JPH0512412Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、能率よく生産できかつ強度にも優れ
るコーナパネルに関する。

〔背景技術〕

壁体、床体などをパネルを用いて形成する乾式
工法の建築物においては、手摺面、壁面等の交わ
り部を、予めパネルを直角に組立たコーナパネル
を用いて形成する場合がある。

又このようなコーナパネルは、長短の２辺を有
するときが多い。

このようなコーナパネルは、従来、第３〜４図
に示すごとく、横長さの大なる横長枠組Ａの縦枠
材に設ける側片Ｂに、横長さの小なる横短枠組Ｃ
の縦枠材の基片Ｄを当接させボルト止めするとと
もに、出隅をなす外面に、横長枠組Ａ、横短枠組
Ｃを跨る面材Ｅと、横長枠組Ａ外面の面材Ｆとを
取付けることにより形成していた。

従つて、このような従来のコーナパネルでは、
短辺長さを一定とするとき、横短枠組Ｃの横長さ
は、横長枠組Ａの厚さ分減じて横短枠組Ｃの、縦
枠材間の隙間Ｇが小となり、横短枠組Ｃの製作に
対して、前記間隙Ｇへの溶接機の挿入が困難とな
る場合も多く、従つて、側片Ｈの小なる縦枠材を
採用しなければならない場合が生じ、枠材の種類
を増し管理に手間どるほか、強度をも減じてい
た。さらに、横長枠組Ａの前記側片Ｂは、一般
に、基片Ｄに比して巾寸度が小であるため、横短
枠組Ｃを左右平行に場所を違えて取付けるために
は、第４図に詳示するごとく、該基片Ｄには、横
方向に２つの透孔Ｋを設けるなど、生産性にも劣
る。

さらに前記２つの面材Ｅ，Ｆを取付けることに
より、コーナパネルは分解不能となり、従つて嵩
高となる結果、在庫、運搬にも手間どるという問
題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、横長枠組の基片に横短枠組の側片を
ボルト結合することを基本として、横短枠組の縦
枠材間の間隙を拡巾でき、又運搬、在庫の手間を
減じる他、強度の向上にも役立つコーナパネルの
提供を目的としている。

〔考案の開示〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。第１〜２図において、コーナパネル１は、横
長枠組２と横短枠組３とを結合し、又結合により
出隅となるそれらの外面に、面材４，５，６を添
設している。

横長枠組２，横短枠組３は、夫々上下に配する
横枠材１０，１０，１１，１１の両端に、縦枠材
１２，１３，１４，１５を架け渡した矩形枠状に
形成される。なお横長枠組２には、その中間位置
に、横枠材１０，１０を繋ぐ中枠材１６を設けて
いる。

縦枠材１２〜１５は、ともに基片２０，２１の
両側に、側片２２，２３，２４，２５を夫々設け
る溝形鋼からなり、又溝部を内向きに配設され
る。

又本例では、横枠材１０，１１の端部には巾狭
部２９を設け、縦枠材１２〜１５の溝部に嵌入さ
せる。又中枠材１６にも巾狭部２９を設け、横枠
材１０，１１の溝部に嵌入し、夫々嵌入部をスポ
ツト溶接等によつて溶接することにより横長枠組
２、横短枠組３を組立る。なお横枠材１０，１
１、縦枠材１２〜１５、中枠材１６は、本例では
ともに断面同形の溝形材を用いており、又横枠材
１０に比べて横枠材１１を短寸に形成することに
よつて、横短枠組３は、横長枠組２に比して横長
さを小に形成される。

又横長枠組２の１つの縦枠材１２の基片２０
と、横短枠組３の１つの縦枠材１５の側片２５と
には、位置合わせ可能な孔部３１…，３２…が上
下対称に穿設され、又該孔部３１，３２を位置合
わせすることによつて、横長枠組２の前記縦枠材
１２の側片２２の外面と、横短枠組３の前記１つ
の縦枠材１５の基片２１の外面とが面一に揃えら
れる。

なお孔部３１，３２を通るボルトおよびナツト
を用いて横長枠組２、横短枠組３を結合し、結合
によつて、横長枠組２の前記縦枠材１２の基片２
０と、横短枠組３の前記縦枠材１５の側片２５の
各外面が当接する。従つて、横長枠組２、横短枠
組３が直角に接続される。

又本例では、横長枠組２の他の縦枠材１３の基
片２０にも、前記孔部３１と同一の孔部３３が設
けられる。従つて、横短枠組３を反転させ、その
孔部３２を前記孔部３３と位置合わせすることに
より、左右勝手違いに直角に結合しうる。

又、結合により横短枠組３の前記縦枠材１５の
基片２１と側片２４とは出隅を形成し、出隅に連
なる横長枠組２及び横短枠組３の外面には前記面
材４，５を、ビス、接着剤等を用いて取付けると
ともに、縦枠材１５の前記基片２１の外面にも該
基片２１と同巾の短冊状の前記面材６を同様に固
定することにより、コーナパネル１が形成され
る。

〔作用〕

従つて、横短枠組３は、１つの縦枠材１５の側
片２５を、横長枠組２の１つの縦枠材１２の基片
２０に当接させボルト止めすることにより、コー
ナパネルを形成できる。従つて、第３〜４図に示
した、横長枠組Ａの側片Ｂに、横短枠組Ｃの基片
Ｄをボルト止めする場合に比べて、コーナパネル
の短辺の長さを同一としたときには、横短枠組３
の縦枠材１４，１５間の間隙Ｇ１を大に形成で
き、従つてスポツト溶接機等の前記間隙Ｇ１への
挿入を容易とし、横短枠組３の生産性を高める。
又側片２４，２５を、他の枠材と同一とすること
もでき、横短枠組３の強度を高めかつ枠材在庫の
手間を除く。

又、従来の、横短枠組Ｃを平行移動により、横
長枠組Ａの他端に位置換えさせるときには、第４
図に示すごとく、２列の透孔Ｋ，Ｋが必要である
のに比べて、本考案のコーナパネルでは、１列の
孔部３２によつて左右勝手違いに組立てうる。

又各横長枠組２、横短枠組３には、夫々面材
４，５，６を予め添設させておくこともでき、平
板状のパネル体として生産できかつ保管しうるた
め、製造能率を向上しかつ保管、運搬等の手間を
低減できる。

〔考案の効果〕

このように本考案のコーナパネルは、横短枠組
の縦枠材間の間隙の増大に役立ち生産性を高める
とともに、在庫、運搬等の手間を低減できかつ強
固なパネル体が形成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図はその斜視図、第３図は従来構造を例示する断
面図、第４図はその要部を示す斜視図である。 ２……横長枠組、３……横短枠組、４，５，６
……面材、１０，１１……横枠材、１２，１５…
…縦枠材、２０，２１……基片、２２，２５……
側片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下に配する横枠材の両端に、基片両側縁に側
   片を設けた溝形鋼からなりかつ溝部を内に向けた
   縦枠材が架け渡されかつ横長さが大なる横長枠組
   と該横長枠組に比して横長さが小なる横短枠組と
   を、横短枠組の１つの縦枠材の基片の外面に横長
   枠組の１つの縦枠材の側片の外面を揃えてかつ横
   短枠組の前記１つの縦枠材の前記側片と横長枠組
   の前記１つの縦枠材の基片とを当接させかつボル
   ト止めすることにより結合するとともに、結合に
   より出隅に連なる横長枠組および横短枠組の各外
   面と、横短枠組の前記１つの縦枠材の前記基片の
   外面とに、夫々面材を添設してなるコーナパネ
   ル。