comtin
ue Mode) 【0108】 【表7】 【0109】○メインメモリアクセスモード(MMA:
Main Memory Access Mode) 【0110】 【表8】【0111】○データ構成変換(DCT:Data C
onfigulation Transform) 中央処理装置11と図形処理装置10間のデータ転送時
におけるデータ構成の変換を指定するビットである。こ
の設定を選択することにより、各種の中央処理装置11
と図形処理装置10は接続することができる。図15に
その変換の種類を示す。 【0112】○小数部設定(FRS:Fraction Set) カレントポインタの固定小数点の位置を設定するビット
である。小数点の位置は次の4通りを設定することがで
き、図形の描画精度を簡単に選択できる。 【0113】 【表9】 【0114】○ライトオンリーモード(WTM:Write
Only Mode) 1語中に複数画素を有するシステムにおいて、1画素単
に書き換えを行う時、リード・モディファイ・ライト動
作を行わずにライト動作のみで1画素単位の書き換えを
行うことを可能とするモードを指定するビットである。
これにより、1メモリサイクルで1画素の更新が可能に
なり、描画速度の向上が図れる。 【0115】 【表10】 【0116】○メモリデータサイズ(MDS:Memory D
ata Size) フレームバッファ14のデータバス幅を設定するビット
である。フレームバッファ14のアドレス空間の一部を
メインメモリ12に割り当てた時のフレームバッファ1
4側とメインメモリ12側とが独立して設定できること
で、システム構成の多様化に対応できる。 【0117】 【表11】【0118】○タイミング制御レジスタ これらのレジスタは、同期信号,カーソル表示制御信
号,画面制御信号の出力条件を定義するレジスタ群であ
る。 【0119】○表示制御レジスタ これらのレジスタは、表示を行うためのメモリアドレス
出力を制御するレジスタ群である。 【0120】次に、図13に基づき、描画パラメータレ
ジスタの機能を説明する。 【0121】○カラー0レジスタ(CL0:Color Regis
ter 0) パターン,線種,フォントデータ等の2値情報をカラー
データに変換する時に使用するレジスタで、2値データ
の“0”に対応するカラーデータを設定する。 ○カラー1レジスタ(CL1:Color Register 1) カラー0レジスタと同様に2値情報をカラーデータに変
換する時に使用するレジスタで、2値データの“1”に
対応するカラーデータを設定する。 【0122】○色比較レジスタ(CCMP:Color Comp
arison Register) 描画演算の評価色を定義する。後述する色比較モードを
選択することで、このレジスタで指定される特定色を描
画禁止色や変更可能色とすることができる。 【0123】○エッジカラーレジスタ(EDG:Edge C
olor Register) PAINTコンドで領域を限定するための境界色を定義
する。このレジスタに指定した色を境界色とする場合
と、このレジスタに指定した色以外の色を境界色として
判定する場合がある。 【0124】○リードマスクレジスタ(RMASK:Re
ad Mask Register) カラーデータから特定のカラープレーンのデータのみを
選択し、2値化する場合のカラープレーンを指定するレ
ジスタである。 【0125】○ライトマスクレジスタ(WMASK:Wr
ite Mask Register) 描画を行う場合、書き換えを行わないカラープレーンを
指定するレジスタである。書き換えを行わないプレーン
は複数プレーンを指定することができる。前述のリード
マスクレジスタと組み合わせて使用することにより、プ
レーン間のコピーを行うことができる。 【0126】○パターン制御レジスタ(PTNC:Patt
en Control Register) PAINTコマンドや、フィルコマンドの塗りつぶしパ
ターンを格納するエリアを定義するレジスタである。フ
レームバッファ上に設定することができるので、領域の
大きさを自由に設定できる。このレジスタは、次に示す
レジスタ群で構成される。 【0127】(i)パターンポインタ(PPX,PP
Y) パターン領域の参照点を示す。パターン領域は、描画座
標系に対し独自のパターン座標系を有する。 【0128】(ii)パターンスタート位置(PSX,P
SY) パターン領域の開始点座標を、パターン座標系で表わ
す。 【0129】(iii)パターンエンド位置(PEX,PE
Y) パターン領域の終了点を、パターン座標系で表わす。 【0130】(iv)パターン拡大カウンタ(PZCX,
PZCY) パターン参照時の拡大倍率の計数値を示す。この計数値
は、描画に伴って、0≦PZCX≦PZX,0≦PZC
Y≦PZYの範囲でカウントされ拡大係数に達するとパ
ターンポインタが移動する。 【0131】(v)パターン拡大係数(PZX,PZ
Y) パターン参照時の拡大係数を定義する。0〜15の指定
に応じて1〜16倍の拡大倍率になる。 【0132】○領域定義レジスタ(ARD:Area Defin
ition Register) 描画領域を定義する。前述のエリアモードに従って領域
管理を行う。 【0133】○描画モードレジスタ(DMR:Drawing
Mode Register) 描画演算を行うための演算モード,色比較モード,カラ
ーモード,ペル描画モードを指定する。 【0134】図16〜図20に描画モードレジスタの構
成を示す。DM0はMCOPYコマンド以外の描画で参
照されるレジスタで、DM1は、MCOPYコマンドに
おいて、転送元データとパターンデータ間の演算を定義
するレジスタである。その演算結果と転送先データとの
演算はDM0を参照する。この2つのレジスタで、MC
OPYコマンドにおいて256通りの論理演算を定義す
ることができる。 【0135】CMW0とCMW1は、2つの描画座標系
のメモリ幅を定義するレジスタである。図21には図形
処理装置10が、2つの座標系を管理することで、画面
サイズの異なる座標系間のデータ転送を行うことができ
ることを可能にしていることを示す。これにより、マル
チウインドウを管理するシステムで、ウインドウ間のデ
ータ転送を簡単に行える。 【0136】○パターン属性(PDR:Pattern Defini
tion Register) パターン領域のメモリ幅を定義するレジスタである。最
上位ビットが0の時は、パターン領域はカラーデータ、
1の時は2値データとして扱われる。 【0137】○パターンメモリアドレスレジスタ(PT
NA:Pattern Memory AddressRegister) 前述のパターンポインタ(PPX,PPY)に対するフ
レームバッファのメモリアドレスを管理するレジスタで
ある。 【0138】○ペルメモリアドレスレジスタ(PLA:
Pel Memory Address Register) 図形処理装置10は、線描画を行う場合、1画素に対応
する形状を定義するペル領域を持つことができる。この
ペル機能を用いて、太線での線描画を容易に行える。図
22にペル領域の定義を示す。ペル原点に対応するアド
レスをこのレジスタに設定する。 【0139】○ペル制御レジスタ(PLC:Pel Contro
l Register) ペル領域の大きさを定義するレジスタである。 【0140】図22のペル原点は、描画座標上のカレン
トポインタに対応する点で、カレントポインタを中心と
してPLX1,PLX2,PLY1,PLY2が大きさ
を定義し、この範囲内で1画素の形状を定義する。この
データの1ビットがフレームバッファ14の1画素に対
応する。0の部分は無視され、1の部分は、後述する線
種情報に基づき描画される。つまり、1画素を描画する
ために選択された線種情報1ビットをペルの“1”の部
分に対応させて描画する。図23に、ペルと線種の関係
を示す。ペルの形状,大きさに無関係にカレントポイン
タは1画素単位で移動を行うため、形状によっては複数
の重ね書きを行う。 【0141】○線種制御レジスタ(LSC:Line Style
Control Register) 線描画を行う場合の線種情報領域を定義するレジスタで
ある。線種を変更することにより、点線等を定義するこ
とができる。 【0142】(i)線種ポインタ(LSP) 線種の参照点を示すポインタで、カレントポインタに対
応して移動する。 (ii)線種開始点(LSS) 線種の開始点を示す。 【0143】(iii)線種終了点(LSE) 線種の終了点を示す。 【0144】(iv)線種拡大カウンタ(LSZC) 線種参照時の拡大倍率の計数値を示す。この計数値は、
描画に伴って0≦LSZC≦LSZの範囲でカウントさ
れ、拡大係数に達すると線種ポインタが移動する。 【0145】(v)線種拡大係数(LSZ) 線種参照時の拡大係数を定義する。0〜15の指定に応
じて1〜16倍の拡大倍率になる。 【0146】○フォント領域定義レジスタ(FADR:
Font Area Definition Register) ビットマップ文字描画のための文字フォント領域を定義
するレジスタである。文字フォントは、フレームバッフ
ァのアドレス空間上に定義するため、フレームバッファ
上に配置することの他に、前述のコマンド制御レジスタ
(CCR)のMMAビットを“1”にしておくことによ
りメインメモリ上にフォントを配置することが可能であ
る。 【0147】(i)フォントベースアドレス(FBA
H,FBAL) フォント領域の基準点のメモリアドレスを定義する。 【0148】(ii)フォントビット数(FBN) 1文字のフォントの総ビット数を定義する。 【0149】(iii)フォントメモリ幅(FAMW) フォント領域のメモリ幅を定義する。 【0150】(iv)文字間隔(DX,DY) 文字の間隔を定義する。 【0151】(v)文字拡大係数(ZX,ZY) CHRコマンドで1文字の描画を行う場合の1文字の拡
大/縮小率を定義する。DX,DYより大きければ拡大
になり小さければ縮小になる。X方向とY方向が独立し
て定義できるので、X方向は拡大、Y方向は縮小といっ
た文字を描画できる。 【0152】(vi)フォント傾斜係数(XX) CHRコマンドで1文字の描画を行う場合の文字の傾斜
率を定義する。後述のCHRコマンドの説明を参照のこ
と。 【0153】○内部RAMアドレス(IRAR:Intern
al RAM Address Register) 図形処理装置10は内部に512バイトのRAMを有し
ており、このRAMをフレームバッファのアドレス空間
としてアクセスすることができる。内部RAMアドレス
レジスタには、フレームバッファ上の配置する先頭アド
レスを設定する。内部RAMは、フレームバッファに比
較して高速にアクセスすることが可能である。従って、
パターン領域が小さい場合には、パターンを内部RAM
に配置することで処理速度を向上させることができる。
一方、パターン領域を拡張したい時は、前述のパターン
メモリアドレス(PTNA)を変更するだけで良く、ソ
フトウエアのみで簡単に使い分けができる。図24は、
フレームバッファ14,内部RAM1011 、メインメモリ1
2と、フレームバッファアドレス空間の関係を示したも
のである。 【0154】○スタック先頭アドレス(SSAR:Stac
k Start Address Register) PAINTコマンド実行時、処理途中の座標点をフレー
ムバッファにスタックする。このレジスタは、そのスタ
ック領域の先頭アドレスを定義するレジスタである。 【0155】○スタック領域定義(SADR:Stack Are
a Definition Register) スタック領域の大きさを定義するレジスタで、2 単位
に設定可能である。 【0156】○スタックポインタ(SP:Stack Pointe
r) スタックを行うアドレスを設定する。 【0157】○ドローイングポインタ0(DP0:Draw
ing Pointer 0) 座標系0の描画メモリアドレスを示すレジスタである。 【0158】○カレントポインタ0(CP0X,CP0
Y:Current Pointer 0) 座標系0の描画座標を示す。DP0に対応した座標であ
る。 【0159】○ドローイングポインタ1(DP1:Draw
ing Pointer 1) 座標系1の描画メモリアドレスを示すレジスタである。 【0160】○カレントポインタ1(CP1X,CP1
Y:Current Pointer 1) 座標系1の描画座標を示す。DP1に対応した座標であ
る。 【0161】○描画開始座標(DSP:Drawing Start
Point) ARC,EARCコマンドにおいて、描画を開始した円
周上の座標を示す。 【0162】○描画終了座標(DEP:Drawing End Po
int) ARC,EARCコマンドにおいて、描画を終了した円
周上の座標を示す。 【0163】次に、図形処理装置(GDP)10のコマ
ンドについて説明する。図25から図28まではコマン
ドの一覧を示す。図形処理装置(GDP)10は、たと
えば日経エレクトロニクス1984年5月21日号,p
221〜p254で言及しているコマンドの一部と、先
に本件出願人が提案した特願昭60−201549号で言及して
いるコマンドの一部と後述するコマンドが実行できる。 【0164】図29はPLINEコマンドの動作例を示
す。PLINEコマンドは、パラメータX1,Y1で示さ
れる点と、パラメータX2,Y2で示される点とを結ぶ直
線のうち、パラメータZs,ZeおよびZによって示され
る区間を描画する。パラメータZs,Zeは、X座標また
Y座標の値を制限するものであり、どちらの座標値を制
限するかは、パラメータZで設定する。Z=0の場合、
X座標がZs からZeまでの区間が描画され、Z=1の
場合、Y座標がZs からZe までの区間が描画される。
このコマンドを用いることにより、従来の図形処理装置
では描画することがむずかしかった、始点,終点の座標
値が整数でない直線の描画を図形処理装置(GDP)1
0で行うことができる。また、描画を行う座標系は、2
つの座標系のうちいずれかを、パラメータDにより指定
できる。 【0165】図30はFTRAPコマンドの動作例を示
す。FTRARコマンドは、パラメータX1,Y1で示さ
れる点と、パラメータX2,Y2で示される点とを結ぶ線
分と、パラメータX3,Y3で示される点と、パラメータ
X4,Y4で示される点とを結ぶ線分と、パラメータYs
で示される水平線と、パラメータYe で示される水平線
の合計4本の直線によって囲まれた領域を、パターンR
AMに格納されている図形を用い塗りつぶすコマンドで
ある。このコマンドを組み合わせて用いることにより、
任意の多角形群から構成される図形を模様パターンで塗
りつぶすことができる。また、描画を行う座標系は、2
つの座標系のうちいずれかを、パラメータDにより指定
できる。 【0166】図31はFARC−LNコマンドの動作例
を示す。FARC−LNコマンドは、パラメータXc,
Ycで示された点を中心とし、パラメータrで指定され
た半径を持ち、パラメータZone で指定された領域に含
まれる4分の1円弧と、パラメータX1,Y1で示される
点と、パラメータX2,Y2で示される点とを結ぶ線分
と、パラメータYs で示される水平線と、パラメータY
e で示される水平線の合計4本の線によって囲まれた領
域を、パターンRAMに格納されている図形を用い塗り
つぶすコマンドである。描画を行う座標系は、2つの座
標系のうちいずれかを、パラメータDにより指定でき
る。 【0167】図32はFPCRCLコマンドの動作例を示す。
FPCRCLコマンドは、パラメータXc,Yc で示された点を
中心とし、パラメータrで指定される半径の円の内部の
うち、パラメータYs で示される水平線とパラメータY
e で示される水平線にはさまれた領域を、パターン領域
に格納されている図形を用い塗りつぶすコマンドであ
る。描画を行う座標系は、2つの座標系のうちいずれか
を、パラメータDにより指定できる。 【0168】図33はFEARC−LNコマンドの動作
例を示す。FEARC−LNコマンドは、パラメータX
c,Ycで示された点を中心とし、パラメータAで指定さ
れたX軸半径を持ち、パラメータBで指定されたY軸半
径を持ち、パラメータZoneで指定された領域に含まれ
る4分の1楕円弧と、パラメータX1,Y1で示される点
と、パラメータX2 ,Y2 で示される点とを結ぶ線分
と、パラメータYs で示される水平線と、パラメータY
e で示される水平線の合計4本の線によって囲まれた領
域を、パターン領域に格納されている図形を用い塗りつ
ぶすコマンドである。描画を行う座標系は、2つの座標
系のうちいずれかを、パラメータDにより指定できる。 【0169】図34はFPELPSコマンドの動作例を示す。
FPELPSコマンドは、パラメータXc,Yc で示される点を
中心とし、パラメータAで指定されたX軸半径を持ち、
パラメータBで指定されたY軸半径の楕円の内部のう
ち、パラメータYs で示される水平線とパラメータYe
で示される水平線にはさまれた領域を、パターン領域に
格納されている図形を用い塗りつぶすコマンドである。
描画を行い座標系は、2つの座標系のうちいずれかを、
パラメータDにより指定できる。 【0170】以上のFTRAP,FARC−LN,FPCR
CL,FEARC−LN,FPELPSの5つのコマンドを組み
合わせて用いることにより、任意の線分および円弧およ
び楕円弧から構成される図形を模様パターンで塗りつぶ
ことができる。 【0171】図35は、TEXTコマンドの動作例を示
したものである。TEXTコマンドは、フレームバッフ
ァ14内の一部を文字フォント領域としたシステムに於
いて、入力されるコマンドコードに対応した文字フォン
トデータを、フレームバッファ14の表示領域中のパラ
メータX,Yの示す位置へ展開するコマンドである。図
形処理装置(GDP)10の内部レジスタである。フォ
ント領域のスタートアドレスを設定するレジスタFSA
H,FSALと、フォント領域のメモリ幅を設定するレ
ジスタFAMWと、展開する実際の文字幅を設定するレ
ジスタFSX,FSYと、1文字分の総ビット数を設定
するレジスタFBNと、X方向の文字間隔を設定するレ
ジスタDXと、Y方向の文字間隔を設定するレジスタD
Yを予め設定しておく。その後、中央処理装置(CP
U)11は、このコマンドと展開すべき座標X,Yに引
き続き展開すべき文字数を設定したパラメータnに続け
て文字コードCNを順次n文字分転送する。そうすると
図形処理装置(GDP)10は、各文字フォントのアド
レスを算出しフォントを展開する。 【0172】また、本コマンドは、コマンドコードの特
定のビットの指定により、文字単位に展開サイズを変更
することもできる。図36に、その動作例を示す。フレ
ームバッファ14中に、フォントテーブルと文字単位の
展開サイズを指定したテーブルを設定しておく。該テー
ブルには、各文字のX方向の左余白部分のビット数を示
すFSAと、左端部から文字の右端部までのビット数を
示すFSBを持つ。前記文字展開の方法との相違点は、
X方向の展開サイズを前記パラメータFSXを用いず、 X方向展開サイズ=FSB−FSA とすることである。 【0173】図37は、TEXTコマンドに於けるカラ
ー展開の一例を示したものである。これは、2値データ
であるフォントデータを多値情報であるカラーデータに
変換する方法を示している。図形処理装置(GDP)1
0の内部レジスタであるカラーレジスタ0にはフォント
データの0に対応する色データを、カラーレジスタ1に
はフォントデータの1に対応する色データをそれぞれ設
定する。図形処理装置(GDP)10は、読み込んだフ
ォントデータを順次検索し、それに対応する色データを
フレームバッファ14に書き込んで行く。 【0174】図38は、CHRコマンドの動作例を示し
たものである。CHRコマンドは、フレームバッファ1
4内の一部を文字フォント領域としたシステムに於い
て、入力されるコマンドコードに対応した文字フォント
データを、フレームバッファ14の表示領域中のパラメ
ータX,Yの示す位置へ展開するコマンドである。文字
の回転は、パラメータSDにより、90゜単位の回転が
設定できる。図形処理装置(GDP)10の内部レジスタ
である、フォント領域のスタートアドレスを設定するレ
ジスタFSAH,FSALと、フォント領域のメモリ幅
を設定するレジスタFAMWと、展開する実際の文字幅
を設定するレジスタFSX,FSYと、1文字分の総ビ
ット数を設定するレジスタFBNと、フレームにバッフ
ァ14上に展開される実際の文字の大きさをドット数で
設定するレジスタZX,ZYと、文字の傾きをドット数
で設定するレジスタXXを予め設定しておく。文字が右
傾きか左傾きかの設定はXXの符号により行う。その
後、中央処理装置(CPU)11は、このコマンドと展
開すべき座標X,Yに引き続き、展開すべき文字コード
CNを転送する。そうすると図形処理装置(GDP)10
は、各文字フォントのアドレスを算出してフォントを展
開する。またCHRコマンドに於けるカラー展開は、た
とえば、前述のTEXTコマンドに於けるカラー展開と
同様の方式により行える。 【0175】図39はMCOPYコマンドの動作例を示
す。MCOPYコマンドは、フレームバッファ14内に
於いて、パラメータXs,Ysにより示される原点からの
絶対座標位置と、その点からのパラメータLx,Lyによ
り示される相対座標位置とを対角の2点とする座標軸に
平行な矩形領域のデータを、パターン領域に格納されて
いるデータとの間で論理演算を行ったのち、さらに、パ
ラメータXd,Ydにより示される原点からの絶対座標位
置を始点とする座標軸に平行な矩形領域へ、同領域のデ
ータと論理演算を行いながら転送するコマンドである。
図40は、MCOPYコマンドの転送元領域の走査方向
を示す。転送元領域の走査方向の設定はパラメータL
X,LYの符号およびパラメータSにより行われる。図
41は、MCOPYコマンドの転送先領域の走査方向を
示す。転送先領域の走査方向の設定はパラメータDSD
により行われる。転送先の座標系は、2つの座標系のう
ちいずれかを、パラメータDにより指定する。また、転
送元の座標系は、転送先と異なる座標系、転送先と同じ
座標系のいずれかを、パラメータSo により指定する。 【0176】本実施例における図形処理装置10は以上
説明したような高機能のコマンド体系を処理することが
でき、中央処理装置(CPU)11の処理負担を大幅に
軽減できる。この結果グラフィック表示装置の高性能化
が可能となる。また、この図形処理装置10をLSIと
して提供することにより、グラフィック処理装置の低コ
スト化も合せて可能になる。 【0177】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、転送先に保持されているグラフィックデータと転
送元のグラフィックデータ又はカラーレジスタに保持さ
れたグラフィックデータの比較を行って、その比較結果
に応じてカラー演算を行うことができる。また、転送元
データの内容に応じてカラーデータを指定することがで
きるので、転送しながらカラー処理が可能になる。さら
に、転送元のカラーデータの内容に応じて、1ビットの
データに変換、つまり、カラーデータを2値化すること
ができる。従って、転送先に保持されているデータとの
比較,転送元のデータの変換を行いながら高速に転送す
ることができる。また、プログラム作成の負担が減少
し、さらに、プログラム量も減少する。よって、グラフ
ィック処理装置として高速化するだけでなく、データ処
理装置,データ処理システムとしても高速化が達成され
る。
等するグラフィック処理装置、それを用いたデータ処理
装置及びデータ処理システムに係り、特に所定のグラフ
ィックデータを他の位置にカラー演算処理をして高速に
転送するグラフィック処理装置、それを用いたデータ処
理装置及びデータ処理システムに関する。 【0002】 【従来の技術】ラスタスキャン方式でCRTに文字や図
形を表示する方法として表示装置の各画素に対応する情
報を記憶するメモリ(ビットマップメモリ)を持つ方式
(ビットマップ方式と呼ぶ)がある。また、このビット
マップメモリを持つ方式はプリンタへの出力を制御する
場合にも用いられている。従来、このビットマップメモ
リに文字や図形データを発生する処理を主としてリフト
ウエアで行っていたが、扱うデータ量が多いため低速で
あるという問題があった。一方、特にグラフィック図形
発生を高速に行う分野では専用のハードウエアを用いる
方法も一部用いられているが高価になるのが難点であ
る。 【0003】これに対し、文字や図形データの発生機能
をLSIに内蔵することが行われるようになってきてお
り、例えば公知の文献としては、「御法川和夫ほか『座
標で描画位置を指定でき、塗りつぶしやコピーなど豊富
なコマンドを持つCRTコントローラ』日経エレクトロ
ニクス1984年5月21日号,pp.221〜254」で
ある。このLSIを用いれば比較的低いコストでグラフ
ィック処理を大幅に高速化できる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前述の文献によると、
転送元データを論理演算又は算術演算して転送先データ
を生成し、この生成されたデータを転送先アドレスに書
き込むことが示されている。 【0005】つまり、このような転送の処理では、転送
先アドレスに保持されているデータの内容に応じたデー
タの演算処理をして、高速に転送することができない。
もし、転送先アドレスに保持されているデータの内容を
考慮した転送処理を行うとすると、プログラム作成段階
で、転送先アドレスに保持されているデータの内容を考
慮して論理演算や算術演算の組み合わせで所定のデータ
が書き込まれるようにプログラムを作成しなければなら
ないという煩雑さが生じる。 【0006】以上のように、従来技術によると、プログ
ラム量が大きくなり、処理時間の高速化,メモリ容量の
低減が困難になるという問題がある。 【0007】本発明の目的は、所定のグラフィックデー
タを所定の位置から他の位置へ転送するのに、転送先に
予め保持されているグラフィックデータとのカラー演算
処理をして、高速に行うグラフィック処理装置、それを
用いたデータ処理装置、及びデータ処理システムの提供
にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的は、メインメモ
リと、画像データを保持する画像メモリと、画像メモリ
と接続され画像メモリに書き込むための画像データを生
成する画像処理プロセッサと、メインメモリと画像処理
プロセッサとの間でデータの転送を行うためにメインメ
モリに接続された第1の信号線と、画像処理プロセッサ
と接続された第2の信号線と、第1,2の信号線との間
に設けられたスイッチとを有する画像処理装置であっ
て、画像処理プロセッサは、第1の信号線と第2の信号
線との接続を制御するスイッチを制御するための制御信
号を生成する制御部と、カラーデータを保持するカラー
レジスタとを少なくとも有し、制御部によって生成され
た制御信号をスイッチに出力し、メインメモリに記憶さ
れたデータを読み出し、この読み出したデータの内容に
応じてカラーレジスタに保持されているカラーデータを
指定し、この指定されたカラーデータを画像メモリに書
き込むことにより達成することができる。 【0009】 【作用】転送先に保持されているグラフィックデータと
転送元のグラフィックデータ又はカラーレジスタに保持
されたグラフィックデータの比較を行って、その比較結
果に応じてカラー演算を行うことができる。また、転送
元データの内容に応じてカラーデータを指定することが
できるので、転送しながらカラー処理が可能になる。さ
らに、転送元のカラーデータの内容に応じて、1ビット
のデータに変換、つまり、カラーデータを2値化するこ
とができる。 【0010】従って、転送先に保持されているデータと
の比較,転送元のデータの変換を行いながら高速に転送
することができる。また、プログラム作成の負担が減少
し、さらに、プログラム量も減少する。よって、グラフ
ィック処理装置として高速化するだけでなく、データ処
理装置,データ処理システムとしても高速化が達成され
る。 【0011】 【実施例】以下図面に基づいて本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。 【0012】図1は本発明を実施したグラフィック表示
装置の全体構成概要の一例を示す。第2のプロセッサ手
段となる図形処理装置(GDP)10,第1のプロセッ
サ手段となる中央処理装置(CPU)11,第1の記憶
手段となるメインメモリ12,直接メモリアクセスコン
トローラ(DMAC)13,第2の記憶手段となるフレ
ームバッファ14,並直列変換回路15,出力手段とな
る表示装置(CRT)16,アドレスデコーダ17,バ
ス接続制御手段となるバススイッチ20、から成る。
尚、中央処理装置11に接続されたシステムバスには、
図示しないが、他の表示装置や印刷装置等の他の入出力
手段を接続してメインメモリ12の画素情報を用いて表
示,印刷等の他の入出力をすることが可能である。 【0013】中央処理装置11はメインメモリ12に記
憶されたプログラムまたは、図示しない他の外部装置か
ら転送されるプログラムを実行処理しシステム全体を管
理制御する。直接メモリアクセスコントローラ13は、
メインメモリ12と図形処理装置10とフレームバッフ
ァ14あるいは他の入出力装置(図示しない)との間の
直接メモリアクセスを制御する。図形処理装置10は中
央処理装置11あるいはメインメモリ12から転送され
るコマンドとパラメータ情報を中央処理装置11に接続
されたデータバスより受け取り、あらかじめ定められた
処理手順に従って、フレームバッファ14あるいはメイ
ンメモリ12をフレームバッファ14に接続されたアド
レス/データバスよりアクセスし文字や図形データを発
生する。図形処理装置10はコマンド,パラメータ情報
をフレームバッファ14からも読み出すことができる。
また図形処理装置10は、表示装置16を制御する同期
タイミング信号の発生及び所定のタイミングに同期して
フレームバッファ14から順次表示すべき情報を読み出
すための制御も司っている。また、図形処理装置10
は、中央処理装置11あるいは直接メモリアクセスコン
トローラ13とフレームバッファとの間の直接メモリア
クセスを制御するためのバススイッチ20を制御する信
号の発生及び図形処理装置10がメインメモリ12をア
クセスし文字や図形を発生するための制御信号の発生を
行う。アドレスデコーダ17は中央処理装置11に接続
されたアドレスバスのアドレスをデコードし、バススイ
ッチ20にフレームバッファバス要求信号を発生する。
バススイッチ20は、フレームバッファ14のアドレス
を、図形処理装置10あるいは中央処理装置11に接続
されたアドレスバスのいずれから供給するかを切り換え
る。あるいはバススイッチ20は、メインメモリ12の
アドレスを中央処理装置11に接続されたアドレスバス
あるいは図形処理装置10のアドレスのいずれから供給
するかをも切り換える。すなわち、バススイッチ20は
双方向スイッチとしての機能を有し、図形処理装置10
からの制御信号により制御される。 【0014】図2,図3,図4にその他の構成例を示
す。これらの構成はCRT,液晶デイスプレイ,ELデ
イスプレイ,プラズマデイスプレイ,ECDデイスプレイ
等の表示装置のほか感熱プリンタ,液晶プリンタ,LE
Dプリンタ,レーザ・ビーム・プリンタなどの印刷装置
にも適用できるもので、その場合には表示装置16に相
当する部分が印刷装置となる。 【0015】図2は中央処理装置11に接続されたバス
とフレームバッファ14に接続されたバスを分離したグ
ラフィック表示装置の構成である。 【0016】図形処理装置(GDP)10,中央処理装
置(CPU)11,メインメモリ12,直接メモリアク
セスコントローラ(DMAC)13,フレームバッファ
14,並直列変換回路15,表示装置(CRT)16、
から成る。 【0017】この構成は小型装置向きの簡潔な構成であ
る。 【0018】図3は、フレームバッファ14のアドレス
を図形処理装置10あるいは中央処理装置11に接続さ
れたアドレスバスのいずれから供給するかを切り換える
バススイッチ21を有するグラフィック表示装置の構成
例である。 【0019】図形処理装置(GDP)10,中央処理装
置(CPU)11,メインメモリ12,直接メモリアク
セスコントローラ(DMAC)13,フレームバッファ
14,並直列変換回路15,表示装置(CRT)16,
アドレスデコーダ17,バススイッチ21から成る。 【0020】図1あるいは図3の構成例では、中央処理
装置11のアドレス領域の1部に割り付け、アドレスデ
コーダ17によるデコードによりフレームバッファ14
のバス権の要求信号を発生し、図形処理装置10を介さ
ないで中央処理装置11あるいは直接メモリアクセスコ
ントローラ13とフレームバッファ14との間でデータ
転送を行う。この結果、中央処理装置11から任意にフ
レームバッファ14をアクセスできるという効果があ
る。 【0021】図4は、メインメモリ12のアドレスを中
央処理装置11に接続されたアドレスバスあるいは図形
処理装置10のアドレスのいずれから供給するかを切り
換えるバススイッチ22を有するグラフィック表示装置
の構成例である。 【0022】図形処理装置(GDP)10,中央処理装
置(CPU)11,メインメモリ12,直接メモリアク
セスコントローラ(DMAC)13,フレームバッファ
14,並直列変換回路15,表示装置(CRT)16,
バススイッチ22から成る。 【0023】図1あるいは図4の構成例では、文字フォ
ントをメインメモリ12の領域に配置して、図形処理装
置10はビットマップ文字カラー展開処理を行うことが
できる。また、2値情報あるいは多値情報で構成される
パターン情報をメインメモリ12の領域に配置して、図
形処理装置10はパターン展開処理を実行する。あるい
は、メインメモリ12とフレームバッファ14との間で
ビットマップのコピーを行うことができる。これは、メ
モリ幅あるいは1画素あたりのビット構成数が異なるビ
ットマップ間においてもコピー処理を行うことができ
る。 【0024】以下に中央処理装置11がフレームバッフ
ァ14を図形処理装置10を介さないで直接アクセスす
る場合の制御例の詳細を説明する。ただし、フレームバ
ッファ14を直接アクセスできるのは、中央処理装置1
1だけではなく、中央処理装置11のアドレスおよびデ
ータバスに接続されている、直接メモリアクセスコント
ローラ13等、データ転送機能を有する半導体装置全部
に本方式は適用できる。 【0025】図5に、中央処理装置11がバススイッチ
20あるいはバススイッチ21を介してフレームバッフ
ァ14をアクセスする場合のシーケンスを示す。アドレ
スデコーダ17は、中央処理装置11に接続されている
アドレスバスのアドレスをデコードし、バススイッチ2
0あるいはバススイッチ21にフレームバッファ14の
バス権を要求する信号をアサートする。バススイッチ2
0あるいはバススイッチ21はバス権の要求信号を受け
て図形処理装置10に対して停止信号HALTをアサー
トする。図形処理装置10は、フレームバッファ14に
対して、描画,表示,リフレッシュ制御およびアトリビ
ュート出力を実行するが、HALT入力に対する優先度
をあらかじめ独立に設定でき、HALTに対して停止し
ない期間を示すBUSY信号を外部にアサートする。B
USY期間外HALT入力に対し図形処理装置10は内
部動作を停止し、アドレスバスおよびデータバスはトラ
イステートにする。バススイッチ20あるいはバススイ
ッチ21はBUSY期間外システムバスとフレームバッ
ファバスを接続し、中央処理装置11はフレームバッフ
ァ14をアクセスすることができる。アクセスを実行す
ると、バススイッチ20あるいはバススイッチ21はA
CK信号を中央処理装置に入力し、一連の動作は完結す
る。 【0026】以上は図形処理装置10が一個の場合の動
作であるが、図形処理装置10が複数個あるいは機能の
異なる他の図形処理装置を同一フレームバッファバスに
接続した場合に対し、図形処理装置は描画要求信号DR
REQを出力し、バスアービトレーションを可能にして
いる。 【0027】図6に、図形処理装置10がバススイッチ
20あるいはバススイッチ22を介してメインメモリ1
2をアクセスする場合のシーケンスの一例を示す。 【0028】図形処理装置10に対して、あらかじめコ
マンドMMA(Main Memory AccessMode)をセットして
おくと図形処理装置10の有するアドレス空間の上位2
56Mバイト(全体で512Mバイト)のアドレスをメ
インメモリ12空間として割り付けることができる。こ
の場合、図形処理装置10はシステムバス要求信号BR
EQをアサートする。バス要求信号を受けたバススイッ
チ20あるいはバススイッチ22は、中央処理装置11
(ここではモトローラ社のCPUを仮定)に対しBR信
号をアサートする。同時に、図形処理装置10に対して
はHALTを入力し、描画プロセッサを停止させてお
く。バススイッチ20あるいはバススイッチ22は、中
央処理装置11からBG信号を受け付けると、システム
バスが開放されるのを確認し、中央処理装置11に対し
てBGACKをアサートする。同時に、図形処理装置1
0に対してHALTをネゲートし、システムバスのアク
セスを許可する。図形処理装置10は描画期間に入ると
HOLD信号を出力し、システムバスへのアクセス実行
期間を示す。バススイッチ20あるいはバススイッチ2
2はHOLD期間メインメモリ12に対するアクセスを
実行する。 【0029】メインメモリ12に対して1サイクルで描
画が終了しない場合、バススイッチ20あるいはバスス
イッチ22は図形処理装置に対してRETRY信号をア
サートし、再度描画を実行させることができる。 【0030】図7は複数個の図形処理装置10を用いて
構成したグラフィック表示装置の一例を示す。n個(n
≧2)の図形処理装置10−1,10−2,……10−
n,中央処理装置11,メインメモリ12,直接メモリ
アクセスコントローラ13,n個に分割されたフレーム
バッファ14−1,14−2,……14−n,n個の並
直列変換回路15−1,15−2,……15−n,表示
装置CRT(図示しない)、n個のバススイッチ20−
1,20−2,……20−nからなる。 【0031】図7の実施例は、1画素のデータが複数ビ
ットで表現される場合(多色や多階調)に、フレームバ
ッファ14をカラープレーン単位に分割し、複数の図形
処理装置10を配置して並列処理を可能ならしめるもの
である。各図形処理装置10−1,10−2,……10−
nはバススイッチ20−1,20−2,……20−nの効
果によって、メインメモリ12をアクセスすることがで
きる。従って文字フォントのような共通に用いる基本情
報はメインメモリ12上に置くことができ、メモリ効率
を向上できる。さらに、文字フォントを各フレームバッ
ファ14−1,14−2,……14−nに展開するよう
な共通の処理を行う場合には、EXEC信号を用いてコ
マンド処理の同期をとることができ、メインメモリ12
から読出したデータを各図形処理装置10−1,10−
2,……10−nで同時に取込むことができる。この結
果、同一データの読出しが1回で済み、処理効率を向上
できる。 【0032】次に図形処理装置(GDP)の内部構成に
ついて詳しく説明する。 【0033】図8は図形処理装置10の内部構成を示
し、描画プロセッサ101,表示プロセッサ102,タ
イミングプロセッサ103,CPUインタフェース10
6,割込み制御回路105,DMA制御回路104,ディ
スプレイインタフェース108、及びバス制御回路10
7から成る。描画プロセッサ101は、線や面等の図形
発生やCPUと表示用メモリ間のデータ転送等を制御す
るもので、描画アドレスを出力し表示用メモリの読み書
きを行う。表示プロセッサ102はラスタ走査に従って
順次表示される表示用メモリの表示アドレスを出力す
る。タイミングプロセッサ103は、CRTの同期信号
や表示タイミングや表示と描画の切り替え信号等の各種
タイミング信号を発生する。CPUインタフェース10
6は、CPUデータバスと図形処理装置10間の同期化
等中央処理装置(CPU)11とのインタフェースを司
る。割込み制御回路105はCPUに対する割込み要求
信号(IRQ)を発生する。直接メモリアクセス(以下D
MAと呼び)制御回路104はDMAコントローラ(以
下DMACと呼ぶ)13に対する制御信号のやりとりを
制御する。ディスプレイインタフェース108は、表示
と描画のアドレス切り替え制御等表示用メモリ及びディ
スプレイ装置とのインタフェースを司る。バス制御回路
107は、フレームバッファ用のバスのアクセス権を制
御するもので、外部から要求される信号に対しバスの使
用を許可するかどうかを制御する。この図形処理装置1
0では、描画,表示,タイミングの3プロセッサが機能
分散し並列動作することにより、処理効率を向上してい
る。 【0034】次に、図形処理装置10の各入出力端子の
機能について詳細に説明する。 【0035】(1)双方向性データバス(D0〜D15:
入出力) システムバスと図形処理装置10間のデータ転送に使用
する入出力信号である。この端子はスリーステートバッ
ファになっており、中央処理装置11側から図形処理装
置10の内部レジスタをリードするとき以外はハイイン
ピーダンス状態になっている。 【0036】(2)リセット(RES:入力) 外部から図形処理装置10の内部状態をリセットするた
めの入力信号である。この端子に“Low” レベル信号が
入力されると、内部の状態がリセットされ、表示,描画
動作が停止する。 【0037】(3)リード/ライト(R/W:入力) 中央処理装置11側のシステムバスと図形処理装置10
間のデータ転送の方向を制御する入力信号である。“Hi
gh”レベルのときリード(図形処理装置10から中央処
理装置11側へのデータ転送)、“Low”レベルのときラ
イト(中央処理装置11側から図形処理装置10へのデ
ータ転送、となる。ただしDMA転送モードのときは
“High”レベルでメインメモリ側から図形処理装置10
への転送、“Low” レベルのときGDP10からメイン
メモリ12側への転送となる。 【0038】(4)チップセレクト(CS:入力) 中央処理装置11が図形処理装置10に対してアクセス
する場合の選択入力である。すなわち、CSに“Low”
レベルを入力したときのみ、図形処理装置10の内部レ
ジスタに対しリード/ライトを実行できる。 【0039】(5)レジスタセレクト(RS1〜2:入
力) 図形処理装置10の内部レジスタを選択する入力信号で
ある。RS1,RS2が共に“Low” のときは、書込み
時はアドレスレジスタが、読出し時はステータスレジス
タが選択される。RS1が“Low",RS2が“High”の
ときはFIFOが選択され、RS1=“High”,RS2
=“Low” のときはアドレスレジスタの指定する制御レ
ジスタが選択される。 【0040】(6)データ転送アクノリッジ(DTAC
K:出力) データ転送の完了を示す出力信号である。非同期のバス
とインタフェースする場合に、この信号を用いてデータ
転送を制御する。 【0041】(7)割込み要求(LRQ:出力) 中央処理装置11に対してコマンド終了,未定義コマン
ド検出等を知らせる割込み要求の出力信号である。この
端子はオープンドレイン出力となっており、他のデバイ
スからの割込み要求出力とワイヤードORをとることが
できる。 【0042】(8)DMA転送要求(DREQ:出力) DMA転送モードでデータ転送を行うとき、DMAコン
トローラ13に対してデータ転送要求を行うための出力
信号である。DMA転送の方式としては、サイクルスチ
ールとバーストモードの2通りが選択できる。 【0043】(9)DMA転送アクノリッジ(DACK:
入力) DREQ信号に対するDMAコントローラ13からの応
答入力である。この端子に“Low” レベルが入力された
ときにデータのアクセスが行われる。 【0044】(10)水平同期/外部水平同期(HSYNC/EXH
SYNC:入出力) この端子が出力に設定されているときは、CRTディス
プレイ装置16の水平同期信号を出力する。入力に設定
されているとはTV等の外部装置から水平同期信号を入
力し、内部の水平同期動作はこの入力信号に同期する。 【0045】(11)垂直同期(USYNC:出力) CRTディスプレイ装置16に垂直同期をかけるための
出力信号である。 【0046】(12)垂直外部同期(EXVSYNC:入出力) 複数個の図形処理装置10−1,10−2,……10−
nの並列動作、または他の外部機器との同期動作を行う
ための入出力信号である。マスタモードの場合はこの端
子は出力となり、スレーブモードのときは入力となる。
ノンインタレース時には、VSYNCと同一信号,イン
タレースモードでは奇数フィールドのみのVSYNCを
分離した信号を用いて同期動作を実行する。 【0047】(13)表示タイミング1/2(DISP1,
DISP2:出力) 画面の表示タイミングを示す出力信号である。DISP
1はベース画面として設定された各図面の表示期間のO
Rをとつた信号出力である。DISP2はスーパインポ
ーズ画面の表示期間を示す信号を出力する。 【0048】(14)カーソル表示(CUD:出力) CRTディスプレイ装置16の画面にカーソルを表示す
るための出力信号である。カーソル定義レジスタを制御
することにより、グラフィック・カーソルまたはクロス
ヘアカーソルのいずれかを選択できる。 【0049】(15)メモリデータ(MD0〜31:入出
力) 図形処理装置10とフレームバッファ14との間のデー
タ転送を行う32ビットの入出力端子である。また、表
示サイクル期間中は、アトリビユート信号の出力端子と
なる。 【0050】(16)メモリアドレス(MA0〜27:出
力) フレームバッファ14のアドレスを出力する端子であ
る。フレームバッファ14にダイナミックRAMを用い
る場合、水平同期期間中にこの端子にリフレッシュアド
レスを出力することができる。 【0051】(17)メモリアドレス・ストローブ(MA
S:出力) MA0〜27の出力が有効な期間を示すストローブ信号
である。 【0052】(18)フレームバッファ・バスステータス(F
BS0〜3:出力) フレームバッファ・バスの各メモリサイクルごとの状態
を示す信号出力である。外部ではこの信号をデコードす
ることにより、バスサイクルの種類を知ることができ
る。下表に詳細を示す。 【0053】 【表1】【0054】(19)エグゼキュート(EXEC:入出力) n個の図形処理装置10−1,10−2,……10−n
をカラープレーン単位で複数個用いる場合、コマンド単
位で描画動作の同期を行うための入出力信号である。こ
の端子はオープンドレインになっており、各図形処理装
置10−1,10−2,……10−nごとの信号をワイ
ヤードOR接続する。図形処理装置10−1,10−
2,……10−nはコマンド実行中はこの端子を“Lo
w” にしコマンドを終了すると“High”にする。従って
ワイヤードOR接続されたこの端子は、すべての図形処
理装置10−1,10−2,……10−nがコマンドを
終了したときに“High”になる。図形処理装置10−
1,10−2,……10−nはこの端子が“Low” の期
間中は次のコマンド実行に移れないが“High”を検出し
た直後に次のコマンド実行に移ることができる。 【0055】(20)クロック1,2(CLK1,2:入
力) 図形処理装置10の内部動作の基準となるクロック信号
を入力する。クロック信号CLK2はクロック信号CL
K1に対して90゜位相を遅られた信号を入力する。 【0056】(21)2クロック(2CLK:出力) クロック信号CLK1を2分周したクロック信号を出力
する。 【0057】(22)メモリサイクル(MCYC:出力) フレームバッファ14のメモリアクセス・タイミングを
示す信号出力で、この信号は2CLKを2分周したクロ
ックである。 【0058】(23)バスリクエステ(BREQ:出力) 図形処理装置10がシステムメモリ12をアクセスする
際のバス使用権の要求信号である。 【0059】(24)ホールド(HOLD:出力) 図形処理装置10がシステムバスに対しバス要求を出力
し、バスマスタになった後、そのバスを専有している期
間中この端子に“High”を出力する。 【0060】(25)リトライ(RETRY:入力) 描画アクセスの再実行を指令する入力端子である。図形
処理装置10がシステムメモリ12をアクセスする場
合、システムメモリ12のサイクルタイムが図形処理装
置10のメモリサイクルタイムより長い場合、この端子
に“High”を入力することにより、次の描画サイクルで
同一のメモリアクセスを再実行することができる。 【0061】(26)ビジー(BUSY:出力) 図形処理装置10がフレームバッファ14を解放できな
いメモリサイクル期間を示す。リフレッシュアドレスの
出力期間中や表示優先モードでの表示メモリサイクル期
間中で“High”レベルが出力される。 【0062】(27)ホールト(HALT:入力) 図形処理装置10のフレームバッファアクセスを禁止さ
せるための入力信号である。BUSYが“Low” のと
き、ホールトが受け付けられ図形処理装置10はメモリ
アクセスを実行しない。信号BUSYが“High”のとき
はこの信号入力は無視される。従って、この信号によっ
て表示優先モードでは描画メモリサイクルを、描画優先
モードでは描画と表示の両メモリサイクルを禁止するこ
とができる。また、図形処理装置10がシステムメモリ
12をアクセスする場合には、信号BREQ出力後、外
部回路でこの端子に“High”を入力し、その後システム
バスの使用許可信号に応じて信号HALTに“Low” を
入力することによりバスの使用許可を知らせる。 【0063】(28)ドローリクエスト(DRREQ:出
力) フレームバッファ14に対する描画要求信号である。複
数の図形処理装置10がフレームバッファ14を共有す
る場合、この信号を外部のバス調停回路で判定してバス
の使用権を割付ける。 【0064】図9は、図形処理装置10の中の描画プロ
セッサ101の内部構成を示したものである。描画プロ
セッサ101は、コマンドやパラメータを中央処理装置
11等から受け取ったり、データ転送を行うためのFIFO
1015,コマンドをセットするコマンドレジスタ101
4,論理アドレス演算部1013とそれを制御する第1
のマイクロプログラムROM1011 及び第1のマイクロ命令
デコーダ1012,物理アドレス演算部1019とカラ
ーデータ演算部1020を制御する第2のマイクロプロ
グラムROM1016 及び第2のマイクロ命令デコーダ101
7,線種情報やペル情報などを格納する内部RAM1018 で
構成される。 【0065】中央処理装置(CPU)11からコマンド
を受け取ると、コマンドはコマンドレジスタ1015へ
セットされ、それに対応したマイクロプログラムが第1
のマイクロプログラムROM1011 から読み出される。第1
のマイクロ命令デコーダ1012はそれをデコードし論理ア
ドレス演算部1013を制御する。一方、マイクロ命令
の一部は、第2のマイクロプログラムROM1016 を読み出
すためのアドレスとなる。読み出されたマイクロプログ
ラムは、第2のマイクロ命令デコーダ1017によって
デコードされ論理アドレスに対応したフレームバッファ
14のメモリアドレスを算出するための物理アドレス演
算部1019と、図形データを演算するカラーデータ演
算部1020を制御する。また、内部RAM1018 は、内部
RAM独自のアドレッシングと、フレームバッファ空間
の一部としてアクセスできるフレームバッファアドレッ
シングを持つ。内部RAMは、フレームバッファより高
速にアクセスできる特徴があるため、頻繁にアクセスす
る情報を格納するのに適している。それらの情報として
は、線分を描画する場合の線種を指定する線種情報,線
分の太さを指定するペル情報,面描画を行う場合の模様
を指定するパターン情報、内部の情報を一時退避するス
タック等が上げられる。本実施例では、線種情報とペル
情報は内部の独自アドレッシングで管理し、パターン情
報とスタックはフレームバッファアドレッシングで管理
する。それは、内部RAM1018 をアクセスする場合、独自
のアドレッシングの方がフレームバッファアドレッシン
グとしてアクセスするより高速にアクセスできるからで
ある。一方、パターン情報やスタックは、容量を限定す
ることができないため、内部RAM1018 に設定できない事
態には、フレームバッファへの領域の拡張ができること
を目的とし、フレームバッファアドレッシングで管理す
る。 【0066】しかし、本実施例以外の内部RAM1018 の使
用法として、内部RAM独自のアドレッシングのみを持
ち、パターンやスタックをより高速にアクセスする方法
や、フレームバッファアドレッシングのみを持ち、線種
やペル情報の容量拡張を可能にする方法も考えられる。 【0067】次に、内部RAM1018 のフレームバッファア
ドレッシングについて説明する。 【0068】図10は図形処理装置(GDP)10内の
描画プロセッサ101のフレームバッファ14へのイン
タフェースに関連する部分およびバス制御回路107の
ブロック図を示したものである。バス制御回路107
は、中央処理装置11のシステムバスに接続されるフレ
ームバッファ14へのアクセスのための制御信号、図形
処理装置10からシステムメモリ12へのアクセスのた
めの制御信号を発生させる。 【0069】内部RAM1018 をフレームバッファアドレッ
シングでアクセスする場合には、まず、内部RAMアド
レスレジスタ(IRAR)2006に、フレームバッフ
ァ14上の配置する先頭アドレスを格納しておく。該レ
ジスタ2006は32ビットのうち、下位12ビットは
設定しない。描画プロセッサ101はフレームバッファ
14をアクセスする時に、そのアドレスをビット単位で
メモリアドレスレジスタ(MAR)2004にセットす
る。この時、該レジスタ2004と上記レジスタの内容
を一致検出器(IRCMP)2007で比較する。該比
較器2007は、32ビットのうち下位12ビットは比
較しない。従って該比較器2007が一致信号を出力し
ていれば、上記メモリアドレスレジスタ2004に設定
してあるアドレスは、内部RAM1018 をアクセスするアド
レスである。そこで、上記一致信号をもつて、内部RAM1
018 をアクセスするために内部RAM独自のアドレッシ
ングのためのアドレス情報の代りに、上記メモリアドレ
スレジスタ2004のアドレス値に下位12ビットによ
り内部RAM1018 をアクセスする。一方、フレームバッフ
ァ14のアクセスを行わないように、ドローリクエスト
発生器2013に対し、アクセスを禁止するように指示
する。 【0070】図11は、中央処理装置(CPU)11か
らアクセスできる図形処理装置(GDP)10内部の制
御レジスタ、RAMの一覧を示す。これらの内部レジス
タのアクセス方法には、次の2つの場合がある。 【0071】(1)中央処理装置(CPU)11から直接
アクセスできるレジスタ 図12は、中央処理装置11から直接アクセスできるレ
ジスタ,RAMの詳細構成をまとめたものである。アド
レスレジスタは、RS1,RS2,CS,R/Wが共に
“Low” の条件が書き込むことができる。アドレス/ラ
イトFIFOカウンタレジスタは、RS1,RS2,C
Sが共に“Low” でR/Wが“High”の条件でアドレス
レジスタとライトFIFOカウンタを読み出すことがで
きる。ステータスレジスタは、RS1が“Low",RS2
が“High”,CSが“Low”,R/Wが“High”の時に読
み出すことができる。ステータスレジスタクリアレジス
タは、RS1が“Low”,RS2が“High”,CSが“L
ow”,R/Wが“Low” の時に書き込むことができる。
FIFOは、RS1が“High”,RS1が“Low”,CS
が“Low” でアクセスできる。それ以外のレジスタは、
アドレスレジスタでレジスタ番号を指定した後、RS
1,RS2が共に“High”,CSが“Low” の条件でア
クセスすることができる。 【0072】(2)FIFO経由でアクセスできるレジス
タ 描画を制御するレジスタ、RAMは、FIFO(First
In First Out)経由でアクセスする。 【0073】ライトFIFOは32ワード、リードFI
FOは8ワードある。内部では、1つのコマンドを処理
するごとに次のコマンドがコマンドレジスタに転送され
る。図13は、描画パラメータレジスタの詳細構成を示
す。 【0074】次に図12に基づき、各レジスタの機能を
説明する。 【0075】(1)アドレスレジスタ(AR:Address Reg
ister) アドレスレジスタ(AR)は、図形処理装置(GDP)
10内部のコントロールレジスタのアドレス($000
〜$1FF)を指定するためのレジスタである。コント
ロールレジスタにライトまたはリードを行う時、まずA
Rに該当する制御レジスタのアドレスを書き込む必要が
ある。また、このレジスタのINCビットを0にすると
アドレスレジスタの更新は行われないが、1にすると制
御レジスタをアクセスする毎に、アドレスレジスタを+
2ずつ更新していく。これにより、制御レジスタを連続
してアクセスする場合にはアドレスレジスタのセットを
最初に行うだけで良い。 【0076】(2)アドレス/ライトFIFOカウンタレ
ジスタ(AWFCR:Address/WriteFIFO Counter Reg
ister) このレジスタは、アドレスレジスタと、ライトFIFO
空き語数の内容を読み出すレジスタである。中央処理装
置11は、このレジスタにより、アドレスレジスタの設
定値を知ることができると共に、ライトFIFOの空き
語数を知ることで、ライトFIFOヘその語数分のコマ
ンドやパラメータを連続して転送することでができる。 【0077】(3)ステータスレジスタ(SR:Status Re
gister) ステータスレジスタ(SR)は、図形処理装置10の内
部状態を示すレジスタである。各ビットの意味は次の通
りである。 【0078】○アップデート(UDT:Update) タイミング及び表示制御レジスタの書き換え許可期間を
示す。 【0079】○コマンドDMAコンプリート(CDC:
Command DMA Complete) コマンドDMAモードに於いて、コマンドDMAを終了
させるコマンドであるDENDコマンドを実行した場合
にセットされるビットである。 【0080】○DMAエラー(DER:DMA Error) コマンドDMAモードに於いて、GET,RDコンドを
実行した場合にセットされ、コマンドDMAモードを続
行できないことを示す。 【0081】○メモリプロテクションバイオレーション
(MPV:Memory ProtectionViolation) PAINTコマンドで、フレームバッファのスタック領
域をアクセスする場合、スタック領域を越えてアクセス
したことを示す。 【0082】○ストップ(STP:Stop) STOPコマンドを実行したことを示す。 【0083】○コマンドエラー(CER:Command Erro
r) 未定義コマンドを実行したか、2値情報で示される座標
空間とカラー情報で示される座標空間の間でZOOMコ
マンドかROTコマンドを実行したことを示す。 【0084】○エリア検出(ARD:Area Detect) 描画領域テストモードの指定に従ってエリアが検出され
たことを示す。 【0085】○コマンド終了(CED:Command End) コマンド実行の終了かコマンドが実行されていないこと
を示す。 【0086】○リードFIFOフル(REF:Read
FIFO Foll) リードFIFOに8ワード(16バイト)のデータが入
っており、これ以上のデータリードコマンドの実行が不
可能であることを示す。 【0087】リードFIFOのデータをリードすると、
RFFはクリアされる。 【0088】○リードFIFOレディ(REF:Rea
d FIFO Ready) リードFIFOにデータが準備されたことを示す。リー
ドFIFOデータを全てリードすると、RFRはクリア
される。 【0089】○ライトFIFOレディ(WFR:Write
FIFO Ready) ライトFIFOへのライトが可能であることを示す。ラ
イトFIFOに32ワード(64バイト)のデータがラ
イトされるとWFRはクリアされる。 【0090】○ライトFIFOエンプティ(WFE:Wr
ite FIFO Empty;bit0) ライトFIFOが空であることを示す。 【0091】ライトFIFOにデータをライトするとW
FEはクリアされる。 【0092】(3)ステータスレジスタクリアレジスタ
(SRCR:Status Register ClearRegister) ステータスレジスタクリアレジスタ(SRCR)は、ス
テータスレジスタの各ビットをクリアするレジスタであ
る。ステータスレジスタのクリアを行うビットに対応し
たビットに1をセットすることで、ステータスレジスタ
の各ビットはリセットされる。ただし、ステータスレジ
スタのRFF,RFR,WFR,WFEビットはこのレ
ジスタではリセットは行えない。 【0093】(4)FIFOエントリ(FE:FIFO Entr
y) FIFOエントリ(FE)は、図形処理装置(GDP)
10にコマンド/パラメータのライト,図形処理装置1
0よりデータのリードを行うためのレジスタである。図
形処理装置(GDP)10はそれぞれ16バイトのリー
ドFIFO,64バイトのライトFIFOを内蔵してお
り、リードを行うとリードFIFOが、ライトを行うと
ライトFIFOが選択される。コマンド/パラメータ
を、ライトFIFOにライトすることによりコマンドは
順次実行され、リードコマンド実行後リードデータは順
次リードFIFOに準備される。 【0094】(5)コマンド制御レジスタ(CCR:Comm
and Control Register) コマンド制御レジスタ(CCR)は、コマンド処理を制
御するレジスタで、各ビットの意味は次の通りである。 【0095】○アボート(ABT:ABorT) 【0096】 【表2】 【0097】○ポーズ(PSE:PauSE) 【0098】 【表3】 【0099】○データ DMA モード(DDM:Date
Dma Mode) 【0100】 【表4】【0101】○コマンド DMA モード(CDM:C
ommand DMA Mode) 【0102】 【表5】 【0103】○DMA 転送要求制御(DRC;DMA
Request Control) 【0104】 【表6】 【0105】○グラフィックビットモード(GBM:G
raphic Bit Mode)グラフィックビット
モード(GBM)は、図形処理装置(GDP)10で取
り扱う画素データのビット構成を設定するビットであ
る。ビット構成は、6種類が選択でき、システムにあっ
たカラー(階調)構成を容易に実現することができる。 【0106】○エリアモード(AREA:Area D
eteet Mode) 描画領域を管理するモードで、図14に示すモードを有
する。 【0107】○コンティニューモード(CNT:Comtin
ue Mode) 【0108】 【表7】 【0109】○メインメモリアクセスモード(MMA:
Main Memory Access Mode) 【0110】 【表8】【0111】○データ構成変換(DCT:Data C
onfigulation Transform) 中央処理装置11と図形処理装置10間のデータ転送時
におけるデータ構成の変換を指定するビットである。こ
の設定を選択することにより、各種の中央処理装置11
と図形処理装置10は接続することができる。図15に
その変換の種類を示す。 【0112】○小数部設定(FRS:Fraction Set) カレントポインタの固定小数点の位置を設定するビット
である。小数点の位置は次の4通りを設定することがで
き、図形の描画精度を簡単に選択できる。 【0113】 【表9】 【0114】○ライトオンリーモード(WTM:Write
Only Mode) 1語中に複数画素を有するシステムにおいて、1画素単
に書き換えを行う時、リード・モディファイ・ライト動
作を行わずにライト動作のみで1画素単位の書き換えを
行うことを可能とするモードを指定するビットである。
これにより、1メモリサイクルで1画素の更新が可能に
なり、描画速度の向上が図れる。 【0115】 【表10】 【0116】○メモリデータサイズ(MDS:Memory D
ata Size) フレームバッファ14のデータバス幅を設定するビット
である。フレームバッファ14のアドレス空間の一部を
メインメモリ12に割り当てた時のフレームバッファ1
4側とメインメモリ12側とが独立して設定できること
で、システム構成の多様化に対応できる。 【0117】 【表11】【0118】○タイミング制御レジスタ これらのレジスタは、同期信号,カーソル表示制御信
号,画面制御信号の出力条件を定義するレジスタ群であ
る。 【0119】○表示制御レジスタ これらのレジスタは、表示を行うためのメモリアドレス
出力を制御するレジスタ群である。 【0120】次に、図13に基づき、描画パラメータレ
ジスタの機能を説明する。 【0121】○カラー0レジスタ(CL0:Color Regis
ter 0) パターン,線種,フォントデータ等の2値情報をカラー
データに変換する時に使用するレジスタで、2値データ
の“0”に対応するカラーデータを設定する。 ○カラー1レジスタ(CL1:Color Register 1) カラー0レジスタと同様に2値情報をカラーデータに変
換する時に使用するレジスタで、2値データの“1”に
対応するカラーデータを設定する。 【0122】○色比較レジスタ(CCMP:Color Comp
arison Register) 描画演算の評価色を定義する。後述する色比較モードを
選択することで、このレジスタで指定される特定色を描
画禁止色や変更可能色とすることができる。 【0123】○エッジカラーレジスタ(EDG:Edge C
olor Register) PAINTコンドで領域を限定するための境界色を定義
する。このレジスタに指定した色を境界色とする場合
と、このレジスタに指定した色以外の色を境界色として
判定する場合がある。 【0124】○リードマスクレジスタ(RMASK:Re
ad Mask Register) カラーデータから特定のカラープレーンのデータのみを
選択し、2値化する場合のカラープレーンを指定するレ
ジスタである。 【0125】○ライトマスクレジスタ(WMASK:Wr
ite Mask Register) 描画を行う場合、書き換えを行わないカラープレーンを
指定するレジスタである。書き換えを行わないプレーン
は複数プレーンを指定することができる。前述のリード
マスクレジスタと組み合わせて使用することにより、プ
レーン間のコピーを行うことができる。 【0126】○パターン制御レジスタ(PTNC:Patt
en Control Register) PAINTコマンドや、フィルコマンドの塗りつぶしパ
ターンを格納するエリアを定義するレジスタである。フ
レームバッファ上に設定することができるので、領域の
大きさを自由に設定できる。このレジスタは、次に示す
レジスタ群で構成される。 【0127】(i)パターンポインタ(PPX,PP
Y) パターン領域の参照点を示す。パターン領域は、描画座
標系に対し独自のパターン座標系を有する。 【0128】(ii)パターンスタート位置(PSX,P
SY) パターン領域の開始点座標を、パターン座標系で表わ
す。 【0129】(iii)パターンエンド位置(PEX,PE
Y) パターン領域の終了点を、パターン座標系で表わす。 【0130】(iv)パターン拡大カウンタ(PZCX,
PZCY) パターン参照時の拡大倍率の計数値を示す。この計数値
は、描画に伴って、0≦PZCX≦PZX,0≦PZC
Y≦PZYの範囲でカウントされ拡大係数に達するとパ
ターンポインタが移動する。 【0131】(v)パターン拡大係数(PZX,PZ
Y) パターン参照時の拡大係数を定義する。0〜15の指定
に応じて1〜16倍の拡大倍率になる。 【0132】○領域定義レジスタ(ARD:Area Defin
ition Register) 描画領域を定義する。前述のエリアモードに従って領域
管理を行う。 【0133】○描画モードレジスタ(DMR:Drawing
Mode Register) 描画演算を行うための演算モード,色比較モード,カラ
ーモード,ペル描画モードを指定する。 【0134】図16〜図20に描画モードレジスタの構
成を示す。DM0はMCOPYコマンド以外の描画で参
照されるレジスタで、DM1は、MCOPYコマンドに
おいて、転送元データとパターンデータ間の演算を定義
するレジスタである。その演算結果と転送先データとの
演算はDM0を参照する。この2つのレジスタで、MC
OPYコマンドにおいて256通りの論理演算を定義す
ることができる。 【0135】CMW0とCMW1は、2つの描画座標系
のメモリ幅を定義するレジスタである。図21には図形
処理装置10が、2つの座標系を管理することで、画面
サイズの異なる座標系間のデータ転送を行うことができ
ることを可能にしていることを示す。これにより、マル
チウインドウを管理するシステムで、ウインドウ間のデ
ータ転送を簡単に行える。 【0136】○パターン属性(PDR:Pattern Defini
tion Register) パターン領域のメモリ幅を定義するレジスタである。最
上位ビットが0の時は、パターン領域はカラーデータ、
1の時は2値データとして扱われる。 【0137】○パターンメモリアドレスレジスタ(PT
NA:Pattern Memory AddressRegister) 前述のパターンポインタ(PPX,PPY)に対するフ
レームバッファのメモリアドレスを管理するレジスタで
ある。 【0138】○ペルメモリアドレスレジスタ(PLA:
Pel Memory Address Register) 図形処理装置10は、線描画を行う場合、1画素に対応
する形状を定義するペル領域を持つことができる。この
ペル機能を用いて、太線での線描画を容易に行える。図
22にペル領域の定義を示す。ペル原点に対応するアド
レスをこのレジスタに設定する。 【0139】○ペル制御レジスタ(PLC:Pel Contro
l Register) ペル領域の大きさを定義するレジスタである。 【0140】図22のペル原点は、描画座標上のカレン
トポインタに対応する点で、カレントポインタを中心と
してPLX1,PLX2,PLY1,PLY2が大きさ
を定義し、この範囲内で1画素の形状を定義する。この
データの1ビットがフレームバッファ14の1画素に対
応する。0の部分は無視され、1の部分は、後述する線
種情報に基づき描画される。つまり、1画素を描画する
ために選択された線種情報1ビットをペルの“1”の部
分に対応させて描画する。図23に、ペルと線種の関係
を示す。ペルの形状,大きさに無関係にカレントポイン
タは1画素単位で移動を行うため、形状によっては複数
の重ね書きを行う。 【0141】○線種制御レジスタ(LSC:Line Style
Control Register) 線描画を行う場合の線種情報領域を定義するレジスタで
ある。線種を変更することにより、点線等を定義するこ
とができる。 【0142】(i)線種ポインタ(LSP) 線種の参照点を示すポインタで、カレントポインタに対
応して移動する。 (ii)線種開始点(LSS) 線種の開始点を示す。 【0143】(iii)線種終了点(LSE) 線種の終了点を示す。 【0144】(iv)線種拡大カウンタ(LSZC) 線種参照時の拡大倍率の計数値を示す。この計数値は、
描画に伴って0≦LSZC≦LSZの範囲でカウントさ
れ、拡大係数に達すると線種ポインタが移動する。 【0145】(v)線種拡大係数(LSZ) 線種参照時の拡大係数を定義する。0〜15の指定に応
じて1〜16倍の拡大倍率になる。 【0146】○フォント領域定義レジスタ(FADR:
Font Area Definition Register) ビットマップ文字描画のための文字フォント領域を定義
するレジスタである。文字フォントは、フレームバッフ
ァのアドレス空間上に定義するため、フレームバッファ
上に配置することの他に、前述のコマンド制御レジスタ
(CCR)のMMAビットを“1”にしておくことによ
りメインメモリ上にフォントを配置することが可能であ
る。 【0147】(i)フォントベースアドレス(FBA
H,FBAL) フォント領域の基準点のメモリアドレスを定義する。 【0148】(ii)フォントビット数(FBN) 1文字のフォントの総ビット数を定義する。 【0149】(iii)フォントメモリ幅(FAMW) フォント領域のメモリ幅を定義する。 【0150】(iv)文字間隔(DX,DY) 文字の間隔を定義する。 【0151】(v)文字拡大係数(ZX,ZY) CHRコマンドで1文字の描画を行う場合の1文字の拡
大/縮小率を定義する。DX,DYより大きければ拡大
になり小さければ縮小になる。X方向とY方向が独立し
て定義できるので、X方向は拡大、Y方向は縮小といっ
た文字を描画できる。 【0152】(vi)フォント傾斜係数(XX) CHRコマンドで1文字の描画を行う場合の文字の傾斜
率を定義する。後述のCHRコマンドの説明を参照のこ
と。 【0153】○内部RAMアドレス(IRAR:Intern
al RAM Address Register) 図形処理装置10は内部に512バイトのRAMを有し
ており、このRAMをフレームバッファのアドレス空間
としてアクセスすることができる。内部RAMアドレス
レジスタには、フレームバッファ上の配置する先頭アド
レスを設定する。内部RAMは、フレームバッファに比
較して高速にアクセスすることが可能である。従って、
パターン領域が小さい場合には、パターンを内部RAM
に配置することで処理速度を向上させることができる。
一方、パターン領域を拡張したい時は、前述のパターン
メモリアドレス(PTNA)を変更するだけで良く、ソ
フトウエアのみで簡単に使い分けができる。図24は、
フレームバッファ14,内部RAM1011 、メインメモリ1
2と、フレームバッファアドレス空間の関係を示したも
のである。 【0154】○スタック先頭アドレス(SSAR:Stac
k Start Address Register) PAINTコマンド実行時、処理途中の座標点をフレー
ムバッファにスタックする。このレジスタは、そのスタ
ック領域の先頭アドレスを定義するレジスタである。 【0155】○スタック領域定義(SADR:Stack Are
a Definition Register) スタック領域の大きさを定義するレジスタで、2 単位
に設定可能である。 【0156】○スタックポインタ(SP:Stack Pointe
r) スタックを行うアドレスを設定する。 【0157】○ドローイングポインタ0(DP0:Draw
ing Pointer 0) 座標系0の描画メモリアドレスを示すレジスタである。 【0158】○カレントポインタ0(CP0X,CP0
Y:Current Pointer 0) 座標系0の描画座標を示す。DP0に対応した座標であ
る。 【0159】○ドローイングポインタ1(DP1:Draw
ing Pointer 1) 座標系1の描画メモリアドレスを示すレジスタである。 【0160】○カレントポインタ1(CP1X,CP1
Y:Current Pointer 1) 座標系1の描画座標を示す。DP1に対応した座標であ
る。 【0161】○描画開始座標(DSP:Drawing Start
Point) ARC,EARCコマンドにおいて、描画を開始した円
周上の座標を示す。 【0162】○描画終了座標(DEP:Drawing End Po
int) ARC,EARCコマンドにおいて、描画を終了した円
周上の座標を示す。 【0163】次に、図形処理装置(GDP)10のコマ
ンドについて説明する。図25から図28まではコマン
ドの一覧を示す。図形処理装置(GDP)10は、たと
えば日経エレクトロニクス1984年5月21日号,p
221〜p254で言及しているコマンドの一部と、先
に本件出願人が提案した特願昭60−201549号で言及して
いるコマンドの一部と後述するコマンドが実行できる。 【0164】図29はPLINEコマンドの動作例を示
す。PLINEコマンドは、パラメータX1,Y1で示さ
れる点と、パラメータX2,Y2で示される点とを結ぶ直
線のうち、パラメータZs,ZeおよびZによって示され
る区間を描画する。パラメータZs,Zeは、X座標また
Y座標の値を制限するものであり、どちらの座標値を制
限するかは、パラメータZで設定する。Z=0の場合、
X座標がZs からZeまでの区間が描画され、Z=1の
場合、Y座標がZs からZe までの区間が描画される。
このコマンドを用いることにより、従来の図形処理装置
では描画することがむずかしかった、始点,終点の座標
値が整数でない直線の描画を図形処理装置(GDP)1
0で行うことができる。また、描画を行う座標系は、2
つの座標系のうちいずれかを、パラメータDにより指定
できる。 【0165】図30はFTRAPコマンドの動作例を示
す。FTRARコマンドは、パラメータX1,Y1で示さ
れる点と、パラメータX2,Y2で示される点とを結ぶ線
分と、パラメータX3,Y3で示される点と、パラメータ
X4,Y4で示される点とを結ぶ線分と、パラメータYs
で示される水平線と、パラメータYe で示される水平線
の合計4本の直線によって囲まれた領域を、パターンR
AMに格納されている図形を用い塗りつぶすコマンドで
ある。このコマンドを組み合わせて用いることにより、
任意の多角形群から構成される図形を模様パターンで塗
りつぶすことができる。また、描画を行う座標系は、2
つの座標系のうちいずれかを、パラメータDにより指定
できる。 【0166】図31はFARC−LNコマンドの動作例
を示す。FARC−LNコマンドは、パラメータXc,
Ycで示された点を中心とし、パラメータrで指定され
た半径を持ち、パラメータZone で指定された領域に含
まれる4分の1円弧と、パラメータX1,Y1で示される
点と、パラメータX2,Y2で示される点とを結ぶ線分
と、パラメータYs で示される水平線と、パラメータY
e で示される水平線の合計4本の線によって囲まれた領
域を、パターンRAMに格納されている図形を用い塗り
つぶすコマンドである。描画を行う座標系は、2つの座
標系のうちいずれかを、パラメータDにより指定でき
る。 【0167】図32はFPCRCLコマンドの動作例を示す。
FPCRCLコマンドは、パラメータXc,Yc で示された点を
中心とし、パラメータrで指定される半径の円の内部の
うち、パラメータYs で示される水平線とパラメータY
e で示される水平線にはさまれた領域を、パターン領域
に格納されている図形を用い塗りつぶすコマンドであ
る。描画を行う座標系は、2つの座標系のうちいずれか
を、パラメータDにより指定できる。 【0168】図33はFEARC−LNコマンドの動作
例を示す。FEARC−LNコマンドは、パラメータX
c,Ycで示された点を中心とし、パラメータAで指定さ
れたX軸半径を持ち、パラメータBで指定されたY軸半
径を持ち、パラメータZoneで指定された領域に含まれ
る4分の1楕円弧と、パラメータX1,Y1で示される点
と、パラメータX2 ,Y2 で示される点とを結ぶ線分
と、パラメータYs で示される水平線と、パラメータY
e で示される水平線の合計4本の線によって囲まれた領
域を、パターン領域に格納されている図形を用い塗りつ
ぶすコマンドである。描画を行う座標系は、2つの座標
系のうちいずれかを、パラメータDにより指定できる。 【0169】図34はFPELPSコマンドの動作例を示す。
FPELPSコマンドは、パラメータXc,Yc で示される点を
中心とし、パラメータAで指定されたX軸半径を持ち、
パラメータBで指定されたY軸半径の楕円の内部のう
ち、パラメータYs で示される水平線とパラメータYe
で示される水平線にはさまれた領域を、パターン領域に
格納されている図形を用い塗りつぶすコマンドである。
描画を行い座標系は、2つの座標系のうちいずれかを、
パラメータDにより指定できる。 【0170】以上のFTRAP,FARC−LN,FPCR
CL,FEARC−LN,FPELPSの5つのコマンドを組み
合わせて用いることにより、任意の線分および円弧およ
び楕円弧から構成される図形を模様パターンで塗りつぶ
ことができる。 【0171】図35は、TEXTコマンドの動作例を示
したものである。TEXTコマンドは、フレームバッフ
ァ14内の一部を文字フォント領域としたシステムに於
いて、入力されるコマンドコードに対応した文字フォン
トデータを、フレームバッファ14の表示領域中のパラ
メータX,Yの示す位置へ展開するコマンドである。図
形処理装置(GDP)10の内部レジスタである。フォ
ント領域のスタートアドレスを設定するレジスタFSA
H,FSALと、フォント領域のメモリ幅を設定するレ
ジスタFAMWと、展開する実際の文字幅を設定するレ
ジスタFSX,FSYと、1文字分の総ビット数を設定
するレジスタFBNと、X方向の文字間隔を設定するレ
ジスタDXと、Y方向の文字間隔を設定するレジスタD
Yを予め設定しておく。その後、中央処理装置(CP
U)11は、このコマンドと展開すべき座標X,Yに引
き続き展開すべき文字数を設定したパラメータnに続け
て文字コードCNを順次n文字分転送する。そうすると
図形処理装置(GDP)10は、各文字フォントのアド
レスを算出しフォントを展開する。 【0172】また、本コマンドは、コマンドコードの特
定のビットの指定により、文字単位に展開サイズを変更
することもできる。図36に、その動作例を示す。フレ
ームバッファ14中に、フォントテーブルと文字単位の
展開サイズを指定したテーブルを設定しておく。該テー
ブルには、各文字のX方向の左余白部分のビット数を示
すFSAと、左端部から文字の右端部までのビット数を
示すFSBを持つ。前記文字展開の方法との相違点は、
X方向の展開サイズを前記パラメータFSXを用いず、 X方向展開サイズ=FSB−FSA とすることである。 【0173】図37は、TEXTコマンドに於けるカラ
ー展開の一例を示したものである。これは、2値データ
であるフォントデータを多値情報であるカラーデータに
変換する方法を示している。図形処理装置(GDP)1
0の内部レジスタであるカラーレジスタ0にはフォント
データの0に対応する色データを、カラーレジスタ1に
はフォントデータの1に対応する色データをそれぞれ設
定する。図形処理装置(GDP)10は、読み込んだフ
ォントデータを順次検索し、それに対応する色データを
フレームバッファ14に書き込んで行く。 【0174】図38は、CHRコマンドの動作例を示し
たものである。CHRコマンドは、フレームバッファ1
4内の一部を文字フォント領域としたシステムに於い
て、入力されるコマンドコードに対応した文字フォント
データを、フレームバッファ14の表示領域中のパラメ
ータX,Yの示す位置へ展開するコマンドである。文字
の回転は、パラメータSDにより、90゜単位の回転が
設定できる。図形処理装置(GDP)10の内部レジスタ
である、フォント領域のスタートアドレスを設定するレ
ジスタFSAH,FSALと、フォント領域のメモリ幅
を設定するレジスタFAMWと、展開する実際の文字幅
を設定するレジスタFSX,FSYと、1文字分の総ビ
ット数を設定するレジスタFBNと、フレームにバッフ
ァ14上に展開される実際の文字の大きさをドット数で
設定するレジスタZX,ZYと、文字の傾きをドット数
で設定するレジスタXXを予め設定しておく。文字が右
傾きか左傾きかの設定はXXの符号により行う。その
後、中央処理装置(CPU)11は、このコマンドと展
開すべき座標X,Yに引き続き、展開すべき文字コード
CNを転送する。そうすると図形処理装置(GDP)10
は、各文字フォントのアドレスを算出してフォントを展
開する。またCHRコマンドに於けるカラー展開は、た
とえば、前述のTEXTコマンドに於けるカラー展開と
同様の方式により行える。 【0175】図39はMCOPYコマンドの動作例を示
す。MCOPYコマンドは、フレームバッファ14内に
於いて、パラメータXs,Ysにより示される原点からの
絶対座標位置と、その点からのパラメータLx,Lyによ
り示される相対座標位置とを対角の2点とする座標軸に
平行な矩形領域のデータを、パターン領域に格納されて
いるデータとの間で論理演算を行ったのち、さらに、パ
ラメータXd,Ydにより示される原点からの絶対座標位
置を始点とする座標軸に平行な矩形領域へ、同領域のデ
ータと論理演算を行いながら転送するコマンドである。
図40は、MCOPYコマンドの転送元領域の走査方向
を示す。転送元領域の走査方向の設定はパラメータL
X,LYの符号およびパラメータSにより行われる。図
41は、MCOPYコマンドの転送先領域の走査方向を
示す。転送先領域の走査方向の設定はパラメータDSD
により行われる。転送先の座標系は、2つの座標系のう
ちいずれかを、パラメータDにより指定する。また、転
送元の座標系は、転送先と異なる座標系、転送先と同じ
座標系のいずれかを、パラメータSo により指定する。 【0176】本実施例における図形処理装置10は以上
説明したような高機能のコマンド体系を処理することが
でき、中央処理装置(CPU)11の処理負担を大幅に
軽減できる。この結果グラフィック表示装置の高性能化
が可能となる。また、この図形処理装置10をLSIと
して提供することにより、グラフィック処理装置の低コ
スト化も合せて可能になる。 【0177】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、転送先に保持されているグラフィックデータと転
送元のグラフィックデータ又はカラーレジスタに保持さ
れたグラフィックデータの比較を行って、その比較結果
に応じてカラー演算を行うことができる。また、転送元
データの内容に応じてカラーデータを指定することがで
きるので、転送しながらカラー処理が可能になる。さら
に、転送元のカラーデータの内容に応じて、1ビットの
データに変換、つまり、カラーデータを2値化すること
ができる。従って、転送先に保持されているデータとの
比較,転送元のデータの変換を行いながら高速に転送す
ることができる。また、プログラム作成の負担が減少
し、さらに、プログラム量も減少する。よって、グラフ
ィック処理装置として高速化するだけでなく、データ処
理装置,データ処理システムとしても高速化が達成され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図。
【図2】別のシステム構成ブロック図。
【図3】別のシステム構成ブロック図。
【図4】別のシステム構成ブロック図。
【図5】メモリアクセスの動作フロー図。
【図6】メモリアクセスの動作フロー図。
【図7】本発明の別の実施例を示すブロック図。
【図8】図形処理装置の内部構成を示すブロック図。
【図9】図形処理装置の内部構成を示すブロック図。
【図10】図形処理装置の内部構成を示すブロック図。
【図11】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図12】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図13】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図14】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図15】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図16】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図17】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図18】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図19】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図20】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図21】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図22】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図23】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図24】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図25】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図26】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図27】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図28】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図29】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図30】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図31】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図32】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図33】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図34】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図35】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図36】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図37】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図38】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図39】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図40】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図41】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【符号の説明】 10…図形処理装置、11…中央処理装置、12…メイ
ンメモリ、14…フレームバッファ、16…表示装置、
20…バススイッチ。
図。 【図12】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図13】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図14】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図15】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図16】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図17】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図18】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図19】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図20】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図21】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図22】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図23】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図24】図形処理装置の内部レジスタの機能の説明
図。 【図25】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図26】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図27】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図28】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図29】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図30】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図31】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図32】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図33】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図34】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図35】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図36】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図37】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図38】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図39】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図40】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【図41】図形処理装置のコマンド機能の説明図。 【符号の説明】 10…図形処理装置、11…中央処理装置、12…メイ
ンメモリ、14…フレームバッファ、16…表示装置、
20…バススイッチ。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 曽根 崇
東京都小平市上水本町1450番地 株式会
社 日立製作所 武蔵工場内
(56)参考文献 特開 昭59−75354(JP,A)
特開 昭60−194492(JP,A)
日経エレクトロニクス(1984):M
5:pp221−254
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.メインメモリと、 画像データを保持する画像メモリと、 上記画像メモリと接続され上記画像メモリに書き込むた
めの画像データを生成する画像処理プロセッサと、 上記メインメモリと上記画像処理プロセッサとの間でデ
ータの転送を行うために上記メインメモリに接続された
第1の信号線と、 上記画像処理プロセッサと接続された第2の信号線と、 上記第1,2の信号線との間に設けられたスイッチとを
有する画像処理装置であって、 上記画像処理プロセッサは、上記第1の信号線と上記第
2の信号線との接続を制御するスイッチを制御するため
の制御信号を生成する制御部と、カラーデータを保持す
るカラーレジスタとを少なくとも有し、上記制御部によ
って生成された制御信号を上記スイッチに出力し、上記
メインメモリに記憶されたデータを読み出し、この読み
出したデータの内容に応じて上記カラーレジスタに保持
されているカラーデータを指定し、この指定されたカラ
ーデータを上記画像メモリに書き込むことを特徴とする
画像処理装置。 2.請求項1の画像処理装置において、 上記画像メモリは上記第2の信号線に接続されているこ
とを特徴とする画像処理装置。 3.請求項1又は2の画像処理装置において、 上記メインメモリから読み出されたデータは少なくとも
1ビットのデータであって、この1ビットのデータの値
によって上記カラーデータを指定することを特徴とする
画像処理装置。 4.請求項1,2又は3の画像処理装置において、 上記カラーデータは、階調を示す階調データであること
を特徴とする画像処理プロセッサ。 5.命令やデータを記憶する第1のメモリと、 画像データを保持する第2のメモリと、 上記第2のメモリと接続され上記第2のメモリに書き込
むための画像データを生成する画像処理プロセッサと、 上記第1のメモリと上記画像処理プロセッサとの間でデ
ータの転送を行うために上記第1のメモリに接続された
第1の信号線と、 上記画像処理プロセッサと接続された第2の信号線と、 上記第1,2の信号線との間に設けられたスイッチとを
有する画像処理装置であって、 上記画像処理プロセッサは、上記第1の信号線と上記第
2の信号線との接続を制御するスイッチを制御するため
の制御信号を生成する制御部と、カラーデータを保持す
るカラーレジスタとを少なくとも有し、上記制御部によ
って生成された制御信号を上記スイッチに出力し、上記
第1のメモリに記憶されたデータを読み出し、この読み
出したデータの内容に応じて上記カラーレジスタに保持
されているカラーデータを指定し、この指定されたカラ
ーデータを上記第2のメモリに書き込むことを特徴とす
る画像処理装置。 6.請求項5の画像処理装置において、 上記第2のメモリは上記第2の信号線に接続されている
ことを特徴とする画像処理装置。 7.請求項5又は6の画像処理装置において、 上記第1のメモリから読み出されたデータは少なくとも
1ビットのデータであって、この1ビットのデータの値
によって上記カラーデータを指定することを特徴とする
画像処理装置。 8.請求項5,6又は7の画像処理装置において、 上記カラーデータは、階調を示す階調データであること
を特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22689393A JP2822856B2 (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | グラフィック処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22689393A JP2822856B2 (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | グラフィック処理装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61236148A Division JP2667817B2 (ja) | 1986-10-06 | 1986-10-06 | グラフィック処理装置及びそれを用いた情報処理システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06223194A JPH06223194A (ja) | 1994-08-12 |
JP2822856B2 true JP2822856B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=16852242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22689393A Expired - Fee Related JP2822856B2 (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | グラフィック処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2822856B2 (ja) |
-
1993
- 1993-09-13 JP JP22689393A patent/JP2822856B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
日経エレクトロニクス(1984):M5:pp221−254 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06223194A (ja) | 1994-08-12 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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