JP2820577B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、高圧端子をインサー
ト成形して形成されたケース内に収納されたイグニショ
ンコイル本体の二次コイルと、高圧端子とが接続されて
なる内燃機関用点火装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来の内燃機関点火用装置の一例
を示す断面図、図４は図３のイグニションコイルの側面
図、図５は図４の平面図であり、１はハウジング、２は
このハウジング１の開口部を覆う配電キャップ、３はケ
ース３０内に収納されたイグニションコイル本体、４は
ハウジング１に軸承された駆動軸で、内燃機関のクラン
ク軸(図示せず)に同期して回転される。

【０００３】５はケース３０とイグニションコイル本体
３とから構成されたイグニションコイルの上面に配設さ
れ、光式クランク角センサとイグニションコイル本体３
の一次電流を通電遮断するパワースイッチとが一体に構
成されたユニット、６はねじ７により駆動軸４に固着さ
れたブランク、８はブランク６と一体に取り付けられ周
縁部にスリット（図示せず）が形成された円板状のディ
スクで、このディスク８の周縁部が空隙部９を通過する
ようになっている。

【０００４】１０は駆動軸４の先端部に取り付けられ駆
動軸４と一体に回転する配電ロータで、配電キャップ２
に設けられた中心電極１１に摺接したロータ電極１２を
有している。１３は配電キャップ２に内燃機関(図示せ
ず)の各気筒の点火プラグ(図示せず)に対応して設けら
れた周辺電極、１４はターミナル線１５を介して中心電
極１１と接続された高圧端子である。

【０００５】１６はイグニションコイル本体３の構成部
材であり、鉄心１７に巻回された一次コイル、１８は一
次コイル１６の外側に巻回された二次コイルである。そ
して、高圧端子１４をインサート成形して形成されたケ
ース３０内にイグニションコイル本体３を収納した後、
二次コイル１８と高圧端子１４とが溶接接続され、その
後ケース３０内には絶縁樹脂が充填される。

【０００６】上記構成の内燃機関点火用装置において
は、内燃機関のクランク軸の回転により駆動軸４が回転
すると、ブランク６とともにディスク８も回転し、空隙
部９を通過するディスク８はクランク角センサ（発光部
と受光部から構成されている。）の光を断続し、この結
果クランク角センサは制御コンピュータにクランク軸回
転角情報を出力する。パワースイッチは制御コンピュー
タの制御信号によりイグニションコイル本体３の一次コ
イル１６での一次電流を断続し、点火時期にはイグニシ
ョンコイル３の二次コイル１８には二次電圧が発生す
る。この二次電圧は配電ロータ１０の回転に伴い、高圧
端子１４、ターミナル線１５、中心電極１１、ロータ電
極１２を介して周辺電極１２に順次配電され、各気筒の
点火プラグが順次着火され、内燃機関は継続運転され
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の内燃機関点火用装置では、先細の円柱状の高圧
端子１４と二次コイル１８の端部とははんだにより溶接
接続しているが、溶接面積が狭く、溶接作業性が悪く、
また高圧端子１４をインサート成形してイグニションコ
イル本体３を収納するケース３０を形成しているが、イ
ンサート成形時、金型内で高圧端子１４が支持されず、
傾斜したり倒れたりして、金型が閉じなかったり、場合
によっては金型が破壊するといった課題があった。

【０００８】また、図６に示すように、高圧端子１９の
基端部を円柱状の大径部１９ａにすることにより、金型
内での高圧端子１９が安定され易くなるとともに、溶接
面積が増大するが、大径部１９ａの体積が大きく、それ
だけ溶接熱が大径部１９ａに奪われてしまい、溶接部が
溶接に適した温度に達するのに時間がかかり、この場合
にも溶接作業性が悪いという課題があった。

【０００９】この発明は、かかる課題を解消するために
なされたもので、二次コイルと高圧端子との溶接作業性
が向上するとともに、高圧端子をインサート成形してイ
グニションコイル本体を収納するケースを形成するとき
にも高圧端子が金型内で安定して位置決めされる内燃機
関用点火装置を得ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明に係る内燃機関
用点火装置は、高圧端子の端部に、二次コイルと接続さ
れるつば状の溶接部と、この溶接部の近傍にありインサ
ート成形時に金型に支えられるつば状の金型支え部とを
備えたものである。

【００１１】

【作用】この発明においては、溶接部の体積は小さく、
従って溶接時には溶接部は短時間で溶接に適した温度に
達することができ、また溶接面積が大きいので、溶接作
業性が向上する。また、高圧端子をインサート成形して
ケースを形成するときには、高圧端子は金型内で金型支
え部により支えられて行われるので、金型内で傾斜した
り倒れたりすることはない。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図１はこの発明の一実施例を示す断面図、図２は図
１の矢印Ｐから見た図であり、図３ないし図６と同一ま
たは相当部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。

【００１３】図において、２０は基端部に円板状の金型
支え部２０ａと溶接部２０ｂとがそれぞれ形成された高
圧端子である。

【００１４】このように構成された内燃機関用点火装置
では、二次コイル１８と高圧端子２０の接続は溶接部２
０ｂではんだによる溶接で行われるが、溶接部２０ｂの
体積は小さく、従って溶接時には溶接部２０ｂは短時間
で溶接に適した温度に達することができ、また溶接面積
が大きいので、溶接作業性が向上する。。

【００１５】また、高圧端子２０をインサート成形して
ケース３０が形成されるときには、高圧端子２０は金型
内で金型支え部２０ａにより支えられて行われるので、
高圧端子２０が金型内で傾斜したり、倒れたりするよう
なことはない。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の内燃機
関用点火装置によれば、高圧端子の端部につば状に形成
さてた溶接部の体積は小さく、従って溶接時には溶接部
は短時間で溶接に適した温度に達することができ、また
溶接面積が大きいので、溶接作業性が向上するという効
果がある。。また、高圧端子をインサート成形してケー
スを形成するときには、金型内で高圧端子は溶接部の近
傍にある金型支え部により支えられので、インサート成
形の途中高圧端子が傾斜したり、倒れたりするようなこ
とはないという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１の矢印Ｐから見た部分図である。

【図３】従来の内燃機関用点火装置の一例を示す断面図
である。

【図４】図３のイグニションコイルの側面図である。。

【図５】図４の平面図である。

【図６】従来の内燃機関用点火装置の他の例を示す断面
図である。

【符号の説明】

２ 配電キャップ ３ イグニションコイル本体 ４ 駆動軸 １１ 中心電極 １８ 二次コイル ２０ 高圧端子 ２０ａ 金型支え部 ２０ｂ 溶接部 ３０ ケース

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配電キャップと、この配電キャップの中
   心部に設けられた中心電極と、この中心電極と同軸上に
   設けられクランク軸に同期して回転する駆動軸と、前記
   中心電極に接続された高圧端子と、この高圧端子をイン
   サート成形して形成されたケース内に収納されていると
   ともに前記高圧端子を介して高電圧を前記中心電極に印
   加するイグニションコイル本体とを備え、前記イグニシ
   ョンコイル本体の二次コイルと前記高圧端子とが接続さ
   れてなる内燃機関用点火装置において、前記高圧端子の
   端部には、前記二次コイルと接続されるつば状の溶接部
   と、この溶接部の近傍にあり前記インサート成形時に金
   型に支えられるつば状の金型支え部とがそれぞれ形成さ
   れたことを特徴とする内燃機関用点火装置。