JP2819475B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液

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JP2819475B2 JP32198889A JP32198889A JP2819475B2 JP 2819475 B2 JP2819475 B2 JP 2819475B2 JP 32198889 A JP32198889 A JP 32198889A JP 32198889 A JP32198889 A JP 32198889A JP 2819475 B2 JP2819475 B2 JP 2819475B2
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修一 丹野
英行 高山
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マルコン電子株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電解コンデンサ駆動用電解液に関する。
[従来の技術] 従来、電解コンデンサ駆動用電解液としては、エチレ
ングリリコールに、アジピン酸を初めとする有機カルボ
ン酸などを溶解した電解液が用いられている。しかしな
がら、エチレングリコールは、低温域での粘度上昇が著
しい欠点があり、また、高温域における比抵抗の増大も
しくはそれに伴う損失の増大などの欠点がある。
これに対し、低温における特性を改善する電解液とし
て、ジメチルホルムアミドやγ−ブチロラクトンを主溶
媒とし、マレイン酸やフタル酸の塩を溶質として用いた
電解コンデンサ駆動用電解液が存在している。
しかしながら、これらの電解コンデンサ駆動用電解液
を使用した場合、比抵抗は充分に低いものの、火花電圧
が低くなり、50V級以下の低電圧のコンデンサにしか使
用できないという欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように、従来の電解コンデンサ駆動用電解液
は、低温域での粘度上昇や、高温域での比抵抗の増大も
しくはそれに伴う損失の増大などの欠点を有していた。
また、改善のためにジメチルホルムアミドやγ−ブチロ
ラクトンを主溶媒とし、マレイン酸やフタル酸の塩を溶
質として用いた電解液には、このような欠点がない代り
に、火花電圧が低くなり、低電圧のコンデンサにしか対
応できないという新たな欠点が存在していた。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するため
に提案されたものであり、その目的は、低温から高温に
渡る広い範囲の温度領域において比抵抗を低減させ、且
つ、火花電圧を上昇することにより、広い温度領域にお
いて、安定した高い特性を有する、長寿命で信頼性の高
い電解コンデンサの実現に貢献でき、しかも、より高い
電圧のコンデンサ、すなわち、具体的には100V級のコン
デンサへの使用が可能であるような、優れた電解コンデ
ンサ駆動用電解液を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明による電解コンデンサ駆動用電解液は、γ−ブ
チロラクトンを主体とする溶媒に、フタル酸のテトラメ
チルアンモニウム塩を溶質として溶解し、さらに、エチ
レングリコールに溶解したホウ酸と、P−ニトロフェノ
ールまたはP−ニトロ安息香酸を添加、溶解したことを
特徴としている。
また、各材料の添加量は、エチレングリコールの濃度
が15〜20%、ホウ酸の濃度が0.5〜1%、P−ニトロフ
ェノールまたはP−ニトロ安息香酸の濃度が0.5〜1%
であることが望ましい。この場合、エチレングリコール
の濃度を15〜20%とするのは、15%を下回る場合には、
ホウ酸の溶解が円滑に進まず、20%を越える量のエチレ
ングリコールを添加した場合には、比抵抗が増大してし
まうからである。
[作用] 以上のような構成を有する本発明の電解コンデンサ駆
動用電解液の作用は次の通りである。
まず、γ−ブチロラクトンを主体とする溶媒にフタル
酸のテトラメチルアンモニウム塩を溶質として溶解した
場合、火花電圧は低いながらも、低い比抵抗値を得るこ
とができる。
そして、このようなγ−ブチロラクトンとテトラメチ
ルアンモニウム塩との混合液にホウ酸を添加することに
より、比抵抗値を余り上昇させることなしに、火花電圧
を上昇することが可能となる。
この場合、ホウ酸はγ−ブチロラクトンを主体とする
溶媒には溶解し難いため、本発明では、一旦エチレング
リコールとのエステル化反応によりホウ酸を溶解し、こ
の状態で、γ−ブチロラクトンとテトラメチルアンモニ
ウム塩との混合液にホウ酸を添加するという画期的な手
段により、γ−ブチロラクトン溶媒中にホウ酸を溶解さ
せることが可能となっており、この結果、前記のよう
に、比抵抗値を余り上昇させることなしに、火花電圧を
上昇することが可能となっている。
[実施例] 以下に、本発明による電解コンデンサ駆動用電解液の
実施例を説明する。
まず、第1表に示すような組成比にて、従来技術によ
る3種類の電解液(従来例1〜3)と、本発明による2
種類の電解液(実施例1,2)とを生成し、それぞれの電
解液の火花電圧(V)および25℃における比抵抗を調べ
たところ、第2表に示すような結果が得られた。
また、以上のような従来技術と本発明とによる5種類
の電解液を使用して、同定格63V−680μFのコンデンサ
を試作し、恒温105℃にて定格電圧印加の高温負荷試験
を行ったところ、第3表および第4表に示すような結果
が得られた。第3表および第4表は、静電容量(μ
F)、損失角の正接(tanδ)の各特性を示す表であ
り、各表とも、初期特性と、1000時間後における特性、
2000時間後における特性を比較的に示している。
前記の第3表および第4表に示すように、従来例2,3
は、初期時点ですでに防爆弁が作動してしまい、63V用
として使用することは不可能であることがわかる。ま
た、従来例1は、初期の時点では、ある程度の特性を有
しているものの、それ以降の特性の劣化が著しく、1000
時間の高温負荷試験の後には、静電容量は7.3%も減少
し、また、損失角の正接も0.082と大きくなっており、
さらに、1500時間後には、防爆弁が作動してしまう。
これらの従来例1〜3に比べ、本発明による実施例1,
2は、1000時間の高温負荷試験の後にも、静電容量の減
少は、2.0%〜2.1%程度に止どめられ、また、損失角の
正接についても、微小の増加しか見られない。さらに、
2000時間後においても、静電容量は、初期に比べて4.3
%〜4.5%程度減少するに止どめられ、また、損失角の
正接も、0.042〜0.045と、充分に低い値に押えられてい
る。これらのことから、本発明による電解コンデンサ駆
動用電解液(実施例1,2)を使用した場合には、高温度
中での経時変化が極めて小さく、安定した高い特性を維
持でき、長寿命を有するような電解コンデンサを実現で
き、特に、50Vを越える高電圧のコンデンサにも使用可
能であることがわかる。さらに、本発明による前記の各
電解液(実施例1,2)は、100V級までのコンデンサの使
用に耐えられることが確認されている。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の電解コンデンサ駆動用
電解液は、特にγ−ブチロラクトンを主体とする溶媒を
使用すると共に、エチレングリコールに溶解したホウ酸
を添加することにより、従来の電解液に比べて、低温か
ら高温に渡る広い範囲の温度領域における比抵抗が低減
しており、且つ、火花電圧が上昇している。
従って、このような本発明の電解コンデンサ駆動用電
解液を使用すれば、従来に比べて、広い温度領域におい
て、安定した高い特性を有する、長寿命で信頼性の高い
電解コンデンサの実現に貢献でき、しかも、100V級のコ
ンデンサへの使用が可能であるような、優れた電解コン
デンサ駆動用電解液を提供でき、工業的実用性の面で多
大な効果を得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 9/035

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】γ−ブチロラクトンを主体とする溶媒に、
    フタル酸のテトラメチルアンモニウム塩を溶質として溶
    解し、さらに、エチレングリコールに溶解したホウ酸
    と、P−ニトロフェノールまたはP−ニトロ安息香酸を
    添加、溶解したことを特徴とする電解コンデンサ駆動用
    電解液。
  2. 【請求項2】エチレングリコールの濃度が15〜20%、ホ
    ウ酸の濃度が0.5〜1%、P−ニトロフェノールまたは
    P−ニトロ安息香酸の濃度が0.5〜1%であることを特
    徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ駆動用電解
    液。
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