JP2818393B2 - 外壁の入隅部の構造 - Google Patents

外壁の入隅部の構造

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JP2818393B2
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寛 加古
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ナショナル住宅産業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の外壁を気泡
コンクリート板で仕上げる場合の外壁の入隅部の構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の外壁の外面を気泡コンクリ
ート板で仕上げる場合、建物の外壁の枠組みをパネル工
法等で形成した後、現場でALC板のような気泡コンク
リート板を貼る施工を行っていた。また建物の入隅部で
は断面略L字状に形成した気泡コンクリート板の入隅専
用部材を形成し、この入隅専用部材を入隅部に沿わせて
現場で貼っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
では外壁の枠組みを形成した後、現場で気泡コンクリー
ト板を貼る在来工法であるため、施工の品質が安定せ
ず、また工期がかかるという問題がある。また入隅部で
は入隅専用部材としての断面略L字状の気泡コンクリー
ト板が必要となるという問題があり、さらに入隅専用部
材としての気泡コンクリート板は断面略L字状のために
嵩高くて輸送に問題がある。
【0004】本発明は叙述の点に鑑みてなされたもので
あって、パネル工法で施工して施工の品質を安定すると
共に工期を短縮し、入隅部でも嵩低い部材で形成して輸
送を容易にすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明外壁の入隅部の構造は、パネル枠1の外面側に
気泡コンクリート板2を装着した一対の外壁パネル
1 ,A2 を建物3の外面の入隅部に平面から見て略L
字状になるように配置し、一対の外壁パネルA1 ,A2
の気泡コンクリート板2の入隅側の端部をパネル枠1の
端面より手前に位置させてこの部分に凹段部5を形成
し、一方の外壁パネルA1 のパネル枠1の端面に他方の
外壁パネルA2 の端部側の外面を当接して連結具4にて
連結し、一方の外壁パネルA1 の凹段部5内に他方の外
壁パネルA2 の気泡コンクリート板2の端部を嵌め込む
と共にこの間に形成される断面略L字状の目地隙間6に
バックアップ材13を介装すると共に水密材7を充填
、断面略L字状の目地隙間6の奥に他のバックアップ
材13を介装して成ることを特徴とする。このようにパ
ネル枠1に気泡コンクリート板2を装着した外壁パネル
1 ,A2 を用いてパネル工法で施工できて施工の品質
を安定すると共に工期を短縮できる。また平板状の外壁
パネルA1 ,A2 を用いて入隅部を施工できるために従
来のように断面L字状の気泡コンクリート板を成形した
りする必要がなく、また嵩高くなることがないので輸送
が容易にできる。また入隅部の接続部には目地隙間6が
迷路状に形成されると共に目地隙間6に水密材7が充填
されるために止水効果も十分ある。
【0006】
【発明の実施の形態】外壁パネルA1 ,A2 ,A3 は、
金属のチャンネル材を枠組したパネル枠1の外面にAL
C板のような気泡コンクリート板2を一体に装着し、パ
ネル枠1の内面に内装材8を装着し、パネル枠1内に断
熱材9を装填して形成されている。外壁パネルA1 は図
3に示すように形成されており、外壁パネルA1 の左右
方向の一方の端部でパネル枠1の端面より気泡コンクリ
ート板2の端部を手前に位置させてこの部分に凹段部5
を形成してある。また外壁パネルA2 は図4に示すよう
に形成されており、外壁パネルA1 と逆の左右方向の端
部でパネル枠1の端面より気泡コンクリート板2の端部
を手前に位置させてこの部分に凹段部5を形成してあ
る。外壁パネルA3 ではパネル枠1の左右方向の両方の
端面と気泡コンクリート板2の左右方向の端面とを略面
一に揃えてある。
【0007】建物3の外周の骨組の梁10には外壁固定
金物11が取り付けられており、図1に示すように建物
3の外周に外壁パネルA1 ,A2 ,A3 を並べて外壁パ
ネルA1 ,A2 ,A3 を外壁固定金物11にボルト・ナ
ットよりなる固着具12で取り付けることで外壁がパネ
ル工法で施工される。外壁の入隅や出隅以外の直線部で
は外壁パネルA3 を複数枚並べて施工され、入隅部では
外壁パネルA1 ,A2を用いて施工される。入隅部では
入隅部に沿って一対の外壁パネルA1 ,A2 が平面から
見て略L字状になるように配置され、一方の外壁パネル
1 のパネル枠1の端部が他方の外壁パネルA2 の凹段
部5内に嵌め込まれ、外壁パネルA1 のパネル枠1の端
面と外壁パネルA2 のパネル枠1の端部外面とを当接
し、この状態でボルト・ナットよりなる連結具4で連結
される。そして一方の外壁パネルA 1 の凹段部5内に他
方の外壁パネルA2 の気泡コンクリート板2の端部が嵌
め込まれ、この間の部分に断面略L字状の目地隙間6が
形成され、この目地隙間6に外面側で水密材7が充填さ
れる。この水密材7はシリコンコーキングのような防水
性のあるものであり、目地隙間6にバックアップ材13
を介装してから装填されている。また本例の場合、目地
隙間6の奥でも外壁パネルA1 のパネル枠1の外面と外
壁パネルA2 の気泡コンクリート板2の端面との間にバ
ックアップ材13が介装されている。また外壁パネルA
1 と外壁パネルA3 との端部間、外壁パネルA2 と外壁
パネルA3 との端部間、隣り合う外壁パネルA3 の端部
間もパネル枠1同士がボルト・ナットのような連結具4
で連結され、またこれらの端部間で気泡コンクリート板
2の端面間には水密材7及びバックアップ材13が装填
される。
【0008】
【発明の効果】本発明は叙述のようにパネル枠の外面側
に気泡コンクリート板を装着した外壁パネルにて外壁が
施工されるので、パネル工法で施工できて施工の品質を
安定すると共に工期を短縮できるものであり、しかも一
対の外壁パネルを建物の外面の入隅部に平面から見て略
L字状になるように配置し、一対の外壁パネルの気泡コ
ンクリート板の入隅側の端部をパネル枠の端面より手前
に位置させて凹段部を形成し、一方の外壁パネルのパネ
ル枠の端面に他方の外壁パネルの端部側の外面を当接し
て連結具にて連結し、一方の外壁パネルの凹段部内に他
方の外壁パネルの気泡コンクリート板の端部を嵌め込ん
でいるので、平板状の外壁パネルを用いて入隅部を施工
できるために従来のように断面L字状の気泡コンクリー
ト板を成形したりする必要がなく、また嵩高くなること
がないので輸送が容易にできるものであり、さらに一方
の外壁パネルの凹段部内に他方の外壁パネルの気泡コン
クリート板の端部を嵌め込むと共にこの間に形成される
断面略L字状の目地隙間にバックアップ材を介装すると
共に水密材を充填し、断面略L字状の目地隙間の奥に他
のバックアップ材を介装しているので、入隅部の接続部
には目地隙間が迷路状に形成されると共に目地隙間に水
密材が充填されるために止水効果も十分あるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す平面断面図で
ある。
【図2】同上の要部を拡大せる断面図である。
【図3】同上の入隅部に装着する一方の外壁パネルを示
し、(a)は一部切欠側面断面図、(b)は平面断面図
である。
【図4】同上の入隅部に装着する他方の外壁パネルを示
し、(a)は一部切欠側面断面図、(b)は平面断面図
である。
【符号の説明】
1 外壁パネル A2 外壁パネル 1 パネル枠 2 気泡コンクリート板 3 建物 4 連結具 5 凹段部 6 目地隙間 7 水密材13 バックアップ材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル枠の外面側に気泡コンクリート板
    を装着した一対の外壁パネルを建物の外面の入隅部に平
    面から見て略L字状になるように配置し、一対の外壁パ
    ネルの気泡コンクリート板の入隅側の端部をパネル枠の
    端面より手前に位置させてこの部分に凹段部を形成し、
    一方の外壁パネルのパネル枠の端面に他方の外壁パネル
    の端部側の外面を当接して連結具にて連結し、一方の外
    壁パネルの凹段部内に他方の外壁パネルの気泡コンクリ
    ート板の端部を嵌め込むと共にこの間に形成される断面
    略L字状の目地隙間にバックアップ材を介装すると共に
    水密材を充填し、断面略L字状の目地隙間の奥に他のバ
    ックアップ材を介装して成ることを特徴とする外壁の入
    隅部の構造。
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