JP2821150B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents
半導体レーザ素子Info
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- JP2821150B2 JP2821150B2 JP63266802A JP26680288A JP2821150B2 JP 2821150 B2 JP2821150 B2 JP 2821150B2 JP 63266802 A JP63266802 A JP 63266802A JP 26680288 A JP26680288 A JP 26680288A JP 2821150 B2 JP2821150 B2 JP 2821150B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は半導体レーザ素子に関し、特にレーザ光の戻
り光によって誘起される雑音を低減するのに有効な新規
な構成を有する半導体レーザ素子に関するものである。
り光によって誘起される雑音を低減するのに有効な新規
な構成を有する半導体レーザ素子に関するものである。
(従来の技術) 半導体レーザ素子は、コンパクトディスク、ビデオデ
ィスク等の光ディスクから情報を読み取るための光源と
して広く使用されている。このように読取用の光源とし
て使用される場合には、半導体レーザ素子の光強度雑音
が小さいことが重要である。特に、光ディスクから反射
して半導体レーザ素子に再入射する戻り光により発生す
る戻り光雑音が一番の問題となる。
ィスク等の光ディスクから情報を読み取るための光源と
して広く使用されている。このように読取用の光源とし
て使用される場合には、半導体レーザ素子の光強度雑音
が小さいことが重要である。特に、光ディスクから反射
して半導体レーザ素子に再入射する戻り光により発生す
る戻り光雑音が一番の問題となる。
この戻り光雑音は、ある単一波長で発振しているレー
ザ光が戻り光により他の波長へ飛ぶ時に発生する(モー
ド競合雑音)。また、この戻り光雑音は、半導体レーザ
素子と光ディスクとの距離が近くなる程大きくなる。戻
り光雑音を低減するために、幾つかの構造が提案されて
いるが、最も簡便で確実な構成は、レーザ光のコヒーレ
ンス(可干渉性)を悪くして、コヒーレンス長を短くす
るこにより、レーザ素子を戻り光に対して鈍感にするこ
とである。
ザ光が戻り光により他の波長へ飛ぶ時に発生する(モー
ド競合雑音)。また、この戻り光雑音は、半導体レーザ
素子と光ディスクとの距離が近くなる程大きくなる。戻
り光雑音を低減するために、幾つかの構造が提案されて
いるが、最も簡便で確実な構成は、レーザ光のコヒーレ
ンス(可干渉性)を悪くして、コヒーレンス長を短くす
るこにより、レーザ素子を戻り光に対して鈍感にするこ
とである。
レーザ光のコヒーレンスを左右する因子の一つとして
は発振スペクトルがある。即ち、単一縦モードで発振す
るレーザ光はコヒーレンスが高く、マルチ縦モードで発
振するレーザ光はコヒーレンスが低い。従って、半導体
レーザ素子を戻り光に対して強くするためには、マルチ
縦モード発振させるようにすることが考えられる。一般
に、マルチ縦モード発振のレーザ光は利得導波路型レー
ザによって得られるが、このようなレーザ素子は、それ
自体の雑音レベルが高いという問題があり、また、発振
閾値電流が高いという問題もあるので、実用的ではな
い。
は発振スペクトルがある。即ち、単一縦モードで発振す
るレーザ光はコヒーレンスが高く、マルチ縦モードで発
振するレーザ光はコヒーレンスが低い。従って、半導体
レーザ素子を戻り光に対して強くするためには、マルチ
縦モード発振させるようにすることが考えられる。一般
に、マルチ縦モード発振のレーザ光は利得導波路型レー
ザによって得られるが、このようなレーザ素子は、それ
自体の雑音レベルが高いという問題があり、また、発振
閾値電流が高いという問題もあるので、実用的ではな
い。
また、単一縦モード発振のレーザ光は、屈折率導波路
型レーザによって得るのが一般的である。このような屈
折率導波路型レーザの一つにVSIS(V-channeled Substr
ate Inner Stripe)レーザと称されるものがある(例え
ば、Appl.Phys.Lett.40,p.372,1982)。このVSISレーザ
は、V字形のストライプ溝を形成したGaAs基板上に、平
坦な活性層を持つダブルヘテロ構造を成長させたもので
あり、屈折率導波路の両側に光吸収領域が設けられてい
るという特徴を有している。このVSISレーザは波長780n
mのレーザ光を発振しコンパクトディスクやビデオディ
スクの読取装置の光源として多用されている。
型レーザによって得るのが一般的である。このような屈
折率導波路型レーザの一つにVSIS(V-channeled Substr
ate Inner Stripe)レーザと称されるものがある(例え
ば、Appl.Phys.Lett.40,p.372,1982)。このVSISレーザ
は、V字形のストライプ溝を形成したGaAs基板上に、平
坦な活性層を持つダブルヘテロ構造を成長させたもので
あり、屈折率導波路の両側に光吸収領域が設けられてい
るという特徴を有している。このVSISレーザは波長780n
mのレーザ光を発振しコンパクトディスクやビデオディ
スクの読取装置の光源として多用されている。
第5図(a)にVSISレーザの一例の断面構造を示す。
このVSISレーザは、p-GaAs基板51上にn-GaAs電流阻止層
56が形成され、電流阻止層56の表面から基板51に達する
V字形溝59が形成されている。この上方に、Mgドープの
p-Ga0.5Al0.5Asクラッド層52、アンドープのGa0.87Al
0.13As活性層53、Teドープのn-Ga0.5Al0.5Asクラッド層
54、及びTeドープのn-GaAsキャップ層55がエピタキシャ
ル成長させられており、更にn側電極57及びp側電極58
が設けられている。このようなVSISレーザに於ける接合
に対して垂直方向の屈折率分布、及び接合に対して平行
方向の屈折率分布は第5図(b)及び同図(c)にそれ
ぞれ示すようになり、レーザ光は第5図(a)の符号A
で示すようにその一部が両クラッド層52、54へ滲み出た
状態で導波される。
このVSISレーザは、p-GaAs基板51上にn-GaAs電流阻止層
56が形成され、電流阻止層56の表面から基板51に達する
V字形溝59が形成されている。この上方に、Mgドープの
p-Ga0.5Al0.5Asクラッド層52、アンドープのGa0.87Al
0.13As活性層53、Teドープのn-Ga0.5Al0.5Asクラッド層
54、及びTeドープのn-GaAsキャップ層55がエピタキシャ
ル成長させられており、更にn側電極57及びp側電極58
が設けられている。このようなVSISレーザに於ける接合
に対して垂直方向の屈折率分布、及び接合に対して平行
方向の屈折率分布は第5図(b)及び同図(c)にそれ
ぞれ示すようになり、レーザ光は第5図(a)の符号A
で示すようにその一部が両クラッド層52、54へ滲み出た
状態で導波される。
このVSISレーザでは低雑音化のために、基板51側のp
−クラッド層52のV字形溝59の外側での厚さd1、及び活
性層53の厚さd2を厚く設定することによって(例えば、
d1=0.4μm、d2=0.15μm)、屈折率導波路の屈折率
差Δn(第5図(c))が1×10-3程度となるようにさ
れている。このように屈折率差Δnを小さくすることに
よって、自励発振と呼ばれる現象を利用して、レーザ発
振の縦多モード化が図られている。
−クラッド層52のV字形溝59の外側での厚さd1、及び活
性層53の厚さd2を厚く設定することによって(例えば、
d1=0.4μm、d2=0.15μm)、屈折率導波路の屈折率
差Δn(第5図(c))が1×10-3程度となるようにさ
れている。このように屈折率差Δnを小さくすることに
よって、自励発振と呼ばれる現象を利用して、レーザ発
振の縦多モード化が図られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述のように、VSISレーザでは厚さd1
及びd2が大きくされているので、電流広がりが大きくな
り、発振閾値電流値が50mA以上と大きくなるという欠点
があった。また、厚さd1及びd2を大きくすると、それら
の厚さの不均一性が発振閾値電流値の大きさに敏感に反
映される。即ち、発振閾値電流値が異常に大きいレーザ
素子が製造時に多数発生するようになり、製造歩留りが
大きく低下するという問題が起こっていた。
及びd2が大きくされているので、電流広がりが大きくな
り、発振閾値電流値が50mA以上と大きくなるという欠点
があった。また、厚さd1及びd2を大きくすると、それら
の厚さの不均一性が発振閾値電流値の大きさに敏感に反
映される。即ち、発振閾値電流値が異常に大きいレーザ
素子が製造時に多数発生するようになり、製造歩留りが
大きく低下するという問題が起こっていた。
ところで、ダブルヘテロ接合構造中のn−クラッド層
54のドーパントとして使用されているTeは、レーザ素子
に於ける縦モードの振舞い及び雑音特性に対して大きな
影響を及ぼすことが知られている。即ち、GaAlAs中のTe
は深い不純物準位を形成し、これが活性層からn−クラ
ッド層内へ滲み出た光に対する可飽和吸収体として働き
(Copeland et al,IEEE J.Quant.Elect.,QE-16,p.721,1
980)、モードホップ抑圧効果をもたらすことが知られ
ている(N.Chinone et al,IEEE J.Quant.Elect.,QE-21,
p.1264,1985)。
54のドーパントとして使用されているTeは、レーザ素子
に於ける縦モードの振舞い及び雑音特性に対して大きな
影響を及ぼすことが知られている。即ち、GaAlAs中のTe
は深い不純物準位を形成し、これが活性層からn−クラ
ッド層内へ滲み出た光に対する可飽和吸収体として働き
(Copeland et al,IEEE J.Quant.Elect.,QE-16,p.721,1
980)、モードホップ抑圧効果をもたらすことが知られ
ている(N.Chinone et al,IEEE J.Quant.Elect.,QE-21,
p.1264,1985)。
モードホップ抑圧効果は、電流が変化した時や温度が
変化した時のモード競合雑音を防止することができるの
で、レーザ素子自体の低雑音化に対しては有効な手段で
ある。しかし、レーザ素子に戻り光が入射した場合には
モードホップ抑圧効果の存在の故に、逆に大きなモード
競合雑音が発生してしまう。従って、実用的にはモード
ホップ抑圧効果が生じない構造を有する半導体レーザ素
子の方が望まれる。
変化した時のモード競合雑音を防止することができるの
で、レーザ素子自体の低雑音化に対しては有効な手段で
ある。しかし、レーザ素子に戻り光が入射した場合には
モードホップ抑圧効果の存在の故に、逆に大きなモード
競合雑音が発生してしまう。従って、実用的にはモード
ホップ抑圧効果が生じない構造を有する半導体レーザ素
子の方が望まれる。
それ故、モード競合雑音抑制の観点からは、n−クラ
ッド層にドープするTeの量は出来るだけ少なくしてモー
ドホップ抑圧効果を減少させるのが望ましい。しかし、
Teのドープ量を減らし過ぎると、比抵抗が高くなり、レ
ーザ発振が阻害されるので、ドープ量を減らすことはで
きず、結局、モードホップ抑圧効果を除去することはで
きない。
ッド層にドープするTeの量は出来るだけ少なくしてモー
ドホップ抑圧効果を減少させるのが望ましい。しかし、
Teのドープ量を減らし過ぎると、比抵抗が高くなり、レ
ーザ発振が阻害されるので、ドープ量を減らすことはで
きず、結局、モードホップ抑圧効果を除去することはで
きない。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、低雑音化を図ることがで
き、しかも発振閾値電流値が大きくならず、製造歩留り
が低下することのない新規な構造を有する半導体レーザ
素子を提供することにある。
り、その目的とするところは、低雑音化を図ることがで
き、しかも発振閾値電流値が大きくならず、製造歩留り
が低下することのない新規な構造を有する半導体レーザ
素子を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の半導体レーザ素子は、活性層を該活性層より
も屈折率の小さなp形クラッド層とn形クラッド層とで
挟んだダブルヘテロ接合構造を備え、該ダブルヘテロ接
合構造のp形クラッド層に近接して共振器長方向にスト
ライプ状欠如部を有するn形領域が配置され、前記活性
層の光導波路が上記n形領域のストライプ状欠如部にお
いてその両側部との実効屈折率差Δnを有してなる半導
体レーザ素子において、 前記活性層に隣接するn形クラッド層がSiを不純物とし
て含み、かつ、該n形クラッド層の屈折率を層厚方向で
一定にすると共に前記p形クラッド層の屈折率より大き
くして、モードホップ抑圧効果が生じない構成としてな
り、そのことにより上記目的が達成される。
も屈折率の小さなp形クラッド層とn形クラッド層とで
挟んだダブルヘテロ接合構造を備え、該ダブルヘテロ接
合構造のp形クラッド層に近接して共振器長方向にスト
ライプ状欠如部を有するn形領域が配置され、前記活性
層の光導波路が上記n形領域のストライプ状欠如部にお
いてその両側部との実効屈折率差Δnを有してなる半導
体レーザ素子において、 前記活性層に隣接するn形クラッド層がSiを不純物とし
て含み、かつ、該n形クラッド層の屈折率を層厚方向で
一定にすると共に前記p形クラッド層の屈折率より大き
くして、モードホップ抑圧効果が生じない構成としてな
り、そのことにより上記目的が達成される。
(作用) 本発明に於いては、n−クラッド層のドーパントとし
てSiが用いられている。Siは両性不純物であり、Siが添
加された半導体層、例えばGaAlAs層はその液相エピタキ
シャル成長の条件に依存してp形にもn形にもなる。半
導体層(例えば、GaAlAs層)中のSiは可飽和吸収体を形
成しないので、Siが添加された半導体層をクラッド層と
して用いた半導体レーザ素子ではモードホップ抑圧効果
は生じない。従って、そのようなレーザ素子では、電流
変化や温度変化に対しては小さいモード競合雑音が発生
するが、戻り光に対しては鈍感であるので、大きなモー
ド競合雑音は発生しない。
てSiが用いられている。Siは両性不純物であり、Siが添
加された半導体層、例えばGaAlAs層はその液相エピタキ
シャル成長の条件に依存してp形にもn形にもなる。半
導体層(例えば、GaAlAs層)中のSiは可飽和吸収体を形
成しないので、Siが添加された半導体層をクラッド層と
して用いた半導体レーザ素子ではモードホップ抑圧効果
は生じない。従って、そのようなレーザ素子では、電流
変化や温度変化に対しては小さいモード競合雑音が発生
するが、戻り光に対しては鈍感であるので、大きなモー
ド競合雑音は発生しない。
また、本発明では、ダブルヘテロ競合構造を構成して
いる一方のクラッド層(第1のクラッド層)の屈折率と
反対側の他方のクラッド層(第2のクラッド層)の屈折
率とを異ならせることにより、例えば、両クラッド層を
GaAlAsとした場合には、第1のクラッド層のAl組成比を
第2のクラッド層のそれよりも大きくすることにより、
活性層に垂直な方向の光強度分布を非対称にして第1の
クラッド層に隣接する層(例えば、電流阻止層)による
光吸収の割合が小さくされている。このため、光導波路
の実効屈折率差Δnは小さくなり、前述の自励発振条件
が満足されることになる。この場合、光は第2のクラッ
ド層側の方に多く滲み出すが、第2のクラッド層をSiド
ープとすることによってードホップ抑圧効果が生じる恐
れが無くなる。
いる一方のクラッド層(第1のクラッド層)の屈折率と
反対側の他方のクラッド層(第2のクラッド層)の屈折
率とを異ならせることにより、例えば、両クラッド層を
GaAlAsとした場合には、第1のクラッド層のAl組成比を
第2のクラッド層のそれよりも大きくすることにより、
活性層に垂直な方向の光強度分布を非対称にして第1の
クラッド層に隣接する層(例えば、電流阻止層)による
光吸収の割合が小さくされている。このため、光導波路
の実効屈折率差Δnは小さくなり、前述の自励発振条件
が満足されることになる。この場合、光は第2のクラッ
ド層側の方に多く滲み出すが、第2のクラッド層をSiド
ープとすることによってードホップ抑圧効果が生じる恐
れが無くなる。
このように、モードホップ抑圧効果が生じないように
するために従来のようにクラッド層の厚さd1及び活性層
の厚さd2を厚くする必要が無くなるので、無効電流が少
なくなる。その結果、発振閾値電流の増大及び歩留りの
低下を防止することができる。即ち、モード競合雑音の
低減と発振閾値電流の低減との両立が可能となる。
するために従来のようにクラッド層の厚さd1及び活性層
の厚さd2を厚くする必要が無くなるので、無効電流が少
なくなる。その結果、発振閾値電流の増大及び歩留りの
低下を防止することができる。即ち、モード競合雑音の
低減と発振閾値電流の低減との両立が可能となる。
(実施例) 本発明を実施例について説明する。
本発明の一実施例の断面図を第1図(a)に示す。本
実施例の製造工程を説明することによりその構成を説明
する。
実施例の製造工程を説明することによりその構成を説明
する。
先ず、p形GaAs基板1上にn形GaAs電流阻止層6(厚
さ約0.8μm)を液相エピタキシャル成長させた。その
後、該電流阻止層6の表面からp形GaAs基板1上にその
先端が達するようにV字形溝9を形成した。再び、液相
エピタキシャル法により、Mgドープp形Ga0.5Al0.5Asク
ラッド層2を成長させてV字形溝9を埋め、溝9外での
p形クラッド層2の厚さが0.1μmとなるようにした。
更に、アンドープGa0.87Al0.13As活性層3(厚さ0.08μ
m)、Siドープ(3×1017cm-3)n形Ga0.55Al0.45Asク
ラッド層4(厚さ1μm)、及びTeドープ(1×1018cm
-3)n形GaAsキャップ層5(厚さ40μm)を液相エピタ
キシャル成長させた。キャップ層5の表面にAu-Geのn
側電極7を形成し、基板1の裏面を研磨して150μmの
厚さにした後、Au-Znのp側電極8を形成した。次に劈
開により共振面を形成した。共振器長は250μmとし
た。
さ約0.8μm)を液相エピタキシャル成長させた。その
後、該電流阻止層6の表面からp形GaAs基板1上にその
先端が達するようにV字形溝9を形成した。再び、液相
エピタキシャル法により、Mgドープp形Ga0.5Al0.5Asク
ラッド層2を成長させてV字形溝9を埋め、溝9外での
p形クラッド層2の厚さが0.1μmとなるようにした。
更に、アンドープGa0.87Al0.13As活性層3(厚さ0.08μ
m)、Siドープ(3×1017cm-3)n形Ga0.55Al0.45Asク
ラッド層4(厚さ1μm)、及びTeドープ(1×1018cm
-3)n形GaAsキャップ層5(厚さ40μm)を液相エピタ
キシャル成長させた。キャップ層5の表面にAu-Geのn
側電極7を形成し、基板1の裏面を研磨して150μmの
厚さにした後、Au-Znのp側電極8を形成した。次に劈
開により共振面を形成した。共振器長は250μmとし
た。
本実施例の接合に対して垂直方向の屈折率分布、及び
接合に対して平行方向の屈折率分布を第1図(b)及び
同図(c)にそれぞれ示す。本実施例のレーザ素子で
は、p形クラッド層2の屈折率(3.3)は、n形クラッ
ド層4の屈折率(3.36)よりも小さくされている。ま
た、実効屈折率差Δnは0.001である。
接合に対して平行方向の屈折率分布を第1図(b)及び
同図(c)にそれぞれ示す。本実施例のレーザ素子で
は、p形クラッド層2の屈折率(3.3)は、n形クラッ
ド層4の屈折率(3.36)よりも小さくされている。ま
た、実効屈折率差Δnは0.001である。
本実施例のレーザ素子は35mAの閾値電流で発振した
(発振波長780nm)。本実施例の光出力3mW時の発振スペ
クトルを第2図に示す。このように、従来のレーザ素子
よりも低い閾値電流で自励発振スペクトルを得ることが
できた。また、本実施例の戻り光雑音特性は、第3図に
示すように、相対雑音強度は−135dB/Hz以下であり、低
雑音であった。
(発振波長780nm)。本実施例の光出力3mW時の発振スペ
クトルを第2図に示す。このように、従来のレーザ素子
よりも低い閾値電流で自励発振スペクトルを得ることが
できた。また、本実施例の戻り光雑音特性は、第3図に
示すように、相対雑音強度は−135dB/Hz以下であり、低
雑音であった。
前述のようにSiドープによりn形クラッド層を成長さ
せる場合には、成長温度が高い程、また成長速度が速い
程、n形になり易く、そのキャリア(ドナー)濃度も高
くなることが判明した。しかし、成長条件によっては、
クラッド層が成長途中でp形に反転したり、ドナーとア
クセプタが補償された高抵抗層が生ずる場合があった。
この不都合は、第4図に示す実施例のような構成とする
ことにより解消された。この実施例では、n形クラッド
層4を2層構造とし、活性層3に接する側の層4aをSiド
ープ(3×1017cm-3)とし、キャップ層5に接する層4b
をTeドープ(1×1018cm-3)とした。活性層3から滲み
出しが少なくなるように、Siドープクラッド層4aの厚さ
は0.3〜0.5μmとした。この実施例によっても、前述の
実施例と同様の縦モード特性及び戻り光雑音特性が得ら
れた。
せる場合には、成長温度が高い程、また成長速度が速い
程、n形になり易く、そのキャリア(ドナー)濃度も高
くなることが判明した。しかし、成長条件によっては、
クラッド層が成長途中でp形に反転したり、ドナーとア
クセプタが補償された高抵抗層が生ずる場合があった。
この不都合は、第4図に示す実施例のような構成とする
ことにより解消された。この実施例では、n形クラッド
層4を2層構造とし、活性層3に接する側の層4aをSiド
ープ(3×1017cm-3)とし、キャップ層5に接する層4b
をTeドープ(1×1018cm-3)とした。活性層3から滲み
出しが少なくなるように、Siドープクラッド層4aの厚さ
は0.3〜0.5μmとした。この実施例によっても、前述の
実施例と同様の縦モード特性及び戻り光雑音特性が得ら
れた。
上では、GaAlAs系のVSISレーザを例として本発明の実
施例を説明したが、本発明は他の半導体材料を用いたレ
ーザ素子にも適用できることはいうまでもない。
施例を説明したが、本発明は他の半導体材料を用いたレ
ーザ素子にも適用できることはいうまでもない。
(発明の効果) 本発明の半導体レーザ素子では、このように、クラッ
ド層及び活性層を厚くすることなく低雑音化が図られて
いるので、それら各層の大きな層厚に起因する無効電流
の増大が防止される。それ故、本発明のレーザ素子は発
振閾値電流が低下し、製造歩留りが向上しており、光デ
ィスク用の光源として最適である。即ち、モード競合雑
音の低減と発振閾値電流の低減との両立が可能となる。
ド層及び活性層を厚くすることなく低雑音化が図られて
いるので、それら各層の大きな層厚に起因する無効電流
の増大が防止される。それ故、本発明のレーザ素子は発
振閾値電流が低下し、製造歩留りが向上しており、光デ
ィスク用の光源として最適である。即ち、モード競合雑
音の低減と発振閾値電流の低減との両立が可能となる。
第1図(a)は本発明の一実施例の断面図、同図(b)
はV字形溝を通る中央縦断面の屈折率分布を示すグラ
フ、同図(c)は接合に平行な方向の実効屈折率分布を
示すグラフ、第2図及び第3図はその実施例の発振スペ
クトル及び戻り光雑音特性をそれぞれ示すグラフ、第4
図は他の実施例の断面図、第5図(a)は従来例の断面
図、同図(b)はV字形溝を通る中央縦断面の屈折率分
布を示すグラフ、同図(c)は接合に平行な方向の実効
屈折率分布を示すグラフである。 2……p形クラッド層、3……活性層、4……Siドープ
n形クラッド層、4a……Siドープn形クラッド層、4b…
…Teドープn形クラッド層、6……電流阻止層、9……
V字形溝。
はV字形溝を通る中央縦断面の屈折率分布を示すグラ
フ、同図(c)は接合に平行な方向の実効屈折率分布を
示すグラフ、第2図及び第3図はその実施例の発振スペ
クトル及び戻り光雑音特性をそれぞれ示すグラフ、第4
図は他の実施例の断面図、第5図(a)は従来例の断面
図、同図(b)はV字形溝を通る中央縦断面の屈折率分
布を示すグラフ、同図(c)は接合に平行な方向の実効
屈折率分布を示すグラフである。 2……p形クラッド層、3……活性層、4……Siドープ
n形クラッド層、4a……Siドープn形クラッド層、4b…
…Teドープn形クラッド層、6……電流阻止層、9……
V字形溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 正樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−172287(JP,A) 特開 昭57−103385(JP,A) 特開 昭59−23585(JP,A) 特開 昭57−89290(JP,A) 特開 昭56−12792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18
Claims (1)
- 【請求項1】活性層を該活性層よりも屈折率の小さなp
形クラッド層とn形クラッド層とで挟んだダブルヘテロ
接合構造を備え、該ダブルヘテロ接合構造のp形クラッ
ド層に近接して共振器長方向にストライプ状欠如部を有
するn形領域が配置され、前記活性層の光導波路が上記
n形領域のストライプ状欠如部においてその両側部との
実効屈折率差Δnを有してなる半導体レーザ素子におい
て、 前記活性層に隣接するn形クラッド層がSiを不純物とし
て含み、かつ、該n形クラッド層の屈折率を層厚方向で
一定にすると共に前記p形クラッド層の屈折率より大き
くして、モードホップ抑圧効果が生じない構成としたこ
とを特徴とする半導体レーザ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63266802A JP2821150B2 (ja) | 1988-10-21 | 1988-10-21 | 半導体レーザ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63266802A JP2821150B2 (ja) | 1988-10-21 | 1988-10-21 | 半導体レーザ素子 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7274025A Division JP2923235B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 半導体レーザ素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02113586A JPH02113586A (ja) | 1990-04-25 |
JP2821150B2 true JP2821150B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=17435883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63266802A Expired - Lifetime JP2821150B2 (ja) | 1988-10-21 | 1988-10-21 | 半導体レーザ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2821150B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11163458A (ja) | 1997-11-26 | 1999-06-18 | Mitsui Chem Inc | 半導体レーザ装置 |
JP2005039140A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-02-10 | Sharp Corp | 酸化物半導体レーザ素子 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS561279A (en) * | 1979-06-15 | 1981-01-08 | Niwa Takashi | Welding device |
JPS5789290A (en) * | 1980-11-25 | 1982-06-03 | Sharp Corp | Semiconductor laser element |
JPS5923585A (ja) * | 1982-07-30 | 1984-02-07 | Sharp Corp | 半導体レ−ザ素子 |
JPS59172287A (ja) * | 1983-03-18 | 1984-09-28 | Sharp Corp | 半導体レ−ザ素子 |
-
1988
- 1988-10-21 JP JP63266802A patent/JP2821150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02113586A (ja) | 1990-04-25 |
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